JP4944468B2 - 透明耐熱樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents

透明耐熱樹脂組成物およびその製造法 Download PDF

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マレイミド系樹脂と窒化ホウ素ナノチューブとを均一に分散させたマレイミド系樹脂組成物、およびその製造方法に関する。更に詳しくは、構造の規定された無機のナノチューブをフィラーとしてナノレベルで分散させることにより、少量のフィラー添加においても、従来のマレイミド系樹脂及びその組成物に比べて効率よく耐熱性、剛性および寸法安定性を向上させたマレイミド系樹脂組成物に関する。
カーボンナノチューブは、従来にない機械的物性、電気的特性、熱的特性等を有するためナノテクノロジーの有力な素材として注目を浴び、広範な分野で応用の可能性が検討され、一部実用化が開始されている。
ポリマーコンポジットとしては、フィラーにカーボンナノチューブを用いてポリマーに添加することで、ポリマーの機械的物性、導電性、耐熱性等を改質する試みも行われている。例えばポリアミド、アクリロニトリル等の汎用樹脂とカーボンナノチューブからなるポリマーコンポジットに関しては、得られる樹脂組成物における導電性改良、機械特性改良に関する報告例(特許文献1、非特許文献1)や、これらポリマーのフォームとカーボンナノチューブからなる導電性ポリマーフォームが報告されている(特許文献2)。また、カーボンナノチューブを共役系高分子で被覆することで、カーボンナノチューブの分散性を極めて高め、少ないカーボンナノチューブの量でマトリクス樹脂に高い導電性を付与するとの報告(特許文献3参照)がある。更に、ポリメチルメタクリレートやポリスチレンのような側鎖構造を有するポリマーとカーボンナノチューブからなるポリマーコンポジットに関して、共役系高分子で単層カーボンナノチューブを被覆することにより、わずかな単層カーボンナノチューブ添加量であっても弾性率が飛躍的に向上するとの報告(特許文献4参照)がある。
近年、カーボンナノチューブと構造的な類似性を有する窒化ホウ素ナノチューブも、従来にない特性を有する材料として注目を浴びている(特許文献5参照)。窒化ホウ素ナノチューブは、カーボンナノチューブに匹敵するレベルの優れた機械的物性、熱伝導性を有するだけでなく、化学的に安定でカーボンナノチューブよりも優れた耐酸化性を有することが知られている。また、絶縁性であるため、絶縁性放熱材料としても期待できる。特許文献4にはカーボンナノチューブの代わりに窒化ホウ素ナノチューブを使用しても良いとの記載があるが、飛躍的な効果を得るためには側鎖構造を有するポリマーに限定されておりそれ以外の主鎖型芳香族ポリマーでの具体的な報告はされていない。
一方、マレイミド系樹脂は高い耐熱性と透明性を有するため従来より、自動車分野、電気電子分野をはじめ、住宅建材、医療分野、食品分野等へも構造素材として広く利用されてきている。このような使用用途の拡大に伴い、分野によっては更なる剛性などの機械特性、耐熱性の向上が要求されている。このような必要特性の高度化、多様化に対して応えるべく、例えば特許文献6には、N−フェニルマレイミド−オレフィン系共重合体にガラス繊維を添加することにより耐熱性、剛性に優れた組成物を得る技術が開示されている。しかし、これらの無機繊維充填材はサイズがμmオーダー以上のバルク状固体であり、複合による一定の効果は得られるものの、繊維の配向に伴って異方性が生じ、寸法安定性が低下したり、成形品の表面外観も損なわれる恐れがある。またバルクサイズの分散体であるため十分な補強効果を得るためには多量の配合を必要とし、それによって耐衝撃性、靭性が低下するという問題もある。場合によっては成形品に反りやヒケが発生し外観の劣化、表面の荒れが生ずるため精密性や厳しい形状精度が求められる用途には適さない。
バルクサイズの繊維強化材に替えて、有機修飾粘土などサブミクロンサイズの無機粒子添加することによりマレイミド系樹脂の物性を改良する試みも開示されているが(特許文献7)、クレイ自体の機械物性に制限があるため、剛性など機械物性の改良にはやはり多量の無機粒子の添加が必要であり、透明性などの樹脂本来の特徴を維持するに適しているとはいえない。更に無機粘土は空気中の水分との相互作用で水酸基(−OH基)が現れる可能性があり、無機フィラーの表面が混練時にマレイミド単位を解重合(加水分解など)し、複合材料組成物の物性を低下させる恐れもある。このようにマレイミド系樹脂に関して、フィラーの効果不足や変性樹脂の物性低減などの課題を解決すべく、大きな比表面積により少量でも高い効果を有し、ナノレベルで分散可能なナノフィラーの探索が望まれている。しかしながらカーボンナノチューブ並の機械特性と優れた耐熱性、化学安定性を有する窒化ホウ素ナノチューブをフィラーとして添加、成形することにより機械的物性、寸法安定性の改善されたマレイミド系樹脂成型体を得たとの報告はこれまで無い。
特開2005−200620号公報 特表2005−521782号公報 特開2004−2621号公報 特開2004−244490号公報 特開2000−109306号公報 特開平5−140375号公報 特開平8−283469号公報 Advanced Materials 2004, 16, 58−61
本発明の目的は、従来のような多量のバルクフィラーを含有するマレイミド系樹脂組成物に対して、組成物の成形性や外観に影響を与えないことが必要な用途を含め少量あるいは多量の添加であっても効率よく耐熱性、剛性及び寸法安定性を向上させたマレイミド系樹脂組成物を提供することを目的とする。
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく検討した結果、窒化ホウ素ナノチューブをマレイミド系樹脂に添加することにより、マレイミド系樹脂の成形性を損なうことなく高度な耐熱性、剛性及び寸法安定性を付与し得ることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
1.マレイミド系樹脂100重量部と、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であり白色の窒化ホウ素ナノチューブ(官能基化され可溶性にされたものを除く)0.01〜100重量部とからなるマレイミド系高弾性耐熱樹脂組成物(マレイミド系樹脂が窒化ホウ素ナノチューブの中空部に充填されているものを除く)
2.上記に記載のマレイミド系樹脂組成物からなる成形体
3.マレイミド系樹脂を溶解させることが可能な溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた分散液を調製し、マレイミド系樹脂を添加、溶解させてマレイミド系樹脂と窒化ホウ素ナノチューブからなる混合溶液を調製し、これを基板上にキャストしてフィルム状に成形したのち、溶媒を除去することからなる上記に記載の成形体の製造方法
により構成される。
本発明によりマレイミド系樹脂中に窒化ホウ素ナノチューブが均一にナノ分散している樹脂組成物が得られ、従来のマレイミド系樹脂に優れた耐熱性、剛性、および寸法安定性を付与することができ、また従来のマレイミド系樹脂に優れた熱伝導性を付与することが期待される。
本発明のマレイミド系樹脂組成物は、溶液あるいは溶融状態からの押し出し、射出成型などの任意の成形方法により、透明性を維持してフィルムや構造体など所望の形状に成形でき、従来のマレイミド系樹脂を超える高温での低線膨張係数、寸法安定性を示している。このため、透明性、耐熱性、剛性および寸法安定性が要求される自動車分野、電気電子分野、航空、船舶分野、住宅分野、医療分野、食品分野等の広い用途における構造部材として好適に使用することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
(窒化ホウ素ナノチューブ)
本発明において、窒化ホウ素ナノチューブとは、窒化ホウ素からなるチューブ状材料であり、理想的な構造としては6角網目の面がチューブ軸に平行に管を形成し、一重管もしくは多重管になっているものである。窒化ホウ素ナノチューブの平均直径は、好ましくは0.4nm〜1μm、より好ましくは0.6〜500nm、さらにより好ましくは0.8〜200nmである。ここでいう平均直径とは、一重管の場合、その平均外径を、多重管の場合はその最外側の管の平均外径を意味する。平均長さは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。アスペクト比は、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。アスペクト比の上限は、平均長さが10μm以下であれば限定されるものではないが、上限は実質25000である。よって、窒化ホウ素ナノチューブは、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であることが好ましい。
窒化ホウ素ナノチューブの平均直径およびアスペクト比は、電子顕微鏡による観察から求めることが出来る。例えばTEM(透過型電子顕微鏡)測定を行い、その画像から直接窒化ホウ素ナノチューブの直径および長手方向の長さを測定することが可能である。また組成物中の窒化ホウ素ナノチューブの形態は例えば繊維軸と平行に切断した繊維断面のTEM(透過型電子顕微鏡)測定により把握することが出来る。
窒化ホウ素ナノチューブは、アーク放電法、レーザー加熱法、化学的気相成長法を用いて合成できる。また、ホウ化ニッケルを触媒として使用し、ボラジンを原料として合成する方法も知られている。また、カーボンナノチューブを鋳型として利用して、酸化ホウ素と窒素を反応させて合成する方法もが提案されている。本発明に用いられる窒化ホウ素ナノチューブは、これらの方法により製造されるものに限定されない。窒化ホウ素ナノチューブは、強酸処理や化学修飾された窒化ホウ素ナノチューブも使用することができる。
窒化ホウ素ナノチューブは共役系高分子で被覆されていることが好ましい。窒化ホウ素ナノチューブを被覆する共役系高分子は、窒化ホウ素ナノチューブと相互作用が強く、マトリクス樹脂であるマレイミド系樹脂との相互作用も強いものが好ましい。これらの共役系高分子としては、例えば、ポリフェニレンビニレン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリフェニレン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリアセチレン系高分子等が挙げられる。中でも、ポリフェニレンビニレン系高分子、ポリチオフェン系高分子及びポリピロール系高分子等が好ましい。
窒化ホウ素ナノチューブは、ホウ素原子と窒素原子の間のダイポール相互作用により局所的な極性構造を有しており、極性構造を有する媒体への親和性、分散性がカーボンナノチューブより優れることが期待される。更に電子構造的に広いバンドギャップを有するため絶縁性であり、絶縁放熱材料としても期待できる他、カーボンナノチューブと異なり白色であることから着色を嫌う用途にも応用できるなど、媒体としてのポリマーの特徴を活かしたコンポジット創製が可能となる。
本発明の樹脂組成物においては、マレイミド系樹脂100重量部に対して、窒化ホウ素ナノチューブが、0.01〜100重量部の範囲内で含有されるものである。本発明におけるマレイミド系樹脂100重量部に対する上記窒化ホウ素ナノチューブの含有量の下限は、0.01重量部であるが、本発明においては特に、0.05重量部以上が好ましく、より好ましくは0.1重量部以上であることが好ましい。一方、マレイミド系樹脂100重量部に対する窒化ホウ素ナノチューブの含有量の上限は、上述したように100重量部以下であるが、本発明においては、80重量部以下であることが好ましく、50重量部以下であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、窒化ホウ素ナノチューブをマレイミド系樹脂に均一に分散させることが可能となるからである。また、窒化ホウ素ナノチューブが過度に多い場合は、均一な樹脂組成物を得ることが困難となり好ましくない。本発明の樹脂組成物は、窒化ホウ素ナノチューブに由来する窒化ホウ素フレーク、触媒金属等を含む場合がある。
ポリマー主鎖骨格内にイミド結合等のドナー性原子団から構成された電子構造を有するマレイミド系樹脂は、極性かつナノオーダー構造の規定された窒化ホウ素ナノチューブとナノレベルで静電的に相互作用することが可能である。ポリマーとナノチューブ間の特異的な相互作用の結果として得られるマレイミド系樹脂組成物においては、少量のフィラー添加においても、従来のマレイミド系樹脂及びその組成物に比べて効率のよい耐熱性、機械特性の改良が可能であり、バルク状態の無機フィラーを添加したマレイミドの範囲を超える性能を発現することも期待される。
本発明で使用するマレイミド系樹脂としては、下記式(1)
Figure 0004944468
(ここでRは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の核置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示す)
で示されるマレイミド系モノマー単位、及び下記式(2)
Figure 0004944468
(ここでR,R,Rはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜20の核置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示す)
で示されるオレフィン系モノマー単位、および下記式(3)
Figure 0004944468
(ここでX,Zはそれぞれ独立にニトリル基、カルボキシル基、または炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基を示し、Yは水素又は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜20の核置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示す)
で示される他のビニル系モノマー単位からなる共重合体を指す。
マレイミド系モノマー単位(1)としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−ヘプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−アルキル置換マレイミド類、及びN−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(3−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(3−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−n−プロピルフェニル)マレイミド、N−(2−i−プロピルフェニル)マレイミド、N−(2−n−ブチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリエチルフェニル)マレイミド、N−(2−メトキシフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメトキシフェニル)マレイミド、N−(2−ブロモフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(2−ブロモフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジブロモフェニル)マレイミド等のN−フェニルマレイミド類であり、このうち得られる樹脂の耐熱性、色調の点から2−あるいは2,6−置換フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−i−プロピルマレイミドあるいはN−シクロヘキシルマレイミド等が好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明で用いるマレイミド系樹脂中のマレイミド系モノマー単位(1)の含有量は好ましくは15〜65重量%、より好ましくは20〜50重量%の範囲である。マレイミド系モノマー単位(1)の含有量が15重量%未満の場合には得られるマレイミド系樹脂組成物の耐熱性が低くなる場合があり、一方、65重量%を超える場合にはマレイミド系樹脂組成物の流動性が低く成形加工性が劣る場合がある。
オレフィン系モノマー単位(2)としては、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、1−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン等の脂肪族オレフィン類、及び スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族オレフィン類が挙げられ、このうち耐熱性や成形性の面からイソブテン及びスチレンが好ましい。これらオレフィン系単量体は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いるマレイミド系樹脂中のオレフィン系モノマー単位(2)の含有量は好ましくは35〜85重量%、より好ましくは40〜70重量%の範囲である。芳香族ビニル系単量体単位(a−2)の含有量が35重量%未満では得られるマレイミド系樹脂組成物の流動性が低く成形加工性が劣ったものとなる場合があり、一方、85重量%を超える場合にはマレイミド系樹脂組成物の耐熱性が低下する場合がある。
他のビニル系モノマー単位(3)としては、シアン化ビニル系モノマー、アクリル酸エステル系モノマー、メタクリル酸エステル系モノマー、不飽和ジカルボン酸無水物系モノマー、およびビニルカルボン酸系モノマーなどが挙げられる。シアン化ビニル系モノマーとしてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。アクリル酸エステル系モノマーとしてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。メタクリル酸エステル系モノマーとしてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリクロロエチルなどが挙げられ、メタクリル酸メチルが好ましい。さらに、不飽和ジカルボン酸無水物系モノマーとしてはマレイン酸、メタコン酸、シトラコン酸の無水物などが挙げられ、マレイン酸無水物が好ましい。またビニルカルボン酸系モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸などが挙げられ、メタクリル酸が好ましい。これら他のビニル系モノマーは1種で、または2種以上を組み合せて用いることができる。本発明で使用するマレイミド系樹脂中の他のビニル系モノマー単位(3)の含有量は好ましくは0〜35重量%、より好ましくは0〜25重量%である。他のビニル系モノマー単位(3)が35重量%を超えると、得られるマレイミド系樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性、加工性などが損われる場合がある。
本発明で使用するマレイミド系樹脂を製造する方法としては、一般に公知の付加重合法として、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法および乳化重合法のいずれをも好ましく採用することができる。また、本発明で使用するマレイミド系樹脂を製造するに際しては、所望により重合開始剤、連鎖移動剤、熱安定剤などを添加することが可能である。
重合開始剤としては、ケトンパーオキシド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネイト類などの有機過酸化物やアゾ化合物を好ましく用いることができる。ここで有機化酸化物としては、ベンゾイルパ−オキサイド、ラウリルパ−オキサイド、オクタノイルパ−オキサイド、アセチルパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、t−ブチルクミルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシアセテ−ト、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド、1,1−ジブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、2,2,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートなどが挙げられる。またアゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレ−ト、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン、アゾジ−t−オクタン2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)等が挙げられる。
本発明で使用するマレイミド系樹脂を製造するに際して所望により用いることができる連鎖移動剤としては公知であるものが使用でき、メルカブタン類、テルペン油類、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。また本発明で使用するマレイミド系樹脂を製造するに際して所望により用いることができる熱安定剤などの添加剤としては一般に公知であるものが使用できるが、重合を阻害したり着色などの弊害をもたらすものは好ましくない。
溶液重合法において使用可能な溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル等が挙げられる。
重合温度は開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができるが、一般的には40〜300℃の範囲で行うことが好ましい。
また、マレイミド単位については上述の様に対応するモノマー単位を直接共重合する他に、無水マレイン酸を原料モノマーとして共重合を行い、得られる樹脂中間体をアルキルアミン等により後イミド化することにより得ることもできる。
このような後イミド化反応は、例えば、樹脂中間体を溶融状態あるいはメタノ−ル,エタノ−ル,プロパノ−ルなどのアルコ−ル溶媒、ベンゼン,トルエンなどの芳香族溶媒等に溶解あるいは分散させ、アニリン、2,6−ジエチルアニリンなどの一級アミンと100〜350℃の温度で反応させることにより行われる。
本発明の樹脂組成物において用いられるマレイミド系樹脂は、ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して、約1000〜約5000000グラム/モル(g/mol)、さらに好ましくは約100000〜約1000000g/mol、の重量平均分子量を有する。分子量が5000000グラム/モル(g/mol)を越える場合には成形性が悪くなり、1000グラム/モル(g/mol)未満の場合には得られる樹脂が脆くなる傾向にある。
本発明のマレイミド系樹脂組成物には、組成物本来の特性を損なわない範囲で、必要に応じて1種以上の他の樹脂を更に含んでいてもよい。適当な樹脂には、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体(αSAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS樹脂)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリカーボネートなどが挙げられる。
かかる他の樹脂が存在する場合、組成物の全重量を基準にして約1〜約40重量%、好ましくは約20重量%以下の量で使用し得る。
(樹脂組成物の製造方法について)
本発明のマレイミド系樹脂組成物の製造方法としては以下に示す方法で調整可能である。
樹脂組成物の製造方法として、一つにはマレイミドその他の共重合モノマー成分をあらかじめ窒化ホウ素ナノチューブと混合した後にin situに重合することによる方法がある。この方法は大量の組成物を簡便に調整するに適している一方で、共重合モノマー安定性などの面から混合条件の制約を受けることもある。
第二に、より一般的かつ実用的な方法としては、樹脂をあらかじめ調整後に窒化ホウ素ナノチューブを混合する方法がある。この方法はマレイミド系樹脂中に窒化ホウ素ナノチューブを溶融状態にて高せん断応力下に混合、分散することによる方法、あるいはマレイミド系樹脂、窒化ホウ素ナノチューブとマレイミド系樹脂を溶解する溶媒からなる樹脂溶液を調整する工程と成形した後に該溶媒を除去する工程からなる方法の何れをも用いることができる。
ここで、溶融状態にて本発明のマレイミド系樹脂組成物を製造する場合、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等を用いて溶融混練することができる。また、窒化ホウ素ナノチューブの添加方法としては、ブレンド法やグラフトブレンド法におけるマレイミド系樹脂への添加剤混合の際に窒化ホウ素ナノチューブを溶融混練する方法等任意の方法を選定することができる。溶融混練時の樹脂温度としては、マレイミド系樹脂組成物の劣化を避けるべく300℃以下であることが好ましい。
一方、溶液を用いる場合の窒化ホウ素ナノチューブ含有樹脂溶液の製造方法としては、A)マレイミド系樹脂を溶解させることが可能な溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた分散液を調整し、マレイミド系樹脂を添加、溶解させてマレイミド系樹脂と窒化ホウ素ナノチューブからなる混合溶液を調整する方法、B)マレイミド系樹脂を溶解させることが可能な溶媒にマレイミド系樹脂を溶解した樹脂溶液に窒化ホウ素ナノチューブを添加して分散させる方法、C)マレイミド系樹脂を溶解させることができる溶媒にマレイミド系樹脂と窒化ホウ素ナノチューブを添加して調整する方法等が利用できる。本発明では何れかの方法を単独で用いるか、あるいは何れかの方法を組み合わせても良い。中でも、A)の窒化ホウ素ナノチューブ分散液にマレイミド系樹脂を添加、溶解させる方法が好ましい。
この際に例えば窒化ホウ素ナノチューブを溶媒中でビーズミル処理することや超音波処理を施す、強力なせん断処理を施すことにより窒化ホウ素ナノチューブの分散性を向上することができる。中でも、超音波処理を施す方法が好ましい。本発明においても窒化ホウ素ナノチューブ分散液にマレイミド系樹脂を添加して超音波処理等を施すことにより、窒化ホウ素ナノチューブの分散性が飛躍的に向上することを見出した。
本発明においてマレイミド系樹脂を溶解させることが可能な溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、スルホラン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフランなどが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、必要に応じて溶媒を選ぶことができる。
溶解性を損なわない範囲で、メタノール、エタノール、ブタノール、オルトクロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、クロロベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロトルエン、水といった溶媒が含まれていても差し支えない。
また、共役系高分子で被覆した窒化ホウ素ナノチューブを使用する場合は、共役系高分子を窒化ホウ素ナノチューブに被覆した後、共役系高分子で被覆された窒化ホウ素ナノチューブを上記のようにマレイミド系樹脂または該樹脂溶液に混合分散させることにより本発明の樹脂組成物を製造することができる。
窒化ホウ素ナノチューブを共役高分子で被覆する方法として特に限定はされないが、1)窒化ホウ素ナノチューブを溶融している共役高分子に添加して混合する無溶媒で行う方法2)窒化ホウ素ナノチューブと共役高分子を、共役高分子を溶解する溶媒中で分散混合する方法等が挙げられる。2)の方法においては窒化ホウ素ナノチューブを分散させる方法として超音波や各種攪拌方法を用いることができる。攪拌方法としては、ホモジナイザーのような高速攪拌やアトライター、ボールミル等の攪拌方法も使用することができる。
本発明のマレイミド系樹脂組成物とは、このようなマレイミド系樹脂を調整、窒化ホウ素ナノチューブと複合した後、任意の成型を行う前の塊状やペレット状などのいわゆる成型前ポリマーを意味する。このようなマレイミド系樹脂組成物は、調整した後に更に湿式、乾-湿式、あるいは乾式工程を経てフィルム状に成型、もしくは溶融成形を経てフィルム状に成形することができる。例えば、前述の窒化ホウ素ナノチューブ含有樹脂溶液を成形したのち、溶媒を除去することからなる成形体の製造方法を包含する。例えばフィルムの場合、ガラス、金属といった基板上にキャストして成形したのち、乾式製膜あるいは湿式製膜、乾式製膜と湿式製膜の併用によりフィルムを作製することが可能である。また溶融後に射出成型などにより任意の形状に加工することも可能である。これらの成型工程において、流動配向、せん断配向、又は延伸配向させる事によりマレイミド系樹脂および窒化ホウ素ナノチューブの配向を高め機械特性を向上させる事が出来る。
また本発明のマレイミド系樹脂組成物は、その成形物、物性を損なわない範囲で各種添加剤の使用が可能であり、例えば難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、核剤、滑剤、離型剤、発泡剤、架橋剤、着色剤、充填剤等の添加剤を加えても差し支えない。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
(1)強伸度測定
強伸度は、50mm×10mmのサンプルを用い、引張り速度5mm/分で行いオリエンテックUCT−1Tによって測定した。
(2)ガラス転移温度
ガラス転移温度は、TAインストルメント製TA2920を用いて窒素気流中、30〜300℃の範囲で昇温速度10℃/分にて測定し、セカンドスキャンのピーク値よりガラス転移温度を計算した。
(3)熱膨張係数
熱膨張係数は、TAインストルメント製TA2940を用いて空気中、30〜80℃の範囲で昇温速度10℃/分にて測定し、セカンドスキャンの値を熱膨張係数とした。
[参考例1 窒化ホウ素ナノチューブの製造]
窒化ホウ素製のるつぼに、1:1のモル比でホウ素と酸化マグネシウムを入れ、るつぼを高周波誘導加熱炉で1300℃に加熱した。ホウ素と酸化マグネシウムは反応し、気体状の酸化ホウ素(B)とマグネシウムの蒸気が生成した。この生成物をアルゴンガスにより反応室へ移送し、温度を1100℃に維持してアンモニアガスを導入した。酸化ホウ素とアンモニアが反応し、窒化ホウ素が生成した。1.55gの混合物を十分に加熱し、副生成物を蒸発させると、反応室の壁から310mgの白色の固体が得られた。続いて得られた白色固体を濃塩酸で洗浄、イオン交換水で中性になるまで洗浄後、60℃で減圧乾燥を行い窒化ホウ素ナノチューブ(以下、BNNTと略すことがある)を得た。得られたBNNTは、平均直径が27.6nm、平均長さが2460nmのチューブ状であった。
[参考例2 マレイミド共重合体の製造]
撹拌機、窒素導入管、モノマー導入管、温度計および脱気管の付いた3lオ−トクレ−ブに、N−フェニルマレイミド173重量部、N−メチルマレイミド111重量部、スチレン26重量部、アクリロニトリル13重量部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部、トルエン1000重量部を仕込み、窒素パ−ジを数回実施した後、液化イソブテン500重量部を仕込み、60℃で8時間重合を行った。反応内容物を過剰のメタノ−ルに注ぎポリマ−を析出させ、ろ過することによりポリマ−を分離した。ジクロロメタン/メタノ−ル系で再沈澱精製後、減圧下60℃で24時間乾燥した。収量は430gであった。得られたポリマ−の重量平均分子量は280000であり、NMR測定よりN−フェニルマレイミド単位22モル%、N−メチルマレイミド単位22モル%、イソブテン単位44モル%、スチレン6モル%およびアクリロニトリル6モル%からなる共重合体であった。
[実施例1]
参考例1で得られた窒化ホウ素ナノチューブ0.15重量部を100重量部のN−メチル−2−ピロリドンに添加して、超音波バスにて4時間処理を行い、窒化ホウ素ナノチューブ分散液を調整した。上記窒化ホウ素ナノチューブ分散液に参考例2で得られたマレイミド系共重合体0.15重量部を添加して超音波バスにて30分処理を行ったところ、飛躍的に窒化ホウ素ナノチューブの分散性が向上した。続いて更に14.85重量部の参考例2で得られたマレイミド系共重合体を添加して60℃でマレイミド系共重合体が完全に溶解するまで攪拌した。得られた窒化ホウ素ナノチューブ含有マレイミド系樹脂溶液をガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させた。続いて、乾燥したフィルムをイオン交換水中に投入しフィルムをガラス基板上より剥離し、1時間洗浄を行った。得られたフィルムを金枠に固定して30mmHgにて80℃で1時間、180℃で1時間減圧乾燥を実施した。フィルムの厚みは31μm、ガラス転移温度は172.2℃、熱膨張係数は64.9ppm/℃、及び引張弾性率は3.37Gpaであった。
[参考例2]
(共役系高分子で被覆した窒化ホウ素ナノチューブの作製)
参考例1で得られた窒化ホウ素ナノチューブ0.1重量部を100重量部のジクロロメタンに添加して超音波バスにて2時間処理を行い、窒化ホウ素ナノチューブ分散液を調整した。続いて0.1重量部のアルドリッチ製ポリ(m−フェニレンビニレン−co−2,5−ジオクトキシ−p−フェニレンビニレン)を添加して超音波処理を1時間実施した。得られた分散液をミリポア製オムニポアメンブレンフィルター0.1μでろ過し、大量のジクロロメタンで洗浄後、60℃減圧乾燥を2時間行うことで黄色の共役系高分子で被覆された窒化ホウ素ナノチューブを得た。窒化ホウ素ナノチューブ上に被覆された共役系高分子の量は窒化ホウ素ナノチューブに対して4.2重量%であった。
(窒化ホウ素ナノチューブ含有マレイミド系樹脂の作製)
上記で作製の共役系高分子で被覆された窒化ホウ素ナノチューブ0.18重量部を100重量部のN−メチル−2−ピロリドンに添加して、超音波バスにて2時間処理を行い、窒化ホウ素ナノチューブ分散液を調整した。続いて参考例2で得られたマレイミド系共重合体15重量部を添加して60℃で樹脂が完全に溶解するまで攪拌した。得られた窒化ホウ素ナノチューブ含有マレイミド系樹脂溶液をガラス基板上に200μmのドクターブレードを使用してキャストした後、80℃で1時間、130℃で1時間乾燥させた。続いて、乾燥したフィルムをイオン交換水中に投入しフィルムをガラス基板上より剥離し、1時間洗浄を行った。得られたフィルムを金枠に固定して30mmHgにて80℃で1時間、180℃で1時間にて減圧乾燥を実施した。フィルムの厚みは30μm、ガラス転移温度は173.1℃、熱膨張係数は63.5ppm/℃、及び引張弾性率は3.43Gpaであった。
[比較例1]
窒化ホウ素ナノチューブを含有しない以外は、実施例1と同様にマレイミド系樹脂のフィルムを作製した。フィルムの厚みは29μm、ガラス転移温度は170.6℃、熱膨張係数は75.3ppm/℃及び引張弾性率は3.20Gpaであった。

Claims (3)

  1. マレイミド系樹脂100重量部と、平均直径が0.4nm〜1μm、アスペクト比が5以上であり白色の窒化ホウ素ナノチューブ(官能基化され可溶性にされたものを除く)0.01〜100重量部とからなるマレイミド系樹脂組成物(マレイミド系樹脂が窒化ホウ素ナノチューブの中空部に充填されているものを除く)
  2. 請求項1に記載のマレイミド系樹脂組成物からなる成形体
  3. マレイミド系樹脂を溶解させることが可能な溶媒に窒化ホウ素ナノチューブを分散させた分散液を調製し、マレイミド系樹脂を添加、溶解させてマレイミド系樹脂と窒化ホウ素ナノチューブからなる混合溶液を調製し、これを基板上にキャストしてフィルム状に成形したのち、溶媒を除去することからなる請求項2に記載の成形体の製造方法
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