JP4923798B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

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本発明は、自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止する車線逸脱防止装置に関する。
従来の車線逸脱防止制御として、自車両が走行車線を逸脱する可能性がある場合に、左右車輪に制動力差を付与し、自車両にヨーモーメントを付与することで、自車両が走行車線から逸脱することを防止するものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2003−112540号公報
しかしながら、車両諸元、車速及び走行車線に対する自車両の横位置等により、車線逸脱防止制御として自車両に付与するヨーモーメント(目標ヨーモーメント)を算出しているので、ブレーキパッドの摩擦抵抗が低下しているときなどにおいて、算出した所望のヨーモーメントを自車両に付与することができなくなってしまうという課題がある。
また、ヨーモーメントの不足分を補うために、フィードバック制御等で制御量を変更することも考えられるが、車線変更等を行う運転者の意思を反映させて、自車両の横偏位がある程度大きくなると車線逸脱防止制御を解除する車線逸脱防止制御装置では、制御量の変更による効果が出る前に、車線逸脱防止制御が解除されてしまうといった課題がある。
本発明の課題は、自車両の車線逸脱防止に必要なヨーモーメントを確保することである。
前記課題を解決するために、本発明は、走行車線に対する自車両の逸脱傾向を判定する車線逸脱傾向判定手段と、前記車線逸脱傾向判定手段が逸脱傾向があると判定した場合、走行制御により走行車線に対する自車両の逸脱を防止する車線逸脱防止制御を行うとともに、所定の制御終了タイミングになった場合、前記車線逸脱防止制御を終了する制御手段と、前記制御手段による前記車線逸脱防止制御の制御量の不足量を取得する制御不足量取得手段と、 前記制御不足量取得手段が取得した前記不足量に基づいて、前記所定の制御終了タイミングを変更する制御タイミング変更手段と、を備え、前記所定の制御終了タイミングは、前記車線逸脱防止制御の実施継続時間、前記車線逸脱防止制御中における走行車線に対する自車両の横位置、前記車線逸脱防止制御の制御開始時からの制御量積分値及び前記車線逸脱防止制御中における走行車線に対する自車両のヨー角のうちの少なくとも一つを指標として決まるものであり、前記制御タイミング変更手段は、前記不足量が小さいときには、前記所定の制御終了タイミングの指標を小さい値とし、前記不足量が多くなるほど、前記所定の制御終了タイミングを遅くする変更をするようにした。
本発明によれば、車線逸脱防止制御の制御量の不足量に基づいて、車線逸脱防止制御の制御終了タイミングを変更するので、車線逸脱防止制御の制御量の不足量を補おうとしているときに、制御終了タイミングとなることで車線逸脱防止制御が解除されてしまうのを防止して、自車両の車線逸脱防止に必要な制御量を確保することができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
(構成)
本実施形態は、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図1は、本実施形態を示す概略構成図である。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
制動流体圧制御部7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御部を利用したものである。制動流体圧制御部7は、単独で各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御することも可能であるが、後述する制駆動力コントロールユニット8から制動流体圧指令値が入力されたときには、その制動流体圧指令値に応じて制動流体圧を制御するようにもなっている。
例えば、制動流体圧制御部7は、液圧供給系にアクチュエータを含んで構成されている。アクチュエータとしては、各ホイールシリンダ液圧を任意の制動液圧に制御可能な比例ソレノイド弁が挙げられる。
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御したりすることで、エンジン9の運転状態を制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
なお、駆動トルクコントロールユニット12は、単独で後輪5RL,5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、制駆動力コントロールユニット8から駆動トルク指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値に応じて駆動輪トルクを制御するようにもなっている。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。例えば、撮像部13は、CCD(ChargeCoupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。撮像部13は車両前部に設置されている。
撮像部13は、自車両前方の撮像画像から例えば白線等のレーンマーカを検出し、その検出したレーンマーカに基づいて走行車線を検出している。さらに、撮像部13は、その検出した走行車線に基づいて、自車両の走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角(ヨー角)φ、走行車線中央からの横変位X及び走行車線曲率β等を算出する。撮像部13は、算出したこれらヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率β等を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
なお、本発明においては画像処理以外の検出手段でレーンマーカを検出するものであっても良い。例えば、車両前方に取り付けられた複数の赤外線センサによりレーンマーカを検出し、その検出結果に基づいて走行車線を検出しても良い。
また、本発明は走行車線を白線に基づいて決定する構成に限定されるものではない。すなわち、走行車線を認識させるための白線(レーンマーカ)が走路上にない場合、画像処理や各種センサによって得られる道路形状や周囲環境等の情報から、自車両が走行に適した走路範囲や、運転者が自車両を走行させるべき走路範囲を推測し、走行車線として決定しても良い。例えば、走路上に白線がなく、道路の両側ががけになっている場合には、走路のアスファルト部分を走行車線として決定する。また、ガードレールや縁石等がある場合は、その情報を考慮して走行車線を決定すれば良い。
また、走行車線曲率βを後述のステアリングホイール21の操舵角δに基づいて算出しても良い。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、自車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は自車両に発生するヨーレイトφ´を検出する。ナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレイトφ´(=dφ/dt)を、道路情報とともに、制駆動力コントロールユニット8に出力する。ここで、道路情報としては、車線数、一般道路又は高速道路等の道路種別を示す道路種別情報がある。
なお、専用のセンサにより各値を検出するようにしても良い。すなわち、加速度センサにより前後加速度Yg及び横加速度Xgを検出し、ヨーレイトセンサによりヨーレイトφ´を検出するようにしても良い。
また、この車両には、レーザ光を前方に掃射して先行障害物からの反射光を受光することで、自車両と前方障害物との間の距離等を計測するためのレーダ16が設けられている。
そして、レーダ16は、前方障害物の位置の情報を制駆動力コントロールユニット8に出力する。レーダ16による検出結果は、追従走行制御(クルーズコントロール)や追突速度低減ブレーキ装置等における処理のために使用される。
また、この車両には、マスタシリンダ3の出力圧、すなわちマスタシリンダ液圧Pmf,Pmrを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、すなわちアクセル開度θtを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角(ステアリング舵角)δを検出する操舵角センサ19、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20、及び各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi(i=fl,fr,rl,rr)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RRが設けられている。そして、これらセンサ等が検出した検出信号は制駆動力コントロールユニット8に出力される。
なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、いずれも右方向を正方向とする。すなわち、ヨーレイトφ´、横加速度Xg及びヨー角φは、右旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から右方にずれているときに正値となる。また、前後加速度Ygは、加速時に正値となり、減速時に負値となる。
次に、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理を説明する。
図2は、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理手順を示す。この演算処理は、例えば10msec.毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、図2に示す処理内には通信処理を設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
図2に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1において、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データを読み込む。具体的には、路面μ検出装置23が得た路面μ、ナビゲーション装置14が得た前後加速度Yg、横加速度Xg、ヨーレイトφ´及び道路情報、各センサが検出した、各車輪速度Vwi、操舵角δ、アクセル開度θt、マスタシリンダ液圧Pmf,Pmr及び方向スイッチ信号、並びに駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTw、撮像部13からヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率βを読み込む。
続いてステップS2において、車速Vを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだ車輪速度Vwiに基づいて、下記(1)式により車速Vを算出する。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
また、このように算出した車速Vは好ましくは通常走行時に用いる。例えば、ABS(Anti-lock Brake System)制御等が作動している場合には、そのABS制御内で推定している推定車体速度を前記車速Vとして用いるようにする。また、ナビゲーション装置14でナビゲーション情報に利用している値を車速Vとして用いても良い。
また、下記(2)式に示すように、前回処理時の車速Vを前回車速VPASTに設定する。
PAST=V(前回処理時の車速) ・・・(2)
続いてステップS3において、不足ヨーモーメント(不足制御量)を算出する。
本実施形態において、車線逸脱防止制御では、走行車線に対して自車両が逸脱傾向にある場合、自車両に所定のヨーモーメント(所定の車線逸脱防止制御量)を付与して、自車両が走行車線から逸脱するのを回避している。
そして、本実施形態の車線逸脱防止制御では、車線逸脱回避完了までに車線逸脱防止制御の処理ルーチン(該図2の処理ルーチン)を複数回実行することを前提としており、すなわち、ヨーモーメント(具体的には、目標ヨーモーメントMs)を自車両に連続的に逐次付与することで、自車両の車線逸脱を回避することを前提としている。
このステップS3では、以上のような車線逸脱防止制御の制御量であるヨーモーメントの不足分(不足量)を算出(推定)する。
具体的には、先ず、下記(3)式により、前回の処理で算出した目標ヨーモーメントMs(後述のステップS9で算出)を前回算出目標ヨーモーメントMsbとして設定する。
Msb=Ms ・・・(3)
続いて、前回処理により発生した実ヨーモーメントMsrを車速Vに基づいて算出する。すなわち、実ヨーモーメントMsrは、前回の処理で算出した目標ヨーモーメントMsを車線逸脱防止制御として自車両に付与したときに、該自車両に実際に発生したヨーモーメントとなる。
その算出は、具体的には、先ず、前記ステップS2で算出した前回車速VPAST及び現在車速Vを用いて、下記(4)式により減速度ΔVを算出する。
ΔV=(V−VPAST)/ΔT ・・・(4)
ここで、ΔTは、該図2の処理を実行する1ステップ処理時間である。
続いて、前記(4)式で算出した減速度ΔVを用いて、下記(5)式により車線逸脱防止制御分の減速度ΔVcを算出する。
ΔVc=ΔV−ΔVd ・・・(5)
ここで、ΔVdは、運転者のアクセル操作及びブレーキ操作による減速、車両諸元、並びに走行抵抗に基づく減速度である。ここで、アクセル操作及びブレーキ操作による減速に対応させてマップよりΔVdを得たり、エンジン回転数やアクセル開度に基づいてΔVdを算出したりすることができる。
そして、前記(5)式により算出した車線逸脱防止制御分の減速度ΔVcを用いて、下記(6)式により実ヨーモーメントMsrを算出する。
Msr=A・ΔVc・LTR/2 ・・・(6)
ここで、Aは車重であり、Lはトレッド長である。このように、前回処理により発生した実ヨーモーメントMsrを車速Vに基づいて算出する。
そして、前記(6)により算出した実ヨーモーメントMsrと前記(3)式により前回算出目標ヨーモーメントMsbとの差分値として、下記(7)式により不足分のヨーモーメントΔMsを算出する。
ΔMs=Msb−Msr ・・・(7)
続いてステップS4において、車線逸脱傾向の判定を行う。具体的には、前記ステップS1で得たヨー角φ、走行車線曲率β及び現在の車両の横変位X(X0)、及び前記ステップS2で得た車速(現在の車速)Vを用いて、先ず下記(8)式により将来の推定横変位Xsを算出する(図3参照)。
Xs=Tt・V・(φ+Tt・V・β)+X ・・・(8)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、この車頭時間Ttに自車速Vを乗じると前方注視点距離になる。すなわち、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsとなる。
この(8)式によれば、推定横変位Xsは、例えばヨー角φに着目した場合、ヨー角φが大きくなるほど、大きくなる。
そして、このような推定横変位Xsと所定の逸脱傾向判定用しきい値(横変位限界距離)Xとを比較して、車線逸脱傾向を判定する。ここで、逸脱傾向判定用しきい値Xは、一般的に車両が車線逸脱傾向にあると把握できる値であり、実験等で得る。例えば、逸脱傾向判定用しきい値Xは、走行路の境界線の位置を示す値であり、例えば下記(9)式により算出する(図3参照)。
=(L−H)/2 ・・・(9)
ここで、Lは車線幅であり、Hは車両の幅である。車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理することで得ている。また、ナビゲーション装置14から車両の位置を得たり、ナビゲーション装置14の地図データから車線幅Lを得たりしても良い。
なお、図3において、逸脱傾向判定用しきい値Xは、自車両の走行車線内に設定されているが、本発明はこれに限らず、走行車線の外側に設定されていても良い。また、自車両が走行車線から逸脱する前に逸脱傾向判定されるものに限らず、例えば車輪の少なくとも1つが車線から逸脱した後に逸脱傾向判定されるように、逸脱傾向判定用しきい値Xが設定されても良い。
ここで、下記(10)式が成立すれば、車線逸脱傾向があると判定して、逸脱判断フラグFoutをONにする(Fout=ON)。
|Xs|≧X ・・・(10)
一方、下記(11)式が成立すれば、車線逸脱傾向がないと判定して、逸脱判断フラグFoutをOFFにする(Fout=OFF)。
|Xs|<X ・・・(11)
また、ここで、横変位Xに基づいて逸脱方向Doutを判定する。具体的には、車線中央から左方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにし(Dout=left)、車線中央から右方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにする(Dout=right)。
続いてステップS5において、車線逸脱防止制御の制御終了タイミングを設定(変更)しており、具体的には、前記ステップS3で算出した不足分のヨーモーメントΔMsに応じて制御タイミングを設定(変更)する。なお、この処理は、前記ステップS4で設定される(より具体的には後述のステップS6で最終的に設定される)逸脱判断フラグFoutがONの場合に実行される(有効とされる)。
ここでは、制御終了タイミングの指標を、時間(制御終了時間)及び位置(制御終了位置(横位置))とし、その制御終了時間をTENDとおき、制御終了位置をXENDとおく。
図4は、不足分のヨーモーメントΔMsと制御終了時間TENDとの関係の一例を示す。
図4に示すように、不足分のヨーモーメントΔMsが小さいときには、制御終了時間TENDはある一定の小さい値となり、不足分のヨーモーメントΔMsがある値より大きくなると、不足分のヨーモーメントΔMsに比例して制御終了時間TENDも増加し、不足分のヨーモーメントΔMsがさらに大きくなると、制御終了時間TENDはある一定の大きい値となる。
図5は、不足分のヨーモーメントΔMsと制御終了位置XENDとの関係の一例を示す。
図5に示すように、不足分のヨーモーメントΔMsが小さいときには、制御終了位置XENDはある一定の小さい値となり、不足分のヨーモーメントΔMsがある値より大きくなると、不足分のヨーモーメントΔMsに比例して制御終了位置XENDも増加し、不足分のヨーモーメントΔMsがさらに大きくなると、制御終了位置XENDはある一定の大きい値となる。
例えば、不足分のヨーモーメントΔMsが0又は0近傍の値になる場合とは、実ヨーモーメントMsrが目標ヨーモーメントMsbに一致又はほぼ一致している場合であり、すなわち、車線逸脱防止制御により所望(理想)のヨーモーメントが自車両に発生している場合であり、このときの制御終了時間TENDや制御終了位置XENDは、該車線逸脱防止制御が長くかかりすぎている印象を運転者に与えたり、車線変更しようとする運転者に車線逸脱防止制御が煩わしさを与えたりすることがないような値として設定される。すなわち、このように設定された値を基準にして、制御終了時間TENDや制御終了位置XENDを不足分のヨーモーメントΔMsに応じて変更していく。
以上のような、図4や図5を参照して、不足分のヨーモーメントΔMsに対応する制御終了時間TEND及び制御終了位置XENDを設定する。
続いてステップS6において、運転者の車線変更の意思を判定する。具体的には、前記ステップS1で得た方向スイッチ信号及び操舵角δに基づいて、次のように運転者の車線変更の意思を判定する。
方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS4で得た逸脱方向Doutが示す方向とが同じである場合、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。すなわち、車線逸脱傾向なしとの判定結果に変更する。
また、方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS4で得た逸脱方向Doutが示す方向とが異なる場合、逸脱判断フラグFoutを維持し、逸脱判断フラグFoutをONのままにする(Fout=ON)。すなわち、車線逸脱傾向ありとの判定結果を維持する。
このように、逸脱判断フラグFoutがONである場合において運転者が意識的に車線変更していないときには、逸脱判断フラグFoutをONに維持している。
続いてステップS7において、前記逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱回避のための警報として、音出力又は表示出力をする。
なお、後述するように、逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱防止制御として自車両へのヨーモーメント付与を開始するから、この自車両へのヨーモーメント付与と同時に当該警報出力がされる。しかし、警報の出力タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、前記ヨーモーメント付与の開始タイミングよりも早くしても良い。
続いてステップS8において、車線逸脱防止制御として自車両を減速させる減速制御(以下、車線逸脱防止用減速制御という。)を行うか否かを判定する。具体的には、前記ステップS4で算出した推定横変位Xsから横変位限界距離Xを減じて得た減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ以上か否かを判定する。
ここで、減速制御判定用しきい値Xβは、走行車線曲率βに応じて設定される値であり、その関係は、例えば図6に示すようになる。図6に示すように、走行車線曲率βが小さいときには、減速制御判定用しきい値Xβはある一定の大きい値となり、走行車線曲率βがある値より大きくなると、走行車線曲率βの増加に対して、減速制御判定用しきい値Xβが減少し、走行車線曲率βがさらに大きくなると、減速制御判定用しきい値Xβはある一定の小さい値となる。
そして、前記減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ以上の場合(|Xs|−X≧Xβ)、減速制御を行うと決定するとともに、減速制御作動判断フラグFgsをONにして、前記減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ未満の場合(|Xs|−X<Xβ)、減速制御を行わない決定をするとともに、減速制御作動判断フラグFgsをOFFにする。
なお、前記ステップS4で設定する逸脱判断フラグFoutとの関係では、前記ステップS4において推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値X以上の場合(|Xs|≧X)、逸脱判断フラグFoutをONに設定することと、前記減算値(|Xs|−X)が減速制御判定用しきい値Xβ以上の場合、減速制御作動判断フラグFgsをONに設定することとの関係上、逸脱判断フラグFoutがONに設定されるとしても、その設定は、減速制御作動判断フラグFgsがONに設定された後になる。すなわち、後述する逸脱判断フラグFoutがONになった場合に実施する自車両へのヨーモーメント付与との関係では、自車両の減速制御を実施した後、ヨーモーメントを付与するようになる。
続いてステップS9において、目標ヨーモーメントMsを算出する。
具体的には、前記ステップS4で得た推定横変位Xsと横変位限界距離Xとに基づいて下記(12)式により基準の目標ヨーモーメントMs0(不足分を考慮に入れないヨーモーメント)を算出する。
Ms0=K1・K2・(|Xs|−X) ・・・(12)
ここで、K1は車両諸元から決まる比例ゲインであり、K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図7はそのゲインK2の例を示す。図7に示すように、低速域では、ゲインK2は、ある一定の大きい値となり、車速Vがある値よりも大きくなると、車速Vの増加に対してゲインK2は減少し、その後ある車速Vに達するとゲインK2はある一定の小さい値となる。
この(12)式によれば、推定横変位Xsと横変位限界距離Xとの差分が大きくなるほど、基準の目標ヨーモーメントMs0は大きくなる。
そして、前記(12)式により算出した基準のヨーモーメントMs0と前記ステップS3(前記(7)式)で算出した不足分のヨーモーメントΔMsとの加算値として、下記(13)式により目標ヨーモーメント(最終的に付与する目標ヨーモーメント)Msを算出する。
Ms=Ms0+ΔMs ・・・(13)
ここで、目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFoutがONの場合に算出され、目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合に0に設定される。
続いてステップS10において、車線逸脱防止用減速制御における減速度を算出する。すなわち、自車両を減速させる目的として左右両輪に与える制動力を算出する。ここでは、そのような制動力を左右両輪に与える目標制動液圧Pgf,Pgrとして算出する。前輪用の目標制動液圧Pgfについては、前記ステップS4で算出した推定横変位Xs及び横変位限界距離X、並びに前記ステップS8で得た減速制御判定用しきい値Xβを用いて、下記(14)式により算出する。
Pgf=Kgv・Kgx・(|Xs|−X−Xβ) ・・・(14)
ここで、Kgvは車速Vに応じて設定される換算係数であり、Kgxは車両諸元により定まる換算係数である。図8は換算係数Kgvの例を示す。図8に示すように、低速域では、換算係数Kgvは、ある一定の小さい値となり、車速Vがある値よりも大きくなると、車速Vとともに換算係数Kgvが増加し、その後ある車速Vに達すると換算係数Kgvはある一定の大きい値となる。
さらに、以上のように算出した前輪用の目標制動液圧Pgfに基づいて、前後配分を考慮した後輪用の目標制動液圧Pgrを算出する。
このようにステップS10において、車線逸脱防止用減速制御における減速度(具体的には目標制動液圧Pgf,Pgr)を得る。
続いてステップS11において、各車輪の目標制動液圧を算出する。すなわち、車線逸脱防止の制動制御の有無に基づいて最終的な制動液圧を算出する。具体的には次のように算出する。
逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、すなわち車線逸脱傾向がないとの判定結果を得た場合、下記(15)式及び(16)式に示すように、各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動液圧Pmf,Pmrにする。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(15)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(16)
ここで、Pmfは前輪用の制動液圧である。また、Pmrは後輪用の制動液圧であり、前後配分を考慮して前輪用の制動液圧Pmfに基づいて算出した値になる。例えば、運転者がブレーキ操作をしていれば、制動液圧Pmf,Pmrはそのブレーキ操作の操作量に応じた値になる。
一方、逸脱判断フラグFoutがONの場合、すなわち車線逸脱傾向があるとの判定結果を得た場合、先ず目標ヨーモーメントMsに基づいて、前輪目標制動液圧差ΔPsf及び後輪目標制動液圧差ΔPsrを算出する。具体的には、下記(17)式〜(20)式により目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsrを算出する。
|Ms|<Ms1の場合
ΔPsf=0 ・・・(17)
ΔPsr=Kbr・Ms/LTR ・・・(18)
|Ms|≧Ms1の場合
ΔPsf=Kbf・(Ms/|Ms|)・(|Ms|−Ms1)/LTR ・・・(19)
ΔPsr=Kbr・(Ms/|Ms|)・Ms1/LTR ・・・(20)
ここで、Ms1は設定用しきい値を示す。なお、トレッドLTRは、便宜上前後で同じ値にする。また、Kbf,Kbrは、制動力を制動液圧に換算する場合の前輪及び後輪についての換算係数であり、ブレーキ諸元により定まる。
このように、目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて車輪に発生させる制動力を配分している。そして、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1未満のときには、前輪目標制動液圧差ΔPsfを0として、後輪目標制動液圧差ΔPsrに所定値を与えて、左右後輪で制動力差を発生させ、また、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1以上のときには、各目標制動液圧差ΔPsr,ΔPsrに所定値を与え、前後左右輪で制動力差を発生させる。
そして、以上のように算出した目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsr及び減速用の目標制動液圧Pgf,Pgrを用いて最終的な各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。具体的には、前記ステップS8で設定している減速制御作動判断フラグFgsをも参照して、最終的な各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
すなわち、逸脱判断フラグFoutがONの場合、すなわち車線逸脱傾向があるとの判定結果を得ているが、減速制御作動判断フラグFgsがOFFの場合、すなわち車両へのヨーモーメント付与だけを行う場合、下記(21)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(21)
また、逸脱判断フラグFoutがONであり、かつ減速制御作動判断フラグFgsがONの場合、すなわち車両にヨーモーメントを付与しつつも、車両を減速させる場合、下記(22)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf+Pgf/2
Psfr=Pmf+ΔPsf+Pgf/2
Psrl=Pmr+Pgr/2
Psrr=Pmr+ΔPsr+Pgr/2
・・・(22)
また、この(21)式及び(22)式が示すように、運転者によるブレーキ操作、すなわち制動液圧Pmf,Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。そして、制駆動力コントロールユニット8は、このようにして算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する。
なお、前記(17)式〜(22)式に示した各車輪の目標制動液圧等は、逸脱方向Doutがleftの場合(Dout=left)、すなわち左側車線に対して車線逸脱傾向がある場合のものであるが、逸脱方向Doutがrightの場合(Dout=right)、すなわち右側車線に対して車線逸脱傾向がある場合の前記(17)式〜(22)式に対応する式の説明については省略する。なお、逸脱方向Doutがrightの場合の、前記(21)式に対応する各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)は、下記(23)式により算出される。
Psfl=Pmf+ΔPsf
Psfr=Pmf
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
・・・(23)
また、前記ステップS5で車線逸脱防止制御の制御終了タイミングを設定(変更)しているが、設定した制御終了タイミングによる車線逸脱防止制御の終了については、車線逸脱防止制御の制御開始からの経過時間が制御終了時間TENDになったり、車線逸脱防止制御中に自車両の横位置(実際の横位置X又は推定横変位Xs)が制御終了位置XENDになったりしたとき、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定(変更)することで、車線逸脱防止制御を終了する。
(動作)
動作は次のようになる。
車両走行中、各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、車速Vを算出し、前回車速VPASTを設定する(前記ステップS2)。そして、車速V及び前回車速VPAST等を用いて、不足分のヨーモーメントΔMsを算出し(前記ステップS3)、算出した不足分のヨーモーメントΔMsに基づいて、車線逸脱防止制御の制御終了タイミング、具体的には制御終了時間TEND及び制御終了位置XENDを設定(変更)する(前記ステップS5)。
また、将来の推定横変位(逸脱推定値)Xsを算出して、算出した推定横変位Xsに基づいて、車線逸脱傾向の判定(逸脱判断フラグFoutの設定)を行うとともに(前記ステップS4)、その車線逸脱傾向の判定結果(逸脱判断フラグFout)を、運転者の車線変更の意思に基づいて修正する(前記ステップS6)。そして、車線逸脱傾向の判定結果に基づいて、警報出力を行う(前記ステップS7)。
また、推定横変位Xsに基づいて、減速制御作動判断フラグFgsを設定するとともに(前記ステップS8)、車線逸脱防止制御として車両に付与する目標ヨーモーメントMsと、車線逸脱防止用減速制御のための減速度(目標制動液圧Pgf,Pgr)とを算出する(前記ステップS9、ステップS10)。ここで、目標ヨーモーメントMsは、基準の目標ヨーモーメントMs0に不足分のヨーモーメントΔMsを加算した値であり、不足分のヨーモーメントΔMsが補償された値となる。
そして、逸脱判断フラグFout及び減速制御作動判断フラグFgsの状態に基づいて、目標ヨーモーメントMs及び減速度(目標制動液圧Pgf,Pgr)に基づく各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)の算出を行い、算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧制御部7に出力する(前記ステップS11)。これにより、自車両の車線逸脱傾向に応じて自車両にヨーモーメントが付与され、場合により、自車両は減速される。そして、車線逸脱防止制御の制御開始からの経過時間が制御終了時間TENDになったり、車線逸脱防止制御中に自車両の横位置(実際の横位置X又は推定横変位Xs)が制御終了位置XENDになったりしたときに、車線逸脱防止制御が終了する。すなわち、制御終了タイミングの条件を満たせば、車線逸脱傾向にかかわらず、車線逸脱防止制御が(強制的に)終了する。
(作用及び効果)
作用及び効果は次のようになる。
前述のように、車線逸脱防止制御の制御量となるヨーモーメントのその不足分(不足量)ΔMsに基づいて、該車線逸脱防止制御の制御終了タイミングを規定する制御終了時間TEND及び制御終了位置XENDを設定している。このとき、不足分のヨーモーメントΔMsが大きくなるほど、制御終了時間TEND及び制御終了位置XENDを大きくしている。
例えば、図9は、実ヨーモーメントMsrと前回算出目標ヨーモーメントMsbとの差分値である不足分のヨーモーメントΔMsと制御終了位置XENDとの関係を示す。図9に示すように、不足分のヨーモーメントΔMsが大きくなるほど、制御終了位置XENDが大きくなる(自車両が走行する走行車線に対して、より外側に位置される)。
このように、線逸脱防止制御の制御量となるヨーモーメントのその不足分(不足量)ΔMsに基づいて、制御終了時間TEND及び制御終了位置XENDを設定することで、車線逸脱防止制御でヨーモーメントの不足分を補おうとしているときに、すなわち、不足分のヨーモーメントΔMsを補償した目標ヨーモーメントMsを自車両に付与するときに、制御終了タイミングとなることで該車線逸脱防止制御が解除されてしまうのを防止することができ、自車両の車線逸脱防止に必要なヨーモーメントを確保することができる。
さらに、不足分のヨーモーメントΔMsが大きくなるほど、制御終了時間TEND及び制御終了位置XENDを大きくしているので、不足分のヨーモーメントΔMsが大きい場合でも、それに応じて制御終了タイミングを遅くすることができる。
なお、前記実施形態を次のような構成により実現することもできる。
すなわち、前記実施形態では、制御終了タイミングの指標を、時間(制御終了時間)及び位置(制御終了位置(横位置))としているが、制御終了タイミングの指標は、それらのうち何れかであっても良い。また、制御終了タイミングの指標は、車線逸脱防止制御の制御開始時からの制御量総量(制御量積分値)や車線逸脱防止制御中における走行車線に対する自車両のヨー角等の他の値であっても良い。例えば、制御終了タイミングの指標をヨー角とする場合、自車両が走行している走行車線の内側に傾きを持つ任意のヨー角を制御終了タイミングを規定するヨー角にする。
また、前記実施形態では、実ヨーモーメントMsrと目標ヨーモーメントMsbとの差分値として、不足分のヨーモーメントΔMsを算出(直接算出)している(前記(7)式)。これに対して、ブレーキパッド(又はブレーキシュー)等のブレーキ装置の温度(又はその温度履歴)、使用頻度又は自車両重量等の自車両状態に基づいて、不足分のヨーモーメントΔMsを算出(推定)することもできる。ブレーキパッド(又はブレーキシュー)等のブレーキ装置の温度等が、制動力に影響し、これにより実ヨーモーメントMsrに影響するので、ブレーキパッド(又はブレーキシュー)等のブレーキ装置の温度等からも、不足分のヨーモーメントΔMsを算出(推定)することができる。この場合、例えばブレーキ装置の温度と制動力の低下を示す指標との関係を予めマップとして記憶しておき、ブレーキ装置の温度を検出又は推定する装置をさらに設ける。そして、ブレーキ装置の温度に対応した指標に基づいて不足分のヨーモーメントを算出(推定)する。また、前記指標に基づいて不足分のヨーモーメントを算出するのではなく、指標が所定のしきい値以上になったとき、実ヨーモーメントMsrと目標ヨーモーメントMsbとの差分値を算出するようにしても良い。また、自車両状態に限らず、天候や外気温等の自車両の外部走行環境に基づいて、不足分のヨーモーメントΔMsを算出(推定)することもできる。
また、前記実施形態では、車速Vに基づいて、実ヨーモーメントMsrを算出している(前記(4)式〜(6)式)。これに対して、ヨーレイトφ´等の他の値に基づいて、実ヨーモーメントMsrを算出することもできる。
なお、前記実施形態の説明において、制駆動力コントロールユニット8のステップS4及びステップS8の処理は、走行車線に対する自車両の逸脱傾向を判定する車線逸脱傾向判定手段を実現しており、制駆動力コントロールユニット8のステップS9〜ステップS11の処理は、前記車線逸脱傾向判定手段が逸脱傾向があると判定した場合、走行制御により走行車線に対する自車両の逸脱を防止する車線逸脱防止制御を行うとともに、所定の制御終了タイミングになった場合、前記車線逸脱防止制御を終了する制御手段を実現しており、制駆動力コントロールユニット8のステップS3の処理は、前記制御手段による前記車線逸脱防止制御の制御量の不足量を取得する制御不足量取得手段を実現しており、制駆動力コントロールユニット8のステップS5の処理は、前記制御不足量取得手段が取得した前記不足量に基づいて、前記所定の制御終了タイミングを変更する制御タイミング変更手段を実現している。
本発明の実施形態の車両を示す概略構成図である。 車両の車線逸脱防止装置のコントロールユニットの処理内容を示すフローチャートである。 推定横変位Xsや逸脱傾向判定用しきい値Xの説明に使用した図である。 不足分のヨーモーメントΔMsと制御終了時間TENDとの関係を示す特性図である。 不足分のヨーモーメントΔMsと制御終了位置XENDとの関係を示す特性図である。 走行車線曲率βと減速制御判定用しきい値Xβとの関係を示す特性図である。 車速VとゲインK2との関係を示す特性図である。 車速Vと換算係数Kgvとの関係を示す特性図である。 実施形態における作用及び効果の説明に使用した図である。
符号の説明
6FL〜6RR ホイールシリンダ、7 制動流体圧制御部、8 制駆動力コントロールユニット、9 エンジン、12 駆動トルクコントロールユニット、13 撮像部、17 マスタシリンダ圧センサ、18 アクセル開度センサ、19 操舵角センサ、22FL〜22RR 車輪速度センサ

Claims (4)

  1. 走行車線に対する自車両の逸脱傾向を判定する車線逸脱傾向判定手段と、
    前記車線逸脱傾向判定手段が逸脱傾向があると判定した場合、走行制御により走行車線に対する自車両の逸脱を防止する車線逸脱防止制御を行うとともに、所定の制御終了タイミングになった場合、前記車線逸脱防止制御を終了する制御手段と、
    前記制御手段による前記車線逸脱防止制御の制御量の不足量を取得する制御不足量取得手段と、
    前記制御不足量取得手段が取得した前記不足量に基づいて、前記所定の制御終了タイミングを変更する制御タイミング変更手段と、
    を備え
    前記所定の制御終了タイミングは、前記車線逸脱防止制御の実施継続時間、前記車線逸脱防止制御中における走行車線に対する自車両の横位置、前記車線逸脱防止制御の制御開始時からの制御量積分値及び前記車線逸脱防止制御中における走行車線に対する自車両のヨー角のうちの少なくとも一つを指標として決まるものであり、
    前記制御タイミング変更手段は、前記不足量が小さいときには、前記所定の制御終了タイミングの指標を小さい値とし、前記不足量が多くなるほど、前記所定の制御終了タイミングを遅くする変更をすることを特徴とする車線逸脱防止装置。
  2. 前記車線逸脱防止制御は、自車両にヨーモーメントを付与して走行車線に対する自車両の逸脱を防止するものであり、
    前記制御不足量取得手段は、前記制御手段が前記制御量として自車両に付与した目標ヨーモーメントと当該目標ヨーモーメントの付与により実際に自車両に発生したヨーモーメントとの差分から前記制御手段の制御量の不足量を取得することを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
  3. 前記制御不足量取得手段は、自車両の外部走行環境及び自車両状態のうちの少なくとも何れかに基づいて、前記制御手段の前記制御量の不足量を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車線逸脱防止装置。
  4. 走行車線に対して自車両が逸脱傾向にあるとき、走行車線に対する自車両の逸脱を防止する車線逸脱防止制御を行うとともに、前記車線逸脱防止制御の制御量の不足量を取得し、この不足量に基づいて、前記車線逸脱防止制御の制御終了タイミングを変更するようになっており、
    前記制御終了タイミングは、前記車線逸脱防止制御の実施継続時間、前記車線逸脱防止制御中における走行車線に対する自車両の横位置、前記車線逸脱防止制御の制御開始時からの制御量積分値及び前記車線逸脱防止制御中における走行車線に対する自車両のヨー角のうちの少なくとも一つを指標として決まるものであって、
    前記制御終了タイミングの指標は、前記不足量が小さいときには小さな値であり、前記不足量が多くなるほど大きな値となることを特徴とする車線逸脱防止装置。
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