JP4493565B2 - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
はじめに、本発明の熱転写受像シートの詳細について説明する。
本発明の熱転写受像シートで用いる基材は、受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
(2)引き裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で、縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cm2が好ましい
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい
(8)染料受像層を設ける側の光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおいては、基材上に中空粒子を含有する断熱層を有すること、該中空粒子の断熱層における含有率が65質量%以上であること、該断熱層とそれに隣接する受像層側の層とが同時重層塗布によって形成されることを特徴とする。
本発明に係る中空粒子としては、例えば、粒子内部の液体が加熱により揮発して中空になるタイプ、あるいは加熱する前から既に中空になっているタイプ、粒子内部の液体が気化膨張して中空になるタイプなどが知られており、いずれのタイプも用いることはできるが、優れた平滑性を持たせる観点からは、気化膨張によって中空になるタイプ以外のものを用いることが好ましい。本発明に用いる中空粒子の平均粒径は、断熱機能、平滑性の観点から0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.3〜3.0μmであることが更に好ましい。ここでいう中空粒子の平均粒径とは、透過型電子顕微鏡により撮影された撮影画像をもとに、少なくとも300個以上の粒子像に対し、各粒子像の外周をなす部分の円相当換算直径の合計を測定粒子個数で割った値を意味する。
次に、断熱層を形成する上で使用するバインダーについて説明する。
本発明の熱転写受像シートにおいては、断熱層形成時に、硬膜剤を含有することができる。硬膜剤は、熱転写受像シート作製の任意の時期に添加することができ、例えば、断熱層形成用の塗布液に添加することができる。
本発明においては、基材上に本発明に係る断熱層と受像層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に係る受像層とは、色素を受容し、画像を形成する層をいう。本発明に係る受像層には、バインダー樹脂の他、キレート可能な染料と反応してキレート化合物を形成する金属イオン含有化合物や離型剤を含有させることが好ましい。
本発明に係る受像層に使用されるバインダー樹脂としては、バインダー樹脂として公知のものを用いることができ、色素(以下、染料ともいう)が染着しやすいものを用いることが好ましい。具体的には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、ポリウレタン、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等の単体、又は混合物を挙げることができるが、これらの中でもビニル系樹脂が好ましく、最も好ましくはポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂及びポリカーボネートである。
本発明の熱転写受像シートにおいては、印画後の画像保存性を高める観点から、受像層中にキレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物(以下、メタルソースとも記す)を含有させることが好ましい。メタルソースとしては、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、いずれも好ましく用いられる。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、i及びZnが好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。
〔M(Q1)X(Q2)Y(Q3)Z〕P+(L-)P
上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn2+を表す。Q1、Q2、Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えば、キレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。L-は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニル硼素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げられる。Xは1、2または3の整数を表し、Yは1、2または0を表し、Zは1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって決定される。Pは1または2を表す。この種のメタルソースの具体例は、米国特許4,987,049号明細書に例示されたもの、または特開平10−67181号公報に例示された化合物1〜51などを挙げることができる。
本発明に係る受像層においては、印画時に熱転写インクシートのインク層との熱融着を防止するために、離型剤を含有することが好ましい。
本発明に係る受像層においては、受像層がシリコーン系界面活性剤を含有することも好ましい態様である。
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、断熱層とそれに隣接する受像層側の層(例えば、前述の中間層あるいは受像層)とを、同時重層塗布によって形成することが特徴である。この際、断熱層と中間層を同時塗布し、しかる後に受像層を塗布しても良いし、中間層を設けることなく断熱層と受像層を同時に塗布しても良いし、断熱層、中間層及び受像層を同時に塗布しても構わない。
(基材シート)
本発明において、熱転写インクシートに使用される基材シートとしては、従来より熱転写インクシートの基材シートとして公知の材料を用いることができる。好ましい基材シートの具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
本発明において、熱転写インクシートを構成するインク層は、少なくとも色素とバインダー樹脂を含有する熱昇華性色材層である。本発明に係るインク層に使用される色素は、1種のみでも2種以上を併用しても良い。
本発明において、インク層は、上記色素と共にバインダー樹脂を含有する。
本発明において、熱転写インクシートは、熱転写性の保護層を備えていることが好ましい。該熱転写性の保護層は、受像シート上に熱転写して形成された画像の表面を覆う保護層となる透明な樹脂層からなる。
熱転写性保護層として電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱転写性保護層に含有することにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂または上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
熱転写性保護層の少なくとも1層に、紫外線吸収剤が含有されていることが好ましいが、透明樹脂層に含有させた場合、保護層転写後は透明樹脂層が印画物の最表面に存在するため、長期間の間に環境などの影響を受け経時的にその効果が低下することから、特に好ましくは、接着層に含有させる。
本発明の熱転写インクシートにおいて、インク層とは基材シートを挟んで反対側の面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
《熱転写受像シートの作製》
〔熱転写受像シート1の作製〕
坪量が101g/m2の上質紙に、中空粒子殻壁の軟化点温度80〜85℃の熱膨張性の可塑性物質(マツモトマイクロスフェアーF−30、松本油脂社製)の70部及びポリビニルアルコールの30部からなる断熱層塗布液1を乾燥固形分量が3.5g/m2となるように塗布し、120℃で1分間乾燥して断熱層を形成した。この熱乾燥により熱膨張性の可塑性物質は体積で30〜70倍に膨張した。この断熱層上にポリビニルアルコールからなる中間層塗布液1を乾燥固形分量で3.5g/m2塗布して中間層を形成し、さらにその上に下記組成からなる受像層塗布液1を乾燥固形分量で4g/m2となるように塗布し、120℃で5分間乾燥して熱転写受像シート1を作製した。
ポリエステル樹脂(Vylon 200、東洋紡社製) 1.0質量部
アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業社製) 0.03質量部
エポキシ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業社製) 0.03質量部
メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサン(質量比4:4:2)
9.0質量部
〔熱転写受像シート2の作製〕
カレンダー処理により透気度を調節したコート紙1(透気度1,700秒、坪量170g/m2)を基材として、その基材のコート面側に、下記組成の断熱層塗布液2を乾燥膜厚が30μmになるように、塗布、乾燥を行ない、断熱層を形成した。次に、断熱層上に、下記の組成からなる中間層塗布液2を乾燥膜厚が5μmになるように、塗布、乾燥を行ない、中間層を形成した。さらに、その中間層上に、下記組成からなる受像層塗布液2を乾燥膜厚が5μmになるように塗布、乾燥を行ない、受像層を形成し、熱転写受像シート2を作製した。
中空粒子(スチレン−アクリル系樹脂の中空粒子、中空体積比率55%、平均粒径1μm、ロームアンドハース社製 ローペイク HP−1055) 100質量部
ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業(株)製 KM−11)の15%溶液
19質量部
水 40質量部
(中間層塗布液2の調製)
ウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 ハイドランAP−40) 50質量部
ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業(株)製 KM−11)の10%溶液
50質量部
(受像層塗布液2の調製:溶剤系塗布液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(電気化学工業(株)製 #1000AKT)
100質量部
アミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製 KS−343) 5質量部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製 KF−393) 5質量部
メチルエチルケトン 200質量部
トルエン 200質量部
〔熱転写受像シート3の作製〕
上記熱転写受像シート2の作製において、基材としてコート紙1に代えて、カレンダー処理により透気度を調節したコート紙2(透気度3,100秒、坪量170g/m2)を用いた以外は同様にして、熱転写受像シート3を作製した。
基材シートを厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(多孔質層側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタン含有、多孔質層面側には0.05g/m2のゼラチン下引き層、多孔質層とは反対側の面にはTgが約80℃のラテックス性ポリマーを含むバック層を0.2g/m2として有する)の一方の面に、下記の組成からなる断熱層塗布液3を乾燥時の固形分量が25g/m2となる条件でワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、次いで断熱層が湿潤状態のままで、ウェット−オン−ウェットで、下記の組成からなる受像層塗布液3を乾燥時の固形分量が4.0g/m2となる条件でワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で60秒間乾燥さて、熱転写受像シート4を作製した。
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055、中空体積比率55%、平均粒径0.5μm) 100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
47質量部
アルカリ処理ゼラチン 3.7質量部
水 40質量部
上記断熱層塗布液3における中空粒子/バインダー(ポリビニルアルコール+アルカリ処理ゼラチン)質量比は、80/20である。
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
アルカリ処理ゼラチン 8質量部
フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製 FC−4430) 1.2質量部
純水 31.2質量部
〔熱転写受像シート5の作製〕
上記熱転写受像シート4の作製において、断熱層塗布液3及び受像層塗布液3をスライドホッパー方式のコーターを用いて2層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート5を作製した。
上記熱転写受像シート4の作製において、断熱層と受像層との間に、下記の組成からなる中間層塗布液1を用いて乾燥固形分量が1.0g/m2となるようにして中間層を設け、この時、断熱層塗布液3及び中間層塗布液1をスライドホッパーを用いて2層同時重層塗布した以外は同様にして、熱転写受像シート6を作製した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
15質量部
アルカリ処理ゼラチン 15質量部
アナターゼ型酸化チタン 10質量部
水 60質量部
〔熱転写受像シート7の作製〕
上記熱転写受像シート6の作製において、受像層塗布液3を下記の組成からなる受像層塗布液4に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート7を作製した。
ポリエチレンテレフタレート 10質量部
ジメチルシリコーン 1質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40質量部
〔熱転写受像シート8の作製〕
上記熱転写受像シート6の作製において、断熱層塗布液3、中間層塗布液1及び受像層塗布液3をスライドホッパー方式のコーターを用いて3層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート8を作製した。
上記熱転写受像シート8の作製において、断熱層塗布液3を下記の組成からなる断熱層塗布液4に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート9を作製した。
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
5.0質量部
アルカリ処理ゼラチン 2.2質量部
水 3.0質量部
上記断熱層塗布液4における中空粒子/バインダー(ポリビニルアルコール+アルカリ処理ゼラチン)質量比は、92/8である。
上記熱転写受像シート8の作製において、断熱層塗布液3を下記の組成からなる断熱層塗布液5に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート10を作製した。
アクリルスチレン系中空粒子(日本ゼオン社製、Nipol MH5055)
100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:平均重合度3500)の8%水溶液
146質量部
アルカリ処理ゼラチン 10質量部
水 244質量部
上記断熱層塗布液5における中空粒子/バインダー(ポリビニルアルコール+アルカリ処理ゼラチン)質量比は、58/42である。
上記熱転写受像シート7の作製において、受像層塗布液4を下記の組成からなる受像層塗布液5に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート11を作製した。
ポリエチレンテレフタレート 10質量部
ジメチルシリコーン 1質量部
メタルソース:MS例示化合物1 4質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40質量部
〔熱転写受像シート12の作製〕
上記熱転写受像シート8の作製において、受像層塗布液3を下記の組成からなる受像層塗布液6に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート12を作製した。
水分散性ポリエステル(東洋紡社製、MD−1200、固形分率34質量%)
50質量部
アルカリ処理ゼラチン 8質量部
フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製 FC−4430) 1.2質量部
メタルソース:NiCl2 10質量部
純水 31.2質量部
《画像形成》
抵抗体形状がスクエア(主走査方向長80μm×副走査方向長120μm)、300dpi(dpiとは、2.54cm当りのドット数を表す)ラインヘッドのサーマルヘッドを搭載した熱転写記録装置に、上記作製した各熱転写受像シートの受像層部と、コニカミノルタフォトイメージング社製 Pe602用の熱転写インクシートのインク層を重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、順次印加エネルギーを増加させ、イエロー、マゼンタ、シアン、ニュートラル(イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ね)の各ステップパターンパッチを、送り速度2.5msec/line、1ライン当たりの送り長さを85μmで、インク層の背面側から加熱して、熱転写受像シートの受像層上に各色素を転写させて、画像を形成した。
上記の様にして印画した画像について、下記の方法に従って各評価を行った。
上記の画像形成方法において、各熱転写受像シートを用いて、印加エネルギーを変化させながら画像形成を行い、反射濃度1.0を得るに要する印加エネルギーE(mJ/mm2)を測定し、下記の基準に従って感度の評価を行った。
○:4.8mJ/mm2<E≦5.2mJ/mm2
△:5.2mJ/mm2<E≦5.6mJ/mm2
×:E>5.6mJ/mm2
(白抜け故障耐性の評価)
上記印画した各ステップパターンパッチ画像における白抜け部(ベタ画像中の白点故障)の発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って白抜け故障耐性を評価した。
○:画像中に、ほぼ白抜け故障の発生が認められない
△:画像中に、微小サイズの白抜け故障が散発しているが、実用上許容の範囲にある
×:画像中に、強い白抜け故障が発生しており、実用上問題となる品質である
以上により得られた各結果を、表1に示す。
《熱転写受像シートの作製》
〔熱転写受像シート13の作製〕
実施例1に記載の熱転写受像シート4の作製に用いた基材シートと同様のポリエチレンコート紙の一方の面に、下記の組成からなる断熱層塗布液6を、乾燥時の固形分量が20g/m2となる条件で、ワイヤーバーコーティング方式で塗布し、しかる後に90℃で60秒間乾燥させた。次いで、下記組成からなる受像層塗布液7を、乾燥時の固形分量が2.5g/m2となる条件でワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、しかる後に90℃で60秒間乾燥させて、熱転写受像シート13を作製した。
アクリルスチレン系中空粒子(ロームアンドハース社製、ローペイクHP−1055 固形分27%) 37.0質量部
架橋型アクリルスチレン系中空粒子(JSR(株)製、SX8782A 固形分24%) 12.5質量部
アクリル系樹脂エマルジョン(JSR(株)製、AE986A 固形分35%)
15.1質量部
ゼラチン 1.7質量部
水 33.7質量部
上記断熱層塗布液6における中空粒子/バインダー(アクリル+ゼラチン)質量比は、65/35である。
塩ビ系樹脂エマルジョン(住友化学工業製、スミエリート1210 固形分50%)
9.6質量部
ベタイン型界面活性剤(固形分4%) 0.3質量部
ゼラチン 1.7質量部
水 88.4質量部
〔熱転写受像シート14の作製〕
上記熱転写受像シート13の作製において、断熱層塗布液6及び受像層塗布液7をスライドホッパー方式のコーターを用いて2層同時重層塗布で形成した以外は同様にして、熱転写受像シート14を作製した。
上記熱転写受像シート13の作製において、断熱層塗布液6を、下記組成からなる断熱層塗布液7に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート15を作製した。
アクリルスチレン系中空粒子(ロームアンドハース社製、ローペイクHP−1055 固形分27%) 34.2質量部
架橋型アクリルスチレン系中空粒子(JSR(株)製、SX8782A 固形分24%) 11.6質量部
アクリル系樹脂エマルジョン(JSR(株)製、AE986A 固形分35%)
15.1質量部
ゼラチン 1.7質量部
水 37.4質量部
上記断熱層塗布液7における中空粒子/バインダー(アクリル+ゼラチン)質量比は、60/40である。
上記熱転写受像シート14の作製において、断熱層塗布液6を、上記組成からなる断熱層塗布液7に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート16を作製した。
上記作製した熱転写受像シート13〜16と、実施例1で作製した熱転写受像シート2について、実施例1に記載の方法と同様にして画像形成及び感度と白抜け故障耐性の評価を行い、得られた結果を、表2に示す。なお、感度は、熱転写受像シート2での反射濃度1.0を与えるのに要する印加エネルギー値を100とし、これに対する他の熱転写受像シートのエネルギーを相対値で表した。従って、数値が低いもの程、感度が高いことを示す。
Claims (7)
- 基材上に、断熱層及び受像層を有する熱転写受像シートの製造方法において、該断熱層が中空粒子と親水性バインダーとを含有し、該中空粒子の含有率が65質量%以上であり、該受像層が塩ビ系樹脂エマルジョンと親水性バインダーとを含有し、かつ該断熱層とそれに隣接する受像層側の層とを同時重層塗布によって形成することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中空粒子の含有率が、65質量%以上90質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層とそれに隣接する受像層側の層とを、水系塗布かつ同時重層塗布により形成することを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層と前記受像層の間に、少なくとも1層の中間層を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 前記受像層が、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中空粒子の3質量%以上が、架橋型中空粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 前記中空粒子の3質量%以上95質量%以下が、架橋型中空粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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