JP2006043992A - かぶり低減方法および感熱転写記録用インクシート - Google Patents

かぶり低減方法および感熱転写記録用インクシート Download PDF

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Abstract

【課題】染料熱転写記録方式における高速プリント時の融着現象の防止による高濃度化とともにかぶりを防止する技術とそのために用いる感熱転写記録用インクシートを提供する。
【解決手段】支持体上に少なくとも熱拡散性色素受容層を積層した感熱転写記録用受像シートと、少なくとも熱拡散性色素を含有するインク層を支持体上に設けた感熱転写記録用インクシートとを重ね合わせ、記録信号に応じて加熱することにより上記インク層中の熱拡散性色素を前記受像シートに拡散させて画像を形成する感熱転写記録方法において、ライン周期が1.5msec/line以下の印画条件において、感熱転写記録用インクシートのインク層に、該インク層の膜厚の20%から500%の大きさの微粒子を添加させることを特徴とする感熱転写記録時におけるかぶり低減方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、染料熱転写記録方式の高速プリント条件下でのカブリの低減方法及びこれに用いる感熱転写記録用インクシートに関し、さらに詳しくは高速プリント時の高濃度と両立するカブリ低減方法方法及びこれに用いる感熱転写記録用インクシートに関する。
従来、カラー又はモノクロの画像の形成技術として、加熱により拡散移行する性質を有する熱拡散性染料を含有するインクシートを、受像シートの受像層と対向させて、サーマルヘッドやレーザー等の加熱印字手段を用いて、該受像層に該熱拡散性染料を画像様に転写して画像を形成(いわゆる染料熱転写方式)する技術が知られている。このような感熱転写方式は、デジタルデータを用いての画像形成を可能とし、現像液等の処理液を使わず、しかも銀塩写真に匹敵する高画質を形成できる方法として定評がある。
しかしながら、プリント速度の高速化への要望の過程で新たな問題が判明してきた。すなわち、染料熱転写方式でプリント速度を高速化していくと、低濃度部で濃度が上昇しやすくなり、かつ高濃度領域では十分な濃度が得られる前に、インクシートのインク層と受像シートの受像層とが熱により融着を生じやすくなることが判ってきた。特に高濃度領域で生じる融着現象は高い画像濃度を得るための妨げとなり深刻な問題となる。
一方、染料熱転写方式においてインク層と受像層の融着現象は既によく知られた現象であり、そのための対策技術は各種提案されている。例えば、受像シートでの対策技術としては、受像層に各種変性シリコン樹脂を含有させる技術が特許文献1、2、3等に記載されている。また、特許文献4には受像層に有機フィラー及びシリコーン化合物を含有させる技術が、特許文献5には、受容層の表面に離型性物質で表面処理した無機粉末と樹脂バインダーとからなる離型層を設ける技術が記載されている。インクシートでの対策技術としては、特許文献6にはインク層にリン酸エステル系界面活性剤及びフッ素脂肪酸変性シリコーンを含有する構成が、特許文献7にはインク層にシリコングラフトポリマーおよびポリシロキサン化合物を含有する構成が、特許文献8にはインク層にリン酸エステルを含有する構成が、記載されている。また、特許文献9に基材とインク層の間に粒子と高分子物質からなる層を設ける技術が特許請求範囲に記載され、さらに従来技術としてインク層に粒子を含有させる構成が記載されているが、インク層に粒子を含有させる従来キ技術では著しく濃度が低下することが記載されている。
本発明者らは、上記高速プリント時の高濃度領域の融着現象の改善を鋭意検討した結果、インク層に粒子を添加することで、融着が防止され高速印画時の高濃度部の濃度が増大するとともに、予期せざる効果としてかぶりが低減することを見出した。
特開昭60−34988号公報 特開昭61−27290号公報 特開平1−229689号公報 特開平5−330252号公報 特開平6−155950号公報 特開平1−200900号公報 特開平9−202059号公報 特開平10−67182号公報 特開昭60−240495号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、染料熱転写記録方式における高速プリント時の融着現象の防止による高濃度化とともにかぶりを防止する技術とそのために用いる感熱転写記録用インクシートを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.支持体上に少なくとも熱拡散性色素受容層を積層した感熱転写記録用受像シートと、少なくとも熱拡散性色素を含有するインク層を支持体上に設けた感熱転写記録用インクシートとを重ね合わせ、記録信号に応じて加熱することにより上記インク層中の熱拡散性色素を前記受像シートに拡散させて画像を形成する感熱転写記録方法において、ライン周期が1.5msec/line以下の印画条件において、感熱転写記録用インクシートのインク層に、該インク層の膜厚の20%から500%の大きさの微粒子を添加させることを特徴とする感熱転写記録時におけるかぶり低減方法。
2.前記微粒子が無機の微粒子であることを特徴とする前記1に記載のかぶり低減方法。
3.前記微粒子が有機高分子材料からなる微粒子であることを特徴とする前記1に記載のかぶり低減方法。
4.前記無機の微粒子の添加量が、該微粒子が添加されるインク層のインク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分の0.5重量%から120重量%であることを特徴とする前記2に記載のかぶり低減方法。
5.前記有機高分子材料の微粒子の添加量が、該微粒子が添加されるインク層のインク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分の0.1重量%から20重量%であることを特徴とする前記3に記載のかぶり低減方法。
6.支持体上に少なくとも熱拡散性色素受容層を積層した感熱転写記録用受像シートと、少なくとも熱拡散性色素を含有するインク層を支持体上に設けた感熱転写記録用インクシートとを重ね合わせ、ライン周期が1.5msec/line以下の印画条件で記録信号に応じて加熱することにより上記インク層中の熱拡散性色素を前記受像シートに拡散させて画像を形成するための感熱転写記録用インクシートにおいて、前期感熱転写記録用インクシートのインク層に、該インク層の膜厚の20%から500%の大きさの微粒子を含有することを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
7.前記微粒子が無機の微粒子であることを特徴とする前記6に記載の感熱転写記録用インクシート。
8.前記微粒子が有機高分子材料からなる微粒子であることを特徴とする前記6に記載の感熱転写記録用インクシート。
9.前記無機の微粒子の添加量が、該微粒子が添加されるインク層のインク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分の0.5重量%から120重量%であることを特徴とする前記7に記載の感熱転写記録用インクシート。
10.前記有機高分子材料の微粒子の添加量が、該微粒子が添加されるインク層のインク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分の0.1重量%から20重量%であることを特徴とする前記8に記載の感熱転写記録用インクシート。
11.感熱転写記録用受像シートの熱拡散性色素受容層に金属イオン含有化合物を含有するとともに、感熱転写記録用インクシートのインク層に含有する熱拡散性色素が、前期金属イオン含有化合物とキレート錯体を形成することができる熱拡散性色素であることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載のかぶり低減方法。
12.感熱転写記録用受像シートの熱拡散性色素受容層に金属イオン含有化合物を含有するとともに、感熱転写記録用インクシートのインク層に含有する熱拡散性色素が、前期金属イオン含有化合物とキレート錯体を形成することができる熱拡散性色素であることを特徴とする前記6〜10のいずれかに記載の感熱転写記録用インクシート。
本発明によれば、高濃度で、感度、表面物性、画像保存性に優れた画像を形成するためのポストキレート技術に用いる保護層転写シートとそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、インク層に粒子を添加することにより、高速プリント時の高濃度領域の融着現象が改善すると共に、高濃度でかつかぶりが防止された画像を得ることができることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《感熱転写記録用インクシート》
〔基材シート〕
本発明に係る感熱転写記録用インクシート(以下、熱転写シートともいう。)に使用される基材シートとしては、従来より感熱転写記録用インクシートの基材シートとして公知の材料を用いることができる。好ましい基材シートの具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
また、基材シートの表面に形成するインク層との密着が乏しい場合には、その表面にプライマー処理や、コロナ処理を施すことが好ましい。
〔インク層〕
本発明に係る感熱転写記録用インクシートを構成するインク層は、少なくとも熱拡散性色素とバインダー樹脂と、本発明に関わる微粒子を含有する。
〈色素〉
本発明に係るインク層に用いられる色素は、従来公知の感熱昇華転写方式の感熱転写記録用インクシートに使用される、アゾ系、アゾメチン系、メチン系、アントラキノン系、キノフタロン系、ナフトキノン系等のあらゆる色素を挙げることができ、特に制限はされない。具体的には、黄色色素として、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、赤色色素としてMSレッドG、マクロレックスレッドバイオレットR、セレスレッド7B、サマロンレッドHBSL、SKルビンSEGL等が挙げられ、さらに、青色色素として、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100、ダイトーブルーNo.1等が挙げられる。
また、キレート形成可能な熱拡散性色素としては、熱転写が可能であれば特に制限はなく、公知の各種の化合物を適宜に選定して使用することができ、例えば、特開昭59−78893号公報、同59−109349号公報、特開平4−94974号公報、同4−97894号公報、同9−123620号公報、同9−131973号公報、同11−78285号公報、特開2002−255171号公報、同2002−234266号公報、特許第2856335号公報、同3125236号公報明細書に記載されているシアン色素、マゼンタ色素、イエロー色素などを使用することができる。
例えば、キレートシアン色素としては、下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006043992
上記一般式(1)において、R11、R12及びR13は各々置換または無置換の脂肪族基を表し、R11及びR12は同じでも異なっていてもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基などを挙げることができ、これらのアルキル基を置換しうる基としては、直鎖あるいは分岐のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、及び1−ヘキシルノニル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、及びアダマンチル基等)、及びアルケニル基(例えば、2−プロピレン基、オレイル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、オルト−トリル基、オルト−アニシル基、1−ナフチル基、9−アントラニル基等)、複素環基(例えば、2−テトラヒドロフリル基、2−チオフェニル基、4−イミダゾリル基、2−ピリジル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボニル基(例えば、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基等のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル基等のアリールカルボニル基等)、オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基、及び2−ピリジルオキシカルボニル基、1−フェニルピラゾリル−5−オキシカルボニル基などの複素環オキシカルボニル基等)、カルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノカルボニル基等のアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、1−ナフチルカルバモイル基等のアリールカルバモイル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、2−エトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ基等)、複素環オキシ基(例えば、4−ピリジルオキシ基、2−ヘキサヒドロピラニルオキシ基等)、カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等のアリールオキシ基等)、ウレタン基(例えば、N,N−ジメチルウレタン基等のアルキルウレタン基、N−フェニルウレタン基、N−(p−シアノフェニル)ウレタン基等のアリールウレタン基等)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、n−ドデカンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基等)、アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基等のアルキルアミノ基、アニリノ基、p−t−オクチルアニリノ基等のアリールアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ヘプタフルオロプロパンスルホニルアミノ基、n−ヘキサデシルスルホニルアミノ基等のアルキルスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基、ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノ等のアリールスルホニルアミノ基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジメチルスルファモイルアミノ基等のアルキルスルファモイルアミノ基、N−フェニルスルファモイルアミノ基等のアリールスルファモイルアミノ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ミリストイルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリールカルボニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、N,N−ジメチルアミノウレイド基等のアルキルウレイド基、N−フェニルウレイド基、N−(p−シアノフェニル)ウレイド基等のアリールウレイド基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等のアルキルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等)、スルファモイル基(例えば、ジメチルスルファモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノスルホニル基等のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等のアリールスルファモイル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、t−オクチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−チオ基、5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−チオ基等)等が挙げられる。
シクロアルキル基、アルケニル基の例としては、上記置換基と同様である。また、アルキニル基の例としては、1−プロピン、2−ブチン、1−ヘキシン等が挙げられる。
11、R12として、非芳香族性の環状構造(例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環等)を形成する基も好ましい。
13は上記置換基の中でもアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基が好ましい。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合、複数のR13は同じでも異なっていてもよい。
14はアルキル基であり、その例としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、及び1−ヘキシルノニル基等が挙げられる。R14は好ましくは2級または3級アルキル基であり、好ましい2級または3級のアルキル基の例としてはイソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R14として最も好ましい置換基はイソプロピル基、tert−ブチル基である。R14のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており。その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
15はアルキル基であり、その例としては、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基、1−ヘキシルノニル基等が挙げられる。R15は好ましくは2級または3級アルキル基であり、好ましい2級または3級のアルキル基の例としてはイソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R15として最も好ましい置換基はイソプロピル基、tert−ブチル基である。R15のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており。その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
16はアルキル基を表し、その例としてはn−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、3−ヘプチル基などが挙げられる。R16として特に好ましい置換基は、炭素数3以上の直鎖のアルキル基であり、その例としてはn−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基であり、最も好ましくはn−プロピル基、n−ブチル基である。なお、R16のアルキル基は、置換されていても良いが、すべて炭素原子と水素原子からなる置換基で置換されており、その他の原子を含む置換基で置換されるものではない。
具体的な化合物例としては、これらに限定されるものではないが、特開2002−234266号公報に記載の例示化合物1〜36等を挙げることができる。
また、キレートイエロー色素としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006043992
上記一般式(2)において、R及びRで表される各々の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(炭素数1〜12のアルキル基で、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはカルボニル基で連結する置換基が置換するか、またはアリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基もしくはハロゲン原子が置換していてもよい。例えば、メチル、イソプロピル、t−ブチル、トリフルオロメチル、メトキシメチル、2−メタンスルホニルエチル、2−メタンスルホンアミドエチル、シクロヘキシル等の各基)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、3−ニトロフェニル、3−アシルアミノフェニル、2−メトキシフェニル等の各基)、シアノ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホニル基、アシル基等が挙げられる。
はアルキル基又はアリール基を表す。Rで表されるアルキル基及びアリール基としては、R及びRで表されるアルキル基、アリール基と同じものを挙げることができる。
は2個の炭素原子と共に構成される5〜6員の芳香族環を表す。Zで表される2個の炭素原子と共に構成される5〜6員の芳香族環としては、具体的には、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾールなどの環を挙げることができ、これらの環は更に他の芳香族環と縮合環を形成してもよい。これらの環上には置換基を有していてもよく、該置換基としてはR1及びR2で表される置換基と同じものを挙げることができる。
具体的な化合物例としては、これらに限定されるものではなおいが、特許第3125236号公報に記載の例示化合物Y−1〜Y−23等を挙げることができる。
また、キレートマゼンタ色素としては、下記一般式(3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006043992
上記一般式(3)において、Xは少なくとも2座のキレート形成可能な基または原子の集まりを表し、Yは5員もしくは6員の芳香族炭化水素環または複素環を形成する原子の集まりを表し、R、Rは各々水素原子、ハロゲン原子または1価の置換基を表す。nは0、1、2を表す。
Xとして特に好ましくは、下記一般式(4)で表される基である。
Figure 2006043992
上記一般式(4)において、Zは少くとも一つのキレート化可能な窒素原子を含む基で置換された芳香族性含窒素複素環を形成するに必要な原子群を表す。該環の具体例としてはピリジン、ピリミジン、チアゾール、イミダゾール等の各環が挙げられる。これらの環は、更に他の炭素環(ベンゼン環等)や複素環(ピリジン環等)と縮合環を形成しても良い。
上記一般式(3)において、Yは5員もしくは6員の芳香族炭化水素環または複素環を形成する原子の集まりを表し、該環上には更に置換基を有していても良く、縮合環を有していても良い。該環の具体例としては、3H−ピロール環、オキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、3H−ピロリジン環、オキサゾリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、3H−インドール環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環、ピリジン環等が挙げられる。これらの環は更に他の炭素環(例えば、ベンゼン環)や複素環(例えば、ピリジン環)と縮合環を形成してもよい。環上の置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等であり、それらの基は更に置換されていても良い。
、Rは各々水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)または1価の置換基を表すが、1価の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、ヘテロ環基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アシル基、アシルアミノ基等が挙げられる。
Xは少なくとも2座のキレート形成可能な基または原子の集まりを表し、一般式(3)として色素を形成できるものなら何でもよく、例えば、5−ピラゾロン、イミダゾール、ピラゾロピロール、ピラゾロピラゾール、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾール、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン、またはピラゾロピリドンが好ましい。
具体的な化合物例としては、これらに限定されるものではないが、特開平9−131973号公報に記載の例示化合物(1)〜(56)等を挙げることができる。
〈バインダー樹脂〉
本発明に係るインク層は、上記色素と後述する本発明に関わる微粒子と共にバインダー樹脂を含有する。
インク層に使用するバインダー樹脂としては、従来公知の感熱転写記録用インクシートに使用されるバインダー樹脂を使用することができ、例えば、セルロース付加化合物、セルロースエステル、セルロースエーテル等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、スチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系エステル、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸共重合体等のビニル系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂の中でも、保存性の優れたポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールあるいはセルロース系樹脂が好ましい。
インク層のバインダー樹脂として、更に、特公平5−78437号に記載のイソシアナート類と、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリエステルポリオール及びアクリルポリオールから選択される活性水素を有する化合物との反応生成物、イソシアナート類が、ジイソシアナート又はトリイソシアナートである上記反応生成物、及び活性水素を有する化合物100質量部に対して、10〜200質量部の量である上記反応生成物;天然及び/又は半合成水溶性高分子の分子内水酸基をエステル化及び/又はウレタン化した有機溶媒可溶性高分子、天然及び/又は半合成水溶性高分子;特開平3−264393号に記載のアセチル化度が2.4以上かつ総置換度が2.7以上の酢酸セルロース;ポリビニルアルコール(Tg=85℃)、ポリ酢酸ビニル(Tg=32℃)、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(Tg=77℃)等のビニル樹脂、ポリビニルブチラール(Tg=84℃)、ポリビニルアセトアセタール(Tg=110℃)等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアクリルアミド(Tg=165℃)等のビニル系樹脂、脂肪族ポリエステル(Tg=130℃)等のポリエステル樹脂等;特開平7−52564号に記載のイソシアナート類と、含有するビニルアルコール部分の質量が15〜40%であるポリビニルブチラールとの反応生成物、上記イソシアナート類がジイソシアナート又はトリイソシアナートである上記反応生成物;特開平7−32742号に記載の一般式(I)のフェニルイソシア変性ポリビニルアセタール樹脂;特開平6−155935号に記載のイソシアナート反応性セルロース又はイソシアナート反応性アセタール樹脂の1種と、イソシアナート反応性アセタール樹脂、イソシアナート反応性ビニル樹脂、イソシアナート反応性アクリル樹脂、イソシアナート反応性フェノキシ樹脂及びイソシアナート反応性スチロール樹脂から選ばれる1種の樹脂及びポリイソシアナート化合物を含有する組成物の硬化物;ポリビニルブチラール樹脂(好ましくは分子量が6万以上、ガラス転移温度が60℃以上、より好ましくは70℃以上110℃以下、ビニルアルコール部分の質量%がポリビニルブチラール樹脂中10〜40%、好ましくは15〜30%のもの);アクリル変性セルロース系樹脂、セルロース系樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酢酸セルロース等のセルロース系樹脂(好ましくはエチルセルロース)等を用いることができる。
前記各種のバインダー樹脂は、その1種を単独で使用することもできるし、又その2種以上を併用することもできる。
〈微粒子〉
本発明に係るインク層は、上記の色素、バインダー樹脂と共に微粒子を含有する。
微粒子としては、無機微粒子や有機高分子微粒子を挙げることができる。
無機微粒子としては、金属および金属の酸化物、硫化物、炭酸塩等の従来公知の微粒子を用いることができ、具体例としては、シリカ、タルク、カオリン、ゼオライト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化ニッケル、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、アルミナ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、硫化亜鉛、硫酸バリウム、カーボンブラック、チタン、亜鉛、アルミニウム、銅、ニッケル、等が挙げられる。
これら無機微粒子の添加量としては、無機微粒子が添加されるインク層の、インク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分重量の0.5重量%から120重量%の範囲が好ましい。
有機微粒子としては、従来公知の有機高分子材料の微粒子が挙げられる。具体例としては、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、等が挙げられる。
これら有機微粒子の添加量としては、無機微粒子が添加されるインク層の、インク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分重量の0.1重量%から20重量%の範囲が好ましい。
本発明の微粒子の粒径は、無機粒子、有機粒子ともに、インク層の膜厚の20%から500%の範囲の平均粒径である。平均粒径が上記範囲を超えて大きい粒子の場合、かぶり、融着には効果があるが、高濃度領域の濃度がむしろ低下してしまい、逆に上記範囲より小さい粒子の場合には、融着、かぶり、濃度の全てに効果が認められない。
また、本発明に係るインク層には、上記説明した色素とバインダー樹脂の他に、必要に応じて公知の種々の添加剤を含有することができる。インク層は、例えば、適当な溶剤中に上記の色素、バインダー樹脂、その他の添加剤を溶解または分散させて調製したインク塗布液を、グラビアコート法等の公知の手段により基材シート(支持体。本明細書において同じ。)上に塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。本発明に係るインク層の厚みは、0.1〜3.0μm程度、好ましくは0.3〜1.5μm程度とすることができる。
〔耐熱滑性層〕
本発明に係る熱転写シートにおいて、インク層とは基材シートを挟んで反対側の面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
耐熱滑性層は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材シートとの熱融着を防止し、走行を滑らかに行うとともに、サーマルヘッドの付着物を除去する目的で設けられる。
この耐熱滑性層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン等の天然または合成樹脂の単体または混合物が用いられる。耐熱滑性層の耐熱性をより高めるために、上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
更に、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、耐熱滑性層に固形あるいは液状の離型剤または滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤または滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属石鹸、有機カルボン酸及びその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。耐熱滑性層に含有される滑剤の量は5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。このような耐熱滑性層の厚みは0.1〜10μm程度、好ましくは0.3〜5μm程度とすることができる。
保護転写層ユニットが保護転写層と接着層との積層体である場合、接着層は、保護転写層の被転写体への転写を容易にする作用をなすものである。この接着層を形成する接着剤としては、アクリル、スチレンアクリル、塩化ビニル、スチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱溶融性接着剤を使用することができる。接着層の形成はグラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の手段により行うことができ、接着層の厚みは0.1〜5μm程度が好ましい。
《感熱転写記録用受像シート》
次いで、本発明に係る支持体上に少なくとも熱拡散性色素受容層を有する感熱転写記録用受像シート(以下、熱転写受像シートともいう。)について説明する。
(基材シート)
熱転写受像シートで用いる支持体は、熱拡散性色素受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有することが好ましい。
このような支持体の材料としては特に限定されず、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネイト、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムあるいは発泡させた発泡シートも使用でき、特に限定されない。
また、上記支持体の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。これらの基材シートの厚みは任意でよく、通常10〜300μm程度である。
より高い印字感度を有すると共に、濃度ムラや白抜けのない高画質を得るためには、微細空隙を有する層を存在させることが好ましい。微細空隙を有する層としては、内部に微細空隙を有するプラスチックフィルムや合成紙を用いることが出来る。また、各種基材シートの上に、各種の塗工方式で微細空隙を有する層を形成できる。微細空隙を有するプラスチックフィルムまたは合成紙としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂あるいはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂を主体として、それに無機顔料及び/またはポリプロピレンと非相溶なポリマーをブレンドし、これらをボイド(空隙)形成開始剤として用い、これらの混合物を延伸、成膜したプラスチックフィルムまたは合成紙が好ましい。
これらの点を考慮すると、プラスチックフィルム及び合成紙の20℃における弾性率は5×10Pa〜1×1010Paが好ましい。また、これらのプラスチックフィルムや合成紙は、通常2軸延伸により成膜されたものであるが故に、これらは加熱により収縮する。これらを110℃下で60秒放置した場合の収縮率は0.5〜2.5%である。上述のプラスチックフィルムや合成紙は、それ自体が、微細空隙を含む層の単層で合っても良いし、複数の層構成であっても良い。複数の層構成の場合には、その構成する全ての層に微細空隙を含有しても良いし、微細空隙が存在しない層が含有しても良い。このプラスチックフィルムや合成紙には、必要に応じて隠蔽剤として、白色顔料を混入させてもよい。また、白色性を増すために、蛍光増白剤等の添加剤を含有させても良い。微細空隙を有する層は、30〜80μmの厚みが好ましい。
微細空隙を有する層としては、基材の上にコーティング法によって微細空隙を有する層を形成することも可能である。使用するプラスチック樹脂としては、ポリエステル、ウレタン樹脂、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の公知の樹脂を単独或いは複数をブレンドして使用することができる。
また、必要に応じて、支持体の受像層を設ける側とは反対側の面に、カール防止の目的として、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト等の樹脂や合成紙の層を設けることが出来る。貼り合わせ方法としては、例えば、ドライラミネーション、ノンソルベント(ホットメルト)ラミネーション、ECラミネーション法等の公知の積層方法が使用できるが、好ましい方法はドライラミネーション及びノンソルベントラミネーション法である。ノンソルベントラミネーション法に好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業社製のタケネート720L等が挙げられ、ドライラミネーションに好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業社製のタケラックA969/タケネートA−5(3/1)、昭和高分子社製の、ポリゾール PSA SE−1400、ビニロール PSA AV−6200シリーズ等が挙げられる。これらの接着剤の使用量としては、固形分で約1〜8g/m、好ましくは2〜6g/mの範囲である。
上述したような、プラスチックフィルムと合成紙、或いはそれら同士、或いは各種紙とプラスチックフィルムや合成紙、等を積層する場合、接着層により貼り合わせることができる。
上記基材シートと熱拡散性色素受容層との接着強度を大きくする等の目的で、基材シートの表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
(バインダー樹脂)
本発明に係る熱転写受像シートにおいて、受像層のバインダー樹脂としては公知のものを用いることができ、その中でも染料が染着しやすいものを用いることが好ましい。具体的には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリスチレンアクリロニトリル等のポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、ポリウレタン、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等の単体、または混合物を用いることができ、これらの中でもポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びセルロース誘導体が好ましい。
(離型剤)
本発明に係る熱拡散性色素受容層には、熱拡散性色素受容層との熱融着を防止する目的で、離型剤を添加することが好ましい。離型剤としては、燐酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)等を使用することができるが、この中でもシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンをはじめ各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を用い、これらをブレンドしたり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。離型剤は1種でも、あるいは2種以上のものを併せて用いても良い。また、離型剤の添加量は、染料受像層形成用のバインダー樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写シートと熱転写受像シートの染料受像層との融着もしくは印画感度低下などの問題が生じる場合がある。なお、これらの離型剤は、染料受像層に添加せず、熱拡散性色素受容層上に別途離型層として設けても良い。
(金属イオン含有化合物)
本発明では受像層に金属イオン含有化合物(以下、メタルソースともいう。)を含有することができる。
メタルソースとしては、金属イオンの無機または有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも有機酸の塩及び錯体が好ましい。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti及びZnが好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。メタルソースの具体例としては、Ni2+、Cu2+、Cr2+、Co2+及びZn2+と酢酸やステアリン酸等の脂肪族の塩、或いは安息香酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられる。
本発明においては、メタルソースとしは下記一般式(I)で表される錯体が、後加熱領域のバインダー樹脂中に安定に添加でき、かつ実質的に無色である為に特に好ましい。
一般式(I)
〔M(Q(Q(Q (L
上記一般式(I)において、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+またはZn2+を表す。Q、Q及びQは各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えば、キレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。L−は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニルホウ素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等を挙げることができる。は1、2または3を表し、は1、2または0を表し、は1または0を表す。は1または2を表す。この種のメタルソースの具体例としては、米国特許第4,987,049号明細書に例示された化合物、あるいは特開平9−39423号公報に例示された化合物No.1〜99などを挙げることができる。特に好ましくは、特開平10−241410号公報に記載された下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
一般式(II)
2+(X1−
上記一般式(II)において、M2+は2価の遷移金属イオンを表すが、これらの中でも金属イオン供給化合物自身の色及びキレート化した色素の色調から、ニッケル及び亜鉛が好ましい。X1−は2価の金属イオンと錯体を形成することができる配位化合物を表す。また、これらの化合物は中心金属に応じて中性の配位子を有してもよく、代表的な配位子としてはHOあるいはNHが挙げられる。
金属イオン含有化合物の含有量は、受像層全体の1〜80質量%が好ましく、より好ましくは1〜50質量%である。
(中間層)
また、熱転写受像シートは、基材シートと熱拡散性色素受容層との間に中間層を設けても良い。本発明でいう中間層は、基材シートと熱拡散性色素受容層との間に存在する全ての層を指し、多層構成であってもよい。中間層の機能としては、耐溶剤性能、バリア性能、接着性能、白色付与能、隠蔽性能、帯電防止機能等が挙げられるが、これらに限定されることなく、従来公知の中間層全てが適用できる。
中間層に耐溶剤性能、バリア性能を付与させるためには、水溶性樹脂を用いることが好ましい。水溶性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、でんぷん等の多糖類系樹脂、カゼイン等の蛋白質、ゼラチン、寒天、また、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体(例えば、ジャパンエポキシレジン社製ベオパ)、酢酸ビニル(メタ)アクリル共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等のビニル系樹脂、また、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。ここで言う水溶性樹脂とは、水を主体とする溶媒に、完全溶解(粒径0.01μm以下)、またはコロイダルディスパージョン(0.01〜0.1μm)、またはエマルジョン(0.1〜1μm)、またはスラリー(1μm以上)の状態になる樹脂のことである。これらの水溶性樹脂のなかで、特に好ましいのは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン等の汎用溶剤により、溶解はもとより、膨潤さえしない樹脂である。この意味で、水を主体とする溶媒に完全に溶解する樹脂が最も好ましい。特に、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂が挙げられる。
中間層に接着性能をもたせるためには、基材シートの種類やその表面処理により異なるが、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が一般的である。また、活性水素を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物のような硬化剤を併用すると良好な接着性が得られる。中間層に白色付与能をもたせるためには、蛍光増白剤を用いることができる。使用する蛍光増白剤は、従来公知のいずれの化合物でも使用でき、スチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、スチリル−オキサゾール系、ピレン−オキサゾール系、クマリン系、アミノクマリン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾリン系、ジスチリル−ビフェニル系の蛍光増白剤等が挙げられる。白色度は、これら蛍光増白剤の種類と添加量で調整することができる。蛍光増白剤の添加方法としては、あらゆる方法を用いることができる。すなわち、水に溶解させて添加する方法、ボールミル、コロイドミルによって粉砕分散して添加する方法、高沸点溶媒に溶解して親水性コロイド溶液と混合し、水中油滴型分散物として添加する方法、高分子ラテックス中に含浸させて添加する方法等がある。
更に、基材シートのギラつき感や、ムラを隠蔽するために、中間層に酸化チタンを添加してもよい。更に、酸化チタンを用いることで基材シートの選択の自由度が広がる点で好ましい。酸化チタンには、ルチル型酸化チタンと、アナターゼ型酸化チタンの2種類があるが、白色度及び蛍光増白剤の効果を考慮すると、ルチル型よりも紫外部の吸収がより短波長側であるアナターゼ型酸化チタンが好ましい。中間層のバインダー樹脂が水系で、酸化チタンが分散しにくい場合には、表面に親水性処理を施した酸化チタンを用いるか、もしくは、界面活性剤、エチレングリコール等の既知の分散剤により分散することができる。酸化チタンの添加量は、樹脂固形分100質量部に対して酸化チタン固形分として10〜400質量部が好ましい。
中間層に帯電防止機能をもたせるためには、導電性無機フィラーや、ポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等、従来公知の導電材料を中間層バインダー樹脂に合わせて適宜選択して使用することができる。このような中間層の厚みは、0.1〜10μm程度の範囲で設定することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」、「%」は、それぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
実施例1
《熱転写インクシートの作製》
〔熱転写インクシート1の作製〕
(バックコート層の塗設)
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製)の表面に、下記の組成からなるバックコート層塗布液1を、グラビア塗布方式で塗布、乾燥した後、加熱硬化処理を行い、乾燥膜厚1.0μmのバックコート層を有する支持体Aを作製した。
〈バックコート層塗布液1の調製〉
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製 エスレックBX−1) 3.5重量部
リン酸エステル系界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208S)
3.0重量部
リン酸エステル系界面活性剤(東邦化学社製 フォスファノールRD720)
0.3重量部
ポリイソシアネート(大日本インキ化学工業社製、バーノックD750−45)
19.0重量部
タルク(日本タルク社製 Y/X=0.03) 0.2重量部
メチルエチルケトン 35.0重量部
トルエン 35.0重量部
(インク層の形成)
上記作製した支持体Aのバックコート層を設けた面とは反対側の面に、下記の組成のインク層塗布液を塗布し乾燥させて、熱転写インクシート1〜17(表1)を作製した。なお、各インク層の乾燥後の膜厚は0.8μmであった。
〈インク層塗布液〉
色素 M−1 5.0重量部
ポリビニルアセトアセタール樹脂(積水化学社製、エスレックKS−5)
5.0重量部
微粒子 (表1記載)
メチルエチルケトン 45.0重量部
トルエン 45.0重量部
Figure 2006043992
《熱転写受像シートの作製》
基材として、厚みが150μmの合成紙(王子油化合成紙社製 ユポFPG−150)の一方の面に、下記の組成からなる受像層塗布液をワイヤーバーコーティング方式にて、乾燥時の固形分量が3g/mになるように塗布した後、110℃にて30秒間乾燥して熱転写受像シート1を得た。
(受像層塗布液)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(電気化学工業社製、デンカビニル#1000A)
3.0重量部
塩化ビニルスチレンアクリル共重合体(電気化学工業社製、デンカラック#400)
0.7重量部
ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン600) 4.6重量部
ビニル変性シリコン(信越化学社製、X−62−1212) 0.8重量部
触媒(信越化学社製、CAT PLR−5)CAT PLR−5) 0.4重量部
触媒(信越化学社製、CAT PL−50T) 0.5重量部
メチルエチルケトン 30.0重量部
トルエン 30.0重量部
イソプロピルアルコール 30.0重量部
実施例2
実施例1の色素をポストキレート色素M−2に変更した他は実施例1と同様にして、ポストキレート型熱転写インクシート18〜34(表1)を作製した。なお、各インク層の乾燥後の膜厚は0.8μmであった。
次いで受像層塗布液を下記の組成にした他は実施例1と同様にして、ポストキレート型受像シート2を作成した。
Figure 2006043992
(受像層塗布液)
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製 エスレックBX−1) 4.5重量部
金属イオン含有化合物(MS−1 *1) 3.0重量部
メチルスチリル変成シリコーンオイル(信越化学社製 KF410) 0.5重量部
メチルエチルケトン 80.0重量部
酢酸ブチル 10.0重量部
(*1)MS−1:Ni2+[C15COC(COOCH)=C(CH)O
比較例1
実施例2で微粒子を表2記載のものに変更した他は実施例2と同様にして比較のインクシート1〜3(比較−1〜比較−3)を作成した。
Figure 2006043992
Figure 2006043992
《画像形成》
発熱抵抗体の密度が300dpi(dpiとは、1インチ当りのドット数を表す)のラインサーマルヘッドを搭載した熱転写記録装置に、熱転写受像シートの受像層部と熱転写インクシートのインク層を重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、5〜80mJ/mmの印加エネルギー範囲で順次増加させるステップパターンを、ライン速度3.0msec/line、1.5msec/line、1.0msec/line、0.5msec/lineで、インク層の背面側から加熱して、熱転写受像シートの受像層上に色素を転写させて画像を形成した。
次いで、画像形成に使用したのと同じ熱転写記録装置を用いて、画像を形成した受像シートと保護層転写シートを重ね合わせて、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、60mJ/mmの印加エネルギー、送り速度2msec/lineで保護層転写シートの背面側から加熱して受像シートの画像上全面に保護層を転写した。なお、保護層転写シートとしては、コニカミノルタフォトイメージング社製インクシートC−CR/A6の保護層転写シート部を使用した。
《評価》
以上のようにして作製した各画像について、下記の各評価を行った。
(印画濃度の評価)
作製した画像パターンの最大濃度部の反射光学濃度を、濃度計(X−rite310)を用いて測定し、下記の基準に従って印画濃度の評価を行った。
◎:最大濃度が2.0以上
○:最大濃度が1.8以上、2.0未満
△:最大濃度が1.6以上、1.8未満
×:最大濃度が1.6未満
(かぶりの評価)
作成したインクシートを50℃80%RH環境下で24時間保存した後に、プリント時の環境を30℃80%RH環境下とし、ライン速度を1.0msec/lineのみとした他は、前述の画像形成方法と同様にして画像を形成した。画像の白地部(着色画像パターン以外の保護層のみが転写された部分)と印画前の受像シートの反射光学濃度を、濃度計(X−rite310)を用いて測定し、下記の基準に従って評価を行った。
◎:印画後の白地部の濃度と印画前の受像シートの濃度の差が0.005未満
○:印画後の白地部の濃度と印画前の受像シートの濃度の差が0.005以上0.01未満
△:印画後の白地部の濃度と印画前の受像シートの濃度の差が0.01以上0.02未満
×:印画後の白地部の濃度と印画前の受像シートの濃度の差が0.02以上
(融着の評価)
かぶりの評価で行った30℃80%RH環境下での画像形成の際のインクシートからの色素の転写工程での受像層とインク層との融着現象を状態を観察し、下記の基準に従って評価を行った。
◎:異音の発生もなく融着現象が全く発生しなかった。
○:わずかに異音は発生したが融着現象が全く発生しなかった。
△:異音が発生し、画像パターンの最大濃度部でインク層と受像層が融着した。
×:異音が発生し、画像パターンの最大濃度部以外でもインク層と受像層が融着した。
以上の評価結果を表3、表4に示す。
Figure 2006043992
Figure 2006043992
表4に示す比較例の結果では、1.5msec/line以下の印画条件での印画濃度、かぶり、融着の全てを満足することはできないのに対し、表3に示す通り、本発明の微粒子を含有するインクシートを用いた場合には、1.5msec/line以下の印画条件の場合でも、融着現象を生じることなく高い最大濃度が得られるとともに、かぶりが防止され、かぶりの少ない画像がえられる。

Claims (12)

  1. 支持体上に少なくとも熱拡散性色素受容層を積層した感熱転写記録用受像シートと、少なくとも熱拡散性色素を含有するインク層を支持体上に設けた感熱転写記録用インクシートとを重ね合わせ、記録信号に応じて加熱することにより上記インク層中の熱拡散性色素を前記受像シートに拡散させて画像を形成する感熱転写記録方法において、ライン周期が1.5msec/line以下の印画条件において、感熱転写記録用インクシートのインク層に、該インク層の膜厚の20%から500%の大きさの微粒子を添加させることを特徴とする感熱転写記録時におけるかぶり低減方法。
  2. 前記微粒子が無機の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のかぶり低減方法。
  3. 前記微粒子が有機高分子材料からなる微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のかぶり低減方法。
  4. 前記無機の微粒子の添加量が、該微粒子が添加されるインク層のインク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分の0.5重量%から120重量%であることを特徴とする請求項2に記載のかぶり低減方法。
  5. 前記有機高分子材料の微粒子の添加量が、該微粒子が添加されるインク層のインク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分の0.1重量%から20重量%であることを特徴とする請求項3に記載のかぶり低減方法。
  6. 支持体上に少なくとも熱拡散性色素受容層を積層した感熱転写記録用受像シートと、少なくとも熱拡散性色素を含有するインク層を支持体上に設けた感熱転写記録用インクシートとを重ね合わせ、ライン周期が1.5msec/line以下の印画条件で記録信号に応じて加熱することにより上記インク層中の熱拡散性色素を前記受像シートに拡散させて画像を形成するための感熱転写記録用インクシートにおいて、前期感熱転写記録用インクシートのインク層に、該インク層の膜厚の20%から500%の大きさの微粒子を含有することを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
  7. 前記微粒子が無機の微粒子であることを特徴とする請求項6に記載の感熱転写記録用インクシート。
  8. 前記微粒子が有機高分子材料からなる微粒子であることを特徴とする請求項6に記載の感熱転写記録用インクシート。
  9. 前記無機の微粒子の添加量が、該微粒子が添加されるインク層のインク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分の0.5重量%から120重量%であることを特徴とする請求項7に記載の感熱転写記録用インクシート。
  10. 前記有機高分子材料の微粒子の添加量が、該微粒子が添加されるインク層のインク層全体から添加される該微粒子を除いた固形分の0.1重量%から20重量%であることを特徴とする請求項8に記載の感熱転写記録用インクシート。
  11. 感熱転写記録用受像シートの熱拡散性色素受容層に金属イオン含有化合物を含有するとともに、感熱転写記録用インクシートのインク層に含有する熱拡散性色素が、前期金属イオン含有化合物とキレート錯体を形成することができる熱拡散性色素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のかぶり低減方法。
  12. 感熱転写記録用受像シートの熱拡散性色素受容層に金属イオン含有化合物を含有するとともに、感熱転写記録用インクシートのインク層に含有する熱拡散性色素が、前期金属イオン含有化合物とキレート錯体を形成することができる熱拡散性色素であることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の感熱転写記録用インクシート。
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