JP3173912U - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車の乗員座席の足元周りに敷設され、乗員の足裏位置において、衝撃荷重が作用したときの圧縮応力が予め定められた値以下で、予め定められた動的圧縮ひずみの間を推移することにより、高い衝撃吸収エネルギを確保することができる衝撃吸収部材を提供する。
【解決手段】自動車の乗員座席の足元周りを形成する足元前方傾斜面、又は足元前方傾斜面と床面に敷設される衝撃吸収部材であって、平板状の基部11と、基部11の一方の面に形成される複数列の主リブ12とを少なくとも備え、乗員の足裏のつま先側に対応する部位における主リブ12aと、かかと側に対応する部位における主リブ12bとで、その平均幅を異ならせて、これらの部位ごとに圧縮応力を調整する。
【選択図】図1

Description

本考案は、衝撃荷重が作用したときに、そのエネルギの一部を吸収して、衝撃を緩和する衝撃吸収部材に関し、特に、自動車の乗員座席の足元周りに敷設される衝撃吸収部材に関する。
例えば、自動車においては、万一の衝突時に乗員を保護するために、客室へのダメージを最小限に抑えることを目的として、ボディーを構造的に変形しやすくしたり、バンパ、天井、床、ドア等の内部に衝撃吸収部材を設けたりするなどして、衝突時の衝撃をできるだけ吸収させることが一般に行われている。
従来、この種の用途に利用される衝撃吸収部材としては、熱硬化性の発泡ウレタンが多く用いられていた。
しかしながら、熱硬化性の発泡ウレタンは、リサイクルが困難である上、コスト的にも割高である。そればかりか、耐水性、耐熱性の経時安定性に課題があり、初期衝撃吸収性能の維持が困難であった。
そこで、近年、リサイクルが容易で、包装用の緩衝材として広く用いられている発泡ポリスチレンや発泡ポリプロピレンなどの発泡熱可塑性樹脂が、この種の用途に利用される衝撃吸収部材として多く使用されるようになってきた。
しかしながら、このような発泡熱可塑性樹脂も、衝撃吸収性能面で、次のような問題がある。
すなわち、発泡ポリスチレンや発泡ポリプロピレン等の発泡熱可塑性樹脂で形成された衝撃吸収部材においては、一度受けた衝撃荷重によって、圧縮ひずみが50%を超えると、内部に発生する圧縮応力が急激に上昇し、以後、衝撃吸収部材としての性能が著しく低下する。
なお、ここで、圧縮ひずみとは、衝撃吸収部材の元の厚みに対する圧縮変形の割合を意味し、以下の説明ではひずみ量(%)で表す。
したがって、発泡熱可塑性樹脂の衝撃吸収部材を自動車などの用途に利用する場合は、圧縮ひずみ(ひずみ量)が許容される圧縮応力の範囲内で設計されなければならないため、最大許容圧縮応力に至るエネルギ量が十分でなくなるという問題がある。
また、多様な衝撃荷重に対応し、要求される圧縮応力の範囲内で要求される衝撃吸収性能を発現するためには、衝撃吸収部材の肉厚を大きくする必要がある。このため、バンパ、天井、床、ドアなどの各部の寸法を大きくせざるを得ないといった問題がある。
一般に、自動車に用いられる衝撃吸収部材は設置スペースの関係から、衝撃吸収部材の潰れ代は限られており、およそ30〜100mm程度である。
他方、衝撃吸収部材は、衝突時の乗員保護を目的とすることから、人に加わる圧縮応力を、数10N/cm以内に抑えなければならない。
また、衝撃吸収部材の性能(すなわち、衝撃吸収エネルギ)は、衝突による衝撃吸収部材の潰れ代と、そのときの応力値の積分値で表されることから、許容できる圧縮応力値の範囲内で、より大きい潰れ代を確保することが必要とされる。
本考案者らは、先に、発泡樹脂からなり、特定のリブ構造を有する発泡成形品が高い衝撃吸収性能を示すこと見出した(特許文献1参照)。
特開2003−341449号公報
しかしながら、特許文献1に開示した発泡成形品は、比較的薄い潰れ代で設計される衝撃吸収部材としてきわめて有効であるが、近年の自動車衝突安全性能に対する要求の高まりから、さらに衝撃吸収性能に優れた衝撃吸収部材が求められるようになってきている。
本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、衝撃荷重が作用したときの圧縮応力が予め定められた値以下で、予め定められた動的圧縮ひずみの間を推移することで、より高い衝撃吸収エネルギが確保できる衝撃吸収部材であって、特に、自動車の乗員座席の足元周りに敷設して使用するにあたり、優れた衝撃吸収性能を発揮することができる衝撃吸収部材の提供を目的とする。
本考案に係る衝撃吸収部材は、自動車の乗員座席の足元周りを形成する足元前方傾斜面、又は足元前方傾斜面と床面に敷設される、密度0.02g/ml〜0.2g/mlの発泡熱可塑性樹脂粒子型内成形品からなる衝撃吸収部材であって、平板状の基部と、前記基部の一方の面に形成される複数列の主リブと、を少なくとも備え、当該衝撃吸収部材を前記足元前方傾斜面、又は足元前方傾斜面と床面に敷設したときに、前記主リブは、当該衝撃吸収部材に置かれる乗員の足裏のつま先とかかとを結ぶ方向に伸びるように形成され、前記足元前方傾斜面に置かれる乗員の足裏のかかと側に対応する部位における前記主リブの平均幅が、つま先側に対応する部位における前記主リブの平均幅の1.0倍を超えて2.5倍以下となるように、前記つま先側に対応する部位と、前記かかと側に対応する部位とで、前記主リブの平均幅を異ならせて、前記部位ごとに圧縮応力を異ならせた構成としてある。
このような構成とした本考案に係る衝撃吸収部材は、乗員の足裏のつま先側に対応する部位と、かかと側に対応する部位とで圧縮応力を異ならせることにより、乗員の足裏から入力される衝撃荷重を効率良く制御することができるため、自動車の乗員座席の足元周りに敷設される衝撃吸収部材として優れた衝撃吸収性能を発揮することができる。
また、本考案に係る衝撃吸収部材は、つま先側とかかと側に加わる衝撃荷重の大きさの違いを考慮して、前記かかと側に対応する部位における前記主リブの平均幅が、前記つま先側に対応する部位における前記主リブの平均幅の1.0倍を超えて2.5倍以下となるようにするが、1.1倍〜2.0倍であるのがより好ましい。
また、前記足元前方傾斜面の、乗員の足裏のつま先側に対応する部位と、かかと側に対応する部位とは、一般に、前記足元前方傾斜面の立ち上がるところから、11cmあたり、範囲としては、例えば8〜14cmあたりを境として両方の部位を分けることができる。
また、本考案に係る衝撃吸収部材は、前記主リブの平均幅waと、前記衝撃吸収部材の全厚t1との間に、0.05×t1≦wa≦0.3×t1となる関係が成り立つようにすることができる。
このようにすると、衝撃吸収部材の発泡成形を困難にすることなく、衝撃吸収部材の内部に適度な圧縮応力を発生させることができる。
前記主リブは、つま先とかかとを結ぶ方向(縦方向)に伸びるように形成される。本考案においては、主リブの平均幅waをもって、つま先側に対応する部位とかかと側に対応する部位の主リブの平均幅の異同を規定しているが、この平均幅waを変えるには、リブの下底部(リブの先端側)の幅を同一とし、上底部(リブの付け根側、基部との接続部)の幅を変えることによって、異ならせることができる。このようにして平均幅waを変えるようにすると、本考案に係る衝撃吸収部材の成形が特に容易に行えるので好ましい。
なお、副リブは必要に応じて形成することができるが、形成する場合は、主リブと直交方向に形成することが好ましい。
また、本考案に係る衝撃吸収部材は、密度0.02g/ml〜0.2g/mlの発泡熱可塑性樹脂粒子型内成形品からなるが、このようにすると、衝撃吸収部材の重量の低減を困難にすることなく、衝撃吸収部材の内部に適度な圧縮応力を発生させることができる。
また、本考案に係る衝撃吸収部材は、発泡性のスチレン系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、オレフィン系(共)重合体、これらの重合体複合体等からなるものとすることができる。中でも発泡性のスチレン系(共)重合体が好ましい。
このようにすると、衝撃吸収部材の発泡成形を容易にして製造コストが削減できるだけでなく、衝撃吸収部材のリサイクル性を高めることができる。
本考案に係る衝撃吸収部材は、自動車の乗員座席の足元周りに敷設される衝撃吸収部材として優れた衝撃吸収性能を発揮することができる。
本考案に係る衝撃吸収部材の実施形態の概略を示す底面図である。 本考案に係る衝撃吸収部材の実施形態の概略を示す側面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 本考案に係る衝撃吸収部材の他の実施形態の概略を示す底面図である。 実施例で製造した衝撃吸収部材における、動的圧縮応力に対する圧縮ひずみ量の関係を示すグラフである。 本考案に係る衝撃吸収部材の他の実施形態の概略を示す側面図である。
以下、本考案に係る衝撃吸収部材の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本考案に係る衝撃吸収部材の実施形態の一部を示す底面図であり、図2は、同側面図である。図2では、衝撃吸収部材1を足元前方傾斜面に敷設した例を示しているが、衝撃吸収部材1は、自動車の乗員座席の足元周りを形成する足元前方傾斜面、又は足元前方傾斜面と床面に敷設することができる。
これらの図に示す衝撃吸収部材1は、基部11、主リブ12、及び副リブ13を一体に備えて形成されている。基部11は平板状に形成され、その一方の面(足元前方傾斜面、又は床面と対向する面)には、主リブ12と副リブ13が形成されている。
主リブ12は、図1中上下方向に延在し、複数列の主リブ12が均等間隔で平行に形成されている。
ここで、図1及び図2に示す靴型形状負荷子14は、乗員の足裏を想定した実験用治具であり、つま先141、土踏まず142及びかかと143を備えている。これらの図に示すように、衝撃吸収部材1は、主リブ12の延在する方向が、乗員の足裏のかかと側とつま先側とを結ぶ方向と概ね一致するように敷設される。換言すれば、衝撃吸収部材1を足元前方傾斜面、又は足元前方傾斜面と床面に敷設したときに、主リブ12は、衝撃吸収部材1に置かれる乗員の足裏のつま先とかかとを結ぶ方向に伸びるように形成される。
また、主リブ12の形成間隔は、一般的な乗員の足裏寸法を考慮して決定される。例えば、無造作に置かれた乗員の足裏に、少なくとも一本の主リブ12が対応して位置するように、主リブ12の形成間隔は、1〜5cmとすることができる。
なお、図示する例では、複数列の主リブ12を均等間隔で平行に形成しているが、主リブ12の配置は、これに限定されない。例えば、衝撃吸収部材1を敷設する場所などに応じて、主リブ12の形成間隔を異ならせたり、主リブ12を湾曲又は屈曲させたりすることもできる。
乗員座席の足元周りに敷設される衝撃吸収部材1にあっては、乗員の足裏位置において、衝撃荷重を効率良く吸収する必要がある。具体的には、図2中矢印で示す方向から衝撃荷重が作用したときの圧縮応力が予め定められた値以下で、予め定められた動的圧縮ひずみの間を推移することにより、高い衝撃吸収エネルギを確保することが求められる。
本実施形態では、乗員の足裏から入力される衝撃荷重を効率良く制御するという観点から、衝撃吸収部材1を前述したように敷設したときに、つま先側に対応する部位における主リブ12aと、かかと側に対応する部位における主リブ12bとで、その平均幅waが異なるようにして、これらの部位ごとに圧縮応力を異ならせている。
ここで、図3は、図1のA−A断面図、図4は、図1のB−B断面図である。これらの図に示す例では、主リブ12の断面形状は台形とされており、主リブ下底部(主リブ12の先端側)122の幅w2が、主リブ上底部(基部11との接続部)121の幅w1よりも小さくなっている。主リブ12の断面形状を台形とした場合、主リブ12の平均幅waは、wa=(w1+w2)/2となる。つま先側に対応する部位における主リブ12aと、かかと側に対応する部位における主リブ12bとで、この平均幅waを変えるには、つま先側に対応する部位と、かかと側に対応する部位とで、主リブ下底部(主リブ12の先端側)122の幅W2を同一とし、主リブ上底部(基部11との接続部)121の幅を変えることによって、異ならせるようにしてもよい。このようにして平均幅waを変えるようにすると、衝撃吸収部材1の成形が特に容易に行えるので好ましい。
つま先側に対応する部位と、かかと側に対応する部位とで、主リブ12の平均幅waを異ならせるにあたり、これらの部位に加わる衝撃荷重の大きさの違いを考慮して、本実施形態では、かかと側に対応する部位における主リブ12aの平均幅waが、つま先側に対応する部位における主リブ12bの平均幅waの1.0倍を超えて2.5倍以下となるようにするが、1.1倍〜2.0倍とすることがより好ましい。
これにより、乗員の足裏位置において衝撃荷重をより効率良く吸収することができ、その結果、自動車の乗員座席の足元周りに敷設される衝撃吸収部材として、優れた衝撃吸収性能を発揮させることができる。
これに加えて、主リブ12の平均幅waと、衝撃吸収部材1の全厚t1との間に、0.05×t1≦wa≦0.3×t1となる関係が成り立つように、幅w1、w2及び全厚t1を選択することが好ましい。
主リブ12の平均幅waが、衝撃吸収部材1の全厚t1の0.05倍未満では、主リブ12の幅が小さくなり過ぎてしまい、衝撃吸収部材1の発泡成形が困難になる。さらには、衝撃荷重を加えたときに、衝撃吸収部材1の内部に十分な圧縮応力が発生しないおそれがある。主リブ12の平均幅waが、衝撃吸収部材1の全厚t1の0.3倍を超えると、衝撃吸収部材1の内部に発生する圧縮衝撃荷重が大きくなり過ぎてしまい、必要とする衝撃吸収性能が十分に得られないおそれがある。
また、主リブ12の高さt2は、衝撃吸収部材の全厚t1に対し、0.5×t1≦t2≦1.0×t1となる関係が成り立つように設定することが好ましい。
主リブ12の高さt2が、衝撃吸収部材の全厚t1の0.5倍未満では、衝撃吸収域が狭く経済的ではない。上限は、一般には0.9倍を越えると発泡成形の作業上支障をきたし、生産性を阻害するため好ましくない。しかし、後加工等により基部11を除いてもよいし、基部11は部分的に欠けていてもよい。衝撃吸収性能と経済上の理由により、特に0.7×t1≦t2≦0.9×t1が好ましい。
また、主リブ12は、基部11の垂線に対して傾斜角度αで傾斜させ、傾斜角度αが0°〜7°の範囲となるテーパ状の形態とするのが好ましい。より好ましい傾斜角度αは、3°〜5°の範囲である。傾斜角αが0°より小さいときは、発泡樹脂の成型工程において、離型が容易ではない。傾斜角αが7°より大きいと、圧縮ひずみに対する応力上昇が漸増するため好ましくない。
また、図示する例では、主リブ12の長手方向ほぼ中央において、主リブ12に対して直角に交差するように、副リブ13を形成している。そして、副リブ13を境に、主リブ12をつま先側に対応する部位と、かかと側に対応する部位とに分け、これらの部位ごとに主リブ12a,12bの平均幅waを異ならせている。
ここで、図2中矢印で示すように、乗員の足裏から衝撃吸収部材1に対して垂直の衝撃荷重が加わると、まず、主リブ12が圧縮される。このとき、主リブ12は、単に圧縮されるだけでなく、屈曲により倒れる可能性があるが、副リブ13を形成することで、主リブ12が不特定箇所で屈曲してしまうのを抑制することができる。これによって、主リブ12が不特定箇所で屈曲することにより生じる、圧縮ひずみの途中での急激な圧縮応力の低下を回避することができる。
副リブ13の高さt3は、主リブ12の高さt2より低くするのが好ましい。このようにすることで、主リブ12の屈曲位置が、副リブ13の高さt3よりも高い位置に制限される。このため、圧縮ひずみの初期における動的及び静的な圧縮応力の強さを主リブ12で決定しつつ、衝撃による主リブ12の倒れを副リブ13で抑制し、安定した圧縮応力を生じることができる。
さらに、圧縮ひずみの後半においては、主リブ12及び副リブ13が圧縮されるが、この起点は、副リブ13の高さに応じて変わる。このため、副リブ13の高さを調整しておくことによって、圧縮応力を調整することができ、急激な圧縮応力の上昇を回避できる。副リブ13の高さt3に特に制限はないが、主リブ12の高さt2の0.5〜1.0倍にすることが特に好ましい
このように、副リブ13を形成することで、乗員の足裏位置で衝撃荷重が作用したとき、初期における動的及び静的な圧縮応力の強さを主リブ12で決定しつつ、衝撃による主リブ12の倒れを副リブ13で抑制するとともに、圧縮ひずみの後半における圧縮応力を、副リブ13の高さなどに応じて調整することができる。副リブ13の高さt3は、これらのことを考慮して設定することができる。
また、副リブ13の幅w3は、圧縮途中での主リブ12の倒れる位置を規定できる幅なら、特に制限はないが、通常、主リブ12の幅waの50〜100%程度に設定する。
ここで、上記した例では、一本の副リブ13を形成した例を挙げたが、図5に示すように、複数の副リブ13を形成してもよい。図5では、つま先、土踏まず、かかとの各部位に対応した部分に副リブ131,132,133を形成しているが、この場合、各部分に形成する副リブ13の高さを異ならせることによっても圧縮応力を調整することができる。
本実施形態において、衝撃吸収部材1を形成する材料としては、使用される用途により様々な材料を用いることができる。好ましくは、発泡熱可塑性樹脂からなる硬質発泡体が用いられる。衝撃吸収部材に使用される熱可塑性樹脂としては、種々のものが使用可能である。
例えば、ポリスチレンや、スチレンと、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、フェニルマレイミドシクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、アクリル酸エステル等のアクリル酸系単量体、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等のメタクリル酸系単量体を共重合させたスチレン系共重合体、又はメタクリル酸系単量体の単独重合体、メタクリル酸系単量体及びアクリル酸系単量体の2種類以上の組合せによるアクリル系(共)重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等が挙げられる。
このように、本実施形態では、スチレン系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、オレフィン系(共)重合体、これらの重合体複合体等を用いることができるが、これらの中でも、製造コスト、リサイクル性、発泡成形性等の点から、スチレン系(共)重合体が好ましく、耐熱性、耐油性に優れるアクリロニトリル・スチレン共重合体が製造コストや性能の点から好適である。発泡性アクリロニトリル・スチレン共重合体の樹脂としては、例えば、日立化成工業(株)製の(商品名:HIBEADS GR)を用いることができる。もちろん、上記した本考案の要件を備えるものであって、自動車用の衝撃吸収部材として用いることができるのであれば、他の樹脂を用いてもよい。
衝撃吸収部材1に使用される熱可塑性樹脂の発泡剤としては、発泡性スチレン系樹脂等の製造に一般的に用いられている発泡剤を用いることができる。この発泡剤は、常温常圧下で気体又は液体であり、かつ上記熱可塑性樹脂を溶解しないような易揮発性有機化合物であるのが好ましい。例えば、ブタン、プロパン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素などが挙げられる。
衝撃吸収部材1は、上記の熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む発泡性熱可塑性樹脂粒子を一次発泡させて、所定の密度の発泡熱可塑性樹脂粒子を得た後、所定の形状を有する金型に充填、加熱して形成された、発泡熱可塑性樹脂粒子型内成形品からなっている。
本実施形態において、衝撃吸収部材1を構成する発泡熱可塑性樹脂粒子型内成形品の密度は、0.02g/ml〜0.2g/mlである。密度が、0.02g/ml未満では、要求される圧縮応力を達成する物性を得ることが難しい場合がある。一方、密度が、0.2g/mlより大きいと、圧縮応力値が高くなるばかりでなく、衝撃吸収部材の重量の低減が困難になるおそれがある。より好ましくは、0.04g/ml〜0.1g/mlである。
以上のような衝撃吸収部材1は、発泡樹脂がもつ衝撃吸収性能と特定のリブ構造が相乗的に働き、高い衝撃吸収性能を発現できる。
以下、実施例により、本考案をさらに具体的に説明するが、本考案は、これらにより制限されるものではない。
[実施例]
(1)発泡性熱可塑性樹脂粒子の一次発泡
発泡性アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂粒子(日立化成工業(株)製、商品名HIBEADS GR)を発泡スチロール用のバッチ発泡機(日立化成テクノプラント(株)製、商品名HBP−500LW)を用い、嵩密度0.067g/ml(発泡倍率:15倍)に一次発泡した後、成形までの18時間、通気性の良いサイロに保管した。
(2)衝撃吸収部材の製造
発泡スチロール用成形機(日立化成工業(株)製、商品名モルデックス10VS)に、下記表1に示すリブ構造となる形状を有する金型をセットし、型締めした。次に、上記(1)で一次発泡した樹脂粒子を金型に充填し、0.08MPaのゲージ圧の水蒸気で25秒間加熱し、金型ごと水冷し、真空冷却した後、成形品を金型から取り出した。このとき、成形品を構成する発泡熱可塑性樹脂の密度は0.067g/mlであった。
(3)衝撃吸収部材の衝撃吸収性能の評価
上記(2)で得られた発泡樹脂成形品の衝撃荷重試験を行った。衝撃荷重試験は、試験体より広い平面を有する試験台に試験体を設置し、靴型形状負荷子を取り付けた質量可変のおもりを、試験体の基部側の表面に垂直に規定速度で落下させ、おもりに生じた加速度(G値)と試験体の厚さ変化量(圧縮ひずみ量)とを測定し、衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を評価した。
なお、おもりは4.5kg、落下高さは2.2mとした。
実施例1で製造した衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を、動的圧縮応力に対する圧縮ひずみを示すグラフを図6に示す。
Figure 0003173912
図6のグラフから、乗員の足裏部分のつま先側にあたる部位と、かかと側にあたる部位で、主リブの平均幅を異ならせることにより、圧縮応力を調整できることがわかる。
なお、つま先側とかかと側の境は、足元前方斜面が立ち上がるところから11cmの位置とした。
以上、本考案について、好ましい実施形態を示して説明したが、本考案は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本考案の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、衝撃吸収部材1を足元前方傾斜面に敷設する例について説明したが、足元前方傾斜面と床面に敷設することもできる。この場合、図7に示すように、足元前方傾斜面と床面に敷設される部分を一体成形してもよく、また、別個に成形して公知の接合手段で接合してもよい。
また、前述した実施形態を示す図は、衝撃吸収部材1の一部を示したものであり、主リブ12と副リブ13の数及び高さなどは、使用分野により要求される最大圧縮応力に応じて、適宜決定することができる。衝撃吸収部材1の全体の形も用途に合わせて各形状に成形することができる。
また、前述した実施形態では、主リブ12の断面形状を台形としたが、主リブ12の断面形状は、台形に限らず、長方形、三角形や半円形状等であってもよい。さらに、主リブ12は、幅が連続的に変化するものに限らず、衝撃荷重の作用方向に沿って段階的に幅が変化するものであってもよい。このようにすると、衝撃に対してリブ折れによる圧縮応力の低下を制御でき、圧縮ひずみが大きくなっても急激な圧縮応力の上昇を抑制することができるという利点がある。
本考案は、衝撃吸収部材として使用できる。衝撃吸収性能に優れているため、特に、自動車の用途、例えば、乗員座席の足元周りに敷設される衝撃吸収部材に使用するのに適している。
1 衝撃吸収部材
11 基部
12 主リブ
13 副リブ
14 靴型形状負荷子
141 つま先
142 土踏まず
143 かかと

Claims (15)

  1. 自動車の乗員座席の足元周りを形成する足元前方傾斜面、又は足元前方傾斜面と床面に敷設される、密度0.02g/ml〜0.2g/mlの発泡熱可塑性樹脂粒子型内成形品からなる衝撃吸収部材であって、
    平板状の基部と、
    前記基部の一方の面に形成される複数列の主リブと、
    を少なくとも備え、
    当該衝撃吸収部材を前記足元前方傾斜面、又は足元前方傾斜面と床面に敷設したときに、前記主リブは、当該衝撃吸収部材に置かれる乗員の足裏のつま先とかかとを結ぶ方向に伸びるように形成され、前記足元前方傾斜面に置かれる乗員の足裏のかかと側に対応する部位における前記主リブの平均幅が、つま先側に対応する部位における前記主リブの平均幅の1.0倍を超えて2.5倍以下となるように、前記つま先側に対応する部位と、前記かかと側に対応する部位とで、前記主リブの平均幅を異ならせて、前記部位ごとに圧縮応力を異ならせたことを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 前記主リブの平均幅waと、前記衝撃吸収部材の全厚t1との間に、0.05×t1≦wa≦0.3×t1となる関係が成り立つようにした請求項1に記載の衝撃吸収部材。
  3. 前記主リブの高さt2と、前記衝撃吸収部材の全厚t1との間に、0.5×t1≦t2≦1.0×t1となる関係が成り立つようにした請求項1〜2のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  4. 前記かかと側に対応する部位における前記主リブの平均幅が、前記つま先側に対応する部位における前記主リブの平均幅の1.1倍〜2.0倍である請求項1〜3のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  5. 前記主リブが、前記基部の垂線に対して7°以下の傾斜角度で傾斜するテーパ状の形態とされた請求項1〜4のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  6. 前記つま先側に対応する部位と、前記かかと側に対応する部位とで、前記主リブの先端側の幅を同一とし、前記主リブの付け根側の幅を変えることによって、前記主リブの平均幅を異ならせた請求項1〜5のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  7. 前記つま先側に対応する部位と、前記かかと側に対応する部位との境を、前記足元前方傾斜面が立ち上るところから8〜14cmの位置とした請求項1〜6のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  8. 前記主リブの形成間隔が1〜5cmである請求項1〜7のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  9. 前記主リブが均等間隔で平行に形成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  10. 前記主リブに対して直交する方向に形成された、前記主リブよりも高さの低い副リブを備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  11. 前記副リブの幅が、前記主リブの幅の50〜100%である請求項10に記載の衝撃吸収部材。
  12. 前記副リブが、当該衝撃吸収部材に置かれる乗員の足裏のつま先、土踏まず、かかとの各部位に対応した部分に形成されている請求項10〜11のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  13. 前記発泡熱可塑性樹脂粒子型内成形品の基材樹脂が、スチレン系重合体、及び/又はスチレン系共重合体からなる請求項1〜12のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  14. 前記発泡熱可塑性樹脂粒子型内成形品の基材樹脂が、オレフィン系重合体、及び/又はオレフィン系共重合体からなる請求項1〜12のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
  15. 前記発泡熱可塑性樹脂粒子型内成形品の密度が0.04g/ml〜0.1g/mlである請求項1〜14のいずれか一項に記載の衝撃吸収部材。
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