JP4976979B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等のヘリカル・ギヤを用いたデファレンシャル装置に関する。
従来のこの種のデファレンシャル装置としては、例えば特許文献1に記載されたようなものがある。
このデファレンシャル装置は、デフ・ケースに一対のヘリカル・サイド・ギヤを軸方向に対向するように支持し、このヘリカル・サイド・ギヤ外周で周方向に並設され相互に噛み合うピニオン・ギヤ組が設けられ、このピニオン・ギヤ組の一方は、前記一対のヘリカル・サイド・ギヤの一方に噛み合い、前記ピニオン・ギヤ組の他方は、前記一対のヘリカル・サイド・ギヤの他方に噛み合う構成となっている。また、ヘリカル・サイド・ギヤ間には、スラスト・ベアリングが介設されている。このスラスト・ベアリングは、一対のヘリカル・サイド・ギヤが反対向側であるデフ・ケース側へスラスト力を受ける時にベアリング機能を発生させるように配置されている。
そして、スラスト・ベアリングにより、ドライブ時とコースト時とで差動制限力の差を拡大することができる。
しかし、従来の構造では、ヘリカル・サイド・ギヤ間にスラスト・ベアリングに当接させるハブが必要となり、構造が複雑となっていた。
また、スラスト・ベアリングの配置個所がヘリカル・サイド・ギヤの径方向軸心部側となってスラスト・ベアリングのサイズが小さくなり、差動制限力の差を拡大するようにした構造でありながら、ベアリング耐力の許容値が低くなり、実用化には無理があった。
実開平7−34247号公報参照
解決しようとする問題点は、構造が複雑であると共に、スラスト・ベアリングのサイズが小さくなって差動制限力の差を拡大する構造でありながら、ベアリング耐力の許容値が低くなり、実用化には無理があった点である。
本発明は、簡単な構造で、ドライブ時とコースト時とで差動制限力に差を与えることができると共に、スラスト・ベアリングの耐力を確保し、安定した差動制限力を得るために、駆動入力が行われるケースと、このケースの回転軸と平行な軸上に配置され該ケース内に形成された収容孔に回転可能に保持されたヘリカル・ピニオン・ギヤと、このヘリカル・ピニオン・ギヤと噛合って回転軸方向に対向配置され駆動出力を行うための一対のヘリカル出力ギヤとを備え、前記ケースが一方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤが反対向方向へのスラスト力を受け、ケースが他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤが対向方向へのスラスト力を受けるように前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ及び一対のヘリカル出力ギヤのねじれ角が設定されたデファレンシャル装置であって、前記ケースに、前記スラスト力を受けるヘリカル出力ギヤを回転軸方向で受ける軸方向内向きの内側受け面を設け、前記一対のヘリカル出力ギヤのギヤ部の歯幅方向端部の内周側に回転軸方向に相互に対向する環状の内側対向面及び該ヘリカル出力ギヤの反対向側で前記ケースの内側受け面に対向する環状の外側対向面を設け、前記ケースの内側受け面と前記一対のヘリカル出力ギヤの外側対向面との間に、又は前記内側対向面間に、周方向に複数のローラを備えたスラスト・ベアリングを配置し、前記スラスト・ベアリングのローラは、前記内側対向面又は外側対向面に対して放射状に配置され、前記ローラは、一対の環状プレートを介して前記ケースの内側受け面と前記一対のヘリカル出力ギヤの外側対向面とに当接し、又は前記各内側対向面に当接し、前記環状プレートは、径方向の一部が前記ヘリカル出力ギヤのギヤ部に回転軸方向に対向配置され、前記ローラの個数と前記ヘリカル出力ギヤ及びヘリカル・ピニオン・ギヤの噛合部の個数とは、整数で割り切れないように設定されていることを最も主要な特徴とする。
本発明は、駆動入力が行われるケースと、このケースの回転軸と平行な軸上に配置され該ケース内に形成された収容孔に回転可能に保持されたヘリカル・ピニオン・ギヤと、このヘリカル・ピニオン・ギヤと噛合って回転軸方向に対向配置され駆動出力を行うための一対のヘリカル出力ギヤとを備え、前記ケースが一方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤが反対向方向へのスラスト力を受け、ケースが他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤが対向方向へのスラスト力を受けるように前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ及び一対のヘリカル出力ギヤのねじれ角が設定されたデファレンシャル装置であって、前記ケースに、前記スラスト力を受けるヘリカル出力ギヤを回転軸方向で受ける軸方向内向きの内側受け面を設け、前記一対のヘリカル出力ギヤのギヤ部の歯幅方向端部の内周側に回転軸方向に相互に対向する環状の内側対向面及び該ヘリカル出力ギヤの反対向側で前記ケースの内側受け面に対向する環状の外側対向面を設け、前記ケースの内側受け面と前記一対のヘリカル出力ギヤの外側対向面との間に、又は前記内側対向面間に、周方向に複数のローラを備えたスラスト・ベアリングを配置し、前記スラスト・ベアリングのローラは、前記内側対向面又は外側対向面に対して放射状に配置され、前記ローラは、一対の環状プレートを介して前記ケースの内側受け面と前記一対のヘリカル出力ギヤの外側対向面とに当接し、又は前記各内側対向面に当接し、前記環状プレートは、径方向の一部が前記ヘリカル出力ギヤのギヤ部に回転軸方向に対向配置され、前記ローラの個数と前記ヘリカル出力ギヤ及びヘリカル・ピニオン・ギヤの噛合部の個数とは、整数で割り切れないように設定されている
このため、スラスト・ベアリングの転動径のサイズを大きくすることができ、スラスト・ベアリングに入力されるスラスト力に対し十分な耐力を持たせることができる。
また、スラスト・ベアリングを支持するための特別な部材を不要とし、構造を簡単にすることができる。
しかも、トルク・バイアス・レシオ(TBR)を低減することができる。
簡単な構造で、ドライブ時とコースト時とで差動制限力に差を与えることができると共に、スラスト・ベアリングの耐力を確保し、安定した差動制限力を得るという目的を、ケースに設けた内側受け面と、一対のヘリカル出力ギヤのギヤ部の歯幅方向端部の内周側に設けられ回転軸方向に相互に対向する環状の内側対向面及び反対向側の環状の外側対向面とにより実現した。
[デファレンシャル装置]
図1は、本発明実施例のデファレンシャル装置の一部を切り欠いた概略斜視図、図2は、デファレンシャル装置の断面図である。
図1のデファレンシャル装置1は、例えばリヤ・デファレンシャル装置として用いられ、エンジンの駆動力が、トランスミッション、プロペラ・シャフト、デファレンシャル装置1、後車軸、左右の後輪へと伝達される構成となっている。
前記デファレンシャル装置1は、デフ・キャリヤ内に配置されており、リングギヤ及びドライブ・ピニオン・ギヤの噛合いにより、プロペラ・シャフト側からケースとしてのデフ・ケース3に駆動入力されるようになっている。
図1のように、前記デフ・ケース3の内部には中空の一対のヘリカル出力ギヤとしてヘリカル・サイド・ギヤ5,7が回転軸方向に対向配置されている。ヘリカル・サイド・ギヤ5,7の外周部には、相互に噛み合うピニオン・ギヤ組として一対の第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11が周方向に並設されている。この第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11は、複数対、例えば4対備えられている。
図1,図2のように、前記デフ・ケース3の外周部には、リング・ギヤを取り付けるためのフランジ部13が形成され、側壁部15,17には、ボス部19,21が形成されている。ボス部19,21の外周部には、軸受け支持部23,25が形成され、内周は、軸貫通孔27,29となっている。
デフ・ケース3の軸心部には、ギヤ収容部31が形成され、ギヤ収容部31の両側にギヤ支持部33,35,37が形成されている。デフ・ケース3には、ギヤ支持部33,37の内端部に連続して軸方向内向きの内側受け面39,41が、回転軸を中心に周回状に設けられている。
デフ・ケース3の内部外周側には、内側受け面39,41に隣接して第1,第2収容孔43,45が互いに周方向に隣接して周方向複数対、例えば4対形成されている。第1,第2収容孔43,45は、デフ・ケース3の回転軸と平行な軸心を有している。
前記デフ・ケース3の側壁15,17には、第2収容孔45に連通する開口47,49が形成されている。開口47,49は、デフ・ケース3内外で潤滑オイルを流通させるものでる。側壁15には、軸貫通孔27及び第1収容孔43間を連通させる油溝51が形成され、側壁17には、軸貫通孔29及び第2収容孔45間を連通させる油溝53が形成されている。油溝51,53は、潤滑オイルをガイドするためのものである。
前記第1,第2収容孔43,45には、前記第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11が収容保持され、第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11は、デフ・ケース3の回転軸と平行な軸上に配置された構成となっている。
前記第1ヘリカル・ピニオン・ギヤ9は、外周全体がギヤ部9aであり短尺に形成されている。前記第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ11は、長尺に形成され、軸方向の両側にギヤ部11a,11bが形成され、このギヤ部11a,11bに連続し該ギヤ部11a,11bの歯先径よりも小径の軸部11cを備えている。
第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11は、ギヤ部9a,11aにおいて相互に噛み合っている。
前記ギヤ収容部31には、第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11と噛合って回転軸方向に対向配置され駆動出力を行うための前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7が収容されている。ヘリカル・サイド・ギヤ5,7は、外周にギヤ部5a,7aが形成され、内周に軸結合用のインナー・スプライン5b,7bが形成されている。ヘリカル・サイド・ギヤ5のギヤ部5aは、第1ヘリカル・ピニオン・ギヤ9のギヤ部9aに噛み合い、ヘリカル・サイド・ギヤ7のギヤ部7aは、第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ11のギヤ部11bに噛み合っている。インナー・スプライン5b,7bには、軸貫通孔27,29に貫通する車軸側の結合軸がスプライン結合される。
前記デフ・ケース3がドライブ時の駆動トルクにより一方向へ回転したときは前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7が反対向方向(矢印A方向)へのスラスト力を受け、デフ・ケース3がコースト時の駆動トルクにより他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7が対向方向(矢印B方向)へのスラスト力を受けるように前記第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11のギヤ部9a,11a,11B及び一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7のギヤ部5a,7aのねじれ角が設定されている。
前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7のギヤ部5a,7aの歯幅方向端部の内周側に隣接して環状の内側対向面55,57及び外側対向面59,61が設けられている。内側対向面55,57は、回転軸方向に一定の間隔を有して相互に対向している。外側対向面59,61は、内側対向面55,57の反対向側に形成されている。
ヘリカル・サイド・ギヤ5,7には、内側対向面55,57に隣接して嵌合肩部67,69が周回状に形成されている。ヘリカル・サイド・ギヤ5には、さらに嵌合肩部67に隣接して嵌合軸部71が形成されている。嵌合肩部67,69は、デフ・ケース3側のギヤ支持部33,37に嵌合し、嵌合軸部71は、同ギヤ支持部35に嵌合している。
ヘリカル・サイド・ギヤ5,7には、内側対向面55,57の内周側に連結嵌合穴73,連結嵌合部75が形成され、相互に嵌合し、連れ持ち支持されている。
前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7の内側対向面55,57間には、スラスト・ベアリング77が配置されている。スラスト・ベアリング77の軸方向位置は、前記第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ11の軸部11cの軸長内となっている。また、スラスト・ベアリング77は、第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11のギヤ部9a,11bと一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7のギヤ部5a,7aとの噛み合い端部間に配置されている。
スラスト・ベアリング77は、周方向に複数のローラ77aを備え、この複数のローラ77aは、前記内側対向面55,57に対して放射状に配置され、各ローラ77aの放射方向外端部は、前記内側対向面55,57の放射方向外径以上に位置する。
このローラ77aは、一対の環状プレート77b,77cを介して前記各内側対向面55,57に当接している。
前記一対の環状プレート77b,77cは、一方77bが前記ローラ77aの放射方向外端を覆い、該一方77bが他方77cに隙間を有して径方向に対向している。前記一対の環状プレート77b,77c間の前記隙間には、前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11及びヘリカル・サイド・ギヤ5,7の噛合部が回転軸方向に対向している。
また、一対の環状プレート77b,77cは、他方の環状プレート77cの径方向内端部77caが前記ローラ77aの放射方向内端を覆い、この環状プレート77cの径方向内端部77caが、ベアリング支持部79の外周面に径方向(ローラ77aの放射方向)に支持されている。このベアリング支持部79は、前記ヘリカル・サイド・ギヤ7の連結嵌合部75の基部側に一体に形成されている。
前記環状プレート77b,77cは、前記ヘリカル・サイド・ギヤ5,7のギヤ部5a,7aに回転軸方向に対向配置され、前記ローラ77aの個数と前記ヘリカル・サイド・ギヤ5,7及びヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11の噛合部の個数とは、整数で割り切れないように設定されている。この場合、ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11が、ヘリカル・サイド・ギヤ5,7の周囲に4対備えられたものであれば、噛合部の個数は、4個となる。
[駆動力伝達]
前記デフ・ケース3に駆動力が伝達されると、第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11からヘリカル・サイド・ギヤ5,7を介して車軸側へ出力され、左右の車軸により左右後輪が駆動される
左右後輪間に差動回転を生じると左右のヘリカル・サイド・ギヤ5,7が連動して差動回転し、第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11の自転により差動回転が許容され、エンジンの駆動力が差動回転を許容しつつ左右車輪側に差動分配される。
前記デフ・ケース3がドライブ時の駆動トルクにより一方向へ回転したときは前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7が反対向方向(矢印A方向)へのスラスト力を受ける。
このため、左右のヘリカル・サイド・ギヤ5,7は、スラスト・ワッシャ63,65を介してデフ・ケース3側の内側受け面39,41にスラスト力により押し付けられる。この押し付けにより、ヘリカル・サイド・ギヤ5,7と内側受け面39,41とがスラスト・ワッシャ63,65を介して摺動回転し、大きな差動制限力を得ることができる。
なお、このとき、ヘリカル・サイド・ギヤ5,7及び第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11のギヤ部5a,7a,11a,11bの噛み合い摺動、第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11の第1,第2収容孔43,45に対する径方向、軸方向の押し付けによる摺動によっても差動制限力が働く。
前記デフ・ケース3がコースト時の駆動トルクにより他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7が対向方向(矢印B方向)へのスラスト力を受ける。
このため、左右のヘリカル・サイド・ギヤ5,7は、スラスト・ベアリング77を介して内側対向面55,57が相互に押し付けられる。この押し付け時は、スラスト・ベアリング77の作用により、摺動抵抗が軽減され、ドライブ時の差動制限力に対して差を拡大することができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例1では、駆動入力が行われるデフ・ケース3と、このデフ・ケース3の回転軸と平行な軸上に配置され該デフ・ケース3内に形成された第1,第2収容孔43,45に回転可能に保持された第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11と、この第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11と噛合って軸方向に対向配置され駆動出力を行うための一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7とを備え、前記デフ・ケース3がドライブ時の駆動トルクにより一方向へ回転したときは前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7が反対向方向(矢印A方向)へのスラスト力を受け、デフ・ケース3がコースト時の駆動トルクにより他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7が対向方向(矢印B方向)へのスラスト力を受けるように前記第1,第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11及び一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7のねじれ角が設定されたデファレンシャル装置1であって、前記デフ・ケース3に、前記スラスト力を受けるヘリカル・サイド・ギヤ5,7を回転軸方向で受ける軸方向内向きの内側受け面39,41を設け、前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7のギヤ部5a,7aの歯幅方向端部の内周側に隣接して回転軸方向に相互に対向する環状の内側対向面55,57及び該ヘリカル・サイド・ギヤ5,7の反対向側で前記デフ・ケース3の内側受け面39,41に対向する環状の外側対向面57,59を設け、前記内側対向面55,57間に、周方向に複数のローラ77aを備えたスラスト・ベアリング77を配置した。
このため、スラスト・ベアリング77の転動径のサイズを大きくすることができ、スラスト・ベアリング77に入力されるスラスト力に対する十分な耐力を持たせることができる。
また、スラスト・ベアリング77を支持するための特別な部材を不要とし、構造を簡単にすることができる。
しかも、トルク・バイアス・レシオ(TBR)を低減することができる。
従って、車両が悪路などを走行中に、後輪の一方が空転しても大きいトルクを掛けることによりデファレンシャル装置1を介して他方の後輪に大きな駆動力が送られ、悪路走破性を高めることができる。又、良路走行中はデファレンシャル装置1の適度な差動制限力により操安性が向上し、円滑で安定な走行性と旋回性が得られる。又、制動時にはトルクの方向がコースト時と同じになり、差動制限力が小さくなって後輪間の拘束力が低減し、エンジンブレーキ使用時にABSとの干渉を避けることができる。
前記第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ11は、ギヤ部11a,11bに連続し該ギヤ部11a,11bの歯先径よりも小径の軸部11cを備え、前記スラスト・ベアリング77の軸方向位置を、前記軸部11cの軸長内とした。
このため、スラスト・ベアリング77の外径部と第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ11のギヤ部11a,11b先端との干渉を回避し、スラスト・ベアリング77の配置径を第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ11の存在に係わらず拡大することができる。結果的に、大きなベアリングサイズを選定することができ、耐久性を向上させることができる。
前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11は、前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7外周で周方向に並設され相互に噛み合う一対のピニオン・ギヤ組であり、前記ピニオン・ギヤ組の一方であるヘリカル・ピニオン・ギヤ9は、前記一対のヘリカル出力ギヤの一方であるヘリカル・サイド・ギヤ5に噛み合い、前記ピニオン・ギヤ組の他方であるヘリカル・ピニオン・ギヤ11は、前記一対のヘリカル出力ギヤの他方であるヘリカル・サイド・ギヤ7に噛み合い、前記スラスト・ベアリング77は、前記内側対向面55,57間に配置され、前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11と前記ヘリカル・サイド・ギヤ5,7との噛み合い端部間に配置された。
このため、ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11と前記ヘリカル・サイド・ギヤ5,7との噛み合い端部の干渉を防止しながら軸方向にコンパクトな配置が可能となる。
前記スラスト・ベアリング77のローラ77aは、前記内側対向面55,57に対して放射状に配置され、前記ローラ77aの放射方向外端部は、前記内側対向面55,57の径方向外径以上に位置し、前記ローラ77aは、一対の環状プレート77b,77cを介して前記各内側対向面55,57に当接する。
このため、ローラ77aの放射方向外端部の転動軌跡が環状の内側対向面55,57の外径を超えるような配置であっても、転動振動が環状プレート77b,77cとの接触によって抑制され、逆にヘリカル・サイド・ギヤ5,7からローラ77aに伝搬される噛み合い振動が抑制される。
前記一対の環状プレート77b,77cは、一方77bが前記ローラ77aの放射方向外端を覆い、該一方77bが他方77cに隙間を有して径方向に対向し、前記環状プレート77b,77c間の放射方向での隙間に、前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11及びヘリカル・サイド・ギヤ5,7の噛合部が回転軸方向に対向している。
このため、環状プレート77b,77c間の放射方向での隙間と前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11及びヘリカル・サイド・ギヤ5,7の噛合部との間で、潤滑オイルを無理なく流通させることができ、装置の耐久性を向上させることができる。
前記一対の環状プレート77b,77cは、他方77cが前記ローラ77aの放射方向内端を覆い、前記他方の環状プレート77cの径方向内端部77caが、前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7の何れかであるヘリカル・サイド・ギヤ7のベアリング支持部79の外周面に径方向(ローラ77aの放射方向)に支持されている。
このため、スラスト・ベアリング77の支持を安定させることができる。
前記スラスト・ベアリング77のローラ77aは、前記内側対向面55,57に対して放射状に配置され、前記ローラ77aは、一対の環状プレート77b,77cを介して前記各内側対向面55,57に当接し、前記環状プレート77b,77cは、径方向の一部が前記ヘリカル・サイド・ギヤ5,7のギヤ部5a,7aに回転軸方向に対向配置され、前記ローラ77aの個数と前記ヘリカル・サイド・ギヤ5,7及びヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11の噛合部の個数とは、整数で割り切れないように設定されている。
このため、ギヤの噛合によるスラスト力の振動とローラ77aの転動振動とが共振し合う現象を大幅(1/10以下)に低減することができる。従って、スラスト・ベアリング77の機能の安定化を図ることができる。
前記デフ・ケース3の一方向への回転は、ドライブ時の駆動トルクによると共に、前記デフ・ケース3の他方向への回転は、コースト時の駆動トルクにより、前記スラスト・ベアリング77は、前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7の内側対向面55,57間に配置された。
このため、ドライブ時には、各ヘリカル・サイド・ギヤ5,7をデフ・ケース3の内側受け面39,41に当接させることでスラスト力の付与により発生する摩擦力を安定させることができる。コースト時には、一対のヘリカル・サイド・ギヤ5,7間に配置されたスラスト・ベアリング77によってスラスト力に起因する摩擦力を打ち消すことができる。
図3は、本発明の実施例2に係るデファレンシャル装置の断面図である。なお、基本的な構成は、実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には、同符号又は同符号にAを付して説明する。
[デファレンシャル装置]
図3のデファレンシャル装置1Aは、スラスト・ベアリング77AA,77ABが、デフ・ケース3Aの内側受け面39,41と前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aの外側対向面57,59との間に設けられている。このスラスト・ベアリング77AA,77ABは、周方向に複数のローラ77AAa,ローラ77ABaを備えている。ローラ77AAa,ローラ77ABaは、外側対向面57,59に対して放射状に配置されている。各ローラ77AAa,ABaの放射方向外端部は、前記外側対向面57,59の放射方向外径以下に位置する。
このローラ77AAa,77ABaは、一対の環状プレート77AAb,77AAc、77ABb,77ABcを介して前記デフ・ケース3Aの内側受け面39,41と前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aの外側対向面59,61とに当接している。
前記一対の環状プレート77AAb,77AAc、77ABb,77ABcは、一方77AAb,77ABbが前記ローラ77AAa,77ABaの放射方向外端を覆い、該一方77AAb,77ABbが他方77AAc,77ABcに隙間を有して径方向に対向している。前記一対の環状プレート77AAb,77ABb及び環状プレート77AAc,77ABc間の隙間には、前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ9,11及びヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aの噛合部が回転軸方向に対向している。
また、一対の環状プレート77AAb,77AAc、77ABb,77ABcは、他方の環状プレート77AAc、77ABcの径方向内端部77AAca、77ABcaが前記ローラ77AAa,77ABaの放射方向内端を覆い、この環状プレート77AAc、77ABcの径方向内端部77AAca、77ABcaが、ヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aのベアリング支持部79Aa,79Abの外周面に支持されている。
前記ベアリング支持部79Aa,79Abは、外側対向面59,61に隣接して形成されている。
前記ヘリカル・サイド・ギヤ5A,7A間には、他の環状プレート81が介設されている。環状プレート81は、環状部81a及び係合部81bからなっている。環状部81aは、ヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aの内側対向面55,57からギヤ部5Aa,7Aaに渡る径を有している。係合部81bは、環状部81aの外周に放射状に形成され、第2ヘリカル・ピニオン・ギヤ11の軸部11cに係合している。この係合により、環状プレート81は、デフ・ケース3A側に対して回り止めがなされている。
[駆動力伝達]
基本的な動作は、実施例1と同様である。
一方、本実施例では、前記デフ・ケース3Aがドライブ時の駆動トルクにより一方向へ回転したとき、前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aが対向方向(矢印B方向)へのスラスト力を受ける。
このため、左右のヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aは、環状プレート81を介して内側対向面55,57が相互に押し付けられる。この押し付け時は、デフ・ケース3側の面に押し付けるのと同様に、環状プレート81を介した摺動回転により大きな差動制限力を得ることができる。
前記デフ・ケース3がコースト時の駆動トルクにより他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aは、反対向方向(矢印A方向)へのスラスト力を受ける。
このため、左右のヘリカル・サイド・ギヤ5A,7Aは、スラスト・ベアリング77AA,77ABを介して内側受け面39,41に押し付けられる。この押し付け時は、スラスト・ベアリング77AA,77ABの作用により、摺動抵抗が軽減され、ドライブ時の差動制限力に対して差を拡大することができる。
従って、本実施例でも、実施例1と同様な作用効果を奏することができる。
図4は、本発明の実施例3に係るデファレンシャル装置の断面図である。なお、基本的な構成は、実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には、同符号又は同符号にBを付して説明する。
[デファレンシャル装置]
本実施例のデファレンシャル装置1Bは、スラスト・ベアリング77Bの内周側の支持構造を変更したものである。
すなわち、一対の環状プレート77Bb,77Bcは、一方77Bbが、ローラ77Baの放射方向外端を覆うと共に、他方77Bcが、ローラ77Baの放射方向内端を覆う形状となっている。一方の環状プレート77Bbは、放射方向内端77Bbaが、ヘリカル・サイド・ギヤ5Bの係合穴73Bに係合して径方向に支持されている。
他方の環状プレート77Bcは、放射方向内端77Bcaがローラ77Baの放射方向内端を覆うが、ヘリカル・サイド・ギヤ7Bにベアリング支持部は設けられていない。
その他は、実施例1と同一構成である。
[駆動力伝達]
実施例1と同様に、デフ・ケース3Bがドライブ時の駆動トルクにより一方向へ回転したとき、前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5B,7Bが反対向方向(矢印A方向)へのスラスト力を受け、コースト時の駆動トルクにより他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル・サイド・ギヤ5B,7Bは、対向方向(矢印B方向)へのスラスト力を受ける。
従って、本実施例においても、実施例1と同様な作用効果を奏することができる。
図5は、本発明の実施例4に係るデファレンシャル装置の断面図、図6は、図5のVI−VI線矢視に対応した要部断面図である。なお、基本的な構成は、実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には、同符号又は同符号にCを付して説明する。
[デファレンシャル装置]
本実施例のデファレンシャル装置1Cは、図5,図6のように、前記デフ・ケース3Cが、アウター3Ca及びインナー3Cbからなっている。
アウター3Caは、軸方向の一側外周に入力スプライン83が形成され、内周に第1雌ねじ部85及び第2雌ねじ部87が段付き状に形成されている。アウター3Caの軸方向の他側には、側壁部17Cが形成され、側壁部17Cの内周にボス部21Cが設けられている。
インナー3Cbは、軸方向の一側外周に雄ねじ部89が形成され、軸方向の他側にギヤ支持柱91が軸方向に突設されている。ギヤ支持柱91には、周方向複数の収容孔93が形成されている。このインナー3Cbは、雄ねじ部89がアウター3Caの第1雌ねじ部85に螺合して結合され、第2雌ねじ部87に締結されたロック・ナット95により緩み止めが行われている。
前記収容孔93には、小径の軸部11Ccを備えたヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cが収容保持され、このヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cは、デフ・ケース3Cの回転軸と平行な軸上に配置された構成となっている。
前記デフ・ケース3C内のギヤ収容部31Cには、ヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cと噛合って回転軸方向に対向配置され駆動出力を行うための前記ヘリカル出力ギヤ5C,7Cが収容されている。ヘリカル出力ギヤ5C,7Cは、外周側にギヤ部5Ca,7Caが形成され、内周に軸結合用のインナー・スプライン5Cb,7Cbが形成されている。
ヘリカル・サイド・ギヤ5Cのギヤ部5Caは、ヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cのギヤ部11Caに、デフ・ケース3Cの内径側から噛み合っている。ヘリカル・サイド・ギヤ7Cのギヤ部7Caは、インターナル・ギヤで形成され、ヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cのギヤ部11Caに、デフ・ケース3Cの外径側から噛み合っている。ヘリカル・サイド・ギヤ7Cのギヤ部7Caは、嵌合軸部69C側に対し環状壁7Cdを介して外周側に形成された構成となっている。
前記デフ・ケース3Cがドライブ時の駆動トルクにより一方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤ5C,7Cが反対向方向(矢印A方向)へのスラスト力を受け、デフ・ケース3Cがコースト時の駆動トルクにより他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤ5C,7Cが対向方向(矢印B方向)へのスラスト力を受けるように前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cのギヤ部11Ca及び一対のヘリカル出力ギヤ5C,7Cのギヤ部5Ca,7Caのねじれ角が設定されている。
本実施例において、一方の内側受け面39Cは、デフ・ケース3Cのインナー3Cbの内周一側に形成され,他方の内側受け面41Cは、アウター3Caの側壁部17Cに形成されている。内側対向面55C及び外側対向面59Cは、ヘリカル出力ギヤ5Cのギヤ部5Caの歯幅方向端部の内周側に環状に形成されている。内側対向面57C及び外側対向面61Cは、環状壁7Cdに形成され、ギヤ部7Caの歯幅方向端部の内周側に設けられた構成となっている。
前記一対のヘリカル出力ギヤ5C,7Cの内側対向面55C,57C間に、スラスト・ベアリング77Cが配置されている。スラスト・ベアリング77Cの軸方向位置は、前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cの軸部11Ccの軸長内となっている。
スラスト・ベアリング77Cの各ローラ77Caの放射方向外端部は、前記内側対向面55Cの放射方向外径以上に位置する。
一対の環状プレート77Cb,77Ccは、他方77Ccが前記ローラ77Caの放射方向外端を覆い、該他方77Ccが一方77Cbに隙間を有して放射方向に対向している。前記一対の環状プレート77Cb,77Cc間の隙間には、前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ11C及びヘリカル出力ギヤ5Cの噛合部が回転軸方向に対向している。
また、一対の環状プレート77Cb,77Ccは、一方の環状プレート77Cbの径方向内端部77Cbaが前記ローラ77Caの放射方向内端を覆い、この環状プレート77Cbの径方向内端部77Cbaが、ベアリング支持部79Cの外周面に径方向(ローラ77Caの放射方向)に支持されている。ベアリング支持部79Cは、前記ヘリカル出力ギヤ7Cの環状壁7Cdの内周側に一体に形成されている。
前記環状プレート77Cbは、前記ヘリカル出力ギヤ5Cのギヤ部5Caに回転軸方向に対向配置され、前記ローラ77Caの個数と前記ヘリカル出力ギヤ5C及びヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cの噛合部の個数とは、整数で割り切れないように設定されている。この場合、ヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cが、ヘリカル出力ギヤ5Cの周囲に6個備えられたものであれば、噛合部の個数は、6個となる。
前記外側対向面55C及び内側受け面39C間には、2枚のスラスト・ブッシュ97が介設され、前記外側対向面61C及び内側受け面41C間には、径の大きな1枚のスラスト・ブッシュ99が介設されている。
[駆動力伝達]
前記デフ・ケース3Cに駆動力が伝達されると、インナー3Cbのギヤ支持柱91の収容孔93からヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cに公転力が伝達され、このヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cからヘリカル出力ギヤ5C,7Cを介して回転出力される
ヘリカル出力ギヤ5C,7C間に差動回転を生じるとヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cの自転により差動回転が許容され、差動分配出力が行われる。
前記デフ・ケース3Cがドライブ時の駆動トルクにより一方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤ5C,7Cが反対向方向(矢印A方向)へのスラスト力を受ける。
このため、左右のヘリカル出力ギヤ5C,7Cは、スラスト・ブッシュ97,99を介してデフ・ケース3C側の内側受け面39C,41Cにスラスト力により押し付けられる。この押し付けにより、ヘリカル出力ギヤ5C,7Cと内側受け面39C,41Cとがスラスト・ブッシュ97,99を介して摺動回転し、大きな差動制限力を得ることができる。
なお、このとき、ヘリカル出力ギヤ5C,7C及びヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cのギヤ部5Ca,7Ca,11Caの噛み合い摺動、ヘリカル・ピニオン・ギヤ11Cの収容孔93に対する径方向、軸方向の押し付けによる摺動によっても差動制限力が働く。
前記デフ・ケース3Cがコースト時の駆動トルクにより他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤ5C,7Cが対向方向(矢印B方向)へのスラスト力を受ける。
このため、左右のヘリカル出力ギヤ5C,7Cは、スラスト・ベアリング77Cを介して内側対向面55,57が相互に押し付けられる。この押し付け時は、スラスト・ベアリング77Cの作用により、摺動抵抗が軽減され、ドライブ時の差動制限力に対して差を拡大することができる。
従って、本実施例でも、実施例1と同様な作用効果を奏することができる。
デファレンシャル装置の一部を切り欠いた斜視図である。(実施例1) デファレンシャル装置の断面図である。(実施例1) デファレンシャル装置の断面図である。(実施例2) デファレンシャル装置の断面図である。(実施例3) デファレンシャル装置の断面図である。(実施例4) 図5のVI−VI線矢視に対応した断面図である。(実施例4)
符号の説明
1,1A,1B,1C デファレンシャル装置
3,3C デフ・ケース(ケース)
5,5A,5B,7,7A,7B ヘリカル・サイド・ギヤ(ヘリカル出力ギヤ)
5C,7C ヘリカル出力ギヤ
5a,5Aa,5Ca,7a,7Aa,7Ca,9a,11Ca ギヤ部
9,11,11C ヘリカル・ピニオン・ギヤ
11c,11Cc 小径の軸部
43,45,93 収容孔
39,39C,41,41C 内側受面
55,55C,57,57C 内側対向面
59,59C,61,61C 外側対向面
77,77AA,77AB,77B,77C スラスト・ベアリング
77a,77AAa,77ABa,77Ba,77Ca ローラ
77b,77AAb,77AAc,77ABb,77ABc,77Bb,77
Bc,77Cb,77Cc 環状プレート
77ca,77AAca,77ABca,77Bba,77Cba 環状プレートの放射方向内端

Claims (2)

  1. 駆動入力が行われるケースと、
    このケースの回転軸と平行な軸上に配置され該ケース内に形成された収容孔に回転可能に保持されたヘリカル・ピニオン・ギヤと、
    このヘリカル・ピニオン・ギヤと噛合って回転軸方向に対向配置され駆動出力を行うための一対のヘリカル出力ギヤとを備え、
    前記ケースが一方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤが反対向方向へのスラスト力を受け、ケースが他方向へ回転したときは前記一対のヘリカル出力ギヤが対向方向へのスラスト力を受けるように前記ヘリカル・ピニオン・ギヤ及び一対のヘリカル出力ギヤのねじれ角が設定されたデファレンシャル装置であって、
    前記ケースに、前記スラスト力を受けるヘリカル出力ギヤを回転軸方向で受ける軸方向内向きの内側受け面を設け、
    前記一対のヘリカル出力ギヤのギヤ部の歯幅方向端部の内周側に回転軸方向に相互に対向する環状の内側対向面及び該ヘリカル出力ギヤの反対向側で前記ケースの内側受け面に 対向する環状の外側対向面を設け、
    前記ケースの内側受け面と前記一対のヘリカル出力ギヤの外側対向面との間に、又は前記内側対向面間に、周方向に複数のローラを備えたスラスト・ベアリングを配置し、
    前記スラスト・ベアリングのローラは、前記内側対向面又は外側対向面に対して放射状に配置され、
    前記ローラは、一対の環状プレートを介して前記ケースの内側受け面と前記一対のヘリカル出力ギヤの外側対向面とに当接し、又は前記各内側対向面に当接し、
    前記環状プレートは、径方向の一部が前記ヘリカル出力ギヤのギヤ部に回転軸方向に対向配置され、
    前記ローラの個数と前記ヘリカル出力ギヤ及びヘリカル・ピニオン・ギヤの噛合部の個数とは、整数で割り切れないように設定されている
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、
    前記ヘリカル・ピニオン・ギヤは、ギヤ部に連続し該ギヤ部の歯先径よりも小径の軸部を備え、
    前記スラスト・ベアリングの軸方向位置を、前記軸部の軸長内とした、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
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