JP4935520B2 - ボールねじ用シール装置およびボールねじ - Google Patents
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Description
Δα=Δx/L*360 (式1)
したがって、例えばリードが5mmのボールねじにおいて、そのシール座面の軸方向位置が正規の位置に対して軸方向に0.1mmの加工誤差があった場合には、7.2(deg)の相対位相のずれが生じることになる。しかし、一般的にシール部材の軸方向位置をねじ溝の位相に対して0.1mm以上の高精度で管理することは、シール部材が柔らかいため、その当て止めの精度が悪く、軸方向位置の管理が困難である。そのため、例えば特許文献3に開示されているように、シール部材に空けた円弧状の穴と面板に設けた穴とを固定用のボルトで共締めする方法では、ナットの加工誤差によるシール部材の位相とねじ溝の位相との誤差を吸収することが難しく、シール部材のリップ部の片当たり等によるシール性の悪化を招く要因になる。
図1に示すように、このボールねじ1は、螺旋状のねじ溝2aを外周面に有するねじ軸2と、そのねじ軸2のねじ溝2aに対向する螺旋状のねじ溝3aを内周面に有するナット3と、両ねじ溝2a,3aによって形成される螺旋状のボール転動路6に転動自在に介装された複数のボール4と、を備えている。
図2に示すように、このボールねじ1のナット3には、その両端部にシール装置10が装着されている。このシール装置10は、シール部材12、面板16、およびその面板16をナット3の端部に固定するための複数の固定ボルト20を備えて構成されている。なお、同図左側のシール装置10については、各構成部品相互が分解された状態を示し、同図右側のシール装置10については、組み付けられた状態を示している。
このシール装置10をボールねじ1のナット3の端部に装着する際には、まず、ナット3にねじ軸2、ボール4およびリターンチューブ7を組み込んで、ボールねじ1が作動可能な状態とする。次いで、シール部材12のリップ部14を、ねじ軸2のねじ溝2aに倣わせて、ねじ軸2のねじ溝2aにシール部材12のリップ部14の位相を合わせて軸端から挿入し、ねじ軸2上でシール部材12をねじ溝2aに沿って回転させながらナット3の端面まで移動させる(図4(a)参照)。このとき、シール部材12は、ナット3の面板座面38よりも締め代Δβだけ突出することになる(図2(b)参照)。
次いで、ナット3の端部にその軸方向外側からシール部材12を覆うように面板16をねじ軸2に挿入する。このとき、面板16の挿入方向は、ナット3の端部との間でシール部材12を挟持する部分が、プレスによるかえり側16kの面をシール部材12に対向する押圧面16mとなる向きにしてナット3の端部に装着する。
上述のように、このボールねじ1は、そのナット3の両端に、シール装置10を備えており、このシール装置10によれば、面板16は、ナット3の端部にその軸方向外側からシール部材12を覆うように装着されて、ナット3の端部に対向する面16mを、その円環状の面16mの外周部をナット3に直接当接させつつ、その円環状の面16mの内周部とナット3の端部との間でシール部材12を挟持して、シール部材12の軸方向、周方向および径方向への移動を同時に拘束するようになっているので、シール部材12に、固定用の穴等の自身の周方向での位置(位相)を限定する形状を設けることなく、シール部材12を固定することができる。したがって、シール部材12をナット3に固定する際に、シール部材12の周方向の位置を任意に決めることができる。そのため、シール装置10の組み立て効率が格段に向上する。そして、このシール部材12の周方向の位置は、ねじ溝2aの位置に合わせて位相を調整することができる。そのため、片当たり等によるシール部材12の損傷やシール性の低下を防止することができる。
さらに、4本の固定ボルト20を用いて面板16をナット3の面板座面38に仮固定しても、シール部材12自体には自身の周方向への移動が拘束される形状がないので、周方向に回転可能である。そのため、この仮固定の状態での位相の微調整作業が容易にできる。
例えば、上記実施形態では、シール部材12は、ねじ軸2のねじ溝2a1リードを超える厚型のものを例に説明したが、これに限定されず、ナット3内に内蔵できて、面板等の固定部材で軸方向から挟持可能であればその形状が限定されるものではない。
この第一の変形例は、上記実施形態に対してシール部材の厚さ、およびシール装着段部が浅く形成されている点が異なっている。つまり、この第一の変形例でのシール部材12Bは、同図に示すように、薄型のシールであって、そのリップ部14Bの形状がねじ軸2の横断面に近似するとともに、その軸方向の厚さがねじ軸2の1リード以下に形成されている。そして、シール装着段部32Bについても、シール部材12Bの厚さが薄く形成されている分に応じた深さだけ浅く形成され、締め代Δβが上記実施形態同様に確保されている。
なお、面板16に調整用長孔16tを設けない場合において、上記シール装置10の装着方法でのシール部材12の位相調整を行う場合は、面板16の内径よりも径方向内側に出っ張っているシール部材12のリップ部14を直に周方向に動かすことで、シール部材12の周方向の位置を、ねじ軸2に対して理想の位置になるように微調整し、片当たりや巻き込み等を解消することができる。しかし、面板16の内径よりも径方向内側に出っ張っている部分を用いるこの微調整方法は、調整用長孔16tを用いる場合に比べて、作業性の点において劣るため、より効率良く組み付け作業を行う上では、面板16にシール部材12の位相調整用の調整用長孔16tを設けることは好ましい。
ここで、面板の具体的な変形例を図6〜図8に示す。
図6に示す第二の変形例の面板16Cは、シール部材12に対向する押圧面16mのうち、当該面板16Cがシール部材12に接触する部分に、ローレット(綾目)加工16eを施している点が上記実施形態とは異なっている。なお、この例では、位相調整用の調整用長孔16tが形成されていない。
さらに、図8に示す第四の変形例の面板16Fは、当該面板16Fがシール部材12に接触する部分に、シール部材12に対向する押圧面16mの側に凸となるように、円形状のエンボス16rを、周方向に等間隔に複数(この例では8箇所)加工している点が上記実施形態とは異なっている。なお、この例も、位相調整用の調整用長孔16tは形成していない。
例えば、図9に示す第五の変形例の面板16Eでは、上記実施形態に対して、同図左右の二つの装着孔16aが、反時計方向にθ(例えばθ=15°)だけずれた位置に設けられている点が異なっている。
2 ねじ軸
2a ねじ溝
3 ナット
3a ねじ溝
4 ボール
6 ボール転動路
7 リターンチューブ
8 平坦面
9 貫通孔
10 シール装置
12 シール部材
14 リップ部
16 面板(固定部材)
20 固定ボルト
32 シール装着段部
34 シール座面
36 面板装着段部
38 面板座面
40 タップ穴
Claims (5)
- 螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、そのねじ軸のねじ溝と対向する螺旋状のねじ溝を内周面に有するナットと、これらねじ軸およびナットのねじ溝同士の間に転動自在に介装される複数の転動体と、を備えるボールねじに用いられ、前記ナット端部に設けられて、前記ねじ軸の外周面に摺接するリップ部を有する円環状のシール部材と、そのシール部材を前記ナット端部に固定するための円環状の固定部材と、を備えてなるシール装置であって、
前記固定部材は、複数の固定ボルトで前記ナット端部に装着可能なように前記固定部材の径方向中央よりも外径側寄りに貫通形成された複数の装着孔と、該複数の装着孔よりも前記固定部材の径方向の内側寄りの位置に長孔状に貫通形成されるとともに、その長孔の長軸の向きが前記固定部材の周方向に沿って形成された調整用長孔とを有し、
前記ナット端部にその軸方向外側から前記シール部材を覆うように装着されて、前記ナット端部に対向する円環状の面の外周部を前記ナット側の面に直接当接させつつ、前記ナット端部に対向する円環状の面の内周部と前記ナット端部との間で前記シール部材を挟持して、前記シール部材の軸方向、周方向および径方向への移動を同時に拘束するようになっていることを特徴とするボールねじ用シール装置。 - 前記複数の装着孔が、前記円環状の固定部材の周方向に不等配に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ用シール装置。
- 前記固定部材は、前記ナット端部との間で前記シール部材を挟持する部分が、凹凸のある面になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のボールねじ用シール装置。
- 前記シール部材は、そのリップ部の形状が前記ねじ軸の横断面に近似するとともに、その軸方向の厚さが前記ねじ軸の1リード以下となる厚さに形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のボールねじ用シール装置。
- 螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、そのねじ軸のねじ溝と対向する螺旋状のねじ溝を内周面に有するナットと、前記ねじ軸のねじ溝と前記ナットのねじ溝との間に転動自在に介装される複数の転動体と、前記ナット端部に設けられて前記ねじ軸の外周面に摺接するリップ部を有する円環状のシール部材およびそのシール部材を前記ナット端部に固定する円環状の固定部材を有するシール装置と、を備えるボールねじであって、
前記シール装置として、請求項1〜4のいずれか一項に記載のボールねじ用シール装置が装着されていることを特徴とするボールねじ。
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JP2007154928A JP4935520B2 (ja) | 2007-06-12 | 2007-06-12 | ボールねじ用シール装置およびボールねじ |
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- 2007-06-12 JP JP2007154928A patent/JP4935520B2/ja active Active
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