JP4835309B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、車線逸脱を回避する制御の終了後の車両姿勢のばらつきを抑制することである。
(第1の実施形態)
先ず第1の実施形態を説明する。
(構成)
本発明の第1の実施形態は、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能になっている。
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御したりすることで、エンジン9の運転状態を制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の車両の位置を検出するために備えられている。撮像部13は、車両前方を撮像するように設置されたCCD(Charge Coupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。撮像部(フロントカメラ)13は車両前部に設置されている。
このように、撮像部13は、走行車線をなす白線を検出して、その検出した白線に基づいて、ヨー角φfrontを算出している。撮像部13は、算出したこれらヨー角φfront、横変位Xfront及び走行車線曲率β等を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、本発明は走行車線を白線に基づいて決定する構成に限定されるものではない。すなわち、走行車線を認識させるための白線(レーンマーカ)が走路上にない場合、画像処理や各種センサによって得られる道路形状や周囲環境等の情報から、車両が走行に適した走路範囲や、運転者が車両を走行させるべき走路範囲を推測し、走行車線として決定しても良い。例えば、走路上に白線がなく、道路の両側ががけになっている場合には、走路のアスファルト部分を走行車線として決定する。また、ガードレールや縁石等がある場合は、その情報を考慮して走行車線を決定すれば良い。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は車両に発生するヨーレイトφ´を検出する。ナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレイトφ´を、道路情報とともに、制駆動力コントロールユニット8に出力する。
なお、専用のセンサにより各値を検出しても良い。すなわち、加速度センサにより前後加速度Yg及び横加速度Xgを検出し、ヨーレイトセンサによりヨーレイトφ´を検出しても良い。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
続いてステップS3において、ヨー角φfrontを算出する。具体的には、撮像部13が検出した遠方に延びる白線に対する車両のヨー角φfrontを算出する。
φfront=tan−1(V/dX´(=dY/dX)) ・・・(2)
ここで、dXは、横変位Xの単位時間当たりの変化量であり、dYは、単位時間当たりの進行方向の変化量であり、dX´は、前記変化量dXの微分値である。
Xs=Tt・V・(φfront+Tt・V・β)+Xfront ・・・(3)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間である。この車頭時間Ttに自車速Vを乗じると前方注視点距離になる。すなわち、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsになる。この(3)式によれば、ヨー角φfrontが大きくなるほど、推定横変位Xsが大きくなる。
Ms0=K1・K2・(|Xs|−XL) ・・・(4)
ここで、K1は車両諸元から決まる比例ゲインであり、K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図4はゲインK2の例を示す。図4に示すように、低速域でゲインK2は小さい値になり、車速Vがある値になると、車速Vの増加とともにゲインK2も増加し、その後ある車速Vに達するとゲインK2は大きい値で一定値となる。
XL=(L−H)/2 ・・・(5)
ここで、Lは走行車線の車線幅(走行車線をなす白線間の幅)であり、Hは車両の幅である。車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理して得ている。
また、後述のステップS6で設定する逸脱判断フラグFoutがONの場合に基準ヨーモーメントMs0を前記(4)式により算出するものとし、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、基準ヨーモーメントMs0を0に設定する。
ここで、推定横変位(絶対値)Xsが逸脱傾向判定用しきい値XL以上の場合(|Xs|≧XL)、車線逸脱傾向ありと判定して、逸脱判断フラグFoutをONに設定し、推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値XL未満の場合(|Xs|<XL)、車線逸脱傾向なしと判定して、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定する。
また、逸脱判断フラグFoutをONに設定可能とする条件としては、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定した後に車両が逸脱状態でない状態((|Xs|<XL)又は(|Xfront|<XL))となった場合とする。また、逸脱判断フラグFoutをONに設定可能とする条件として、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定した後、所定時間経過した後とするなどの、時間的な条件を加えることもできる。
なお、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)又はビークルダイナミックスコントロール(VDC)が作動している場合には、車線逸脱防止制御を作動させないようにするために、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定しても良い。
前記ステップS6による逸脱傾向の判定に基づけば、車両が走行車線に戻ったり、車両が運転者の意思で車線変更したりすることで、車線逸脱傾向が解消するとされており(Fout=OFF)、これにより、車線逸脱防止制御を終了、すなわち車両へのヨーモーメントの出力(付与)が終了するようになっている。
続いてステップS8において、最終的に制御指令値として用いる目標ヨーモーメントを設定する。
このステップS8では、このようなヨーモーメントの出力形態にすることを前提として、前記ステップS5で算出した基準ヨーモーメントMs0に対するリミッタ処理をして目標ヨーモーメントMsを算出している。このようなことから、先ず、リミッタ処理するためのリミッタを既定値として設定する。
図5に示すように、基準ヨーモーメントMs0の増加側(制御始期又は制御前半の値)の増加割合を制限するリミッタとして増加側変化量リミッタLupを設定し、基準ヨーモーメントMs0の最大値(制御中盤の値)を制限するリミッタとして最大値リミッタLmaxを設定し、基準ヨーモーメントMs0の減少側(制御終期又は制御後半の値)の減少割合を制限するリミッタとして減少側変化量リミッタLdownを設定する。
以上のような増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax、減少側変化量リミッタLdownを既定値として設定し、その設定した増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax、減少側変化量リミッタLdownにより制限した基準ヨーモーメントMs0を目標ヨーモーメントMsとして算出する。
なお、増加側変化量リミッタLupが小さくなると、目標ヨーモーメントMsの増加側の傾き(増加割合)は小さくなり、減少側変化量リミッタLdownが小さくなると、目標ヨーモーメントMsの減少側の傾き(減少割合)は小さくなる。
図8に示すように、車線逸脱時ヨー角φdepartの増加に対して、車両挙動応答特性推定値αは2次関数的に減少する。このような特性図を参照して、車線逸脱時ヨー角φdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定する。
これにより、例えば、図9に示すように、(a)の車両101の走行状態では、車線逸脱時ヨー角φdepartがφdepart1であり、このとき、この車線逸脱時ヨー角φdepartに対応して、車両挙動応答特性推定値αがα1に設定され、(b)の車両101の走行状態に示すように、車線逸脱時ヨー角φdepartが(a)の車線逸脱時ヨー角φdepart1よりも大きいφdepart2(>φdepart1)になると、その車線逸脱時ヨー角φdepart2に応じて、車両挙動応答特性推定値αが、(a)の車両挙動応答特性推定値α1よりも大きいα2(>α1)に設定される。
図10に示すように、車両挙動応答特性推定値αが小さい領域では制御終了判定用ヨー角φendはある一定の小さい値になり(φend<0、走行車線内に向く角度)、車両挙動応答特性推定値αがある値になると、車両挙動応答特性推定値αの増加とともに制御終了判定用ヨー角φendも増加し、その後、車両挙動応答特性推定値αがある値に達すると制御終了判定用ヨー角φendは大きい値で一定値となる(φend=0、走行車線と平行になる角度)。このような特性図を参照して、車両挙動応答特性推定値αに基づいて制御終了判定用ヨー角φendを補正(設定)する。
なお、逸脱判断フラグFoutがONの場合、すなわち、目標ヨーモーメントMsの絶対値|Ms|が0よりも大きい場合、車線逸脱防止制御として車両へのヨーモーメント(目標ヨーモーメントMs)の付与を開始するから、このヨーモーメントの付与と同時に該警報出力がされる。しかし、警報の出力タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、前記ヨーモーメント付与の開始タイミングよりも早くても良い。
逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、すなわち、目標ヨーモーメントMsが0の場合(車線逸脱防止制御を実施しない場合)、下記(6)式及び(7)式に示すように、各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動液圧Pmf,Pmrにする。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(6)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(7)
ここで、Pmfは前輪用の制動液圧である。また、Pmrは後輪用の制動液圧であり、前後配分を考慮して前輪用の制動液圧Pmfに基づいて算出した値になる。例えば、運転者がブレーキ操作をしていれば、制動液圧Pmf,Pmrはそのブレーキ操作の操作量(マスタシリンダ液圧Pm)に応じた値になる。
ΔPsf=2・Kbf・(Ms・FRratio)/T ・・・(8)
ΔPsr=2・Kbr・(Ms・(1−FRratio))/T ・・・(9)
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(10)
Psfl=Pmf+ΔPsf
Psfr=Pmf
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
・・・(11)
この(10)式及び(11)式によれば、車線逸脱回避側の車輪の制動力が大きくなるように、左右輪の制動力差が発生する。
また、ここでは、(10)式及び(11)式が示すように、運転者によるブレーキ操作、すなわち制動液圧Pmf,Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。そして、制駆動力コントロールユニット8は、このようにして算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する。
動作は次のようになる。
車両走行中、各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、車速V及びヨー角を算出する(前記ステップS2、ステップS3)。続いて、推定横変位(逸脱推定値)Xsを算出して(前記ステップS4)、算出した推定横変位Xsに基づいて車線逸脱傾向の判定(逸脱判断フラグFoutの設定)を行うとともに、その車線逸脱傾向の判定結果(逸脱判断フラグFout)を、運転者の車線変更の意思に基づいて修正する(前記ステップS6)。
作用及び効果は次のようになる。
前述のように、車線逸脱時ヨー角φdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定し、設定した車両挙動応答特性推定値αに基づいて制御終了判定用ヨー角φendを補正している。具体的には、車両挙動応答特性推定値αが大きくなるほど、制御終了判定用ヨー角φendを大きくする補正をしている。これにより、車両挙動応答特性推定値αが大きくなるほど、車線逸脱防止制御によるヨーモーメント出力終了タイミングが早くなる。すなわち、車両挙動応答特性推定値αが大きくなるほど、車線逸脱防止制御によるヨーモーメント出力が、車両が走行車線内に戻る過程の早い段階で終了するようになる。
同図の(a)と(b)とを比較してもわかるように、車両挙動応答特性推定値αが異なる場合でも、車両挙動応答特性推定値αが大きくなるほど(車線逸脱時ヨー角φdepartが小さくなるほど)、車線逸脱防止制御によるヨーモーメント出力終了タイミングを早くすることで、車線逸脱防止制御終了後の車両101のヨー角(φfront)は、共に同様な値になる。
このようなことから、車線逸脱時ヨー角φdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定することで、車両挙動応答特性推定値αは、高い精度で車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性を示す指標となる。
次に第2の実施形態を説明する。
(構成)
第2の実施形態は、前記第1の実施形態と同様に、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。
第2の実施形態では、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理の処理手順について、前記図2に示す処理手順と同じであり、前記第1の実施形態と同様な処理手順になるが、前記ステップS7におけるヨーモーメントの出力の終了タイミング(車線逸脱防止制御の終了タイミング)の判定基準が前記第1の実施形態のものと異なっており、それに伴い、前記ステップS9のヨーモーメント出力終了タイミングの補正が前記第1の実施形態のものと異なっている。
図12に示すように、制御終了判定用横変位Xendinは、逸脱傾向判定用しきい値XLに対して走行車線内側に設定される。なお、このように設定することで、車線逸脱防止制御のハンチングを防止できるといった効果がある。
なお、車線逸脱防止制御の終了タイミングの判定を、実際の横変位Xfrontの代わりに推定横位置Xsを用いて行うこともできる。この場合、推定横位置Xsの絶対値が制御終了判定用横変位Xendin未満になった場合(|Xs|<Xendin)、車線逸脱防止制御の終了タイミングになったと判定する。
以上のように、制御終了判定用横変位Xendinを基に車線逸脱防止制御の終了タイミングを判定しており、これに対応して、前記ステップS9では、制御終了判定用横変位Xendinを補正している。
図13に示すように、先ず、前記第1の実施形態と同様に、ステップS21において、車線逸脱状態になっているか(車線逸脱開始したか)否かを判定し、続くステップS22において、車線逸脱時ヨー角φdepartを検出し、続くステップS23において、車線逸脱時ヨー角φdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定している。
そして、第2の実施形態では、続くステップS31において、前記ステップS23で設定した車両挙動応答特性推定値αに基づいて、制御終了判定用横変位Xendinを補正(設定)する。具体的には、車両挙動応答特性推定値αが高くなるほど、制御終了判定用横変位Xendinが大きくなるように補正をする。
図14に示すように、車両挙動応答特性推定値αが小さい領域では制御終了判定用横変位Xendinはある一定の小さい値になり、車両挙動応答特性推定値αがある値になると、車両挙動応答特性推定値αの増加とともに制御終了判定用横変位Xendinも増加し、その後、車両挙動応答特性推定値αがある値に達すると制御終了判定用横変位Xendinは大きい値で一定値となる。このような特性図を参照して、車両挙動応答特性推定値αに基づいて制御終了判定用ヨー角φendを補正(設定)する。
これにより、特に第2の実施形態では、ヨーモーメント出力終了タイミングを判定するための制御終了判定用横変位Xendinを(前記ステップS7)、車線逸脱時ヨー角に応じて変化する車両挙動応答特性推定値αに基づいて補正する(前記ステップS9)。そして、ヨーモーメント出力終了タイミングになると(|Xfront|<Xendin)、車両へのヨーモーメントの付与が終了し、車線逸脱防止制御が終了する。
同図の(a)と(b)とを比較してもわかるように、車両挙動応答特性推定値αが異なる場合でも、車両挙動応答特性推定値αが大きくなるほど(車線逸脱時ヨー角φdepartが小さくなるほど)、車線逸脱防止制御によるヨーモーメント出力終了タイミングを早くすることで、車線逸脱防止制御終了後の車両101の横位置(Xfront)は、共に同様な値になる。
次に第3の実施形態を説明する。
(構成)
第3の実施形態は、前記第1及び第2の実施形態と同様に、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。
第3の実施形態では、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理の処理手順について、前記図2に示す処理手順と同じであり、前記第1の実施形態と同様な処理手順になるが、前記ステップS9のヨーモーメント出力終了タイミングの補正が前記第1の実施形態のものと異なっている。
すなわち、第3の実施形態では、前記ステップS9において、車線逸脱防止制御の終了の際の基準ヨーモーメントMs0を所定時間維持(保持)することで、ヨーモーメント出力終了タイミングを補正している。
図16に示すように、先ず、前記第1の実施形態と同様に、ステップS21において、逸脱状態になっているか(車線逸脱開始したか)否かを判定し、続くステップS22において、車線逸脱時ヨー角φdepartを検出し、続くステップS23において、車線逸脱時ヨー角φdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定している。
そして、第3の実施形態では、続くステップS41において、前記ステップS23で設定した車両挙動応答特性推定値αに基づいて、車線逸脱防止制御の制御終了時のヨーモーメント(具体的には目標ヨーモーメントMs0)の保持時間(ホールド時間)を設定する。
図17に示すように、車両挙動応答特性推定値αが小さい領域では大きい値で一定値となり、車両挙動応答特性推定値αがある値になると、車両挙動応答特性推定値αが増加するのに対して保持時間Tholdが減少し、その後車両挙動応答特性推定値αがある値に達すると保持時間Tholdは小さい値で一定値となる(Thold=0)。概略として、車両挙動応答特性推定値αが高くなるほど、保持時間Tholdが小さくなる(短くなる)。このような特性図を参照して、車両挙動応答特性推定値αに基づいて保持時間Tholdを設定する。
これにより、特に第3の実施形態では、逸脱判断フラグFoutがONからOFFになった時、その時点(ヨー角基準として、φfront<φendを満たした時点)の基準ヨーモーメントMs0を減少させることなく、そのまま車両挙動応答特性推定値αに応じた保持時間Tholdだけ保持して、その保持している基準ヨーモーメントMs0を基に車両にヨーモーメントを付与する。
次に第4の実施形態を説明する。
(構成)
第4の実施形態は、前記第3の実施形態と基本的には同様な構成等であるが、車線逸脱防止制御の終了タイミングの判定(逸脱判断フラグFoutがONからOFFになったか否かの判定)を横変位に基づいて行っている点が前記第3の実施形態の場合と異なっている。
すなわち、前記ステップS7では、車線逸脱防止制御の開始後に、実際の横変位Xfrontの絶対値推又は定横位置Xsの絶対値が制御終了判定用横変位Xendin未満になった場合(|Xfront|<Xendin又は|Xs|<Xendin)、車線逸脱防止制御の終了タイミングと判定する。そして、車線逸脱防止制御の終了タイミングになったと判定した場合、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定する。
さらに、前記ステップS9における車線逸脱防止制御の終了タイミングの判定も、横変位に基づいて行っている。
図18に示すように、先ず、前記第3の実施形態と同様に、ステップS21において、逸脱状態になっているか(車線逸脱開始したか)否かを判定し、続くステップS22において、車線逸脱時ヨー角φdepartを検出し、続くステップS23において、車線逸脱時ヨー角φdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定し、続くステップS41において、前記ステップS23で設定した車両挙動応答特性推定値αに基づいて、車線逸脱防止制御の制御終了時のヨーモーメントの保持時間を設定する。
これにより、特に第4の実施形態では、逸脱判断フラグFoutがONからOFFになった時、その時点(横変位基準として、|Xfront|<Xendin又は|Xs|<Xendinを満たした時点)の基準ヨーモーメントMs0を減少させることなく、そのまま車両挙動応答特性推定値αに応じた保持時間Tholdだけ保持して、その保持している基準ヨーモーメントMs0を基に車両にヨーモーメントを付与する。
次に第5の実施形態を説明する。
(構成)
第5の実施形態では、前記ステップS9における車両挙動応答特性推定値αの設定を車速Vに基づいて行っており、この点が前記第1〜第4の実施形態の場合と異なっている。
図19は、第5の実施形態におけるステップS9の処理手順を示す。
図19に示すように、先ず、前記第1の実施形態と同様に、ステップS21において、逸脱状態になっているか(車線逸脱開始したか)否かを判定し、逸脱状態になっている場合、ステップS61に進む。
続いてステップS23において、前記ステップS61で検出した車速(以下、車線逸脱時車速という。)Vdepartに基づいて、車両挙動応答特性推定値αを設定する。具体的には、車線逸脱時車速Vdepartが大きくなるほど、車両挙動応答特性推定値αを小さくする。
図20に示すように、車線逸脱時車速Vdepartの増加に対して、車両挙動応答特性推定値αは2次関数的に減少する。このような特性図を参照して、車線逸脱時車速Vdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定する。
続いてステップS24において、前記第1の実施形態と同様に、前記ステップS23で設定した車両挙動応答特性推定値αに基づいて、前記ステップS7で車線逸脱防止制御の終了の判定に用いる制御終了判定用ヨー角φendを補正(設定)する。
このように、特に第5の実施形態では、ヨーモーメント出力終了タイミングを判定するための制御終了判定用ヨー角φendを(前記ステップS7)、車線逸脱時車速Vdepartに応じて変化する車両挙動応答特性推定値αに基づいて補正する(前記ステップS9、図19)。
ここで、車線逸脱時車速Vdepartが小さくなるほど、車線逸脱防止制御により車両に付与するヨーモーメントに対し、対抗する力となる車両の直進復元力が弱くなり、車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性が高くなると考えられる。
このようなことから、車線逸脱時車速Vdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定することで、車両挙動応答特性推定値αは、高い精度で車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性を示す指標となる。
同図の(a)と(b)とを比較してもわかるように、車線逸脱時車速Vdepart(車両挙動応答特性推定値α)が異なる場合でも、車線逸脱時車速Vdepartが小さくなるほど、車線逸脱防止制御によるヨーモーメント出力終了タイミングを早くすることで、車線逸脱防止制御終了後の車両101のヨー角(φfront)は、共に同様な値になる。
次に第6の実施形態を説明する。
(構成)
第6の実施形態では、前記ステップS9における車両挙動応答特性推定値αの設定を道路半径(1/β)に基づいて行っており、この点が前記第5の実施形態の場合と異なっている。
図22は、第6の実施形態におけるステップS9の処理手順を示す。
図22に示すように、先ず、前記第5の実施形態と同様に、ステップS21において、逸脱状態になっているか(車線逸脱開始したか)否かを判定し、逸脱状態になっている場合、ステップS71に進む。
続いてステップS23において、前記ステップS71で検出した車線逸脱時道路半径Rdepartに基づいて、車両挙動応答特性推定値αを設定する。具体的には、車線逸脱時道路半径Rdepartが大きくなるほど、車両挙動応答特性推定値αを大きくする。
図23に示すように、車線逸脱時道路半径Rdepartとともに車両挙動応答特性推定値αは2次関数的に増加する。このような特性図を参照して、車線逸脱時道路半径Rdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定する。
続いてステップS24において、前記第5の実施形態と同様に、前記ステップS23で設定した車両挙動応答特性推定値αに基づいて、前記ステップS7で車線逸脱防止制御の終了の判定に用いる制御終了判定用ヨー角φendを補正(設定)する。
このように、特に第6の実施形態では、ヨーモーメント出力終了タイミングを判定するための制御終了判定用ヨー角φendを(前記ステップS7)、車線逸脱時道路半径Rdepartに応じて変化する車両挙動応答特性推定値αに基づいて補正する(前記ステップS9、図22)。
ここで、車線逸脱時道路半径Rdepartが大きくなるほど、車線逸脱防止制御により車両に付与するヨーモーメントに対し、対抗する力となる車両の遠心力が弱くなり、車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性が高くなると考えられる。
このようなことから、車線逸脱時道路半径Rdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定することで、車両挙動応答特性推定値αは、高い精度で車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性を示す指標となる。
同図の(a)と(b)とを比較してもわかるように、車線逸脱時道路半径Rdepart(車両挙動応答特性推定値α)が異なる場合でも、車線逸脱時道路半径Rdepartが大きくなるほど、車線逸脱防止制御によるヨーモーメント出力終了タイミングを早くすることで、車線逸脱防止制御終了後の車両101のヨー角(φfront)は、共に同様な値になる。
次に第7の実施形態を説明する。
(構成)
第7の実施形態では、前記ステップS9における車両挙動応答特性推定値αの設定を路面カント(車線幅方向の傾斜)の度合いに基づいて行っており、この点が前記第5及び第6の実施形態の場合と異なっている。
図25は、第7の実施形態におけるステップS9の処理手順を示す。
図25に示すように、先ず、前記第5及び第6の実施形態と同様に、ステップS21において、逸脱状態になっているか(車線逸脱開始したか)否かを判定し、逸脱状態になっている場合、ステップS81に進む。
図26に示すように、車線逸脱時路面カント度合いCdepartとともに車両挙動応答特性推定値αは2次関数的に増加する。このような特性図を参照して、車線逸脱時路面カント度合いCに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定する。
続いてステップS24において、前記第5及び第6の実施形態と同様に、前記ステップS23で設定した車両挙動応答特性推定値αに基づいて、前記ステップS7で車線逸脱防止制御の終了の判定に用いる制御終了判定用ヨー角φendを補正(設定)する。
このように、特に第7の実施形態では、ヨーモーメント出力終了タイミングを判定するための制御終了判定用ヨー角φendを(前記ステップS7)、車線逸脱時路面カント度合いCに応じて変化する車両挙動応答特性推定値αに基づいて補正する(前記ステップS9、図25)。
ここで、車線逸脱時路面カント度合いCdepartが大きくなるほど、車両を車線中央に戻そうとする、該車両に作用する力が強くなる、すなわち、車両に対し車線逸脱防止制御により付与するヨーモーメントと同方向に作用する力が大きくなるので、車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性が高くなると考えられる。
このようなことから、車線逸脱時路面カント度合いCdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定することで、車両挙動応答特性推定値αは、高い精度で車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性を示す指標となる。
同図の(a)と(b)とを比較してもわかるように、車線逸脱時路面カント度合いCdepart(車両挙動応答特性推定値α)が異なる場合でも、車線逸脱時路面カント度合いCdepartが大きくなるほど、車線逸脱防止制御によるヨーモーメント出力終了タイミングを早くすることで、車線逸脱防止制御終了後の車両101のヨー角(φfront)は、共に同様な値になる。
次に第8の実施形態を説明する。
(構成)
第8の実施形態では、前記ステップS9における車両挙動応答特性推定値αの設定を路面摩擦係数に基づいて行っており、この点が前記第5〜第7の実施形態の場合と異なっている。
図28は、第8の実施形態におけるステップS9の処理手順を示す。
図28に示すように、先ず、前記第5〜第7の実施形態と同様に、ステップS21において、逸脱状態になっているか(車線逸脱開始したか)否かを判定し、逸脱状態になっている場合、ステップS91に進む。
続いてステップS23において、前記ステップS91で検出した車線逸脱時路面摩擦係数μdepartに基づいて、車両挙動応答特性推定値αを設定する。具体的には、車線逸脱時路面摩擦係数μdepartが大きくなるほど、車両挙動応答特性推定値αを小さくする。
図29に示すように、車線逸脱時路面摩擦係数μdepartとともに車両挙動応答特性推定値αは2次関数的に増加する。このような特性図を参照して、車線逸脱時路面摩擦係数μdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定する。
続いてステップS24において、前記第5〜第7の実施形態と同様に、前記ステップS23で設定した車両挙動応答特性推定値αに基づいて、前記ステップS7で車線逸脱防止制御の終了の判定に用いる制御終了判定用ヨー角φendを補正(設定)する。
このように、特に第8の実施形態では、ヨーモーメント出力終了タイミングを判定するための制御終了判定用ヨー角φendを(前記ステップS7)、車線逸脱時路面摩擦係数μdepartに応じて変化する車両挙動応答特性推定値αに基づいて補正する(前記ステップS9、図28)。
ここで、車線逸脱時路面摩擦係数μdepartが大きくなるほど、路面と車輪とのスリップの度合いが少なくなるので、車線逸脱防止制御により車両に付与するヨーモーメントをその目標値に近づけることができ、車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性が高くなると考えられる。
このようなことから、車線逸脱時路面摩擦係数μdepartに基づいて車両挙動応答特性推定値αを設定することで、車両挙動応答特性推定値αは、高い精度で車線逸脱防止制御に対する車両挙動の応答特性を示す指標となる。
次に第9の実施形態を説明する。
(構成)
第9実施形態は、前記第1〜第8の実施形態と同様に、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。
第9の実施形態では、車両挙動応答特性推定値α(車線逸脱時ヨー角φdepart等)に基づいて補正したヨーモーメント出力終了タイミング(車線逸脱防止制御の終了タイミング)を、運転者の運転操作状態に基づいて更に補正する。
図30に示す第9の実施形態の制駆動力コントロールユニット8が行う演算処理の基本的な部分は、前記図2に示した演算処理と同一であるが、第9の実施形態における図30に示す演算処理では、特に、前記ステップS9の後に、ステップS101及びステップS102を設けている。以下の説明では、第9の実施形態における図30に示す演算処理において、前記第1の実施形態における図2に示す演算処理と同一符号を付してあるものについては、特に言及しない限りは同一である。
Δstr=|(δnow−δtstr)/Tstr| ・・・(12)
続いてステップS102において、前記ステップS9で補正したヨーモーメント出力終了タイミングを運転操作状態に基づいて更に補正する。
図31に示すように、先ずステップS111において、前記ステップS101で算出した操舵速度Δstrと比較するための操舵判定用しきい値Δstr_thを設定する。操舵判定用しきい値Δstr_thは、例えば実験値又は経験値であり、運転者が操舵操作したと判定できる程度の値である。
続いてステップS112において、前記ステップS101で算出した操舵速度Δstrと操舵判定用しきい値Δstr_thとを比較する。ここで、操舵速度Δstrが操舵判定用しきい値Δstr_th以下の場合(Δstr≦Δstr_th)、ステップS113に進み、そうでない場合(Δstr>Δstr_th)、ステップS114に進む。
なお、前記実施形態を次のような構成により実現することもできる。
すなわち、第9の実施形態の前記ステップS101において、よりゆっくりとした操舵操作に対応させて、より長い時間Tstr2(>Tstr1、例えば2秒)内の操舵変化量に基づいて、操舵速度Δstr2を算出することもできる(下記(13)式)。
Δstr2=|(δnow−δtstr2)/Tstr2| ・・・(13)
ここで、δtstr2は、時間Tstr2前の操舵角δである。
Δθ=|(θnow−θtθ)/Tθ| ・・・(14)
ΔBrk=|(Brknow−Brktbrk)/TBrk| ・・・(15)
ここで、θnowは、アクセル開度θの今回値であり、θtθは、所定時間Tθ前のアクセル開度θである。また、Brknowは、ブレーキ操作位置Brkの今回値であり、Brktbrkは、所定時間TBrk前のブレーキ操作位置Brkである。
さらに、本発明は、制動制御によってヨーモーメントを与えているものに限らず、例えば、左右輪の駆動力差付与や操舵制御によってヨーモーメントを与えるものであっても良い。
Claims (11)
- 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の前記走行車線と車両とのなすヨー角を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記ヨー角が小さくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線と車両とのなすヨー角が所定のヨー角に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記走行車線と車両とのなすヨー角が小さくなるほど、前記所定のヨー角を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の前記走行車線と車両とのなすヨー角を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記ヨー角が小さくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線に対する車両の横変位量が所定の変位量に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記走行車線と車両とのなすヨー角が小さくなるほど、前記所定の変位量を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の車速を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記車速が小さくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線と車両とのなすヨー角が所定のヨー角に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記車速が小さくなるほど、前記所定のヨー角を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の車速を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記車速が小さくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線に対する車両の横変位量が所定の変位量に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記車速が小さくなるほど、前記所定の変位量を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の前記走行車線の道路半径を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記道路半径が大きくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線と車両とのなすヨー角が所定のヨー角に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記道路半径が大きくなるほど、前記所定のヨー角を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の前記走行車線の道路半径を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記道路半径が大きくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線に対する車両の横変位量が所定の変位量に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記道路半径が大きくなるほど、前記所定の変位量を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の前記走行車線において、その中央位置に対して車両が車線逸脱している外側位置が傾斜している度合いを検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記傾斜の度合いが、前記中央位置に対して前記外側位置が高くなる方向に大きくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線と車両とのなすヨー角が所定のヨー角に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記傾斜の度合いが、前記中央位置に対して前記外側位置が高くなる方向に大きくなるほど、前記所定のヨー角を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の前記走行車線において、その中央位置に対して車両が車線逸脱している外側位置が傾斜している度合いを検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記傾斜の度合いが、前記中央位置に対して前記外側位置が高くなる方向に大きくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線に対する車両の横変位量が所定の変位量に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記傾斜の度合いが、前記中央位置に対して前記外側位置が高くなる方向に大きくなるほど、前記所定の変位量を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の路面摩擦係数を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記路面摩擦係数が大きくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線と車両とのなすヨー角が所定のヨー角に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記路面摩擦係数が大きくなるほど、前記所定のヨー角を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 走行車線に対して車両の逸脱傾向が高くなったと判定した場合、走行車線に対して車両が逸脱するのを防止する車線逸脱防止制御を開始するとともに、所定のタイミングでその制御を終了する制御手段と、
前記車線逸脱防止制御の開始時の路面摩擦係数を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段が前記車線逸脱防止制御の開始時に検出した前記路面摩擦係数が大きくなるほど、車両が前記走行車線に戻る際の前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くする制御終了タイミング補正手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記車線逸脱防止制御開始後に前記走行車線に対する車両の横変位量が所定の変位量に戻った場合、前記車線逸脱防止制御を終了しており、
前記制御終了タイミング補正手段は、前記車線逸脱防止制御の開始時の前記路面摩擦係数が大きくなるほど、前記所定の変位量を大きくすることで、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングを早くすることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 運転者の運転操作状態に基づいて運転者の運転操作意思を検出する運転操作意思検出手段をさらに備え、前記制御終了タイミング補正手段は、前記運転操作意思検出手段が運転者の運転操作意思を検出した場合、前記車線逸脱防止制御の終了タイミングの補正を抑制することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
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