JP5182547B2 - 電子写真用シームレスベルト及び製造方法 - Google Patents
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Description
その中でも、フルカラー電子写真装置において、感光体上に形成された4色のトナー画像を一旦、中間転写ベルトに転写することにより中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成し、その後に紙などの転写媒体に一括転写する方式における中間転写ベルトがある。中間転写ベルトは、複写機のフルカラー化が進み需要が急増している。
しかしながら、本方式においては、高速性を得るため、中間転写ベルトに対峙する各色の色現像装置を直列に配置したタンデム方式と言われる方式が主流となっている。本プロセスに使用される中間転写ベルトは、走行中に変形による色重ねずれが生じず、繰返し使用に耐えうる高強度のものが要求され、また、難燃性も要求されるため、ポリイミド樹脂やポリアミドイミドが好ましく用いられている。
また、ポリイミド樹脂をベースとして、表面特性を改良する目的で積層構成としたものや、ゴムやエラストマーなどの弾性層を積層するといったものもある。
このような虫食い画像を生じないために、表面の摩擦係数を規定することが提案されている。
特許文献4では、ポリイミド中にフッ素粒子を含有させることにより摩擦係数を規定値にすることが提案されている。しかしながら、このようなポリイミド中への直接分散では、フッ素粒子の分散性が良くないため、接触角は規定値を実現できるが、抵抗調整する例えばカーボンブラックの分散性を損なったり、磨耗しやすく耐久性がないといった問題があった。また、ポリイミドでは作製時が高温で行なわれるために、耐熱性の点から使用できる材料が限定的であった。
特許文献5では、滑材を表面に塗布することにより、感光体及び中間転写体表面の摩擦係数を制御することが提案されている。これは、感光体、中間転写体の種類の選択幅が広いが、滑材を塗布し、この塗布条件を制御する機構が必要なため、装置が煩雑となるという問題があった。
(1)「少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを、低分子化合物を溶解させた超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素に接触させて、該シームレスベルト中に該低分子化合物を注入することにより、該シームレスベルト表面の摩擦係数を0.4未満とすることを特徴とする電子写真シームレスベルトの製造方法」、
(2)「少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを、低分子化合物を溶解させた超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素に接触させて、該シームレスベルト中に該低分子化合物を注入してなり、該電子写真用シームレスベルトの表面の摩擦係数が0.4未満であることを特徴とする電子写真シームレスベルト」、
(3)「前記樹脂が、ポリイミド樹脂であることを特徴とする前記題(1)項に記載の電子写真用シームレスベルト」、
(4)「像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備される中間転写ベルトであって、前記中間転写ベルトは、前記第(2)項又は第(3)項に記載のシームレスベルトであることを特徴とする、前記中間転写ベルト。」、
(5)「像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写するベルト構成部を装備した電子写真装置において、前記中間転写ベルトは、前記第(2)項又は第(3)項に記載のシームレスベルトであることを特徴とする電子写真装置」、
(6)「像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写するベルト構成部を装備した電子写真装置において、前記中間転写ベルトは、前記第(2)項又は第(3)項に記載のシームレスベルトであり、かつ表面摩擦係数が像担持体表面の摩擦係数より大きいことを特徴とする電子写真装置」。
請求項3によれば、より効果的に表面摩擦係数を0.4未満とすることができる。
請求項4によれば、表面摩擦係数が0.4未満のポリイミド樹脂製のシームレスベルトとすることができる。
請求項5によれば、表面摩擦係数が0.4未満のフルカラー電子写真用中間転写ベルトとすることができる。
請求項6によれば、表面摩擦係数が0.4未満のフルカラー電子写真用中間転写ベルトを用いた、環境でも安定した高品質画像の電子写真装置とすることができる。
請求項7によれば、表面摩擦係数が0.4未満のフルカラー電子写真用中間転写ベルトであり、かつ像担持体の表面摩擦係数よりも大きくすることにより、さらに安定した高品質画像の電子写真装置とすることができる。
この中でも、特に中間転写ベルト用途としての耐久性、難燃性の面でフッ素系樹脂、イミド系樹脂が好ましく用いられる。さらに好ましくは、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂が適用される。
本発明に用いられるポリイミドは、まず一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとする。反応の概略を下記化学反応式に示す。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
しかしながら最近では、(2)の方法の一種であるが、イミダゾールやキノリンなどのアミン類を触媒としてワニスに含有させることによって乾燥時におけるイミド化を促進させる方法がとられることも多い。ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが必要であるが、これによると、より低温でイミド化が促進され、機械的耐久性も向上すると言われている。しかし、これらの触媒は極少量であり、乾燥中に分解・昇華するものもあるが、不純物として残留するものもあり好ましくない。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表される。
イミド化率=[(A))/(B))]×100
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比。
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
このようなものとしては、リカコート(新日本理化)、ブロック共重合ポリイミド(ピーアイ技研等がある。
充填材としては、有機、無機の一般的なものが使用可能である。
本発明におけるシームレスベルト、特に、中間転写ベルトとして用いる場合には充填材として抵抗調整機能を有する抵抗調整材を用いる。抵抗調整材は、中間転写ベルトを所定の抵抗値に調整する必要上、添加が欠かせない。
抵抗制御剤としては、カーボンブラック、黒鉛、あるいは、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属や、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属(亜)酸化物微粉末などが挙げられる。また、これらにイオン電導性抵抗制御剤として、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどを用いてもよい。また導電性高分子であるポリエーテルアミドやポリエーテルエステルアミド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどを用いても良い。なお、本発明における抵抗制御剤は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラク、ケッキェンブラック、チャネルブラック、アセチレンブラックなどのものが使用できるが、これらの表面を酸化処理した酸化処理カーボンブラックが好ましい。
また、必要に応じて分散助剤を用いても良い。さらには、カーボンブラックの表面官能基と、その官能基と反応性を有する有機化合物とを反応させて表面処理したものでも良い。
必要に応じて抵抗調整剤を分散させる工程、該工程により作製された塗布液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程、形成された薄膜を支持体から離型しシームレスベルトとすることにより製造される。
ここでは、抵抗制御剤としてカーボンブラックを分散させる方法を例として説明する。なお、一例でありこれに限定されるものではない。
該分散液にポリイミド前駆体溶液を混合することにより所定のカーボンブラック濃度になるように希釈する。このときの混合方法としては、遠心式攪拌機、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、遊星式攪拌機などを用いて行なうことができる。
必要に応じて、レベリング剤や触媒などの添加剤をこのときに添加することもできる。
また、攪拌後は真空脱泡機などを用いて脱泡することが好ましい。
まず、支持体(成形用の型)として遠心成型を用いた場合を例として説明する。以下の説明は、一例であり条件などこれに限定されるものではない。
遠心成型は円筒状の回転体から構成されるものであり、この円筒状の回転体をゆっくりと回転させながら塗工液を全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、250℃〜400℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体のイミド化を行なう。イミド化等が完了後、徐冷して薄膜を型から剥離する。このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型には、剥離しやすいようにするため、離型剤または離型層を形成しておくことが好ましい。
このため、遠心成形のような型の内面での成形ではなく、型の外周に塗布する方法で成形する必要がある。
本発明では、シームレスベルトを超臨界二酸化炭素場を用いることによって効果的に、また、効率良く処理し、表面摩擦係数を0.4未満にするものである。表面摩擦係数を0.4未満に低減させるに必要な低分子化合物としての例えば潤滑性材料またはrepellantを用いるときのこれら添加量としては、0.1〜20wt%が好ましい。
特定の低分子化合物を溶解させた超臨界二酸化炭素場にシームレスベルトを置くことにより、その流体の種類・圧力・温度条件によりシームレスベルト中に超臨界二酸化炭素に溶解している低分子化合物を注入させることができる。
超臨界二酸化炭素は、超臨界流体の中でも臨界温度が低く好ましい。
超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素処理の好ましい条件としては、温度は、30〜200℃、圧力としては、7.1〜60MPaである。
該シームレスベルトへの該低分子化合物の注入量は、超臨界二酸化炭素中に溶解させる量、圧力、温度、接触時間(流量)などによって適宜制御する。
該低分子化合物の溶解性や注入性を向上させるために前記超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素に加え、必要に応じて他の液体(エントレイナー)を併用することもできる。
該装置を用いた処理方法としては、まず、前記耐圧容器(4)にシームレスベルトと超臨界二酸化炭素に溶解可能な低分子化合物を仕込む。次に、該耐圧容器(4)内に加圧ポンプ(1)により前記超臨界二酸化炭素を供給し、超臨界二酸化炭素を接触させて、該低分子化合物を溶解して、シームレスベルト中に注入させる。このときの圧力・温度条件は、前述した範囲の条件にて、該低分子化合物がシームレスベルト中に効果的に注入する条件にて行なう。
前記超臨界二酸化炭素を、常温及び常圧下に戻し、耐圧容器(4)内からシームレスベルトを取り出す。
具体的には、長鎖脂肪族炭化水素基やフッ素基、シロキサン基を有するものが好ましい。
フッ素系化合物としては、フッ素系界面活性剤、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素変性化合物などがある。フッ素化シリコン樹脂などのように両方の官能基を有しても良い。
これらの中から、超臨界二酸化炭素に溶解し、ポリイミド樹脂中に固定化するものを適宜選択する。例えば、あまりに低分子量の液状のものでは、シームレスベルトの長期使用において、次第にブリードアウトし、感光体などの接触部材を汚染し好ましくないため、常温固体のものの方が好ましい。
本発明は、幅広い材料構成のものに対して、同様の手法にて表面摩擦係数を0.4未満のものに処理することができる、非常に汎用的かつ効果的な手段である。
図1の模式図に、ベルト構成部等を装備した電子写真装置の要部概略構成を示す。
図1に示すベルト部材を含む中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
このベルト部材である中間転写ベルト(501)は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
図1において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行なう。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行なわれる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK、21Y、21M、21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
しかしながら、本発明では、前述の手段によりベルト表面の摩擦係数を0.4未満のものとすることにより、これを防止することができるものである。
<中間転写ベルトの作製>
[塗布液の調製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて5時間分散し、カーボン分散液を作製した。
<分散液構成材料>
ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産;固形分18%) 2重量部
カーボンブラックSpecialblack4(デグサ) 10重量部
N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学) 88重量部
上記分散液を用いて、下記の構成材料を混合し、遠心式攪拌脱泡機にて、混合、脱泡し、塗布液を得た。
<塗布液構成材料>
上記カーボンブラック分散液 50重量部
ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産;固形分18wt%) 50重量部
ポリエーテル変性シリコンFZ2105(東レダウコーニング) 0.01重量部
次に、内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を500rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度5℃/分で100℃まで昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、昇温速度3℃/分で320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚70μmのシームレスベルトを得た。
製作したシームレスベルトと下記化合物0.7gを図3における装置の注入槽(内容積700ml)の耐圧セル(4)に投入し、耐圧セルを封止した。
・モディパーFS700(日本油脂社製シリコングラフトポリマー)
ベルト表面及び裏面とも、光沢のある平滑で良好な表面性のベルトであった。
実施例1における超臨界二酸化炭素処理に用いる化合物を以下のものに変える他は実施例1と同じとした。ベルト表面及び裏面とも、光沢のある良好な表面性のベルトであった。
・BY16−140(東レダウコーニング社製ジメチルシロキサン)
実施例1における超臨界二酸化炭素処理に用いる化合物を以下のものに変える他は実施例1と同じとした。ベルト表面及び裏面とも、光沢のある良好な表面性のベルトであった。
・FZ−49(東レダウコーニング社製アルキル変性シロキサン)
実施例1における超臨界二酸化炭素処理に用いる化合物を以下のものに変える他は実施例1と同じとした。ベルト表面及び裏面とも、光沢のある良好な表面性のベルトであった。
・P110(三井化学社製ポリエチレンワックス)
実施例1における超臨界二酸化炭素処理を実施しない他は同じとした。
ベルト表面及び裏面とも、光沢のある良好な表面性のベルトであった。
<中間転写ベルトの作製>
[塗布液の調製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて5時間分散し、カーボン分散液を作製した。
<分散液構成材料>
ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産;固形分18%) 2重量部
カーボンブラックSpecialblack4(デグサ) 10重量部
N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学) 88重量部
上記分散液を用いて、下記の構成材料を混合し、遠心式攪拌脱泡機にて、混合、脱泡し、塗布液を得た。
<塗布液構成材料>
上記カーボンブラック分散液 50重量部
ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産;固形分18wt%) 50重量部
モディパーFS700(日本油脂社製) 2重量部
ポリエーテル変性シリコンFZ2105(東レダウコーニング) 0.01重量部
次に、内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を500rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度5℃/分で100℃まで昇温して60分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、昇温速度5℃/分で320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚70μmのシームレスベルトを得た。
ベルト裏面が白濁した光沢のない状態であった。
比較例2で作製した塗布液を、外径100mm、長さ300mmの外面を鏡面仕上げした金属円筒の外周面にディスペンサーによって付着量を制御し、回転させながら塗布した。
塗布後、ヒーターにて外周を表面温度が120℃になるように加熱し、60分乾燥した。
ついで、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、昇温速度5℃/分で320℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚70μmのシームレスベルトを得た。
ベルト表面が白濁した光沢のない状態であった。
測定条件は、以下の条件にて連続測定した静止摩擦係数の値の平均値を採用する。
摩擦圧子;SUSボール(点接触)
加重 ;50g
摩擦速度;0.1mm/sec
測定長さ;20mm
ランク3;虫食い画像無し
ランク2;虫食い画像が数箇所ある。
ランク1;虫食い画像が非常に多数見受けられる。
図2の電子写真装置に装備されている感光体として、フッ素樹脂粒子を分散した表面層をコーティングしない表面摩擦係数0.45のものを用い、中間転写ベルトとして実施例1のベルトを用いた。
結果を、表1に示す。
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 トナー画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図2)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
(図3)
1 高圧送液ポンプ
2 ストップバルブ
3 フィルター
4 抽出槽(耐圧容器)
5 スターラー
6 フィルター
7 減圧バルブ
8 流量計
9 分離槽
10 抽出物
11 抽出ガス
T 温度計
P 圧力計
(図4)
41;色画像部
42;虫食い部
Claims (6)
- 少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを、低分子化合物を溶解させた超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素に接触させて、該シームレスベルト中に該低分子化合物を注入することにより、該シームレスベルト表面の摩擦係数を0.4未満とすることを特徴とする電子写真シームレスベルトの製造方法。
- 少なくとも充填材を含有する樹脂からなる電子写真用シームレスベルトを、低分子化合物を溶解させた超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素に接触させて、該シームレスベルト中に該低分子化合物を注入してなり、該電子写真用シームレスベルトの表面の摩擦係数が0.4未満であることを特徴とする電子写真シームレスベルト。
- 前記樹脂が、ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用シームレスベルト。
- 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備される中間転写ベルトであって、前記中間転写ベルトは、請求項2又は3に記載のシームレスベルトであることを特徴とする、前記中間転写ベルト。
- 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写するベルト構成部を装備した電子写真装置において、前記中間転写ベルトは、請求項2又は3に記載のシームレスベルトであることを特徴とする電子写真装置。
- 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行ない、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写するベルト構成部を装備した電子写真装置において、前記中間転写ベルトは、請求項2又は3に記載のシームレスベルトであり、かつ表面摩擦係数が像担持体表面の摩擦係数より大きいことを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
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