JP4929218B2 - 熱転写方式を用いた画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続プリント適性に優れ、画像欠損が発生しにくい熱転写方式を用いた画像形成方法に関するものである。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作成できるプロセスとして注目されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。更に近年のプリント高速化の流れを受け、一枚頭出しプリント時間が短いという利点を有しつつある。
この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
この方式で発色性向上の観点から、種々の色素を使用することが提案(例えば特許文献1〜4参照)されている。しかしながら、カラープリント材料として長い歴史を持つ銀塩写真に比較すると、得られた画像の連続処理における画像欠損発生率が高い問題がある。特に大量連続処理を行っていくにつれて、リボンに皺が発生して転写不良の問題を起こしたり、ブロッキング、スティキングを生じてプリント不良率を上げてしまい、結果として採算性に影響を及ぼすことになる。また採算性向上の観点から、近年、プリンター処理速度が向上する傾向にあり、最良として通過適性を有することが重要になってきている。このような背景をもとに、スティッキングを良化する目的でインクシートバック面を変更する検討が行われている(特許文献5)。しかし、高速プリンターを用いることで更に悪化傾向にあるにも関わらず、具体的解決手段は未だ見い出されていない。ブロッキングについても高速化で悪化するが、材料での解決手段は見い出されていない。
熱で色素を転写するこの方式において、発色効率向上の観点からガラス転移温度(Tg)を制御する方法が提案されている(特許文献6,7)。プリンター、特に高速条件下における通過適性(スティッキング、ブロッキング、リボンシワ発生による転写異常)を議論する上において、インクシート熱転写層のTgを受像シートとの間で調節することは、転写中のインクシートと受像シート間搬送性を制御する意味で重要な因子となる。更に、本方式において、イエロー、マゼンタ、シアン等、面順位で搬送してプリントすることが通常となっているにもかかわらず、各色におけるTg値バランスについて具体的解決手段を示した知見は存在しない。更に、主成分として、色素・バインダーから構成される発色インキに関して、色素とバインダーの相互作用が大きく、単純な加成性が成り立たない系にあるにもかかわらず、熱転写層全体のTgについての具体的調節手段を示した解決手段を見い出すには至っていない。
特開平7−232482号公報 特開平5−221161号公報 特開平4−357088号公報 特開昭62−55194号公報 特開平8−207461号公報 特公平7−29504号公報 特開2005−119280号公報 「情報記録(ハードコピー)とその材料の新展開」,(株)東レリサーチセンター発行,1993年,p.241−285 「プリンター材料の開発」,(株)シーエムシー発行,1995年,p.180
本発明は、上記課題を鑑みなされたものであり、連続プリント適性に優れ、画像欠損が発生しにくい熱転写方式を用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記課題は下記の手段により達成された。
(1)支持体上に少なくとも1層の染料受容層を有し、かつ前記染料受容層と支持体の間に中空ポリマー粒子と親水性ポリマーを含有する少なくとも1層の断熱層を有する感熱転写受像シートに、感熱転写シートの支持体上に少なくとも1つのイエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、および/またはシアン熱転写層を有し、少なくとも前記3種の熱転写層に含まれる熱転写性色素を順次に前記染料受容層に転写する熱転写方式を用いた画像形成方法において、前記3種の熱転写層のガラス転移点(Tg−A)が、面順次に低下することを特徴とする画像形成方法。
(2)前記感熱転写シートにおいて、1つの支持体上にイエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、シアン熱転写層が面順次に形成されていることを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(3)前記色素を含有する感熱転写シートを熱転写する際、サーマルヘッド温度の最高到達温度(Tm)が180℃以上450℃以下となるプリンターを用いることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成方法。
(4)画像形成時のライン速度が0.8m秒/line以下であるプリンターを使用することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(5)前記感熱転写受像シートにおいて、断熱層に含まれる親水性ポリマーの少なくとも1種がゼラチンであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(6)該感熱転写シートの熱転写層と該感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(7)該感熱転写シートの熱転写層と該感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成した後、同じサーマルヘッドを用いて、保護層を形成することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(8)支持体上に少なくとも1つのイエロー熱転写層、少なくとも1つのマゼンタ熱転写層、および少なくとも1つのシアン熱転写層を有し、イエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、シアン熱転写層の順でガラス転移点(Tg−A)が低下することを特徴とする感熱転写シート。
(9)イエロー熱転写層のガラス転移点が50℃以上85℃以下であり、マゼンタ熱転写層のガラス転移点が46℃以上80℃以下であり、シアン熱転写層のガラス転移点が45℃以上75℃以下であることを特徴とする、(8)に記載の感熱転写シート。
(10)イエロー熱転写層とマゼンタ熱転写層とのガラス転移点の差、およびマゼンタ熱転写層とシアン熱転写層とのガラス転移点の差が、それぞれ1℃以上であることを特徴とする、(8)または(9)に記載の感熱転写シート。
本発明により、連続プリント適性に優れ、画像欠損が発生しにくい熱転写方式を用いた画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1)感熱転写シート
次に、本発明に用いられる感熱転写シート(インクシート)について説明する。
熱転写画像形成の際に、感熱転写受像シートと併せて使用されるインクシートは、支持体上に拡散転写染料を含む熱転写層(以下、染料層ともいう)を、染料インキを調製して設けたものである。
以下に、本発明の熱転写層について、説明する。
(熱転写層)
熱転写層は、少なくとも昇華性染料と、バインダー樹脂を含有するものであるが、必要に応じて、有機微粉末もしくは無機微粉末、ワックス類、シリコーン樹脂、含フッ素有機化合物等を含有することも本発明の好ましい態様である。
本発明に用いられる染料は、熱により拡散及び/又は昇華型感熱転写シートに組み込み可能かつ、加熱により昇華型感熱転写シートから感熱転写受像シートに転写するものであれば特に限定されず、感熱転写シート用の染料として従来から用いられてきている染料、あるいは公知の染料を有効に用いることができる。
好ましい染料としては、たとえば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等が挙げられる。
具体例を挙げると、イエロー染料としては、ディスパースイエロー231、ディスパースイエロー201、ソルベントイエロー93等が、マゼンタ染料としては、ディスパースバイオレット26、ディスパースレッド60、ソルベントレッド19等が、さらに、シアン染料としては、ソルベントブルー63、ソルベントブルー36、ディスパースブルー354、ディスパースブルー35等が挙げられる。これらの例示された染料以外の適切な染料を用いることも、もちろん可能である。
また、上記の各色相の染料を任意に組み合わせることも可能である。例えばブラックの色相も染料の組み合わせで得ることができる。
以下に、本発明に好適に用いることのできる染料についてさらに詳しく説明する。
本発明に用いられるインクシートの熱転写層には、イエロー染料として、通常の染料を用いることが可能であるが、その中でも、下記一般式(Y1)〜(Y4)のいずれかで表される少なくとも1種の染料を含むことが好ましい。ただし、本発明に用いられるイエロー染料はこれらに限定されるものではない。
まず、一般式(Y1)で表される染料について説明する。
Figure 0004929218
一般式(Y1)において、Ar1、R12およびR14は1価の置換基を表し、R11およびR13は水素原子または1価の置換基を表す。ここで表す置換基に関しては特に制限はないが、代表例として、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基およびヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基を有していてもよい。
一般式(Y1)において、R13とR14は環を形成しても良い。環を形成する原子団に関しては特に制限はないが、代表例として、−C(R15)=N−、−N=C(R15)−、−C(=O)−C(R15)=C(R16)−及び−C(=O)−N(R15)−C(=O)−で表される原子団を挙げることができる。ここで、R15及びR16は各々独立に水素原子または置換基を表す。置換基の例としては、R11、R12、R13およびR14の置換基として記載した例が挙げられる。
12は、好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルコキシカルボニル基、シアノ基またはカルボモイル基であり、R14は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基である。R11、R13は、好ましくは水素原子またはアルキル基である。上記の各基はさらに置換基を有していてもよい。
一般式(Y1)において、Ar1として好ましいのはアリール基〔置換基によって置換されていてもよく、その置換基としては、R11、R12、R13およびR14の置換基として記載した例の他、アルキルオキシカルボニル基、スルホニル基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる〕である。また、ヘテロ環基も好ましい。好ましいヘテロ環基としては、イミダゾリル基、ピリジル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、キノリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ピリドイソチアゾリル基、チアジアゾリル基等が挙げられる。
一般式(Y1)で表されるアゾ染料の最大吸収波長として好ましい範囲は、好ましくは400〜480nmであり、より好ましくは420〜460nmである。
以下に、一般式(Y1)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
一般式(Y1)で表される染料については通常の方法にて合成することができる。
次に一般式(Y2)で表される染料について説明する。
Figure 0004929218
一般式(Y2)中、RAは置換基を表し、該置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、スルホンアミド基、アリールオキシ基またはアリールチオ基が好ましく、より好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基またはヒドロキシル基である。xは0〜6の整数を表す。xは0〜3が好ましく、より好ましくは1〜2である。RBおよびRCは各々独立にアシル基、アルコキシカルボニル基またはカルバモイル基を表す。
上記の各基のうち、部分構造として、アルキル部分、アリール部分もしくはヘテロ環部分を有する基はさらに置換基を有してもよい。これらの置換基としては、後述の一般式(Y3)における環A、R1、R2が有してもよい置換基が挙げられる。
以下に、一般式(Y2)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
次に一般式(Y3)で表される染料について説明する。
Figure 0004929218
一般式(Y3)中、R1Aはアリル基またはアルキル基を表し、R2Aは置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基またはアシル基を表し、Aは−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2O−、−CH2CH2OCH2−、−CH2CH2OCH2CH2−を表し、R3Aは水素原子またはアルキル基を表す。これらの各基はさらに置換基(例えばシクロアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基)を有してもよい。
以下に、一般式(Y3)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
次に一般式(Y4)で表される染料について説明する。
Figure 0004929218
一般式(Y4)中、R1B〜R4Bは各々独立に、水素原子または置換基を表す。ここで表される置換基としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアルキルアミノ基が挙げられる。
以下に、一般式(Y4)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
一般式(Y2)、(Y3)又は(Y4)のいずれかで表される染料については通常の方法にて合成することができる。
本発明に用いられるインクシートの熱転写層には、マゼンタ染料として、通常の染料を用いることが可能であるが、その中でも、下記一般式(M1)〜(M4)のいずれかで表される少なくとも1種の染料を好適に用いることができる。ただし、本発明に用いられるマゼンタ染料は、これらに限定されるものではない。
まず、一般式(M1)で表される染料について説明する。
Figure 0004929218
一般式(M1)において、D1〜D5は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基またはアミノ基を表し、D6およびD7は各々独立に水素原子、アルキル基、アルキルシアノ基またはアリール基を表す。D6とD7が互いに結合して環を形成していてもよく、D3とD6または/およびD5とD7が互いに結合して環を形成していてもよい。X、YおよびZは=C(D8)−または窒素原子を表す。ここで、D8は水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基を表す。また、XとYが=C(D8)−のとき、またはYとZが=C(D8)−のとき、2つのD8は互いに結合して飽和ないし不飽和炭素環を形成してもよい。これらの各基はさらに置換基を有していてもよい。
一般式(M1)で表される染料の中では、下記一般式(M1B)で表される染料が好ましい。
Figure 0004929218
一般式(M1B)において、D19〜D23は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基またはアミノ基を表し、D24およびD25は各々独立に水素原子、アルキル基、アルキルシアノ基またはアリール基を表す。D24とD25が互いに結合して環を形成していてもよく、D21とD24または/およびD23とD25が互いに結合して環を形成していてもよい。D26は水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基を表す。これら上記の各基はさらに置換基を有してもよい。
以下に、一般式(M1)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
次に一般式(M2)で表される染料について詳しく説明する。
Figure 0004929218
一般式(M2)において、Aは、ヘテロ環がイミダゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾールまたはチオフェンから選択される、置換基を有してもよいヘテロ環基を表す。好ましくはイミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基またはチエニル基であり、中でもイミダゾリル基が好ましい。これらの各基は置換基を有していてもよい。
Aにおけるヘテロ環基が置換してもよい置換基としては、シアノ基、チオシアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ホルミル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基が挙げられ、なかでもシアノ基、チオシアノ基、シアノメチル基、ニトロ基、アルキル基が好ましい置換基として挙げられる。
Eは置換基を有してもよいアミノフェニル基、テトラヒドロキノリニル基、ユロリジル基またはアミノキノリニル基を表す。ここでアミノフェニル基、アミノキノリニル基におけるアミノとは、アミノ基、置換アミノ基を含むものであり、該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アミド基、ヘテロ環基が挙げられる。Eは、好ましくは、アルキル基、アミド基で置換されたアミノフェニル基である。
以下に、一般式(M2)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
次に一般式(M3)または一般式(M4)で表される染料ついて詳しく説明する。
Figure 0004929218
Figure 0004929218
一般式(M3)において、R71およびR73は各々独立に水素原子または置換基を表し、R72およびR74は各々独立に置換基を表す。n11は0〜4の整数を表す。n12は0〜2の整数を表す。ここで、n11が2〜4の整数を表すとき又はn12が2を表すとき、複数のR74又は複数のR72は各々同じでも異なっていてもよい。R71〜R74における置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基(環数は問わない)を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基(環数は問わない)を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基を有していても良い。
71、R73の例としては、水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基があげられ、好ましくは水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子である。
72、R74の例としては、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基であり、より好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基である。各基は置換基を有していてもよい。
一般式(M4)において、R81は水素原子または置換基を表す。R82、R84は各々独立に置換基を表す。n13は0〜4の整数を表し、n14は0〜2の整数を表す。ここで、n13が2〜4の整数を表すとき又はn14が2を表すとき、複数のR84又は複数のR82は各々同じでも異なっていてもよい。R81、R82、R84における置換基としては、前述したR71〜R74で説明したものが挙げられる。
81の例としては、R71、R73で述べたような置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。より好ましくは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子である。
82、R84の例としては、R72、R74で述べたような置換基が挙げられる。好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基であり、より好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基である。各基は置換基を有していてもよい。
一般式(M3)または一般式(M4)で表される染料の好ましい置換基の組み合わせについては種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
具体的に一般式(M3)における置換基の好ましい組み合わせの例は、R71が水素原子、R72がアリールオキシ基、R73が水素原子、n11が0、n12が0〜2の整数である組み合わせである。より好ましい組み合わせは、R71が水素原子、R72がアリールオキシ基、R73が水素原子、n11が0、n12が2である組み合わせである。
具体的に一般式(M4)における置換基の好ましい組み合わせ例は、R81が水素原子、かつR82がアリールオキシ基、n13が1または2、n14が0である組み合わせである。より好ましい組み合わせは、R81が水素原子、かつR82がアリールオキシ基、n13が1、n14が0である組み合わせである。さらに好ましい組み合わせは、R81が水素原子、かつR82がアリールオキシ基、n13が1、n14が0であり、R82がアミノ基に対してo−位に置換された組み合わせである。
以下に、一般式(M3)または一般式(M4)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
一般式(M1)〜(M4)のいずれかで表される染料については通常の方法にて合成することができる。
本発明に用いられるインクシートの熱転写層には、シアン染料として、通常の染料を用いることが可能であるが、その中でも、下記一般式(C1)または(C2)で表される染料を好適に用いることができる。ただし、本発明に用いられるシアン染料は、これらの染料に限定されるものではない。
まず、一般式(C1)で表される染料について説明する。
Figure 0004929218
一般式(C1)中、R111およびR113は各々独立に水素原子または置換基を表す。R112およびR114は各々独立に置換基を表す。n18は、0〜4の整数を表し、n19は、0〜2の整数を表す。ここで、n18が2〜4の整数を表すとき又はn19が2を表すとき、複数のR114又は複数のR112は各々同じでも異なっていてもよい。R111〜R114における置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ホルミルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基等が挙げられる。
111、R113の例としては水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基が挙げられる。より好ましくは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基である。
112、R114の例としては、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基であり、より好ましくは置換または無置換のアルキル基である。
以下に、一般式(C1)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
前記一般式(C1)で表される染料のうち、市販されていないものに関しては、米国特許第4,757,046号、同第3,770,370号、独国特許第2316755号、特開2004−51873号、特開平7−137455号、特開昭61−31292号の各公報もしくは明細書、ならびに、J.Chem.Soc.Perkin transfer I,2047(1977)、Champan著,「Merocyanine Dye−Doner Element Used in thermal Dye Transfer」に記載の方法に準じて合成することができる。
次に一般式(C2)で表される染料について詳細に説明する。
Figure 0004929218
一般式(C2)において、D14〜D21は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アシル基またはアミノ基を表し、D22およびD23は各々独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。D22とD23が互いに結合して環を形成していてもよく、D19とD22または/およびD20とD23が互いに結合して環を形成していてもよい。
14は、アシルアミノ基、ウレイド基およびアルコキシカルボニル基が好ましく、アシルアミノ基およびウレイド基がより好ましく、アシルアミノ基がさらに好ましく、最も好ましくは下記一般式(IV)で表される基である。
一般式(IV)
−NH−C(=O)−D24
式中、D24は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチルなど)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10、例えばフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、ナフチル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニルなど)またはヘテロ環基(好ましくは炭素数0〜10で、酸素原子、窒素原子または硫黄原子のいずれかを環構成原子として含む5〜8員環のヘテロ環基で、例えばピリジル、フリル、テトラヒドロフリルなど)を表し、好ましくはヘテロ環基、アルキル基であり、さらに好ましくはピリジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基またはメチル基である。
15、D16、D18〜D21は、好ましくは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチルなど)である。より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基である。D17は、好ましくは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチルなど)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基である。より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子である。D16とD17は互いに結合して環を形成してもよい。D22、D23は、好ましくは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチルなど)であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基である。これらのアルキル基は更に他の置換基により置換されていても良い。アルキル基が置換されている場合、好ましい置換基は、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、スルフィニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基であり、より好ましくはカルバモイル基である。D22、D23は、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基である。
以下に、一般式(C2)で表される化合物の好ましい具体例を示す。ただし本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004929218
一般式(C2)で表される染料については通常の方法にて合成することができる。
前記のような染料を担持するために染料インキに含有されるバインダー樹脂としては、各種のものが公知であり、本発明ではこれらを使用することができる。例としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられ、いずれも好適に用いることができる。これらを単独で用いる他、これらを混合、またはポリマーの場合各構成モノマー共重合して用いることも可能である。各種架橋剤によって架橋することも好ましい態様である。
なかでも、変性セルロース系樹脂、ビニル系樹脂が好ましく用いられ、プロピオン酸変性セルロース類、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールをより好ましく用いることができる。
前記の昇華性染料、バインダー樹脂を溶媒に溶解または分散させて、染料インキを調製するが、この際に用いる溶媒としても、各種公知のものを使用することができる。例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤。メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤。トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、水が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても混合して用いてもよい。
熱転写層には、染料およびバインダー以外に、保存性、プリンター内走行性、印画後の剥離性等、各種性能の改良を目的として、各種の添加剤を加えることができる。これら添加剤の代表的なものとして、有機または無機の微粒子、ワックス類が好ましく用いられる。
有機微粒子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂等のポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、スチレン・アクリル系架橋樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の微粒子を好適に用いることができ、ポリエチレン微粒子がより好ましく用いられる。また、無機微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、酸化チタン、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の微粒子を好ましく用いることができる。
この有機または無機の微粒子は、熱転写層のバインダー樹脂に対して、0.5〜5質量%の範囲で含有されていることが好ましい。
前述の昇華性染料、バインダー樹脂及び有機または無機の微粒子に加えて、熱転写層にワックスを含有させるのも好ましい態様である。使用するワックスとしては、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の石油由来ワックス。モンタンワックス等の鉱物由来ワックス。カルナバワックス、木ロウ、キャンデリラワックス等の植物由来ワックス。ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物由来ワックス。フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーンワックス等の合成ワックス類や一部変性ワックスが好ましく用いられる。
また、別の好ましい態様としてシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等の樹脂類を含有させることが挙げられる。このようなワックスや樹脂類は、熱転写層中に熱転写層として形成された状態の全固形分に対し、0.1〜10質量%、好ましくは1〜3質量%の範囲で含有させることができる。
次に、本発明の感熱転写シートの構成について説明する。
本発明の感熱転写シートは、支持体の一方の面に、少なくとも1色以上の熱転写層を設けた感熱転写シートであって、該熱転写層が前記の熱転写層塗布液を塗布することによって形成されたものである。
(支持体)
支持体は、必要とされる耐熱性と強度を有するものであれば、従来公知のいずれのものでも使用することができる。例として、グラシン紙、コンデンサー紙、パフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル類、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが好ましい支持体の具体例として挙げられる。ポリエステルフィルムはこれらの中でも特に好ましく、延伸処理されたポリエステルフィルムが最も好ましい。この支持体の厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択されるが、1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。より好ましくは2〜50μm程度のものであり,さらに好ましくは3〜10μm程度のものが用いられる。
昇華型の感熱転写記録方式では、印画時に感熱転写シートに含まれる各色相の染料のみを転写させる必要があり、染料を担持する樹脂の転写は好ましくない。このためには感熱転写シートの熱転写層と支持体との接着が強固でなくてはならない。この接着が弱いと染料層自体が感熱転写受像シートに付着して、印画の画質が損なわれる。
しかしながら、好適な支持体の例として前述したポリエステルフィルム等の場合には、後述する各色相のインクのぬれ性が良好とは言えず、接着力が不足する場合がある。
これに対処するために、支持体表面を物理的な手段で処理する方法および/または、易接着層を形成する方法が好ましく用いられる。
支持体上に樹脂からなる易接着層を形成し、その上に熱転写層を設けるのが好ましい。易接着層を形成するため、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオール樹脂、アクリル樹脂およびこれらの樹脂とイソシアネート類との反応物等を使用することができる。イソシアネート類としては、従来から使用されているジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物等が挙げられる。塗布量は、0.05〜0.1g/m2が好ましい。
感熱転写シートの作製にあたっては、あらかじめ易接着層が設けられた支持体を使用して、その上に染料層を形成することも可能である。
(熱転写層塗設方法)
本発明の熱転写層は、熱転写層の塗布液(インキ)をグラビア印刷法あるいはその他の形成手段によって支持体上に塗布し、乾燥して、形成される。染料層インキは、昇華性染料、バインダー樹脂、その他必要に応じて、有機または無機の微粒子、ワックス等の添加剤を適当な溶媒中にを加えて溶解又は分散させたものである。
熱転写層の厚みは、乾燥状態で0.2〜5g/m2程度が好ましく、さらに好ましくは0.4〜2g/m2程度である。熱転写層中の昇華性染料の含有量は5〜90質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜70質量%程度である。
次に図面を参照して本発明の感熱転写シートを詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の感熱転写シートは少なくとも1色以上の熱転写層を設けるものであり、図1(a)に示すように同一の支持体上にイエロー熱転写層Y、マゼンタ熱転写層M、シアン熱転写層Cの各色相の熱転写層を面順次で設けるのが好ましい。また、図1(b)のようにブラック層BKを更に設けても良い。さらに、図1(c)に示すように、Y、M、C、BKで構成されるインク層3の間に後述の転写性保護層積層体4を設けても良い。本発明における各色相の熱転写層の配置はこれらに限定されるものではなく、必要に応じて任意の配置とすることができるが、イエロー、マゼンタ、シアンの順に面順次であることが好ましい。
また、感熱転写シートと感熱転写受像シートとの剥離性等が印画の順序によって変化するため、これに応じて各熱転写層によって添加剤の含有量を変えることも好ましい態様である。例えば、後で印画される熱転写層ほど離型剤の含有量を増すことも可能である。
図2は本発明の感熱転写シートの一例を示す平面図である。同一の支持体上に各色相の層を設ける代わりに、図2(d)〜図2(g)に示すように、イエロー熱転写層Y、マゼンタ熱転写層M、シアン熱転写層C、ブラック層BKの各色相の熱転写層を別々の支持体上に形成することも可能である。
本発明の感熱転写シートでは、熱転写層(染料層)及び保護層は単層構造であっても良く、2層構造あるいは3層以上の複層構造のいずれであっても良い。また、各色相の熱転写層の中に単層構造のものと複層構造のものとが混在していてもよい。図3に示す構成はそのような場合の一例である。イエロー染料層Y、マゼンタ染料層M、シアン染料層Cが単層構造となっている。
複層構造の熱転写層全体の厚みは0.2〜5g/m2程度が好ましく、0.4〜2g/m2程度がさらに好ましい。熱転写層を構成する1層の厚みは0.2〜2g/m2程度が好ましい。また、熱転写層全体に含有される昇華性染料は5〜90質量%が好ましく、より好ましくは10〜70質量%程度である。
(転写性保護層積層体)
本発明では、感熱転写シートに転写性保護層積層体を設けるのも好ましい態様である。転写性保護層積層体は、熱転写された画像の上に透明樹脂からなる保護層を熱転写で形成し、画像を覆い保護するためのものであり、耐擦過性、耐光性、耐候性等の耐久性を向上させるために用いられる。受像シート上に転写された染料が表面に曝されたままの状態では耐光性、耐擦過性、耐薬品性等の画像耐久性が不十分な場合があり、このような透明保護層を設けることが好ましい。図3に例示するように、本発明の感熱転写シート1の好ましい態様として、支持体(基材)2の一方の面に裏面層5を形成し、支持体2の他方の面において、イエロー熱転写層Y、マゼンタ熱転写層M及びシアン熱転写層Cで構成されるインク層3の間に、支持体側から離型層4a、保護層4b、接着剤層4cの順に構成される転写性保護層積層体を形成することができる。保護層4bを複数の層で形成することも可能である。保護層4bが他の層の機能を兼ね備えている場合には、離型層4a、接着剤層4cを省くことも可能である。支持体としては、易接着層の設けられたものを用いることも可能である。
保護層を形成する樹脂としては、耐擦過性、耐薬品性、透明性、硬度に優れた樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これら各樹脂のシリコーン変性樹脂、これら各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例として挙げることができる。この他にも、保護層形成用樹脂として従来から知られている各種の樹脂を用いることができる。また、紫外線吸収性の付与、転写時の膜切れ性、光沢、白色度向上等を目的として、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、有機フィラー及び/又は無機フィラー等を必要に応じて適宜添加することも好ましい。
本発明に用いることができるアクリル樹脂としては、従来公知のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマーの中から選ばれた少なくとも1つ以上のモノマーからなる重合体が好ましく、アクリル系モノマー以外にスチレン、アクリロニトリル等を共重合させても良い。好ましいモノマーとしては、メチルメタクリレートで、仕込み質量比で50質量%以上含有していることが好ましい。
本発明に用いることができるポリエステル樹脂としては、従来公知の飽和ポリエステル樹脂が使用でき、本発明で使用するポリエステル樹脂の酸成分としては、例えば、芳香族としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、ヘキサハイドロイソフタル酸、ヘキサハイドロテレフタル酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸等であり、これらの化合物はメチルエステル化されていても構わないし、それらの酸無水物であってもよい。
更に、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、ヒドロキシピバリン酸、γ−ブチリラクトン、ε−カプロラクトン、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等を必要に応じて、併用することが出来る。また、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸等のトリ及びテトラカルボン酸等の3官能以上のポリカルボン酸を全カルボン酸成分に対して10モル%以下であれば、使用することが出来る。特に芳香族ジカルボン酸の一部をスルホン酸或いはその塩で置換された酸成分を、1個以上1分子鎖中に含む構成が好ましく、これらのスルホン酸置換(又はその塩の基)量の上限としては、有機溶剤に可溶な範囲内で共重合されているほうが、他の有機溶剤可溶な添加剤や樹脂と混合して使用できるという点で更に好ましい。これらのスルホン酸置換(又はその塩の基)を含有する好ましい芳香族ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸等、またそれらの、アンモニウム塩、及びそのリチウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、銅、鉄等の金属塩、が挙げられる。特に好ましいものは5−ナトリウムスルホイソフタル酸である。
本発明で使用することができるポリエステルの他の原料であるポリオール成分としては、エチレングルコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールヘプタン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが挙げられる。ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド付加物、ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド付加物も必要により使用しうる。
芳香族含有グリコールとしては、パラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物等の、ビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類が例示される。脂環族ジオール成分としては、例えば、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメチロール、トリシクロデカンジメタノール(TCD−M)、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジジメタノール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。上記ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度は50〜120℃が好ましく、又、分子量は2,000〜40,000の範囲が好ましく、更に4,000〜20,000の範囲が保護層転写時に箔切れ性が良くなり、より好ましい。
電離放射線硬化性樹脂を用いることにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れた保護層を得ることができる。具体例として、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させるものがある。このさい、必要に応じて光重合開始剤を添加して電子線や紫外線によって重合架橋させても良い。その他、公知の電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
印画物に耐光性を付与するために、紫外線吸収剤あるいは/及び紫外線遮断性樹脂を含有する保護層も好ましい態様である。
これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように、系の異なるものを組み合わせて使用したり、非反応性紫外線吸収剤は紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
有機フィラー及び/又は無機フィラーとしては、ポリエチレンワックス、ビスアマイド、ナイロン、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、マイクロシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子等を例示することができる。本発明の感熱転写シートでは、これらに限定されることなく公知のものを好適に使用することができる。
有機フィラー及び/又は無機フィラーは、粒径が10μm以下、好ましくは0.1〜3μmの範囲であって、滑り性が良好であって透明性の高いものが好ましい。フィラーの添加量は、転写した時に透明性が保たれる程度が好ましく、樹脂100質量部に対して、0〜100質量部の範囲が好ましい。
保護層は、保護層形成用樹脂の種類に依存するが、前記染料層の形成方法と同様の、方法で形成され、0.5〜10μm程度の厚さが好ましい。
(離型層)
保護層が転写時に支持体から剥離しにくい場合には、離型層4aを支持体と保護層との間に形成するのも好ましい態様である。離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂等のような離型性に優れた材料、或はサーマルヘッドの熱によって溶融しない比較的高軟化点の樹脂、例えば、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、あるいはこれらの樹脂にワックス等の熱離型剤を含有させた樹脂からなる塗布液を従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成することができる。上記の樹脂の中でも、アクリル樹脂として、アクリル酸やメタクリル酸等の単体、または他のモノマー等と共重合させた樹脂が好ましく、支持体との密着性、保護層との離型性において優れている。また、これらの樹脂は単独で用いても複数を用いても良い。この離型層は、印画時(転写時)には支持体側に残る。層の厚みは0.5〜5μm程度が好ましい。離型層中に各種の粒子を含有させることにより、あるいは離型層の保護層側の表面をマット処理することにより表面をマット状にして、印画後の受像シート表面を艶消し状態にすることも可能である。
転写性保護層と離型層の間に剥離層を形成しても良い。剥離層は保護層と共に転写される。転写後は印画された受像シートの最上層となる層であって、透明性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた樹脂から形成される。樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂等を例示することができる。充填剤、ワックス類等を添加することも可能である。
(接着剤層)
保護層の上に、転写性保護層積層体の最上層として接着剤層を設けることが好ましい。これによって保護層の転写性を良好にすることができる。接着剤層には、公知の粘着剤、感熱接着剤、熱可塑性樹脂を使用することができるが、例として、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、アクリル−紫外線吸収剤共重合体樹脂、紫外線吸収性樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱時接着性の良好な樹脂を挙げることができる。これらの中でもガラス転移温度が40℃〜80℃の熱可塑性樹脂が好ましい。Tgが40℃未満であると、被覆される画像と透明保護層との接着性が不十分となリ易い。Tgが80℃以上では、透明保護層の転写性が不十分になり易い。特に好ましいものは、重合度が50〜300、さらに好ましくは50〜250のポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂である。紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂または電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。
接着層は、先述した紫外線吸収剤を加えることができる。また、添加剤として、着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等も適宜、必要に応じて使用することができる。上記のような接着層を構成する樹脂と、必要に応じて、上記のような添加剤を加えた塗工液を塗布及び乾燥することによって、好ましくは乾燥状態で0.5〜10μm程度の厚みで接着層を形成する。好ましくは0.5〜5μmであり、さらに好ましくは0.5〜3μmである。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は、紫外域に吸収をもち、可視領域に吸収端がかからないことが好ましい。具体的には、受容層に添加して感熱転写受像シートを形成したとき、330nm〜370nmの範囲に極大吸収を有し、その吸収濃度がAbs0.8以上になることが好ましく、380nmの吸収濃度がAbs0.5以上になることがさらに好ましい。また、400nmの吸収濃度がAbs0.1以下であることが好ましい。なお、400nmを超える範囲での吸収濃度が高いと、得られた画像が黄ばむため好ましくない。
このような、紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを紫外線遮断性樹脂として使用することができる。これら紫外線吸収剤に中でも、後述する有機系紫外線吸収剤、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。
この他に、保護層に用いられる樹脂のモノマーまたはオリゴマーに紫外線吸収剤を溶解させた後、このモノマーまたはオリゴマーを重合させて紫外線遮断性樹脂を得る方法も開示されている(特開2006−21333号公報)。この場合には紫外線吸収剤は非反応性のもので良い。
紫外線吸収剤の市販品としては、チヌビン−P(チバガイギー製)、JF−77(城北化学製)、シーソープ701(白石カルシウム製)、スミソープ200(住友化学製)、バイオソープ520(共同薬品製)、アデカスタブLA−32(旭電化製)等が挙げられる。
本発明では、紫外線吸収剤は高分子量化されたものであっても構わない。この場合、質量平均分子量10000以上が好ましく、質量平均分子量100000以上がさらに好ましい。高分子量化する手段としては、紫外線吸収剤をポリマーにグラフトすることが好ましい。主鎖となるポリマーとしては、併用する受容ポリマーより色素の染着性が劣るポリマー骨格を有することが好ましい。また、製膜した際に十分な皮膜強度を有することが好ましい。ポリマー主鎖に対する紫外線吸収剤のグラフト率は、5〜20質量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。
また、紫外線吸収能を有するユニット(紫外線吸収剤ユニット)を含むポリマーはラテックス化されたものでも構わない。この場合、ラテックス化することにより水分散系の塗布液を塗布製膜して受容層を形成することができるようになり、製造コストを軽減することが可能になる。ラテックス化する方法としては、例えば特許第3450339号明細書などに記載された方法を用いることができる。ラテックス化された紫外線吸収剤としては、例えば一方社油脂工業株式会社製ULS−700、ULS−1700、ULS−1383MA、ULS−1635MH、XL−7016、ULS−933LP、ULS−935LH、新中村化学製New Coat UVA−1025W、New Coat UVA−204W、New Coat UVA−4512M(いずれも商品名)などの市販の紫外線吸収剤を使用することもできる。
紫外線吸収能を有するユニットを含むポリマーをラテックス化する場合、前記の染着性受容ポリマーも同様にしてラテックス化し、両者を混合してから塗布することで紫外線吸収剤が均一に分散した受容層を形成することができる。
紫外線吸収能を有するユニットを含むポリマーまたはそのラテックスの添加量は、受容層を形成する染着性受容ポリマーまたはそのラテックスに対して5〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
紫外線吸収剤は、有機化合物であっても、無機化合物であってもよい。
有機の紫外線吸収剤の場合、下記一般式(1)〜一般式(8)のいずれかで表されるものが好ましい。
以下に、下記一般式(1)〜一般式(8)のいずれかで表される紫外線吸収剤について説明する。
Figure 0004929218
式中、R111、R112、R113、R114、R115は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基を表す。
Figure 0004929218
式中、R21、R22は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基を表す。Tはアリール基、ヘテロ環、アリールオキシ基を表す。好ましくは、Tはアリール基である。
Figure 0004929218
式中、X31、Y31、Z31は、各々独立に置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、またはヘテロ環基を表す。但し、X31、Y31、Z31のうち少なくとも一つは一般式(a)で表される基を表す。
Figure 0004929218
式中、R31、R32は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルおよびもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基を表す。また、隣り合うR31、R32が連結して環を形成してもよい。
Figure 0004929218
式中、R41〜R44は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基を表す。
Figure 0004929218
式中、Qはアリール基、または5または6員のヘテロ環を表し、R51は水素原子、またはアルキル基であり、X51およびY51は各々独立に、シアノ基、−COOR52、−CONR5253、−COR52、−SO2OR52、−SO2NR5253であり、R52、R53は各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R52、R53のうち、どちらか一方は水素原子であることが好ましい。また、X51とY51は連結して5または6員環を形成してもよい。X51、Y51がカルボキシル基の時、それらは塩の形であってもよい。
Figure 0004929218
式中、R61、R62は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、または互いに連結して5または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。また、R61、R62のいずれかが窒素原子の隣のメチン基と結合して、5または6員環を形成してもよい。X61、Y61は同じでも異なっていてもよく、一般式(5)におけるX51、Y51と同義である。
Figure 0004929218
式中、R171〜R174は、各々独立に、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R171とR174は一緒になって二重結合を形成してもよく、R171とR174は一緒になって二重結合を形成するときは、R172とR173は連結してベンゼン環またはナフタレン環を形成してもよい。R175はアルキル基またはアリール基を表し、Z71は酸素原子、イオウ原子、メチレン基、エチレン基、>N−R176または>C(R177)(R178)を表し、R176はアルキル基、アリール基を表し、R177、R178は同じでも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基を表す。X71、Y71は同じでも異なっていてもよく、一般式(5)におけるX51、Y51と同義である。nは0または1を表す。
Figure 0004929218
式中、R181〜R186は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基を表し、R187、R188は同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R187とR188で連結して5または6員環を形成してもよい。
一般式(1)〜(8)および一般式(a)において、各置換基(例えば、アルキル部、アリール部またはヘテロ環部を有する基)においては、下記の置換基で置換されていてもよい。また、一般式(1)〜(8)および一般式(a)の各基の説明および具体的な基としては、同じく下記に示す基のうち、対応する基の例示の基が挙げられる。
以下にこのような基を説明および例示する。
ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。〕、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2―ピリジルカルボニル基、2―フリルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールもしくはヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
上記一般式(1)〜(8)で表される紫外線吸収剤が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
上記一般式(1)〜(8)で表される紫外線吸収剤のうち、紫外線吸収剤自身の光堅牢性が高いという点から一般式(1)〜(4)で表されるものが好ましく、さらに吸収特性から(1)〜(3)で表されるものが好ましく、中でも一般式(1)と(3)が特に好ましい。一方、塩基性条件下で用いられる場合には、解離による着色が生じない点から一般式(4)〜(8)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)〜(8)で表される化合物は、特公昭48−30492号、同55−36984号、同55−125875号、同36−10466号、同48−5496号、特開昭46−3335号、同58−214152号、同58−221844号、同47−10537号、同59−19945号、同63−53544号、同51−56620号、同53−128333号、同58−181040号、特開平6−211813号、同7−258228号、同8−239368号,同8−53427号,同10−115898号,同10−147577号,同10−182621号、特表平8−501291号等の各公報、米国特許第3,754,919号、同4,220,711号、同2,719,086号、同3,698,707号、同3,707,375号、同5,298,380号、同5,500,332号、同5,585,228号、同5,814,438号、英国特許1,198,337号、ヨーロッパ特許第323408A号、同520938A号、同521823A号、同531258A号、同530135A号、同520938A号等の各明細書に記載されているか方法、またはこれらに記載されている方法に準じて合成することができる。
また、代表的な紫外線吸収剤の構造と、その物性および作用機構については、Andreas Valet著,“Light Stabilizers for Paint”,Vincentz出版に記載がある。
(背面層)
感熱転写シートの裏面は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと直接接触して加熱されながら走行していく。そのため、この支持体裏面とサーマルヘッド等の加熱デバイスとの熱融着を防止し、走行を滑らかにするために、背面層を設けることが好ましい。
背面層には、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物を用いることができる。
背面層の耐熱性を向上させるために、架橋剤を用いて架橋樹脂層とすることも好ましい態様である。
さらに、走行性向上のためには、背面層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を含有させることが好ましい。公知のものを用いることができるが、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、カウナウバワックス、モンダンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪酸アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、リン酸エステル系化合物、有機または無機の微粒子等を挙げることができる。
このような背面層は、公知の塗工方法を用いて形成することができる。厚さは0.1〜10μmが好ましく、0.3〜5μmがさらに好ましく、0.5〜3μmが特に好ましい。
2)感熱転写受像シート
次に、感熱転写受像シート(受像シート)について説明する。
本発明に用いられる感熱転写受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(受容層)を有し、支持体と受容層との間に少なくとも1層の断熱層(多孔質層)を有する。また、受容層と断熱層との間に、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの下地層が形成されていてもよい。受容層および断熱層は同時重層塗布により形成されることが好ましい。また、下地層を含む場合は、受容層、下地層および断熱層を同時重層塗布により形成することができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
<受容層>
[熱可塑性樹脂]
本発明において、受容層に熱可塑性樹脂が好ましく使用される。好ましい熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル・ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー・ポリ酢酸ビニル・エチレン酢酸ビニル共重合体・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体・ポリアクリルエステル・ポリスチレン・ポリスチレンアクリル等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール・ポリビニルブチラール・ポリビニルアセタール等のアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン(プラクセルH−5、商品名、ダイセル化学工業(株)製)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、特開平4−296595号公報や特開2002−264543号公報に記載セルロース系樹脂やセルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、CAB321−0.1、いずれも商品名、イーストマンケミカル社製)等のセルロース系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、尿素樹脂・メラミン樹脂・ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、相溶する範囲内で任意にブレンドして用いることもできる。特開昭57−169370号、同57−207250号、同60−25793号の各公報等にも受容層を形成した樹脂が開示されている。
上記ポリマー中でもポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトンまたはこれらの混合物を含有することがさらに好ましく、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体またはこれらの混合物が特に好ましい。ポリカーボネート、ポリエステル、およびポリ塩化ビニルについて、さらに詳しく説明する。以上のポリマーは、単独またはこれらの混合物として用いることができる。
(ポリエステル系ポリマー)
受容層に用いられるポリエステル系ポリマーについて、さらに詳しく説明する。ポリエステルはジカルボン酸成分(その誘導体含む)とジオール成分(その誘導体を含む)との重縮合により得られるものである。ポリエステルポリマーは、芳香環および/または脂環を含有する。脂環式ポリエステルの技術については、特開平5−238167号公報に記載の技術が染料取り込み能と像の安定性の点で有効である。
ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、イソフタル酸、トリメリット酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、それらの2種以上の混合物から選ばれる。好ましくは、イソフタル酸、トリメリット酸、テレフタル酸、またはそれらの2種以上の混合物から選ばれる。ジカルボン酸成分として脂環族を有するものを含有させることは、耐光性向上の観点からより望ましい。より好ましくは、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびイソフタル酸を使用する。ジカルボン酸成分は、イソフタル酸50〜100mol%、トリメリット酸0〜1mol%、テレフタル酸0〜50mol%、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸0〜15mol%の割合で、合計100mol%となるように使用する。
ジオール成分は、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノール、またはそれらの2種以上の混合物から選ぶことができる。好ましくは、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリシクロデカンジメタノールから選ばれる。ジオール成分として脂環成分を含ませるようにすると、耐光性向上の観点からより望ましい。トリシクロデカンジメタノール以外にもシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール等の脂環式ジオール成分を使用することができる。好ましい脂環式ジオール成分はトリシクロデカンジメタノールである。ジオール成分は、エチレングリコール0〜50mol/%、ポリエチレングリコール0〜10mol/%、トリシクロデカンジメタノール0〜90mol/%、好ましくは30〜90mol/%、より好ましくは40〜90mol/%、1,4−ブタンジオール0〜50mol/%、ビスフェノールA 0〜50mol/%の割合で、合計100mol%となるように使用する。
本発明においては、上記のジカルボン酸成分およびジオール成分を少なくとも使用して、分子量(質量平均分子量(Mw))が通常約11000以上、好ましくは約15000以上、より好ましくは約17000以上となるように重縮合したポリエステル系ポリマーを使用する。分子量があまり低いものを使用すると、形成される受容層の弾性率が低くなり、また耐熱性も足りなくなるので、感熱転写シートと受像シートとの離型性を確保することが難しくなる場合がある。分子量は、弾性率を上げる観点から大きいほど望ましく、受容層形成時に塗工液溶媒に溶かすことができなくなったり、受容層を塗布乾燥後に基材シートとの接着性に悪影響が出たりする等の弊害が生じない限り、特に限定されないが、好ましくは約25000以下、高くても約30000程度である。なお、エステル系ポリマーの合成法としては、従来公知の方法を使用すればよい。
飽和ポリエステルとしては、例えばバイロン200、バイロン290、バイロン600等(いずれも商品名、東洋紡(株)製)、KA−1038C(商品名、荒川化学工業(株)製)、TP220、TP235(いずれも商品名、日本合成化学(株)製)等が用いられる。
(ポリカーボネート系ポリマー)
受容層に用いられるポリカーボネート系ポリマーについて、さらに詳しく説明する。ポリカーボネートは、炭酸とジオールをユニットとするポリエステルを意味し、ジオールにホスゲンを反応させる方法あるいは炭酸エステルを反応させる方法等により合成できる。
ジオール成分としては、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ノナンジオール、4,4'−ビシクロ(2,2,2)ヘプト−2−イリデンビスフェノール、4,4'−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン)ビスフェノールおよび2,2',6,6'−テトラクロロビスフェノールAが挙げられ、ビスフェノールA、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールが好ましく、ビスフェノールA、エチレングリコール、ブタンジオールがより好ましく、ビスフェノールA、エチレングリコールが特に好ましい。本発明において使用されるポリカーボネートは、上記の1種ジオール成分を少なくとも使用するが、複数のジオールを混合して使用してもよい。
本発明に用いられるポリカーボネートの特に好ましい態様であるビスフェノールA−ポリカーボネートについて、詳しく説明する。ビスフェノールA−ポリカーボネートを中心とする未変性のポリカーボネートの技術は米国特許第4,695,286号明細書に記載されている。本発明に用いられるポリカーボネートは、分子量(重量平均分子量(Mw))が通常約1000以上、好ましくは約3000以上、より好ましくは約5000以上、特に好ましくは約10000以上の重縮合したものである。Makrolon−5700(商品名、Bayer AG)およびLEXAN−141(商品名、General Electric社)等のポリカーボネートを例として挙げることができる。
ビスフェノールAとエチレングリコールのようなジオールを混合して変性ポリカーボネートを製造する技術が米国特許第4,927,803号明細書に記載されている。ポリエーテルブロック単位は、炭素原子数2〜約10個の線状脂肪族ジオールから形成することができるが、エチレングリコールから形成されたものが好ましい。本発明の好ましい実施態様では、ポリエーテルブロック単位は数分子量約4,000〜約50,000を有し、またビスフェノールA−ポリカーボネートブロック単位は数分子量約15,000〜約250,000を有する。ブロックコポリマー全体の分子量は、約30,000〜約300,000であることが好ましい。そのような具体例として、Makrolon KL3−1013(商品名、Bayer AG)を挙げることができる。
これらの未変性および変性ビスフェノールA−ポリカーボネートを混合することも好ましく、未変性ビスフェノールA−ポリカーボネートとポリエーテル変性ポリカーボネートとを質量比80:20〜10:90で配合することが好ましく、耐指紋性向上の観点から質量比50:50〜40:60の質量比が特に好ましい。未変性および変性ビスフェノールA−ポリカーボネートのブレンド技術に関しては特開平6−227160号公報にも記載されている。
受容層に使用される熱可塑性樹脂の好ましい実施態様として、上記ポリカーボネートと上記ポリエステルのブレンド系を挙げることができる。このブレンド系では、ポリカーボネートとポリエステルの相溶性が確保できることが好ましい。ポリエステルは、好ましくは、約40〜約100℃のガラス転移温度(Tg)を示し、またポリカーボネートは約100〜約200℃のTgを示す。ポリエステルは、好ましくは、ポリカーボネートよりも低いTgを示し、そしてポリカーボネートに対してポリマー可塑剤として作用する。最終のポリエステル/ポリカーボネートブレンドのTgは、好ましくは40℃〜100℃である。より高いTgのポリエステルおよびポリカーボネートのポリマーも、可塑剤を添加することで有用となりうる。
さらなる好ましい実施態様では、未変性ビスフェノールA−ポリカーボネートとポリエステルポリマーとを、最終ブレンドのTgを望ましい値にし、しかもコストを最小限に抑えるような質量比でブレンドする。ポリカーボネートとポリエステルポリマーとは、約75:25〜25:75の質量比で都合よく配合することができるが、約60:40〜約40:60の質量比で配合するとより好ましい。特開平6−227161号公報にはポリカーボネートとポリエステルとのブレンド系の技術が開示されている。
受容層に用いられるポリカーボネートにおいて、ポリマー末端が少なくとも2個のヒドロキシル基を有する平均分子量約1,000〜約10,000ポリカーボネートとヒドロキシル基と反応する架橋剤との反応により、受容層に架橋ポリマー網状構造を形成させてもよい。特開平6−155933号公報に記載されるように、多官能性イソシアネートなどの架橋剤の技術もあり、転写後の色素供与体への粘着性を改良することもできる。さらに特開平8−39942号公報に開示の技術のように、ポリカーボネートとイソシアネートの架橋反応の際、ジブチル錫ジアセテートを用いた感熱転写用の受容シートを構成する技術もあり、架橋反応の促進のみならず画像安定性や耐指紋性などを改良することもできる。
(塩化ビニル系ポリマー)
受容層に用いられる塩化ビニル系ポリマー、特に塩化ビニルを用いた共重合体について、さらに詳しく説明する。
塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル成分含有率85〜97質量%で重合度200〜800のものが好ましい。塩化ビニルと共重合するモノマーには特に限定はなく、塩化ビニルと共重合できればよく、酢酸ビニルが特に好ましい。したがって、受容層に用いる塩化ビニル系ポリマーとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が優れているが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は必ずしも塩化ビニル成分と酢酸ビニル成分のみの共重合体である場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニルアルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであってもよい。このような塩化ビニルと酢酸ビニルを主単量体とする共重合体を構成する他の単量体成分としては、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニルなどのビニルアルコール誘導体;アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸およびメタクリル酸誘導体;マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸誘導体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。共重合体中にしめる塩化ビニルおよび酢酸ビニルの成分比は任意の比率でよいが、塩化ビニル成分が共重合体中で50質量%以上であるのが好ましい。また、先に挙げた塩化ビニルや酢酸ビニル以外の成分は10質量%以下であるのが好ましい。
このような塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、SOLBIN C、SOLBIN CL、SOLBIN CH、SOLBIN CN、SOLBIN C5、SOLBIN M、SOLBIN MF、SOLBIN A、SOLBIN AL、SOLBIN TA5R、SOLBIN TAO、SOLBIN MK6、SOLBIN TA2(いずれも商品名、日信化学工業(株)製)、エスレックA、エスレックC、エスレックM(いずれも商品名、積水化学工業(株)製)、ビニライトVAGH、ビニライトVYHH、ビニライトVMCH、ビニライトVYHD、ビニライトVYLF、ビニライトVYNS、ビニライトVMCC、ビニライトVMCA、ビニライトVAGD、ビニライトVERR、ビニライトVROH(いずれも商品名、ユニオンカーバイド社製)、デンカビニル1000GKT、デンカビニル1000L、デンカビニル1000CK、デンカビニル1000A、デンカビニル1000LK2、デンカビニル1000AS、デンカビニル1000MT2、デンカビニル1000CSK、デンカビニル1000CS、デンカビニル1000GK、デンカビニル1000GSK、デンカビニル1000GS、デンカビニル1000LT3、デンカビニル1000D、デンカビニル1000W(いずれも商品名、電気化学工業(株)製)等が挙げられる。
(ポリマーラテックス)
本発明においては、上記以外にもポリマーラテックスを好ましく用いることができる。以下、ポリマーラテックスについて説明する。
本発明で用いる感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な塩化ビニルをモノマー単位として含む疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものが好ましい。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年);杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年);室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年);三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64−538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒子サイズは、好ましくは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度である。
分散粒子の粒子サイズ分布に関しては特に制限は無く、広い粒子サイズ分布を持つものでも単分散の粒子サイズ分布を持つものでもよい。
ポリマーラテックスは、通常の均一構造のポリマーラテックスであっても、いわゆるコア/シェル型のラテックスであってもよい。このとき、コアとシェルでガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明で用いるポリマーラテックスのガラス転移温度は、−30℃〜100℃が好ましく、0℃〜80℃がより好ましく、10℃〜70℃がさらに好ましく、15℃〜60℃が特に好ましい。
受容層に用いられるポリマーラテックスとしては、ポリ塩化ビニル類、塩化ビニルをモノマー単位として含む共重合体、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルアクリル共重合体ポリマーを好ましく用いることができる。この場合、塩化ビニルモノマーの比率は50%〜95%が好ましい。これらポリマーは、直鎖のポリマーでも、枝分かれしたポリマーでも、また架橋されたポリマーであってもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーであってもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーであってもよい。コポリマーの場合は、ランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの数平均分子量は通常5000〜1000000、好ましくは10000〜500000である。分子量が小さすぎるものはラテックスを含有する層の力学強度が不十分であることがあり、大きすぎるものは成膜性が悪いことがある。また、架橋性のポリマーラテックスも好ましく使用される。
本発明で使用できるポリマーラテックスは市販もされており、以下のようなポリマーが利用できる。例としては、日本ゼオン(株)製G351、G576、日信化学工業(株)製ビニブラン240、ビニブラン270、ビニブラン277、ビニブラン375、ビニブラン386、ビニブラン609、ビニブラン550、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン630、ビニブラン660、ビニブラン671、ビニブラン683、ビニブラン680、ビニブラン680S、ビニブラン681N、ビニブラン685R、ビニブラン277、ビニブラン380、ビニブラン381、ビニブラン410、ビニブラン430、ビニブラン432、ビニブラン860、ビニブラン863、ビニブラン865、ビニブラン867、ビニブラン900、ビニブラン900GT、ビニブラン938、ビニブラン950などが挙げられる(いずれも商品名)。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよい。受容層においては、塩化ビニルをモノマー単位として含む共重合体ラテックスは層中の全固形分に占める比率で50%以上であることが好ましい。
本発明では、受容層を水系の塗工液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗工液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗工液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
ポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は、通常−30℃〜90℃、好ましくは0℃〜70℃程度である。最低造膜温度をコントロールするために、造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は一時可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)に記載されている。好ましい造膜助剤として以下の化合物を挙げることができるが、本発明で用いることができる造膜助剤は以下の具体例に限定されるものではない。
Z−1:ベンジルアルコール
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
Z−4:ジエチレングルコール
本発明では、上記のポリマーラテックスを、他のポリマーラテックスと併用(ブレンド)してもよい。このようなポリマーラテックスの好ましい例としては、ポリ乳酸エステル類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアセタール類、SBR類を挙げることができ、この中でも、ポリエステル類、ポリカーボネート類を挙げることができる。
さらに、本発明に用いられる上記のポリマーラテックスは、上記のポリマーラテックスとともにいかなるポリマーを併用してもよい。併用することのできるポリマーとしては、透明または半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂やポリマーおよびコポリマー、合成樹脂やポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマールおよびポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、ポリアミド類が挙げられる。バインダーは、水または有機溶媒、またはエマルションから被覆形成してもよい。
本発明に用いられるバインダーは、加工脆性と画像保存性の点でガラス転移温度(Tg)が−30℃〜70℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは−10℃〜50℃の範囲、さらに好ましくは0℃〜40℃の範囲である。バインダーとして2種以上のポリマーをブレンドして用いることも可能で、この場合、組成分を考慮し加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。また、相分離した場合やコア−シェル構造を有する場合には加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。
このガラス転移温度(Tg)は下記式で計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。なお、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用できる。但し、本発明の熱転写層のガラス転移温度は後述するように、実測で求める値を採用する。
本発明において、バインダーに用いられるポリマーは、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、アニオン重合法、カチオン重合等により容易に得ることができるが、ラテックスとして得られる乳化重合法が最も好ましい。また、ポリマーを溶液中で調製し、中和するか乳化剤を添加後に水を加え、強制的に撹拌により水分散体を調製する方法も好ましい。乳化重合法は、例えば、水、或いは、水と水に混和し得る有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン等)との混合溶媒を分散媒とし、分散媒に対して5〜150質量%のモノマー混合物と、モノマー総量に対して乳化剤と重合開始剤を用い、通常30〜100℃程度、好ましくは60〜90℃で、通常3〜24時間、攪拌下重合させることにより行われる。分散媒、モノマー濃度、開始剤量、乳化剤量、分散剤量、反応温度、モノマー添加方法等の諸条件は、使用するモノマーの種類を考慮し、適宜設定される。また、必要に応じて分散剤を用いることが好ましい。
本発明に用いられるポリマーラテックスは、その塗工液における溶媒として、水系溶媒を用いることができるが、水混和性の有機溶媒を併用してもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミド等を挙げることができる。これら有機溶媒の添加量は、好ましくは溶媒の50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
また、本発明に用いられるポリマーラテックスは、ポリマー濃度がラテックス液に対して10〜70質量%であることが好ましく、さらに20〜60質量%、特に30〜55質量%であることが好ましい。なお、本発明の受像シートにおけるポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
[乳化分散物]
本発明においては、受容層中に乳化分散物(乳化物)を含有することが好ましい。特にポリマーラテックスを使用する場合に好ましい。
ここで、「乳化」とは、一般的に用いられる定義に従うものである。例えば、化学大辞典(共立出版株式会社)によれば「乳化」とは「ある液体の中にこれと溶け合わない別の液体が細粒として分散し、エマルジョンを生成する現象」としている。また、「乳化分散物」とは「液体の小滴であって、それを溶かさない他の液体中に分散したもの」をいう。本発明において、好ましい「乳化分散物」は「水中に分散した油滴分散物」である。本発明の受像シートにおいて乳化分散物の含有量は、受像シート中に0.03g/m〜25.0g/m含まれることが好ましく、1.0g/m〜20.0g/m含まれることがより好ましい。
本発明において、乳化分散物の油溶分に高沸点溶媒を含むことが好ましい。好ましい高沸点溶媒としては、フタル酸エステル類(フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等)、リン酸またはホスホン酸エステル類(リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル等)、脂肪酸エステル類(コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、クエン酸トリブチル等)、安息香酸エステル類(安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸ドデシル等)、アミド類(N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジメチルオレインアミド等)、アルコールまたはフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノール等)、アニリン類(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリン等)、塩素化パラフィン類、炭化水素類(ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン等)、カルボン酸類(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)酪酸等が挙げられる。高沸点溶媒としてさらに好ましくは、リン酸またはホスホン酸エステル類(リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル等)である。また、補助溶媒として沸点が30℃以上160℃以下の有機溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド等)を併用してもよい。高沸点溶媒は、乳化分散物中に、3.0〜25質量%含まれることが好ましく、5.0〜20質量%含まれることがさらに好ましい。
さらに該乳化分散物中に画像堅牢化剤、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。これらの化合物としては、特開2004−361936号公報に記載の一般式(B)、(Ph)、(E−1)〜(E−3)、(TS−I)〜(TS−VII)、(TS−VIIIA)、(UA)〜(UE)のいずれかで表される化合物が好ましい。また水不溶かつ有機溶媒可溶性の単独もしくは共重合体(特開2004−361936号公報の段落番号0208〜0234に記載化合物が好ましい)を含有してもよい。
[可塑剤]
受容層の感度を良くするため、可塑剤(高沸点有機溶剤)を添加することもできる。このような可塑剤としては、フタル酸エステル、リン酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステルなどのモノメリック型の可塑剤、アジピン酸、セバシン酸などとプロピレングリコールなどが重合したポリエステル型可塑剤など、一般的に塩化ビニル樹脂用の可塑剤として用いることのできるものが挙げられる。先に挙げた可塑剤は一般に低分子量であるが、他に塩化ビニルの高分子可塑剤として使用されるオレフィン系特殊共重合樹脂も使用することができる。このような用途に用いられる樹脂として、エルバロイ741、エルバロイ742、エルバロイHP443、エルバロイHP553、エルバロイEP4015、エルバロイEP4043、エルバロイEP4051(いずれも商品名、三井・デュポンポリケミカル(株)製)などで市販されているものを使用することができる。このような可塑剤は、樹脂に対し100質量%程度添加することもできるが、印画物のにじみ等の点でその使用量は30質量%以下であるのが好ましい。なお、ポリマーラテックスを使用する場合は、前述のように乳化分散物としてこれらの可塑剤を使用することが好ましい。
受容層は、溶剤塗布によらずに、上記ポリマー樹脂の溶融物を押し出しコーティングすることによってキャストすることができる。この押し出しコーティングの技術はエンサイクロピィーディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・テクニークス(Encyclopediaof Polymer Science and Engineering),第3巻(John Wiley, New York),1985年,563頁や、第6巻,1986年,608頁に記載されている。特開平7−179075号公報にも感熱色素転写材用に関する技術が開示されており、本技術も好適に使用することができる。ポリマー樹脂としては、シクロヘキサンジカルボキシレートとエチレングリコール/ビスフェノールA−ジエタノールの50/50モル%混合物(COPOL;登録商標)とを縮合して得られたコポリマーが特に好ましい。
[離型剤]
感熱転写受像シートの受像面に充分な剥離性能がない場合には、画像形成時にサーマルヘッドによる熱によって感熱転写シートと感熱転写受像シート(受像シート)が融着し、剥離時に大きな剥離音が発生したり、また、染料層が層ごと転写されたり、受容層が基材から剥離するいわゆる異状転写の問題が発生する。上記のような剥離性の問題を解決する方法としては、各種離型剤を受容層中に内添する方法、若しくは、受容層の上に別途離型層を設ける方法が知られている。本発明では、画像印画時の感熱転写シートと受像シートとの離型性をより確実に確保するために、離型剤を受容層に使用することが好ましい。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類;シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができ、フッ素系界面活性剤等に代表されるフッ素系化合物、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイルおよび/またはその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイル、および変性シリコーンオイルやその硬化物が使用できる。ストレートシリコーンオイルには、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルがあり、ジメチルシリコーンオイルとしては、KF96−10、KF96−100、KF96−1000、KF96H−10000、KF96H−12500、KF96H−100000(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)等を挙げられ、ジメチルシリコーンオイルとしては、KF50−100、KF54、KF56(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルに分類できる。反応性シリコーンオイルには、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、ヒドロキシ変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性がある。アミノ変性シリコーンオイルとしては、KF−393、KF−857、KF−858、X−22−3680、X−22−3801C、KF−8010、X−22−161A、KF−8012(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)等が挙げられ、エポキシ変性シリコーンオイルとしては、KF−100T、KF−101、KF−60−164、KF−103、X−22−343、X−22−3000T(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。カルボキシル変性シリコーンオイルとしては、X−22−162C(商品名、信越化学工業(株)製)等が挙げられ、ヒドロキシ変性シリコーンオイルとしては、X−22−160AS、KF−6001、KF−6002、KF−6003、X−22−170DX、X−22−176DX、X−22−176D、X−22−176DF(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)等が挙げられ、メタクリル変性シリコーンオイルとしては、X−22−164A、X−22−164C、X−24−8201、X−22−174D、X−22−2426(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
反応性シリコーンオイルとしては、硬化させて使用することもでき、反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等に分類できる。このなかで反応硬化型のシリコーンオイルが特に好ましく、反応硬化型シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたものが好ましい。また、触媒硬化型あるいは光硬化型シリコーンオイルとしては、KS−705F−PS、KS−705F−PS−1、KS−770−PL−3〔触媒硬化型シリコーンオイル:いずれも商品名、信越化学工業(株)製〕、KS−720、KS−774−PL−3〔光硬化型シリコーンオイル:いずれも商品名、信越化学工業(株)製〕等が挙げられる。これら硬化型シリコーンオイルの添加量は受像層を構成する樹脂の0.5〜30質量%が好ましい。離型剤は、ポリエステル樹脂100質量部に対して通常2〜4質量%、好ましくは2〜3質量%程度使用する。その量が少なすぎると、離型性を確実に確保することができず、また多すぎると保護層が感熱転写受像シートに転写しなくなってしまう。
非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、フッ素変性等がある。ポリエーテル変性シリコーン(KF−6012、商品名、信越化学工業(株)製)が挙げられ、メチルスチル変性シリコーンシリコーンオイルとしては、(24−510、商品名、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。また、下記一般式1〜3のいずれかで表される変性シリコーンも使用することができる。
Figure 0004929218
一般式1中、Rは水素原子、またはアリール基若しくはシクロアルキル基で置換されてもよい直鎖または分岐のアルキル基を表す。m、nはそれぞれ独立に2000以下の整数を表し、a、bはそれぞれ独立に30以下の整数を表す。
一般式2中、Rは水素原子、またはアリール基若しくはシクロアルキル基で置換されてもよい直鎖または分岐のアルキル基を表す。mは2000以下の整数を表し、a、bはそれぞれ独立に30以下の整数を表す。
一般式3中、Rは水素原子、またはアリール基若しくはシクロアルキル基で置換されてもよい直鎖または分岐のアルキル基を表す。m、nはそれぞれ独立に2000以下の整数を表し、a、bはそれぞれ独立に30以下の整数を表す。R1は単結合または2価の連結基を表し、Eはエチレン基または置換エチレン基を表し、Pはプロピレン基または置換プロピレン基を表す。
上記のようなシリコーンオイルは「シリコーンハンドブック」(日刊工業新聞社刊)に記載されており、硬化型シリコーンオイルの硬化技術として、特開平8−108636号公報や特開2002−264543号公報に記載の技術が好ましく使用できる。
なお、単色印画のハイライト部で染料バインダーが受容層に取られる異状転写を起こすことがある。また、従来、付加重合型シリコーンは、触媒の存在下で硬化反応を進行させるのが一般的であり、硬化触媒としては、鉄族、白金族の8族遷移金属錯体のほとんど全てが有効であることが知られているが、一般には白金化合物が最も効率がよく、通常はシリコーンオイルに可溶の白金錯体である白金触媒が好ましく使用される。反応に必要な添加量としては、1〜100ppm程度で充分である。
この白金触媒は、N、P、S等を含む有機化合物、Sn、Pb、Hg、Bi、As等の重金属イオン性化合物、アセチレン基等、多重結合を含む有機化合物と強い相互作用を持つため、上記化合物(触媒毒)と共に使用すると、触媒としてのヒドロシリル化能力を失ってしまい、硬化触媒としての機能を果たさなくなるため、シリコーンの硬化不良を起こすという欠点を持っている(「シリコーンハンドブック」日刊工業新聞社)。よって、このような硬化不良の付加重合型シリコーンでは、受容層において使用しても、全く剥離性能を発揮しない。活性水素と反応する硬化剤として、イソシアネート化合物を使用することが考えられるが、このイソシアネート化合物や、その触媒である有機錫化合物は、白金触媒の触媒毒にあたる。従って、従来においては、付加重合型シリコーンは、イソシネート化合物と併用されることがなく、よって、イソシアネート化合物で硬化することにより剥離性能を発揮する活性水素を有する変性シリコーンと併用されることはなかった。
しかしながら、1)活性水素と反応する硬化剤の反応基当量と、熱可塑性樹脂および活性水素を有する変性シリコーン両方の反応基当量との比を1:1〜10:1とし、2)付加重合型シリコーンに対する白金触媒量を、白金触媒の白金原子として100〜10000ppmとすることにより、付加重合型シリコーンの硬化疎外を防止することができる。上記1)の活性水素と反応する硬化剤の反応基当量が1以下の場合には、活性水素を有するシリコーンと、熱可塑性樹脂の活性水素との硬化量が小さく、良好な剥離性能が得られない。逆に、当量比が10以上の場合には、受容層塗工液のインクの使用可能時間が短く実質上使用できない。また、2)の白金触媒量が、100ppm以下の場合には、触媒毒で活性が失われ、10000ppm以上の場合には、受容層塗工液のインク使用可能時間が短く使用できないものとなる。
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。
<離型層>
硬化変性シリコーンオイルは、受容層に添加しなくても、受容層の上に形成される離型層に添加してもよい。この場合は、受容層として、上述した様な熱可塑性樹脂を一種類以上使用して形成してもよく、またシリコーンを添加した受容層を使用してもよい。この離型層は、硬化型変性シリコーンを含有してなるが、使用するシリコーンの種類や使用方法は、受容層に使用する場合と同様である。また、触媒や遅延剤を使用する場合も、受容層中に添加するのと同様である。離型層は、シリコーンのみにより形成してもよいし、バインダー樹脂として、相溶性のよい樹脂と混合して使用してもよい。この離型層の厚みは、0.001〜1g/m程度である。
フッ素系界面活性剤としては、Fluorad FC−430、FC−431(いずれも商品名、3M社製)が挙げられる。
<下地層>
受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。これらの層については、例えば特許第3585599号公報、特許第2925244号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
(断熱層)
断熱層は、サーマルヘッド等を用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い熱転写受像シートを得ることができる。断熱層は1層でも2層以上でも良い。断熱層は、受容層より支持体側に設けられる。
本発明に用いられる受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーを含有する。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、[1]ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の分散媒が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、[2]ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、[3]上記の[2]をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが更に好ましく、0.2〜0.8μmが特に好ましい。サイズが小さすぎると、中空率が下がる傾向があり望まれる断熱性が得られなくなり、サイズが大きすぎると、断熱層の膜厚に対して中空ポリマーの粒子径が大きすぎて平滑な面が得られにくくなり、粗大粒子に起因する塗布故障が発生しやすくなるためである。
中空ポリマーの中空率は、20〜70%程度のものが好ましく、20〜50%のものがより好ましい。これは、中空率が20%未満になると十分な断熱性が得られなくなり、中空率が過剰に高くなると、粒子サイズが好ましい範囲では不完全な中空粒子の比率が増えて、十分な膜強度が得られなくなるからである。
本発明での中空ポリマーの中空率とは、中空粒子の透過顕微鏡写真により撮影される透過画像において、下式(a)で算出される値Pである。
Figure 0004929218
上記式(a)において、Raiは特定の粒子iの画像を構成する2つの輪郭のうち、内側輪郭(中空部輪郭を示す)の円相当換算直径を表し、Rbiは特定の粒子iの画像を構成する2つの輪郭のうち、外側輪郭(粒子外形を示す)の円相当換算直径を表し、nは測定粒子個数を表し、n≧300である。
中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。中空ポリマーは必要に応じて2種以上混合して使用することができる。
このような中空ポリマーは市販されており、前記[1]の具体例としてはローアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[2]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[3]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。これらの中で、前記[1]の系列の中空ポリマーがより好ましく使用できる。
<水溶性ポリマー>
本発明の感熱転写受像シートにおいては、断熱層に中空粒子を含有させる場合には、同時に水溶性ポリマー(親水性ポリマー)を含有させることも好ましい態様の一つである。
ここで、水溶性ポリマーとは、20℃における水100gに対し0.05g以上溶解すればよく、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上、特に好ましくは1g以上である。水溶性ポリマーとしては、天然高分子、半合成高分子および合成高分子のいずれも好ましく用いられる。
本発明の感熱転写受像シートに用いることのできる水溶性ポリマーのうち、天然高分子および半合成高分子について詳しく説明する。植物系多糖類としては、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、ペクチンなど、微生物系多糖類としては、キサンタンガム、デキストリンなど、動物系天然高分子としては、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。セルロース系としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
本発明に用いることのできる天然高分子、半合成高分子のうちゼラチンが好ましい。本発明に用いるゼラチンは分子量10,000から1,000,000までのものを用いることができる。本発明に用いられるゼラチンはCl-、SO4 2-等の陰イオンを含んでいてもよいし、Fe2+、Ca2+、Mg2+、Sn2+、Zn2+などの陽イオンを含んでいても良い。ゼラチンは水に溶かして添加することが好ましい。
本発明の感熱転写受像シートに用いることのできる水溶性ポリマーのうち、合成高分子については、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水溶性ポリエステルなどである。本発明に用いることのできる合成高分子のうちポリビニルアルコール類が好ましい。
ポリビニルアルコールについては、完全けん化物、部分けん化物、変性ポリビニルアルコール等、各種ポリビニルアルコールを用いることができる。これらポリビニルアルコールについては、長野浩一ら共著「ポバール」(高分子刊行会発行)に記載のものが用いられる。
ポリビニルアルコールは、その水溶液に添加する微量の溶剤あるいは無機塩類によって粘度調整をしたり粘度安定化させたりすることが可能であって、詳しくは上記文献、長野浩一ら共著,「ポバール」,高分子刊行会発行,144〜154頁記載のものを使用することができる。その代表例としてホウ酸を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40質量%であることが好ましい。
ポリビニルアルコールの具体例としては、完全けん化物としてはPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117Hなど、部分けん化物としてはPVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−220など、変性ポリビニルアルコールとしてはC−118、HL−12E、KL−118、MP−203が挙げられる。
断熱層における中空ポリマーの固形分含有量は、バインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき5〜2000質量部の間であることが好ましく、5〜1000質量部の間であることがより好ましく、5〜400質量部の間であることが更に好ましい。また、中空ポリマーの固形分の塗工液に対して占める質量比は、1〜70質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。中空ポリマーの比率が少なすぎると十分な断熱性をえることができず、中空ポリマーの比率が多すぎると中空ポリマー同士の結着力が低下し、十分な膜強度が得られず、耐擦過性が悪化する。
中空ポリマーを含む断熱層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
中空ポリマーを含む断熱層の厚みと、中空ポリマーを含む断熱層の固形塗布量から算出される断熱層の空隙率は、10〜70%が好ましく、15〜60%が更に好ましい。断熱層の空隙率が10%未満だと十分な断熱性が得られず、70%以上だと中空ポリマー同士の結着力が低下し十分な膜強度が得られず、耐擦過性が悪化する。本発明において断熱層の空隙率とは、下式(b)にて算出される値Vである。
式(b)
V=1-L/L×Σgi・di
上記式(b)において、Lは断熱層の膜厚を示し、giは断熱層を構成する特定の素材iの固形塗布量を示し、diは特定の素材iの比重を示す。ここで、diが中空ポリマーの比重を示すとき、diは中空ポリマーの壁材の比重を示す。
(下地層)
受容層と断熱層との間には下地層が形成されていてもよく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。これらの層については、例えば特許第3585599号公報、特許第2925244号公報などに記載されたものと同様の構成とすることができる。
(支持体)
本発明では、支持体として耐水性支持体が用いられる。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙を用いることができる。
−コート紙−
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記熱可塑性樹脂には、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料や染料等を必要に応じて含有させておくことができる。
−ラミネート紙−
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオレフィンは、一般に低密度ポリエチレンを用いて形成することが多いが、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとのブレンドは、例えば、ブレンド比率(質量比)1/9〜9/1で用いられる。該ブレンド比率としては、2/8〜8/2が好ましく、3/7〜7/3がより好ましい。該支持体の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、支持体の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、25μm〜300μmが好ましく、50μm〜260μmがより好ましく、75μm〜220μmが更に好ましい。該支持体の剛度としては、種々のものがその目的に応じて使用することが可能であり、写真画質の電子写真用受像シート用の支持体としては、カラー銀塩写真用の支持体に近いものが好ましい。
(カール調整層)
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
(筆記層・帯電調整層)
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
以下、本発明の感熱転写受像シートの製造方法について説明する。
本発明の感熱転写受像シートは、少なくとも1層の受容層、中間層および断熱層を支持体上に同時重層塗布することで形成することができる。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば特開米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。
本発明では、上記同時重層塗布を多層構成の受像シートの製造に用いることにより、生産性を大幅に向上させると同時に画像欠陥を大幅に減少させることができる。
本発明においては複数の層は樹脂を主成分として構成される。各層を形成するための塗布液は水分散ラテックスであることが好ましい。各層の塗布液に占めるラテックス状態の樹脂の固形分重量は5〜80%の範囲が好ましく20〜60%の範囲が特に好ましい。上記水分散ラテックスに含まれる樹脂の平均粒子サイズは5μm以下であり1μm以下が特に好ましい。上記水分散ラテックスは必要に応じて界面活性剤、分散剤、バインダー樹脂など公知の添加剤を含むことができる。
本発明では米国特許2,761,791号明細書に記載の方法で支持体上に複数の層の積層体を形成した後速やかに固化させる事が好ましい。一例として樹脂により固化する多層構成の場合、支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を上げることが好ましい。またゼラチンなど低温でゲル化するバインダーを含む場合には支持体上に複数の層を形成した後すばやく温度を下げることが好ましい場合もある。
本発明においては多層構成を構成する1層あたりの塗布液の塗布量は1g/m2〜500g/m2の範囲が好ましい。多層構成の層数は2以上で任意に選択できる。受容層は支持体から最も遠く離れた層として設けられることが好ましい。
3)画像形成
本発明の画像形成方法では、感熱転写受像シートの受容層と感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成することが好ましい。また、感熱転写受像シートの受容層と感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成した後、同じサーマルヘッドを用いて、前述の転写性保護層積層体を構成する保護層を転写して、形成された画像の上に保護層を形成することが好ましい。
具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、3〜12秒がより好ましく、さらに好ましくは、3〜7秒である。
上記プリント時間を満たすために、プリント時のライン速度は0.8m秒/line以下であることが好ましく、0.73m秒/line以下であることがより好ましく、更に好ましくは0.65m秒/lineである。また、高速化条件における転写効率向上の観点から、プリント時のサーマルヘッド最高到達温度は、180℃以上450℃以下が好ましく、更に好ましくは200℃以上450℃以下である。更には350℃以上450℃以下が好ましい。
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所製、商品名、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
4)ガラス転移温度の測定
つぎに、ガラス転移温度(Tg)、及びガラス転移点(Tg−A)について説明する。
非晶質の固体においては、加熱により、それが結晶並みに硬く、あるいは流動性が無い状態(いわゆるガラス状態)からある狭い温度範囲で急速に粘度が低下し、流動性が増す状態(いわゆるゴム状態)に変化する。この温度がガラス転移温度(Tg)である。ガラス転移温度は先述したように計算でも求められるが、実測することも可能である。ガラス転移温度においては、先述した様な物理的変化が起こるが、それに伴い、吸熱や発熱現象も見られる。従って、ガラス転移点の測定は、温度を上下させながら、熱機械分析(TMA)等による力学的性質の変化や、動的粘弾性の変化を測定する方法(物理的測定法)と、同じく温度を上下させながら、示差走査熱量分析(DSC)等で試料の熱応答を測定する方法(熱力学的方法)がある。このように、ガラス転移温度は単体の非晶質固体に対して定義された測定可能な物理量であり、融点や沸点と同様な相転位点と言える。
これに対し、本発明におけるガラス転移点(Tg−A)はインクシートのインク層そのもののガラス転移点を示す。水溶液の融点や沸点が存在し、測定可能なように、混合物であるインク層もガラス転移温度が存在し、その測定が可能である。
本発明において、熱転写層はイエロー、マゼンタ、シアンの順に塗布されることが好ましい。従って、この場合、ガラス転移点(Tg−A)が面順次に低下するとは、ガラス転移点(Tg−A)の値がイエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層の順で低下することを意味する。
イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層のTg−Aについて、各々好ましい範囲を説明する。イエロー熱転写層のTg−Aは50℃以上85℃以下が好ましく、50℃以上70℃以下がより好ましい。マゼンタ熱転写層のTg−Aは46℃以上80℃以下が好ましく、47℃以上70℃以下がより好ましい。シアン熱転写層のTg−Aは45℃以上75℃以下が好ましく、46℃以上65℃以下がより好ましい。それぞれの上限以上のTg−Aとなった場合、転写濃度が低くなる場合があり、それぞれ好ましい範囲未満のTg−Aとなった場合、転写濃度は十分だがリボンシワ故障などの弊害をもたらすことがある。
次に、イエロー、マゼンタ、シアンの面順次にTg−Aを低下させる際、各熱転写層のTg−Aの差は1℃以上であれば良く上限は特に制限されないが、熱転写層自体のTg−Aが低すぎる場合(例えばシアン熱転写層のTgが45℃未満)には前述のリボンシワ故障が起きてしまうため、実質的に15℃以下となる。これはイエロー熱転写層のTg−Aとマゼンタ熱転写層のTg−Aの間にも、マゼンタ熱転写層とシアン熱転写層との間にも当てはまる。
本明細書におけるTg−Aは、感熱転写シートから物理的手段で剥がした熱転写層をDSC装置(セイコーインスツルメント(株)製EXSTAR6000型DSC装置)にて−20℃から150℃の範囲で熱走査を行い、温度変化に対する熱応答を測定することで求めた値を採用した。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[感熱転写シートの作製]
(感熱転写シート用塗工液および、保護層用塗工液の作製)
感熱転写シート作製のため下記の塗工液を作製した。
イエロー熱転写層用塗工液PY−1の作製
イエロー色素Y1−6 3.9部
イエロー色素Y3−7 3.9部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 6.1部
(エスレックスKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 2.1部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84部
マゼンタ熱転写層用塗工液PM−1の作製
マゼンタ色素M1−2 0.1部
マゼンタ色素M2−1 0.7部
マゼンタ色素M2−3 6.6部
シアン色素C2−2 0.4部
ポリビニルアセトアセタール樹脂 8.0部
(エスレックスKS−1、商品名、 積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84部
シアン熱転写層用塗工液PC−1の作製
シアン色素C1−3 1.2部
シアン色素C2−2 6.6部
ポリビニルアセタール樹脂 7.4部
(エスレックスKS−1、商品名、 積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.8部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15部
(フローセンUF、商品名、住友精化(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84部
熱転写可能な保護層用離型層塗工液PU1の作製
変性セルロース樹脂 5部
(L−30、商品名、ダイセル化学(株)製)
メチルエチルケトン 95部
熱転写可能な保護層用剥離層塗工液PO1の作製
アクリル樹脂溶液(固形分40%) 90部
(UNO−1、商品名、岐阜セラミック(有)製)
メタノール/イソプロパノール(質量比1/1) 10部
熱転写可能な保護層用接着層塗工液A1の作製
アクリル樹脂 25部
(ダイアナールBR−77、商品名、三菱レイヨン(株)製)
下記紫外線吸収剤UV−1 1部
下記紫外線吸収剤UV−2 2部
下記紫外線吸収剤UV−3 1部
下記紫外線吸収剤UV−4 1部
PMMA微粒子(ポリメチルメタクリレート微粒子) 0.4部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70部
Figure 0004929218
(背面層用塗工液の作製)
感熱転写シートの背面耐熱層作製のため下記の塗工液を作製した
背面層塗工液BC1の作製
アクリル系ポリオール樹脂 26.0部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.43部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.27部
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 8.0部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 64部
(前記塗工液の塗布によるシートの作製)
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に乾燥後の固形分塗布量が1g/m2となるように背面層塗工液BC1を塗布した、乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に前記塗工液により、イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層および保護層を面順次となるように塗布した感熱転写シートAを作製した。なお、保護層を形成する場合は、保護層用離型層用塗工液PU1を塗布し、乾燥した後に、その上に保護層用剥離層用塗工液PO1を塗布し、乾燥した後に、さらにその上に保護層用接着層塗工液A1を塗布した。
この時の塗布量は固形分塗布量が、以下の塗布量となるように調整した。
イエロー熱転写層 0.8g/m2
マゼンタ熱転写層 0.8g/m2
シアン熱転写層 0.8g/m2
保護層離型層 0.3g/m2
保護層剥離層 0.5g/m2
保護層接着層 2.2g/m2
さらに、各色の熱転写層塗工液を下記のように変化させて、表1に記載した感熱転写シートの試料100〜109を作製した。
[感熱転写受像シートの作製]
受像シートS1の作製
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の下引き層、断熱層、受容層下層、受容層上層の順に支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は下引き層:6.7g/m2、断熱層:8.6g/m2、受容層下層:2.6g/m2、受容層上層:2.7g/m2となるように塗布を行った。
受容層上層
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 22.2部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 2.5部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 0.5部
下記エステル系ワックスEW−1 2.0部
下記界面活性剤F−1 0.04部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス(固形分として) 24.4部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン 1.4部
下記界面活性剤F−1 0.04部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス(固形分として) 579部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン 279部
下引き層
ポリビニルアルコール 16.8部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス(固形分として) 150部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
下記界面活性剤F−1 0.1部
Figure 0004929218
[画像形成]
前記の各感熱転写シートおよび感熱転写受像シートS1を、富士フイルム株式会社製昇華型熱転写プリンタASK2000(商品名)に装填可能なように加工し、高速プリントモードで出力を行った。この際、ライン速度は0.73m秒/ライン、TPHの最高到達温度は450℃であった。
[評価試験]
感熱転写シート試料100に対して、色素層バインダーの分子量を調整して、表1に示されるようなTg−Aを満たす試料102から109を作成した。尚、試料101は、(株)DNPプリントラッシュ社製感熱転写シートを用いてプリントを作成した。
15℃20%恒温恒湿に、前記昇華型プリンター・試料100から109の感熱受像シート・感熱転写シートS1を12時間放置して安定化した後に、KGサイズの黒ベタ((R、G、B)=(0、0、0))となるデジタル画像情報を30枚プリントした。30枚目のプリントに発生したリボンジワを定量化するために、セイコーエプソン(株)社製ネットワークスキャナーES−2200をAdobe社製フォトショップCSで制御し、24bitカラー、100Dpi条件でプリント画像を取り込んで、各ピクセル8bitカラー情報としてbmp形式データファイル化した。画像取り込みの際、画面縁のノイズ情報を除去するために、画面中央98%部分を用いて画像解析を行った。リボンシワの画像解析は、このデータファイルの中から視感度が最も強いGの情報を抽出し、25以上の情報を示す点を黒く再現していないピクセルと定義し、そのピクセル総数をマイクロソフト社製表計算ソフトExcelを用いてカウントしRSとした。リボンシワが少なければRS値は低くなり、多く発生すればRS値が高くなる。
更に前記プリントの転写濃度を測定するために、X−rite社製X−rite 530LPを用いて、異常転写を発生していない部位のV濃度を画面20点平均値として測定した。
また、転写不良によるブロッキング発生について、目視で発生有無を確認した。30枚の中で、1枚でも発生した場合「発生する」と判断した。結果を表1に示す。
Figure 0004929218
上記表1の結果から、試料100と比較して面順位にTg−Aが上昇する試料102、103、104は、濃度が上昇するもののリボンシワが悪化していることが判る。一方、試料105から108においては、面順位にTg−Aを低下させたことによりリボンシワを改良しながら転写濃度増加を実現している。しかし、C色素層において、Tg−Aが45℃を下回る試料109においては、ブロッキングを発生することからリボンシワと同列に議論されるべき問題を発生してしまう結果となった。
実施例2
実施例1にて作製した受像シートS1に代えて、以下の受像シートS2、S3を用いて、実施例1と同様な試験を行い、本発明の感熱転写シートと本発明の感熱転写受像シートの組合せが優れていることを確認した。なお、受像シートS2を使用した中では、本発明の感熱転写シートが優れていることも確認した。
[感熱転写受像シートの作製]
受像シートS2(比較受像シート)の作製
支持体として合成紙(ユポFPG200、厚さ200μm、商品名、ユポコーポレーション社製)を用い、この一方の面に下記組成の白色中間層、受容層の順にバーコーターにより塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は白色中間層1.0g/m2、受容層4.0g/m2となるように塗布を行い、乾燥は各層110℃、30秒間行った。
白色中間層
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡積(株)製) 10部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1部
酸化チタン 30部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90部
受容層
塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂 100部
(ソルバインA、商品名、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 5部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−300E)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
受像シートS3(本発明の受像シート)の作製
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、受像シートS1と同じ組成の断熱層とゼラチンのみからなる中間層を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、重層塗布を行った。塗布後すぐに50℃16時間熱処理を行った。それぞれの乾燥時の塗布量は断熱層:15g/m2、中間層:0.2g/m2となるように塗布を行った。得られた試料の中間層の上に、バーコーターにて受像シートS2と同じ組成の受容層の塗布を行った。需要層の乾燥時の塗布量は4.0g/m2となるように塗布を行い、乾燥は、塗布後すぐに110℃、30秒間行った。
感熱転写シートの一例を示す平面図である。 熱転写層(染料層)を別々の支持体に形成した感熱転写シートの一例を示す平面図である。 感熱転写シートの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 感熱転写シート
2 基材
3 熱転写層(染料層)
4 転写性保護層積層体
4a 離型層
4b 保護層
4c 接着剤層
5 裏面層

Claims (10)

  1. 支持体上に少なくとも1層の染料受容層を有し、かつ前記染料受容層と支持体の間に中空ポリマー粒子と親水性ポリマーを含有する少なくとも1層の断熱層を有する感熱転写受像シートに、感熱転写シートの支持体上に少なくとも1つのイエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層および/またはシアン熱転写層を有し、少なくとも前記3種の熱転写層に含まれる熱転写性色素を順次に前記染料受容層に転写する熱転写方式を用いた画像形成方法において、前記3種の熱転写層のガラス転移点(Tg−A)が面順次に低下することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記感熱転写シートにおいて、1つの支持体上にイエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、シアン熱転写層が面順次に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記色素を含有する感熱転写シートを熱転写する際、サーマルヘッド温度の最高到達温度(Tm)が180℃以上450℃以下となるプリンターを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 画像形成時のライン速度が0.8m秒/line以下であるプリンターを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記感熱転写受像シートにおいて、断熱層に含まれる親水性ポリマーの少なくとも1種がゼラチンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 該感熱転写シートの熱転写層と該感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 該感熱転写シートの熱転写層と該感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成した後、同じサーマルヘッドを用いて、保護層を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 支持体上に少なくとも1つのイエロー熱転写層、少なくとも1つのマゼンタ熱転写層、および少なくとも1つのシアン熱転写層を有し、イエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、シアン熱転写層の順でガラス転移点(Tg−A)が低下することを特徴とする感熱転写シート。
  9. イエロー熱転写層のガラス転移点が50℃以上85℃以下であり、マゼンタ熱転写層のガラス転移点が46℃以上80℃以下であり、シアン熱転写層のガラス転移点が45℃以上75℃以下であることを特徴とする、請求項8に記載の感熱転写シート。
  10. イエロー熱転写層とマゼンタ熱転写層とのガラス転移点の差、およびマゼンタ熱転写層とシアン熱転写層とのガラス転移点の差が、それぞれ1℃以上であることを特徴とする、請求項8または9に記載の感熱転写シート。
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