JP4964024B2 - 電子写真用シームレスベルトの処理方法 - Google Patents
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Description
その中でも、フルカラー電子写真装置において、感光体上に形成された4色のトナー画像を一旦、中間転写ベルトに転写することにより中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成し、その後に紙などの転写媒体に一括転写する方式における中間転写ベルトがある。中間転写ベルトは、複写機のフルカラー化が進み需要が急増している。
しかしながら、本方式においては、高速性を得るため、中間転写ベルトに対峙する各色の色現像装置を直列に配置したタンデム方式と言われる方式が主流となっている。本プロセスに使用される中間転写ベルトは、走行中に変形による色重ねずれが生じず、繰返し使用に耐えうる高強度のものが要求され、また、難燃性も要求されるため、ポリイミドやポリアミドイミド樹脂が好ましく用いられており、我々は既にそのようなポリイミド製無端ベルトの使用をいくつか提案している(例えば特許文献1の特開2002−123098号公報、特許文献2の特開2005−10182号公報参照)。
特許文献3では、熱可塑性樹脂を超臨界流体または亜臨界流体によって分解させることが提案されている。また、特許文献4では、熱硬化性樹脂を超臨界水または亜臨界水により分解させ、得られた低分子化合物によりリサイクルすることが提案されている。特許文献5では、ポリイミド樹脂を超臨界水で分解させ、リサイクルすることが提案されている。
しかしながら、添加物を多く含む電子写真用シームレスベルトのようなものでは、分解混合物としての廃水処理に問題があった。
さらには、分解混合物から充填材を分離・回収し、これを再利用することにより、より環境負荷を低減した廃棄処理とすることを見出した。
(1)「少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを超臨界流体または亜臨界流体に接触させる工程、次いで、充填材を分離・除去する工程、該充填材を洗浄する工程、充填材を再利用する工程を有することを特徴とする電子写真シームレスベルトの処理方法」、
(2)「前記超臨界流体または亜臨界流体が、超臨界水または亜臨界水であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真シームレスベルトの処理方法」、
(3)「前記充填材がカーボンブラックであることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法」、
(4)「前記樹脂が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法」、
(5)「前記熱硬化性樹脂が、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする前記第(4)項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法」、
(6)「前記充填材を洗浄する工程が、超臨界二酸化炭素を接触させる工程であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法」、
(7)「少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを超臨界流体または亜臨界流体に接触させる工程、次いで、充填材を分離・除去する工程、該充填材を洗浄する工程により得られた該充填材を樹脂と混合する工程、該混合物を成形する工程によって作製されることを特徴とする電子写真シームレスベルトの製造方法」、
請求項1、6によれば、回収した充填材を廃棄することなく再利用し、さらにクリーンな廃棄処理が可能となる。
請求項3〜5によれば、電子写真用シームレスベルト、特に中間転写ベルトへのクリーンな廃棄処理方法を適用できるものである。
請求項7によれば、回収した充填材を用いて作製する電子写真用シームレスベルト、特に中間転写ベルトを得ることができる。
この中でも、特に中間転写ベルト用途としての耐久性、難燃性の面でフッ素系樹脂、イミド系樹脂が好ましく用いられる。さらに好ましくは、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂が適用される。
以下、ポリイミド、ポリアミドイミドの順に説明する。
本発明に用いられるポリイミドは、まず一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとする。反応の概略を下記化学反応式に示す。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
しかしながら最近では、(2)の方法の一種であるが、イミダゾールやキノリンなどのアミン類を触媒としてワニスに含有させることによって乾燥時におけるイミド化を促進させる方法がとられることも多い。ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが必要であるが、これによると、より低温でイミド化が促進され、機械的耐久性も向上すると言われている。しかし、これらの触媒は極少量であり、乾燥中に分解・昇華するものもあるが、不純物として残留するものもあり好ましくない。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表わされる。
イミド化率=[(A))/(B))]×100
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比。
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
このようなものとしては、リカコート(新日本理化)、ブロック共重合ポリイミド(ピーアイ技研等がある。
<ポリアミドイミド>
ポリアミドイミドは、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができる。
一般的にポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、(a)酸クロライド法:酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には当該誘導体のクロライド化合物とジアミンとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42−15637号公報)が知られている。あるいは別な方法として、(b)イソシアネート法:酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族イソシアネートとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44−19274号公報)等が知られており、いずれも使用することができる。各製造方法について以下に説明する。
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、例えば、下記一般式(I)および一般式(II)に示す化合物を使用することができる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数十分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、下記一般式(III)あるいは下記一般式(IV)で示す化合物を使用することができる。
他の樹脂成分を含有しても良い。
また、レベリング剤、滑剤、酸化防止剤、触媒等の種々の添加剤を用いても良い。
充填材としては、有機、無機の一般的なものが使用可能である。
本発明におけるシームレスベルト、特に、中間転写ベルトとして用いる場合には充填材として抵抗調整機能を有する抵抗調整材を用いる。抵抗調整材は、中間転写ベルトを所定の抵抗値に調整する必要上、添加が欠かせない。
抵抗制御剤としては、カーボンブラック、黒鉛、あるいは、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属や、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属(亜)酸化物微粉末などが挙げられる。また、これらにイオン電導性抵抗制御剤として、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどを用いてもよい。また導電性高分子であるポリエーテルアミドやポリエーテルエステルアミド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどを用いても良い。なお、本発明における抵抗制御剤は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
本発明におけるシームレスベルトは、上記のように、充填材として、主に抵抗調整材としての顔料が用いられ、その含有量は、その材料の導電性や比重によって異なるが、一般的に、ベルト固形物中で5wt%〜50wt%、好ましくは、10wt%〜30wt%である。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラク、ケッキェンブラック、チャネルブラック、アセチレンブラックなどのものが使用できるが、これらの表面を酸化処理した酸化処理カーボンブラックが好ましい。
また、必要に応じて分散助剤を用いても良い。さらには、カーボンブラックの表面官能基と、その官能基と反応性を有する有機化合物とを反応させて表面処理したものでも良い。
すなわち、必要に応じて抵抗調整剤を分散させる工程、該工程により作製された塗布液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程、形成された薄膜を支持体から離型しシームレスベルトとすることにより製造される。
ここでは、抵抗制御剤としてカーボンブラクを分散させる方法を例として説明する。なお、一例でありこれに限定されるものではない。
該分散液にポリイミド前駆体溶液を混合することにより所定のカーボンブラック濃度になるように希釈する。このときの混合方法としては、遠心式攪拌機、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、遊星式攪拌機などを用いて行なうことができる。
必要に応じて、レベリング剤や触媒などの添加剤をこのときに添加することもできる。
また、攪拌後は真空脱泡機などを用いて脱泡することが好ましい。
まず、支持体(成形用の型)として遠心成型を用いた場合を例として説明する。以下の説明は、一例であり条件などこれに限定されるものではない。
遠心成型は円筒状の回転体から構成されるものであり、この円筒状の回転体をゆっくりと回転させながら塗工液を全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、250℃〜400℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体のイミド化を行なう。イミド化等が完了後、徐冷して薄膜を型から剥離する。このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型には、剥離しやすいように、離型剤または離型層を形成しておくことが好ましい。
超臨界流体場にシームレスベルトを置くことにより、その流体の種類・圧力・温度条件によりシームレスベルトを超臨界流体場中にて分解することができる。
超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましく、また、前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度・圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、これらの流体としては、例えば、一酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフロロメタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、などが好適に挙げられる。この中で、特にポリイミド、ポリアミドイミドを分解するには水を用いることが好ましい。尚、他の流体との併用も可能である。
前記超臨界水または前記亜臨界水に加え、必要に応じて他の液体(エントレーナー)を併用することもできる。エントレーナーとしては、上記超臨界流体の他有機溶媒を用いても良い。
該装置を用いた処理方法としては、まず、前記耐圧容器(4)にシームレスベルトを仕込むが、分解効率を上げるために予め細かく裁断しておく方が良い。また、このとき、エントレーナーとしての溶媒を投入することも可能である。次に、該耐圧容器(4)内に加圧ポンプ(1)により前記超臨界水を供給し、超臨界水を接触させて、分解し、該分解成分を含む超臨界水を排出する。この時の圧力・温度条件は、前述した範囲の条件にて投入物が確実に分解する条件にて行なう方が良い。
ポリイミドの場合、分解生成物(主たる加水分解生成物に、熱分解生成物が随伴している)としてはポリアミック酸、これを構成する酸無水物モノマー及びポリカルボン酸、ジアミンモノマー、テレフタル酸、アニリン、二酸化炭素、窒素等がある。
ポリアミック酸の状態で取り出せれば樹脂成分としてもリサイクルが可能であるが、その他添加物との分離が困難であり、また再利用した際の特性が劣るといった問題があるため好ましくはない。それよりもできるだけ廃棄しやすい状態に分解する方が好ましい。最も好ましくは、二酸化炭素、窒素になることが好ましい。
前記超臨界水を、常温及び常圧下に戻した廃水(10)及び排気(11)として排出する。廃水(10)は必要に応じて通常の汚泥処理を行ない低分子量の分解生成物を除去し、廃水として放出することができる。
次に、耐圧容器(4)内に残留した充填材であるカーボンブラックを超臨界二酸化炭素と接触させることにより、吸着している水やエントレーナー溶媒を除去する。超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素処理の好ましい条件としては、温度は、35〜200℃、より好ましくは、40℃〜100℃。圧力としては、7.1〜60MPaである。ベルト材質や処理効率の点から、温度は低めで圧力は高い条件がより好ましい。
常温・常圧に戻すと二酸化炭素は気体となり乾燥したカーボンブラックとして取り出すことができる。このカーボンブラックは前述した中間転写ベルトの塗布液作製方法にて再度使用することが可能である。また、別の用途に利用しても良い。
カーボンブラックを再利用する際には、カーボンブラックの物性が変化しない方が好ましいが、該シームレスベルトを分解させる工程を酸素下で行なうと、該カーボンブラックも酸化される場合がある。このような場合には、耐圧容器に該シームレスベルトを投入後、予め窒素などにて空気を置換、又は酸素吸収剤(アスコルビン酸のような易酸化分解性材料)添加、又は少なくとも脱気してから実施することも可能である。
図1の模式図に、ベルト構成部等を装備した電子写真装置の要部概略構成を示す。
図1に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
このベルト部材である中間転写ベルト(501)は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
図1において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行なう。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行なわれる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK、21Y、21M、21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
<中間転写ベルトの作製>
[塗布液の調製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて5時間分散し、カーボン分散液を作製した。
<分散液構成材料>
ポリイミド溶液トレニース(東レデュポン固形分18%) 2重量部
カーボンブラックSpecialblack4(デグサ) 10重量部
N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学) 88重量部
上記分散液を用いて、下記の構成材料を混合し、遠心式攪拌脱泡機にて、混合、脱泡し、塗布液を得た。
<塗布液構成材料>
上記カーボンブラック分散液 50重量部
ポリイミド溶液トレニース(東レデュポン;固形分18wt%) 50重量部
ポリエーテル変性シリコンFZ2105(東レダウコーニング) 0.01重量部
次に、内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を500rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度5℃/分で120℃まで昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、昇温速度5℃/分で350℃まで昇温して40分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚80μmのシームレスベルトを得た。
ついで、超臨界二酸化炭素を流量400ml/min(標準状態換算値)、45℃、30MPa、30分の処理条件で流通させた後、常温・常圧に戻し、カーボンブラックを取り出した。
カーボンブラックをIR分析したが、原料のスペクトル以外のポリイミド分解物による有機物成分は検出されなかった。
また、含有されているカーボンブラックは、超臨界二酸化炭素により洗浄処理することによって再利用することができ、大幅な廃棄物削減及び省資源化が可能となる。
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 トナー画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図2)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
(図3)
1 加圧ポンプ
2 ストップバルブ
3 フィルター
4 耐圧容器
5 スターラー
6 フィルター
7 減圧バルブ
8 流量計
9 分離槽
10 廃水
11 排気
T 温度計
P 圧力計
Claims (7)
- 少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを超臨界流体または亜臨界流体に接触させる工程、次いで、充填材を分離・除去する工程、該充填材を洗浄する工程、充填材を再利用する工程を有することを特徴とする電子写真シームレスベルトの処理方法。
- 前記超臨界流体または亜臨界流体が、超臨界水または亜臨界水であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真シームレスベルトの処理方法。
- 前記充填材がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法。
- 前記樹脂が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法。
- 前記熱硬化性樹脂が、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法。
- 前記充填材を洗浄する工程が、超臨界二酸化炭素を接触させる工程であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用シームレスベルトの処理方法。
- 少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを超臨界流体または亜臨界流体に接触させる工程、次いで、充填材を分離・除去する工程、該充填材を洗浄する工程により得られた該充填材を樹脂と混合する工程、該混合物を成形する工程によって作製されることを特徴とする電子写真シームレスベルトの製造方法。
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