JP5157648B2 - エレベータ用調速機 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータの調速機に係り、特に機械室レスエレベータにおいて昇降路内に設置された調速機の復帰機構の改良に関するものである。
機械室レスエレベータの構成の一例を図5に示す。図5において、昇降路1内の上部には、駆動装置2が設置されており、該駆動装置2の綱車2aには主索3が巻き掛けられている。主索3の一端部にはかごが吊り下げられ、他端部には釣合い重り5が吊り下げられている。昇降路1内には、かご4及び釣合い重り5の昇降を案内する一対のかご用ガイドレール6及び一対の重り用ガイドレール(図示せず)が設置されている。かご4の下部には、非常時にかご4を非常停止させるための非常止め装置7が設けられている。かごガイドレール6の上端部近傍には、調速機支持部材8が固定されており、この調速機支持部材8上には、かご4の過速度を検出して非常止め装置7を作動させる調速機9が支持されている。
昇降路1の底部近傍には、回転自在の張り車10が設けられており、調速機9及び張り車10には、調速機ロープ11が無端状に巻き掛けられている。この調速機ロープ11は、レバー12を介して非常止め装置7に接続されており、通常はかご4の昇降に伴って循環移動される。
このような構成において、かご4の過速時には調速機9が作動して調速機ロープ11を拘束し、該ロープに接続されたレバー12を介して非常止め装置7が作動するが、機械室レスエレベータにおいては、調速機9が昇降路内の上部に設置されているため、非常止め装置7が作動した後に調速機9の復帰作業を行うには、まずかご4を僅かに上昇させて非常止め装置7のガイドレール6への制動状態を解除させ、作業員が最上階の乗場からかご上に乗り込める位置までかご4を上昇させた後、作業員がかご上に乗り込み、かご上から調速機9に直接手を伸ばして調速機9の復帰作業を行うことが考えられる。
しかしながら、作業員がかご上に乗り込める場合は問題ないが、調速機9が作動したときのかご4の停止位置によっては作業員がかご上に乗り込めない場合がある。すなわちかごの停止位置が最上階付近の場合には、作業員がかご上に乗り込むためには非常止め装置の解除後にかご4を一旦下降させなければならないが、非常止め装置7を解除できたとしても調速機9を復帰させないままかご4を下降させると一旦解除した非常止め装置7が再び作動するためにかご4を下降させることができず、従ってこのような場合にはかご上から調速機9の復帰作業を行うことができない。また、安全上の観点からも出来るだけ作業員が塔内に入らずに復帰作業を行えるようにすることが望ましい。
このため、復帰用ワイヤを調速機から乗場まで引き出しておき、このワイヤを乗場から操作することにより、かごが最上階付近で停止した場合にも調速機の復帰作業が乗場から行えるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
図6はこの引用文献1の調速機を示す正面図である。図において、調速機ロープ11が巻かれた綱車21は、綱車軸22を中心に回転自在に基台23に支持されている。綱車21の側面には、ピン24を中心に回動自在な一対のフライウエイト25が取り付けられており、これら一対のフライウエイト25は、リンク26により互いに連結されている。
一方のフライウエイト25の一端部には、作動爪37が固定されており、フライウエイト25が綱車21の回転による遠心力により回動されると、これにより作動爪37は、綱車21の径方向外側へ変位される。一方のフライウエイト25の他端部と綱車21との間には、遠心力に対抗する平衡ばね27が設けられている。
基台23には、駆動装置2のブレーキ装置(図示せず)を動作させるかご停止用スイッチ28が取り付けられており、このかご停止用スイッチ28は、作動爪37により操作されるスイッチレバー28aを有している。
綱車21には、ピン24と平行な軸71を中心に回動可能なトリップレバー72が取り付けられている。トリップレバー72は、その一部が一方のフライウエイト25に当接しており、フライウエイト25の回動により軸71を中心として回動される。軸71には、トリップレバー72をフライウエイト25に当接させる方向(図の時計方向)へ付勢する捻りばね73が設けられている。
基台23には、綱車軸22を中心に回転可能なラチェット30が設けられており、このラチェット30の外周部には、多数の歯が設けられている。一方のピン24には、トリップレバー72及びラチェット30のいずれか一方と選択的に係合する爪29が軸支持されている。この爪29は、通常はトリップレバー72と係合しラチェット30から乖離しているが、引きばね74によりラチェット30に係合する方向へ付勢されているため、フライウエイト25の回動によりトリップレバー72との係合が外れると、引きばね74のばね力により回動され、ラチェット30に係合する。
基台23に回動自在に取り付けられたアーム31には、調速機ロープ11に押し付けられるシュー32が回動自在に取り付けられている。アーム31のばね受け部31aには、ばね軸33が貫通されており、ばね軸33の一端部とラチェット30との間には、接続レバー34が接続されている。ばね軸33の他端部には、ばね受け部材35が設けられており、ばね受け部31aとばね受け部材35との間には、シュー32を調速機ロープ11に押し付けるためのロープ掴みばね36が設けられている。
基台23には、復帰用レバー42が綱車軸22と平行な軸43を中心に揺動可能に取り付けられている。爪29には、復帰用レバー42が揺動することにより押圧される回転自在の突起44が設けられており、基台23と復帰用レバー42との間には、突起44から乖離する方向へ復帰用レバー42を付勢する戻しばね45が設けられている。
復帰用レバー42には、復帰用ワイヤ41の先端部が接続されている。この復帰用ワイヤ41は、可撓性を有するチューブ46に挿通されて最上階の乗場から調速機9まで導かれており、チューブ46の先端部は、復帰用レバー42の近傍で基台23に固定されている。
以上の構成において、次にこの調速機の動作について説明する。かご3の昇降速度が第1過速度(通常は定格速度の1.3倍程度)に達すると、遠心力によるフライウエイト25の回動によって作動爪37がかご停止用スイッチ28のスイッチレバー28aに当接してスイッチレバー28aを回動させる。これにより、スイッチ28が作動し、駆動装置(図示省略)の電源が遮断され、駆動装置のブレーキ装置によりかごが停止される。
また、例えば主ロープ5が破断した場合など、駆動装置が停止しても、かご3が停止することなく下降を続け、かご3の下降速度が第2過速度(通常は定格速度の1.4倍程度)に達すると、フライウエイト25がさらに回動し、これに伴いトリップレバー72の回動量も大きくなり、トリップレバー72と爪29との係合が外れる。これにより、爪29が引きばね74のばね力で回動されてラチェット30の歯に係合する。そして、ラチェット30が綱車21とともに図6の反時計方向へ僅かに回転される。
このラチェット30の回転により、アーム31が図6の反時計方向へ回動され、シュー32が調速機ロープ11に当接するとともに、ロープ掴みばね36によりシュー32が調速機ロープ11に押し付けられ、調速機ロープ11が制動される。こうして調速機ロープが拘束され、更にかご4が下降し続けると、調速機ロープに接続されているレバー12が操作され、非常止め装置7が作動する。
次に、非常止め装置7及び調速機9の動作後の復帰作業について説明する。復帰作業においては、まずかご4を僅かに上昇させ、非常止め装置7のかごガイドレール6への制動状態を解除させる。この後、さらにかご4を上昇させると、綱車21が調速機ロープ3を介して図6の時計方向へ回動し、爪29とラチェット30との係合が外れ、ラチェット30も図の時計方向へ回動して元の位置に戻る。これにより、アーム31が元の位置に戻り、シュー32が調速機ロープ11から離れる。
この後、かご上から復帰作業を行う場合は、かご3の天井に乗り込める位置までかご3を上昇させた後、最上階の乗場から乗場のドアを開けて、作業員がかご3上に乗る。そして、かご3上から調速機9に手を伸ばして、爪29をトリップレバー72に係合させることにより、復帰作業が終了する。
一方、調速機9が第2過速度動作をしたときのかご3の位置が最上階の乗場付近であり、前述の如く、その位置からは乗場のドアを開けてかご3の天井に乗り込めない場合、或いは安全上の観点から遠隔操作により復帰作業を行いたい場合は、乗場のドアを開いて敷居下部の復帰用ワイヤ41の基端部を乗場側へ取り出し、復帰用ワイヤ41の基端部をチューブ46に対して引き出す。これにより、調速機9側では復帰用レバー42が戻しばね45に逆らって図6の時計方向へ揺動され、突起44が復帰用レバー42によって押圧される。そして、爪29が引きばね73に逆らって図6の時計方向へ回動され、トリップレバー72に係合する。
このように操作することにより、かご3が最上階の乗場付近にあり、その位置からは乗場のドアを開けてかご3の天井に乗り込めない場合においても、乗場側からの遠隔操作によって、爪29をトリップレバー72に係合させることができる。
特開2002−370879号公報
上記特許文献1の構成では、調速機9が第2過速度動作(かごが第2過速度に達したときの動作)をしたときのかご3の位置が最上階の乗場付近であり、かつ復帰用レバー42と突起44とが対向する位置関係にない場合には、まず復帰用レバー42を復帰位置へ移動させた後、かごを上昇させ、綱車21を時計方向へ回転させる必要がある。このとき、復帰用レバー42と突起44との位置関係が最も離れている場合、綱車21を時計方向へ最大で1回転させる必要があるが、かごが昇降路の最上部で停止していて綱車21を1回転させるだけの上昇代がない場合、このままでは調速機21の復帰作業ができない。
このため、これを解決するには、復帰用レバーと復帰用ワイヤーからなる操作手段を綱車の周囲に複数組設けるか、或いは最上階の乗場の上部壁面に開口部を設け、そこから作業員が手を入れて復帰作業を行うことが考えられる。
しかしながら前者の方法では調速機の構成が非常に複雑、かつコストも高くなり、また後者の方法では、壁に穴を明ける工事が必要となるだけでなく、作業者の手が調速機に届かない場合は復帰作業が不可能になるといった問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、調速機9が第2過速度動作をしたときのかご4の位置が最上階の乗場付近であったとしても、かご4を僅かに上昇させるだけで乗場から調速機9の復帰作業を確実に行うことのできるエレベータ用調速機を提供することを目的としたものである。
本発明に係るエレベータ用調速機は、昇降路内に設置されている基台と、この基台に回転自在に支持され、かつ非常止め装置を作動させるための調速機ロープが巻き掛けられ、かごの昇降速度に応じて回転する綱車と、この綱車に回動可能に設けられ、前記綱車の回転による遠心力により回動されるフライウェイトと、前記遠心力に逆らう方向へ前記フライウェイトを付勢する平衡ばねと、前記綱車の綱車軸を中心に回転可能に設けられ外周部に多数の歯を有するラチェットと、前記綱車に回動可能に設けられ、前記フライウェイトの回動により回動されるトリップレバーと、前記綱車に回動可能に設けられ、通常は前記トリップレバーと係合し前記かごの下降速度が予め設定された過速度に達したとき、前記トリップレバーとの係合が外れて前記ラチェットの歯に係合することにより、前記綱車と同方向へ前記ラチェットを回転させる爪と、前記綱車と同方向へ前記ラチェットが回転したときに前記調速機ロープを制動するシューとから構成されたエレベータ用調速機において、前記爪に固定された解除カムと、前記綱車の綱車軸を中心に回転可能に設けられ、前記解除カムと対向する位置に少なくとも1つの突起が前記綱車軸を中心とする円周上に配置された解除リングと、該解除リングを遠隔操作により拘束するリング拘束手段とを備え、調速機の復帰動作時には、前記解除リングを拘束し前記突起の何れかが前記解除カムと当接することにより前記解除カムを回動させて前記爪を前記トリップレバーに係合させる構成としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、解除リングに円周上に配置した複数の突起の何れかが解除カムと当接することにより爪を復帰位置に復帰させることができるため、かごが最上階の乗場付近に停止したとしても、かごを僅かに上昇させるだけで調速機の復帰動作を確実に行うことができ、しかも調速機の解除機構も従来と比べて複雑化することもない。また、復帰作業の際、復帰用ワイヤを操作した状態でそのまま保持する保持手段を設けたので、一人作業による復帰も可能となり、復帰作業をより一層容易にかつ安全に行うことができる。
実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1における調速機の通常時の状態を示す正面図である。図1において、図6と同一、又は相当のものは同一符号にて示しているが、図の煩雑化を避けて理解を容易にするため、図6に示した調速機ロープ11、ブレーキ装置を作動させるかご停止用スイッチ28、このかご停止用スイッチを作動させる作動爪37、調速機ロープに押し付けられてロープを拘束するシュー32等、図6に示したものと同様で本発明の解除機構の説明に直接必要がないと思われるものの一部については、図示を省略している。
図1において、21は、綱車軸22を中心に回転自在に基台23に支持されている綱車、25は、綱車21の側面にピン24を中心に回動自在に取付けられた一対のフライウェイト、26は、この一対のフライウェイト25を互いに連結するリンク、30は、綱車軸22を中心に回転可能に基台23に設けられ、外周部に多数の歯を有するラチェット、31は、基台23に回動自在に取付けられ、調速機ロープに押し付けられるシューを回動自在に取付けているアーム、33はアーム31を貫通するばね軸、34は、ばね軸33の一端とラチェット30を接続する接続レバー、35はばね軸33の他端部に設けられたばね受け部材、36は、アーム31とばね受け部材35との間に設けられ、シューを調速機ロープに押し付けるためのロープ掴みばね、72は軸71を中心に回動可能で、ばね(図示せず)で常時図の時計方向に付勢されて爪29との係合を保持し、遠心力でフライウェイト25が所定以上回動すると爪29との係合が外れるように構成されたトリップレバーである。
29は、ピン24に軸支持され、トリップレバー72及びラチェット30の何れか一方と選択的に係合する爪で、この爪29は、ばね(図示せず)によりラチェット30と係合する方向に付勢されており、通常はトリップレバー72との係合によりラチェット30から乖離しているが、遠心力によるフライウェイトの回動によりトリップレバー72との係合が外れると、ばね力により図の時計方向にラチェット30の歯に係合する。
60は綱車軸22を中心に回転可能な解除リングで、後述の解除カムの先端部と対向する位置に複数の突起(この例では5個)が前記綱車軸22を中心とする円周上に均等に配置されている。62は、調速機の復帰時に解除リング60を拘束するためのリング拘束装置(調速機側)で、基台23に固定された固定バー63と、固定バーに対してスライド可能に構成された拘束用バー64と、固定バー63及び拘束用バー64を接続する引っ張りばね65とを備え、可撓性を有するチューブ46の一端が固定バー63の端部に固定され、チューブ46に挿通されている復帰用ワイヤ41の一端が拘束用バー64の端部に接続されている。拘束用バー64は通常時は引っ張りばね65により図1の右方向に引っ張られた状態にあり、解除リング60と干渉しないようになっている。
80は爪29の上部に固定された解除カムで、その先端部80aは断面コ字状で開口部を下にして軸80bを中心に一定角度(約30度程度)回動可能に取付けられており、下方に延出した一辺が解除リング60の突起61と対応する位置となっている。この先端部80aは、通常は引っ張りばね80cにより図の反時計方向に付勢されており、また、爪29がトリップレバー72との係合を保持しているので、解除リング60を回転させても突起61とは当接しない状態にある。
図2はこの発明の実施の形態1における乗場側のリング拘束装置を示す図である。図2において、90は最上階の乗場ドア(図示せず)を支持するためのヘッダー、66はリング拘束装置(乗場側)で、ヘッダー90に固定されたベースブラケット67と、ベースブラケット67に固定されたサブブラケット68と、調速機から最上階の乗場まで導かれ、その一端がサブブラケット66に固定されたチューブ46と、チューブ46内に挿通された復帰用ワイヤ41と、復帰用ワイヤの一端が固定され、ベースブラケット67に対してスライド可能に構成されたスライドブラケット69と、スライドブラケット69に加工されたねじ穴を介してその端部がベースブラケット67に当接した蝶ボルト70とからなっている。
次に、上記実施形態1における調速機の動作について説明する。従来例の場合と同様にかご3の昇降速度が第1過速度(通常は定格速度の1.3倍程度)に達すると、遠心力によるフライウエイト25の回動によって作動爪(図示せず)がかご停止用スイッチ(図示せず)のスイッチレバーに当接してスイッチが作動し、駆動装置(図示せず)の電源が遮断され、駆動装置のブレーキ装置によりかごが停止される。
また、例えば主ロープ5が破断した場合など、駆動装置の停止によってもかご3が停止することなく下降を続け、かご3の下降速度が第2過速度(通常は定格速度の1.4倍程度)に達すると、フライウエイト25がさらに回動し、これに伴いトリップレバー72の回動量も大きくなり、トリップレバー72と爪29との係合が外れる。これにより、爪29が引きばね(図示省略)のばね力で図1の反時計方向に回動され、ラチェット30の歯に係合する。そして、綱車21とともにラチェット30が図1の反時計方向へ僅かに回転される。
このラチェット30の回転により、アーム31が図1の反時計方向へ回動され、アーム31に取付けられたシュー(図示せず)が調速機ロープ(図示せず)に当接するとともに、ロープ掴みばね36によりシューが調速機ロープに押し付けられ、調速機ロープが制動される。こうして調速機ロープが拘束され、更にかご4が下降し続けると、調速機ロープに接続されているレバー12が操作され、非常止め装置7が動作する。
次に、非常止め装置7及び調速機9の動作後の復帰作業について図3〜図5により説明する。なお、図4においては、簡単のため一対のフライウェイト25とリンク26とを図示省略している。
復帰作業においては、まずかご4を僅かに上昇させ、非常止め装置7のかごガイドレール6への制動状態を解除させる。この後、さらにかご4を上昇させると、綱車21が調速機ロープ3を介して図4の時計方向へ回動し、爪29とラチェット30との係合が外れ、ラチェット30も図の時計方向へ回動して元の位置に戻る。これにより、アーム31が元の位置に戻り、シューが調速機ロープから離れる。
この後、かご上から復帰作業を行う場合は、かご3の天井に乗り込める位置までかご3を上昇させた後、最上階の乗場から乗場のドアを開けて、作業員がかご3上に乗る。そして、かご3上から調速機9に手を伸ばして、爪29をトリップレバー72に係合させることにより、復帰作業が終了する。
一方、調速機9が第2過速度動作をしたときのかご3の位置が最上階の乗場付近であり、その位置からは乗場のドアを開けてかご3の天井に乗り込めない場合や安全上の観点から遠隔操作で復帰作業を行いたい場合には、まず乗場のドアを開いてヘッダー部分に設けたリング拘束装置66を操作する。すなわち図3に示すように、蝶ボルト70を回転させ、スライドブラケット69をベースブラケット67に対して図3の下方向にスライドさせると、スライドブラケット69に固定されている復帰用ワイヤ41もその分だけ下方に引っ張られ、その状態で保持される。この結果、図4に示すように、調速機側ではリング拘束装置62の拘束用バー64が復帰用ワイヤ41に引っ張られて図の左側にスライドし、その傾斜部が解除リング60と当接することにより、解除リング60の回転が拘束される。
この状態においてかごを僅かづつ上昇させて綱車21を時計方向に回転させると、最大でも綱車21が1/5回転するまでの間に突起61に解除カムの先端部80aが当接し、図4に示すように、先端部80aは突起61に押圧されて軸80bを中心に時計方向に一定角度だけ回動する。その後は綱車21の回転につれて先端部80aが突起61により押し上げられることで、先端部80aと一体になった解除カム80及び爪29がピン24を中心に時計方向に回動され、トリップレバー72と係合する。その後、先端部80aと突起61との係合が外れ先端部80aは図1の状態に復帰する。
なお、ここで解除カム80の先端部80aを一定角度回動可能とし、ばね80cで引っ張る構成としている理由は、復帰動作時やトリップレバー72の作動時に先端部80aと突起61とが衝突した際に生じる衝撃を和らげることにある。特にトリップレバー72の作動時、突起の位置によっては解除カムの先端部80aが突起61に衝突し、その反動で解除カム80及び解除カムと一体になっている爪29が跳ね上がると、爪29がラチェット30に係合するタイミングに遅れが生じるおそれがあるため、解除カムの先端部を回動可能としこれを防止している。
以上説明したように、本発明によれば、かごが最上階の乗場付近にあり、その位置からは乗場のドアを開けてかごの天井に乗り込めない場合や、或いはまた、例え綱車を1回転させるだけのかごの上昇代が無い場合であっても、乗場側からの遠隔操作によって、かごを僅かに上昇させるだけで調速機の復帰作業を容易かつ安全に行うことができる。
その他の実施形態
上記の実施形態では、解除リング上の突起を5個としたが、これに限定されるものではなく、任意の個数とすることができる。
また、上記の実施形態では、リング拘束装置の乗場側をドアのヘッダー部に設けたが、これに限らず、乗場の敷居付近や、乗場のかご位置表示器や呼釦を収納する意匠器具内等に設けることも可能である。
また、上記の実施形態では解除リングの拘束を、拘束用バーのスライドによって行うようにしたが、これに限らず、拘束用バーの一端を軸支して回動可能とし、一端を上方に引き上げることで解除リングに当接するようにしてもよいし、解除リングを拘束することについては種々の方法が考えられる。
その他、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改変を施すことができる。
本発明の実施の形態1における調速機を示す正面図である。 図1の調速機の復帰時に操作する拘束装置を示すである。 図2の拘束装置における復帰操作時の状態を示す図である。 図1の調速機の復帰動作を説明するための図である。 機械室レスエレベータの構成の一例を示す図である。 従来の調速機の一例を示す正面図である。
符号の説明
1 昇降路
4 かご
7 非常止め装置
9 調速機
11 調速機ロープ
21 綱車
22 綱車軸
23 基台
25 フライウェイト
29 爪
30 ラチェット
41 復帰用ワイヤ
60 解除リング
61 突起
62 リング拘束装置(調速機側)
64 拘束用バー
66 リング拘束装置(乗場側)
67 ベースブラケット
68 スライドブラケット
70 蝶ボルト
72 トリップレバー
80 解除カム
80a 先端部

Claims (4)

  1. 昇降路内に設置されている基台と、この基台に回転自在に支持され、かつ非常止め装置を作動させるための調速機ロープが巻き掛けられ、かごの昇降速度に応じて回転する綱車と、この綱車に回動可能に設けられ、前記綱車の回転による遠心力により回動されるフライウェイトと、前記遠心力に逆らう方向へ前記フライウェイトを付勢する平衡ばねと、前記綱車の綱車軸を中心に回転可能に設けられ外周部に多数の歯を有するラチェットと、前記綱車に回動可能に設けられ、前記フライウェイトの回動により回動されるトリップレバーと、前記綱車に回動可能に設けられ、通常は前記トリップレバーと係合し前記かごの下降速度が予め設定された過速度に達したとき、前記トリップレバーとの係合が外れて前記ラチェットの歯に係合することにより、前記綱車と同方向へ前記ラチェットを回転させる爪と、前記綱車と同方向へ前記ラチェットが回転したときに前記調速機ロープを制動するシューとから構成されたエレベータ用調速機において、前記爪に固定された解除カムと、前記綱車の綱車軸を中心に回転可能に設けられ、前記解除カムと対向する位置に少なくとも1つの突起が前記綱車軸を中心とする円周上に配置された解除リングと、該解除リングを遠隔操作により拘束するリング拘束手段とを備え、調速機の復帰動作時には、前記解除リングを拘束し前記突起の何れかが前記解除カムと当接することにより前記解除カムを回動させて前記爪を前記トリップレバーに係合させる構成としたことを特徴とするエレベータ用調速機。
  2. 前記突起と当接する前記解除カムの先端部を回動可能としたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用調速機。
  3. 前記リング拘束手段は、通常位置と前記解除リングを拘束する拘束位置との間で変位可能な拘束用バーと、この拘束用バーに一端が接続され、他端は乗場から操作可能な位置に引き回された復帰用ワイヤとを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のエレベータ用調速機。
  4. 前記復帰用ワイヤの乗場側の端部に、前記拘束用バーを拘束位置に保持できる保持手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のエレベータ用調速機。
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