JP4964024B2 - 電子写真用シームレスベルトの処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真に用いられるシームレスベルトに関し、それの廃棄処理に関するものである。
電子写真装置においては、その装置内においてさまざまな用途でシームレスベルト部材が用いられている。例えば、定着ベルト、転写ベルト、紙搬送ベルトなどが挙げられる。
その中でも、フルカラー電子写真装置において、感光体上に形成された4色のトナー画像を一旦、中間転写ベルトに転写することにより中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成し、その後に紙などの転写媒体に一括転写する方式における中間転写ベルトがある。中間転写ベルトは、複写機のフルカラー化が進み需要が急増している。
中間転写ベルトとしては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ゴムやエラストマーなどの材料が使用されている。
しかしながら、本方式においては、高速性を得るため、中間転写ベルトに対峙する各色の色現像装置を直列に配置したタンデム方式と言われる方式が主流となっている。本プロセスに使用される中間転写ベルトは、走行中に変形による色重ねずれが生じず、繰返し使用に耐えうる高強度のものが要求され、また、難燃性も要求されるため、ポリイミドやポリアミドイミド樹脂が好ましく用いられており、我々は既にそのようなポリイミド製無端ベルトの使用をいくつか提案している(例えば特許文献1の特開2002−123098号公報、特許文献2の特開2005−10182号公報参照)。
ポリイミドやポリアミドイミドなどの耐熱性が高い樹脂により構成された中間転写ベルトを使用後、廃棄する場合、熱分解処理があるがかなりの高温にする必要があり、廃棄処理に多大なエネルギーを消費し、より大量の二酸化炭素を排出してしまう。また、大気汚染も汚染する。別の方法として、酸・アルカリによる分解方法もあるが、処理後に発生する廃液処理の問題があり、好ましくない。埋め立て廃棄も環境上好ましくない。
近年では、環境にやさしい処理として超臨界流体を用いることが提案されている。
特許文献3では、熱可塑性樹脂を超臨界流体または亜臨界流体によって分解させることが提案されている。また、特許文献4では、熱硬化性樹脂を超臨界水または亜臨界水により分解させ、得られた低分子化合物によりリサイクルすることが提案されている。特許文献5では、ポリイミド樹脂を超臨界水で分解させ、リサイクルすることが提案されている。
しかしながら、添加物を多く含む電子写真用シームレスベルトのようなものでは、分解混合物としての廃水処理に問題があった。
特開2002−123098号公報 特開2005−10182号公報 特許第3042076号公報 特許第3850072号公報 特開2001−163973号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決するものであり、環境にやさしい電子写真用シームレスベルトの廃棄処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題は、電子写真用シームレスベルト、特に、充填材を含有するポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂により構成される中間転写ベルトを水超臨界水または亜臨界水のような超臨界流体または亜臨界流体により分解することにより達成されることを見出した。
さらには、分解混合物から充填材を分離・回収し、これを再利用することにより、より環境負荷を低減した廃棄処理とすることを見出した。
すなわち、上記課題は、以下の本発明によって解決される。
)「少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを超臨界流体または亜臨界流体に接触させる工程、次いで、充填材を分離・除去する工程、該充填材を洗浄する工程、充填材を再利用する工程を有することを特徴とする電子写真シームレスベルトの処理方法」、
)「前記超臨界流体または亜臨界流体が、超臨界水または亜臨界水であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真シームレスベルトの処理方法」、
)「前記充填材がカーボンブラックであることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法」、
)「前記樹脂が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法」、
)「前記熱硬化性樹脂が、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする前記第()項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法」、
)「前記充填材を洗浄する工程が、超臨界二酸化炭素を接触させる工程であることを特徴とする前記第()項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法」、
)「少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを超臨界流体または亜臨界流体に接触させる工程、次いで、充填材を分離・除去する工程、該充填材を洗浄する工程により得られた該充填材を樹脂と混合する工程、該混合物を成形する工程によって作製されることを特徴とする電子写真シームレスベルトの製造方法」、
請求項によれば、電子写真用シームレスベルトをよりクリーンに廃棄処理することが可能となる。
請求項1、6によれば、回収した充填材を廃棄することなく再利用し、さらにクリーンな廃棄処理が可能となる。
請求項3〜5によれば、電子写真用シームレスベルト、特に中間転写ベルトへのクリーンな廃棄処理方法を適用できるものである。
請求項によれば、回収した充填材を用いて作製する電子写真用シームレスベルト、特に中間転写ベルトを得ることができる
本発明で用いる電子写真用シームレスベルトに用いる樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ABSやPVdF、ETFE等のフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、エステル系、オレフィン系、アミド系、ジエン系、シリコン系等の熱可塑性エラストマー、エポキシ系、フェノール系、ウレタン系、イミド系、シリコン系等の熱硬化性樹脂、その他、アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴムなどのものが使用される。
この中でも、特に中間転写ベルト用途としての耐久性、難燃性の面でフッ素系樹脂、イミド系樹脂が好ましく用いられる。さらに好ましくは、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂が適用される。
本発明におけるポリイミドまたはポリアミドイミドによるシームレスベルトは、有機極性溶媒を用いたポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体からなる溶液を塗布液とし、本塗布液を型に塗布することによって成形されたものである。
本発明における塗工液の組成分であるポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体および当該前駆体の加熱処理(イミド化)により生成するポリイミドまたはポリアミドイミドについて詳しく説明する。
以下、ポリイミド、ポリアミドイミドの順に説明する。
<ポリイミド>
本発明に用いられるポリイミドは、まず一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとする。反応の概略を下記化学反応式に示す。
Figure 0004964024

(式中、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。)
上記芳香族多価カルボン酸無水物の具体例としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
次に、芳香族多価カルボン酸無水物と反応させる芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。
上記芳香族多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。下記にポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
なお、ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独あるいは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種あるいは複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶液に前記した少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸無水物あるいは、その誘導体を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、−20℃〜100℃、望ましくは60℃以下に制御することが好ましい。反応時間は、30分〜12時間程度である。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させておき、この溶液中に前記ジアミンを添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と、芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)は、上記のようにして合成したものを使用することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを入手して使用することもできる。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
合成あるいは入手したポリアミック酸溶液に、前記無機充填材を混合・分散し、さらに本発明におけるシロキサン化合物(ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン)を添加混合して塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行なわれる。
すなわち、ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、または化学的方法(2)によってイミド化することができる。加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
しかしながら最近では、(2)の方法の一種であるが、イミダゾールやキノリンなどのアミン類を触媒としてワニスに含有させることによって乾燥時におけるイミド化を促進させる方法がとられることも多い。ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが必要であるが、これによると、より低温でイミド化が促進され、機械的耐久性も向上すると言われている。しかし、これらの触媒は極少量であり、乾燥中に分解・昇華するものもあるが、不純物として残留するものもあり好ましくない。
イミド化の進行状況(イミド化の程度)は、通常行なわれているイミド化率の測定手法により評価することができる。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属されるHと6〜9ppm付近の芳香環に帰属されるHとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)では、イミド化率を、例えば、次のように定義する。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表わされる。
イミド化率=[(A))/(B))]×100
この定義におけるイミド基のモル数は、FT−IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。例えば、代表的な特性吸収として、以下の吸光度比を用いてイミド化率を評価することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比。
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
本発明においては、前記のようなポリイミド前駆体溶液だけでなく、あらかじめイミド化されており、かつ有機極性溶媒に可溶であるいわゆる溶剤可溶ポリイミドを用いることもできる。
このようなものとしては、リカコート(新日本理化)、ブロック共重合ポリイミド(ピーアイ技研等がある。
次に、ポリアミドイミドについて説明する。
<ポリアミドイミド>
ポリアミドイミドは、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができる。
一般的にポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、(a)酸クロライド法:酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には当該誘導体のクロライド化合物とジアミンとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42−15637号公報)が知られている。あるいは別な方法として、(b)イソシアネート法:酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族イソシアネートとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44−19274号公報)等が知られており、いずれも使用することができる。各製造方法について以下に説明する。
(a)酸クロライド法
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、例えば、下記一般式(I)および一般式(II)に示す化合物を使用することができる。
Figure 0004964024
(式中、Xはハロゲン元素を示す。)
Figure 0004964024
(式中、Xはハロゲン元素を示し、Yは−CH−、−CO−、−SO−または−O−を示す。)
前記各式において、ハロゲン元素はクロライドが好ましく、誘導体の具体例を挙げると、テレフタル酸、イソフタル酸、4、4’ビフェニルジカルボン酸、4、4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4、4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3、3’、4、4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3、3、’、4、4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3、3’、4、4’ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1、4シクロヘキサンジカルボン酸、1、2シクロヘキサンジカルボン酸等の多価カルボン酸の酸クロライドが挙げられる。
一方、ジアミンとしては特に限定されないが、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、および脂環族ジアミンのいずれも用いられるが、芳香族ジアミンが好ましく用いられる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
また、ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサン等を用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
酸クロライド法により本発明におけるポリアミドイミド(ポリアミドイミド樹脂)を得るためには、ポリイミド樹脂の製造の場合と同様に、上記した酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドとジアミンとを有機極性溶媒に溶解した後、低温(0〜30℃)で反応させ、ポリアミドイミド前駆体(ポリアミド−アミック酸)とする。
使用することのできる有機極性溶媒としては前記ポリイミドと同様であり、ホルムアミド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等)、アセトアミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、ピロリドン系溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等)、フェノール系溶媒(例えば、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等)、セロソルブ系溶媒(例えば、ブチルセロソルブ等)、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらを単独あるいは混合溶媒として用いるのが望ましく、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されない。特に好ましく用いられる溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンである。
上記により得たポリアミド・ポリアミック酸溶液に、前記無機充填材と、本発明におけるシロキサン化合物(ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン)とを混合して塗工液が調製される。塗工液が支持体(成形用の型)に塗布された後、加熱等の処理することにより、ポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行なわれる。
イミド化の方法としては、加熱処理により脱水閉環させる方法、および脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が挙げられる。
加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数十分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
(b)イソシアネート法
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、下記一般式(III)あるいは下記一般式(IV)で示す化合物を使用することができる。
Figure 0004964024
(式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示す。)
Figure 0004964024
(式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示し、Yは−CH−、−CO−、−SO−または−O−を示す。)
上記一般式(III)、一般式(IV)を有する誘導体は何れも使用することができるが、最も代表的には無水トリメリット酸が挙げられる。また、これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独または混合して用いることができる。
次に、本発明のポリアミドイミドの合成に用いられる一方の芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、ビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。これらの芳香族ポリイソシアネートは単独で使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネートおよび3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
上記各酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と、芳香族ポリイソシアネートとを有機極性溶媒に溶解調整して得られるポリアミドイミド前駆体を含む溶液に、前記無機充填材と、本発明におけるシロキサン化合物(ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン)とを混合して塗工液が調製される。塗工液を支持体に塗布した後、加熱処理することにより、ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化が行なわれる。この方法によるポリアミドイミドへの転化の際、概略ポリアミック酸を経由することなく(炭酸ガスを発生して)ポリアミドイミドを生成する。下記化学反応式に無水トリメリット酸と芳香族イソシアネートとを用いた場合のポリアミドイミド化の例を示す。
Figure 0004964024
(式中、Arは芳香族基を示す。)。
本発明の塗布液では、上記ポリイミド、ポリアミドイミドのみならず、必要に応じて
他の樹脂成分を含有しても良い。
また、レベリング剤、滑剤、酸化防止剤、触媒等の種々の添加剤を用いても良い。
次に、本発明の塗工液の組成分として含有される充填材について説明する。
充填材としては、有機、無機の一般的なものが使用可能である。
本発明におけるシームレスベルト、特に、中間転写ベルトとして用いる場合には充填材として抵抗調整機能を有する抵抗調整材を用いる。抵抗調整材は、中間転写ベルトを所定の抵抗値に調整する必要上、添加が欠かせない。
抵抗制御剤としては、カーボンブラック、黒鉛、あるいは、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属や、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属(亜)酸化物微粉末などが挙げられる。また、これらにイオン電導性抵抗制御剤として、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどを用いてもよい。また導電性高分子であるポリエーテルアミドやポリエーテルエステルアミド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどを用いても良い。なお、本発明における抵抗制御剤は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
本発明におけるシームレスベルトは、上記のように、充填材として、主に抵抗調整材としての顔料が用いられ、その含有量は、その材料の導電性や比重によって異なるが、一般的に、ベルト固形物中で5wt%〜50wt%、好ましくは、10wt%〜30wt%である。
本発明においては、上記抵抗制御剤のうち、カーボンブラックが好ましく用いられる。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラク、ケッキェンブラック、チャネルブラック、アセチレンブラックなどのものが使用できるが、これらの表面を酸化処理した酸化処理カーボンブラックが好ましい。
また、必要に応じて分散助剤を用いても良い。さらには、カーボンブラックの表面官能基と、その官能基と反応性を有する有機化合物とを反応させて表面処理したものでも良い。
次に、前記ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体を含む塗工液を用いてシームレスベルトを製造する方法について説明する。
すなわち、必要に応じて抵抗調整剤を分散させる工程、該工程により作製された塗布液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程、形成された薄膜を支持体から離型しシームレスベルトとすることにより製造される。
抵抗調整剤を分散させる工程では、ポリイミド前駆体溶液に直接抵抗制御剤を分散・混合させる方法またはあらかじめ溶媒に抵抗制御剤を分散させてからポリイミド前駆体溶液と混合させる方法がある。
ここでは、抵抗制御剤としてカーボンブラクを分散させる方法を例として説明する。なお、一例でありこれに限定されるものではない。
N−メチル−2−ピロリドンにカーボンブラックとポリイミド前駆体少量を混合し、ジルコニアビーズを用いて、ボールミルやペイントシェーカー、ビーズミル等にて所定時間分散させる。ある程度の粒径に分散された後、取り出した液を分散液とする。
該分散液にポリイミド前駆体溶液を混合することにより所定のカーボンブラック濃度になるように希釈する。このときの混合方法としては、遠心式攪拌機、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、遊星式攪拌機などを用いて行なうことができる。
必要に応じて、レベリング剤や触媒などの添加剤をこのときに添加することもできる。
また、攪拌後は真空脱泡機などを用いて脱泡することが好ましい。
次に、上記作製の塗布液を塗布する工程について説明する。
まず、支持体(成形用の型)として遠心成型を用いた場合を例として説明する。以下の説明は、一例であり条件などこれに限定されるものではない。
遠心成型は円筒状の回転体から構成されるものであり、この円筒状の回転体をゆっくりと回転させながら塗工液を全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、250℃〜400℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体のイミド化を行なう。イミド化等が完了後、徐冷して薄膜を型から剥離する。このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型には、剥離しやすいように、離型剤または離型層を形成しておくことが好ましい。
次に、以上のようにして作製されるシームレスベルトを使用後に廃棄処理する方法として超臨界流体による処理について説明する。
超臨界流体場にシームレスベルトを置くことにより、その流体の種類・圧力・温度条件によりシームレスベルトを超臨界流体場中にて分解することができる。
超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましく、また、前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度・圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、これらの流体としては、例えば、一酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフロロメタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、などが好適に挙げられる。この中で、特にポリイミド、ポリアミドイミドを分解するには水を用いることが好ましい。尚、他の流体との併用も可能である。
超臨界水または亜臨界水処理の好ましい条件としては、温度は、100〜1000℃、より好ましくは、150〜700℃、圧力としては、2〜100MPa、より好ましくは5〜60MPaである。
前記超臨界水または前記亜臨界水に加え、必要に応じて他の液体(エントレーナー)を併用することもできる。エントレーナーとしては、上記超臨界流体の他有機溶媒を用いても良い。
処理に用いられる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、図3に示す処理を施すための耐圧容器(4)と、超臨界水を供給する加圧ポンプ(1)と、抽出した分解成分や溶媒を含むガスを抽出物と溶媒とに分離する減圧バルブ(7)とを有する分離槽(9)と、を備えた装置が好適に挙げられる。
該装置を用いた処理方法としては、まず、前記耐圧容器(4)にシームレスベルトを仕込むが、分解効率を上げるために予め細かく裁断しておく方が良い。また、このとき、エントレーナーとしての溶媒を投入することも可能である。次に、該耐圧容器(4)内に加圧ポンプ(1)により前記超臨界水を供給し、超臨界水を接触させて、分解し、該分解成分を含む超臨界水を排出する。この時の圧力・温度条件は、前述した範囲の条件にて投入物が確実に分解する条件にて行なう方が良い。
ポリイミドの場合、分解生成物(主たる加水分解生成物に、熱分解生成物が随伴している)としてはポリアミック酸、これを構成する酸無水物モノマー及びポリカルボン酸、ジアミンモノマー、テレフタル酸、アニリン、二酸化炭素、窒素等がある。
ポリアミック酸の状態で取り出せれば樹脂成分としてもリサイクルが可能であるが、その他添加物との分離が困難であり、また再利用した際の特性が劣るといった問題があるため好ましくはない。それよりもできるだけ廃棄しやすい状態に分解する方が好ましい。最も好ましくは、二酸化炭素、窒素になることが好ましい。
前記超臨界水を、常温及び常圧下に戻した廃水(10)及び排気(11)として排出する。廃水(10)は必要に応じて通常の汚泥処理を行ない低分子量の分解生成物を除去し、廃水として放出することができる。
次に、耐圧容器(4)内に残留した充填材であるカーボンブラックを超臨界二酸化炭素と接触させることにより、吸着している水やエントレーナー溶媒を除去する。超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素処理の好ましい条件としては、温度は、35〜200℃、より好ましくは、40℃〜100℃。圧力としては、7.1〜60MPaである。ベルト材質や処理効率の点から、温度は低めで圧力は高い条件がより好ましい。
常温・常圧に戻すと二酸化炭素は気体となり乾燥したカーボンブラックとして取り出すことができる。このカーボンブラックは前述した中間転写ベルトの塗布液作製方法にて再度使用することが可能である。また、別の用途に利用しても良い。
カーボンブラックを再利用する際には、カーボンブラックの物性が変化しない方が好ましいが、該シームレスベルトを分解させる工程を酸素下で行なうと、該カーボンブラックも酸化される場合がある。このような場合には、耐圧容器に該シームレスベルトを投入後、予め窒素などにて空気を置換、又は酸素吸収剤(アスコルビン酸のような易酸化分解性材料)添加、又は少なくとも脱気してから実施することも可能である。
上記方法によれば、中間転写ベルトを埋め立て廃棄することなく、わずかな汚泥廃棄成分とすることができ、環境負荷が大幅に低減できるものである。
次に、本発明における電子写真装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であってこれに限定されるものではない。
図1の模式図に、ベルト構成部等を装備した電子写真装置の要部概略構成を示す。
図1に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
また、中間転写ベルト(501)の外周面または内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト(501)の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード(504)の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト(501)の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ(514)は、中間転写ベルト(501)が架け渡されている1次転写バイアスローラ(507)とベルト駆動ローラ(508)との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト(501)は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ(507)、ベルト駆動ローラ(508)、ベルトテンションローラ(509)、2次転写対向ローラ(510)、クリーニング対向ローラ(511)、及びフィードバック電流検知ローラ(512)に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ(507)以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ(507)には、定電流または定電圧制御された1次転写電源(801)により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト(501)は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ(508)により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト(501)は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ(605)は、2次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ(605)は、2次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)との間に被記録媒体である転写紙(P)を挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源(802)によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ(610)は、2次転写バイアスローラ(605)と2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙(P)を送り込む。また、2次転写バイアスローラ(605)には、クリーニング手段であるクリーニングブレード(608)が当接している。該クリーニングブレード(608)は、2次転写バイアスローラ(605)の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム(200)は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム(200)上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行なわれる。中間転写ベルト(501)はベルト駆動ローラ(508)によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト(501)の回転に伴って、1次転写バイアスローラ(507)に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行なわれ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト(501)上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行なわれる。
図1において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行なう。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム(200)上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム(200)と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト(501)のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム(200)の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム(200)の再使用に備えて、感光体クリーニング装置(201)で清掃される。この感光体ドラム(200)側では、Bk画像形成工程の次にY画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるY画像データの読み取りが始まり、そのY画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム(200)の表面にY静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つY静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット(230)の回転動作が行なわれ、Y現像機(231Y)が現像位置にセットされ、Y静電潜像がYトナーで現像される。以後、Y静電潜像領域の現像を続けるが、Y静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機(231K)の場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行ない、次のC現像機(231C)を現像位置に移動させる。これもやはり次のC静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、C及びMの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Yの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム(200)上に順次形成されたBk、Y、C、Mのトナー像は、中間転写ベルト(501)上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト(501)上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ(610)のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行なわれる。
このようにして、転写紙(P)が2次転写部を通過すると、2次転写電源(802)によって2次転写バイアスローラ(605)に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト(501)上の4色重ねトナー像が転写紙(P)上に一括転写(2次転写)される。この転写紙(P)は、転写紙ガイド板(601)に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ(606)との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置(210)により定着装置(270)に向けて送られる(図1参照)。そして、この転写紙(P)は、定着装置(270)の定着ローラ(271)、(272)のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置(270)は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム(200)の表面は、感光体クリーニング装置(201)でクリーニングされ、上記除電ランプ(202)で均一に除電される。また、転写紙(P)にトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード(504)によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード(504)は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード(504)の上記中間転写ベルト(501)の移動方向上流側には、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材(503)が設けられている。このトナーシール部材(503)は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード(504)から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙(P)の搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材(503)は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード(504)とともに、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト(501)のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)により削り取られた潤滑剤(506)が塗布される。該潤滑剤(506)は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ(505)に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム(200)への画像形成は、1枚目の4色目(M)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト(501)は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード(504)でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行なうことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット(230)の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード(504)を中間転写ベルト(501)に接触させたままの状態にしてコピー動作を行なう。
上記実施形態では、感光体ドラムを一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図2に示すような複数の感光体ドラムを一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK、21Y、21M、21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2において、プリンタ本体(10)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための、画像書込部(12)、画像形成部(13)、給紙部(14)から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部(12)に送信する。画像書込部(12)は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(13)の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)(21BK、21M、21Y、21C)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部(13)は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体(21BK、21M、21Y、21C)を備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体(21BK、21M、21Y、21C)の周囲には、帯電装置、上記書込部(12)からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置(20BK、20M、20Y、20C)、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ(23BK、23M、23Y、23C)、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置(20BK、20M、20Y、20C)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト(22)は、各感光体(21BK、21M、21Y、21C)と、各1次転写バイアスローラ(23BK、23M、23Y、23C)との間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙(P)は、給紙部(14)から給紙された後、レジストローラ(16)を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト(50)に担持される。そして、中間転写ベルト(22)と転写搬送ベルト(50)とが接触するところで、上記中間転写ベルト(22)上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ(60)により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙(P)上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙(P)は、転写搬送ベルト(50)により定着装置(15)に搬送され、この定着装置(15)により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト(22)上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置(25)によって中間転写ベルト(22)から除去される。このベルトクリーニング装置(25)の下流側には、潤滑剤塗布装置(表示略)が配設されている。この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト(22)に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。該導電性ブラシは、中間転写ベルト(22)に常時接触して、中間転写ベルト(22)に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト(22)のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
なお、本発明におけるシームレスベルトは、上述したような中間転写ベルト(501)または(22)を装備した中間転写ベルト方式の画像形成装置に好適に適用できる他、該中間転写ベルト(501)または(22)の代りに転写搬送ベルトを装備した転写搬送ベルト方式の画像形成装置にも適用できる。さらに、転写搬送ベルト方式の画像形成装置の場合においても、前記1感光体ドラム方式あるいは4感光体ドラム方式の何れにも適用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これら実施例によって制限されるものではない。
(実施例1)
<中間転写ベルトの作製>
[塗布液の調製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて5時間分散し、カーボン分散液を作製した。
<分散液構成材料>
ポリイミド溶液トレニース(東レデュポン固形分18%) 2重量部
カーボンブラックSpecialblack4(デグサ) 10重量部
N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学) 88重量部
上記分散液を用いて、下記の構成材料を混合し、遠心式攪拌脱泡機にて、混合、脱泡し、塗布液を得た。
<塗布液構成材料>
上記カーボンブラック分散液 50重量部
ポリイミド溶液トレニース(東レデュポン;固形分18wt%) 50重量部
ポリエーテル変性シリコンFZ2105(東レダウコーニング) 0.01重量部
[シームレスベルトの作製]
次に、内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を500rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度5℃/分で120℃まで昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、昇温速度5℃/分で350℃まで昇温して40分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚80μmのシームレスベルトを得た。
上記により得られたシームレスベルトを図2に記載の中間転写ベルトとして使用し、10万枚プリント出力使用後、回収した。
回収した中間転写ベルトを細かく裁断した破片を図3の抽出槽(4)に投入し、超臨界水を流量400ml/min(標準状態換算値)、400℃、30MPa、60分の処理条件で流通させて分解、除去した。
ついで、超臨界二酸化炭素を流量400ml/min(標準状態換算値)、45℃、30MPa、30分の処理条件で流通させた後、常温・常圧に戻し、カーボンブラックを取り出した。
カーボンブラックをIR分析したが、原料のスペクトル以外のポリイミド分解物による有機物成分は検出されなかった。
上記で得られたカーボンブラックを用いて前述と同様の製造方法にて再度中間転写ベルトを作製したところ、表面抵抗値及び体積抵抗値共にほぼ同じ値が再現されていた。
また、上記中間転写ベルトを図2のフルカラー電子写真装置に搭載し、カラー画像をプリント出力したが、良好な画像が得られた。
このように、ポリイミドからなる高耐熱性の熱硬化性樹脂からなる中間転写ベルトでも超臨界水を用いることにより、短時間で分解でき、クリーンな廃棄物とすることができる。
また、含有されているカーボンブラックは、超臨界二酸化炭素により洗浄処理することによって再利用することができ、大幅な廃棄物削減及び省資源化が可能となる。
本発明に係る電子写真装置のベルト構成部に用いられるシームレスベルトと装置を説明するための要部模式図である。 本発明に係る電子写真装置のベルト構成部に配備される1つの中間転写ベルトに沿って複数の感光体ドラムが並設されている一構成例を示す要部模式図である。 超臨界二酸化炭素処理装置の模式図である。
符号の説明
(図1)
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 トナー画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図2)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
(図3)
1 加圧ポンプ
2 ストップバルブ
3 フィルター
4 耐圧容器
5 スターラー
6 フィルター
7 減圧バルブ
8 流量計
9 分離槽
10 廃水
11 排気
T 温度計
P 圧力計

Claims (7)

  1. 少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを超臨界流体または亜臨界流体に接触させる工程、次いで、充填材を分離・除去する工程、該充填材を洗浄する工程、充填材を再利用する工程を有することを特徴とする電子写真シームレスベルトの処理方法。
  2. 前記超臨界流体または亜臨界流体が、超臨界水または亜臨界水であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真シームレスベルトの処理方法。
  3. 前記充填材がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法。
  4. 前記樹脂が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂が、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする請求項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法。
  6. 前記充填材を洗浄する工程が、超臨界二酸化炭素を接触させる工程であることを特徴とする請求項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法。
  7. 少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを超臨界流体または亜臨界流体に接触させる工程、次いで、充填材を分離・除去する工程、該充填材を洗浄する工程により得られた該充填材を樹脂と混合する工程、該混合物を成形する工程によって作製されることを特徴とする電子写真シームレスベルトの製造方法。
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