JP4948407B2 - 安定化処方 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本出願は、タンパク質製剤の分野に関し、さらに詳細には抗体製剤に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、出典明示によりその内容を本明細書の一部とする、2004年8月13日に出願された米国仮特許出願第60/601311号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
抗体などのタンパク質は、その後の使用のために作製されて保存されることが多い。そのようなタンパク質は、温度およびタンパク質濃度を含めた様々な条件でタンパク質の安定性を保つ条件で保存されることが重要である。このように、タンパク質の保存のために使用される製剤は、一般に多様な安定化物質を含有する。しかし、そのような物質は、下流のプロセスの効率を低下させること、またはそのタンパク質を下流のプロセスに使用することができる前に1つもしくは複数の安定化物質の除去を必要とすることのいずれかによって、下流での保存されたタンパク質の使用に不都合な影響を与えるおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な温度にわたり安定で、タンパク質を用いる下流プロセスを干渉しうる物質を含有しない、抗体などのタンパク質の製剤についての要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、タンパク質(例えば、抗体およびその断片)などのポリペプチドを保存するためにある種の製剤を使用して、比較的安定で単純な製剤を形成させることができるという発見に関する。そのような製剤は、そのタンパク質の下流のプロセシングまたは活性が製剤の成分により不都合な影響を受けるという見込みを低減し、短期または長期保存のためのタンパク質試料の調製を単純化する。
【0006】
したがって、本発明は、単離されたタンパク質およびpH4.0〜8.0を有する水溶液を含有することにより、凍結防止剤も界面活性剤も含有せず、そのタンパク質は−80℃から8℃で少なくとも3週間安定である製剤を含む。場合によっては、その製剤は150mM未満の塩、例えば、75mMの塩を含有する。そのタンパク質は、抗体(ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体)のことがある。例えば、そのタンパク質は抗CD22抗体、抗ルイスY抗体または抗5T4抗体のことがある。そのタンパク質は、組換えタンパク質(例えば、ヒト化モノクローナル抗体)のことがある。場合によっては、そのタンパク質は治療用タンパク質である。
【0007】
この製剤の水溶液は、水(例えば、ろ過された水もしくは滅菌水)のことがあるし、また、その水溶液には酢酸緩衝液、コハク酸緩衝液、リン酸緩衝液、もしくはクエン酸緩衝液などの緩衝液が含まれうる。一般に、その緩衝液の濃度は、約0mMから約150mM、例えば、約50mM、約100mM、または約1mMから約50mMである。
【0008】
この製剤のタンパク質成分は、5℃で少なくとも1年間一般に安定であり、例えば、そのタンパク質は、5℃で少なくとも3年間安定である。いくつかの実施形態では、そのタンパク質は、約1mg/mlから約200mg/ml、約1mg/mlから約100mg/ml、約20mg/mlから約200mg/ml、約20mg/mlから約100mg/ml、約10mg/mlから約30mg/ml、25mg/mlから約30mg/ml、約10mg/mlから約50mg/ml、または約20mg/mlから約50mg/mlの濃度で存在する。そのタンパク質は、少なくとも6.0、例えば、少なくとも7.0または少なくとも8.0のpIを有しうる。そのタンパク質は、例えば少なくとも90%または少なくとも95%まで精製されることができる。
【0009】
場合によっては、この製剤は、約0℃から約8℃、または約0℃から約5℃で保存される。この製剤のpHは約5.0から約6.0のことがあり、場合によっては、この製剤のpHは約5.0から約6.0であり、この製剤は約−80℃から約5℃で保存される。一般に、この製剤は滅菌である。
【0010】
本発明の一例では、この製剤のタンパク質は、例えば、ヒト化抗CD22抗体で、水溶液は約20mMのコハク酸塩、pH6.0の水溶液のこともある。本発明の別の例では、そのタンパク質は抗ルイスY抗体であり、その水溶液は約10mMのクエン酸Na、pH5.5および約75mMのNaClである。本発明の第三の例では、そのタンパク質は抗5T4抗体であり、その水溶液は約10mMの酢酸Na、pH約5.5である。
【0011】
この製剤の安定性は、例えば高分子量種の率、低分子量種の率、または酸性種の率のうち少なくとも1つを、例えば対照と比較してアッセイすることにより決定することができる。
【0012】
別の態様では、本発明は、タンパク質を保存する方法に関する。その方法は、上記の製剤を用意すること、その製剤を選択された温度に置くこと、およびその温度で(例えば凍結して)その製剤を維持することを含み、それによりその製剤中のタンパク質は少なくとも1週間、例えば、少なくとも1カ月、3カ月、1年、5年、7年、または10年間安定である。場合によっては、そのタンパク質は、約2℃から8℃の温度で保存されて安定である。ある実施形態では、そのタンパク質は約−80℃の温度で保存され、そのタンパク質は少なくとも5年、7年または10年間安定である。そのタンパク質が凍結される場合、その方法は、そのタンパク質が急速解凍される工程を含むことがある。例えば保存のために、そのタンパク質が凍結される場合、そのタンパク質は急速凍結法を用いて凍結されることがある。場合によっては、緩慢凍結法が使用される。そのタンパク質は、抗体(モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)のことがある。一例では、そのタンパク質は、ヒト化抗CD22抗体、抗ルイスY抗体、または抗5T4抗体である。ある実施形態では、その抗体は中間体物質である。一般に、そのタンパク質は、少なくとも1mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも20mg/ml、または少なくとも30mg/mlの濃度で存在する。保存から回収したときに、そのタンパク質は、例えば、標準体の少なくとも70%の活性を有しうる。場合によっては、保存から回収したときに、この製剤は、対照と比較して5%以下の高分子量産物を含有するか、または保存から回収したときに、この製剤は、例えば対照と比較して10%以下の高分子量産物および凝集物を含有する。いくつかの実施形態では、この製剤は、10%以下の高分子量産物、例えば、5%以下の高分子量産物を含有する。
【0013】
別の態様では、本発明は、選択され単離されたタンパク質を保存するための好ましい製剤を決定する方法に関する。その方法は、選択され単離されたタンパク質を用意すること、pH4.0からpH8.0の間の水溶液を含み、かつ約0mMから約150mMの間の緩衝液を含む一連の製剤中でその選択され単離されたタンパク質を保存すること、安定性の少なくとも1つのパラメータを決定すること、およびそのタンパク質が安定である製剤を同定することを含み、それにより、そのタンパク質が安定である製剤は、単離され選択されたタンパク質を保存するための好ましい製剤である。その方法のいくつかの実施形態では、安定性の減少は、例えば、対照と比較した、試料中の高分子量タンパク質の量の増加、例えば、対照と比較した、試料中の低分子量種の量の増加、または対照と比較した、酸性種の率の増加のうち少なくとも1つにより示される。場合によっては、タンパク質の多くて0.5%、0.2%、または0.1%が高分子量種である条件が選択される。安定性のパラメータは、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)により安定な製剤においてアッセイされた活性のことがあり、その活性は、対照の少なくとも50%、または対照の少なくとも80%である。その方法の一例では、安定性パラメータは高分子量種の存在であり、安定な製剤は、多くて5%の高分子量種を含有する。別の例では、安定性のパラメータは高分子量種およびタンパク質凝集物の存在であり、安定な製剤は、多くて10%の高分子量種およびタンパク質凝集物、または多くて15%の高分子量種および結合したタンパク質凝集物を含む。場合によっては、高分子量種の率は、対照試料(例えば、保存前の試料)に存在する量と比較される。その方法のなお別の実施形態では、安定性のパラメータは酸性タンパク質および塩基性タンパク質の比であり、安定な製剤におけるその比は、対照と多くて15%異なる。
【0014】
本発明は、pH4.0からpH8.0を有する水溶液を含む製剤中でのポリペプチドの保存を含む方法により産生されたポリペプチド(タンパク質またはペプチド)にも関し、それにより、この製剤は、凍結防止剤や界面活性剤を含有せず、そのタンパク質は、−80℃から8℃で少なくとも3週間安定である。いくつかの実施形態では、そのポリペプチドは抗体またはその断片(例えば、抗CD22、抗ルイスY、または抗5T4)である。抗体またはその断片を分子にコンジュゲートすることができるし、また、分子とのコンジュゲーション、例えばリシンまたはカリケアミシンなどの毒素とのコンジュゲーションに使用することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、本発明は、修飾タンパク質の製造に使用するためのポリペプチド(タンパク質またはペプチド)に関し、それにより、そのポリペプチドは、pH4.0からpH8.0を有する水溶液を含む製剤中で保存され、その製剤は界面活性剤の凍結防止剤を含有せず、そのタンパク質は、−80℃から8℃で少なくとも3週間安定である。場合によっては、そのポリペプチドは抗体、例えば、抗CD22、抗ルイスY、または抗5T4である。そのポリペプチドは、コンジュゲートしたタンパク質の製造に、例えばリシンまたはカリケアミシンなどの毒素とのコンジュゲーションのために使用することができる。そのようなコンジュゲートしたタンパク質を、本明細書に記載された製剤中で保存することもできる。
【0016】
別に定義しない限り、本明細書に使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の技術者に通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似しているか、または等しい方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、適切な方法および材料を下に記載する。本明細書に言及した全ての出版物、特許出願、特許、およびその他の参照は、その全体が参照により組み込まれている。さらに、材料、方法、および実施例は単に例示的であり、限定することを意図しない。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0018】
(図面の記載)
図1Aは、様々なpHおよび様々な温度での1mg/ml抗ルイスYのサイズ排除クロマトグラフィー−高速液体クロマトグラフィー(SEC−HPLC)分析の結果を示す棒グラフである。結果を高分子量(HMW)種の率として表す。
【0019】
図1Bは、様々なpHおよび様々な温度での1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を低分子量(LMW)種の率として表す。
【0020】
図2は、様々なpHおよび様々な温度での1mg/ml抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を酸性種の率として表す。
【0021】
図3は、様々なpHで、40℃で4週間保存された抗ルイスY試料のSDS−PAGEの描写である。左の画像は、非還元条件で泳動させたゲルのものであり、右の画像は、還元条件で泳動させたゲルのものである。
【0022】
図4は、図3について記載された試料の等電点電気泳動(IEF)ゲルの描写である。
【0023】
図5は、様々なpHおよび様々な温度で2週間インキュベートされた0.5mg/ml抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をHMV種の率として表す。
【0024】
図6は、75mM NaClの存在下または不在下で、様々なpHおよび様々な温度で2週間インキュベートされた25mg/ml抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【0025】
図7Aは、様々な緩衝液中で、かつ75mM NaClの存在下または不在下で、様々なpHおよび40℃で4週間インキュベートされた1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をHMW種の率として表す。
【0026】
図7Bは、様々な緩衝液中で、かつ75mM NaClの存在下または不在下で、様々なpHおよび40℃で4週間インキュベートされた1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をLMW種の率として表す。
【0027】
図8は、様々な緩衝液中で、かつ75mM NaClの存在下または不在下で、様々なpHおよび40℃で4週間インキュベートされた1mg/ml抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を酸性種の率として表す。
【0028】
図9Aは、様々な温度および様々なNaCl濃度で10mMクエン酸Na、pH5.5中で4週間インキュベートされた30mg/ml抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【0029】
図9Bは、9Aについて記載された試料のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をHMW種の率として表す。
【0030】
図9Cは、9Aについて記載された試料のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をLMW種の率として表す。
【0031】
図10は、様々な塩濃度で、かつ振盪に供された1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLCの結果を示す棒グラフである。結果を単量体の回収率として表す。
【0032】
図11Aは、図11Bに示されるように10回の凍結−解凍サイクルの後の、150mM NaClの存在下または不在下での10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLCの結果を示す棒グラフである。結果を単量体の回収率として表す。
【0033】
図11Bは、示されるように、10回の凍結解凍サイクル後の、150mM NaClの存在下または不在下での10mMクエン酸Na、pH5.5中の30mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を単量体の回収率として表す。
【0034】
図12は、75mM NaClの存在下または不在下で様々な温度で1カ月間インキュベートされた、50mMコハク酸塩、pH6.0中の25mg/ml抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【0035】
図13は、20mMコハク酸塩(pH6.0)、コハク酸塩+75mM NaCl、コハク酸塩+0.01%ポリソルベート80、またはコハク酸塩+75mMNaClおよびポリソルベート80(Tween)中の15mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。分析前に試料を24時間振盪した。コハク酸緩衝液中の非振盪タンパク質対照を含める。結果をHMW種の率として表す。
【0036】
図14Aは、40℃で4週間、75mM NaClの存在下または不在下でインキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をHMW種の率の変化として表す。
【0037】
図14Bは、40℃で4週間、75mM NaClの存在下または不在下でインキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をLMW種の率の変化として表す。
【0038】
図14Cは、40℃で4週間、75mM NaClの存在下または不在下でインキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を酸性種の率の変化として表す。
【0039】
図15Aは、様々な温度で様々な時間インキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5および75mM NaCl中の30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をHMW種の率として表す。
【0040】
図15Bは、様々な温度で様々な時間インキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5および75mM NaCl中の30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をLMW種の率として表す。
【0041】
図15Cは、様々な温度で様々な時間インキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5および75mM NaCl中の30mg/mlの抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を酸性種の率として表す。
【0042】
図16Aは、20mMコハク酸塩、pH6.0中で、かつ様々な凍結−解凍方式で様々なサイクルの間処理された1mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。FFは急速凍結、FTは急速解凍、SFは緩慢凍結、およびSTは緩慢解凍である。結果をHMW種の率として表す。
【0043】
図16Bは、20mMコハク酸塩、pH6.0中で、かつ様々な凍結−解凍方式で様々なサイクルの間処理された25mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。FFは急速凍結、FTは急速解凍、SFは緩慢凍結、およびSTは緩慢解凍である。結果をHMW種の率として表す。
【0044】
図16Cは、ポリソルベート80含有20mMコハク酸塩、pH6.0中で、かつ様々な凍結−解凍方式で様々なサイクルの間処理された1mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。FFは急速凍結、FTは急速解凍、SFは緩慢凍結、およびSTは緩慢解凍である。結果をHMW種の率として表す。
【0045】
図16Dは、ポリソルベート80含有20mMコハク酸塩、pH6.0中で、かつ様々な凍結−解凍方式で様々なサイクルの間処理された25mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。FFは急速凍結、FTは急速解凍、SFは緩慢凍結、およびSTは緩慢解凍である。結果をHMW種の率として表す。
【0046】
図17Aは、SEC−HPLCを用いて分析された振盪研究の結果を示す棒グラフであり、この研究では、10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYを、ポリソルベート80の存在下または不在下で室温で24時間360rpmで振盪した。結果を単量体の回収率として表す。
【0047】
図17Bは、SEC−HPLCを用いて分析された振盪研究の結果を示す棒グラフであり、この研究では、様々な濃度のポリソルベート80に溶かした10mMクエン酸ナトリウム、pH5.5中の30mg/ml抗ルイスYを、室温で24時間360rpmで振盪した。結果を単量体の回収率として表す。
【0048】
図18Aは、図18Bに示されるように10回の凍結解凍サイクル後に0.01%ポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸ナトリウム、pH5.5中の1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を単量体の回収率として表す。
【0049】
図18Bは、示されるように10回の凍結解凍サイクル後に0.01%ポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸Na、pH5.5中の30mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を単量体の回収率として表す。
【0050】
図19Aは、様々な温度および様々な時間インキュベーション後にポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸Na、pH5.5および75mMNaCl中の30mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をHMW種の率として表す。
【0051】
図19Bは、様々な温度および様々な時間インキュベーション後にポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸Na、pH5.5および75mMNaCl中の30mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果をLMW種の率として表す。
【0052】
図19Cは、様々な温度および様々な時間インキュベーション後にポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸Na、75mM
NaCl、pH5.5中の30mg/ml抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を酸性種の率として表す。
【0053】
図20Aは、抗CD22の6カ月保存安定性のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。溶液は、20mMコハク酸塩、pH6.0(S);20mMコハク酸塩、10mMメチオニン、pH6.0(SM);20mMコハク酸塩、0.01ポリソルベート80、pH6.0(ST);または20mMコハク酸塩、10mMメチオニン、0.01ポリソルベート80、pH6.0(SMT)を含有する。結果をHMW種の率として表す。
【0054】
図20Bは抗CD22の6カ月保存安定性のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。溶液は、20mMコハク酸塩、pH6.0(S);20mMコハク酸塩、10mMメチオニン、pH6.0(SM);20mMコハク酸塩、0.01ポリソルベート80、pH6.0(ST);または20mMコハク酸塩、10mMメチオニン、0.01ポリソルベート80、pH6.0(SMT)を含有する。結果を合計ピーク面積の率として表す。
【0055】
図20Cは、抗CD22の保存安定性のCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。条件は図20Aおよび20Bに記載した通りである。結果を完全に活性な種の率(ピーク5の%)として表す。
【0056】
図21は、様々なpHおよび温度で2週間保存された抗5T4の高分子量産物(HMW)のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。結果を高分子量産物の平均率として表す。
【0057】
図22は、塩(NaCl)の存在下または不在下で様々なpHで、酢酸緩衝液(Ace)、クエン酸緩衝液(Cit)、リン酸緩衝液(Phos)、またはコハク酸緩衝液(Suc)中で初期の、または40℃で4週間後の抗5T4試料中の高分子量産物(HMW)または低分子量産物(LMW)の率のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【0058】
図23Aは、クエン酸緩衝液(pH5.5)中で抗5T4の示差走査熱量測定(DSC)の結果を示すサーモグラムである。
【0059】
図23Bは、コハク酸緩衝液(pH6.0)中の抗5T4の示差走査熱量測定(DSC)の結果を示すサーモグラムである。
【0060】
図24Aは、NaClの不在下で、かつ様々なpHで様々な製剤中の抗5T4のDSCの結果を示す棒グラフである。
【0061】
図24Bは、様々なpHで150mM NaClを含有する様々な製剤中の抗5T4のDSCの結果を示す棒グラフである。
【0062】
図25は、様々なpHで150mM NaClの存在下または不在下で様々な緩衝液を含有する製剤中の、40℃で4週間後の抗5T4のCEX−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【0063】
図26Aは、様々なpHで様々な緩衝液中の、−80℃または40℃で6週間後の抗5T4(2mg/ml)のSEC−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【0064】
図26Bは、pH6でクエン酸またはコハク酸緩衝液中の、−80℃または40℃で6週間後の抗5T4(30mg/ml)のSEC−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【0065】
図27Aは、様々なpHで様々な緩衝液製剤中の、40℃で6週間後の抗5T4(2mg/ml)のCEX−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【0066】
図27Bは、pH6でクエン酸またはコハク酸緩衝液中の、40℃で6週間後の抗5T4(30mg/ml)のCEX−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【0067】
図28は、様々なpHで様々な緩衝液製剤中の、40℃で6週間後の抗5T4のSDSゲルのキャピラリー電気泳動の結果を示す一組の重ねた電気泳動図の再現である。
【0068】
図29Aは、様々な緩衝液(pH5.5)を含有し、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の製剤中の、異なる凍結解凍方式での1mg/ml抗5T4のA400を示す棒グラフである。FFは急速凍結、SFは緩慢凍結、FTは急速解凍、およびSTは緩慢解凍である。
【0069】
図29Bは、様々な緩衝液(pH5.5)を含有し、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の製剤中の、異なる凍結解凍方式での1mg/ml抗5T4の高分子量(HMW)種の率を示す棒グラフである。FFは急速凍結、SFは緩慢凍結、FTは急速解凍、およびSTは緩慢解凍である。
【0070】
図30Aは、様々な緩衝液(pH5.5)を含有し、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の製剤中の、異なる凍結解凍方式での25mg/ml抗5T4のA400を示す棒グラフである。FFは急速凍結、SFは緩慢凍結、FTは急速解凍およびSTは緩慢解凍である。
【0071】
図30Bは、様々な緩衝液(pH5.5)を含有し、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の製剤中の、異なる凍結解凍方式での25mg/ml抗5T4の高分子量(HMW)種の率を示す棒グラフである。FFは急速凍結、SFは緩慢凍結、FTは急速解凍およびSTは緩慢解凍である。
【0072】
図31Aは、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の様々な製剤中の1mg/mlまたは25mg/mlの抗5T4のA400を示す棒グラフである。試料を振盪するか、または振盪しなかった。「」は、濁度が機器の上限を超えることを示す。
【0073】
図31Bは、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の様々な製剤中の1mg/mlまたは25mg/mlの抗5T4の高分子量種(HMW)の率を示す棒グラフである。試料を振盪するか、または振盪しなかった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0074】
比較的単純な製剤が、モノクローナル抗体、モノクローナル抗体含有薬、または抗体含有薬などのタンパク質産物の産生における中間体物質などのタンパク質を保存するために用意される。この製剤は、一般に界面活性剤を低ないし無含有であり、無塩ないし相対的に低塩濃度を含み、相対的に低緩衝液濃度を必要とする。この製剤は、比較的広い範囲のタンパク質濃度、pH、および緩衝液の種類にわたり、抗体などのある種のタンパク質の安定な保存に有効である。そのような製剤は、例えば所望のpH、賦形剤添加、化学修飾、または凍結乾燥に対してタンパク質を容易に調整可能にするさらなる加工について大きな柔軟性をもたらす。ペプチドおよび加工されたタンパク質、例えば、他のペプチドまたは非ペプチド部分にコンジュゲートした抗体などのタンパク質の保存のために、この製剤を使用することもできる。
【0075】
3つの異なる抗体、すなわち抗CD22、抗ルイスY、および抗5T4の保存のために好ましい製剤を同定する方法を例示している具体的な非限定的な例もまた提供される。それらの抗体は、例えば、細胞毒などの化合物に抗体をコンジュゲートすることにより作製される薬物の製造のための中間体物質として使用することができる。中間体物質は、薬物などの化合物の製造に使用される物質、一般にはタンパク質(例えば抗体)である。
【0076】
製剤
本明細書に記載された製剤は、一般に約pH3.0〜9.0、例えば、約pH4.0〜8.0、約pH5.0〜6.5、または約pH5.5〜6.0の水溶液中に単離されたタンパク質を含む。この製剤は、凍結防止剤も界面活性剤も含有しない。一般に、この製剤は保存料を含有しない。
【0077】
本明細書に記載された製剤は、凍結防止剤を含有しない。凍結防止剤は当業者に公知であり、凍結防止剤には、例えば単糖類(例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、リボース、マンノース、およびキシロース);二糖類(例えば、トレハロース、シュークロース、セロビオース、およびラクトース);三糖類(例えば、ラフィノース);糖アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、ミオイノシトール、リン酸化イノシトール、およびグリセロール);多糖類(例えば、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、デキストラン、リン酸化デキストラン、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、およびアガロース);カルボン酸(例えば、ピルビン酸塩および2,3,−ジホスホグリセリン酸塩);ならびに保護作用のために使用されるタンパク質またはタンパク質混合物(例えば、血液、動物血清、血漿、ヒトアルブミン、ウシアルブミン、ウシゼラチン、および魚ゼラチン)が含まれる。
【0078】
この新しい製剤は、界面活性剤(非常に低濃度で使用された場合に水の表面張力を低減することができる試薬)を含有しない。界面活性剤は当技術分野で公知であり、界面活性剤には、例えば、ポリソルベート80、ポリソルベート20、Pluronic(登録商標)界面活性剤が含まれる。
【0079】
一般に、この新しい製剤は保存料を含有しない。保存料は当業者に公知であり、保存料には、例えばアジ化ナトリウム、チメロサールなどの水銀含有化合物、キシレノール、抗生物質、イソチアゾロン、およびアンホテリシンなどの抗細菌剤および抗真菌剤が含まれる。
【0080】
緩衝液
製剤は、溶液のpHを許容できる範囲内に維持する薬剤を意味する緩衝液中に存在しうる。緩衝液には、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、グルコン酸緩衝液、コハク酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス(トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン))緩衝液、ジエタノールアミン緩衝液、HEPES緩衝液、または他の有機酸緩衝液が含まれうる。タンパク質と共に使用するのに適したその他の緩衝液は当業者に公知である。ある種の製剤はアミン緩衝液の使用を除外する。緩衝液を含有する製剤においては、その緩衝液は、0mMを超えて150mMまでの範囲の濃度で一般に存在する。場合によっては、その緩衝液の濃度は、約50mMから約100mMまたは約1mMから約50mMである。例えば、その緩衝液の濃度は、約10mMから20mMでありうる。場合によっては、緩衝液の組合せを使用することができ、例えばHEPES緩衝液およびトリス緩衝液を組み合わせて使用することができる。
【0081】
その他の考慮すべき事項を、緩衝液の選択に適用することができる。例えば、トリスまたはヒスチジン緩衝液などのアミン緩衝液は、ある種のコンジュゲーション手順に適さないため、そのようなコンジュゲーション手順に使用されるであろうタンパク質を含有する製剤には適さない。
【0082】
一般に、製剤に使用される塩濃度は、添加された塩として表現され、緩衝液、または製剤中に希釈する前にタンパク質試料中に存在した塩によって寄与された、例えばナトリウムを考慮しない。
【0083】
製剤は、当技術分野で公知の方法を使用して調製することができる。例えば、対象となるタンパク質を含有する製剤に、所望のpHの緩衝液と、所望により塩とを導入するために透析を使用することができる。一般に、対象となる単離されたタンパク質を含有する初期試料が用意される。場合によっては、製剤中に希釈する前に初期試料が高タンパク質濃度である場合などには、その初期試料のpHまたは塩の量を考慮する必要はない。非常に高い塩濃度または高い緩衝液濃度を含有する初期試料を使用して製剤を調製する場合には、タンパク質を調製する方法は、初期試料の非タンパク質成分を除去または低減するタンパク質調製法(例えば、透析)が一般に使用される。
【0084】
安定性
製剤が−80℃から8℃で保存される場合には、少なくて3週間の少なくとも特定の期間、製剤のタンパク質(例えば、抗体)成分が安定であることが、本明細書に記載された製剤の特徴である。一般に、製剤中のタンパク質成分は、5℃で少なくとも1年間安定である。安定性は、一般にタンパク質の立体配座の安定性および/または活性の安定性を指す。製剤に関して、タンパク質が、本明細書に提供された安定性についてのパラメータのうち少なくとも1つに従うならば、そのタンパク質は安定である。一般に、タンパク質の保存中に蓄積する高分子量種の形成を最小にすることが望ましい。このように、安定性の一パラメータは、保存に供された製剤中の高分子量種の量の増加がもしあれば、その増加が対照よりも小さいことである。例えば、製剤中で保存後の、試料中の高分子量種の率は、対照と比較して有意に増加しない。一般に、対照は、実験条件(例えば、−80°から8℃で3週間)で保存に供されなかった製剤のレプリカである。場合によっては、保存後の高分子量種における製剤のタンパク質成分の率は、総タンパク質の10%以下、総タンパク質の5%以下、総タンパク質の3%以下、または総タンパク質の2%以下である。高分子量種をアッセイする方法は当技術分野で公知であり、その方法には、SEC−HPLC、SDS−PAGE、キャピラリー電気泳動、およびサイズ排除クロマトグラフィーが含まれる。
【0085】
アッセイできる別のパラメータは、もしあれば、保存に供された製剤中の低分子量種の量の増加である。一般に、保存中に低分子量種の蓄積を最小にすることが望ましい。例えば、製剤中で保存後の、試料中の低分子量種の率は、対照と比較して有意に増加しない。場合によっては、保存後の高分子量種における製剤のタンパク質成分の率は、総タンパク質の10%以下、総タンパク質の5%以下、総タンパク質の3%以下、または総タンパク質の2%以下である。低分子量種を当技術分野で公知の方法、例えばSEC−HPLCを使用してアッセイすることができる。
【0086】
様々な条件で保存後の製剤中の酸性種および塩基性種の比を、対照における比と比較することができる。一般に、脱アミドを示す酸性種の率が決定される。酸性種の率の増加は、安定性の減少を示す。例えば、安定な製剤は、選択された条件で対照と比較した酸性種の率における多くて10%の増加を一般に表す。試料中の酸性種の率を決定する方法、例えばCEX−HPLCは、当技術分野で公知である。場合によっては、塩基性種の存在は当技術分野で公知の方法を使用してアッセイされる。製剤中で保存されたタンパク質中に存在する塩基性種の率または種類における変化は、その製剤中のタンパク質種の安定度を示す。
【0087】
安定性のための別のパラメータは、もしあれば、対照中の凝集物および高分子量種の量の10%以下である、凝集物およびHMWの増加でありうる。凝集物は、一般に、製剤のタンパク質成分を分離するために使用することができるゲル、カラム、またはその他の分離媒質に進入しない、試料中の物質である。製剤中の高分子量種および凝集物を決定する方法は、当技術分野で公知であり、その方法には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、サイズ排除クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、および光散乱が含まれる。
【0088】
タンパク質の効力または活性を決定し、かつその効力または活性は、製剤の安定性を確立するためのパラメータとして使用することができる。抗体の場合は、イムノアッセイ(例えば、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA))を使用することができる。イムノアッセイまたは活性のその他のアッセイが使用される場合には、製剤中の抗体が、対照の活性と比較してイムノアッセイにおいてその活性の少なくとも50%を保持するならば、その抗体は安定である。場合によっては、その製剤は、そのタンパク質がその活性の少なくとも20%を保持するならば安定である。
【0089】
安定性の他のパラメータを測定し、かつそのパラメータは、製剤を評価するために使用することもまたできる。例えば、撹拌(振盪)後の製剤中のタンパク質の安定性をアッセイすることができる。輸送の間に試料が安定であり続けることが望ましいことから、これは重要なパラメータでありうる。撹拌に関する製剤の安定性は、ある時間(例えば、12時間、24時間、48時間、またはそれよりも長く)試料を撹拌(例えば、360rpm)に供して、次に、対照と比較して、不安定性を示す産物(例えば、高分子量種、低分子量種、酸性種)の増加が存在するかどうかを決定することによって、一般にアッセイされる。
【0090】
当技術分野で公知の他の方法を、製剤中のタンパク質の安定性を評価するために使用することができる。そのような方法の例には、二次および三次構造情報の両方を提供する円偏光二色性、蛍光分光法(例えば、アンフォールディングを示すものとしての疎水性パッチに結合するBis−ANSの存在下で)、示差走査熱量測定(DSC、全体的な熱アンフォールディングを監視する)、および限外ろ過/ダイアフィルトレーションが含まれる。
【0091】
タンパク質の安定性を評価するために1種より多くのパラメータを使用することができる。
【0092】
温度
最小限の溶液中にタンパク質を保存することによって、時間が経過してもそのタンパク質が一連の温度にわたり顕著な分解または凝集を示さない方法を提供することが、本明細書に記載された特定の製剤の利点である。一般に、製剤中のタンパク質またはペプチドは、約−80℃から約40℃または約−80℃から約8℃(例えば、約5℃まで)の範囲の温度で少なくとも3日間(例えば、2週間または4週間)安定である。場合によっては、製剤が長期間、例えば少なくとも2カ月、3カ月、6カ月、9カ月、1年、3年、5年、7年、または10年間安定なことが望ましい。
【0093】
さらに、製剤中に含まれるタンパク質は、繰り返しの凍結−解凍サイクルにわたり顕著な安定性を示すことができ、そのような処置に続いて解凍された後に安定であり続けることができる。一般に、凍結される製剤は急速凍結され、例えば液体窒素中で凍結される。解凍は一連の温度で、例えば、緩慢解凍である約0℃から約25℃、または急速解凍である約26℃から40℃で行うことができる。急速解凍の一例は、37℃の水浴中でこの製剤を解凍することである。製剤中のタンパク質は、少なくとも1回の凍結−解凍サイクル、少なくとも5回の凍結−解凍サイクル、または
少なくとも10回の凍結−解凍サイクルの間安定でありうる。
【0094】
安定性を保つために製剤を凍結−解凍するための最適な方式を決定することが望ましいことがあり、また、特定の凍結−解凍サイクルに供されるであろうタンパク質について最大の安定性をもたらす製剤を同定することが望ましいこともある。したがって、いくつかの実施形態では、このパラメータが評価される。例えば、様々な組合せの急速凍結、緩慢凍結、急速解凍、緩慢解凍などの様々な凍結−解凍条件下で安定性について被験製剤をアッセイして、最も少ない(例えば、最大の安定性を有する)分解産物を産生する手順を決定することができる。
【0095】
ポリペプチド
本明細書に記載された製剤に使用されるポリペプチドは、一般に単離されたタンパク質である。「単離された」タンパク質は、細胞性物質、またはタンパク質が由来する細胞もしくは組織起源のその他の混入タンパク質を実質的に有さないか、または化学合成された場合に化学前駆物質もしくはその他の化学物質を実質的に有さない。語「実質的に有さない」は、約30%、20%、10%、または5%未満(乾燥重量あたり)のその他のタンパク質(本明細書において「混入タンパク質」とも称される)または化学前駆物質を有する、単離されたタンパク質の調製を意味する。単離されたタンパク質が組換え産生される場合には、そのタンパク質は培地もまた一般に実質的に有さない。すなわち、培地は、タンパク質調製物の容量の約20%未満、約10%未満、または約5%未満に相当する。
【0096】
場合によっては、製剤にタンパク質の組合せが使用される。例えば、医薬として調製される2つの異なる抗体を同一の製剤中に一緒に保存することができる。その他の種類またはタンパク質、または毒性ペプチドを含めたペプチドと組み合わせて、抗体を製剤と共に使用することもまたできる。ペプチドまたはタンパク質断片を製剤と共に使用することができ、例えば、Fab断片などの抗体断片を使用することができる。
【0097】
一般に、「タンパク質」は、完全長タンパク質またはその断片を指す。タンパク質は、天然タンパク質もしくはその断片、または例えば突然変異誘発法もしくは組換え法から生じる遺伝的に操作されたタンパク質もしくはその断片に対応しうる。タンパク質は、場合によっては検出可能な分子(例えば、蛍光分子または放射性同位体)、毒素、薬物、または小分子などの非タンパク質性部分を含むことがある。タンパク質は、例えば非天然アミノ酸を含有することがある。タンパク質は、ハイブリッドタンパク質のことがある。タンパク質は、(例えば、H鎖およびL鎖の両方を含む)抗体または成熟インスリンタンパク質のように1種類を超える別々のタンパク質を含むことがある。使用されうるタンパク質断片の例には、Fab断片またはFc断片が含まれる。場合によっては、製剤と共にペプチドが使用されるか、または上記のように少なくとも1つのタンパク質と少なくとも1つのペプチドまたはタンパク質断片との組合せが使用される。タンパク質性毒素を、例えば単独で、別のタンパク質もしくはペプチドにコンジュゲートして、または別のタンパク質もしくはペプチドとは別個の実体として製剤中に保存することもまたできる。一般に、本明細書に提供された製剤は、タンパク質について本明細書に記載されたように任意のポリペプチド(タンパク質またはペプチド)に有用である。
【0098】
ペプチドは、2つ以上の共有結合したアミノ酸(例えば、5、10、15、20、30、または50個のアミノ酸)を有する化合物である。一般に、タンパク質は、長さが少なくともアミノ酸50個であるポリペプチドまたは多数のポリペプチド(例えば、H鎖およびL鎖を含む抗体分子またはその部分)である。
【0099】
この製剤を、ペプチドまたは非ペプチド部分にコンジュゲートしたポリペプチドを保存するために使用することもできる。そのような部分の例には、蛍光分子(例えば、フルオレセイン、ロダミン、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、Cy3、Cy3.5、Cy5、もしくはCy5.5)、元素部分(例えば、金粒子)、薬物、または毒素が含まれるが、それに限定されるわけではない。そのような分子をポリペプチドにコンジュゲートする方法は、当技術分野において公知である。分子の例には、リシン(Mansfieldら、1997、Blood
90:2020〜2026;Ghetieら、1991、Cancer Res.51:5876;Conryら、1995、J.Immunother.Emphas.Tumor
Immunol.18:231〜241)、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素A(PE)(Smith、2001、Seattle Genetics Curr.Opin.Investig.Drugs2(9):1314〜1319;Mansfieldら、1996、Bioconjug.Chem.7:557)、タキサン(すなわち、パクリタキセル)(Guillemardら、2001、Cancer
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Physiol.149(1):60〜65)、例えば90−イットリウムなどの別の部分にコンジュゲートした1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N’”−四酢酸(DOTA)(Luら、2005、J.Pharm.Sci.94(4):788〜797)、ストレプトアビジン(Ngaiら、1995、Nucl.Med.Biol.22(1)、77〜86)、テクネチウム(Tc)99m、イットリウム、およびIn111放射性コンジュゲートを含めた放射性同位体コンジュゲート産物(例えば、Biopharmaceutical
Products in the U.S.Market、第4版、Rader編、Biotechnology Information Institute、Rockville、MD、2005に挙げられたもの)が含まれるが、それに限定されるわけではない。
【0100】
一般に、製剤のタンパク質成分は、比較的高いpI、例えば少なくとも6.0、7.0、8.0、または8.5のpIを有するタンパク質である。このタンパク質は、抗体の場合と同様に、1つを超えるペプチド鎖を有しうる。製剤のタンパク質成分が抗体である場合には、その抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナル、またはその断片(例えば、Fab断片)のことがある。タンパク質は、約1mg/mlから約300mg/ml、約1mg/mlから約200mg/ml、約1mg/mlから約100mg/ml、約1mg/mlから約50mg/ml、約10mg/mlから約300mg/ml、約10mg/mlから約200mg/ml、約10mg/mlから約50mg/ml、約10mg/mlから約30mg/ml、または約20mg/mlから約50mg/mlの濃度で製剤中に存在しうる。本明細書に記載された製剤に使用される特異的抗体は、ヒト化モノクローナル抗CD22抗体、モノクローナル抗ルイスY抗体、および抗5T4抗体である。
【0101】
製剤に使用される単離されたタンパク質は、一般に、治療としての潜在性または治療の一部である潜在性を有するタンパク質である。そのようなタンパク質は、本明細書において治療用タンパク質と称され、そのようなタンパク質には抗体が含まれる。
【0102】
本明細書に記載されたように使用することができる特異的タンパク質の例には、抗CD22(US20040082764A1およびUS20040192900A1参照)、抗ルイスY(WO05/019271A1)、および抗5T4(米国特許出願第60/608494号)などの抗体が含まれる。
【0103】
pH
製剤に好ましいpH条件は、約pH4.0からpH8.0の間である。一般に、pHは約5.5〜6.0である。約5.5〜6.0のpHで、モノクローナル抗体を含有する製剤を保存することができ、その製剤は、0℃から約8℃(一般に約1℃から約5℃)で少なくとも3カ月間、例えば、6カ月、1年、または2年間、および例えば−80℃で長期(少なくとも3年、5年、7年、または10年間)保存の間安定性を保持する。
【0104】
好ましい製剤の同定
本明細書に記載されたいくつかの方法では、好ましい製剤は、対象となる特異的タンパク質について同定される。これらの方法では、本明細書に記載されたタンパク質のような、製剤中に保存される単離されたタンパク質、例えば、抗体などの治療用タンパク質が同定される。そのタンパク質は、治療として使用するための細胞毒(例えば、カリケアミシン)にコンジュゲートされた抗体を製造することなどの、下流の加工に使用できるまで保存される抗体のことがある。その他の例には、フルオレセイン、ロダミンなどの検出可能な標識にコンジュゲートされる抗体の保存、またはポリエチレングリコールとのコンジュゲーションに続いた、抗体をより長期間保存するための凍結乾燥が含まれる。
【0105】
単離されたタンパク質の保存のための好ましい製剤を同定するために、タンパク質は、約4.0〜8.0(例えば、pH5.0〜6.0)の範囲のpHおよび約0mM〜150mMの範囲の塩濃度で一連の被験溶液中に一般に懸濁される。これらの被験溶液は、特定の時間またはいくつかの異なる時間(例えば、3日間、2週間、または4週間)、様々な温度で保存される。次に、これらの試料は、高分子量種、低分子量種、酸性種の率の変化、または凝集物および高分子量種の量の変化などの安定性の少なくとも1つのパラメータについて評価される。製剤のタンパク質成分が安定な試料が、種の保存に好ましい製剤として次に選択される。凍結−解凍サイクル後または撹拌(振盪)後に、追加の評価を実施して、安定性などのその他の安定性パラメータを評価することができる。上記にもたらされた例は、特異的な単離されたタンパク質の保存のために好ましい製剤を同定する方法についての追加の案内を提供する。
【0106】
タンパク質の保存法
タンパク質またはペプチド(例えば、抗体、抗体断片、またはペプチドもしくは非ペプチド部分にコンジュゲートしたタンパク質)を保存する方法を本明細書に提供する。これらの方法は、さらなる製造に必要になるまで抗体などのタンパク質を保存するのに、例えば、細胞毒にコンジュゲートした薬物を製造するために、または検出可能に標識された試薬を製造するために、または例えばペプチドもしくは非ペプチド部分とのコンジュゲーションにより修飾されたタンパク質の保存のために特に有用である。
【0107】
特許請求された製剤の一部としてのタンパク質(例えば、抗体)の保存は、安定化剤および/または凍結防止剤を含有する製剤と比較して、下流の加工について柔軟性の増加をもたらす。
【0108】
例えば、安定なモノクローナル抗体薬物、または強力な抗癌剤とのコンジュゲーション、凍結乾燥、もしくは非経口投与のための液体製剤のためなどの、さらなる加工のための薬物中間体製剤を提供するために、製剤を使用することもできる。一般に、これらの方法には、界面活性剤を含まず、凍結防止剤を含まず、かつ比較的低い緩衝液濃度(例えば、約10mMから約20mM)を有する水溶液の一部として、選択され単離されたタンパク質を保存することが含まれる。一般に、製剤の塩濃度は、相対的に低く、一般に約100mM未満、例えば、約0mMから約50mM、約1mMから約20mM、約1mMから約10mM、または約5mMから約10mMである。
【0109】
上記の利点および特許請求の範囲から明白な利点以外に、本明細書に記載されたように保存されたタンパク質は、試料間(例えば、分割された単一調製物および本明細書に記載された製剤を用いて保存された分割量からのタンパク質試料)で良好な再現性を有する。さらに、本明細書に記載されたように保存されたタンパク質は、一般に保存後に効率的に加工され、例えば、それらのタンパク質は、凍結防止剤および/または界面活性剤を用いて保存されたタンパク質よりも効率的にコンジュゲートされる。
【実施例】
【0110】
本発明を以下の実施例によりさらに例示する。これらの実施例は、例示的な目的だけのために提供される。これらの実施例は、任意の方法で本発明の範囲または内容を限定するものとして解釈してはならない。
【0111】
実施例1:pH
抗ルイスY
抗体が安定であるpH範囲を検討するために、1mg/ml抗ルイスYの試料を、4から8のpH範囲、具体的にはpH4.0、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、および8.0で調製した。本実施例および下記の実施例において、5mlTeflon(登録商標)PFAバイアル(Cole−Parmer、Vernon Hills、イリノイ州)の中で、例えば、合計試料容量2mlで試料を一般に調製した。Costar(登録商標)96ウェルUVプレート(Corning、Corning、ニューヨーク州)中の試料をアッセイするためにSpectra
Max(登録商標)PLUS分光光度計(Molecular Devices Corp.、Sunnyvale、カリフォルニア州)を用いて測定した280nmでのUV吸光度を使用してタンパク質濃度を決定した。比吸光係数1.36(mg/ml)−1cm−1を用いてタンパク質濃度を計算した。透析により、選択されたpHの10mMリン酸カリウム緩衝液を含有するpH緩衝液中にその試料を調製した。各試料は、75mMNaClも含有した。調製された試料をろ過滅菌して、−80℃の凍結装置の中に置くか、または5℃もしくは40℃に維持した安定性チャンバーの中に置いた。4週間後に、SEC−HPLC(サイズ排除クロマトグラフィー−高速液体クロマトグラフィー)を用いて高分子量種および低分子量種の存在について試料をアッセイした。当技術分野で公知の方法を用いて、分離カラムとしてTosoHaas(Montgomeryville、ペンシルベニア州)BIOSEPG3000SWXLを使用してSEC−HPLC分析を行った。
【0112】
分析前に37℃の水浴中で凍結試料を解凍した。
【0113】
高分子量種の発生はpHと共に増加したが、高分子量種はpHの関数としての主分解産物ではなかった(図1A)。40℃で保存された試料についての低分子量種のpHプロファイルはV型であり、pH5.5で低分子量種は最小であった(図1B)。したがって、−80℃から5℃の温度範囲およびpH4.0から8.0のpH範囲にわたり抗ルイスY抗体は安定であった。
【0114】
試料の安定性をさらに評価するためにCEX−HPLC(陽イオン交換クロマトグラフィー−HPLC)を使用した。Dionex(Sunnyvale、カリフォルニア州)ProPacWCX−10カラムを採用してこれらの分析を行った。40℃で保存された試料において、高pHで酸性種の濃度の増加が見い出された(図2)。しかし、5℃および−80℃で保存された試料については、抗ルイスYは全pH範囲で安定であり、SEC−HPLCデータか導出された結論が確認された。
【0115】
安定性を評価するなお別の方法として、SDS−PAGEを使用して、還元条件または非還元条件のいずれかで泳動された4〜20%ゲルを用いて、40℃で保存された試料をさらに分析した。これらの実験では、分子量における最小の変化量は、したがって最大安定性は、pH範囲5.0〜6.0の試料のものであったことが実証された(図3)。したがって、40℃で保存される試料(例えば、抗体)は、約5.0から6.0の間のpHで最もよく維持される。
【0116】
等電点電気泳動(IEF)を使用して、40℃で保存された試料をさらに評価した。IEF電気泳動を使用して、タンパク質分解の結果としての酸性種の産生による抗体試料のpIにおける変化を監視した。
【0117】
抗体試料のSDS−PAGE分析の結果と一致して、5.0〜5.5のpH範囲の試料は、タンパク質の全荷電に最小量の変化を示した(図4)。
【0118】
保存の重要な一側面は、経時的な製剤のpHの安定性である。したがって、3つの温度全てで実験の開始時に、保存の2週間後に、および4週間後に試料のpHをアッセイした。どの試料でも初発pHからの有意な偏差は存在しなかった(表1)。
【0119】
【表1】
【0120】
まとめると、上に提示したデータは、抗ルイスYが−80℃から5℃の温度範囲で4〜8のpH範囲で安定であることを実証している。一般に、この抗体の保存に好ましいpHは約5.5である。これは、40℃でこの抗体を保存するための比較的好ましい条件もまた提供する。
【0121】
一般に、例えば、試料が0℃未満で保存される場合、試料が0℃から15℃の間で保存される場合、および試料が約15℃から40℃の間で保存される場合には、2つ以上の温度の範囲にわたり安定性を招くpHがタンパク質の保存のために選択される。別の非限定的な例では、試料が約−80℃、5℃、および40℃で保存される場合である。
【0122】
抗CD22
第2の抗体(抗CD22)、すなわち正常および悪性成熟B細胞表面に発現するCD22を標的とするヒト化IgG4抗体の保存に及ぼすpHの作用も試験した。抗CD22の理論的pIは約8.5である。加水分解はpH5.0以下で起こる見込みであるが、脱アミドは7.5よりも大きいpHで起こる見込みである。したがって、タンパク質の安定性に及ぼすpHの作用を試験して、分析手順が安定性を示す能力を評価し、かつタンパク質保存用製剤のための適切なpHを選択するための原理を提供するために、4から8のpH範囲に及ぶ実験を計画した。
【0123】
試験するpH値で様々な緩衝液中に0.5mg/ml抗CD22を含有する抗CD22を含有する試料を調製した。5℃、25℃、または40℃で、4.0(10mMコハク酸塩)、5.0(10mMクエン酸塩)、5.5(10mMコハク酸塩)、6.0(10mMヒスチジン)、6.5(10mMヒスチジン)、7.0(10mMリン酸塩)、または8.0(10mMトリス)のpHで2週間試料を保存した。SEC−HPLCを用いて、存在する高分子量種の率について試料を分析した。これらの試料(それぞれ0.5mg/ml抗CD22を含有する)では、2週間後に初期条件で存在する量と比較して5.0から8.0のpH範囲でこれらの試料中の高分子量種の率に有意な増加は存在しなかった(図5)。
【0124】
抗CD22などの抗体をさらなる(下流の)加工に使用する場合、さらなる加工に適する緩衝液中に中間体物質を提示するように考慮しなければならない。例えば、抗CD22に対するカリケアミシンのコンジュゲーションを、pH7から8.5で第一アミンを含有しない緩衝液中行うことができる。しかし、コンジュゲーション緩衝液中に中間体物質を用意する必要がないことがある。この例では、中間体物質製剤は、緩衝液成分上の第一アミンがコンジュゲーション手順を妨害するであろうということに束縛されるであろう。第一アミンを含有しない溶液でのタンパク質の保存を検討するために、抗CD22を25mg/mlに濃縮して、50mMHEPES(pH7.6)、50mMコハク酸塩(pH6.0)、または50mMコハク酸塩+50mM HEPES(pH7.0)のいずれかの中にダイアフィルトレーションまたは透析する実験を実施した。安定性について2週間まで各試料を試験した。75mMNaClの存在下または不在下で試料を調製して、−80℃、4℃、または40℃で保存した。時間=0、1週間目および2週間目に、A280/A320、SEC−HPLC、SDS−PAGE、およびIEF(2週間目)によって試料を分析した。
【0125】
これらの実験からのデータは、pH6.0(コハク酸緩衝液)がpH7.0(HEPES)またはpH7.6での組合せ(HEPESおよびコハク酸塩)よりも大きな安定性をもたらしたことを実証した(図6)。
【0126】
SEC−HPLCも使用して、−80℃、5℃、または40℃で75mM NaClの存在下または不在下で保存された、コハク酸、HEPES、または組合せ(上記の通り)中のpH6.0、7.0、または7.6での25mg/ml抗CD22を含有する試料中の高分子量種の率を評価した。これらのデータは、塩(NaCl)がこれらの試料中の高分子量種の形成に顕著な作用を及ぼさなかったことを実証した(図6)。したがって、塩の存在は、抗体の保存に重大な条件ではない。
【0127】
実施例2:pH/緩衝液
異なる緩衝液が異なるpHで好ましい保存条件をもたらすかどうかを決定するために、保存された試料として抗ルイスY抗体を用いて、試みの「至適」pHの上下のpH0.5ユニットで緩衝液を試験した。これらの実験では、5.0から6.0のpH範囲で4つの異なる緩衝系を試験した。安定性に及ぼす様々なイオン強度の作用も評価した。これらの実験で使用された緩衝液は、10mM酢酸ナトリウム、pH5.0、5.5、および6.0;10mM酢酸ナトリウム、75mMNaCl、pH5.0、5.5および6.0;10mMクエン酸ナトリウム、pH5.0、5.5、および6.0;10mMクエン酸ナトリウム、75mM NaCl、pH5.0、5.5および6.0;10mMリン酸ナトリウム、pH5.0、5.5、および6.0;10mMリン酸ナトリウム、75mMNaCl、pH5.0、5.5、および6.0;10mMコハク酸ナトリウム、pH5.0、5.5、および6.0;ならびに10mMコハク酸ナトリウム、75mM NaCl、pH5.0、5.5、および6.0であった。これらの実験では、上記緩衝液中に抗ルイスYを透析し、終濃度1mg/mlに希釈した。次に、これらの試料を−80℃または40℃で4週間まで保存してから、SEC−HPLCを用いて高分子量種の率および低分子量種の率について分析した。これらの実験では、高分子量種が主分解物ではなく、異なる製剤間での高分子量種レベルの差は無視できることが見い出された(図7A)。pH5.5で、クエン酸ナトリウムの試料は、全ての緩衝液(NaClの添加の存在下または不在下)の間で最低レベルの低分子量種を実証した(図7B)。
【0128】
CEX−HPLCを用いて試料をさらに分析した。これらのデータから、試験された4つの緩衝液全てで高pH試料に存在する酸性種の率が増加した(図8)点において、すなわち、5.0から6.0のpH範囲で全ての緩衝液について酸性種の上向き傾向が存在するという点において、SEC−HPLCデータからの全般的な観察が確認された。
【0129】
これらのデータは、全般的に、抗ルイスYの安定性が、5.0から6.0のpH範囲で試験された4つの(酢酸Na、クエン酸、リン酸、およびコハク酸)緩衝液全てで類似していたことを実証している。さらに、(40℃で安定性を調査する、図7B)加速安定性研究では、最低量の低分子量種の形成は、クエン酸Na緩衝液を含有する試料の場合であった。したがって、抗ルイスYに好ましい緩衝液は、10mMクエン酸Na、pH5.5である。これらのデータは、抗体などのタンパク質の保存に好ましい製剤を同定する方法も実証している。
【0130】
実施例3:塩濃度およびタンパク質濃度
保存用製剤中のタンパク質の安定性に作用を有しうるパラメータとして塩濃度を調査した。実施例2に記載された加速分解プロトコールで、低タンパク質濃度での保存安定性も評価した。これらの実験では、1mg/mlのタンパク質濃度で、NaClの添加が低分子量種の形成をやや促進した(図7B)が、試験された全ての緩衝液で酸性種の形成を抑制した(図8)ことが見い出された。
【0131】
CEX−HPLCおよびSEC−HPLCを使用して、種々のモル濃度のNaClを含有する10mMクエン酸Na、pH5.5中の抗ルイスYの安定性を評価した。これらのデータから、抗ルイスYが0から150mMNaClを含有する10mMクエン酸Na、pH5.5中で5℃および−80℃で安定であったことが実証された(図9A)。加速分解は、タンパク質濃度30mg/mlでNaClが酸性種の出現を抑制する(図9A)が、高まった低分子量種の形成(図9C)および高分子量種の形成は異なる条件で比較的安定であった(図9B)ことを示し、これは、タンパク質1mg/mlを含有する試料からの観察を確認している(図7および8)。このように、塩濃度75mMNaClが全体的な分解を最小にするために最も有利であることが見い出された。
【0132】
振盪に伴う安定性
タンパク質の安定性に影響しうる別の条件は、試料が受ける撹拌の量である。したがって、試料が撹拌された場合に、保存用製剤がある量の安定性を保つことが望ましい。様々な条件で撹拌しながらインキュベートされた製剤中の抗ルイスYの安定性を試験するために実験を行った。これらの実験では、150mMNaClの存在下または不在下で10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/mlまたは30mg/mlのいずれかの抗ルイスYを含有する製剤を、室温で24時間、360rpmで振盪することにより試験し、SEC−HPLCを用いて単量体の回収率をアッセイした。
【0133】
これらの実験から、振盪に供された場合に濃度30mg/mlで存在するときに抗体が安定であったことが実証された(図10)。1mg/mlで、NaClは単量体の回収をやや低減したことも見い出された。
【0134】
したがって、単純な保存用製剤は、振盪により誘導される試料に対するストレスから十分な保護をもたらすことができる。
【0135】
凍結/解凍下の安定性
様々な製造方法に使用されるタンパク質は、凍結−解凍サイクル、実際に時には多数回の凍結−解凍サイクルに必然的に供されることがある。したがって、凍結−解凍サイクルによって引き起こされる分解が最小である条件を保存用製剤が提供することは、好都合である。さらに、凍結および解凍のどの条件がタンパク質の最適な保護をもたらすかを決定することが有用である。これらのパラメータを試験するために、150mMNaClの存在または不在下で10mMクエン酸Na、pH5.5中に1mg/mlまたは30mg/mlのいずれかで抗ルイスYを含有する試料を調製した。次に、急速凍結/急速解凍、急速凍結/緩慢解凍、緩慢凍結/急速解凍、または緩慢凍結/緩慢解凍条件で10回の凍結−解凍サイクルにこれらの試料を供した。液体窒素中で試料を凍結することにより急速凍結を実施し、−80℃に試料をおくことにより緩慢凍結を実施した。試料を37℃の水浴中で解凍することにより急速解凍を実施し、試料を室温に置くことにより緩慢解凍を実施した。次に、SEC−HPLCを用いて各試料中の単量体の量を評価した。
【0136】
これらの実験の結果から、凍結/解凍条件にもNaCl濃度にも無関係に、高タンパク質濃度(30mg/ml)で抗ルイスYが安定であったことが示された(図11Aおよび図11B)。抗ルイスYは、タンパク質濃度にも、解凍条件にも、NaCl濃度にも無関係に緩慢凍結条件で安定であった。しかし、1mg/mlで、製剤中のNaClは急速凍結条件での回収率をやや減少させた。
【0137】
以上を考慮して、抗ルイスYが0mMから150mMの範囲のNaCl濃度で−80℃および5℃で安定であると結論することができる。さらに、加速安定性研究(40℃での製剤の研究)は、NaClが酸性種の形成をやや減少させた一方で、低分子量種の出現を促進したことを示した。これらの結果を考慮して、75mMNaClが抗ルイスYの全体的な分解を最小にするために最適であることが見い出された。
【0138】
これらの実験は、本明細書に記載された製剤中に保存される特定のタンパク質について好ましい条件を同定するための方法も実証している。
【0139】
抗CD22
異なるタンパク質の間の保存条件の可変性を調査して、特定のタンパク質のための保存用製剤を同定する方法をさらに確証するために、抗CD22の保存安定性を検討した。これらの実験では、様々な緩衝液中に25mg/ml(図6)の抗CD22を含有する製剤を調製して所望のpH、すなわちpH6.0(50mMコハク酸塩);pH7.0(50mMコハク酸塩および50mMHEPES);pH7.6(50mM HEPES)に到達させて、−80℃、5℃、25℃、または40℃で1カ月間保存してから、高分子量種の率について評価した。
【0140】
試験された温度のいずれでも高タンパク質濃度(図6および図12)で抗CD22の保存安定性にNaClは作用を及ぼさなかったことが見い出された。
【0141】
振盪ストレス下での安定性
NaClおよびポリソルベート80の存在下で抗CD22に及ぼす表面/空気相互作用の効果を決定するために振盪研究を行った。発送および製造の間に液体としての抗CD22の安定性を評価するためにも、この研究を行った。これらの実験では、75mMNaCl、0.1%ポリソルベート80、または75mM NaCl+0.1%ポリソルベート80(Tween)を添加した20mMコハク酸緩衝液、pH6.0中に15mg/ml抗CD22を含有する試料を調製した。試料を300rpmで24時間振盪した。コハク酸緩衝液中に抗CD22のみを含有する対照も調製した。次に、高分子量種の率をアッセイした。これらのデータは、NaClおよびポリソルベート80のどちらも振盪時の抗CD22の安定性に有益ではないことを実証している(図13)。
【0142】
全体的に見れば、保存用製剤中の抗CD22について上に提示したデータは、NaClが抗CD22の全体的な安定性に実質的な作用を有さないことを実証している。したがって、NaClは抗CD22製剤に不必要である。
【0143】
実施例4:抗体濃度
製剤中での保存安定性に及ぼすタンパク質濃度の効果を調査した。特定のタンパク質のための保存用製剤を同定する場合、および製剤中のこのパラメータの重要性に関係する一般原理を発見する場合には、好ましいタンパク質濃度を決定することが望ましい。
【0144】
これらの実験では、NaClを含有しないか、75mM NaClを含有するかのいずれかの10mMクエン酸塩、pH5.5に濃度1mg/mlまたは30mg/mlで抗ルイスYを含有する試料を調製した。試料を40℃で4週間保存してから、高分子量種の率の変化(図14A)、低分子量種の率の変化(図14B)、および酸性種の率の変化(図14C)についてアッセイした。
【0145】
これらの実験の結果は、1mg/mlおよび30mg/mlを含有する製剤について互角の安定性が明らかとなり、低濃度(1mg/ml)の方がNaClの存在にわずかに感受性が高かった。
【0146】
保存用製剤中では持続的に安定であることが特に望ましい。したがって、様々な温度、すなわち−80℃、−20℃、5℃、25℃、および40℃で10mMクエン酸Na、pH5.5および75mMNaCl中で30mg/ml抗ルイスYを含有する30mg/ml抗ルイスY製剤の安定性を決定するための研究を実施した。1カ月目、2カ月目、3カ月目、6カ月目、および9カ月目に高分子量種の率(図15A)、低分子量種の率(図15B)、および酸性種の率(図15C)について試料を試験した。これらのデータの分析から、10mMクエン酸Na、75mMNaCl、pH5.5の製剤中で−80℃から5℃の範囲の温度で9カ月保存後の抗ルイスYのタンパク質安定性が良好であることが実証された。
【0147】
凍結/解凍および振盪安定性
上に示したように(図10および図11)、抗ルイスYは30mg/mlの濃度で振盪および凍結/解凍ストレスに感受性ではないと思われた。さらに、抗ルイスYは解凍速度に無関係に1mg/mlの濃度で緩慢凍結に感受性ではなかったが、撹拌を伴う1mg/ml抗ルイスYの濃度で、および急速凍結条件に置かれた場合にタンパク質の損失が見い出された。
【0148】
抗CD22/凍結/解凍
凍結−解凍サイクルの作用をさらに検討するために、20mMコハク酸塩、pH6.0中で、所望によりポリソルベート80(0.001%)を含有する、1mg/mlまたは25mg/mlのいずれかの濃度の抗CD22を、様々な凍結−解凍方式およびその方式の0、1、5、または10回のサイクルに供した。その方式は、急速凍結/急速解凍(FF/FT)、急速凍結/緩慢解凍(FF/ST)、緩慢凍結/急速解凍(SF/FT)、および緩慢凍結/緩慢解凍(SF/ST)であった。次に、HMV種の率をアッセイした。
【0149】
これらのデータは、ポリソルベート80の存在とは無関係に、25mg/mlで抗CD22が凍結/解凍ストレスに感受性ではないことを実証している(図16Bおよび図16D)。しかし、1mg/mlの濃度で、抗CD22は、急速凍結に感受性である(図16Aおよび図16C)。このように、この抗体について、試料が凍結−解凍サイクルに供されるならば、界面活性剤を含ませることは必要ではないが、高保存濃度を選択すべきである。
【0150】
保存安定性
図5および6は、抗CD22が0.5mg/mlおよび30mg/mlで−80℃から5℃で安定であることを実証している実験結果を示す。40℃では、2週間保存後に高タンパク質濃度を含有する試料中で高分子量種の率が増加した(図6)が、低タンパク質濃度を含有する試料では高分子量種の率の変化は検出されなかった(図5)。
【0151】
実施例5:界面活性剤の作用
タンパク質試料を保存するための多くのプロトコールが、界面活性剤を含ませることを求めている。したがって、保存用製剤に界面活性剤を含ませる必要性を検討した。これらの実験では、10mMクエン酸Na緩衝液中で、所望により0%、0.001%、0.005%、または0.01%ポリソルベート80を含有する濃度1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスY抗体を、室温で24時間、360rpmで振盪しながらインキュベートした。次に、SEC−HPLCを用いて単量体の回収率をアッセイした。
【0152】
データから、製剤中のタンパク質が比較的高濃度の30mg/mlで存在する場合にポリソルベート80が必要ないことが実証された。1mg/mlで、ポリソルベート80は撹拌ストレスから抗ルイスYを実際に幾分保護した(図17Aおよび図17B)。
【0153】
凍結/解凍安定性
様々な凍結/解凍条件の間の抗ルイスYの安定性に及ぼすポリソルベート80の作用を調査した。これらの実験では、10mMクエン酸Na、pH5.5中に1mg/mlまたは30mg/mlのいずれかの抗ルイスY抗体を含有し、かつポリソルベート80を含有しないか、または0.01%ポリソルベート80を含有するかのいずれかの試料を調製した。次に、上記のように試料を10サイクルの凍結/解凍に供した。
【0154】
30mg/mlで、抗ルイスYは界面活性剤の存在と無関係に凍結/解凍ストレスに感受性でなかった(図18B)。抗ルイスYは、タンパク質濃度にも解凍条件にも無関係に、緩慢凍結条件でもまた安定であった(図18Aおよび図18B)。ポリソルベート80は、30mg/mlタンパク質濃度で、または緩慢凍結が使用されたときならば結果に影響しなかった。1mg/ml抗体を含有する試料では、ポリソルベート80は急速凍結条件で抗ルイスYを保護した(図18A)。
【0155】
保存安定性
抗ルイスYの保存安定性に及ぼす界面活性剤の作用を検討した。これらの実験では、10mMクエン酸Na、pH5.5および75mMNaCl中に30mg/ml抗ルイスYを含有する試料を調製した。さらに、試料は、0.001%ポリソルベート80を有するか、またはポリソルベート80を有さないかのいずれかであった。試料を−80℃、−20℃、5℃、25℃、または40℃で1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、または9カ月間インキュベートし、高分子量種の率、低分子量種の率、および酸性種の率を本明細書に記載されたようにアッセイした。
【0156】
一般に、これらの実験から、ポリソルベート80が全温度範囲の−80℃から40℃にわたり試験条件で抗ルイスYの安定性に重大な作用を有さなかったことが実証された(図19A、19B、および19C)。
【0157】
全体的に見て、抗ルイスYを用いた実験の結果は、30mg/mlの濃度で抗ルイスYが撹拌条件および凍結/解凍ストレス条件で安定なことを実証している。界面活性剤は、この安定性を実現するために必要ではない。濃度1mg/mlで、抗ルイスは緩慢凍結条件で安定である。界面活性剤は、この条件を実現するために必要ではない。さらに、抗体濃度1mg/mlで、ポリソルベート80は撹拌および急速凍結の両方が誘導する変性に対して抗ルイスYを保護し、一般に、界面活性剤は保存中のタンパク質安定性に有意な作用を有さない。
【0158】
抗ルイスYでの結果と対照的に、ポリソルベート80は振盪ストレスに対して抗CD22を完全には保護しない(図13)。しかし、図16のデータに示されたように、25mg/mlで抗CD22は凍結/解凍ストレス下で安定であり、界面活性剤は必要ない。1mg/mlで、抗CD22は緩慢凍結条件で安定であり、界面活性剤は必要ない。急速凍結条件でのみ、界面活性剤は抗CD22に対して追加の保護をもたらした。
【0159】
抗CD22に及ぼす界面活性剤の作用をさらに検討するために、抗CD22の安定性の6カ月間研究を行った。これらの実験では、20mMコハク酸塩、pH6.0(S);20mMコハク酸塩、10mMメチオニン、pH6.0(SM);20mMコハク酸塩、0.01%ポリソルベート80、pH6.0(ST);または20mMコハク酸塩、10mMメチオニン、0.01%ポリソルベート80、pH6.0(SMT)中で濃度25mg/mlの抗CD22を調製し、−80℃、2〜8℃、25℃、または40℃で6カ月間インキュベートした。次に、高分子量種の率、合計ピーク面積の率(回収率を示す)、および完全に活性な種の率について試料をアッセイした。ピーク5が完全に活性な種であることに注意されたい。
【0160】
一般に、パラメータのどれも抗CD22の安定性に全く有意な作用を示さない(図20A、図20B、および図20C)。
【0161】
全体的に見て、2つの異なる抗体(抗ルイスYおよび抗CD22)についての短期保存データおよび長期保存データの両方は、界面活性剤(ポリソルベート80)が保存用製剤中の抗体の安定化に必要ないことを実証している。
【0162】
実施例6:抗5T4の保存のための製剤
タンパク質の保存のための製剤を決定する別の例として、5T4に対する抗体の保存のために、塩濃度、pH、タンパク質濃度、ならびに緩衝液の種類および濃度というパラメータを評価した。
【0163】
pH
抗5T4抗体の保存のための製剤に使用される好ましいpHを同定するために、1mg/ml抗5T4を含有する試料をpH4.0からpH8.0のpH範囲で試験した。各pHの緩衝液中に透析することにより試料を調製した。これらの実験に使用された全ての製剤は、150mMNaClの存在下または不在下の10mMリン酸ナトリウム緩衝液を採用した。製剤中のタンパク質をろ過滅菌して、−80℃の凍結装置中に、または5℃、25℃、もしくは40℃に維持した安定性チャンバー中に置いた。次に、高分子量種(HMW)の存在について試料をアッセイした(図21)。
【0164】
抗5T4は、10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の場合に、pH範囲全体にわたり5℃、25℃、および40℃でNaClの不在下で最低量の高分子量種を有することが見い出された。この抗体は、NaClを含有する製剤中のpH7で、および緩衝液としてリン酸ナトリウムを有するpH8で、凍結/解凍サイクルに対して安定ではなかった。このタンパク質は、40℃で150mMNaCl存在下でpH4で不安定であることも観察された。
【0165】
(上記のように)様々なpHで調製および保存されて、40℃で2週間保存された試料について等電点電気泳動(IEF)を行った。pH4(NaCl不在下)ならびにpH5およびpH6(NaCl存在下または不在下)で製剤中に保存された試料は、タンパク質の全荷電に最小量の変化を表したことが見い出された。
【0166】
40℃で2週間保存された抗5T4のpH選別用試料のSDS−PAGE分析もまた行った。pH5.0からpH7.0のpH範囲の試料は、非還元ゲルで最小量の高分子量種、および還元ゲルで出発物質と比較してタンパク質分子量の最小量の変化を表した。
【0167】
これらのデータは、抗5T4がpH4.0からpH7.0のpH範囲にわたり−80℃、5℃、および25℃でNaClの存在下または不在下で、10mMリン酸ナトリウム中で安定であることを実証している。pH選別の加速結果(すなわち高温で得られた結果)に基づき、pH5からpH6が抗5T4の安定性のために有利なpH範囲として選択される。
【0168】
緩衝液
pH5.0からpH7.0のpH範囲での製剤中の抗5T4の安定な保存について、4つの異なる緩衝系を試験した。安定性に及ぼすイオン強度の作用もまた評価した。使用されたこれらの緩衝液は、10mM酢酸ナトリウム、pH5.0;10mM酢酸ナトリウム5.5;10mM酢酸ナトリウム、150mMNaCl、pH5.0;10mM酢酸ナトリウム、150mM NaCl、pH5.5;10mMクエン酸ナトリウム、pH5.0;10mMクエン酸ナトリウムpH5.5;10mMクエン酸ナトリウム、pH6.0;10mMクエン酸ナトリウム、150mMNaCl、pH5.0;10mMクエン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH5.5;10mMクエン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH6.0;10mMリン酸ナトリウム、pH6.0;10mMリン酸ナトリウム、pH6.5;10mMリン酸ナトリウム、pH7.0;10mMリン酸ナトリウム、150mMNaCl、pH6.0;10mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH6.5;10mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.0;10mMコハク酸ナトリウム、pH5.0;10mMコハク酸ナトリウム、pH5.5;10mMコハク酸ナトリウム、pH6.0;10mMコハク酸ナトリウム、pH6.5;10mMコハク酸ナトリウム、150mMNaCl、pH5.0;10mMコハク酸ナトリウム、150mM NaCl、pH5.5;10mMコハク酸ナトリウム、150mM NaCl、pH6.0;および10mMコハク酸ナトリウム、150mM
NaCl、pH6.5であった。
【0169】
抗5T4を上記緩衝液中に透析して、終濃度2mg/mlに希釈した。試料を−80℃および40℃で最長4週間保存してから、初期試料(保存前)および4週間保存後にSEC−HPLCを用いて分析した。これらのデータ(図22)では、高分子量種が主分解産物ではなく、4週間保存後の各製剤中の高分子量種の率が初期試料中に存在する高分子量種の率に匹敵するか、またはそれ未満であったことが見い出された。大部分のNaCl含有製剤中の低分子量種は増加した。
【0170】
タンパク質(抗5T4)の熱安定性に及ぼす様々な製剤での保存の効果を評価するために熱融解(T)を行った。示差走査熱量測定(DSC)を使用してサーモグラムを作成した。そのようなサーモグラムの例を図23Aに示す)。示差走査熱量測定の結果を図23Bに図示する。
【0171】
pH5.0を有する製剤中のタンパク質は、その製剤が緩衝液としてクエン酸塩またはコハク酸塩を使用した場合に、熱安定性が最小であった。対応する無NaCl製剤と比較して各pH/緩衝液条件でT値が低かったことから、NaClは熱不安定化することが見い出された。酢酸、クエン酸、コハク酸、およびリン酸緩衝液中のpH範囲5.5から7.0の他の全ての製剤は、最高のTを表し、したがって、最高の熱安定性を表した。
【0172】
CEX−HPLCも使用して、抗5T4の安定性を分析した。これら研究では、40℃で4週間保存後の試料についてCEX−HPLCを行った。これらの結果を図25に示すが、これらの結果は、試験された4つの緩衝液全てについて、高pHで酸性種の率の増加および塩基性種の率の減少を実証している。NaClを含有する一部の製剤もまた、対応する無NaCl製剤と比較して高レベルの酸性種および低レベルの塩基性種を有した。
【0173】
様々な製剤の安定性をさらに分析するために、40℃で4週間保存後の試料について還元SDS−PAGEを行った。これらの試料の分析から、還元ゲルにおいてpH5.5およびpH6.0の製剤中に保存された試料が、出発物質と比較してタンパク質分子量の最小量の変化を保持したことが実証された。
【0174】
一般に、これらのデータは、これらの実験に使用された抗5T4タンパク質が、pH5.5〜6.5のpHで保存された場合に、試験された4つの緩衝液全て(酢酸ナトリウム、クエン酸塩、リン酸塩、およびコハク酸塩)中で類似した安定性を有したことを実証している。加速安定性研究は、NaClを含有しなかった製剤中で最小量の低分子量種が形成したことを示した。
【0175】
塩(NaCl)の作用
上に例示したように、抗5T4は、150mM NaCl中では、−80℃、5℃、および25℃でpH5〜6の製剤において、10mMリン酸ナトリウム中で安定である。しかし、NaClは安定性を改善しなかった。したがって、NaClは安定性に有益性をもたらさない(図21)。
【0176】
40℃での加速安定性研究の結果から、NaClが高分子量および低分子量の形成を促進して、抗体の熱安定性を低下させることが実証された(図22、図24A、図24B、および図25)。
【0177】
抗体濃度
保存安定性に及ぼす抗体(タンパク質)濃度の作用を調査した。これらの実験では、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、およびコハク酸ナトリウム緩衝系を、5.5から6.5の狭いpH範囲を用いてもう一度試験した。抗5T4を緩衝液中に透析して、終濃度2mg/mlに希釈した。追加セットの試料を、クエン酸塩またはコハク酸塩中に30mg/ml濃度で調製した。試料を6週間まで−80℃および40℃で保存してから、分析した。図26Aおよび図26Bは、これらの試料のSEC−HPLC分析の結果を例示する。一般に、これらのデータは、2mg/mlおよび30mg/mlの製剤について互角の安定性が観察されるが、高タンパク質濃度が40℃で6週間後にやや多量の高分子量種を蓄積したことを実証している。
【0178】
40℃で6週間保存後のこれらの試料についてCEX−HPLCもまた行った。2mg/mlまたは30mg/mlを含有するpH5.5の製剤について互角の安定性が観察されたが、2mg/mlのpH5.5の試料は、40℃で6週間保存後にやや低い率の酸性種を有した(図27Aおよび27B)。
【0179】
キャピラリー電気泳動SDS(ceSDS、SDS−PAGEと同等法)も使用して、40℃で6週間保存された2mg/ml試料を分析した。これらの実験では、2mg/mlの試料についてほぼ互角の安定性が観察され、pH5.5の試料の方がタンパク質分子量のやや小さい変化を示した。2mg/mlの試料について互角の安定性が観察され、pH5.5の試料は、キャピラリー電気泳動SDS法(SDS−PAGE同等法)によりタンパク質MWのやや小さい変化を示している(図28)。
【0180】
凍結/解凍および振盪安定性
0.005%野菜由来ポリソルベート80および3%シュークロースの存在下または不在下で、pH5.5で凍結/解凍および振盪研究条件のタンパク質安定性研究で、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、およびコハク酸ナトリウム緩衝系を試験した。これらの実験では、抗5T4を緩衝液中に透析して、終濃度25mg/mlおよび1mg/mlに希釈した。液体窒素中(約−196℃または−80℃で試料を凍結させてから、37℃または常温で解凍した。別々のセットの試料を、20℃で200rpmで24時間振盪した。
【0181】
400で吸光度を測定することにより凍結/解凍サイクル後に濁度をアッセイし、1mg/mlの試料について高分子量種の率を決定した。1回の凍結/解凍サイクルの後に、抗5T4は1mg/mlで緩慢凍結(SF)条件(−80)にやや感受性であり、急速凍結(FF)条件(液体窒素)に非常に感受性であった。ポリソルベート80は濁度を最小にして、高分子量種の率は1mg/mlの試料で増加した。シュークロースは濁度を改善(最小化)して、シュークロースの存在下で、高分子量種の率は急速凍結条件でのみ増加した(図29Aおよび図29B)。
【0182】
高分子量種の濁度および率もまた、タンパク質(抗5T4)濃度25mg/mlを有する試料を用いた多数回(10回)凍結/解凍サイクル後にアッセイした(図30Aおよび図30B)。これらのデータから、抗5T4が25mg/mlの濃度で凍結/解凍ストレスに感受性ではないことが実証された。ポリソルベート80および/またはシュークロースを添加すると、10回の凍結/解凍サイクル後に濁度および高分子量種の率がわずかに減少した。濁度の結果は、シュークロースが製剤に添加された場合に、抗5T4の安定性に有益ではないこと、および場合によっては有害であったことも実証している。製剤に酢酸緩衝液を使用した結果、大部分の凍結/解凍条件で濁度のわずかな低下および高分子量種の率の低下が生じた。
【0183】
25mg/ml抗5T4を含有する製剤を用いて濁度(A400)および高分子量種の率を測定することにより、振盪条件での安定性をアッセイした。図31Aおよび図31Bは、様々な製剤中の試料の濁度測定結果を図示する。これらのデータは、クエン酸緩衝液を含有する製剤中の場合に、抗5T4が振盪ストレスに非常に感受性であることを実証している。1mg/mlおよび25mg/mlの試料両方で、ポリソルベート80を添加された一部の製剤において、濁度および/または高分子量種の率が減少したが、製剤にシュークロースを添加する有益性は存在しない。酢酸緩衝液製剤は、一般に最低の濁度を表した。
【0184】
界面活性剤および凍結防止剤
上に記載された実験のいくつか(例えば、図29A、図29B、図30A、図30B、図31A、および図31B)には、製剤が界面活性剤(ポリソルベート80)および/または凍結防止剤(シュークロース)を含むデータが含まれる。凍結後の安定性に関して、25mg/ml抗5T4を含有する試料は、凍結/解凍ストレスに感受性ではなかった。抗5T4は、タンパク質濃度にも解凍条件にも無関係に緩慢凍結条件で安定であった。急速解凍プロトコールが適用された場合に、ポリソルベート80は25mg/mlのタンパク質濃度の試料の安定性を改善するために必要ではなかった。
【0185】
製剤へのシュークロースの添加は、25mg/ml抗5T4を含有する試料についての安定性を改善しなかった。1mg/mlを含有する試料について、ポリソルベート80およびシュークロースは、凍結/解凍の間に、特に急速凍結条件で抗5T4を保護した(図29Aおよび図29Bおよび図30Aおよび図30B)。
【0186】
振盪条件での様々な製剤中の抗5T4の安定性も調査した。ポリソルベート80は、タンパク質が極めて高いrpmで振盪される場合に、タンパク質濃度25mg/mlで抗5T4製剤の濁度の最小化および高分子量種の率の最小化に貢献した。1mg/ml抗5T4を含有する製剤では、ポリソルベート80は撹拌ストレスからタンパク質を保護した(図31Aおよび図31B)。
【0187】
これらのデータは、高タンパク質濃度(例えば、25mg/ml)について、抗5T4が凍結/解凍ストレス下で安定であることを実証している。大部分の凍結/解凍条件、特に酢酸緩衝液を含有する製剤中で、製剤に界面活性剤を添加する利点はほとんどまたは全く存在しなかった。さらに、製剤中に凍結防止剤(例えば、シュークロース)を使用する必要は存在しない。ポリソルベート80は、激しい撹拌条件で抗5T4を安定化するために有用であった。
【0188】
さらに、低タンパク質濃度(例えば、1mg/ml抗5T4)を含有する試料は、緩慢凍結条件で安定であったことが見い出された。そのような低タンパク質試料では、ポリソルベート80およびシュークロースは、凍結/解凍誘導変性に対してタンパク質(抗5T4)を保護した。また、低タンパク質濃度の試料では、ポリソルベート80は撹拌誘導変性からタンパク質を保護した。
【0189】
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と共に記載したが、上述の記載は例示を意図して、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定することを意図しないと了解されるべきである。他の態様、利点、および変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1A】様々なpHおよび様々な温度での1mg/ml抗ルイスYのサイズ排除クロマトグラフィー−高速液体クロマトグラフィー(SEC−HPLC)分析の結果を示す棒グラフである。
【図1B】様々なpHおよび様々な温度での1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図2】様々なpHおよび様々な温度での1mg/ml抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図3】様々なpHで4週間40℃で保存された抗ルイスY試料のSDS−PAGEの描写である。
【図4】図3について記載された試料の等電点電気泳動(IEF)ゲルの描写である。
【図5】様々なpHおよび様々な温度で2週間インキュベートされた0.5mg/ml抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図6】75mM NaClの存在下または不在下で、様々なpHおよび様々な温度で2週間インキュベートされた25mg/ml抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図7A】様々な緩衝液中で、かつ75mM NaClの存在下または不在下で、様々なpHおよび40℃で4週間インキュベートされた1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図7B】様々な緩衝液中で、かつ75mM NaClの存在下または不在下で、様々なpHおよび40℃で4週間インキュベートされた1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図8】様々な緩衝液中で、かつ75mM NaClの存在下または不在下で、様々なpHおよび40℃で4週間インキュベートされた1mg/ml抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図9A】様々な温度および様々なNaCl濃度で10mMクエン酸Na、pH5.5中で4週間インキュベートされた30mg/ml抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図9B】9Aについて記載された試料のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図9C】9Aについて記載された試料のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図10】様々な塩濃度で、かつ振盪に供された1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【図11A】図11Bに示されるように、10回の凍結−解凍サイクルの後の、150mM NaClの存在下または不在下での10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【図11B】示されるように、10回の凍結解凍サイクル後の、150mM NaClの存在下または不在下での10mMクエン酸Na、pH5.5中の30mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図12】75mM NaClの存在下または不在下で様々な温度で1カ月間インキュベートされた、50mMコハク酸塩、pH6.0中の25mg/ml抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図13】20mMコハク酸塩(pH6.0)、コハク酸塩+75mM NaCl、コハク酸塩+0.01%ポリソルベート80、またはコハク酸塩+75mM
NaClおよびポリソルベート80(Tween)中の15mg/ml抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図14A】40℃で4週間、75mM NaClの存在下または不在下でインキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図14B】40℃で4週間、75mM NaClの存在下または不在下でインキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図14C】40℃で4週間75mM NaClの存在下または不在下でインキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5中の1mg/mlまたは30mg/mlの抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図15A】様々な温度で様々な時間インキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5および75mM NaCl中の30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図15B】様々な温度で様々な時間インキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5および75mM NaCl中の30mg/mlの抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図15C】様々な温度で様々な時間インキュベートされた、10mMクエン酸Na、pH5.5および75mM NaCl中の30mg/mlの抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図16A】20mMコハク酸塩、pH6.0中で、かつ様々な凍結−解凍方式で様々なサイクルの間処理された1mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図16B】20mMコハク酸塩、pH6.0中で、かつ様々な凍結−解凍方式で様々なサイクルの間処理された25mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図16C】ポリソルベート80含有20mMコハク酸塩、pH6.0中で、かつ様々な凍結−解凍方式で様々なサイクルの間処理された1mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図16D】ポリソルベート80含有20mMコハク酸塩、pH6.0中で、かつ様々な凍結−解凍方式で様々なサイクルの間処理された25mg/mlの抗CD22のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図17A】SEC−HPLCを用いて分析された振盪研究の結果を示す棒グラフである。
【図17B】SEC−HPLCを用いて分析された振盪研究の結果を示す棒グラフである。
【図18A】図18Bに示されるように、10回の凍結解凍サイクル後に0.01%ポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸ナトリウム、pH5.5中の1mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図18B】示されるように、10回の凍結解凍サイクル後に0.01%ポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸Na、pH5.5中の30mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図19A】様々な温度および様々な時間インキュベーション後にポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸Na、pH5.5および75mM
NaCl中の30mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図19B】様々な温度および様々な時間インキュベーション後にポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸Na、pH5.5および75mM
NaCl中の30mg/ml抗ルイスYのSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図19C】様々な温度および様々な時間インキュベーション後にポリソルベート80の存在下または不在下で10mMクエン酸Na、75mM
NaCl、pH5.5中の30mg/ml抗ルイスYのCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図20A】抗CD22の6カ月保存安定性のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図20B】抗CD22の6カ月保存安定性のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図20C】抗CD22の保存安定性のCEX−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図21】様々なpHおよび温度で2週間保存された抗5T4の高分子量産物(HMW)のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図22】塩(NaCl)の存在下または不在下で様々なpHで、酢酸緩衝液(Ace)、クエン酸緩衝液(Cit)、リン酸緩衝液(Phos)、またはコハク酸緩衝液(Suc)中で初期の、または40℃で4週間後の抗5T4試料中の高分子量産物(HMW)または低分子量産物(LMW)の率のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図23A】クエン酸緩衝液(pH5.5)中で抗5T4の示差走査熱量測定(DSC)の結果を示すサーモグラムである。
【図23B】コハク酸緩衝液(pH6.0)中の抗5T4の示差走査熱量測定(DSC)の結果を示すサーモグラムである。
【図24A】NaClの不在下で、かつ様々なpHで、様々な製剤中の抗5T4のDSCの結果を示す棒グラフである。
【図24B】様々なpHで150mM NaClを含有する様々な製剤中の抗5T4のDSCの結果を示す棒グラフである。
【図25】様々なpHで、150mM NaClの存在下または不在下で様々な緩衝液を含有する製剤中の、40℃で4週間後の抗5T4のCEX−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【図26A】様々なpHで様々な緩衝液中の、−80℃または40℃で6週間後の抗5T4(2mg/ml)のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図26B】pH6でクエン酸またはコハク酸緩衝液中の、−80℃または40℃で6週間後の抗5T4(30mg/ml)のSEC−HPLC分析の結果を示す棒グラフである。
【図27A】様々なpHで様々な緩衝液製剤中の、40℃で6週間後の抗5T4(2mg/ml)のCEX−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【図27B】pH6でクエン酸またはコハク酸緩衝液中の、40℃で6週間後の抗5T4(30mg/ml)のCEX−HPLCの結果を示す棒グラフである。
【図28】様々なpHで様々な緩衝液製剤中の、40℃で6週間後の抗5T4のSDSゲルのキャピラリー電気泳動の結果を示す一組の重ねた電気泳動図の再現である。
【図29A】異なる凍結解凍方式での、様々な緩衝液(pH5.5)を含有し、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の製剤中の1mg/ml抗5T4のA400を示す棒グラフである。
【図29B】異なる凍結解凍方式での、様々な緩衝液(pH5.5)を含有し、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の製剤中の1mg/ml抗5T4の高分子量(HMW)種の率を示す棒グラフである。
【図30A】異なる凍結解凍方式での、様々な緩衝液(pH5.5)を含有し、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の製剤中の25mg/ml抗5T4のA400を示す棒グラフである。
【図30B】異なる凍結解凍方式での、様々な緩衝液(pH5.5)を含有し、ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の製剤中の25mg/ml抗5T4の高分子量(HMW)種の率を示す棒グラフである。
【図31A】ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の様々な製剤中の1mg/mlまたは25mg/mlの抗5T4のA400を示す棒グラフである。
【図31B】ポリソルベート80(P80)の存在下または不在下で、かつシュークロースの存在下または不在下の様々な製剤中の1mg/mlまたは25mg/mlの抗5T4の高分子量種(HMW)の率を示す棒グラフである。

Claims (24)

  1. (a)ヒト化抗CD22抗体;および
    (b)コハク酸緩衝液を含み、pH4.0ないしpH8.0を有する水溶液;
    を含む製剤であって、凍結防止剤も界面活性剤も含有せず、タンパク質が−80℃から8℃で少なくとも3週間安定している、製剤。
  2. ヒト化抗CD22抗体がIgG4である、請求項1に記載の製剤。
  3. 150mM未満の塩を含む、請求項1に記載の製剤。
  4. 緩衝液の濃度が50mMないし100mMである、請求項1に記載の製剤。
  5. 緩衝液の濃度が1mMないし50mMである、請求項1に記載の製剤。
  6. 抗体が5℃で少なくとも1年間安定しているか、または5℃で少なくとも3年間安定している、請求項1に記載の製剤。
  7. 抗体が、1mg/mlないし200mg/ml、1mg/mlないし100mg/ml、20mg/mlないし200mg/ml、または20mg/mlないし100mg/mlの濃度で存在する、請求項1に記載の製剤。
  8. 抗体が、10mg/mlないし30mg/ml、25mg/mlないし30mg/ml、10mg/mlないし50mg/ml、または20mg/mlないし50mg/mlの濃度で存在する、請求項1に記載の製剤。
  9. 抗体が、少なくとも6.0、7.0、または8.0のpIを有する、請求項1に記載の製剤。
  10. 0℃ないし8℃で、または0℃から5℃までで保存される、請求項1に記載の製剤。
  11. そのpHがpH5.0ないしpH6.0である、請求項1に記載の製剤。
  12. そのpHがpH5.0ないしpH6.0であり、−80℃から5℃までで保存される、請求項1に記載の製剤。
  13. 水溶液が20mMのコハク酸塩、pH6.0である、請求項1に記載の製剤。
  14. 安定性が、高分子量種の率、低分子量種の率、または酸性種の率のうち少なくとも1つを対照と比較してアッセイすることにより決定される、請求項1に記載の製剤。
  15. 抗体が少なくとも95%精製されている、請求項1に記載の製剤。
  16. 製剤が滅菌である、請求項1に記載の製剤。
  17. (a)請求項1に記載の製剤を用意すること、
    (b)選択された温度に該製剤を置くこと、および
    (c)該選択された温度に該製剤を維持すること
    を含む、ヒト化抗CD22抗体を保存する方法であって、該製剤中の抗体が少なくとも1週間安定している方法。
  18. 抗体が、少なくとも1カ月、3カ月、1年、5年、7年、または10年間安定している、請求項17に記載の方法。
  19. 抗体が−80℃または2℃ないし8℃の温度で安定している、請求項18に記載の方法。
  20. 抗体が−80℃の温度で保存され、該抗体が少なくとも5年、7年または10年間安定している、請求項17に記載の方法。
  21. 製剤が選択された温度で凍結されて、工程(c)の後でタンパク質が急速解凍される、請求項17に記載の方法。
  22. 製剤が(b)で凍結され、該凍結が急速凍結である、請求項28に記載の方法。
  23. 抗体が中間体物質である、請求項17に記載の方法。
  24. タンパク質の濃度が、少なくとも15mg/ml、少なくとも20mg/ml、または少なくとも30mg/mlである、請求項17に記載の方法。
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