JP4963818B2 - 車両用下肢部衝撃吸収パッド - Google Patents

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Description

本発明は、車両衝突時における乗員の下肢部を保護するための車両用衝撃吸収パッドに係り、車両構造等による衝撃吸収量に制約がある場合であっても、衝撃をより有効に吸収できる車両用下肢部衝撃吸収パッドに関するものである。
例えば特許文献1,2において、車両衝突時に乗員の下肢部を保護するための車両用衝撃吸収パッドに関する発明が開示されている。特許文献1に開示の衝撃吸収パッド(フート・レスト)は、ポリスチロール等からなる無垢の発泡体から成形されており、このフート・レストを車両室内の乗員足元に配置しておき、車両衝突時に発生する衝撃に対して発泡体を塑性変形させて乗員の足をその中にできるだけ低速度で埋没させることにより、乗員の下肢部を保護するようにしたものである。
特許文献1のフート・レストは無垢の発泡体からなるものであるが、かかる無垢の発泡体を圧縮した場合には、その塑性変形による衝撃吸収特性が一定であることから、運動エネルギーを効果的に吸収できない場合が生じ得る。特許文献2に開示の下肢部衝撃吸収パッドはこの問題を解決するために提案されたものであり、発泡成形品の車両設置時に車体側となる面に車両前後方向に延設する縦長状の凹溝を設けた発泡成形品に関するものである。車両衝突時にこの凹溝が塑性変形することによって短時間で多くのエネルギーを吸収でき、乗員の下肢部に作用する衝撃荷重を障害限界値未満にすることができる。
特公平6−17097号公報 特開2004−306791号公報
特許文献2の車両用衝撃吸収パッドによれば、発泡成形体から成形されており、さらにその床面側の形状が車両前後方向に延設する縦長状の凹溝等に成形されていることから、極めて高い衝撃吸収性能を得ることができる。ここで、衝撃吸収性能とは、車両衝突時の運動エネルギーを衝撃吸収パッドの塑性変形にて吸収する性能のことである。
ところで、車両用衝撃吸収パッドは、車両に設置される際、車両構造等により多くの制約を受ける。運転席の足元を例に挙げれば、右足側にはブレーキペダルやアクセルペダルが接続される機器が車両ボディーに搭載されている一方で、左足側にはかかる機器が存在しないため、足元に設置される下肢部衝撃吸収パッドのうち、右足側は左足側に比して相対的に厚みが薄くなる場合がある。また、助手席の足元においては、車両ボディーに搭載されているダクトの配管態様により、制約を受けることとなる。
特許文献1,2の車両用衝撃吸収パッドでは、該パッドが製品全体として均一の硬さからなるため、車両構造によっては衝撃吸収性能に制約を受け、適応できない場合もあった。
本発明の車両用下肢部衝撃吸収パッドは、上記する問題に鑑みてなされたものであり、
車両構造からの制約によって衝撃吸収パッドの形状(厚み)が平面的に異なるため、衝撃吸収量に制約がある場合であっても、衝撃をより有効に吸収できる車両用下肢部衝撃吸収パッドを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による車両用下肢部衝撃吸収パッドは、乗員の足が載置される車両用下肢部衝撃吸収パッドであって、前記車両用下肢部衝撃吸収パッドは、平面方向において異種原料を用いて硬さの異なる領域が形成されている発泡成形品からなることを特徴とする。
下肢部衝撃吸収パッドを成形する熱可塑性樹脂は特に限定するものではないが、例えば、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを使用することができる。中でも、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させて得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂のビーズ発泡成形品は、ポリエチレン系樹脂ビーズの発泡成形品やポリプロピレン系樹脂ビーズの発泡成形品に比べて、寸法安定性と形状保持性に優れていること、ポリスチレン系樹脂ビーズの発泡成形品に比べて擦れによる粉が出難いことの理由から特に好ましい。また、スチレン改質ポリエチレン系樹脂におけるスチレン成分の割合は40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、より好ましくは55〜75重量%である。
また、車両用下肢部衝撃吸収パッドは、複数の厚みの異なる領域から構成された形状を呈しており、車種や設置場所(運転席側または助手席側)の相違などによって多様な形態がある。例えば運転席側の足元に設置されるパッドにおいては、その左足側と右足側で厚みが異なる形態や、車両の前後方向で厚みが異なる形態、さらには、左右および前後のそれぞれで厚みが異なる形態などがある。車両の前後方向で厚みを異ならせる形態とは、車両の正面または後方からの衝突時において、つま先に乗員の重量以上の集中荷重が作用した際に、パッドの前方がいわゆる底づき状態とならないように、該パッドの前方部分の密度を後方部分に比して相対的に高くしておくものである。
下肢部衝撃吸収パッドの成形に際しては、上記するスチレン改質ポリエチレン系樹脂をはじめとする熱可塑性樹脂に、発泡剤を含浸させて発泡性の熱可塑性樹脂とし、該発泡性の熱可塑性樹脂を加熱水蒸気等で予備発泡させることで予備発泡粒子を製造する。次いで、かかる予備発泡粒子を成形型に充填し、発泡成形すればよい。ここで、車両用下肢部衝撃吸収パッドの発泡倍率は、例えば5〜70倍の範囲内で調整した予備発泡粒子により成形するのがよい。発泡倍率が5倍未満のものは非常に硬くなるため、発泡体による十分な塑性変形性能を期待することができない。一方、発泡倍率が70倍を越えてしまうと、発泡体が軟らかすぎてしまい、発泡体としての反発力を得ることが難しくなる。
本発明の下肢部衝撃吸収パッドは、平面方向において異種原料を用いて硬さの異なる領域が形成されている発泡成形品であることから、車両構造による制約に応じて、成形品の部位ごとに硬さを適宜に異ならせることにより、いずれの部位においても所望の衝撃吸収性能を備えた衝撃吸収パッドを得ることができる。
ここで、本明細書における衝撃吸収性能の概念について図8に基づき説明する。
一般に、塑性変形を伴う製品の荷重−歪み曲線は右上がりの曲線となる。例えば発泡倍率が低く、したがって硬い原料からなるパッドの場合には、概略的には図8のA線で示すように荷重−歪み曲線は右上がりの直線となり、該パッドは衝撃エネルギーを吸収する一方でパッド自体は潰れることがなく、したがって、衝撃荷重は障害値限界線K、すなわち、乗員の下肢部に障害を与える限界値を超えてしまう可能性が高い。一方、発泡倍率が高く、したがって軟らかい原料からなるパッドの場合には、図のB線で示すように、衝撃エネルギーを吸収する前にパッド自体が潰れてしまい、したがって、衝撃荷重はパッドが潰れた後に急激に上昇し、やはり、乗員の下肢部に障害を与える限界値Kを超えてしまう可能性が高くなる。
そこで、車両の衝突初期には低発泡倍率の発泡体の荷重−歪み曲線と同様に短時間で多くの衝撃エネルギーを吸収できるようにし、障害値限界値Kよりも低い荷重値Pからは、荷重を増大させる代わりに発泡体自体の歪みを進行させることにより、下肢部に障害を与えることなく(あるいは、下肢部への衝撃を許容範囲内に低減して)、発泡体による衝撃エネルギーの吸収がおこなわれることが望ましく、図におけるC線のような特性が理想的である。A線の特性を有するパッドにおける衝突時の吸収運動エネルギーを図のE1斜線部とすれば、C線の特性を有するパッドの場合には、その塑性変形性能により、E1斜線部と同じ面積を有するE2斜線部によって、障害値限界値Kを超えることなく同等の運動エネルギーを吸収することができる。かかる性能が、ここでいう衝撃吸収性能の概念である。
また、本発明による車両用下肢部衝撃吸収パッドの他の実施形態は、異種原料として発泡倍率の異なる予備発泡粒子を用いることを特徴とする。
複数の厚みの異なる領域からなり、製品全体として同等の衝撃吸収性能を有する下肢部衝撃吸収パッドを成形する方法として、厚みの異なる領域ごとに原料の発泡倍率を変化させる方法を適用できる。例えば、2つの厚みの異なる領域からパッドが構成されている場合には、予備発泡粒子の発泡倍率を予め異なる発泡倍率にて製造しておき、2種類の予備発泡粒子を成形型に充填して発泡成形することができる。この際、成形型のキャビティ内を仕切り部材で仕切っておき、仕切り部材の左右の空間に各予備発泡粒子を同時充填し、充填後にキャビティ内から仕切り部材を除去するのがよい。双方の発泡粒子による境界域をジグザグ状に形成することができ、該境界域において縁切れし難いパッドを成形することができる。
本発明の下肢部衝撃吸収パッドによれば、同材質の予備発泡粒子の発泡倍率を適宜に調整させるだけで、パッドの硬さを平面的に多様に変化させることができるため、車両構造による制約があっても製品全体として所望の衝撃吸収エネルギーを備えた衝撃吸収パッドを得ることが可能となる。
また、本発明による車両用下肢部衝撃吸収パッドの他の実施形態は、異種原料として材質の異なる予備発泡粒子を用いることを特徴とする。
材質を異ならせるとは、例えば、上記するスチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂のうちの複数種類の原料から1つのパッドが一体成形されることである。
本発明の下肢部衝撃吸収パッドによれば、異なる材質の予備発泡粒子の発泡倍率を同じ発泡倍率にも異なる発泡倍率にも調整することができるため、異なる硬さ領域のバリエーションを一層増やすことができ、車両構造による多様な制約に応じた衝撃吸収パッドを得ることが可能となる。
さらに、本発明による車両用下肢部衝撃吸収パッドの他の実施形態は、車両への設置時に車体側となる面には、複数の凹溝が形成されていることを特徴とする。
下肢部衝撃吸収パッドの車体側の面に形成される凹溝の形状は任意であり、その溝深さも適宜に調整できる。パッドの車体側の面に複数の凹溝を形成しておくことにより、該車体側の面は車室内側の面に比して断面欠損の分だけ衝撃荷重に対して潰れ易くなる(塑性変形し易くなる)。したがって、凹溝の形状や溝の深さは上記するように、障害値限界線Kの手前でパッドが塑性変形領域に移行できるように調整されるのが好ましい。なお、上記特許文献2に開示するように、複数の縦長状の凹溝をほぼ等間隔で併設した態様であってもよいことは勿論のことである。
パッドの他方面、すなわち車室内側の面は、平面や、全体形状によっては滑らかな曲面等に成形され、所定の厚みを有しているのがよい。この厚みはパッドに要求される剛性から決定でき、車体側の面の凹溝にてパッドが所望の塑性変形を呈した後は、パッド全体が潰れずに所定の圧縮強度を発現できるように設定される。
本発明の下肢部衝撃吸収パッドは、車両構造の制約に応じて平面的に硬さを異ならせることに加えて、下肢部衝撃吸収パッドの車体側の面に任意形状の凹溝を設けておくことにより、極めて高い衝撃吸収性能を得ることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の車両用下肢部衝撃吸収パッドによれば、発泡倍率の異なる予備発泡粒子を用いたり、材質の異なる予備発泡粒子を用いることにより、平面方向において硬さの異なる領域が形成されているパッドを得ることができ、したがって、車両構造による制約があっても、車両衝突時の衝撃を効果的に吸収することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、車室内に本発明のパッドが設置された状況を説明した車両の縦断図を、図2は、図1の車室内の斜視図を、図3は、本発明のパッドの一実施形態を示した平面図であって、パッドの裏面(設置時に車体側となる面)から見た図を、図4は、図3のIV−IV矢視図を、図5は、本発明のパッドの他の実施形態を示した平面図であって、パッドの裏面(設置時に車体側となる面)から見た図を、図6は、図5のVI−VI矢視図をそれぞれ示している。図7は、本発明のパッドの有する荷重−歪み特性を説明したグラフであって、比較例の荷重−歪み特性と比較したグラフである。なお、本発明のパッド(下肢部衝撃吸収パッド)が図示する実施形態に限定されるものでないことは勿論のことであり、車種や車両ボディー等からの制約に応じて、その全体形状や大きさ、厚み等は適宜に変更され得る。
図1は、本発明のパッド1が車両Aの車室A1内における車両ボディーの足元部(トーボード上)に設置されている状況を示している。パッド1は、運転席および助手席の下肢部の足元にそれぞれ設けられる。パッド1の車両前後方向の長さは、少なくとも踵B1〜つま先B2までが収容できる長さとなっており、このパッド1の端部は、車室内の下面に設置される水平パッド2の端部に接着ないしは嵌め込む態様で接続されている。なお、図示を省略するが、かかるパッド1および水平パッド2の上にはフロアカーペットが敷設され、車室内からはパッド1等が視認できないようになっている。
図2は、助手席側の足元にパッド1が設置された状況を示している。助手席側の足元部には、車両ボディーに搭載されているダクトの配管態様により、車両ボディーの車室内側形状は足元部の左右(図のX1方向とX2方向)で相違している。かかるボディー形状の相違と車室内スペースの制約により、パッド1の厚みは左右(X1側とX2側)で相違することとなる。
図3は、図1,2で示すパッド1を裏側(車体側)から見た図であり、図4は、図3のIV−IV矢視図である。パッド1には、車両の前後方向と同方向に延びる縦長状の凹溝11(縦長状の凸部12)が等間隔で併設するように設けられている。この凹溝11,11,…(凸部12,12,…)を設けることにより、車両衝突時に、この凸部12,12,…が潰れ易くなり(塑性変形し易くなり)、下肢部に障害を与えないような荷重−歪み特性を有するパッドとすることができる(後述)。
また、パッド1は、図3,4に示すように、パッド1の厚みが左右(X1側とX2側)で異なる2つの領域(1A領域と1B領域)から構成されている。これは上記する車両ボディーの形状や車室内のスペースの制約に応じて厚みを変化させたものである。パッド1は、左右の厚みがt1、t2で異なるが、パッド全体として同等の衝撃吸収性能を有していることが必要であるため、パッドの左右でその硬さが調整されている。ここで、硬さの調整は、パッド1を構成する左右の予備発泡粒子の発泡倍率を変化させたり、材質の異なる予備発泡粒子を使用したり、さらには、材質の異なる予備発泡粒子の発泡倍率をパッドの部位ごとに変化させることによっておこなわれ、厚みが相対的に薄い1B領域は、1A領域に比して硬くなるように調整される。
左右の領域をともにスチレン改質ポリエチレン系樹脂の予備発泡粒子で成形する場合は、厚みが相対的に薄い左足側の領域(図4の1B)では、予備発泡粒子の発泡倍率を15倍とし、右足側の領域(図4の1A)では、予備発泡粒子の発泡倍率を30倍とした原料から成形することができる。この場合、厚みt1、t2はそれぞれ50mmと30mm程度に成形することができる。
パッド1の成形方法は、まず、予備発泡粒子の発泡倍率を予め異なる発泡倍率にて製造する。上記実施例では、例えば、1A領域の予備発泡粒子を30倍の発泡倍率で製造し、1B領域の予備発泡粒子を15倍の発泡倍率にて製造し、この2種類の予備発泡粒子を成形型に充填してパッド1を一体成形することができる。この際、成形型のキャビティ内を仕切り部材で仕切っておき、仕切り部材の左右の空間に各予備発泡粒子を同時充填し、充填後にキャビティ内から仕切り部材を除去した後、蒸気加圧により発泡した粒子間を融着させるような方法でパッド1が成形できる。
図5は、車両の前後方向で分割された2つの領域(図5のX1とX2の領域)で、異なる硬さから構成されるパッド10を示している。パッド10も、車両の前後方向に延びる凹溝11,11,…が裏面に設けられている。図6は、図5の矢視図であるが、その断面視形状は略三角形となっており、車両ボディーの形状に応じたものである。図6のX1側(10A領域)がつま先側となり、X2側(10B領域)が踵側となる。ここで、10B領域に対して10A領域の硬さを相対的に硬くなるように調整しておくことが望ましい。車両が前突ないしは後突する場合において、衝突時には、つま先に乗員の体重以上の荷重が集中的に作用する一方で踵には荷重がほとんど作用しない。したがって、衝突時にパッドに作用する荷重に応じて部位ごとの硬さを変化させることにより、パッドが各部位ごとに所定の衝撃吸収性能を発揮することができる。
[実施例1]
図7は、本発明のパッドの一実施例の有する荷重−歪み特性を比較例とともにグラフに示したものである。この荷重−歪み特性は、JISZ0235の「包装用緩衝材料の動的圧縮試験方法」に準拠した衝撃緩和効果確認実験により得られたものである。この試験では、図3,4に示すパッドに似せたテストピースを用意し、踵治具をテストピースの表面より所定高さから落下させる。踵治具には加速度計を取り付けておき、テストピースには踵治具の落下による変位量を測定する変位計を取り付けておき、踵治具落下後の時間経過に伴うテストピースに加わる荷重(kN)とテストピースの変位(mm)を求めた。
ここで、図3および図4に示すパッド1を模擬したテストピースにおける2つの領域はともにスチレン改質ポリエチレン系樹脂の予備発泡粒子から成形されている。1A領域は30倍の予備発泡粒子、1B領域は15倍の予備発泡粒子によりそれぞれ成形されており、パッド全体の重量は230gとなる。この実施例のうち、1A領域と1B領域の荷重−歪み特性はともに、グラフXで示されている。なお、グラフK1、K2によって挟まれた範囲が下肢部に障害を与えない許容領域であり、例えば、(F,S)を(1.5kN,5%)、(F,S)を(2.5kN,7%)に設定することができる。
[実施例2]
実施例2は、図5,6に示す形態からなり、例えば、パッド10の前方領域10Aと後方領域10Bが、それぞれ異材質であるスチレン改質ポリエチレン系樹脂の予備発泡粒子とポリスチレン系樹脂の予備発泡粒子から成形されている。ここで、スチレン改質ポリエチレン系樹脂の予備発泡粒子の発泡倍率を15倍、ポリスチレン系樹脂の予備発泡粒子の発泡倍率を30倍としてパッド10が成形でき、パッド全体の重量は220gとなる。
[比較例1]
一方、比較例1として、1A領域、1B領域がともに発泡倍率15倍の予備発泡粒子によりパッドを成形する。この比較例は、厚みの相違に関係なく製品全体として発泡倍率が一定に成形される。この場合、衝撃吸収性能は満足するが、パッド全体の重量は340gと重くなってしまう。
[比較例2]
また、比較例2として、1A領域、1B領域がともに発泡倍率30倍の予備発泡粒子により成形する。この場合、厚みが薄い1B領域はグラフXの特性となるが、厚みが厚い1A領域はグラフYの特性を有し、衝撃吸収性能を満足することができない。なお、パッドの重量は170gとなる。
本解析結果からも明らかなように、車両構造に応じて、衝撃吸収パッドの部位ごとに、同材質または異材質の樹脂の予備発泡粒子の発泡倍率を調整することにより、パッドが製品全体として所望の衝撃吸収性能を有することができ、車両衝突時に左右の下肢部へ障害を与える可能性を極めて少なくすることができる。また、厚みに対して硬さが硬過ぎることによって過重量となる領域を製品から排除することで、製品全体の軽量化を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。図示する実施形態は、パッドの前後、または左右の2つの異なる密度領域から構成されたものであるが、パッドの形状(厚みの変化)によっては、3つ以上の異なる密度領域から構成されるパッドであってもよい。
車室内に本発明のパッドが設置された状況を説明した車両の縦断図。 図1の車室内の斜視図。 本発明のパッドの一実施形態を示した平面図であって、パッドの裏面(設置時に車体側となる面)から見た図。 図3のIV−IV矢視図。 本発明のパッドの他の実施形態を示した平面図であって、パッドの裏面(設置時に車体側となる面)から見た図。 図5のVI−VI矢視図。 本発明のパッドの有する荷重−歪み特性を説明したグラフであって、比較例の荷重−歪み特性と比較したグラフ。 従来のパッドと、理想的な特性を有するパッドの荷重−歪み特性を説明したグラフ。
符号の説明
1,10…パッド(下肢部衝撃吸収パッド)、1A,1B…硬さの異なる領域、10A,10B…硬さの異なる領域、11…凹溝、2…水平パッド、A…車両、A1…車室、B1…踵、B2…つま先

Claims (4)

  1. 乗員の足が載置される車両用下肢部衝撃吸収パッドであって、
    前記車両用下肢部衝撃吸収パッドは、平面方向で厚みが異なる領域を有しており、かつ、相対的に厚みが薄い領域は、相対的に厚みが厚い領域に比して硬い異種原料が用いられて形成され、パッド全体として同等の衝撃吸収性能を有している発泡成形品からなることを特徴とする車両用下肢部衝撃吸収パッド。
  2. 異種原料として発泡倍率の異なる予備発泡粒子を用いることを特徴とする請求項1に記載の車両用下肢部衝撃吸収パッド。
  3. 異種原料として材質の異なる予備発泡粒子を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用下肢部衝撃吸収パッド。
  4. 車両への設置時に車体側となる面には、複数の凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用下肢部衝撃吸収パッド。
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