JP4894217B2 - 車線逸脱防止装置及びその方法 - Google Patents
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Description
本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、車線区分線の検出精度が低い状況下でも、的確な車線逸脱防止制御を可能にする車線逸脱防止装置及びその方法の提供を目的とする。
第1の実施形態は、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、この制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能になっている。
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御したりすることで、エンジン9の運転状態を制御する。この駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。撮像部13は、自車両前方を撮像するように設置されたCCD(ChargeCoupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。この撮像部(フロントカメラ)13は車両前部に設置されている。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、自車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は自車両に発生するヨーレイトφ´を検出する。このナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレイトφ´を、道路情報とともに、制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、自車両と前方障害物との間の距離等を計測するレーダ16が設けられている。レーダ16は、レーザ光を前方に掃射して先行障害物からの反射光を受光して、自車両と前方障害物との間の距離等を計測する。そして、レーダ16は、その計測結果を制駆動力コントロールユニット8に出力する。このレーダ16による計測結果は、ACCや追突速度低減ブレーキ装置等の処理のために使用される。
先ず、ステップS21において、撮像部13が遠方の白線まで撮像可能か否かを判定する。例えば、撮像部13が自車両から前方の所定距離以上のところで、白線を検出できれば、撮像部13が遠方の白線まで撮像可能と判定する。ここで、撮像部13が遠方の白線を撮像可能な場合、ステップS22に進み、撮像部13が遠方の白線を撮像できない場合、ステップS23に進む。
ステップS23では、撮像部13が撮像した近傍の白線に基づいて、ヨー角φfrontを算出する。例えば、前記ステップS1で読み込んだ横変位Xfrontを用いて、下記(1)式によりヨー角φfrontを算出する。
φfront=tan−1(V/dX´(=dY/dX)) ・・・(1)
そして、当該図3に示す処理(ステップS2の処理)を終了する。
なお、近傍の白線に基づいてヨー角φfrontを算出する場合、前記(1)式のように、横変位Xを用いてヨー角φfrontを算出することに限定されるものではない。例えば、近傍で検出した白線を遠方に延長して、その延長した白線に基づいて、ヨー角φfrontを算出しても良い。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(2)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(2)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
続いてステップS4において、推定横変位を算出する。具体的には、前記ステップS1で得た走行車線曲率β及び現在の車両の横変位Xfront、前記ステップS2で得たヨー角φfront、並びに前記ステップS3で得た車速Vを用いて、下記(3)式により推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt・V・(φfront+Tt・V・β)+Xfront ・・・(3)
この(3)式によれば、ヨー角φfrontが大きくなるほど、推定横変位Xsが大きくなる。
続いてステップS7において、実際の走行状態に基づいて、車線逸脱回避制御として自車両に付与するヨーモーメント(以下、基準ヨーモーメントという。)Ms0を算出する。
Ms0=K1・K2・K3・(|Xs|−XL) ・・・(4)
ここで、K1は車両諸元から決まる比例ゲインであり、K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図6はそのゲインK2の例を示す。図6に示すように、例えばゲインK2は、低速域で大きい値になり、車速Vがある値になると、車速Vと反比例の関係となり、その後ある車速Vに達すると小さい値で一定値となる。
また、逸脱判断フラグFoutがONの場合に基準ヨーモーメントMs0を前記(4)式により算出するものとし、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、基準ヨーモーメントMs0を0に設定する。
具体的には、前記ステップS5で推定した白線の検出精度(推定値)が低くなるほど、前記戻り時間Tretを短くすることで、基準ヨーモーメントMs0を大きく補正する(前記(4)式参照)。そして、補正後の値を補正基準ヨーモーメントMshとする。
逸脱傾向判定用しきい値(横変位限界距離)XLは、一般的に車両が車線逸脱傾向にあると把握できる値であり、経験値、実験値等として得る。例えば、逸脱傾向判定用しきい値XLは、走行車線の境界線の位置を示す値であり、下記(5)式により算出される。
XL=(L−H)/2 ・・・(5)
そして、推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値XL以上の場合(|Xs|≧XL)、車線逸脱傾向ありと判定して、逸脱判断フラグFoutをONに設定し、推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値XL未満の場合(|Xs|<XL)、車線逸脱傾向なしと判定して、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定する。
なお、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)又はビークルダイナミックスコントロール装置(VDC)が作動している場合には、車線逸脱防止制御を作動させないようにするために、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定しても良い。
なお、逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱回避制御として自車両へのヨーモーメント付与を開始するから、この自車両へのヨーモーメント付与と同時に当該警報出力がされる。しかし、警報の出力タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、前記ヨーモーメント付与の開始タイミングよりも早くしても良い。
ステップS32では、補正基準ヨーモーメントMshが前記ステップS6で設定した最大値リミッタLmaxよりも大きくなり(Msh>Lmax)、かつその後、補正基準ヨーモーメントMshが最大値リミッタLmax以下(Msh≦Lmax)になったか否かを判定する。すなわち、補正基準ヨーモーメントMshと最大値リミッタLmaxとの関係が図11に示すような関係になるか否かを判定する。
先ずステップS41で、補正基準ヨーモーメントMshが目標ヨーモーメントMsよりも大きいか否かを判定する。このステップS41の判定で用いる目標ヨーモーメントMsは前回値である。ここで、補正基準ヨーモーメントMshが目標ヨーモーメント(以下、前回目標ヨーモーメントという。)Msよりも大きい場合(Msh>Ms)、ステップS42に進み、補正基準ヨーモーメントMshが前回目標ヨーモーメントMs以下の場合(Msh≦Ms)、ステップS47に進む。
また、ステップS44では、今回目標ヨーモーメントMsを、補正基準ヨーモーメントMshにする(Ms=Msh)。そして、ステップS45に進む。
ステップS46では、今回目標ヨーモーメントMsを、最大値リミッタLmaxにする。そして、当該図12の処理(ステップS33の処理)を終了する。
また、ステップS49では、今回目標ヨーモーメントMsを、補正基準ヨーモーメントMshにする(Ms=Msh)。そして、当該図12の処理(ステップS33の処理)を終了する。
これにより、補正基準ヨーモーメントMshが前回目標ヨーモーメントMsよりも大きい場合(Msh>Ms)、すなわち目標ヨーモーメントの増加局面において、補正基準ヨーモーメントMshと前回目標ヨーモーメントMsとの差分が増加側変化量リミッタLupよりも大きい場合(Msh−Ms>Lup)、今回目標ヨーモーメントMsを前回目標ヨーモーメントMsに増加側変化量リミッタLupを加算した値にする(ステップS41、ステップS42、ステップS43)。すなわち、前回目標ヨーモーメントMsに対する今回目標ヨーモーメントMsの増加分を増加側変化量リミッタLupにすることで、目標ヨーモーメントMsの増加量(増加割合)を制限する。また、補正基準ヨーモーメントMshと前回目標ヨーモーメントMsとの差分が増加側変化量リミッタLup以下の場合(Msh−Ms≦Lup)、前回目標ヨーモーメントMsに対する今回目標ヨーモーメントMsの増加量を制限することなく、今回目標ヨーモーメントMsを補正基準ヨーモーメントMshにする(ステップS42、ステップS44)。
一方、図10に示すステップS34では、制御終了時の目標ヨーモーメントMsを算出する。具体的には、制御終了処理として目標ヨーモーメントMsを強制的に0に戻す処理を行っており、以下のような処理を行う。
また、前記ステップS32では、補正基準ヨーモーメントMshが最大値リミッタLmaxよりも大きくなることを条件としていることから、補正基準ヨーモーメントMshが最大値リミッタLmaxよりも大きくならない関係にある限り、前記ステップS33で制御継続時の目標ヨーモーメントMsを算出し続けることになるが、図13に示すように、その関係が制御開始時点(例えば、前記ステップS31でMsh>Mstrになった時点)から所定時間Tobs継続した場合、逸脱判断フラグFoutをOFFにして、車線逸脱防止制御を終了(解除)しても良い。そして、車線逸脱防止制御の終了処理として、前記ステップS34の処理と同様にして、制御終了時の目標ヨーモーメントMsを算出する。
続いてステップS12において、各車輪の目標制動液圧を算出する。具体的には次のように算出する。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(6)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(7)
ここで、Pmfは前輪用の制動液圧である。また、Pmrは後輪用の制動液圧であり、前後配分を考慮して前輪用の制動液圧Pmfに基づいて算出した値になる。例えば、運転者がブレーキ操作をしていれば、制動液圧Pmf,Pmrはそのブレーキ操作の操作量(マスタシリンダ液圧Pm)に応じた値になる。
|Ms|<Ms1の場合
ΔPsf=0 ・・・(8)
ΔPsr=2・Kbr・|Ms|/T ・・・(9)
|Ms|≧Ms1の場合
ΔPsf=2・Kbf・(|Ms|−Ms1)/T ・・・(10)
ΔPsr=2・Kbr・Ms1/T ・・・(11)
ここで、Ms1は設定用しきい値を示す。また、Tはトレッドを示す。なお、このトレッドTは、簡単のため前後で同じ値にする。また、Kbf,Kbrは、制動力を制動液圧に換算する場合の前輪及び後輪についての換算係数であり、ブレーキ諸元により定まる。
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(12)
Psfl=Pmf+ΔPsf
Psfr=Pmf
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
・・・(13)
また、ここでは、(12)式及び(13)式が示すように、運転者によるブレーキ操作、すなわち制動液圧Pmf,Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。そして、制駆動力コントロールユニット8は、このようにして算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する。
先ず、各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、ヨー角φfrontを算出し(前記ステップS2)、さらに車速Vを算出する(前記ステップS3)。続いて、算出したヨー角φfront、自車速V等を用いて、将来の推定横変位(逸脱量推定値)Xsを算出する(前記ステップS4)。一方、撮像部13の白線の検出精度を推定する(前記ステップS5)。また、増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownを設定(既定ヨーモーメントMlimを設定)するとともに(前記ステップS6)、基準ヨーモーメントMs0を算出して、その基準ヨーモーメントMs0を補正した補正基準ヨーモーメントMshを算出する(前記ステップS7、ステップS8)。ここで、白線の検出精度(推定値)に基づいて基準ヨーモーメントMs0を補正した補正基準ヨーモーメントMshを算出する。続いて、推定横変位に基づいて車線逸脱傾向を判定し(前記ステップS9)、その車線逸脱傾向に基づいて、警報を出力する(前記ステップS10)。さらに、増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdown(既定ヨーモーメントMlim)で制限した補正基準ヨーモーメントMshを目標ヨーモーメントMsとして設定し(前記ステップS11)、その目標ヨーモーメントが自車両に付与されるような各車輪の目標制動液圧を算出する(前記ステップS12)。これにより、自車両が車線逸脱傾向にある場合、自車両には、その車線逸脱を回避する方向にヨーモーメント(目標ヨーモーメント)が付与される。
以上の処理により、特に、撮像部13の白線の検出精度に基づいて、補正基準ヨーモーメントMshを算出し、その算出した補正基準ヨーモーメントMshを増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownで制限して、目標ヨーモーメントMsを算出している。
ここで、制駆動力コントロールユニット8のステップS6の増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdown(既定ヨーモーメントMlim)は第1制御量であり、補正基準ヨーモーメントMshは第2制御量であり、目標ヨーモーメントMsは第3制御量である。
前述のように、増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownを設定するとともに(前記ステップS6)、白線の検出精度に基づいて補正基準ヨーモーメントMshを算出し(前記ステップS8)、増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownで制限した補正基準ヨーモーメントMshを目標ヨーモーメントMsに設定している(前記ステップS11)。
また、補正基準ヨーモーメントMshの制限に用いる増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownを、自車両が走行車線から逸脱を回避するのに最低限必要なヨーモーメントが得られるような値とすることで、少なくとも走行車線から逸脱を回避するのに最低限必要なヨーモーメントが自車両に付与されるから、自車両は最低限必要なレベルで車線逸脱回避できる。
また、前述のように、戻り時間Tretを基準に基準ヨーモーメントMs0を算出するとともに(前記ステップS7)、白線の検出精度に基づいてその戻り時間Tretを設定(補正)することで、基準ヨーモーメントMs0の補正値となる補正基準ヨーモーメントMshを算出している(前記ステップS8)。これにより、白線の検出精度が低いほど補正基準ヨーモーメントMshを大きくするが、戻り時間Tretを基準におくことで、補正基準ヨーモーメントMshが不要に大きく(長く)ならないようにしている。
すなわち、前記実施形態では、白線の検出精度に基づいて、補正基準ヨーモーメントMshを算出している(前記ステップS8)。しかし、これに限定されるものではない。例えば、白線の検出精度に基づいて、増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownを設定しても良い。具体的には、白線の検出精度が低くなるほど、補正基準ヨーモーメントMshが大きくなるのをより制限する方向に増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownを設定(補正)する。
また、図17は、白線の検出精度とゲインKdecとの関係を示す。図17に示すように、白線の検出精度が低ければ、ゲインKdecを一定値で小さくし、白線の検出精度が高くなっていくと、ゲインKdecもそれに応じて大きくし、白線の検出精度がある程度高くなると、ゲインKdecを一定値で維持する。このように、概略として、白線の検出精度が低くなるほど、ゲインKdecを小さくする。例えば、ゲインKdecは最大値が1である。
図19は、制駆動力コントロールユニット8の処理を示す前記図2に対応する処理を示しており、道路形状に基づいて、増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownと補正基準ヨーモーメントMshとを補正する処理手順を示す。
そして、前記ステップS11において、前述と同様にして、前記ステップS63で補正した増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownにより、前記ステップS63で補正した補正基準ヨーモーメントMshを制限した目標ヨーモーメントMsを算出する。
なお、前述の説明において、ステップS61の処理は、自車両の走行路の旋回半径を検出する旋回半径検出手段を実現しており、ステップS62及びステップS63の処理は、前記旋回半径検出手段が検出した旋回半径に基づいて、第3制御量算出手段が第3制御量の算出に用いる第1及び第2制御量を補正する制御量補正手段を実現している。
先ず、経時変化する基準ヨーモーメントMs0にフィルタをかけて、当該基準ヨーモーメントMs0の最大値(ピーク値)を算出する。この場合、目標ヨーモーメントMsに実際に設定される補正基準ヨーモーメントMsh、すなわち、基準ヨーモーメントMs0を白線の検出精度に基づいて補正して得た補正基準ヨーモーメントMsh(例えば、前記図28を用いて説明した補正基準ヨーモーメントMsh)にフィルタをかけて最大値を算出しても良い。なお、基準ヨーモーメントMs0又は補正基準ヨーモーメントMshの最大値の算出処理は、前記第2制御量の最大値を検出する第2制御量最大値検出手段を実現している。
また、車線逸脱防止制御終了の条件が整っている場合に、車線逸脱防止制御開始タイミングとなった場合には、車線逸脱防止制御をマスクし、制御を開始しないようにしても良い。
Claims (9)
- 車線区分線を検出する車線区分線検出手段と、
前記車線区分線検出手段が検出した車線区分線と自車両の横変位とに基づいて、走行車線に対して自車両の逸脱傾向があるか否かを判定する車線逸脱傾向判定手段と、
前記車線逸脱傾向判定手段が逸脱傾向があると判定した場合、自車両に制御量としてヨーモーメントを発生させて、前記走行車線に対して自車両の逸脱を回避する逸脱回避制御手段と、を備える車線逸脱防止装置において、
自車両の逸脱を回避するために必要なヨーモーメントの最大値が設定された第1制御量を算出する第1制御量算出手段と、
前記車線区分線検出手段による車線区分線の検出精度を判定する車線検出精度判定手段と、
前記車線検出精度判定手段の車線区分線の検出精度の判定結果と前記車線逸脱傾向判定手段が判定する逸脱傾向と前記自車両の横変位とに基づいて、自車両の逸脱を回避するために必要なヨーモーメントである第2制御量を算出し、且つ前記車線区分線の検出精度が低いとされるほど自車両が逸脱の回避を完了するまでの時間が短くなるように前記第2制御量を大きく算出する第2制御量算出手段と、
前記第1制御量算出手段が算出した第1制御量と前記第2制御量算出手段が算出した第2制御量とのうちの小さい方を、前記逸脱回避制御手段による目標ヨーモーメントとしての第3制御量として算出する第3制御量算出手段と、を備え、
前記逸脱回避制御手段は、前記第3制御量算出手段が算出した第3制御量に基づいて、逸脱回避のための走行制御をすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 前記第1制御量の増減の変化量を定義する変化量の制限値が設定されており、
前記第1制御量算出手段は、前記ヨーモーメントの最大値と前記変化量の制限値とに基づいて前記第1制御量を算出することを特徴とする請求項1記載の車線逸脱防止装置。 - 自車両の走行路の旋回半径を検出する旋回半径検出手段と、
前記旋回半径検出手段が検出した旋回半径に基づいて、前記第3制御量算出手段が前記第3制御量の算出に用いる前記第1及び第2制御量を補正する制御量補正手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車線逸脱防止装置。 - 前記制御量補正手段は、前記旋回半径が小さくなるほど、前記第1及び第2制御量を大きくする補正をするとともに、前記第2制御量の補正量を前記第1制御量の補正量よりも多くすることを特徴とする請求項3記載の車線逸脱防止装置。
- 前記第3制御量算出手段は、前記車線検出精度判定手段の判定結果としての車線区分線の検出精度が所定値以下の場合には、前記第1制御量を強制的に前記第3制御量に設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記逸脱回避制御手段は、前記逸脱回避のための走行制御の開始から、前記第3制御量算出手段が前記第1制御量を前記第3制御量に設定して、当該第3制御量に基づいて当該走行制御を行っている場合において、前記第2制御量が前記第1制御量よりも小さくなった場合には、当該逸脱回避のための走行制御を終了することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記逸脱回避制御手段は、前記逸脱回避のための走行制御の開始から、前記第3制御量算出手段が前記第2制御量を前記第3制御量に設定して、当該第3制御量に基づいて当該走行制御を継続して行っている場合、その継続時間が所定時間以上になった場合には、当該逸脱回避のための走行制御を強制的に終了することを特徴とする請求項6記載の車線逸脱防止装置。
- 前記車線区分線検出手段は、自車両周囲を撮像部により撮像し、その撮像画像に基づいて車線区分線を検出しており、前記車線検出精度判定手段は、前記車線区分線検出手段の撮像部が撮像特性として有する撮像可能距離に基づく判定基準で前記車線区分線の検出精度を判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 車線区分線検出手段が検出した車線区分線と自車両の横変位とに基づいて、走行車線に対して自車両の逸脱傾向があるか否かを判定し、
逸脱傾向があると判定した場合、車線逸脱防止制御により自車両に制御量としてヨーモーメントを発生させて、前記走行車線に対する自車両の逸脱を回避する車線逸脱防止方法において、
自車両の逸脱を回避するために必要なヨーモーメントの最大値が設定された第1制御量を算出し、
前記車線区分線検出手段による車線区分線の検出精度と前記逸脱傾向と前記自車両の横変位とに基づいて、自車両の逸脱を回避するために必要なヨーモーメントである第2制御量を算出し、且つ前記車線区分線の検出精度が低いとされるほど自車両が逸脱の回避を完了するまでの時間が短くなるように前記第2制御量を大きく算出し、
前記第1制御量と前記第2制御量とのうちの小さい方を第3制御量として算出し、
当該第3制御量を、前記車線逸脱防止制御による目標ヨーモーメントとして、逸脱回避のための走行制御をすることを特徴とする車線逸脱防止方法。
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