JP4632975B2 - 感熱転写方式を用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
これに対して、例えば特許文献1には、支持体としてクレープ紙またはクルパック紙を用いることが開示されている。しかし、クレープ紙やクルラップ紙を支持体として用いた場合、塗布から乾燥までの間に紙中に水分が吸収されてしまい、しかも乾燥後も紙中に水分が残存して、受容層の経時による鮮鋭性の低下を引き起こすという問題があった。
従って、本発明は、高速プリントを行った場合も、サーマルヘッドとインクシートとの融着およびインクシートと受像シートとの融着がなく、ムラ、皺などの故障の無い良好な画質であり、かつ高濃度のプリントが得られる画像形成方法を提供することを目的とする。
(1)基材フィルムの一方の面に熱転写可能な色材を含有する熱転写層を有し、マゼンタ色素を含有する熱転写層が下記一般式(9)で表される色素、下記一般式(10)で表される色素、および下記一般式(11)で表される色素をそれぞれ含有し、シアン色素を含有する熱転写層が下記一般式(12)で表される色素および下記一般式(13)で表される色素をそれぞれ含有し、他方の面に、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とポリマーとの反応で得られたポリマーを含有する耐熱滑性層が形成されている熱転写シートと、
支持体上に、少なくとも1種の塩化ビニルとアルキルアクリレートとのコポリマーのポリマーラテックスとゼラチンを含有する少なくとも1層の受容層、および、粒子サイズが0.1〜2.0μmでポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂で形成された非発泡型の中空ポリマーおよびバインダー樹脂としてゼラチンを含有する少なくとも1層の断熱層を有する感熱転写受像シートとを、
該熱転写シートの熱転写層と該感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成し、かつ画像形成時の前記感熱転写受像シートの搬送速度が125mm/秒以上であることを特徴とする画像形成方法。
(2)前記断熱層が、バインダー樹脂として水溶性ポリマーのみ含有することを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(3)前記断熱層が、バインダー樹脂としてゼラチンのみ含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成方法。
(4)前記受容層に少なくとも2種の塩化ビニル系ポリマーラテックスを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(5)前記受容層に少なくとも2種の、アルキルアクリレートの化学構造の異なる塩化ビニルとアルキルアクリレートとのコポリマーのポリマーラテックスを含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(6)前記受容層及び/又は断熱層に水溶性ポリマーを架橋することができる化合物を含有し、前記ゼラチンの一部又は全部が架橋されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(7)前記耐熱滑性層の厚みが0.1〜2.0μmであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(8)前記耐熱滑性層のバインダー樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(9)前記耐熱滑性層にリン酸エステルを含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(10)前記熱転写層のバインダー樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂またはポリエステル樹脂であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(11)前記熱転写層のバインダー樹脂が、酸成分の4分の3以上がテレフタル酸であるポリエステル樹脂であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(12)前記支持体が原紙の両面にポリエチレンでラミネートした両面ラミネート紙であり、かつ受容層側のポリエチレンに酸化チタンを含有し、受容層側とは反対面のポリエチレン上に帯電調整層を有することを特徴とする(1)〜(11)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(13)受容層側とは反対面の前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの混合樹脂であることを特徴とする(12)に記載の画像形成方法。
(14)受容層側の前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの混合樹脂であることを特徴とする(12)または(13)に記載の画像形成方法。
(15)前記感熱転写シートが、イエロー色素層に、下記一般式(7)で表される色素または下記一般式(8)で表される色素を含有することを特徴とする(1)〜(14)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(16)前記受容層に下記一般式(E−1)〜(E−3)のいずれかで表される化合物を含有することを特徴とする(1)〜(15)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
本発明の感熱転写受像シートは、支持体上に染料受容層(受容層)が形成されている。受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。また、下地層と支持体との間には断熱層が形成されていることが好ましい。さらに、支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。本発明の感熱転写受像シートはポリマーラテックスおよび水溶性ポリマーを含有する少なくとも1層の受容層を有する。ポリマーラテックスと水溶性ポリマーとを含有させることで、染料に染着し難い水溶性ポリマーをポリマーラテックス間に存在させ、ポリマーラテックスに染着した染料が拡散するのを防止することができ、この結果、受容層の経時による鮮鋭性の変化を少なくし、転写画像の経時変化が小さい記録画像を形成することができる。
本発明に用いるポリマーラテックスについて説明する。本発明の感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64-538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
本発明においては、上記のうち、塩化ビニル系ポリマーラッテックスが好ましく、少なくとも1種の塩化ビニルとアルキルアクリレートとのコポリマーのポリマーラテックスを必須とする。
ここで、本発明において、必須である塩化ビニルとアルキルアクリレートとのコポリマーのポリマーラテックスは、モノマーとして、塩化ビニルとアルキルアクリレートのモノマーが使用される。
(a)共役ジエン類:1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b) オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等。
(e) 不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(f) スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(g) ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(h) ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(i) α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(j) その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
Z−1:ベンジルアルコール
Z−2:2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
Z−4:ジエチレングルコール
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用できる。
ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の受像シートにおけるポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
本発明においては、水溶性ポリマーを用いることが好ましく、受容層や断熱層に好ましく使用される。
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーは、天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子系(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが本発明で使用できる水溶性ポリマーに該当する。
水溶性ポリマーの添加量は、受容層中の全ポリマーの50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、0.005〜10質量%がさらに好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
また、受容層には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤フッ素系化合物、ワックスエマルジョンを用いることができるが、特にワックスエマルジョンが好ましく用いられる。本発明に用いられるワックスエマルジョンはワックスを乳化したものである。そのワックスとしては、例えばパラフィンワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライトワックス、モンタンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム、フィッシャー・トリブッシュワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、硬化ひまし油、流動パラフィン、ステアリン酸アミドなどが挙げられ、特にパラフィンワックスが好ましく用いられる。また、これらワックスエマルジョンを調整する方法は公知の方法でよく、例えばワックス、樹脂、及び流動化剤などを混合過熱するなどして溶融し、これに乳化剤を加えて乳化すればよい。樹脂としては、例えば多価アルコール、多価アルコールのエステル化物などが用いられる。これらの混合物は溶融後、例えば、アニオン、カチオン、ノニオンなどの界面活性剤、或いは、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性化合物、有機アミン、スチレンーマレイン酸共重合体などを添加し乳化することによりワックスエマルジョンとすることができる。離型剤の添加量は、染料(色素)を受容するポリマー(ポリマーラテックス等)100質量部に対して0.2〜30質量部が好ましい。
受容層(もしくは断熱層)に含まれる前記水溶性ポリマーは、その一部又は全部が架橋剤により架橋されていることが好ましい。
架橋剤としては、アミノ基やカルボキシル基あるいはヒドロキシル基などと反応する基を分子内に複数含有すればよく、水溶性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用いられ、架橋剤の種類については特に限定されない。T.H.James著,“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION”(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊),77〜87頁に記載の各方法や、米国特許第4,678,739号明細書第41欄、特開昭59−116655号公報、同62−245261号公報、同61−18942号公報等に記載の架橋剤が使用に適している。無機化合物の架橋剤(例えば、クロムみょうばん、ホウ酸及びその塩)および有機化合物の架橋剤のいずれも好ましい。また、特開2003−231775号公報記載のpHが1〜7であるキレート化剤とジルコニウム化合物とを含む混合水溶液からなる架橋剤を使用していてもよい。
本発明に用いられる架橋剤の使用量としては、水溶性バインダーや架橋剤の種類により変化するが、概ね含まれる構成層の水溶性ポリマー100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、さらには1〜10質量部であることがより好ましい。
滑剤、酸化防止剤などの疎水性添加剤は米国特許第2,322,027号明細書に記載の方法などの公知の方法により受像シートの層中に導入することができる。この場合には、米国特許第4,555,470号、同第4,536,466号、同第4,536,467号、同第4,587,206号、同第4,555,476号、同第4,599,296号、特公平3−62256号の公報または明細書などに記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して用いることができる。またこれら滑剤や酸化防止剤、高沸点有機溶媒などは2種以上併用することができる。
一般式(E−1)〜(E−3)のいずれかで表わされる化合物について、本発明の効果の点での好ましい置換基について述べる。
一般式(E−1)〜(E−3)において、R41は脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基またはフォスホリル基であって、R42、R43、R45及びR46は各々独立に、水素原子、脂肪族基、脂肪族オキシ基またはアシルアミノ基である場合が好ましく、R41は脂肪族基であって、R42、R43、R45及びR46は各々独立に、水素原子または脂肪族基である場合はさらに好ましい。
以下に、一般式(E−1)〜(E−3)のいずれかで表される好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類;シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができ、フッ素系界面活性剤等に代表されるフッ素系化合物、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイル及び/又はその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
滑剤の含有量はポリマーラテックスの固形分に対して好ましくは1.0〜10質量%である。
好ましくは以下の化合物が用いられる。
疎水性化合物を親水性コロイドに分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特開昭59−157636号公報の37〜38頁に記載の界面活性剤として挙げたものを使うことができる。また、特開平7−56267号、同7−228589号、***公開特許第1,932,299A号の公報または明細書に記載のリン酸エステル型界面活性剤も使用することができる。
また、本発明では耐光性を向上するために受容層に紫外線吸収剤が添加してもよい。このとき、紫外線吸収剤を高分子量化することで受容層に固定でき、インクシートへの拡散や加熱による昇華・蒸散などを防ぐことができる。
紫外線吸収剤としては、情報記録分野において広く知られている各種紫外線吸収剤骨格を有する化合物を使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン型紫外線吸収剤骨格を有する化合物を挙げることができる。紫外線吸収能(吸光係数)・安定性の観点では、ベンゾトリアゾール型、トリアジン骨格を有する化合物が好ましく、高分子量化・ラテックス化の観点ではベンゾトリアゾール型、ベンゾフェノン型の骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、特開2004−361936号公報などに記載された紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤をグラフトしたポリマーをラテックス化する場合、前記の染着性受容ポリマーのラテックスと混合してから塗布することで紫外線吸収剤が均一に分散した受容層を形成することができる。
断熱層は、サーマルヘッドを用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、基材として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い熱転写受像シートを得ることができる。断熱層は1層でも2層以上でも良い。断熱層は、受容層より支持体側に設けられる。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、例えば、1)ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられ、本発明においては、上記1)のポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂で形成された非発泡型の中空ポリマーを使用する。
中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましく、本発明においては、0.1〜2μmのものを使用する。また、中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
ここで、「有機溶剤に耐性の無い」とは、有機溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)への溶解度が1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であることをいう。例えば前記ポリマーラテックスは、「有機溶剤に耐性の無い樹脂」に含まれる。
断熱層における水溶性ポリマーの添加量は、当該断熱層全体の1〜75質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。
断熱層中の水溶性ポリマーは、架橋剤の種類によっても異なるが、水溶性ポリマーに対して、0.1〜20質量%架橋されていることが好ましく、1〜10質量%架橋されていることがより好ましい。
受容層と支持体との間には下地層が形成されていることが好ましく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層が形成される。これらの層については、例えば特許第3585599号明細書、特許第2925244号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
本発明では、支持体として耐水性支持体が用いられる。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙を用いることができる。
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
熱転写画像形成の際に、上述した感熱転写受像シートと併せて使用されるインクシートは、支持体上に拡散転写染料を含む色素層を設けたものである。色素層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。
インクシート基材の材質は、ポリエステルフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリスルフォンフイルム、ポリイミドフイルム、ポリビニルアルコールフイルム若しくはセロファン等のプラスチックフイルムが適している。本発明の好ましい実施態様では、熱転写色素供与材料はポリエチレンテレフタレート支持体上にシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を逐次繰返し領域で塗布したものからなり、前記熱転写工程を各色素毎に逐次実施して三色の転写画像を形成する。勿論、この熱転写工程を単色で実施した際には、モノクロームの転写画像が得られる。
(熱転写層)
本発明に用いられるインクシートの熱転写層(色素層)には、イエロー色素として前記一般式(7)又は(8)で表される少なくとも1種の色素を含むことが好ましく、マゼンタ色素として前記一般式(9)、(10)又は(11)で表される少なくとも1種の色素を含むことが好ましく、シアン色素として前記一般式(12)又は(13)で表される少なくとも1種の色素を含むことが好ましい。
本発明においては、マゼンタ色素を含有する熱転写層が前記一般式(9)で表される色素、前記一般式(10)で表される色素、および前記一般式(11)で表される色素をそれぞれ含有し、シアン色素を含有する熱転写層が前記一般式(12)で表される色素および前記一般式(13)で表される色素をそれぞれ含有する。
以下に上記の好ましい色素を説明する。
最初に、一般式(7)で表される色素について、詳細に説明する。
ここで該置換基をさらに詳しく説明する。該置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基(環数は問わない)を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基(環数は問わない)を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アルキアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基を有していても良い。
R51およびR52で表されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。中でも塩素原子、臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
R51およびR52で表されるアルケニル基にはシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基としては、炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基が好ましい。例としてはビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイルを挙げることができる。シクロアルケニル基としては、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例としては、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられる。ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基が含まれる。ビシクロアルケニル基としては炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例として、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イルを挙げることができる。
R62、R63の例には、好ましくは水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基である。より好ましくは水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基である。
R64の例には、好ましくは各々独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基であり、より好ましくは水素原子、置換または無置換のアルキル基であり、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
R102の例としては、一般式(7)のR51で述べたような置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。より好ましくは、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基である。
R103、R104の例としては、R51、R52で述べたような置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。より好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であり、さらに好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基である。
また熱転写層の塗布量は、0.1〜1.0g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましく、更に好ましくは0.15〜0.60g/m2である。熱転写層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.0μmである。
より好ましいポリエステル樹脂は、酸成分の2分の1以上がテレフタル酸であり、更に好ましくは酸成分の3分の2以上がテレフタル酸であり、最も好ましくは酸成分の4分の3以上がテレフタル酸である。これにより、感熱転写受像シートとの融着を防ぐことができる。本発明のポリエステルは特開平9−295389号公報に記載の方法などにより得ることができる。
本発明の熱転写シートは基材の一方の面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層を設ける。該耐熱滑性層にはバインダーとしてポリマーを含有することが好ましい。該ポリマーは好ましくはポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂或はこれらのシリコーン変性物等が用いられ、これらの中で特に好ましい樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂及びポリアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂或はこれらのシリコーン変性物の如くイソシアネート基と反応する水酸基を有する樹脂である。
熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所製、商品名、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。画像形成方法は例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。
本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、1枚のプリント時間は8秒未満が好ましく、3〜8秒がより好ましい。
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。
一方、画像形成時の感熱転写受像シートの搬送速度においては、本発明では、125mm/秒以上であり、好ましくは125mm/秒以上200mm/秒以下、さらに好ましくは125mm/秒以上190mm/秒以下、最も好ましくは125mm/秒以上175mm/秒以下である場合に、極めて効果的に本発明の効果を奏する。なお、感熱転写受像シートの搬送速度とは、画像形成時の感熱転写受像シートの搬送速度とは、感熱転写受像シートがサーマルヘッドの下を往復するときの速度である。
例えば、図1では、搬送ローラー28により矢印方向に搬送して使用済みの熱転写シートをリボンカートリッジ内で巻き取りつつサーマルヘッド10の発熱部11への通電による感熱転写記録を行なうように構成されている。熱転写シートの熱転写層には、各色材層イエロー、マゼンタ、シアンが各々感熱転写受像シートの記録面の面積に対応して順次形成されている関係上、搬送ローラー28の回転方向の切り替えにより、感熱転写受像シートはサーマルヘッド11の下を往復し、各色が表面に施されることとなる。画像形成時の感熱転写受像シートの搬送速度とは、感熱転写受像シートがサーマルヘッド11の下を往復するときの速度である。
(インクシート101の作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。その表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物をそれぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m2)した。
イエローインキ
色素(7)-1 2.5部
色素(8)-1 2.0部
ポリエステル1 4.5部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90部
マゼンタインキ
色素(9)-1 1.0部
色素(10)-1 1.0部
色素(11)-1 2.5部
ポリエステル1 4.5部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90部
シアンインキ
色素(12)-1 2.0部
色素(13)-1 2.5部
ポリエステル1 4.5部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90部
ポリエステル1
下記の酸成分およびジオール成分を下記モル比で重合させることで得られる数平均分子量2000のポリエステル。
イソフタル酸 5
テレフタル酸 45
エチレングリコール 5
ジエチレングリコール 45
(インクシート102の作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルム背面側に耐熱滑性層(乾膜時の膜厚1.0μm)を形成し、それ以外は試料101と同様に作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製) 13.6部
リン酸エステル(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製) 0.8部
メチルエチルケトン 42.9部
トルエン 42.9部
(インクシート103の作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルム背面側に耐熱滑性層(乾膜時の膜厚1.0μm)を形成し、それ以外は試料101と同様に作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製) 13.6部
ポリイソシアネート硬化剤(タケネートD218 武田薬品工業(株)製) 0.6部
リン酸エステル(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製) 0.8部
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
(比較例201)
(受像シート201)
支持体として合成紙(ユポFPG200、厚さ200μm、商品名、ユポコーポレーション社製)を用い、この一方の面に下記組成の受容層を塗布した。受容層4.0g/m2となるように塗布を行い、乾燥は各層110℃で、30秒間行った。
受容層用塗工液1
(組成)
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡(株)製) 100部
アミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製 X−22−343) 3部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製 KF−393) 3部
トルエン/メチルエチルケトン(1部/1部) 500部
(塗布量) 20ml/m2
(受像シート202)
(支持体の作製)
アカシアからなるLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
次いで、前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製 DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製サイズパインK)O.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
乳化分散物Aを以下の手順で調製した。化合物EB−9を高沸点溶媒(Solv−5)42g及び酢酸エチル20mlに溶解し、この液を1gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む20質量%ゼラチン水溶液250g中に高速攪拌乳化機 (ディゾルバー)で乳化分散し、水を加えて380gの乳化物Aの調整を行った。
ここで、化合物EB−9の添加量は乳化物A中に30mmolとなるよう調整にした。
(組成)
ゼラチン 3% 水溶液
NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 11ml/m2
(組成)
スチレンブタジエンラテックス 60部
(日本エイアンドエル(株)社製 SR103 )
PVA 6% 水溶液 40部
NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 11ml/m2
(組成)
中空ポリマーラテックス 60部
(日本ゼオン(株)製 MH5055)
10%ゼラチン水溶液 20部
先に調製した乳化物A 20部
NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 45ml/m2
(組成)
塩化ビニル系ポリマーラテックス 50部
(日信化学(株)社製 ビニブラン900)
塩化ビニル系ポリマーラテックス 20部
(日信化学(株)社製 ビニブラン270)
10%ゼラチン水溶液 10部
先に調製した乳化物A 10部
硬膜剤(VS−7) 0.2部
マイクロクリスタリンワックス 5部
(EMUSTAR−042X、商品名、日本精蝋(株))
水 5部
NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 18ml/m2
ここで、硬膜剤(VS−7)は、以下の化合物である。
CH2=CHSO2CH2C(=O)−NHCH2CH2NHC(=O)−SO2CH=CH2
上記インクシートと、上記受像シートを用いて、熱転写型プリンターA(DPB1500 日本電産コパル(株)製)又は熱転写型プリンターB(特開平5−278247号公報の図6に記載のプリンター)により152mm×102mmサイズ画像の出力を行った。なお、プリンターAの搬送速度は73mm/秒であった。熱転写型プリンターBは、画像形成時の感熱転写受像シートの搬送速度を125mm/秒に設定してプリントを行った。この際、熱転写型プリンターAでプリントした時と同等の濃度階調が得られるようサーマルヘッドの発熱量を調節した。黒ベタ画像を連続10枚出力し、出力画像に融着やインク剥がれの有無を以下のランクで評価した。
5 融着やインク剥がれなどが見られずほとんどムラがない
4 若干のムラが見られるが、融着やインク剥がれは見られず実用上問題ない
3 融着やインク剥がれは見られないが、明らかなムラが見られ、実用上問題である
2 融着やインク剥がれがみられるが受像シートはプリンターから排出される
1 インクシートと受像シートが融着し、プリンターから排出されない
○ 皺の発生が見られない
△ 若干の皺の発生が見られる
× 皺の発生が多く、実用上問題がある
この結果を下記表1に示す。
上記表1より、本発明のインクシートと受像シートの組み合わせは、サーマルヘッドとインクシートとの融着およびインクシートと受像シートとの融着が実質的に認められず、また、皺の発生も極めて少なく、しかも高濃度のプリントが得られることがわかる。特に、高速プリントを行った場合もこれらの効果が顕著に得られた。
11 発熱素子アレイ
14 記録紙(感熱転写受像シート)
15 インクフイルム(感熱転写シート)
25 プラテンドラム
26 クランプ部材
27 パルスモーター
28,29 ガイドローラ
Claims (16)
- 基材フィルムの一方の面に熱転写可能な色材を含有する熱転写層を有し、マゼンタ色素を含有する熱転写層が下記一般式(9)で表される色素、下記一般式(10)で表される色素、および下記一般式(11)で表される色素をそれぞれ含有し、シアン色素を含有する熱転写層が下記一般式(12)で表される色素および下記一般式(13)で表される色素をそれぞれ含有し、他方の面に、2個以上のイソシアネート基を有する化合物とポリマーとの反応で得られたポリマーを含有する耐熱滑性層が形成されている熱転写シートと、
支持体上に、少なくとも1種の塩化ビニルとアルキルアクリレートとのコポリマーのポリマーラテックスとゼラチンを含有する少なくとも1層の受容層、および、粒子サイズが0.1〜2.0μmでポリスチレン樹脂、アクリル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂で形成された非発泡型の中空ポリマーおよびバインダー樹脂としてゼラチンを含有する少なくとも1層の断熱層を有する感熱転写受像シートとを、
該熱転写シートの熱転写層と該感熱転写受像シートの受容層とが接するよう重ねあわせ、サーマルヘッドから画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成し、かつ画像形成時の前記感熱転写受像シートの搬送速度が125mm/秒以上であることを特徴とする画像形成方法。
- 前記断熱層が、バインダー樹脂として水溶性ポリマーのみ含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記断熱層が、バインダー樹脂としてゼラチンのみ含有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記受容層に少なくとも2種の塩化ビニル系ポリマーラテックスを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記受容層に少なくとも2種の、アルキルアクリレートの化学構造の異なる塩化ビニルとアルキルアクリレートとのコポリマーのポリマーラテックスを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記受容層及び/又は断熱層に水溶性ポリマーを架橋することができる化合物を含有し、前記ゼラチンの一部又は全部が架橋されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記耐熱滑性層の厚みが0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記耐熱滑性層のバインダー樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記耐熱滑性層にリン酸エステルを含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記熱転写層のバインダー樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂またはポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記熱転写層のバインダー樹脂が、酸成分の4分の3以上がテレフタル酸であるポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記支持体が原紙の両面にポリエチレンでラミネートした両面ラミネート紙であり、かつ受容層側のポリエチレンに酸化チタンを含有し、受容層側とは反対面のポリエチレン上に帯電調整層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 受容層側とは反対面の前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの混合樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
- 受容層側の前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの混合樹脂であることを特徴とする請求項12または13に記載の画像形成方法。
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