JP4983089B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止する車線逸脱防止装置に関する。
特許文献1に開示の車線逸脱防止制御では、自車両が走行車線を逸脱する可能性がある場合に、左右車輪に制動力差を付与し、自車両にヨーモーメントを付与することで、自車両が走行車線から逸脱することを防止している。
特開2000−33860号公報
ここで、前記特許文献1に開示の車線逸脱防止制御では、走行車線をなす車線区分線の車線認識デバイスにカメラを用いている。なお、車線区分線(物も含む)には、実線の白線、破線の白線、ボッツドッツ(車線区分線を示すために道路に打たれた鋲)等がある。
しかし、車線区分線の認識デバイスとしてのカメラが車線区分線を認識が困難となる場合がある。例えば、車線逸脱防止制御中は、自車両にヨーモーメントが付与されるので、自車両が回転運動することで、カメラによる車線区分線の認識が一時的に困難になる場合がある。
そして、車線区分線を正確に認識できないと、車線区分線の誤認識や検出遅れにより、車線逸脱防止制御で制御目標となる車線区分線に対する自車両のヨー角を正確に検出できなくなる。
本発明の課題は、車線区分線に対する自車両のヨー角を的確に検出できるようにすることである。
前記課題を解決するために、本発明は、走行車線に対する自車両のヨー角に基づいて、前記走行車線から自車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を行う車線逸脱防止装置において、前記走行車線を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した走行車線に対する自車両のヨー角を取得する第1ヨー角取得手段と、前記走行車線から自車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を行う制御手段と、自車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、前記車線逸脱防止制御開始時に前記第1ヨー角取得手段が取得したヨー角である基準ヨー角に、前記ヨーレイト検出手段が検出したヨーレイトの積分値を加算してヨー角を取得する第2ヨー角取得手段と、前記撮像手段による走行車線の撮像状態の低下を推定する撮像状態推定手段と、を備え、前記撮像状態推定手段は、前記車線逸脱防止制御が行われた場合、前記撮像状態が低下しているか否かを推定する際に用いるしきい値を、前記撮像状態が低下していると推定し易くなる方向に補正し、前記制御手段は、前記撮像状態推定手段が前記撮像状態が低下すると推定した場合、前記第2ヨー角取得手段が取得したヨー角を用いて前記車線逸脱防止制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、撮像して得た走行車線に対する自車両のヨー角の他に、基準ヨー角に自車両のヨーレイトの積分値を加算して得た自車両のヨー角を用いることで、走行車線が認識しづらいような場合でも、該走行車線に対する自車両のヨー角を的確に検出できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
(構成)
実施形態は、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図1は、本実施形態を示す概略構成図である。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
制動流体圧制御部7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御部を利用したものである。制動流体圧制御部7は、単独で各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御することも可能であるが、後述する制駆動力コントロールユニット8から制動流体圧指令値が入力されたときには、その制動流体圧指令値に応じて制動流体圧を制御するようにもなっている。
例えば、制動流体圧制御部7は、液圧供給系にアクチュエータを含んで構成されている。アクチュエータとしては、各ホイールシリンダ液圧を任意の制動液圧に制御可能な比例ソレノイド弁が挙げられる。
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御したりすることで、エンジン9の運転状態を制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
なお、駆動トルクコントロールユニット12は、単独で後輪5RL,5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、制駆動力コントロールユニット8から駆動トルク指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値に応じて駆動輪トルクを制御するようにもなっている。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。例えば、撮像部13は、CCD(ChargeCoupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。撮像部13は車両前部に設置されている。
撮像部13は、自車両前方の撮像画像から走行車線をなす車線区分線を検出し、その検出したレーンマーカに基づいて走行車線を検出している。ここで、検出対象となる車線区分線(物も含む)には、実線の白線、破線の白線、ボッツドッツ等がある。
さらに、撮像部13は、その検出した走行車線に基づいて、自車両の走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角(ヨー角)φr、走行車線中央からの横変位X及び走行車線曲率β等を算出する。撮像部13は、算出したこれらヨー角φr、横変位X及び走行車線曲率β等を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
なお、本発明においては画像処理以外の検出手段で車線区分線を検出するものであっても良い。例えば、車両前方に取り付けられた複数の赤外線センサにより車線区分線を検出し、その検出結果に基づいて走行車線を検出しても良い。
また、本発明は走行車線を車線区分線に基づいて決定する構成に限定されるものではない。すなわち、走行車線を認識させるための車線区分線が走路上にない場合、画像処理や各種センサによって得られる道路形状や周囲環境等の情報から、自車両が走行に適した走路範囲や、運転者が自車両を走行させるべき走路範囲を推測し、走行車線として決定しても良い。例えば、走路上に車線区分線がなく、道路の両側ががけになっている場合には、走路のアスファルト部分を走行車線として決定する。また、ガードレールや縁石等がある場合は、その情報を考慮して走行車線を決定すれば良い。
また、走行車線曲率βを後述のステアリングホイール21の操舵角δに基づいて算出しても良い。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、自車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は自車両に発生するヨーレイトφ´を検出する。ナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレイトφ´を、道路情報とともに、制駆動力コントロールユニット8に出力する。ここで、道路情報としては、車線数や一般道路か高速道路かを示す道路種別情報がある。
なお、専用のセンサにより各値を検出するようにしても良い。すなわち、加速度センサにより前後加速度Yg及び横加速度Xgを検出し、ヨーレイトセンサによりヨーレイトφ´を検出するようにしても良い。
また、この車両には、レーザ光を前方に掃射して先行障害物からの反射光を受光することで、自車両と前方障害物との間の距離等を計測するためのレーダ16が設けられている。
そして、レーダ16は、前方障害物の位置の情報を制駆動力コントロールユニット8に出力する。レーダ16による検出結果は、追従走行制御(クルーズコントロール)や追突速度低減ブレーキ装置等における処理のために使用される。
また、この車両には、マスタシリンダ3の出力圧、すなわちマスタシリンダ液圧Pmf,Pmrを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、すなわちアクセル開度θtを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角(ステアリング舵角)δを検出する操舵角センサ19、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20、及び各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi(i=fl,fr,rl,rr)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RRが設けられている。そして、これらセンサ等が検出した検出信号は制駆動力コントロールユニット8に出力される。
なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、いずれも右方向を正方向とする。すなわち、ヨーレイトφ´、横加速度Xg及びヨー角φrは、右旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から右方にずれているときに正値となる。また、前後加速度Ygは、加速時に正値となり、減速時に負値となる。
次に、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理を説明する。
図2は、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理手順を示す。演算処理は、例えば10msec.毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、図2に示す処理内には通信処理を設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
図2に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1において、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データを読み込む。具体的には、ナビゲーション装置14が得た前後加速度Yg、横加速度Xg、ヨーレイトφ´及び道路情報、各センサが検出した、各車輪速度Vwi、操舵角δ、アクセル開度θt、マスタシリンダ液圧Pmf,Pmr及び方向スイッチ信号、並びに駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTw、撮像部13からのヨー角φr、横変位X及び走行車線曲率βを読み込む。
続いてステップS2において、車速Vを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだ車輪速度Vwiに基づいて、下記(1)式により車速Vを算出する。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
また、このように算出した車速Vは好ましくは通常走行時に用いる。例えば、ABS(Anti-lock Brake System)制御等が作動している場合には、そのABS制御内で推定している推定車体速度を前記車速Vとして用いるようにする。また、ナビゲーション装置14でナビゲーション情報に利用している値を車速Vとして用いても良い。
続いてステップS3において、後処理のステップS4の車線逸脱傾向判定で用いる車線逸脱傾向判定で用いるヨー角(以下、車線逸脱傾向判定用ヨー角という。)を設定しており、具体的には、図3に示す処理手順により車線逸脱傾向判定用ヨー角を設定する。
図3に示すように、処理を開始すると、先ずステップS11において、前記ステップS1で読み込んだ走行車線曲率β、横加速度Xg及びヨーレイトφ´を用いて、下記(2)式により、カメラ認識状態判定用値Sを算出する。
=N/(β・Xg・φ´) ・・・(2)
ここで、Nは、実線の白線、破線の白線、ボッツドッツ等の車線区分線(物を含む)の種別に対応した値である。この区分線種別対応値Nは、実線の白線、破線の白線、ボッツドッツの順番で次第に値が小さくなる。なお、ボッツドッツは、走行車線を認識するために道路に打ちつけられた鋲である。
この(2)式によれば、区分線種別対応値Nが大きくなるほど、カメラ認識状態判定用値Sは大きくなり、走行車線曲率β、横加速度Xgやヨーレイトφ´が小さくなるほど、カメラ認識状態判定用値Sは大きくなる。
続いてステップS12において、逸脱判断フラグFoutがONか否かを判定する。逸脱判断フラグFoutは、後処理となるステップS4で設定される値であり、よって、ここで判定で用いる逸脱判断フラグFoutは、前回処理時の逸脱判断フラグFoutである。なお、逸脱判断フラグFoutがONに設定される場合とは、車線逸脱傾向がある場合であり、逸脱判断フラグFoutがOFFに設定される場合とは、車線逸脱傾向がない場合である。
ここで、逸脱判断フラグFoutがONの場合(Fout=ON)、ステップS13に進み、そうでない場合(Fout=OFF)、ステップS14に進む。
ステップS13では、カメラ認識状態判定用しきい値Wthを増加補正させるために、カメラ認識状態判定用しきい値Wthに加算値Wf0を加算する(Wth=Wth+Wf0)。そして、ステップS14に進む。
ステップS14では、前記ステップS11で算出したカメラ認識状態判定用値Sとカメラ認識状態判定用しきい値Wthとを比較する。前記ステップS13が実施されていれば、カメラ認識状態判定用しきい値Wthは増加補正された値になる(Wth=Wth+Wf0)。ここで、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth未満の場合(S<Wth)、ステップS15に進み、そうでない場合(S≧Wth)、ステップS16に進む。
ステップS15では、カメラ認識状態判断フラグNを1に設定し(N=1)、その後、ステップS17に進み、ステップS16では、カメラ認識状態判断フラグNを0に設定し(N=0)、その後、ステップS17に進む。
ステップS17では、カメラ認識状態判断フラグNが1か否かを判定する。ここで、カメラ認識状態判断フラグNが1の場合(N=1)、ステップS18に進み、そうでない場合(N=0)、ステップS19に進む。
ステップS18では、前回処理時のカメラ認識状態判断フラグNfz1が0か否かを判定する。ここで、前回処理時のカメラ認識状態判断フラグNfz1が0の場合(Nfz1=0)、ステップS20に進み、そうでない場合(Nfz1=1)、ステップS21に進む。
ステップS20では、車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに撮像部13から得たヨー角(以下、ヨー角検出値という。)φrを設定する(φc=φr)。そして、当該図3に示す処理を終了する(ステップS3を終了してステップS4に進む)。
ステップS21では、車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを下記(3)式により算出する。
φc=φcz1+φ´・(tnow−tz1) ・・・(3)
ここで、φcz1は、前回処理時の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcである。また、tnowは、車線逸脱傾向判定用ヨー角φcの設定時(今回処理時)の時刻であり、tz1は、前回処理時の時刻であり、すなわち、tnow−tz1はサンプリング時間である。これにより、前回処理時の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに、サンプリング時間を考慮したヨー角(φ´・(tnow−tz1))を加算した値として今回の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを得ている。このステップS21で設定した車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを、以下では、補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcという。そして、当該図3に示す処理を終了する(ステップS3を終了してステップS4に進む)。
一方、カメラ認識状態判断フラグNが1の場合に進むステップS19では、車線逸脱傾向判定用ヨー角φcにヨー角検出値φrを設定する(φc=φr)。このステップS20で設定した車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを、以下では、補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φcという。そして、当該図3に示す処理を終了する(ステップS3を終了してステップS4に進む)。
続いてステップS4において、車線逸脱傾向の判定を行う。
図4は、この判定処理の処理手順を示す。また、図5には、この処理で用いる値の定義を図示している。
図4に示すように、先ずステップS31において、所定時間T後の車両重心横位置の推定横変位Xsを算出する。具体的には、車線逸脱傾向判定用ヨー角φc、走行車線曲率β及び現在の車両の横変位X0、及び前記ステップS2で得た車速Vを用いて、下記(4)式により推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt・V・(φc+Tt・V・β)+X0 ・・・(4)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、この車頭時間Ttに自車速Vを乗じると前方注視点距離になる。すなわち、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsとなる。
ここで、(4)式の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcは、前記ステップS3で設定した補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φc又は補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φcである。この(4)式によれば、車線逸脱傾向判定用ヨー角φcが大きくなるほど、推定横変位Xsは大きくなる。
続いてステップS32において、逸脱判定をする。具体的には、推定横変位Xsと所定の逸脱傾向判定用しきい値Xとを比較する。
ここで、逸脱傾向判定用しきい値Xは、一般的に車両が車線逸脱傾向にあると把握できる値であり、実験等で得る。例えば、逸脱傾向判定用しきい値Xは、走行路の境界線の位置を示す値であり、下記(5)式により算出する。
=(L−H)/2 ・・・(5)
ここで、Lは車線幅であり、Hは車両の幅である。車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理することで得ている。また、ナビゲーション装置14から車両の位置を得たり、ナビゲーション装置14の地図データから車線幅Lを得たりしても良い。
なお、図5において、逸脱傾向判定用しきい値Xは、自車両の走行車線内に設定されているが、本発明はこれに限らず、走行車線の外側に設定されていても良い。また、自車両が走行車線から逸脱する前に逸脱傾向判定されるものに限らず、例えば車輪の少なくとも1つが車線から逸脱した後に逸脱傾向判定されるように、逸脱傾向判定用しきい値Xが設定されても良い。
このステップS32において、推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値X以上の場合(|Xs|≧X)、車線逸脱傾向ありと判定し、推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値X未満の場合(|Xs|<X)、車線逸脱傾向なしと判定する。
続いてステップS33において、逸脱判断フラグFoutを設定する。すなわち、前記ステップS32において、車線逸脱傾向ありと判定した場合(|Xs|≧X)、逸脱判断フラグFoutをONにする(Fout=ON)。また、前記ステップS32において、車線逸脱傾向なしと判定した場合(|Xs|<X)、逸脱判断フラグFoutをOFFにする(Fout=OFF)。
このステップS32及びステップS33の処理により、例えば自車両が車線中央から離れていき、推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値X以上になったとき(|Xs|≧X)、逸脱判断フラグFoutがONになる(Fout=ON)。また、自車両(Fout=ONの状態の自車両)が車線中央側に復帰していき、推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値X未満になったとき(|Xs|<X)、逸脱判断フラグFoutがOFFになる(Fout=OFF)。例えば、車線逸脱傾向がある場合に、後述する逸脱回避のための制動制御が実施されたり、或いは運転者自身が回避操作したりすれば、逸脱判断フラグFoutがONからOFFになる。
続いてステップS34において、横変位Xに基づいて逸脱方向Doutを判定する。具体的には、車線中央から左方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにし(Dout=left)、車線中央から右方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにする(Dout=right)。
以上のようにステップS4において車線逸脱傾向を判定する。
続いてステップS5において、運転者の車線変更の意思を判定する。具体的には、前記ステップS1で得た方向スイッチ信号及び操舵角δに基づいて、次のように運転者の車線変更の意思を判定する。
方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS4で得た逸脱方向Doutが示す方向とが同じである場合、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。すなわち、車線逸脱傾向なしとの判定結果に変更する。
また、方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS4で得た逸脱方向Doutが示す方向とが異なる場合、逸脱判断フラグFoutを維持し、逸脱判断フラグFoutをONのままにする(Fout=ON)。すなわち、車線逸脱傾向ありとの判定結果を維持する。
また、方向指示スイッチ20が操作されていない場合には、操舵角δに基づいて運転者の車線変更の意思を判定する。すなわち、運転者が逸脱方向に操舵している場合において、その操舵角δとその操舵角の変化量(単位時間当たりの変化量)Δδとの両方が設定値以上のときには、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。
なお、操舵トルクに基づいて運転者の意思を判定しても良い。
このように、逸脱判断フラグFoutがONである場合において運転者が意識的に車線変更していないときには、逸脱判断フラグFoutをONに維持している。
続いてステップS6において、前記逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱防止のための警報として、音出力又は表示出力をする。
なお、後述するように、逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱防止制御として自車両へのヨーモーメント付与を開始するから、この自車両へのヨーモーメント付与と同時に当該警報出力がされる。しかし、警報の出力タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、前記ヨーモーメント付与の開始タイミングよりも早くしても良い。
続いてステップS7において、車線逸脱防止制御として車両に付与する目標ヨーモーメントMsを算出する。
具体的には、前記ステップS4で得た推定横変位Xsと横変位限界距離Xとに基づいて下記(6)式により目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K1・K2・(|Xs|−X) ・・・(6)
ここで、K1は車両諸元から決まる比例ゲインであり、K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図6はそのゲインK2の例を示す。図6に示すように、例えばゲインK2は、低速域で大きい値になり、車速Vがある値になると、車速Vの増加に対して減少し、その後ある車速Vに達すると小さい値で一定値となる。
この(6)式によれば、推定横変位Xsと横変位限界距離Xとの差分が大きくなるほど、目標ヨーモーメントMsは大きくなる。
また、目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFoutがONの場合に算出され、目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合に0に設定される。
続いてステップS8において、各車輪の目標制動液圧を算出する。すなわち、車線逸脱防止制御の実施有無に基づいて最終的な制動液圧を算出する。具体的には次のように算出する。
逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、すなわち車線逸脱傾向がないとの判定結果を得た場合、下記(7)式及び(8)式に示すように、各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動液圧Pmf,Pmrにする。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(7)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(8)
ここで、Pmfは前輪用の制動液圧である。また、Pmrは後輪用の制動液圧であり、前後配分を考慮して前輪用の制動液圧Pmfに基づいて算出した値になる。例えば、運転者がブレーキ操作をしていれば、制動液圧Pmf,Pmrはそのブレーキ操作の操作量に応じた値になる。
一方、逸脱判断フラグFoutがONの場合、すなわち車線逸脱傾向があるとの判定結果を得た場合、前記ステップS7で算出した目標ヨーモーメントMsに基づいて、前輪目標制動液圧差ΔPsf及び後輪目標制動液圧差ΔPsrを算出する。具体的には、下記(9)式〜(12)式により目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsrを算出する。
|Ms|<Ms1の場合
ΔPsf=0 ・・・(9)
ΔPsr=Kbr・|Ms|/T ・・・(10)
|Ms|≧Ms1の場合
ΔPsf=Kbf・(|Ms|−Ms1)/T ・・・(11)
ΔPsr=Kbr・Ms1/T ・・・(12)
ここで、Ms1は設定用しきい値を示す。また、Tはトレッドを示す。なお、このトレッドTは、簡単のため前後で同じ値にする。また、Kbf,Kbrは、制動力を制動液圧に換算する場合の前輪及び後輪についての換算係数であり、ブレーキ諸元により定まる。
このように、目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて車輪で発生させる制動力の配分を決定している。すなわち、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1未満のときには、前輪目標制動液圧差ΔPsfを0として、後輪目標制動液圧差ΔPsrに所定値を与えて、左右後輪で制動力差を発生させるようにし、また、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1以上のときには、各目標制動液圧差ΔPsr,ΔPsrに所定値を与え、前後左右輪で制動力差を発生させるようにしている。
そして、逸脱判断フラグFoutがONの場合には、算出した目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsrを用いて、逸脱方向Doutに基づいて、最終的な各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。すなわち、逸脱方向Doutがleftの場合(Dout=left)、すなわち左側車線に対して車線逸脱傾向がある場合、下記(13)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(13)
また、逸脱方向Doutがrightの場合(Dout=right)、すなわち右側車線に対して車線逸脱傾向がある場合、下記(14)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf+ΔPsf
Psfr=Pmf
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
・・・(14)
この(13)式及び(14)式によれば、車線逸脱回避側の車輪の制動力が大きくなるように、左右輪の制動力差が発生する。
また、この(13)式及び(14)式が示すように、運転者によるブレーキ操作、すなわち制動液圧Pmf,Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。そして、制駆動力コントロールユニット8は、このようにして算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する。
(動作)
動作は次のようになる。
車両走行中、各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、車速Vを算出し(前記ステップS2)、車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを設定(選択)する(前記ステップS3)。続いて、設定した車線逸脱傾向判定用ヨー角(補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角又は補正車線逸脱傾向判定用ヨー角)φcに基づいて、将来の推定横変位(逸脱推定値)Xsを算出するとともに、算出した推定横変位Xsに基づいて車線逸脱傾向の判定(逸脱判断フラグFoutの設定)を行い(前記ステップS4)、その車線逸脱傾向の判定結果(逸脱判断フラグFout)を、運転者の車線変更の意思に基づいて修正する(前記ステップS5)。そして、車線逸脱傾向の判定結果に基づいて、警報出力を行う(前記ステップS6)。
続いて、推定横変位Xsと横変位限界距離Xとに基づいて目標ヨーモーメントMsを算出するとともに(前記ステップS7)、逸脱判断フラグFoutの状態に基づいて、目標ヨーモーメントMsに基づく各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)の算出を行い、算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧制御部7に出力する(前記ステップS8)。これにより、自車両の車線逸脱傾向に応じて自車両にヨーモーメントが付与される。
(作用及び効果)
次に作用及び効果を説明する。
前述のように、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth未満の場合(前記ステップS14の判定で“Yes”の場合)、カメラ認識状態判断フラグNを1に設定するとともに(N=1、前記ステップS15)、前回処理時のカメラ認識状態判断フラグNfz1が0であれば(前記ステップS17の判定で“Yes”の場合、前記ステップS18の判定で“Yes”の場合)、今回使用する車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに撮像部13から得たヨー角検出値φrを設定している(前記ステップS20)。そして、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth未満の場合に(前記ステップS14の判定で“Yes”の場合)、前回処理時のカメラ認識状態判断フラグNfz1が1であれば(前記ステップS18の判定で“No”の場合)、前回処理時の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcにサンプリング時間を考慮したヨー角(φ´・(tnow−tz1))を加算した値として今回使用する車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを得ている(前記ステップS21)。
これにより、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth未満になった時点から、撮像部13から得たヨー角検出値φrを初期値として、サンプリング時間を考慮したヨー角(φ´・(tnow−tz1))を加算して車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを補正していく。すなわち、初期値であるヨー角検出値φrに、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth未満である期間分のヨーレイトφ´の積分値を加算して、車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを算出する。なお、このとき用いるヨーレイトφ´は、各処理時に得られる値でも良く、固定値、例えば補正を開始した時点(初期値としてヨー角検出値φrを設定した時点)の値でも良い。
一方、そのカメラ認識状態判定用値Sを区分線種別対応値N、走行車線曲率β、横加速度Xg及びヨーレイトφ´に基づいて算出しており(前記(2)式参照)、カメラ認識状態判定用値Sは、区分線種別対応値Nが小さくなるほど、又は走行車線曲率β、横加速度Xgやヨーレイトφ´が大きくなるほど、小さくなる。すなわち、走行車線曲率β、横加速度Xgやヨーレイトφ´が大きくなったり、区分線種別対応値Nが小さくなったりすることで(車線区分線が、実線の白線、破線の白線、ボッツドッツの順番のうち、後の順番になるほど)、撮像部13による車線区分線の認識度が低くなっていると予測される場合、カメラ認識状態判定用値Sを小さくしている。
よって、車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを補正する条件となる、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth未満の場合とは、撮像部13による車線区分線の認識度がある程度低くなっている可能性が高い場合であり、このような場合、撮像部13から得たヨー角検出値φrを初期値として、サンプリング時間を考慮したヨー角(φ´・(tnow−tz1))を加算して車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを補正していることになる。そして、この車線逸脱傾向判定用ヨー角(補正車線逸脱傾向判定用ヨー角)φcに基づいて車線逸脱判定をしている。
その一方で、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth以上の場合(前記ステップS14の判定で“No”の場合)、すなわち、撮像部13による車線区分線の認識度が高いと予測される場合には、撮像部13から得たヨー角検出値φrである車線逸脱傾向判定用ヨー角φc(前記ステップS19、補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φc)に基づいて、車線逸脱判定をしている。
なお、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth未満になった後、カメラ認識状態判定用値Sが認識状態判定用しきい値Wth以上になれば、補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに基づく車線逸脱判定から、補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに基づく車線逸脱判定に切り換わる。
例えば、図7(a)に示すように、車線区分線が実線の白線101の場合には、撮像部13が実線の白線101を検出して得たヨー角検出値φrを逸脱傾向判定用ヨー角(補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角)φcとして、車線逸脱判定をするようになり、図7(b)に示すように、車線区分線がボッツドッツ102の場合には、前記ヨーレイトφ´に基づいて推定した車線逸脱傾向判定用ヨー角(補正車線逸脱傾向判定用ヨー角)φcに基づいて車線逸脱判定をするようになる。
以上より、撮像部13による車線区分線の認識度が低くなっているような場合の車線区分線の誤認識や検出遅れを防止することができ、適切な制御量やタイミングで車線逸脱防止制御を行うことができる。
また、車線逸脱傾向がある場合(Fout=ON)、すなわち車線逸脱防止制御を行っている場合には、カメラ認識状態判定用しきい値Wthを増加補正している(前記ステップS12の判定で“Yes”の場合、ステップS13)。これにより、車線逸脱防止制御を行っている場合、カメラ認識状態判定用値Sがカメラ認識状態判定用しきい値Wth未満になるとの判定結果になり易くして(前記ステップS14)、補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに基づく車線逸脱判定を行うようにしている。このようにすることで、車線逸脱防止制御により自車両にヨーモーメントを付与したことで、撮像部13による車線区分線の認識度が低くなっている可能性が高いとして、撮像部13から得たヨー角検出値φrではなく、補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに基づく車線逸脱判定を行い、撮像部13による車線区分線の認識度が低くなっているような場合の車線区分線の誤認識や検出遅れを防止して、適切な制御量やタイミングで車線逸脱防止制御を行うことができる。
以上、本発明の実施形態を説明した。しかし、本発明は、次のような構成により実施形態として実現しても良い。
すなわち、図8に示すような処理手順により車線逸脱防止制御を行っても良い。すなわち、ステップS12において、逸脱判断フラグFoutがONか否かを判定し、逸脱判断フラグFoutがONの場合(Fout=ON)、ステップS15に進み、そうでない場合(Fout=OFF)、ステップS16に進む。ステップS15では、前記実施形態と同様に、カメラ認識状態判断フラグNを1に設定し(N=1)、ステップS16では、前記実施形態と同様に、カメラ認識状態判断フラグNを0に設定する。すなわち、逸脱判断フラグFoutを判定した後、カメラ認識状態判定用値Sとカメラ認識状態判定用しきい値Wthとの関係にかかわらず、カメラ認識状態判断フラグNを設定する。そして、逸脱判断フラグFoutがONの場合(Fout=ON)、カメラ認識状態判断フラグNを1に設定することで、補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに基づく車線逸脱判定を行っている。なお、この場合、前記車線逸脱防止制御開始時に撮像部13から得たヨー角検出値φrを初期値として、補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを算出する(ステップS20、ステップS21)。
これにより、車線逸脱防止制御により自車両にヨーモーメントを付与したことで、カメラ認識状態判定用値Sの大きさにかかわらず、撮像部13による車線区分線の認識度が低くなっている可能性が高いとして、補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに基づく車線逸脱判定を行い、撮像部13による車線区分線の認識度が低くなっているような場合の車線区分線の誤認識や検出遅れを防止して、適切な制御量やタイミングで車線逸脱防止制御を行うことができる。
また、前記実施形態では、カメラ認識状態判断フラグNが1の場合、すなわち、撮像部13による車線区分線の認識度が低くなっていると予測される場合、補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φcから補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに切り換えている。これに対して、撮像部13による車線区分線の認識度が低くなっていると予測される場合、今回値の補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φcと今回値の補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcとのうち、前回値の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに対する差分が小さい方の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcを用いて、車線逸脱判定を行うこともできる。これにより、逸脱傾向判定用ヨー角φが極端に大きくなること或いは不連続になることを防止することができ、例えば、車線逸脱防止制御が急激に変化してしまうのを防止できる。
なお、今回の補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φcと補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcとのうち、前回値の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに対する差分が小さい方を選択するための手法は、前回値の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに対する今回値の補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φcの差分と前回値の車線逸脱傾向判定用ヨー角φcに対する今回値の補正車線逸脱傾向判定用ヨー角φcの差分とを比較する比較手段を備えることで実現できる。
また、前記実施形態では、ヨー角の検出値(φr、補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φc)と、いわゆるヨー角の検出値をヨーレイトで補正したヨー角(補正なし車線逸脱傾向判定用ヨー角φc)とにより、車線逸脱防止制御として、車線逸脱判定している。これに対して、車線逸脱防止制御の制御量を算出することもできる。すなわち例えば、撮像部13による車線区分線の認識度が高いと予測される場合には、ヨー角の検出値に基づいて、車線逸脱防止制御におけるヨーモーメントを算出し、撮像部13による車線区分線の認識度が低いと予測される場合には、ヨー角の検出値に基づいて、車線逸脱防止制御におけるヨーモーメントを算出し、ヨー角の検出値をヨーレイトで補正したヨー角に基づいて、車線逸脱防止制御におけるヨーモーメントを算出するといったようにである。
なお、前記実施形態の説明において、撮像部13は、走行車線を撮像する撮像手段及び前記撮像手段が撮像した走行車線に対する自車両のヨー角を取得する第1ヨー角取得手段を実現しており、ナビゲーション装置14又はヨーレイトセンサは、自車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段を実現しており、制駆動力コントロールユニット8のステップS21の処理は、基準ヨー角に前記ヨーレイト検出手段が検出したヨーレイトの積分値を加算してヨー角を取得する第2ヨー角取得手段を実現しており、制駆動力コントロールユニット8のステップS4〜ステップS8の処理は、前記第1及び第2ヨー角取得手段が取得したヨー角に基づいて、走行車線から自車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を行う制御手段を実現している。
また、前記実施形態の説明において、制駆動力コントロールユニット8のステップS11及びステップS14の処理は、前記撮像手段による走行車線の撮像状態の低下を推定する撮像状態推定手段を実現しており、制駆動力コントロールユニット8のステップS13の処理は、車線逸脱防止制御が行われた場合、所定のしきい値を前記ヨー角判定用値に近づける補正をする補正手段を実現している。
また、前記実施形態は、基準ヨー角に自車両のヨーレイト検出値の積分値を加算して得た自車両のヨー角により、撮像して得た走行車線に対する自車両のヨー角を補正し、補正したヨー角に基づいて、走行車線から自車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を行うことを実現している。
本発明の実施形態の車両示す概略構成図である。 車両が搭載する車線逸脱防止装置のコントロールユニットの処理内容を示すフローチャートである。 前記コントロールユニットによる車線逸脱傾向判定用ヨー角の設定(選択)の処理内容を示すフローチャートである。 前記コントロールユニットによる車線逸脱傾向の判定の処理内容を示すフローチャートである。 推定横変位Xsや逸脱傾向判定用しきい値Xの説明に使用した図である。 車速VとゲインK2との関係を示す特性図である。 本発明の作用及び効果の説明に使用した図である。 前記コントロールユニットによる車線逸脱傾向判定用ヨー角の設定(選択)の他の処理内容を示すフローチャートである。
符号の説明
6FL〜6RR ホイールシリンダ、7 制動流体圧制御部、8 制駆動力コントロールユニット、9 エンジン、12 駆動トルクコントロールユニット、13 撮像部、14 ナビゲーション装置、16 レーダ、17 マスタシリンダ圧センサ、18 アクセル開度センサ、19 操舵角センサ、22FL〜22RR 車輪速度センサ

Claims (3)

  1. 走行車線を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段が撮像した走行車線に対する自車両のヨー角を取得する第1ヨー角取得手段と、
    前記走行車線から自車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を行う制御手段と、
    自車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、
    前記車線逸脱防止制御開始時に前記第1ヨー角取得手段が取得したヨー角である基準ヨー角に、前記ヨーレイト検出手段が検出したヨーレイトの積分値を加算してヨー角を取得する第2ヨー角取得手段と、
    前記撮像手段による走行車線の撮像状態の低下を推定する撮像状態推定手段と、を備え、
    前記撮像状態推定手段は、前記車線逸脱防止制御が行われた場合、前記撮像状態が低下しているか否かを推定する際に用いるしきい値を、前記撮像状態が低下していると推定し易くなる方向に補正し、
    前記制御手段は、前記撮像状態推定手段が前記撮像状態が低下すると推定した場合、前記第2ヨー角取得手段が取得したヨー角を用いて前記車線逸脱防止制御を行うことを特徴とする車線逸脱防止装置。
  2. 前記車線逸脱防止制御で用いた前回値のヨー角に対する前記第1ヨー角取得手段が取得したヨー角の差分と、前記前回値のヨー角に対する前記第2ヨー角取得手段が取得したヨー角の差分とを比較する比較手段を備え、前記制御手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記第1ヨー角取得手段が取得したヨー角及び前記第2ヨー角取得手段が取得したヨー角のうちの前記差分が小さい方のヨー角に基づいて、今回の前記車線逸脱防止制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
  3. 前記第1ヨー角取得手段は、前記撮像手段が撮像した車線区分線に基づいて、走行車線に対する自車両のヨー角を取得しており、前記制御手段は、前記撮像手段による車線区分線の認識が困難になる場合、前記第1ヨー角取得手段が取得したヨー角よりも前記第2ヨー角取得手段が取得したヨー角の方を優先的に用いて、前記車線逸脱防止制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の車線逸脱防止装置。
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