JP4905360B2 - エレベータ用調速機 - Google Patents
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Description
かご4の下部には、かご4を非常停止させるための非常止め装置7が設けられている。かごガイドレール6の上端部近傍には、調速機支持部材8が固定されている。この調速機支持部材8上には、かご6の過速度を検出して非常止め装置7を動作させる調速機9が支持されている。
昇降路1の底部近傍には、回転自在の張り車10が設けられている。調速機9及び張り車10には、調速機ロープ11の上端部及び下端部がそれぞれ巻き掛けられている。調速機ロープ11は、レバー12を介して非常止め装置7に接続されており、かご4の昇降に伴って循環移動される。
乗場13には、乗場の戸14が設けられている。調速機9と最上階の乗場13との間には、復帰用ワイヤ41が配置されている。復帰用ワイヤ41の乗場側の端部である基端部は、乗場敷居の下部に配置されている。
一方のフライウエイト25の一端部には、作動爪37が固定されている。フライウエイト25は、綱車21の回転による遠心力により回動される。これにより、作動爪37は、綱車21の径方向外側へ変位される。一方のフライウエイト25の他端部と綱車21との間には、遠心力に対抗する平衡ばね27が設けられている。基台23には、駆動装置2のブレーキ装置(図示せず)を動作させるかご停止用スイッチ28が取り付けられている。かご停止用スイッチ28は、作動爪37により操作されるスイッチレバー28aを有している。
綱車21には、ピン24と平行な軸71を中心に回動可能なトリップレバー72が取り付けられている。トリップレバー72は、その一部が一方のフライウエイト25に当接しており、フライウエイト25の回動により軸71を中心として回動される。軸71には、トリップレバー72をフライウエイト25に当接させる方向(図の時計方向)へ付勢する捻りばね73が設けられている。
基台23には、綱車軸22を中心に回転可能なラチェット30が設けられている。このラチェット30の外周部には、多数の歯が設けられている。一方のピン24には、トリップレバー72及びラチェット30のいずれか一方と選択的に係合する爪29が軸支持されている。爪29は、引きばね74によりラチェット30に係合する方向へ付勢されている。爪29は、通常はトリップレバー72と係合しラチェット30から開離しているが、トリップレバー72との係合が外れると、引きばね74のばね力により回動され、ラチェット30に係合する。
基台23に回動自在に取り付けられたアーム31には、調速機ロープ11に押し付けられるシュー32が回動自在に取り付けられている。アーム31のばね受け部31aには、ばね軸33が貫通されている。ばね軸33の一端部とラチェット30との間には、接続レバー34が接続されている。ばね軸33の他端部には、ばね受け部材35が設けられている。ばね受け部31aとばね受け部材35との間には、シュー32を調速機ロープ11に押し付けるためのロープ掴みばね36が設けられている。
基台23には、復帰用レバー42が綱車軸22と平行な軸43を中心に揺動可能に取り付けられている。爪29には、復帰用レバー42が揺動することにより押圧される回転自在の突起44が設けられている。基台23と復帰用レバー42との間には、突起44から開離する方向へ復帰用レバー42を付勢する戻しばね45が設けられている。
復帰用レバー42には、復帰用ワイヤ41の先端部が接続されている。復帰用ワイヤ41は、可撓性を有するチューブ46に挿通されて調速機9まで導かれている。チューブ46の先端部は、復帰用レバー42の近傍で基台23に固定されている。この操作手段は、復帰用ワイヤ41、戻しばね45及びチューブ46を有している。
また、例えば主索3が破断した場合など、駆動装置2が停止しても、かご4が停止することなく下降を続け、かご4の下降速度が第2過速度(通常は定格速度の1.4倍程度)に達すると、フライウエイト25がさらに回動し、これに伴いトリップレバー72の回動量も大きくなり、トリップレバー72と爪29との係合が外れる。これにより、爪29が引きばね74のばね力で回動されてラチェット30の歯に係合する。そして、ラチェット30が綱車21とともに図12の反時計方向へ僅かに回転される。
このラチェット30の回転により、アーム31が図12の反時計方向へ回動され、シュー32が調速機ロープ11に当接するとともに、ロープ掴みばね36によりシュー32が調速機ロープ11に押し付けられ、調速機ロープ11が制動される。調速機ロープ11の循環が停止されると、かご4が下降し続けることにより、レバー12が操作され、非常止め装置7が動作する。
この後、かご4の天井に乗り込める位置までかご4を上昇させた後、最上階の乗場13から乗場の戸14を開けて、作業員がかご4上に乗る。そして、かご4上から調速機9に手を伸ばして、爪29をトリップレバー72に係合させることにより、復帰作業が終了する。
一方、調速機9が第2過速度動作をしたときのかご4の位置が最上階の乗場13付近であり、その位置からは乗場の戸14を開けてかご4の天井に乗り込めない場合、乗場の戸14を開いて敷居下部の復帰用ワイヤ41の基端部を乗場側へ取り出し、復帰用ワイヤ41の基端部をチューブ46に対して引き出す。これにより、調速機9側では復帰用レバー42が戻しばね45に逆らって図12〜図14の時計方向へ揺動され、突起44が復帰用レバー42によって押圧される。そして、爪29が引きばね73に逆らって図12〜図14の時計方向へ回動され、トリップレバー72に係合する。
なお、復帰用レバー42と突起44とが対向する位置関係にない場合には、まず復帰用レバー42を復帰位置へ移動させた後、綱車21を時計方向へ回転させる。これにより、綱車21と一体で回転する突起44が、復帰位置にある復帰用レバー42に当接して押圧される。
このように操作することにより、かご4が最上階の乗場13付近にあり、その位置からは乗場の戸14を開けてかご4の天井に乗り込めない場合においても、乗場13側からの遠隔操作によって、爪29をトリップレバー72に係合させることができる。
従って、昇降路1内に調速機9が配置されている場合でも、作業者が昇降路1内に入ったり、調速機9へアクセスするための開口部を乗場壁に設けたりすることなく、調速機9に対する復帰作業を遠隔から容易に行うことができ、復帰作業の作業性を向上させることができる。
2 駆動装置
2a 綱車
3 主索
4 かご
5 釣合重り
6 かごガイドレール
7 非常止め装置
8 調速機支持部材
9 調速機
10 張り車
11 調速機ロープ
12 レバー
13 乗場
14 乗場の戸
21 綱車
22 網車軸
23 基台
24 ピン
25 フライウエイト
26 リンク
27 平衡ばね
28 かご停止用スイッチ
28a スイッチレバー
29 爪
30 ラチェット
31 アーム
31a ばね受け都
32 シュー
33 ばね軸
34 接続レバー
35 ばね受け部材
36 ロープ掴みばね
37 作動爪
41 復帰用ワイヤ
42 復帰用レバー
43 軸
44 突起
45 戻しばね
46 チューブ
47 乗場位置表示器
48 ケース
49 リンク
50 前面カバー
51 操作金具
52 三方枠
53 操作金具
54 アクチュエータ
55 配線
71 軸
72 トリップレバー
73 捻りばね
74 引きばね
90 回転手段
91 アーム
92 ローラ
93 軸
かご4の下部には、かご4を非常停止させるための非常止め装置7が設けられている。かごガイドレール6の上端部近傍には、調速機支持部材8が固定されている。この調速機支持部材8上には、かご6の過速度を検出して非常止め装置7を動作させる調速機9が支持されている。 この調速機9は従来の調速機と異なり、回転手段90を備えている。
昇降路1の底部近傍には、回転自在の張り車10が設けられている。調速機9及び張り車10には、調速機ロープ11の上端部及び下端部がそれぞれ巻き掛けられている。調速機ロープ11は、レバー12を介して非常止め装置7に接続されており、かご4の昇降に伴って循環移動される。
乗場13には、乗場の戸14が設けられている。調速機9と最上階の乗場13との間には、復帰用ワイヤ41が配置されている。復帰用ワイヤ41の乗場側の端部である基端部は、乗場敷居の下部に配置されている。
一方のフライウエイト25の一端部には、作動爪37が固定されている。フライウエイト25は、綱車21の回転による遠心力により回動される。これにより、作動爪37は、綱車21の径方向外側へ変位される。一方のフライウエイト25の他端部と綱車21との間には、遠心力に対抗する平衡ばね27が設けられている。基台23には、駆動装置2のブレーキ装置(図示せず)を動作させるかご停止用スイッチ28が取り付けられている。かご停止用スイッチ28は、作動爪37により操作されるスイッチレバー28aを有している。
綱車21には、ピン24と平行な軸71を中心に回動可能なトリップレバー72が取り付けられている。トリップレバー72は、その一部が一方のフライウエイト25に当接しており、フライウエイト25の回動により軸71を中心として回動される。軸71には、トリップレバー72をフライウエイト25に当接させる方向(図の時計方向)へ付勢する捻りばね73が設けられている。
基台23には、綱車軸22を中心に回転可能なラチェット30が設けられている。このラチェット30の外周部には、多数の歯が設けられている。一方のピン24には、トリップレバー72及びラチェット30のいずれか一方と選択的に係合する爪29が軸支持されている。爪29は、引きばね74によりラチェット30に係合する方向へ付勢されている。爪29は、通常はトリップレバー72と係合しラチェット30から開離しているが、トリップレバー72との係合が外れると、引きばね74のばね力により回動され、ラチェット30に係合する。
基台23に回動自在に取り付けられたアーム31には、調速機ロープ11に押し付けられるシュー32が回動自在に取り付けられている。アーム31のばね受け部31aには、ばね軸33が貫通されている。ばね軸33の一端部とラチェット30との間には、接続レバー34が接続されている。ばね軸33の他端部には、ばね受け部材35が設けられている。ばね受け部31aとばね受け部材35との間には、シュー32を調速機ロープ11に押し付けるためのロープ掴みばね36が設けられている。
基台23には、復帰用レバー42が綱車軸22と平行な軸43を中心に揺動可能に取り付けられている。爪29には、復帰用レバー42が揺動することにより押圧される回転自在の突起44が設けられている。基台23と復帰用レバー42との間には、突起44から開離する方向へ復帰用レバー42を付勢する戻しばね45が設けられている。
復帰用レバー42には、復帰用ワイヤ41の先端部が接続されている。復帰用ワイヤ41は、可撓性を有するチューブ46に挿通されて調速機9まで導かれている。チューブ46の先端部は、復帰用レバー42の近傍で基台23に固定されている。この操作手段は、復帰用ワイヤ41、戻しばね45及びチューブ46を有している。
回転手段90は、綱車軸22と平行に基台23に取り付けられた軸93と、この軸93を中心に揺動可能に取り付けられているアーム91と、このアーム91の上記軸93とは反対側に取り付けられ、要時に遠隔操作手段(図示せず)により回転駆動させることが可能なローラ92とを備えている。上記アーム91には復帰用ワイヤ41の先端部が接続されている。復帰用ワイヤ41はチューブ46に挿通されているが、挿入口の手前の露出部において復帰用レバー42にも接続されている。
また、例えば主索3が破断した場合など、駆動装置2が停止しても、かご4が停止することなく下降を続け、かご4の下降速度が第2過速度(通常は定格速度の1.4倍程度)に達すると、フライウエイト25がさらに回動し、これに伴いトリップレバー72の回動量も大きくなり、トリップレバー72と爪29との係合が外れる。これにより、爪29が引きばね74のばね力で回動されてラチェット30の歯に係合する。そして、ラチェット30が綱車21とともに図12の反時計方向へ僅かに回転される。
このラチェット30の回転により、アーム31が図12の反時計方向へ回動され、シュー32が調速機ロープ11に当接するとともに、ロープ掴みばね36によりシュー32が調速機ロープ11に押し付けられ、調速機ロープ11が制動される。調速機ロープ11の循環が停止されると、かご4が下降し続けることにより、レバー12が操作され、非常止め装置7が動作する。
この後、かご4の天井に乗り込める位置までかご4を上昇させた後、最上階の乗場13から乗場の戸14を開けて、作業員がかご4上に乗る。そして、かご4上から調速機9に手を伸ばして、爪29をトリップレバー72に係合させることにより、復帰作業が終了する。
一方、調速機9が第2過速度動作をしたときのかご4の位置が最上階の乗場13付近であり、その位置からは乗場の戸14を開けてかご4の天井に乗り込めない場合、乗場の戸14を開いて敷居下部の復帰用ワイヤ41の基端部を乗場側へ取り出し、復帰用ワイヤ41の基端部をチューブ46に対して引き出す。これにより、調速機9側では復帰用レバー42が戻しばね45に逆らって図12〜図14の時計方向へ揺動され、突起44が復帰用レバー42によって押圧される。そして、爪29が引きばね73に逆らって図12〜図14の時計方向へ回動され、トリップレバー72に係合する。
なお、復帰用レバー42と突起44とが対向する位置関係にない場合には、まず復帰用レバー42を復帰位置へ移動させた後、綱車21を時計方向へ回転させる。これにより、綱車21と一体で回転する突起44が、復帰位置にある復帰用レバー42に当接して押圧される。
但し、かご4が昇降路1の最頂部にいる場合には、綱車21を時計方向に回転させるために、かご4を上昇させることができない。その場合には、復帰用ワイヤ41を引き出すことにより回転位置まで揺動したアーム91の動きにより綱車21に当接したローラ92を、図4の反時計方向に駆動させる。すると綱車21は強制的に時計方向に回転され、図5に示すように、突起44が復帰位置にある復帰用レバー42に当接して押圧され、爪29をトリップレバー72に係合させることができる。
従って、かご4が昇降路1の最頂部にいる場合でも、調速機9の復帰作業を昇降路1外から容易に行うことができ、復帰作業の作業性を向上させることができる。
なお、ローラ92の駆動方法は、モータなどの電気的に行う方法や、予め巻き付けておいたワイヤを引っ張ることにより行う方法など、どのような方法でも良い。
乗場位置表示器47は、表示器本体(図示せず)を収納したケース48と、複数のリンク49を介してケース48に開閉可能に連結された前面カバー50とを有している。復帰用ワイヤ41の基端部は、ケース48内に収納され、前面カバー50を開くことにより、乗場13側へ引き出し可能になっている。
復帰用ワイヤ41を操作する場合、復帰用ワイヤ41及びチューブ46の基端部に操作金具51が装着される。調速機9の復帰を行う場合、乗場位置表示器47の前面カバー50を開き、復帰用ワイヤ41及びチューブ46の基端部に操作金具51を装着する。そして、復帰用ワイヤ41の基端部をチューブ46に対して引き出す。
この例では、復帰用ワイヤ41の基端部を乗場位置表示器47内に収納し、乗場13側から容易に引き出せるようにしたので、乗場の戸14を開くことなく復帰用ワイヤ41を操作でき、復帰作業の作業性をさらに向上させることができる。
なお、この例では、復帰用ワイヤ41の基端部を乗場位置表示器47内に収納したが、乗場押しボタン装置(図示せず)内に収納してもよい。
次に、復帰用ワイヤ41の格納方法の他の例を図9及び図10により説明する。上述の例では、復帰用ワイヤ41の基端部を乗場位置表示器47内に収納したが、図9及び図10の例では、乗場13の壁部15の裏側に復帰用ワイヤ41の基端部が配置されている。 復帰用ワイヤ41を操作する場合、乗場の戸13と三方枠52との間の隙間から操作金具53を挿入し、操作金具53を復帰用ワイヤ41に係合させる。他の部分は、実施の形態1と同様に構成されている。
このように、復帰用ワイヤ41の基端部を壁部15の裏側に配置した場合にも、乗場の戸14を閉じたままで、復帰用ワイヤ41を容易に操作することができる。
なお、上述の例では、復帰用ワイヤ41を介して復帰用レバー42を揺動させたが、例えば電磁式のアクチュエータ54を復帰用レバー42に接続し、このアクチュエータ54を操作するための配線55を乗場13まで延長して遠隔操作するようにしてもよい。また、アクチュエータ54を無線により遠隔操作してもよい。
また、上述の例では、揺動して爪29を回動させる復帰用レバー42を示したが、復帰用レバー42は、直線的に変位するものであってもよい。
さらに、上述の例では、昇降路1内の上部に調速機9が配置されている場合について説明したが、例えばピット内に設置されている場合にも、この発明を適用することができ、作業員がピットに降りることなく、復帰作業を乗場側から容易に行うことができる。
Claims (4)
- 昇降路内に設置され、非常止め装置を動作させるための調速機ロープが巻かれてかごの昇降速度に応じて回転する綱車と、
前記綱車に設けられ、前記綱車の回転による遠心力により回動されるフライウエイトと、
前記フライウエイトを遠心力に逆らう方向へ付勢する平衡ばねと、
前記綱車の綱車軸を中心に回転可能に設けられたラチェットと、
前記綱車に回動可能に設けられ、前記フライウエイトの回動により回動されるトリップレバーと、
前記綱車に回動可能に設けられ、通常は前記トリップレバーと係合し、かごの下降速度が予め設定された過速度に達したとき、前記トリップレバーとの係合が外れて前記ラチェットに係合することにより、前記綱車と同方向へ前記ラチェットを回転させる爪と、
前記綱車と同方向へ前記ラチェットが回転したときに前記調速機ロープを制動するシューと、
通常位置と復帰位置との間で変位可能になっており、通常位置から復帰位置に変位されることにより、前記爪を回動させて前記トリップレバーに係合させる復帰用レバーと、
前記復帰用レバーを遠隔操作により変位させる操作手段と、
かごが静止している場合においても、前記綱車をかごが上昇方向に運転している場合に回転する方向と同じ方向に強制的に回転させることにより、前記爪を前記復帰用レバーの位置に移動させる回転手段とを備え、
前記回転手段は、綱車と当接した場合に前記綱車を回転させるローラと、前記ローラの位置を通常位置と復帰位置との間で変位可能なアームとを備え、
前記アームは、通常位置に付勢する戻しばねと、復帰用ワイヤとを有していることを特徴とするエレベータ用調速機。 - 復帰用ワイヤの基端部は、乗場位置表示器内に収納され、乗場へ引き出し可能となっていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用調速機。
- 復帰用ワイヤの基端部は、乗場の壁部の裏側に配置され、乗場の戸と三方枠との間の隙間を通して操作可能になっていることを特徴とする請求填1記載のエレベータ用調速機。
- 戻しばね又は復帰用ワイヤは、アームと操作手段とで同一のものを使用していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエレベータ用調速機。
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