JP4576311B2 - 車両用衝撃吸収材 - Google Patents

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本発明は、車両の乗員の下肢部を保護するための下肢部衝撃吸収パッドや、ドアトリムやリアサイドトリムなどに装着されて乗員を保護するための衝撃吸収パッドとして使用される車両用衝撃吸収材に係り、特に、車両衝突時における衝撃吸収性能に優れ、かつ、衝撃荷重が乗員に障害を与え得る所定の限界荷重に達することのない車両用衝撃吸収材に関するものである。
車両の乗員足元部には、車両衝突時に乗員の下肢部を衝撃荷重から保護するために、例えば任意の発泡樹脂からなる下肢部衝撃吸収パッドが載置されているのが一般的である。また、ドアトリムやリアサイドトリム、ラゲージサイドトリムなどの車両内装部品にも衝撃吸収パッドが内蔵されており、衝撃荷重からの乗員の保護が図られている。
上記する衝撃吸収パッド(または下肢部衝撃吸収パッド)に関する技術の開示は従来多様に存在し、例えば、特許文献1,2を挙げることができる。特許文献1には、ドアトリムの裏面に衝撃吸収パッドの取付け部位を収容保持するパッド収容保持部を形成しておき、パッド収容保持部を構成する上壁部に貫通孔を、側壁部に貫通溝をそれぞれ設けておくことにより、パッド収容保持部を座屈変形し易くし、衝撃による初期反力を抑えながら衝撃力の吸収を図る内装部品に関する発明が開示されている。
一方、特許文献2に開示の発明もドアトリムの裏側に配設される衝撃吸収パッドに関するものであるが、この衝撃吸収パッドは、中間板部の両側に略垂直に内向突起と外向突起を例えばずれた位置にそれぞれ配置することにより、衝撃荷重を受けた際に内向突起と外向突起が座屈破損した後に、中間板部も折損させ易くすることにより、衝撃荷重の上昇を抑えるように構成されているものである。
特開2004−345479号公報 特開2004−338669号公報
上記する特許文献1,2に開示の衝撃吸収パッドによれば、車両衝突時の衝撃荷重の上昇を効果的に抑制することができる。しかし、特許文献1においては無垢の衝撃吸収パッドが使用されているため、衝撃吸収パッドが塑性変形した後は、衝撃荷重の増加が否めず、結果として、衝撃荷重が乗員に障害を与え得る所定の限界荷重を超えてしまう可能性が高い。一方、特許文献2の衝撃吸収パッドでは、内向突起と外向突起が座屈し、さらに中間板部が折損した後において、該中間板部が無垢の板状に成形されていることから、やはり、最終的には衝撃荷重が乗員に障害を与え得る所定の限界荷重を超えてしまうことに変わりはない。すなわち、これらの特許文献に共通する問題は、パッドの潰れ残りが存在することにより、衝撃荷重は最終的には限界荷重を超過し、その結果的として乗員には何らかの障害を齎す危険性が残ってしまう点である。
本発明の車両用衝撃吸収材は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、車両衝突時の衝撃を効果的に緩和することに加えて、衝撃荷重が乗員に障害を与え得る所定の限界荷重に達することを確実に防止できる車両用衝撃吸収材を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による車両用衝撃吸収材は、発泡性樹脂粒子を成形型内で加熱発泡して得られる発泡成形体からなり、該発泡成形体を構成する粒子間には隙間が形成されており、発泡成形体が所定の厚みに圧縮された際に複数の破片となるように構成されていることを特徴とする。
本発明の衝撃吸収材は、下肢部衝撃吸収パッドや、ドアトリムやリアサイドトリム、ラゲージサイドトリムなどの車両内装部品に内蔵される衝撃吸収パッドとして使用することができる。
衝撃吸収材を成形する発泡性樹脂粒子は特に限定するものではないが、発泡性樹脂粒子として熱可塑性樹脂粒子を使用する場合は、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを使用することができる。中でも、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させて得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂の樹脂粒子発泡成形体は、ポリエチレン系樹脂粒子の発泡成形体やポリプロピレン系樹脂粒子の発泡成形体に比べて、寸法安定性と形状保持性に優れていること、ポリスチレン系樹脂粒子の発泡成形体に比べて擦れによる粉が出難いことの理由から特に好ましい。また、スチレン改質ポリエチレン系樹脂におけるスチレン成分の割合は40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、より好ましくは55〜75重量%である。
衝撃吸収材(発泡成形体)の成形に際しては、例えば上記するスチレン改質ポリエチレン系樹脂をはじめとする熱可塑性樹脂に、発泡剤を含浸させて発泡性の熱可塑性樹脂とし、該発泡性の熱可塑性樹脂を加熱水蒸気等で予備発泡させることで予備発泡粒子を製造する。次いで、かかる予備発泡粒子を成形型に充填し、発泡成形すればよい。ここで、衝撃吸収材の発泡倍率は、例えば5〜70倍の範囲内で調整した予備発泡粒子により成形するのがよい。発泡倍率が5倍未満のものは非常に硬くなるため、発泡体による十分な塑性変形性能を期待することができない。一方、発泡倍率が70倍を越えてしまうと、発泡体が軟らかすぎてしまい、発泡体としての反力を得ることが難しくなる。
本発明の衝撃吸収材は、該衝撃吸収材を構成する発泡性樹脂粒子間に人為的に隙間を形成させ、車両衝突時の衝撃荷重に対して衝撃吸収材が圧縮された際に、粒子間接着が解放され、各粒子が複数の破片となるように構成されている。衝撃吸収材が複数の破片となる圧縮状態は、衝撃吸収材に使用される発泡性樹脂粒子の素材や、粒子間の空隙率などによって変化することから、設定される限界荷重値と、使用される発泡性樹脂粒子、空隙率などに応じて、衝撃荷重が限界荷重値を超えない範囲内にて各パラメータの設定がおこなわれる。
本発明の衝撃吸収材によれば、衝撃荷重が衝撃限界荷重を超えない範囲内で粒子間接着が解放され、発泡成形体が複数の破片となるため、発泡成形体の塑性変形後に衝撃荷重が増加するといった問題は生じ得ない。車両衝突時以降の初期の段階では、衝撃吸収材の塑性変形によって衝撃荷重の上昇を効果的に緩和させ、衝撃吸収材が所定の圧縮状態となった段階で粒子間接着が解放されることにより、荷重(応力)を急激に落ち込ませることにより、衝撃荷重による乗員への危険性を従来の衝撃吸収パッドに比して格段に低減させることができる。
また、本発明による車両用衝撃吸収材の他の実施形態において、前記所定の厚みが、圧縮される前の厚みの60〜20%の厚みであることを特徴とする。
発明者等の実験によれば、上記に例示した発泡性樹脂粒子からなる衝撃吸収材においては、初期の厚みに対して60〜20%の厚みに圧縮された際に、粒子間接着が解放されることが実証されている。したがって、かかる範囲の圧縮状態まで衝撃吸収材が塑性変形した後に粒子間接着が解放されることにより、衝撃荷重が乗員に障害を与え得る限界荷重に達する前に、効果的に衝撃荷重の急激な低下を招来させることができる。
また、本発明による車両用衝撃吸収材の好ましい実施形態において、発泡成形体の全体積に対する粒子間の空隙の総和の比率が、10〜40%であることを特徴とする。
上記と同様に、発明者等の実験によれば、上記に例示した発泡性樹脂粒子からなる衝撃吸収材において、発泡成形体の全体積に対する粒子間の空隙の総和の比率(空隙率)を10〜40%に調整することにより、衝撃荷重が乗員に障害を与え得る限界荷重に達する前に、効果的に衝撃荷重の急激な低下を招来できることが実証されている。空隙率を変化させることは、粒子間の接着面積を変化させることに繋がり、結果として、粒子間接着力の調整に繋がることとなる。
なお、空隙率の調整は、予備発泡粒子を成形型にて発泡成形する際の成形条件を適宜に調整することによりおこなうことができる。例えば板状の衝撃吸収材を成形型内にて製造する場合において、成形型として使用される金型加熱を4秒、衝撃吸収材の一方面の蒸気加熱を4秒、他方面の蒸気加熱を3秒、両面加熱を5秒、水冷を25秒、放冷を160秒それぞれおこなう製造方法を適用することにより、空隙率20%の衝撃吸収材を得ることができる。
空隙率を10〜40%の範囲で任意に調整する製造方法は、上記する各工程に要する時間や蒸気加熱温度などを調整することにより、容易に空隙率の微調整をおこなうことが可能である。
さらに、本発明による車両用衝撃吸収材の好ましい実施形態において、発泡成形体の少なくとも一つの面に、凹溝または突起が設けられていることを特徴とする。
本発明の衝撃吸収材は、例えば空隙率が10〜40%に調整された無垢の板材の一方面または両面において、任意形状の凹溝や突起が設けられた衝撃吸収材である。
例えば衝撃吸収材が下肢部衝撃吸収パッドとして使用される場合には、車両設置時に車体側となる底面に車両前後方向に延設する縦長状の突起ないしは凹溝を複数設けた実施形態とすることができるし、衝撃吸収材がドアトリムの内側に配設される場合には、板状部材の一方面または両面に水平方向または上下方向に延設する突起や、断面視が円形や楕円形、任意の多角形の突起が散在した実施形態とすることができる。
本発明の衝撃吸収材によれば、車両衝突時に凹溝や突起が座屈することによって衝撃時初期の衝撃荷重の増加を効果的に緩和でき、さらに、無垢の板状部分の塑性変形および一定の圧縮状態における粒子間接着の解放による衝撃荷重の急低下を招来させることができるため、車両衝突時における乗員の安全性を格段に向上させることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の衝撃吸収材によれば、衝撃吸収材が所定の圧縮状態となった段階で粒子間接着が解放され、衝撃吸収材が複数の破片となることにより、衝撃荷重が乗員に障害を与え得る限界荷重に達する前段階で荷重低下を招来させることができるため、車両衝突時の安全性を格段に向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の衝撃吸収材の一実施形態の斜視図を、図2,3は、本発明の衝撃吸収材の他の実施形態の斜視図をそれぞれ示している。図4aは、衝撃吸収材に荷重が作用している状態を示した図であり、図4bは、荷重作用下において衝撃吸収材が圧縮されている状態を示した図を、図5は、図4のV部の拡大図であり、図4aは、粒子同士が接着している状況を示した図であり、図4bは、粒子間接着が解放された状況を示した図をそれぞれ示している。図6は、本発明の衝撃吸収材と従来例との衝撃吸収性能を比較した実験結果を示したグラフである。
図1は、下肢部衝撃吸収パッドとして使用される衝撃吸収材1を示したものである。この衝撃吸収材1は、平板状の板材1の車両設置時に車体側となる底面に複数の縦長状の凹溝12,12,…が形成されている。衝撃吸収材1は、その原料である発泡性樹脂粒子として、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを使用することができる。また、発泡成形体である衝撃吸収材1の全体積に対する粒子間の空隙の総和の比率(空隙率)が10〜40%の範囲に調整されて製造されている。
衝撃吸収材1の製造は、例えば上記するスチレン改質ポリエチレン系樹脂を加熱水蒸気等で予備発泡させることで予備発泡粒子を製造し、この予備発泡粒子を成形型である金型内に充填し、金型を4秒程度加熱し、発泡成形体の一方面を4秒程度蒸気加熱し、その後に他方面を3秒程度蒸気加熱し、さらに両面を5秒程度加熱し、最後に25秒程度水冷し、160秒程度放冷することにより製造される。なお、各工程に要する時間等は、所望の空隙率を有する衝撃吸収材となるように適宜調整される。
図2は、下肢部衝撃吸収パッドとして使用される衝撃吸収材1Aであり、板材11の底面に縦長状の複数の突起13,13,…が形成された衝撃吸収材である。なお、図1,2以外にも、円形や楕円形、多角形の任意断面を有する複数の突起が板材11の底面に散在した態様の衝撃吸収材であってもよい。
図3は、ドアトリムに内蔵される衝撃吸収材1Bを示したものである。この衝撃吸収材1Bは、板材11の両面に複数の突起14,14,…が板材に対して同位置となるように設けられて構成されている。この板材11の両面に設けられた突起14,14,…は、板材11に対して、千鳥配置となるように設けられていてもよい。
本発明の衝撃吸収材が図1〜3に示す衝撃吸収材の実施形態に限定されるものでないことは勿論のことである。次に、図1に示す衝撃吸収材1をもとに、車両衝突時に衝撃吸収材1に衝撃荷重が作用し、最終的に衝撃吸収材1を構成する発泡性樹脂粒子間の接着が解放されて複数の破片となる態様の概要を説明する。
図4aに示すように衝撃荷重Fが衝撃吸収材1に作用すると、衝撃吸収材1は、図4bに示すように凹溝12の座屈と板材11の塑性変形により、全体が圧縮されていく(X方向)。
図5aは、図4のV部の拡大図であるが、板材11が塑性変形している間は、板材11を構成する発泡性樹脂粒子2,2,…同士は、粒子間に所定の空隙3,3,…を備えた状態で接着姿勢を保持している。
衝撃吸収材1の圧縮がさらに進行すると、粒子間の接着が解放され、図5bに示すように、衝撃吸収材1は複数の発泡性樹脂粒子2,2,…が複数の破片になり、その形状が壊される。衝撃吸収材1が複数の破片に壊された段階においては、衝撃荷重はその段階で応力解放がなされ、荷重値は急激に低下する。
本発明の衝撃吸収材は、上記するように、所定範囲の圧縮状態で粒子間接着が解放されるように所定範囲の空隙率を備えた衝撃吸収材とすることにより、乗員に障害を与えない任意の限界荷重値未満に衝撃荷重を抑えることができる。
[実施例]
図6は、本発明の衝撃吸収材の一実施例の有する荷重−圧縮率特性を比較例とともにグラフに示したものである。この荷重−圧縮率特性は、JISZ0235の「包装用緩衝材料の動的圧縮試験方法」に準拠した衝撃緩和効果確認実験により得られたものである。この試験では、図1に示す衝撃吸収材と板材のみからなる衝撃吸収材にそれぞれ似せたテストピースを用意し、踵治具をテストピースの表面より所定高さから落下させる。踵治具には加速度計を取り付けておき、テストピースには踵治具の落下による圧縮量を測定する変位計を取り付けておき、踵治具落下後の時間経過に伴うテストピースに加わる荷重(kN)とテストピースの圧縮率(%)を求めた。
図6には、4つの実施例の実験結果が示されている。実施例はすべて、スチレン改質ポリエチレン系樹脂の予備発泡粒子から成形されている。グラフ中のX1は、空隙率が20%の衝撃吸収材であり、X2は、空隙率が30%の衝撃吸収材、X3は、空隙率が20%であって、凹溝が設けられた図1に示す衝撃吸収材であり、X4は、空隙率が30%であって、やはり凹溝が設けられた図1に示す衝撃吸収材に関する実験結果である。ここで、衝撃吸収材の寸法は(400×200×50mm)に形成されており、凹溝が設けられている場合には、深さ30mmの凹溝がほぼ均等な間隔で6個設けられている。
空隙率20%の衝撃吸収材の製造方法は、成形型として使用される金型加熱を4秒、衝撃吸収材の一方面の蒸気加熱を4秒、他方面の蒸気加熱を3秒、両面加熱を5秒、水冷を25秒、放冷を160秒それぞれおこなう製造方法である。一方、空隙率30%の衝撃吸収材の製造方法は、金型加熱を3秒、衝撃吸収材の一方面の蒸気加熱を2秒、他方面の蒸気加熱を2秒、両面加熱を3秒、水冷を20秒、放冷を150秒それぞれおこなう製造方法である。
グラフより、例えば空隙率が30%であって凹溝が形成された衝撃吸収材では、圧縮率が80%で粒子間接着が解放されて荷重が所定の限界荷重Kに到達する前に急激に低下することとなり、凹溝のない空隙率が20%の衝撃吸収材では、圧縮率が40%で粒子間接着が解放されて荷重が限界荷重Kに到達する前に急激に低下する。その他の実施例においては、圧縮率が約50〜60%程度で粒子間接着が解放される結果となった。
[比較例]
一方、人為的に粒子間に空隙が形成されていない従来の衝撃吸収材の実験結果がグラフにおけるX5である。この衝撃吸収材は、成形型として使用される金型加熱を4秒、衝撃吸収材の一方面の蒸気加熱を8秒、他方面の蒸気加熱を6秒、両面加熱を15秒、水冷を25秒、放冷を160秒それぞれおこなうことにより製造されている。グラフからも明らかなように、衝撃荷重の増加が顕著であり、また、粒子間接着が解放されることがないことから、荷重値は限界荷重Kを超えてしまう結果となった。したがって、衝撃吸収材による塑性変形ないしは凹溝や突起の座屈による衝撃吸収性能により、衝撃荷重の上昇を緩和できたとしても、最終的には限界荷重を超えることにより、乗員に何らかの障害を与え得る可能性が残ってしまう。
実験結果からも明らかなように、本発明の衝撃吸収材によれば、車両衝突時の衝撃荷重を効果的に緩和することに加えて、衝撃荷重が任意の限界荷重を超えることがないため、乗員に障害を与える可能性を極めて低くすることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の衝撃吸収材の一実施形態の斜視図。 本発明の衝撃吸収材の他の実施形態の斜視図。 本発明の衝撃吸収材のさらに他の実施形態の斜視図。 (a)は、衝撃吸収材に荷重が作用している状態を示した図であり、(b)は、荷重作用下において衝撃吸収材が圧縮されている状態を示した図。 図4のV部の拡大図であり、(a)は、粒子同士が接着している状況を示した図であり、(b)は、粒子間接着が解放された状況を示した図。 本発明の衝撃吸収材と従来例との衝撃吸収性能を比較した実験結果を示したグラフ。
符号の説明
1,1A,1B…衝撃吸収材、11…板材、12…凹溝、13,14…突起、2…発泡性樹脂粒子、3…空隙

Claims (3)

  1. 発泡性樹脂粒子を成形型内で加熱発泡して得られる発泡成形体からなり、
    該発泡成形体を構成する粒子間には隙間が形成されており、
    発泡成形体の全体積に対する粒子間の空隙の総和の比率が10〜40%であって、
    発泡成形体が所定の厚みに圧縮された際に複数の破片となるように構成されていることを特徴とする車両用衝撃吸収材。
  2. 前記所定の厚みが、圧縮される前の厚みの60〜20%の厚みであることを特徴とする請求項1に記載の車両用衝撃吸収材。
  3. 発泡成形体の少なくとも一つの面に、凹溝または突起が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用衝撃吸収材。
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