JP2006251415A - 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用シームレスベルトとその製造方法、中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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淳 青戸
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泰男 平野
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Abstract

【課題】繰返し使用しても亀裂などの損傷が生じずに蛇行が防止でき、画像を重ねる際の位置精度合せが容易であり、電気抵抗の均一性、表面の耐擦傷性、耐摩耗性に優れた電子写真用シームレスベルト、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写ベルトを提供する。併せて、簡易な装置構成により蛇行が防止され、色ずれなどを発生することなく長期に亘って安定した高品質画像の形成が維持できる画像形成装置と画像形成方法を提供する。
【解決手段】結着樹脂と磁性微粒子を含み、磁性微粒子の分散状態と磁極が所定方向に配向するように制御してシームレスベルトを構成する。必要により電気抵抗制御材としてカーボンブラックを添加して中間転写ベルトとする。プリンタ本体10に磁石27を配備して磁場を印加し、磁力により複数のローラに掛け回される中間転写ベルト22の蛇行を防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、コピー・プリンター等の画像形成装置に配備される電子写真用シームレスベルトとその製造方法、及びそれを用いた画像形成装置と画像形成方法、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写ベルト及びそれを用いた画像形成装置に関する。
従来から、電子写真装置においては様々な用途でシームレスベルトが部材として用いられている。特に近年のフルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を、一旦中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
このような中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたが、プリント速度が遅いという欠点があった。このため、高速プリントとしては、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。
しかし、環境によって紙の状態が変動するため、上記方式では各色画像を重ねる際の位置精度を合せることが非常に難しく、色ずれ画像などの不具合を引き起こしていた。そこで近年では、4連タンデム方式において中間転写ベルト方式を採用することが主流になってきている。
この場合、中間転写ベルトに要求される特性として、従来よりさらに高速なプリントにおいても位置精度が確保できることが必要となってきている。特に、位置精度の要求から、ベルトの経時変動を抑制することが求められる。経時変動としては、連続使用によって生じるベルト自体の伸び等がある。
また、中間転写ベルトは、装置の広い領域にわたってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから、難燃性であることが求められている。
しかしながら中間転写ベルト方式では、シームレスベルトが複数のローラにより張架されて駆動、いわゆる複数のローラに掛け回される。このように連続駆動した場合、中間転写ベルトが複数のローラの軸方向に揺動し、その結果ベルトがローラの定位置を保って周回せずに軸方向に蛇行するという問題がある。
このような問題に対処するため、例えば、中間転写ベルトを張架する支持ローラの段差部に係合してベルト内面にゴムなどの蛇行防止部材を両面テープや接着剤などで取り付ける手法(例えば、特許文献1参照。)や、無端ベルトの幅方向両端に寄り止め防止部材を備える手法(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
しかしながら、上記手法はいずれも耐久性に欠け、蛇行防止のための部材が長期に亘る繰返し使用によって剥離や、損傷を生じ、経時において蛇行防止ができなくなるという問題がある。さらに、長期繰返し使用時に、ベルトに設けられた蛇行防止部材の貼り付け部に応力が掛かり、割れなどの損傷が起きやすいといった問題がある。
また、複数の懸架ローラの一つにベルト蛇行防止機構を配置し、蛇行を防止する手法(例えば、特許文献3参照。)、あるいは、ベルト状基体の一方の端部の内周面側に蛇行防止部材を設け、他方の端部の外周面側にベルトの所定位置を検知するための位置検知部材を設けることにより蛇行を防止する手法(例えば、特許文献4参照。)などが提案されている。
しかし、上記手法はいずれも装置構成が煩雑になるという問題があり望ましくない。
また、いずれの改善手法でも、ベルト端部が装置を構成するなんらかの部材に接触を繰り返すため、長期使用により次第に端部が損傷を受け、割れなどを生じて蛇行防止ができなくなるという問題がある。
なお、本出願人は先に、磁力発生手段としてのバックアップローラを備えた中間転写ベルトと、磁石ローラを備えた中間転写ベルトとを対向配置させた画像形成装置を提案した(例えば、特許文献5参照。)。
この提案は、転写時にバックアップローラで発生した磁力により、磁石ローラを中間転写ベルト側に引き付けて転写圧を生じさせ、いわゆる2次転写における転写圧を磁力で制御することによって虫喰い状画像の発生を防止することを目的としており、本発明の思想及びシステム構成とは異なるものである。そして、用いられているベルトも押し出し成形により成形したゴムベルトであるため、比較的伸びやすく、さらなる位置精度合せの改善や、蛇行防止の改善は難しい。
なお、高速プリントにおいて、前記中間転写ベルトは蛇行防止のほか、電気抵抗の均一性や、表面の耐擦傷性、耐摩耗性などの特性も十分満足していなければならない。
特許第3079764号明細書 特開2004−125961号公報 特開2004−12585号公報 特開2004−94177号公報 特開平9−269682号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、繰返し使用しても亀裂などの損傷が生じずに蛇行が防止でき、画像を重ねる際の位置精度合せが容易であり、電気抵抗の均一性、表面の耐擦傷性、耐摩耗性に優れた電子写真用シームレスベルトとその製造方法を提供するとともに、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写ベルトを提供する。
また、この電子写真用シームレスベルトを用いることにより、簡易な装置構成により蛇行が防止され、色ずれなどを発生することなく長期に亘って安定した高品質画像の形成が維持できる画像形成装置と画像形成方法、特にフルカラー画像形成に好適な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、複数のローラに掛け回される電子写真用シームレスベルトを、少なくとも結着樹脂と磁性微粒子、必要により電気抵抗制御材を加えて構成し、画像形成装置に装備する磁場印加装置によって磁力で制御すれば、ベルトに損傷などを与えることなく蛇行が防止され、位置精度が維持できることを見い出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明について具体的に説明する。
すなわち、本発明は、複数のローラに掛け回される電子写真用シームレスベルトにおいて、
前記ベルトは、少なくとも結着樹脂と磁性微粒子を含有し、かつ該磁性微粒子の磁極が所定方向に略揃えられていることを特徴とする電子写真用シームレスベルトである。
ここで、前記ベルトに、さらに電気抵抗制御材を添加したことを特徴とする。
前記電気抵抗制御材が、カーボンブラックであることが好ましい。
また、上記いずれかの電子写真用シームレスベルトにおいて、前記磁性微粒子の粒径が、10〜1000nmであることが好ましい。
さらに、上記いずれかの電子写真用シームレスベルトにおいて、前記ベルト中における磁性微粒子の含有量が、該ベルトの膜厚方向に濃度勾配を有することが好ましい。
ここで、前記磁性微粒子の含有量が、複数のローラに掛け回されるベルトの外周面側で多いことが好ましい。
またここで、前記磁性微粒子の含有量が、複数のローラに掛け回されるベルトの内周表側で多いことが好ましい。
さらに、上記いずれかの電子写真用シームレスベルトにおいて、前記結着樹脂が、ポリイミドまたはポリアミドイミドからなることが好ましい。
また、前記複数のローラに掛け回されるベルトの外周表面の硬度が、内周表面の硬度よりも高いことが好ましい。
そして、上記いずれかの電子写真用シームレスベルトにおいて、前記複数のローラに掛け回されるベルトに含有される磁性微粒子の磁極の方向は、該ベルトが、回動の際に外部から印加される磁場と相互作用してローラの軸方向に揺動するのを阻止するように配向されていることが好ましい。
また、本発明は、結着樹脂と、磁性微粒子と、溶媒と、必要により電気抵抗制御材を含有する塗工液を支持体に塗布・流延する工程と、
支持体に塗布・流延された塗膜に対して、外部から該塗膜の膜厚方向に磁場を印加して磁性微粒子の分散と磁極方向を制御しつつ、加熱により塗膜中の溶媒を除去して成膜する工程と、
形成された成膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程と、
を含むことを特徴とする電子写真用シームレスベルトの製造方法に係るものである。
さらに、本発明は、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、カーボンブラックと、磁性微粒子と、有機極性溶媒を含有する塗工液を支持体に塗布・流延する工程と、
支持体に塗布・流延された塗膜に対して、外部から該塗膜の膜厚方向に磁場を印加して磁性微粒子の分散と磁極方向を制御しつつ、加熱により塗膜中の有機極性溶媒を除去するとともにイミド化反応を進めて成膜する工程と、
形成された成膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程と、
を含むことを特徴とする電子写真用シームレスベルトの製造方法に係るものである。
また、上記いずれかの電子写真用シームレスベルトの製造方法において、前記塗工液を支持体に塗布・流延する工程が、回転する円筒状の支持体内壁に塗工液を塗布・流延することにより行われることが好ましい。
そして、本発明は、像担持体上に、形成されるトナー現像画像を中間転写ベルト上に一次転写を行い、得られた一次転写画像を被記録媒体に二次転写する画像形成装置において、
前記装置は中間転写ベルトに磁場を印加する磁場印加手段を装備するとともに、前記ベルトが上記いずれかに記載の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置に係るものである。
さらに、本発明は、像担持体上に、順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、得られた一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する画像形成装置において、
前記装置は中間転写ベルトに磁場を印加する磁場印加手段を装備するとともに、前記ベルトが上記いずれかに記載の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置に係るものである。
ここで、前記像担持体が、それぞれ異なる色の現像器を備えた複数の像担持体から構成され、かつ該複数の像担持体が直列に配置されてなることが好ましい。
また、本発明は、画像形成装置に配備される中間転写ベルトにおいて、
前記ベルトが、上記いずれかに記載の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする中間転写ベルトに係るものである。
さらに、本発明は、像担持体上に、少なくとも帯電、露光、現像、現像画像の中間転写ベルト上への一次転写、一次転写画像の被記録媒体への二次転写、クリーニング、除電を繰り返し行う画像形成方法において、
前記中間転写ベルトは、磁場によって該ベルトが掛け回されるローラの軸方向に揺動するのを阻止するように動作されるとともに、前記ベルトが上記いずれかに記載の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする画像形成方法に係るものである。
本発明における少なくとも結着樹脂と磁性微粒子を含有した構成とすれば、繰返し使用しても亀裂などの損傷が生じずに蛇行が防止できる電子写真用シームレスベルトが提供できる。さらに電気抵抗制御材を添加すれば、中間転写ベルトとして好適な形態とすることができ、画像を重ねる際の位置精度合せが容易となる。特にフルカラー画像においても色ずれなどの問題を生じることがなく、高品質画像の形成を実現することができる。
磁性微粒子の粒径を規定しつつ、ベルトの膜厚方向における含有量濃度を調整すれば、表面の耐擦傷性や耐摩耗性を制御したり、簡易な磁場印加手段構成で蛇行を防止することができる。結着樹脂としてポリイミドまたはポリアミドイミドを用いると、難燃性、耐熱性、機械的特性の向上を図ることができる。
また、本発明の回転する円筒状の支持体内壁に塗工液を塗布・流延する製造方法によれば、均一で平滑な表面を有するシームレスなベルトを簡便に作製することができ、製造工程で磁場を印加することによって、磁性微粒子の分散状態や磁極の配向を所望とする方向に制御することができる。
さらに、中間転写ベルトに磁場を印加する磁場印加手段を装備するとともに、上記電子写真用シームレスベルトを用いた画像形成装置とすることにより、簡易な装置構成でベルトの蛇行が防止され、高速なフルカラー印刷においても色ずれなどを発生することなく長期に亘って安定した高品質画像を提供することができる。
前述のように本発明は、複数のローラに掛け回される電子写真用シームレスベルト(以降、「ベルト」と省略することがある。)において、前記ベルトは、少なくとも結着樹脂と磁性微粒子を含有し、かつ該磁性微粒子の磁極が所定方向に略揃えられていることを特徴とするものである。以下、本発明の好適な実施の形態について図を参照して説明する。
本発明のベルト構成とすることにより、画像形成装置に別途装備される磁場印加手段により印加される磁場と相互作用し、磁力によってベルトは、掛け回されるローラの軸方向に揺動することなく所定位置を保って、いわゆる蛇行することなく回動することができる。
図1に、ベルトが掛け回されるローラの軸方向に揺動する従来の様子を説明するための模式図を示す。
図1において、ローラ1上を掛け回されるベルト2は、ローラ1の定位置Aを維持して回動せずに、揺動位置Bと揺動位置Cを揺動しながら回る。このため、蛇行が生じる。
図2に、ベルトが掛け回されるローラの軸方向に揺動しない本発明の様子を説明するための模式図を示す。図2(a)は、磁場印加手段がベルトの内周面側に設けられている例を示し、図2(b)は、磁場印加手段がベルトの外周面側に設けられている例を示す。
図2(a)に示すように、磁性微粒子が含有されるベルト4と、ベルト4の内周面側、例えば、マグネットローラ5に内蔵されている磁石(磁場印加手段)により印加される磁場とが相互作用し、磁力によってベルトがローラの軸方向に揺動するのが阻止される。これによって、ベルト4は、マグネットローラ5の定位置Aを維持して回動するため、蛇行が生じない。
図2(b)は、磁場印加手段8がベルト4の外周面側に間隙を介して設けられる場合を示している。図2(a)と同様にベルト4と磁場印加手段により印加される磁場とが相互作用し、磁力によってベルトがローラ7の軸方向に揺動するのが阻止される。
上記磁場印加手段としては、本発明の目的が達成されればよく、電磁石を用いた構成でも、永久磁石を用いた構成でも構わない。また、磁石の配置、布設構成も自由に選択できる。例えば、磁場印加手段は、ベルト張架ローラの曲率部の幅方向全面で回動するベルトに対して磁場を印加する方式でも、ベルト張架ローラの曲率部の両端部で磁場を印加する方式でもかまわない。
なお、ベルト4中に含有される磁性微粒子の磁極の方向は、ベルトの回動の際に磁場印加手段により外部から印加される磁場と相互作用して、ローラの軸方向に揺動するのを阻止するように配向されていることが効果的である。
上記のように回動の際に外部から磁力によってベルトを制御すれば、繰返し使用しても亀裂などの損傷を生ずることなく蛇行が防止できる。その結果、画像を重ねる際の位置精度合せが可能となる。なお、前記のように端部にゴムやスポンジなどの寄り止めガイドを貼り付ける従来の方式では、蛇行によりベルト端部が装置と接触して端部損傷を引き起こす傾向があり問題であった。
電子写真用シームレスベルトとしては、電子写真装置を構成するいくつかの部材において各種のベルトが用いられるが、重要な部材の一つとして中間転写ベルトが挙げられる。
中間転写ベルトの場合には、後述するように1次転写や2次転写などの動作において所定の電気的特性が要求されるため、ベルト構成成分としてさらに電気抵抗制御材を添加する必要がある。すなわち、本発明においては、結着樹脂及び磁性微粒子のほかにベルト構成成分としてさらに電気抵抗制御材を添加したことを特徴とする。
以下、電子写真用シームレスベルトの代表例として中間転写ベルトを挙げ、これを中心に本発明を説明する。
本発明におけるベルトに少なくとも含有される結着樹脂としては、公知の汎用樹脂を用いることができ、限定されるものではないが難燃性の観点からPVdF、ETFEなどのフッ素系樹脂、またはポリイミド、あるいはポリアミドイミド等の樹脂が好ましく用いられる。
本発明の結着樹脂において、ポリイミド、あるいはポリアミドイミドは特に好ましく用いられ、高弾性率を有し、かつ耐熱性が優れた電子写真用ベルトとしてより好ましい形態を実現することができる。なお、これら樹脂に関しての詳細は後述する。
本発明におけるベルトに少なくとも含有される磁性微粒子としては、上記同様に限定されるものではないが、マグネタイト系やフェライト系などの微粒子が挙げられる。
本発明のベルトに含有される磁性微粒子の粒径としては、10〜1000nmであるこが好ましい。粒径が10nmよりも小さいと、十分な効果を得るために必要とされる含有量が多くなり、結果として膜の機械強度が低下するため好ましくない。一方、粒径が1000nmよりも大きいと、ベルト表面につぶつぶ状の凹凸が発生し、表面の平滑性が損なわれるために好ましくない。
磁性微粒子は電気抵抗が高いため、例えば、後述のカーボンなどの電気抵抗制御材を用いてベルトの電気抵抗を調整する場合にも、あまり影響を与えることなく添加できる。
しかし、必要に応じて磁性微粒子を予めカーボンなどによって表面処理し、導電性を付与し、磁性体の機能に加えて電気抵抗制御材としての機能を併せ持たせたものとして使用することもできる。
本発明のベルト中における磁性微粒子の含有量に濃度傾斜を持たせること、すなわちベルトの膜厚方向に濃度勾配を有するように構成することができる。濃度勾配を設けることにより、磁気特性や表面特性(耐擦傷性、耐摩耗性など)をより効果的に制御することができる。
十分な磁力を得るためには多くの磁性微粒子をベルトに含有させる必要があるが、機械強度の点であまり多くの磁性微粒子を含有させるのは好ましくない。そこで、磁性微粒子をベルトの表面または裏面に偏在させ、膜厚方向に濃度勾配を有するように含有させるのが好ましい。濃度勾配を設けることにより、機械的特性を犠牲にすることなく磁気特性や表面特性(耐擦傷性、耐摩耗性など)をより効果的に制御することができる。
磁性微粒子の含有量が、複数のローラに掛け回されるベルトの外周面側で多くなるように調整すれば、例えば、前記図2(b)に示したようにベルトを張架しているローラの曲率部分の端部でベルト表面側に磁場印加手段を設置し、磁場をかけることにより蛇行を防止することができる。
また、磁性微粒子の含有量が、複数のローラに掛け回されるベルトの内周表側で多くなるように調整すれば、例えば、前記図2(a)に示したようにベルトを張架しているローラ端部が磁石になっているようなローラを使用することによって蛇行を防止することができ、より簡易的な装置構成で蛇行防止を実現することができる。
また、前記複数のローラに掛け回されるベルトの外周表面の硬度が、内周表面の硬度よりも高いことが好ましい。外周表面の硬度を高くすることにより、表面の耐擦傷性、耐摩耗性が向上し、一次転写や2次転写などが繰り返し行われても問題無く、長期に亘り画質の劣化を防止することができ、高品質の画像形成が行える。
本発明のベルトには、必要により電気抵抗制御材が添加される。このような電気抵抗制御材として、限定されるものではないがカーボンブラックが好ましく用いられる。
電気抵抗を調整するカーボンブラックの例としては、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。
電気抵抗の調整剤として、予め公知の汎用樹脂等にカーボンブラックが分散・調整されているものを用いることもできる。
カーボンブラックを用いることにより、ベルトに要求される機械的な特性や耐久性を満たしながら所望の電気抵抗に制御することができる。
次に、本発明のベルトに用いられる前記結着樹脂として好ましいポリイミドとポリアミドイミドについて詳しく説明する。
<ポリイミド>
本発明に用いられるポリイミドは、一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物またはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)してポリイミドとする。反応の概略を下記式(1)に示す。
Figure 2006251415
式中、Ar1は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Ar2は少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。
上記芳香族多価カルボン酸無水物の具体例としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いられる。
次に、芳香族多価カルボン酸無水物と反応させる芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。本発明の物性を効果的に発現するために、特に、少なくとも成分の1つとして、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが好ましい。
上記芳香族多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。下記にポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
なお、ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系またはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独または混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種または複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、またはスラリー状に分散させる。この溶液に、前記した少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸無水物、またはその誘導体を添加する(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)と、発熱を伴う開環重付加反応が起って急速に溶液の粘度が増大し、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、通常−20℃〜100℃、望ましくは60℃以下に制御することが好ましい。反応時間は、30分〜12時間程度である。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず芳香族多価カルボン酸無水物またはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させておき、この溶液中に前記ジアミンを添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物またはその誘導体と、芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)は、上記のようにして合成したものを使用することができるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを入手して使用することもできる。
このような例としては、例えば、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が挙げられる。
合成または入手したポリアミック酸溶液に、必要に応じて充填剤を混合・分散して塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行われる。
ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、または化学的方法(2)によってイミド化することができる。加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を例えば、200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが好ましい。
イミド化の進行状況、すなわちイミド化の程度は、通常行われているイミド化率の測定手法により評価することができる。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと、6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)は最も一般的な方法である。
フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)では、イミド化率を、例えば、次のように定義する。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次式(I)により表される。
イミド化率(%)=[(A)/(B)]×100 …(I)
この定義におけるイミド基のモル数は、FT−IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。例えば、代表的な特性吸収として、以下の吸光度比を用いてイミド化率を評価することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm-1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm-1との吸光度比。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm-1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm-1との吸光度比。
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm-1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm-1との吸光度比。
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm-1とアミド基の特性吸収1,670cm-1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比。
また、3000〜3300cm-1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
<ポリアミドイミド>
次に、ポリアミドイミドについて説明する。
ポリアミドイミドは、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができる。
一般的にポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、酸クロライド法(a):酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には当該誘導体のクロライド化合物とジアミンとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42−15637号公報)が知られている。または別な方法として、イソシアネート法(b):酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族イソシアネートとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44−19274号公報)等が知られており、いずれも使用することができる。各製造方法について以下に説明する。
(a)酸クロライド法:
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、例えば、下記式(2)および式(3)に示す化合物を使用することができる。
Figure 2006251415
上記式中、Xはハロゲン元素を示す。
Figure 2006251415
上記式中、Xはハロゲン元素を示し、Yは−CH2−、−CO−、−SO2−または−O−を示す。
前記各式において、ハロゲン元素はクロライドが好ましく、誘導体の具体例を挙げると、テレフタル酸、イソフタル酸、4、4’ビフェニルジカルボン酸、4、4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4、4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3、3’、4、4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3、3、’、4、4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3、3’、4、4’ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1、4シクロヘキサンジカルボン酸、1、2シクロヘキサンジカルボン酸等の多価カルボン酸の酸クロライドが挙げられる。
一方、ジアミンとしては特に限定されないが、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、および脂環族ジアミンのいずれも用いられるが、芳香族ジアミンが好ましく用いられる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
また、ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサン等を用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
酸クロライド法により本発明におけるポリアミドイミドを得るためには、ポリイミドの製造の場合と同様に、上記した酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドとジアミンとを有機極性溶媒に溶解した後、低温(0〜30℃)で反応させ、ポリアミドイミド前駆体(ポリアミド−アミック酸)とする。
使用することのできる有機極性溶媒としては前記ポリイミドと同様であり、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等)、ホルムアミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等)、アセトアミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、ピロリドン系溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等)、フェノール系溶媒(例えば、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等)、セロソルブ系溶媒(例えば、ブチルセロソルブ等)、またはヘキサメチルホスホアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらを単独または混合溶媒として用いるのが望ましく、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されない。特に好ましく用いられる溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンである。
ポリアミドイミドをイミド化する方法としては、前記ポリイミドと同様に加熱処理により脱水閉環させる方法、および脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が挙げられる。加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数10分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
(b)イソシアネート法:
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、下記式(4)または式(5)に示す化合物を使用することができる。
Figure 2006251415
上記式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示す。
Figure 2006251415
上記式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示し、Yは−CH2−、−CO−、−SO2−または−O−を示す。
前記一般式(4)、(5)を有する誘導体は何れも使用することができるが、最も代表的には無水トリメリット酸が挙げられる。また、これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独または混合して用いることができる。
次に、本発明のポリアミドイミドの合成に用いられる一方の芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、ビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。
これらの芳香族ポリイソシアネートは単独で使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネートおよび3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
上記各酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と、芳香族ポリイソシアネートとを有機極性溶媒に溶解調整して得られるポリアミドイミド前駆体を含む溶液を支持体に塗布した後、加熱処理することにより、ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化が行われる。この方法によるポリアミドイミドへの転化の際、概略ポリアミック酸を経由することなく(炭酸ガスを発生して)ポリアミドイミドを生成する。下記式(6)に無水トリメリット酸と芳香族イソシアネートとを用いた場合のポリアミドイミド化の例を示す。
Figure 2006251415
上記式中、Arは芳香族基を示す。
前述のポリイミド及びポリアミドイミドは通常単独で使用するが、相溶性を考慮して選択されたものを併用することも可能である。また、ポリイミド繰返単位とポリアミドイミド繰返単位を有する共重合体であってもよい。
次に、本発明における電子写真用シームレスベルトの製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、結着樹脂と、磁性微粒子と、溶媒と、必要により電気抵抗制御材を含有する塗工液を支持体に塗布・流延する工程と、
支持体に塗布・流延された塗膜に対して、外部から該塗膜の膜厚方向に磁場を印加して磁性微粒子の分散と磁極方向を制御しつつ、加熱により塗膜中の溶媒を除去して成膜する工程と、
形成された成膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程とを含むことを特徴とする。
このような製造方法によって、磁性微粒子の磁極が所定方向に略揃えられるとともに、必要により磁性微粒子の含有量が、ベルトの膜厚方向に濃度勾配を有するように構成され、表面の耐擦傷性や耐摩耗性が優れ、繰返し使用しても亀裂などの損傷が生じない電子写真用シームレスベルトが得られる。
特に中間転写ベルト用として好ましいのは、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、カーボンブラックと、磁性微粒子と、有機極性溶媒を含有する塗工液を支持体に塗布・流延する工程と、
支持体に塗布・流延された塗膜に対して、外部から該塗膜の膜厚方向に磁場を印加して磁性微粒子の分散と磁極方向を制御しつつ、加熱により塗膜中の有機極性溶媒を除去するとともにイミド化反応を進めて成膜する工程と、
形成された成膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程とを含む電子写真用シームレスベルトの製造方法である。
上記ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体としては、前述した前駆体をいずれも用いることができる。イミド化反応を進めて成膜する工程の条件も前述の条件に準じて行うことができる。
上記製造方法により、磁性微粒子の磁極配向方向や磁性微粒子含有量の濃度勾配が制御され、繰返し使用しても亀裂などの損傷が生じない耐擦傷性や耐摩耗性が付与されるともに、電気抵抗が制御された電子写真用シームレスベルトが得られる。このような製造方法によって得られたベルトは、1次転写や2次転写などの動作において所定の電気的特性が要求される中間転写ベルト、特にフルカラー画像形成に好適な中間転写ベルトとして有用である。
なお、塗工液を支持体に塗布・流延する工程においては、回転する円筒状の支持体内壁に塗工液を塗布・流延することにより行うことが製造性の観点から好ましい。このような方法として最も好ましいものの一つである遠心成形について以下、説明する。ただし、以下は一例であり、本発明の条件はこれに限定されるものではない。
遠心成型は円筒状の回転体から構成されるものであり、この回転する円筒状の支持体(略、回転体)をゆっくりと回転させながら塗工液を円筒の内面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。このとき、回転体の外部または内部に、塗膜形成を阻害しない構成で磁石などの磁場を印加する手段(膜形成用磁場印加装置)を設置する。この磁場により、製造されるベルト中に含有される磁性微粒子の分散状態や磁極の配向方向を制御することができる。
すなわち、得たい磁性粒子の分散状態(例えば、膜厚方向の濃度勾配)や磁極の配向方向に応じてその磁場強度や印加時間などを調整する。
具体的には、例えば、回転体の回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達した段階で一定速度に維持し、所望とする時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体のイミド化またはポリアミドイミド化を行う。イミド化等が完了後、徐冷して薄膜(成膜)を型から剥離する。このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型となる回転体内壁には、剥離しやすいように予め、離型剤または離型層を形成しておくことが好ましい。
磁場配向性の強い磁性微粒子を用いて上記回転体により製造すれば、円筒支持体の内部あるいは外部から塗膜のバルク方向に磁場をかけることによって、磁性微粒子を所望とする濃度勾配をもってベルトの膜厚方向に偏在させることができるとともに、磁極を所定方向に揃えることができる。
上記、ポリイミド前駆体溶液へのカーボンブラック及び磁性微粒子の分散は、ビーズミル、ボールミル、ナノマイザー、ペイントシェーカー、ジェットミルなどの分散器を用いて行うことができる。
次に、本発明における画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
すなわち、本発明の画像形成装置は、像担持体上に、形成されるトナー現像画像を中間転写ベルト上に一次転写を行い、得られた一次転写画像を被記録媒体に二次転写する画像形成装置において、当該装置は中間転写ベルトに対して磁場を印加する磁場印加手段を装備するとともに、中間転写ベルトが前記本発明の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする。
特に、像担持体上に、順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、得られた一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する画像形成装置において、磁場印加手段を装備し、中間転写ベルトに本発明の電子写真用シームレスベルトを用いるとフルカラー画像形成に好適である。
図3は、本発明におけるベルト部材等を装備した画像形成装置の要部構成を示す模式図である。なお、模式図は一例であってこれに限定されるものではない。
図3において、ベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
なお、中間転写ベルト501が掛け回される複数のローラ(例えば、符号507、508、509、510、511、512等)のいずれかの内周面側に前記図2(a)で示したように磁場印加手段として磁石を内臓させるか、図2(b)のようにベルト外周面側に磁場印加手段を設けるが、本図では磁場印加手段は省略する。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面または内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流または定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においては、磁性微粒子を含有するシームレスベルトが好ましく用いられ、回動の際に外部から印加される磁場と相互作用して磁力によりローラの軸方向に揺動するのが阻止される。そのため、蛇行が防止されて画像を重ねる際の位置精度合せができて優れた画像形成が実現できる。また、繰返し使用しても亀裂などの損傷が生じず耐久性が向上する。
なお、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合せるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図3において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットからの光Lにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にY画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるY画像データの読み取りが始まり、そのY画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にY静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つY静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、Y現像機231Yが現像位置にセットされ、Y静電潜像がYトナーで現像される。以後、Y静電潜像領域の現像を続けるが、Y静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のC現像機231Cを現像位置に移動させる。これもやはり次のC静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、C現像機231C及びM現像機231MによるC及びMの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Yの工程と同様であるので説明は省略する。なお、図中、符号204と205はそれぞれ電位センサー、光学センサーを示す。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、Y、C、Mのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合せが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材503が設けられている。このトナーシール部材503は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材503は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(M)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
上記図3に示す実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた画像形成装置(複写機)について説明したが、本発明は、例えば、図4の模式図示すような複数の感光体ドラムを一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図4は、それぞれ4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた、4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す模式図である。すなわち、それぞれ異なる色の現像器を備えた複数の像担持体が直列に配置されて構成されている。
図4において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
なお、磁場印加手段は、前記図2(a)で示したように中間転写ベルト22が掛け回される複数のローラのいずれかに内蔵させてもよいし、図2(b)のようにベルト外周面側に磁場印加手段を設けてもよいが、本図では、ベルト張架ローラ26の曲率部の両端部で、回動するベルトの外周面側に間隙を介して磁石27を配備している。
上記のように画像形成部13は、黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。図中、符号70は、除電ローラを示す。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング装置25の下流側には、潤滑剤塗布装置(表示略)が配設されている。この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。該導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本件の発明の範囲内である。
以下の手順で調製した塗工液を用いてシームレスベルトA〜Dを作製し、それぞれフルカラー電子写真装置の中間転写ベルトに用いて画質、ベルトの状態を評価した(実施例1〜実施例4、比較例1、2)。
[塗工液の調製]
まず、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸無水物とp−フェニレンジアミンとの各等モルをN−メチルピロリドン溶媒中で重合反応させ、ポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液に、ビーズミルを用いて予めカーボンブラック(キャボット製BP−L)と磁性微粒子(戸田工業製DPN−855Bx(粒径70nm))をN−メチル−2−ピロリドン中に分散させた分散液を加え、よく攪拌混合して塗工液を作製した。なお、塗工液中のカーボンと磁性微粒子の含有率は、それぞれポリアミック酸固形分の15重量%、20重量%となるように調整配合した。
[シームレスベルトAの作製]
次に、内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした磁性金属製円筒を型(円筒型)として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するようにして塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜が万遍なく広がった時点で、円筒型の外壁面に磁石を配備して回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入し、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。ここで磁石を取り除いた後、さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止後、徐冷して取り出し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。所定時間処理して加熱を停止し、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された成膜を円筒内面から剥離し、膜厚85μmのシームレスベルトAを得た。
[シームレスベルトBの作製]
前記調整した塗工液を用い、上記シームレスベルトAにおける作製条件を以下に変えてシームレスベルトBを作製した。
内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした磁性金属製円筒を型(円筒型)として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するようにして塗布した。その後、内径80mm、長さ300mmのマグネットロールを円筒型の内部に同心軸に沿って挿入し、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入し、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。ここでマグネットローラを取り除いた後、さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止後、徐冷して取り出し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された成膜を円筒内面から剥離し、膜厚85μmのシームレスベルトBを得た。
[シームレスベルトCの作製]
上記シームレスベルトAの作製条件において磁石を配備しなかったこと以外はすべてシームレスベルトAと同様にしてシームレスベルトCを作製した。
[シームレスベルトDの作製]
上記シームレスベルトAの作製条件において塗工液の調製に磁性微粒子(戸田工業製DPN−855Bx(粒径70nm))を用いなかったこと以外はすべてシームレスベルトAと同様にしてシームレスベルトDを作製した。
(実施例1、2、及び比較例1)
上記作製したシームレスベルトA、C、Dを、前記図4に示した構成を有するフルカラー電子写真装置の中間転写ベルトとして用い、1万枚連続プリントを実施した。なお、ベルト端部には蛇行防止のガイドは貼り付けず、磁場印加手段として図4の装置におけるベルト張架ローラ26の曲率部の両端部で、回動するベルトの外周面側に間隙を介して磁石27が配備されている。
連続プリント1万枚出力後の転写紙について、それぞれ異常画像の観察を行った。また、1万枚出力後のベルトを取り出してベルト状態を観察した。結果を下記表1に示す。
(実施例3、4、及び比較例2)
上記作製したシームレスベルトB、C、Dを、前記図4に示した構成を有するフルカラー電子写真装置の中間転写ベルトとして用い、1万枚連続プリントを実施した。なお、ベルト端部には蛇行防止のガイドは貼り付けず、磁場印加手段として図4の装置におけるベルト張架ローラ26の両端部が図示しない磁石を内蔵するマグネットローラとなっている。したがって、この場合には図4に示す磁石27は配備されておらず、回動するベルトの内周面側から磁場が印加される。
連続プリント1万枚出力後の転写紙について、それぞれ異常画像の観察を行った。また、1万枚出力後のベルトを取り出してベルト状態を観察した。結果を同様に下記表1に示す。
Figure 2006251415
以上の結果から、本発明のシームレスベルトと画像形成装置を用いることによって、長期使用においてもベルトの損傷が生じず蛇行が防止され、色ずれ画像などの発生がない高品質の画像形成が可能であることがわかる。
ベルトが掛け回されるローラの軸方向に揺動する従来の様子を説明するための模式図である。 ベルトが掛け回されるローラの軸方向に揺動しない本発明の様子を説明するための模式図である。(a)磁場印加手段がベルト内周面側、(b)磁場印加手段がベルトの外周面側 本発明におけるベルト部材等を装備した画像形成装置の要部構成を示す模式図である。 本発明における4つの異なる色のトナー像を形成するための4つの感光体ドラムを備えた、4ドラム型デジタルカラープリンタの一構成例を示す模式図である。
符号の説明
1 ローラ
2 ベルト
A 定位置
B 揺動位置
C 揺動位置
4 ベルト
5 マグネットローラ
7 ローラ
8 磁場印加手段
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK 黒色用の現像装置
20M マゼンタ色用の現像装置
20Y イエロー色用の現像装置
20C シアン色用の現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
26 ベルト張架ローラ
27 磁石
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
70 除電ローラ
P 転写紙
L 光
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサー
205 光学センサー
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源

Claims (18)

  1. 複数のローラに掛け回される電子写真用シームレスベルトにおいて、
    前記ベルトは、少なくとも結着樹脂と磁性微粒子を含有し、かつ該磁性微粒子の磁極が所定方向に略揃えられていることを特徴とする電子写真用シームレスベルト。
  2. 前記ベルトに、さらに電気抵抗制御材を添加したことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用シームレスベルト。
  3. 前記電気抵抗制御材が、カーボンブラックであることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用シームレスベルト。
  4. 前記磁性微粒子の粒径が、10〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用シームレスベルト。
  5. 前記ベルト中における磁性微粒子の含有量が、該ベルトの膜厚方向に濃度勾配を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用シームレスベルト。
  6. 前記磁性微粒子の含有量が、複数のローラに掛け回されるベルトの外周面側で多いことを特徴とする請求項5に記載の電子写真用シームレスベルト。
  7. 前記磁性微粒子の含有量が、複数のローラに掛け回されるベルトの内周表側で多いことを特徴とする請求項5に記載の電子写真用シームレスベルト。
  8. 前記結着樹脂が、ポリイミドまたはポリアミドイミドからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用シームレスベルト。
  9. 前記複数のローラに掛け回されるベルトの外周表面の硬度が、内周表面の硬度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用シームレスベルト。
  10. 前記複数のローラに掛け回されるベルトに含有される磁性微粒子の磁極の方向は、
    該ベルトが、回動の際に外部から印加される磁場と相互作用してローラの軸方向に揺動するのを阻止するように配向されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真用シームレスベルト。
  11. 結着樹脂と、磁性微粒子と、溶媒と、必要により電気抵抗制御材を含有する塗工液を支持体に塗布・流延する工程と、
    支持体に塗布・流延された塗膜に対して、外部から該塗膜の膜厚方向に磁場を印加して磁性微粒子の分散と磁極方向を制御しつつ、加熱により塗膜中の溶媒を除去して成膜する工程と、
    形成された成膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程と、
    を含むことを特徴とする電子写真用シームレスベルトの製造方法。
  12. ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、カーボンブラックと、磁性微粒子と、有機極性溶媒を含有する塗工液を支持体に塗布・流延する工程と、
    支持体に塗布・流延された塗膜に対して、外部から該塗膜の膜厚方向に磁場を印加して磁性微粒子の分散と磁極方向を制御しつつ、加熱により塗膜中の有機極性溶媒を除去するとともにイミド化反応を進めて成膜する工程と、
    形成された成膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程と、
    を含むことを特徴とする電子写真用シームレスベルトの製造方法。
  13. 前記塗工液を支持体に塗布・流延する工程が、回転する円筒状の支持体内壁に塗工液を塗布・流延することにより行われることを特徴とする請求項11または12に記載の電子写真用シームレスベルトの製造方法。
  14. 像担持体上に、形成されるトナー現像画像を中間転写ベルト上に一次転写を行い、得られた一次転写画像を被記録媒体に二次転写する画像形成装置において、
    前記装置は中間転写ベルトに磁場を印加する磁場印加手段を装備するとともに、前記ベルトが請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  15. 像担持体上に、順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、得られた一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する画像形成装置において、
    前記装置は中間転写ベルトに磁場を印加する磁場印加手段を装備するとともに、前記ベルトが請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  16. 前記像担持体が、それぞれ異なる色の現像器を備えた複数の像担持体から構成され、かつ該複数の像担持体が直列に配置されてなることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 画像形成装置に配備される中間転写ベルトにおいて、
    前記ベルトが、請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする中間転写ベルト。
  18. 像担持体上に、少なくとも帯電、露光、現像、現像画像の中間転写ベルト上への一次転写、一次転写画像の被記録媒体への二次転写、クリーニング、除電を繰り返し行う画像形成方法において、
    前記中間転写ベルトは、磁場によって該ベルトが掛け回されるローラの軸方向に揺動するのを阻止するように動作されるとともに、前記ベルトが請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用シームレスベルトであることを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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