JPH0942416A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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Publication number
JPH0942416A
JPH0942416A JP18921195A JP18921195A JPH0942416A JP H0942416 A JPH0942416 A JP H0942416A JP 18921195 A JP18921195 A JP 18921195A JP 18921195 A JP18921195 A JP 18921195A JP H0942416 A JPH0942416 A JP H0942416A
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JP
Japan
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gear
gears
differential
pinion
meshing
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Pending
Application number
JP18921195A
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English (en)
Inventor
Masao Teraoka
正夫 寺岡
Sakuo Kurihara
作雄 栗原
Yasuhiko Ishikawa
泰彦 石川
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギヤの応力集中や部分的な当たりなどを防止
し、噛み合いを良好に保ち、耐久性を向上させ、大きな
差動制限力を得る。 【解決手段】 エンジンにより回転駆動されるデフケー
ス3に配置された出力側サイドギヤ15、17と、ギヤ
15、17の径方向外側に軸方向に平行配置され、ギヤ
15、17と各別に噛み合う第1ギヤ部47、53と互
いに噛み合う第2ギヤ部49、55とを有する4対のピ
ニオンギヤ43、45と、ギヤ43、45を摺動回転自
在に収納する収納孔39、41とを備え、第1ギヤ部4
7、53と第2ギヤ部49、55との間に歯底径以下の
軸部51と分割部57とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に用いられ
るデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭49−104328号公報に図3
のようなデファレンシャル装置201が記載されてい
る。
【0003】このデファレンシャル装置201は、デフ
ケース203、出力側のサイドギヤ205、207、こ
れらの径方向外側に平行配置されサイドギヤ205、2
07を連結する複数組のピニオンギヤ209、211、
デフケース203に形成されピニオンギヤ209、21
1をそれぞれ摺動回転自在に収納する収納孔213、2
15などを備えている。
【0004】各ピニオンギヤ209、211はサイドギ
ヤ205、207と各別に噛み合う第1ギヤ部217、
219と、互いに噛み合う第2ギヤ部221、223と
で一体に形成されている。ピニオンギヤ209のギヤ部
217、221の捩じれ角は同方向であり、ピニオンギ
ヤ211のギヤ部219、223の捩じれ角も同方向で
ある。
【0005】エンジンの駆動力はデフケース203を回
転させ、ピニオンギヤ209、211からサイドギヤ2
07、205を介して車輪側に伝達され、車輪間に駆動
抵抗差が生じたときは、ピニオンギヤ209、211の
自転により駆動力は各車輪側に差動分配される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】例えば、ピニオンギヤ
209と噛み合うサイドギヤ207とピニオンギヤ21
1の第2ギヤ部223はトルクを受けると歯の中央部2
29と端部225、227で噛み合い、剛性の低いそれ
ぞれの端部225、227に捩じれ方向の撓みが生じ
る。
【0007】しかし、これらの端部225、227に対
向するピニオンギヤ209の中央部229は捩じれ方向
の剛性が高く、各端部225、227の撓みを吸収する
ことができない。従って、各端部225、227と中央
部229の付近に応力集中が生じ、ピニオンギヤ209
の斜線231の箇所にピッチング(荷重を受けて金属の
表面から薄片が剥脱する現象)やスコーリング(ギヤの
歯元が噛み合った相手側ギヤの歯先で抉られる現象)な
どが発生する。
【0008】又、ピニオンギヤ209の中央部229の
剛性が高いから、端部225、227に繰り返し発生す
る捩じれに伴う撓みはギヤ部の歯筋の撓みによって吸収
されることになり、遂にはギヤ部の歯筋が破損する恐れ
がある。このような問題は、ピニオンギヤ211にもピ
ニオンギヤ209と同様に発生する。
【0009】更に、デファレンシャル装置201のよう
にピニオンギヤ209、211が軸方向に平行配置され
た装置では、回転方向に先行配置されたピニオンギヤ
に、サイドギヤと他のピニオンギヤからほぼ反対向きの
噛み合い反力が掛かる。車両の前進走行時と後進走行時
とで先行回転するピニオンギヤが変わるから、このよう
な反対方向の噛み合い反力はいずれのピニオンギヤにも
掛かることになり、生じた転倒モーメント235、23
7(例としてピニオンギヤ209上に描いてある)を受
けて各ピニオンギヤ209、211には回転中心軸に対
する倒れが生じる。
【0010】この倒れにより、各ピニオンギヤ209、
211と収納孔213、215との間で部分的な当たり
が起こり、偏摩耗や焼き付きなどが発生すると共に、各
ギヤの噛み合いが悪化する。
【0011】これに加えて、デファレンシャル装置20
1のような構成の装置では、ヘリカルギヤの噛み合いス
ラスト力により、例えば、サイドギヤ205、207の
間に生じる摩擦抵抗によって差動制限力を得ている。し
かし、デファレンシャル装置201では、サイドギヤ2
05、207の間にスペースが設けられ、このスペース
にクロスピン239やスペーサ241などが配置されて
おり、サイドギヤ205、207間の摩擦抵抗を充分に
利用できない。
【0012】例えば、各サイドギヤ205、207を直
接接触させて摩擦抵抗を充分に利用するために、各サイ
ドギヤ207、205を内側に延長すると、この延長部
とピニオンギヤ209、211との干渉を防止するため
に、延長部を小径にしなければならず、大きな差動制限
力が得られない。
【0013】そこで、この発明は、ギヤの応力集中や部
分的な当たりなどを防止し、ギヤの噛み合いを良好に保
ち、耐久性を向上させ、大きな差動制限力が得られるデ
ファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケースと、デフケースの内部に回転自在に支承された
一対の出力側ヘリカルサイドギヤと、これらサイドギヤ
の径方向外側に軸方向に平行配置され、サイドギヤと各
別に噛み合う第1ギヤ部と互いに噛み合う第2ギヤ部と
を有する少なくとも一対のヘリカルピニオンギヤと、デ
フケースに形成され各ピニオンギヤを摺動回転自在に収
納する収納孔とを備え、前記ピニオンギヤの第1ギヤ部
と第2ギヤ部とがそれぞれ一体に成形されて同一方向の
捻じれ角を有し、第1ギヤ部と第2ギヤ部との間に歯底
径以下の分割部を設けたことを特徴とする。
【0015】請求項2のデファレンシャル装置は、サイ
ドギヤとデフケースとの間にスラストワッシャが配置さ
れ、このスラストワッシャの外周部がピニオンギヤと干
渉しない範囲で分割部に貫入した請求項1のデファレン
シャル装置である。
【0016】請求項3のデファレンシャル装置は、ピニ
オンギヤの第2ギヤ部が両サイドギヤの少なくとも一側
の軸方向外側で噛み合い、これらの第2ギヤ部が互いの
噛み合い部以外の全面で収納孔に支承された請求項1又
は2のデファレンシャル装置である。
【0017】各請求項のデファレンシャル装置では、ピ
ニオンギヤが受ける噛み合い反力と各ギヤの噛み合いス
ラスト力とによって摩擦抵抗が発生し、この摩擦抵抗に
よりトルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0018】請求項1のデファレンシャル装置は、ピニ
オンギヤに歯底径以下の分割部を設けて第1ギヤ部と第
2ギヤ部とを分割し、この分割部によりギヤ部の間でピ
ニオンギヤの剛性を適度に緩和した。
【0019】従って、サイドギヤの端部と第2ギヤ部の
端部の捻じれ撓みが、これらと噛み合うピニオンギヤの
分割部での捻じれ撓みによって吸収されるから、ピッチ
ングやスコーリングなどが防止される。又、従来はこれ
ら相手側ギヤの各端部で繰り返し生じていた歯筋の撓み
が、この分割部の撓みによって吸収されるから、歯筋の
破損が生じない。
【0020】更に、ピニオンギヤが反対方向の噛み合い
反力による転倒モーメントを受けても、この転倒モーメ
ントは分割部の撓みによって吸収されるから、ピニオン
ギヤと収納孔との部分的な当たり及びこの当たりによる
偏摩耗や焼き付きが防止されると共に、各ギヤの噛み合
いが良好に保たれる。こうして、デファレンシャル装置
の耐久性が大幅に向上する。
【0021】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、サイドギヤとデ
フケースとの間にスラストワッシャを配置し、このスラ
ストワッシャの外周部をピニオンギヤと干渉しない範囲
で分割部に貫入させたものであり、請求項1のデファレ
ンシャル装置と同様に、分割部によってピニオンギヤの
剛性を適度に緩和したから、ピッチングやスコーリン
グ、相手側ギヤの破損、収納孔との間の偏摩耗や焼き付
き、ギヤの噛み合い悪化などが防止され、デファレンシ
ャル装置の耐久性が大幅に向上する。
【0022】これに加えて、ピニオンギヤの分割部を利
用し、サイドギヤのスラストワッシャを大径化したか
ら、噛み合いスラスト力による摩擦抵抗と差動制限力と
がそれだけ強化されると共に、スラストワッシャの摺動
面積増大によりサイドギヤの焼き付きが防止される。
【0023】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1又は2のデファレンシャル装置において、ピニオン
ギヤの第2ギヤ部を両サイドギヤの少なくとも一側の軸
方向外側で噛み合わせると共に、これらの第2ギヤ部を
互いの噛み合い部以外の全面で収納孔によって支承した
ものであり、請求項1又は2のデファレンシャル装置と
同様に、ピニオンギヤの剛性を適度に緩和したことによ
り、ピッチングやスコーリング、相手側ギヤの破損、収
納孔との間の偏摩耗や焼き付き、ギヤの噛み合い悪化な
どが防止され、デファレンシャル装置の耐久性が大幅に
向上する。
【0024】これに加えて、第2ギヤ部を収納孔で確実
に支承したから、各ピニオンギヤの倒れと芯振れなどが
防止され、相手側ギヤとの噛み合いが向上すると共に、
収納孔との間の偏摩耗や焼き付きが更に効果的に防止さ
れる。このような効果に加えて、例えば、請求項2の構
成によって、サイドギヤの噛み合いスラスト力による大
きな摩擦抵抗と差動制限力とが得られる。
【0025】又、各ピニオンギヤの第2ギヤ部を両サイ
ドギヤの軸方向外側で噛み合わせたことにより、両サイ
ドギヤの間に第2ギヤ部との干渉を避けるためのスペー
スを設ける必要がなくなるから、両サイドギヤを接触さ
せて摩擦抵抗を充分に利用し、差動制限力を強化するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1、2により本発明の一実施例
を説明する。この実施例は請求項1、2、3の特徴を備
えており、図1はこの実施例のデファレンシャル装置1
を示している。なお、左右の方向は図1での左右の方向
であり、符号を与えていない部材等は図示されていな
い。
【0027】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケース3はケーシング本体5とカバー7とをボルト
9で固定して構成されている。デフケース3にはリング
ギヤが固定されており、このリングギヤは動力伝達系の
出力ギヤと噛み合っている。こうして、デフケース3は
エンジンの駆動力により動力伝達系を介して回転駆動さ
れる。
【0028】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、デフケース3のボス部11、1
3はベアリングを介してデフキャリヤに支承されてい
る。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられており、デ
ファレンシャル装置1は、静止状態では下部がこのオイ
ル溜りに浸されており、回転するとオイル溜りからオイ
ルを撥ね上げる。
【0029】デフケース3の内部には、それぞれヘリカ
ルギヤで構成された出力側のサイドギヤ15、17が配
置されている。
【0030】各サイドギヤ15、17の中空のボス部1
9、21はデフケース3の支承部23、25によって回
転自在に支承されている。又、ボス部19、21の内側
に形成された大径部27、29には、これらの内周に跨
がってスラストブロック31が配置され、サイドギヤ1
5、17の各自由端を支承しながらセンターリングして
いる。
【0031】スラストブロック31には、互いに平行な
2面の面取り部32が設けられており、これらの面取り
部32と大径部27、29との間にはオイル溜りが形成
されている。
【0032】サイドギヤ15のボス部19は一側車輪の
出力軸にスプライン連結され、サイドギヤ17のボス部
21は他側車輪の出力軸にスプライン連結されている。
これらの出力軸はスラストブロック31を介して互いに
付き当てられている。
【0033】サイドギヤ15とデフケース3の間にはス
ラストワッシャ33が配置され、サイドギヤ17とデフ
ケース3の間にはスラストワッシャ35が配置され、サ
イドギヤ15、17の間(スラストブロック31の外周
側)にはスラストワッシャ37が配置されている。
【0034】デフケース3には長短の収納孔39、41
が形成されている。これらの収納孔39、41は4組が
周方向に配置されており、それぞれは軸方向に平行配置
されている。収納孔39、41にはヘリカルギヤで構成
された長短のピニオンギヤ43、45がそれぞれ摺動回
転自在に収納されている。
【0035】長いピニオンギヤ43は、第1と第2のギ
ヤ部47、49と、これらを連結する小径の軸部51
(分割部)とからなり、第1ギヤ部47は右のサイドギ
ヤ17と噛み合っている。又、短いピニオンギヤ45
は、第1と第2のギヤ部53、55と、これらの間に形
成された分割部57とからなり、第1ギヤ部53は左の
サイドギヤ15と噛み合い、第2ギヤ部55はピニオン
ギヤ43の第2ギヤ部49と噛み合っている。
【0036】軸部51と分割部57は、各ギヤ部47、
49、53、55より小径にされており、このように、
ピニオンギヤ43は軸部51によってギヤ部47、49
が分割され、ピニオンギヤ45は分割部57によってギ
ヤ部53、55が分割されている。
【0037】図2に示すように、スラストワッシャ33
の外周部には各ピニオンギヤ43、45との干渉を避け
る凹部59、61が形成されていると共に、凹部59、
61の間に形成された凸部63、65は、図1のよう
に、それぞれ軸部51と分割部57とに貫入している。
図2のr2は凸部63、65を設けたスラストワッシャ
33の半径であり、ピニオンギヤに分割部を形成しない
従来例での半径r1のスラストワッシャに較べて、大径
にされ摺動面積が増加している。
【0038】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンギヤ43、45からサイドギヤ17、1
5を介して各出力軸に分配される。又、例えば悪路走行
中に、車輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオンギヤ4
3、45の自転によってエンジンの駆動力は各車輪側に
差動分配される。
【0039】トルクの伝達中、各ピニオンギヤ43、4
5の歯先はサイドギヤ17、15との噛み合い反力によ
り収納孔39、41の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が
発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
って各ピニオンギヤ43、45と収納孔39、41の各
端面の間で摩擦抵抗が発生すると共に、スラストワッシ
ャ33を介してサイドギヤ15とデフケース3との間
で、スラストワッシャ35を介してサイドギヤ17とデ
フケース3との間で、又スラストワッシャ37を介して
サイドギヤ15、17の間でそれぞれ摩擦抵抗が発生す
る。これらの摩擦抵抗により、トルク感応型の差動制限
機能が得られる。
【0040】図1のように、デフケース3には開口6
7、69が設けられており、ボス部11、13の内周に
は螺旋状のオイル溝71、73が形成されている。
【0041】デファレンシャル装置1が静止していると
きは、開口67、69及びオイル溝71、73を浸漬し
たオイルがデフケース3の内部に流入し、収納孔39、
41や各ギヤの噛み合い部などに供給され、これらを潤
滑する。
【0042】デファレンシャル装置1が回転すると、オ
イル溜りから撥ね上げられデフキャリヤの内壁で跳ね返
ったオイルが、開口67、69やオイル溝71、73な
どからデフケース3に流入して内部を潤滑する。又、ス
ラストブロック31の面取り部32で形成されたオイル
溜りから、遠心力によってオイルが強制的に各スラスト
ワッシャ33、35、37に供給され、サイドギヤ1
5、17とデフケース3との焼き付きを防止すると共
に、このオイルは収納孔39、41と各ギヤの噛み合い
部を潤滑する。こうして、デファレンシャル装置1が構
成されている。
【0043】デファレンシャル装置1では、上記のよう
に、各ピニオンギヤ43、45に各ギヤ部47、49、
53、55をそれぞれ分割する軸部51と分割部57と
が設けられており、これらの軸部51と分割部57とに
より剛性、特に、捻じれ方向の剛性が適度に緩和されて
いる。
【0044】従って、ピニオンギヤ43では、トルク伝
達時にサイドギヤ17端部の捻じれ撓みとピニオンギヤ
45(第2ギヤ部55)端部の捻じれ撓みとが軸部51
の捻じれ撓みによって吸収され、ピニオンギヤ45で
は、サイドギヤ15端部の捻じれ撓みとピニオンギヤ4
3(第2ギヤ部49)端部の捻じれ撓みとが分割部57
の捻じれ撓みによって吸収される。
【0045】その結果、各ピニオンギヤ43、45でピ
ッチングやスコーリングなどが防止されると共に、従来
は相手側ギヤの各端部で繰り返し生じた歯筋の撓みが、
これらの軸部51と分割部57の撓みによって吸収され
るから、歯筋の破損が防止される。
【0046】更に、各ピニオンギヤ43、45に反対方
向の噛み合い反力が掛かっても、この転倒モーメントは
軸部51と分割部57の撓みによって吸収されるから、
収納孔39、41との部分的な当たりと、この当たりに
よる偏摩耗や焼き付きなどが防止され、各ギヤの噛み合
いが良好に保たれる。こうして、デファレンシャル装置
1の耐久性が大幅に向上する。
【0047】又、上記のように、凸部63、65を設け
たことによりスラストワッシャ33が大径になり、従来
例のスラストワッシャに較べて接触面積が増加している
と共に、他のスラストワッシャ35、37もこれに見合
って大径化されているから、噛み合いスラスト力による
サイドギヤ15、17とデフケース3及びサイドギヤ1
5、17間の摩擦抵抗と差動制限力とがそれだけ強化さ
れる。又、スラストワッシャ33、35、37の摺動面
積増大によりデフケース3とサイドギヤ15、17及び
サイドギヤ15、17間の焼き付きが防止される。
【0048】更に、各ピニオンギヤ43、45の第2ギ
ヤ部49、55が両サイドギヤ15、17の軸方向外側
で噛み合っているから、第2ギヤ部49、55を噛み合
い部以外の全面で各収納孔39、41によって支承する
ことが可能になり、各ピニオンギヤ43、45の支持状
態が向上し、倒れや芯振れなどが防止される。従って、
相手側ギヤとの噛み合いが向上し、収納孔39、41と
の間の偏摩耗や焼き付きが効果的に防止される。
【0049】又、このように第2ギヤ部49、55をサ
イドギヤ15、17の軸方向外側で噛み合わせたことに
より、図3の従来例でサイドギヤ15、17の間に設け
られているスペースが不要になるから、スラストワッシ
ャ37を介してサイドギヤ15、17を接触させること
により、サイドギヤ15、17間の摩擦抵抗を充分に利
用して差動制限力を強化することができる。
【0050】デファレンシャル装置1を搭載した車両
は、そのトルク感応型差動制限機能によって、発進時や
加速時のように大きなトルクが掛かった時の車体の挙動
が安定すると共に、上記のようなデファレンシャル装置
1の耐久性向上効果により、長期にわたって優れた操縦
性や走行性が得られる。
【0051】なお、請求項3の構成において、各ピニオ
ンギヤに第2ギヤ部を2箇所設け、これらを両サイドギ
ヤの軸方向両側で噛み合わせてもよい。この場合も、本
発明に従って第1ギヤ部と第2ギヤ部の間に分割部を設
け、剛性を適度に緩和することにより、ピッチングやス
コーリング、相手側ギヤの破損、収納孔との間の偏摩耗
や焼き付きなどが防止され、ギヤの噛み合いが良好に保
たれて、デファレンシャル装置の耐久性が大幅に向上す
る。
【0052】又、本発明のデファレンシャル装置は、フ
ロントデフ(前輪側の車軸上に配置されたデファレンシ
ャル装置)や、リヤデフ(後輪側の車軸上に配置された
デファレンシャル装置)や、センターデフ(エンジンの
駆動力を前輪側と後輪側とに分配するデファレンシャル
装置)に用いることができる。
【0053】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、ピ
ニオンギヤに歯底径以下の分割部を設けて第1ギヤ部と
第2ギヤ部とを分割し、この分割部によって各ギヤ部の
間でピニオンギヤの剛性を適度に緩和した。
【0054】従って、サイドギヤ及びピニオンギヤの第
2ギヤ部の各端部の捻じれ撓みと、これら相手側ギヤの
各端部で繰り返し生じていた歯筋の撓みとが、これらと
噛み合うピニオンギヤ側の捻じれ撓みによって吸収さ
れ、ピッチングやスコーリングや歯筋の破損などが防止
される。
【0055】又、ピニオンギヤに掛かる転倒モーメント
もこの分割部の撓みによって吸収されるから、収納孔と
の部分的な当たりと、この当たりによる偏摩耗や焼き付
きなどが防止され、各ギヤの噛み合いが良好に保たれ
る。こうして、デファレンシャル装置の耐久性が大幅に
向上する。
【0056】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、サイドギヤとデ
フケースとの間に配置したスラストワッシャの外周部を
ピニオンギヤと干渉しない範囲で分割部に貫入させたも
のであり、請求項1のデファレンシャル装置と同じ効果
を得ている。
【0057】これに加えて、ピニオンギヤの分割部を利
用してサイドギヤのスラストワッシャを大径化したか
ら、噛み合いスラスト力による摩擦抵抗と差動制限力と
がそれだけ強化されると共に、スラストワッシャの摺動
面積増大によりサイドギヤの焼き付きが防止される。
【0058】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1又は2のデファレンシャル装置において、ピニオン
ギヤの第2ギヤ部を両サイドギヤの少なくとも一側の軸
方向外側で噛み合わせると共に、第2ギヤ部の噛み合い
部以外の全面を収納孔で支承したものであり、請求項1
又は2のデファレンシャル装置と同じ効果を得ている。
【0059】これに加えて、第2ギヤ部を収納孔で確実
に支承し、ピニオンギヤの倒れと芯振れなどを防止した
から、相手側ギヤとの噛み合いが向上し、収納孔との間
の偏摩耗や焼き付きが効果的に防止される。更に、第2
ギヤ部を両サイドギヤの軸方向外側で噛み合わせたこと
により、両サイドギヤを接触させて摩擦抵抗を充分に利
用し、差動制限力を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の実施例に用いられたスラストワッシャの
平面図である。
【図3】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケース 15、17 出力側サイドギヤ 33 スラストワッシャ 39、41 収納孔 43、45 ピニオンギヤ 47、53 第1ギヤ部 49、55 第2ギヤ部 51 軸部(分割部) 57 分割部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケースと、デフケースの内部に回転自在に支承され
    た一対の出力側ヘリカルサイドギヤと、これらサイドギ
    ヤの径方向外側に軸方向に平行配置され、サイドギヤと
    各別に噛み合う第1ギヤ部と互いに噛み合う第2ギヤ部
    とを有する少なくとも一対のヘリカルピニオンギヤと、
    デフケースに形成され各ピニオンギヤを摺動回転自在に
    収納する収納孔とを備え、前記ピニオンギヤの第1ギヤ
    部と第2ギヤ部とがそれぞれ一体に成形されて同一方向
    の捻じれ角を有し、第1ギヤ部と第2ギヤ部との間に歯
    底径以下の分割部を設けたことを特徴とするデファレン
    シャル装置。
  2. 【請求項2】 サイドギヤとデフケースとの間にスラス
    トワッシャが配置され、このスラストワッシャの外周部
    がピニオンギヤと干渉しない範囲で分割部に貫入した請
    求項1のデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 ピニオンギヤの第2ギヤ部が両サイドギ
    ヤの少なくとも一側の軸方向外側で噛み合い、これらの
    第2ギヤ部が互いの噛み合い部以外の全面で収納孔に支
    承された請求項1又は2のデファレンシャル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009097674A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 デファレンシャル装置

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JP2009097674A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 デファレンシャル装置

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