JP4960731B2 - 高架橋の耐震補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、主として鉄道用に係る高架橋の耐震補強構造に関する。
鉄道用高架橋の下部構造は、通常、鉄筋コンクリートのラーメン架構として構築されることが多いが、その設計施工の際には、地震時における高架橋の耐震性が十分検討されなければならない。特に、橋軸直交方向については、列車の脱線を未然に防止できるよう、同方向の剛性を十分に高めておく必要がある。
かかる状況下、本出願人は鉄筋コンクリートのラーメン架構内にダンパーブレースを配設した高架橋の下部構造を研究開発し、耐震性の向上を図ってきた。
ここで、既設の高架橋にダンパーブレースを配置する場合には、地上に構築される部分のみならず、地下部分についても耐震性を向上させる必要があるところ、基礎梁の再施工には多額の費用と時間を要する。
そのため、本出願人は、ラーメン架構を支持する既設の杭から離間した位置にあらたな杭を増し杭として設けるとともに、該増し杭の杭頭と梁の両端近傍又は柱の頭部近傍とをブレースを介して相互に連結する耐震補強構造を開発した。
特開2001−020228号公報 特開2004−270168号公報
上述した耐震補強構造によれば、鉛直荷重は従前通り、既設の杭で支持する一方、地震時水平力については、その一部をブレースを介して増し杭に伝達させることが可能となり、かくして高架橋の下部構造を地上部分のみならず地下部分についても耐震補強することが可能となる。
しかしながら、かかる耐震補強構造であっても、増設される杭を大断面杭としなければならないため、経済性の観点では未だ開発の余地があった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、下部構造の地上部分のみならず地下部分も合わせて耐震補強可能な高架橋の耐震補強構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る高架橋の耐震補強構造は請求項1に記載したように、高架橋の橋軸方向に沿って対向配置された一対の基礎梁と該一対の基礎梁にほぼ直交するように配置された直交基礎梁とを矩形状又は梯子状に緊結するとともに、前記直交基礎梁の両端近傍に互いに対向するように立設された一対の柱と該柱の頭部に架け渡された梁とでラーメン架構を構成し、該ラーメン架構の構面にブレースを配置するとともに、前記各基礎梁の側方にて鋼矢板をそれぞれ地盤に埋設して該鋼矢板の頭部を前記各基礎梁にそれぞれ接合したものである。
また、本発明に係る高架橋の耐震補強構造は、前記基礎梁の側方のうち、前記ブレースを配置したラーメン架構直下に位置する直交基礎梁との接合箇所近傍を鋼矢板設置領域とするとともに、前記ブレースが非設置のラーメン架構直下に位置する直交基礎梁との接合箇所近傍を鋼矢板非設置領域とし、前記鋼矢板設置領域にのみ前記鋼矢板を設置したものである。
また、本発明に係る高架橋の耐震補強構造は、前記直交基礎梁の側方にて前記鋼矢板を地盤に埋設するとともに該鋼矢板の頭部を前記直交基礎梁に接合したものである。
また、本発明に係る高架橋の耐震補強構造は、前記基礎梁及び前記直交基礎梁で囲まれた矩形状平面空間に鉄筋コンクリート床板を構築して該鉄筋コンクリート床板を前記基礎梁及び前記直交基礎梁に緊結したものである。
また、本発明に係る高架橋の耐震補強構造は、前記ブレースをダンパーブレースとしたものである。
本発明は、地上部分であるラーメン架構と該ラーメン架構を支持する地下部分の基礎構造とで形成してなる高架橋の下部構造を耐震補強の対象としたものであり、基礎構造は、高架橋の橋軸方向に沿って対向配置された一対の基礎梁と該一対の基礎梁にほぼ直交するように配置された直交基礎梁とを矩形状又は梯子状に緊結して構成してある。
そして、本発明においては、シートパイルとも呼ばれる鋼矢板を一対の基礎梁の側方にてそれぞれ地盤に埋設するとともに、埋設された鋼矢板の頭部を各基礎梁にそれぞれ接合してある。
このようにすると、地震時に発生するラーメン架構全体のロッキング振動に起因した引抜き力や圧縮力がラーメン架構の柱を介して基礎構造に作用するが、これらの引抜き力又は圧縮力は、既存の杭で支持されるほか、頭部が基礎梁に接合された鋼矢板で支持されることとなる。換言すれば、ラーメン架構の柱から伝達されてきた引抜き力や圧縮力は、杭と周辺地盤との周面摩擦力で支持されるほか、鋼矢板と周辺地盤との摩擦力で支持されることとなる。
したがって、ラーメン架構に配置したブレースによる耐震補強作用と相俟って、高架橋の下部構造全体の耐震補強作用を大幅に高めることが可能となる。
ラーメン架構は、直交基礎梁の両端近傍に互いに対向するように立設された一対の柱と該柱の頭部に架け渡された梁とで構成されていて、その構面は高架橋の橋軸方向と直交しており、該構面にブレースを配置した場合、橋軸直交方向に沿った高架橋下部構造の水平剛性が向上する。
ブレースは、すべてのラーメン架構に配置する必要はなく、要求される耐震性の程度その他の理由により、選択的に配置することができる。例えば一つ飛ばしでブレースを配置することが考えられる。なお、本明細書では、狭義のブレースに加えて、ダンパー機構を組み込んだダンパーブレースも包摂する概念として、ブレースなる用語を広義に用いるものとする。
鋼矢板は、高架橋の橋軸方向に沿って対向配置された一対の基礎梁の側方にそれぞれ埋設してあるとともに、それらの頭部を各基礎梁にそれぞれ接合してある。鋼矢板と基礎梁との接合構造は、ラーメン架構の柱から伝達される引抜き力や圧縮力が鋼矢板に伝達される限り、任意の構造を採用することが可能であり、剛接合でもよいし、ピン接合でもかまわない。
鋼矢板は上述したように、地震時に発生するラーメン架構全体のロッキング振動に起因した引抜き力や圧縮力を支持するものであるが、一方の柱に引抜き力が生じているときには他方の柱に圧縮力が生じるので、鋼矢板は、一対の基礎梁のうち、一方の基礎梁と他方の基礎梁のそれぞれの側方に設置する。
但し、基礎梁の側方のうち、両側方に設置するのか、それとも高架橋中心に近い側又は遠い側の一方だけに設置するのかは任意であり、例えば高架橋中心から遠い側にそれぞれ配置する場合には、鋼矢板の離間距離が最も大きい2列配置となる。それに対し、各基礎梁の両側方にそれぞれ配置する場合には、鋼矢板は、橋軸方向に沿って各基礎梁の両側方で2列、計4列に配置されることとなる。
ここで、上述した引抜き力や圧縮力を支持できる限り、橋軸方向に沿った鋼矢板の設置長さや設置位置をどのようにするかは任意であって、例えば基礎梁の全長にわたって鋼矢板を設置することが考えられるが、前記基礎梁の側方のうち、前記ブレースを配置したラーメン架構直下に位置する直交基礎梁との接合箇所近傍を鋼矢板設置領域とするとともに、前記ブレースが非設置のラーメン架構直下に位置する直交基礎梁との接合箇所近傍を鋼矢板非設置領域とし、前記鋼矢板設置領域にのみ前記鋼矢板を設置したならば、高架橋下部構造の耐震性を向上させる箇所が地上部分と地下部分で一致することとなり、経済性に優れた効率的な耐震補強工事が可能となる。
また、鋼矢板の設置範囲は基礎梁の側方だけに限定されるものではない。すなわち、直交基礎梁の側方にて鋼矢板を地盤に埋設して該鋼矢板の頭部を直交基礎梁に接合したならば、上述した引抜き力や圧縮力に対する耐震性を向上させることができるのみならず、鉛直軸線廻りのねじり剛性を高くすることができる。
そのため、周辺環境や空頭高さその他様々な施工上の理由によって、ラーメン架構へのブレース設置や基礎梁側方への鋼矢板設置をバランスよく行うことが困難な場合であっても、剛心回りのねじり剛性を向上させ、偏心配置による構造物のねじれを抑えることが可能となる。
一方、基礎梁及び直交基礎梁で囲まれた矩形状平面空間に鉄筋コンクリート床板を構築して該鉄筋コンクリート床板を基礎梁及び直交基礎梁に緊結したならば、鉄筋コンクリート床板を介して基礎梁及び直交基礎梁が一体化される。
そのため、高架橋下部構造の耐震性を向上させる箇所を地上部分と地下部分で一致させる必要性が少なくなり、ブレースの配置箇所と鋼矢板の配置箇所とを、施工手順や使用重機あるいは干渉物といったそれぞれの事情に応じて個別に決定することが可能となる。
以下、本発明に係る高架橋の耐震補強構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1及び図2は、本実施形態に係る高架橋の耐震補強構造を示した図である。これらの図でわかるように本実施形態に係る高架橋の耐震補強構造1は、地上部分であるラーメン架構4と該ラーメン架構を支持する地下部分の基礎構造5とで形成してなる高架橋の下部構造3を耐震補強の対象としたものである。
基礎構造5は図2でよくわかるように、高架橋の橋軸方向に沿って対向配置された一対の基礎梁6,6と、該一対の基礎梁にほぼ直交するように配置された直交基礎梁7とを梯子状に緊結して構成してなる。かかる基礎構造5は、橋軸方向に沿って連続的に構築され、地上部分であるラーメン架構4を介して高架橋の上部構造2を支持する。
ラーメン架構4は、直交基礎梁7の両端近傍に互いに対向するように立設された一対の柱8,8と、該柱の頭部に架け渡された梁9とで構成してあり、各直交基礎梁7ごとに設けてあるが、梯子状をなす基礎構造5の端部に位置する直交基礎梁7上の2つのラーメン架構4にはダンパーブレース12を配置してある。
ダンパーブレース12は、履歴減衰ダンパー10とブレース本体11,11とからなり、2本のブレース本体11,11を逆V字状に構面内に配置してその下端を柱8,8の脚部にそれぞれ接合するとともに、梁9の中央下面に取り付けられた履歴減衰ダンパー10に上端を接合して構成してある。
ここで、本実施形態に係る高架橋の耐震補強構造1は、シートパイルとも呼ばれる鋼矢板13,13を各基礎梁6の両側方にてそれぞれ地盤14に埋設することで、橋軸方向に沿って各基礎梁6の両側方で2列、計4列に配置してあるとともに、埋設された鋼矢板13,13の頭部を各基礎梁6にそれぞれ剛接してある。
本実施形態に係る高架橋の耐震補強構造1を構築するには、まず鋼矢板13を地盤14に埋設する。鋼矢板13は、バイブロハンマーによって地盤14に揺動圧入するようにしてもよいし、油圧ハンマーによって地盤14に打ち込むようにしてもよい。いずれにしろ、鋼矢板13の施工については、従来行われている公知の方法に従って行えばよい。
ここで、鋼矢板13の施工位置は、基礎梁6との接合作業が可能となるように、必要であれば、基礎梁6から一定距離だけ離間させる。以下、本実施形態では、鋼矢板13を基礎梁6から一定距離だけ離間させて埋設し、その離間空間を鋼矢板13の頭部と基礎梁6との接合空間とする場合について説明する。
次に、鋼矢板13と基礎梁6との間に拡がる地盤を溝状に掘り下げて基礎梁6を露出させ、鋼矢板13と基礎梁6との接合作業空間を確保する。
次に、接合作業空間に突出されるように基礎梁6にコンクリートアンカーを打ち込むとともに、同様に鋼矢板13の頭部にスタッドを溶接する。
次に、必要に応じて接合作業空間に補強筋を配筋し、しかる後、該接合作業空間にコンクリートを打設する。
本実施形態に係る高架橋の耐震補強構造1においては図3に示すように、地震時に上部構造2から下部構造3に作用する地震時水平力、ひいては該地震時水平力で引き起こされるラーメン架構4全体のロッキング振動に起因して、引抜き力や圧縮力が柱8,8を介して基礎構造5に作用する。
ここで、鋼矢板13は、設置長さW×埋込み深さDの面積をもって地盤14と接している。そのため、引抜き力や圧縮力は、既存の杭15による周面摩擦力に加えて、鋼矢板13と周辺地盤との間に生じる大きな摩擦力で確実に支持される。
以上説明したように、本実施形態に係る高架橋の耐震補強構造1によれば、地震時に発生するラーメン架構4全体のロッキング振動に起因した引抜き力や圧縮力がラーメン架構4の柱8,8を介して基礎構造5に作用するが、これらの引抜き力又は圧縮力は、既存の杭15で支持されるほか、頭部が基礎梁6に接合された鋼矢板13で支持されることとなる。換言すれば、ラーメン架構4の柱8から伝達されてきた引抜き力や圧縮力は、杭15と周辺地盤との周面摩擦力で支持されるほか、鋼矢板13と周辺地盤との摩擦力で支持されることとなる。
したがって、ラーメン架構4に配置したダンパーブレース12による耐震補強作用と相俟って、高架橋の下部構造3を全体的に耐震補強することが可能となる。
本実施形態では、ブレースとして履歴減衰ダンパー10が組み込まれたダンパーブレース12を採用したが、ダンパーを組み込むかどうかは任意であり、これを省略し、ブレース本体11のみでブレースを構成してもかまわない。かかる場合においては、ブレース本体11の頂部を梁9の下面に剛接して構成することとなる。
また、本実施形態では、鋼矢板13を基礎梁6の両側方に設置するようにしたが、これに代えて高架橋中心に近い側、又は遠い側の一方だけに設置してもかまわない。
図4は、基礎梁6の側方のうち、高架橋中心から遠い側だけに鋼矢板13を設置した変形例を示したものである。
また、本実施形態では、基礎構造5の両端に位置する直交基礎梁7,7直上のラーメン架構4にのみ、ダンパーブレース12を設けるようにしたが、これに代えて、基礎構造5の両端以外に位置する直交基礎梁7のラーメン架構4にもダンパーブレース12を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、鋼矢板13と基礎梁6との接合を剛接合としたが、これに代えてピン接合あるいは半剛接合としてもかまわないし、これに関連して、鋼矢板13の頭部と基礎梁6と接合するための施工方法は任意であって、柱8からの引張力や圧縮力を地盤14と鋼矢板13との摩擦力で支持できる限り、最適な接合方法を適宜選択すればよい。
また、本実施形態では、基礎梁6の全長にわたって鋼矢板13を設置するようにしたが、これに代えて図5の変形例に示す構成としてもよい。
同図に示す変形例においては、基礎梁6の側方のうち、ダンパーブレース12を配置したラーメン架構4直下に位置する直交基礎梁7との接合箇所近傍を鋼矢板設置領域Z1とするとともに、ダンパーブレース12が非設置のラーメン架構4直下に位置する直交基礎梁7との接合箇所近傍を鋼矢板非設置領域Z0とし、鋼矢板設置領域Z1にのみ鋼矢板13を設置してある。
このように構成すると、高架橋下部構造3の耐震性を向上させた箇所が地上部分と地下部分で一致することとなり、経済性に優れた効率的な耐震補強工事が可能となる。
図6乃至図8は、別の変形例を示したものである。同図に係る変形例においては、基礎梁6及び直交基礎梁7で囲まれた矩形状平面空間61に鉄筋コンクリート床板62を構築し、該鉄筋コンクリート床板を基礎梁6及び直交基礎梁7に緊結してある。
このように構成すると、鉄筋コンクリート床板62を介して基礎梁6及び直交基礎梁7が一体化されるため、高架橋下部構造3の耐震性を向上させる箇所を地上部分と地下部分で一致させる必要性が少なくなる。
すなわち、本変形例では、ダンパーブレース12を上述した実施形態と同様、基礎構造5の端部に位置する直交基礎梁7の直上にあるラーメン架構4だけに配置する一方、鋼矢板13は、ダンパーブレース12を配置したラーメン架構4の両側にのみ配置してあり、ダンパーブレース12と鋼矢板13の設置位置とを一致させる必要がない。
したがって、ダンパーブレース12の配置箇所と鋼矢板13の配置箇所とを、施工手順や使用重機あるいは干渉物といったそれぞれの事情に応じて個別に決定することが可能となる。
また、本実施形態では、鋼矢板13をもっぱら基礎梁6の側方だけに設けたが、本発明は、直交基礎梁の側方に鋼矢板を設けることを排除するものではない。図9はかかる変形例を示したものである。
同図でわかるように、本変形例においては、複数本の直交基礎梁7で区画された矩形状平面空間61のうち、基礎構造5の端部に位置する矩形状平面空間91を挟む直交基礎梁7,7の直上に位置するラーメン架構4にダンパーブレース12aを設けるのみならず、矩形状平面空間91を挟む基礎梁6,6の直上に位置するラーメン架構4にダンパーブレース12b,12bを設けてある。また、基礎梁6,6の両側方にて鋼矢板13a,13aを地盤14に埋設して該鋼矢板の頭部を基礎梁6,6に接合するのみならず、直交基礎梁7,7の両側方にて鋼矢板13b,13bを地盤14に埋設して該鋼矢板の頭部を直交基礎梁7,7に接合してある。
かかる構成においては、上述した実施形態と同様、直交基礎梁7の直上に位置するラーメン架構4及びその構面に配置されたダンパーブレース12aと、基礎梁6の側方に設けられた鋼矢板13aとが、橋軸直交方向に沿った下部構造3の地上部分と地下部分の剛性向上にそれぞれ寄与するが、それに加えて、基礎梁6の直上に位置するラーメン架構4及びその構面に配置されたダンパーブレース12bと直交基礎梁7の側方に設けられた鋼矢板13bとが、水平地震力に対する鉛直軸線廻りのねじれ剛性向上に寄与する。
図10は、かかる作用を説明した概念図であり、同図でわかるように、ダンパーブレース12や鋼矢板13といった剛性部材が偏心配置されている場合、地震時水平力に対して、基礎構造5は剛心G1回りにねじれるが、そのねじれに対しては、鋼矢板13aが周辺地盤から受ける摩擦力によって抵抗する(同図(a)、(b))。
一方、鋼矢板13bを直交基礎梁7の側方に設けた場合、地震時水平力に対して、基礎構造5は剛心G2回りにやはりねじれるものの、鋼矢板13aのみならず鋼矢板13bが周辺地盤から受ける摩擦力によってかかるねじれに抵抗するため(同図(c)、(d))、鋼矢板13aのみの場合に比べ、ねじれ量は小さくなる。
そのため、ラーメン架構4へのダンパーブレース12の設置や基礎梁6側方への鋼矢板13の設置をバランスよく行うことができず、それに起因して平面上の重心と剛心がずれる場合であっても、剛心回りのねじり剛性を向上させ、偏心配置による構造物のねじれを抑えることが可能となる。
本実施形態に係る高架橋の耐震補強構造の鉛直断面図。 同じく水平断面図。 本実施形態の作用を示した概念図。 変形例に係る高架橋の耐震補強構造を示した鉛直断面図。 A−A線に沿う水平断面図。 別の変形例に係る高架橋の耐震補強構造を示した水平断面図。 B−B線に沿う鉛直断面図。 C−C線に沿う鉛直断面図。 別の変形例に係る高架橋の耐震補強構造を示した水平断面図。 変形例の作用を説明した概念図。
符号の説明
1 高架橋の耐震補強構造
2 高架橋の上部構造
3 高架橋の下部構造
4 ラーメン架構
5 基礎構造
6 基礎梁
7 直交基礎梁
8 柱
9 梁
10 履歴減衰ダンパー
11 ブレース本体
12 ダンパーブレース(ブレース)
13,13a,13b 鋼矢板
14 地盤
62 鉄筋コンクリート床板

Claims (5)

  1. 高架橋の橋軸方向に沿って対向配置された一対の基礎梁と該一対の基礎梁にほぼ直交するように配置された直交基礎梁とを矩形状又は梯子状に緊結するとともに、前記直交基礎梁の両端近傍に互いに対向するように立設された一対の柱と該柱の頭部に架け渡された梁とでラーメン架構を構成し、該ラーメン架構の構面にブレースを配置するとともに、前記各基礎梁の側方にて鋼矢板をそれぞれ地盤に埋設して該鋼矢板の頭部を前記各基礎梁にそれぞれ接合したことを特徴とする高架橋の耐震補強構造。
  2. 前記基礎梁の側方のうち、前記ブレースを配置したラーメン架構直下に位置する直交基礎梁との接合箇所近傍を鋼矢板設置領域とするとともに、前記ブレースが非設置のラーメン架構直下に位置する直交基礎梁との接合箇所近傍を鋼矢板非設置領域とし、前記鋼矢板設置領域にのみ前記鋼矢板を設置した請求項1記載の高架橋の耐震補強構造。
  3. 前記直交基礎梁の側方にて前記鋼矢板を地盤に埋設するとともに該鋼矢板の頭部を前記直交基礎梁に接合した請求項1記載の高架橋の耐震補強構造。
  4. 前記基礎梁及び前記直交基礎梁で囲まれた矩形状平面空間に鉄筋コンクリート床板を構築して該鉄筋コンクリート床板を前記基礎梁及び前記直交基礎梁に緊結した請求項1記載の高架橋の耐震補強構造。
  5. 前記ブレースをダンパーブレースとした請求項1乃至請求項4のいずれか一記載の高架橋の耐震補強構造。
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