JP4902096B2 - 薬液シリンジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者に薬液を注入する薬液シリンジが着脱自在に装着される薬液注入装置に関し、特に、薬液シリンジのシリンダ部材をシリンダフランジで保持する薬液注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、被験者の透視画像を撮像する透視撮像装置としては、CT(Computed Tomography)スキャナ、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、超音波診断装置、アンギオ装置、MRA(MR Angio)装置、等がある。
【0003】
上述のような装置を使用するとき、被験者に造影剤や生理食塩水などの薬液を注入することがあり、この注入を自動的に実行する薬液注入装置も実用化されている。上述のような薬液注入装置は注入ヘッドを有しており、この注入ヘッドに薬液シリンジが着脱自在に装着される。
【0004】
薬液シリンジは、薬液が充填されるシリンダ部材を有しており、このシリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている。より詳細には、シリンダ部材は、前端部分が閉塞して後端部分が開口した中空の円筒状に形成されており、前面と内部空間とを連通させる貫通孔が形成されている。この貫通孔は通常は前方に突出した導管部として形成されており、この導管部に注射針や延長チューブが装着される。
【0005】
ピストン部材は、通常は全体的に円柱状に形成されており、細長形状のピストンロッドの前端に柔軟なピストンヘッドが装着されている。なお、一般的な薬液シリンジでは、シリンダ部材の後端外周にはフランジ部として円環状のシリンダフランジが形成されており、ピストン部材の後端外周にはフランジ部として円環状のピストンフランジが形成されている。
【0006】
薬液注入装置を使用する場合、薬液が充填されている薬液シリンジのシリンダ部材を延長チューブで被験者に連結し、その薬液シリンジを薬液注入装置のシリンジ保持部材に装着する。一般的な薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダ部材およびシリンダフランジに対応した形状の凹部がシリンジ保持部材の上面に形成されているので、この凹部にシリンダ部材およびシリンダフランジを装填すれば薬液シリンジが保持される。
【0007】
さらに、薬液注入装置はシリンジ駆動機構によりピストンフランジをシリンダ部材とは別個に保持し、そのシリンジ駆動機構でピストン部材をスライドさせる。これで薬液シリンジから被験者に薬液を注入することができ、必要ならば、薬液シリンジに薬液タンクなどから薬液を吸入させることもできる。
【0008】
前述のように透視撮像装置で透視画像が撮像される被験者に造影剤を注入するときは、最初に造影剤を所定容量まで注入してから、生理食塩水を所定容量まで注入することが一般的である。これを実現する薬液注入装置は、造影剤が充填されている薬液シリンジと生理食塩水が充填されている薬液シリンジとを並列に保持する構造となっており、最初に造影剤の薬液シリンジを駆動してから生理食塩水の薬液シリンジを駆動する。
【0009】
このような薬液注入装置では、撮像部位に造影剤を適量のみ注入できるので、高価な造影剤の消費を削減することができ、被験者の身体の負担も軽減することができる。なお、上述のような薬液注入装置は、本出願人などにより過去に発明されて出願されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0010】
しかし、上述のような薬液注入装置では、造影剤の薬液シリンジと生理食塩水の薬液シリンジとを個々に用意して装着する必要があるので作業が煩雑であり、造影剤の薬液シリンジと生理食塩水の薬液シリンジとを個々に保持する必要があるので薬液注入装置を小型化することが困難である。
【0011】
さらに、造影剤と生理食塩水との薬液シリンジが同形同寸のこともあり、このような場合は、薬液注入装置に一種類の2本の薬液シリンジを装着することも可能であるため、被験者に造影剤や生理食塩水が一方のみ多量に注入される医療ミスなどを防止することができない。
【0012】
そこで、本発明者は1個で造影剤と生理食塩水とを注入できる薬液シリンジを今回発明した。なお、このように1個で複数の薬液を注入できる薬液シリンジは、例えば、特許文献3〜6に開示されている。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−11096号
【特許文献2】
特開2002−102343号
【特許文献3】
特開平11−169459号
【特許文献4】
特開2001−112867号
【特許文献5】
特開2001−104482号
【特許文献6】
特開2000−060970号
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した特許文献3,4に開示されている薬液シリンジでは、シリンダ部材の内面に凸部が形成されており、この凸部によりピストン部材の前端のピストンヘッドを変形させて複数の液室を連通させる。このため、複数の液室を良好に連通させることが困難であり、後方の液室の薬液を円滑に注入することができない。
【0015】
さらに、ピストンヘッドを変形させるためにピストン部材を押圧する圧力が途中から急激に上昇することになるので、シリンダ部材にピストン部材を円滑に圧入することが困難である。特に、薬液注入装置では安全を確保するためにピストン部材を押圧する圧力を常時検出し、その圧力が異常に上昇すると動作を停止するので、上述の薬液シリンジを利用することは困難である。
【0016】
また、特許文献5,6に開示されている薬液シリンジでは、複数の液室を隔壁の破断により連通させるので、その破断により破片が発生する懸念がある。この場合、破片が被験者に注入されたり、シリンダ部材の導管部を閉塞させる可能性があるので、上述の薬液シリンジを被験者への薬液注入に利用することはできない。
【0017】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、薬液どうしの混合を防止しつつ、円滑かつ安全に複数の薬液を順番に被験者に注入することができる薬液シリンジを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の一形態の薬液注入装置は、
前端部分が閉塞されるとともに後端部分が開口した円筒状に形成され、前記前端部分に貫通孔を有するシリンダ部材と、そのシリンダ部材にスライド自在に挿入された中空円筒状のシリンダピストンと、そのシリンダピストンにスライド自在に挿入されているピストン部材とを有する薬液シリンジを保持して薬液注入を行う薬液注入装置であって、
前記シリンダピストンの後端の中間フランジを保持して前記シリンダピストンをスライド移動させる中間駆動機構と、
前記ピストン部材の後端のピストンフランジを保持して前記ピストン部材を前後方向にスライド移動させるピストン駆動機構と、
を有するシリンジ駆動機構を備え、
前記中間駆動機構と前記ピストン駆動機構とは相互に独立した駆動系を有し
さらに、前記中間駆動機構は、上方から挿入される前記中間フランジを着脱自在に保持する開閉自在なクランプ機構を有し、このクランプ機構が前後方向にスライド自在に構成されていることを特徴とする
【0023】
なお、本発明で云う各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、例えば、複数の構成要素が1個の部材として形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等が可能である。
【0024】
さらに、本発明では前後方向を言及しているが、これは方向の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定したものであり、本発明を実施する場合の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。なお、以下では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明するが、これは各部の相対関係の説明を簡単とするために便宜的に規定するものであり、本発明の装置の製造時や使用時などの方向を限定するものではない。
【0026】
[第1の形態の構成]
本発明の実施の第1の形態の薬液注入システム1000は、図1ないし図4に示すように、薬液注入装置100、薬液シリンジ200、透視撮像装置であるMRI装置300、からなり、詳細には後述するが、MRI装置300で透視画像が撮像される被験者(図示せず)に、薬液注入装置100が薬液シリンジ200から薬液として造影剤と生理食塩水とを順番に注入する。
【0027】
薬液シリンジ200は、図1および図2に示すように、1個のシリンダ部材210と1個の後部ピストン220と1個の内部ピストン230からなり、シリンダ部材210に内部ピストン230と後部ピストン220とがスライド自在に順番に挿入されている。
【0028】
シリンダ部材210は、前端部分が閉塞して後端部分が開口した中空の円筒状に形成されており、後端外周にはフランジ部としてシリンダフランジ211が形成されている。また、前端部分には前面と内部空間とを連通させる貫通孔212が形成されており、この貫通孔212の部分は前方に突出した導管部213が形成されている。
【0029】
後部ピストン220は、一般的なピストン部材と同一の構造に形成されており、細長形状のピストンロッド221を有している。このピストンロッド221の後端外周にはフランジ部としてピストンフランジ222が形成されており、前端には柔軟な樹脂などで形成されているピストンヘッド223が装着されている。
【0030】
内部ピストン230は、ピストンヘッド223と同様に機能する本体部材231を有しており、この本体部材231に、前面と後面とを連通させる連通流路232が形成されている。さらに、本体部材231の内部には、開閉部材233が前後方向にスライド自在に装着されており、この開閉部材233が、連通流路232を開放する後方の開放位置と閉止する前方の閉止位置とに変位自在に配置されている。
【0031】
より詳細には、連通流路232は、シリンダ部材210の貫通孔212に連通する位置に開口しており、この本体部材231の前面に開口した部分が前方で小径となる円錐状に形成されているので、ここに係合する開閉部材233の前部も前方で小径となる円錐状に形成されている。
【0032】
また、本体部材231の内部には閉止機構として付勢部材であるコイルスプリング234が配置されており、このコイルスプリング234が開閉部材233を前方に弾発的に付勢することで閉止位置に仮止している。そして、シリンダ部材210の前端の後面には、開放機構として凸部214が形成されており、この凸部214が開閉部材233の前面に接離自在に当接する。このため、内部ピストン230がシリンダ部材210の内部の前端まで前進すると、凸部214に押圧される開閉部材233が閉止位置から開放位置まで相対的に後退する。
【0033】
なお、薬液シリンジ200は、例えば、コイルスプリング234が燐青銅合金(Cu+Sn+P)、チタン合金(Ti-6Al-4V)、マグネシウム合金(Mg+Al+Zn)、などで形成されており、それ以外の部分が、軟質樹脂やエンジニアリングプラスチックなどで形成されているので、全体が非磁性体で形成されている。
【0034】
また、薬液シリンジ200は、上述のようにシリンダ部材210の内部空間が内部ピストン230により前方の第1液室215と後方の第2液室216とに区分されているので、その第1液室215にはMRI装置300で透視画像が撮像される被験者に注入される造影剤が充填されており、第2液室216には生理食塩水が充填されている。
【0035】
本形態の薬液注入装置100は、図3に示すように、注入制御ユニット101と注入装置本体である注入ヘッド110とが別体に形成されており、その注入制御ユニット101と注入ヘッド110とは通信ケーブル102で有線接続されている。
【0036】
注入ヘッド110は、装着される薬液シリンジ200を駆動して被験者に薬液を注入し、注入制御ユニット101は、注入ヘッド110を動作制御する。このため、注入制御ユニット101はマイクロコンピュータ(図示せず)が内蔵されており、MRI装置300の撮像制御ユニット302とも通信ネットワーク(図示せず)で有線接続されている。
【0037】
注入制御ユニット101は、操作パネル103、ディスプレイパネルであるタッチパネル104、スピーカユニット105、等が本体ハウジング106の前面に配置されており、別体のコントローラユニット107が接続コネクタ108で有線接続されている。
【0038】
注入ヘッド110は、キャスタスタンド111の上端に可動アーム112で装着されており、図2に示すように、そのヘッド本体113の上面には、薬液シリンジ200が着脱自在に装着される半円筒形の溝状の凹部114が形成されている。
【0039】
この凹部114の前部には、薬液シリンジ200のシリンダフランジ211を着脱自在に保持するシリンダ保持機構120が形成されており、凹部114の後方には、ピストンフランジ221を保持してスライド移動させるシリンジ駆動機構121が配置されている。
【0040】
シリンジ駆動機構121は、駆動源として磁界を発生しない超音波モータ(図示せず)を有しており、この超音波モータが、燐青銅合金(Cu+Sn+P)、チタン合金(Ti-6Al-4V)、マグネシウム合金(Mg+Al+Zn)、などの非磁性体で形成されている。
【0041】
MRI装置300は、図3に示すように、撮像実行ユニット301と撮像制御ユニット302とを有しており、その撮像実行ユニット301と撮像制御ユニット302とは通信ネットワークで有線接続されている(図示せず)。撮像実行ユニット301は被験者から透視画像を撮像し、撮像制御ユニット302は撮像実行ユニット301を動作制御する。
【0042】
さらに、本形態の薬液注入システム1000では、MRI装置300の撮像制御ユニット302と薬液注入装置100の注入制御ユニット101も通信ネットワークで有線接続されており(図示せず)、詳細には後述するが、MRI装置300と薬液注入装置100とは協調して各種の動作を連動させる。
【0043】
[第1の形態の作用]
上述のような構成において、本形態の薬液注入システム1000では、MRI装置300で被験者から透視画像を撮像することができ、その被験者に薬液注入装置100で薬液シリンジ200から造影剤と生理食塩水とを順番に注入することができる。
【0044】
本形態の薬液シリンジ200は、事前に薬液が充填されているプレフィルドタイプからなり、図1(a)に示すように、内部ピストン230で区分されている第1液室215と第2液室216とに造影剤と生理食塩水とが個々に充填されている。
【0045】
このとき、内部ピストン230では開閉部材233がコイルスプリング234の付勢により閉止位置に配置されているので、連通流路232が遮断されており、第1液室215の造影剤と第2液室216の生理食塩水とが混合されることはない。
【0046】
そこで、作業者はMRI装置300の撮像ユニット302に位置する被験者に薬液シリンジ200の導管部212を延長チューブで連結し(図示せず)、図2に示すように、その薬液シリンジ200のシリンダ部材210を注入ヘッド110の凹部112に装着する。
【0047】
すると、シリンダフランジ211がシリンダ保持機構120に保持され、後部ピストン220のピストンフランジ222がシリンジ駆動機構121に把持される。このような状態で、例えば、作業者がMRI装置300の撮像制御ユニット302に撮像監視を入力操作すると、この入力操作に対応して薬液注入装置100の注入制御ユニット101が注入ヘッド110のシリンジ駆動機構121を作動させる。
【0048】
すると、薬液シリンジ200のシリンダ部材210に後部ピストン220が圧入されるので、この後部ピストン220に押圧される第2液室216の生理食塩水により内部ピストン230が押圧され、この内部ピストン230に押圧される造影剤が被験者に注入される。
【0049】
このときも、内部ピストン230では開閉部材233がコイルスプリング234の付勢により閉止位置に配置されているので、第1液室215の造影剤と第2液室216の生理食塩水とが混合されることはない。なお、開閉部材233の前面には造影剤の圧力が開放方向に作用するが、開閉部材233の前部の後面には生理食塩水の圧力が閉止方向に作用するので、造影剤の圧力により開閉部材233が開放されることはない。
【0050】
特に、開閉部材233の前部は円錐状に形成されていて前面より後面の面積が大きいので、開閉部材233には造影剤の圧力より生理食塩水の圧力が大きく作用することになり、造影剤の圧力により開閉部材233が開放されることは確実に防止されている。
【0051】
薬液注入装置100は、上述のように薬液シリンジ200から被験者に造影剤の注入を開始すると、これをMRI装置300にデータ通達するので、このMRI装置300は、例えば、造影剤が患部まで到達する所定時間だけ待機してから、撮像実行ユニット301により透視画像の撮像を開始する。
【0052】
薬液注入装置100は、薬液シリンジ200の各種データが注入制御ユニット101に事前に登録されており、この登録データに対応してシリンジ駆動機構121をフィードバック制御する。このため、薬液注入装置100は、上述のように薬液シリンジ200から被験者に造影剤を注入するとき、シリンジ駆動機構121の動作距離により内部ピストン230の位置をデータ認識する。
【0053】
そこで、薬液注入装置100の注入制御ユニット101は、例えば、図1(b)に示すように、薬液シリンジ200のシリンダ部材210の内部前端まで内部ピストン230が前進し、造影剤の注入が完了した時点でシリンジ駆動機構121の動作を一時停止させる。
【0054】
そして、MRI装置300による透視画像の撮像が完了すると、これが薬液注入装置100にデータ通達されるので、この薬液注入装置100は、シリンジ駆動機構121の動作を再開させる。上述のように薬液シリンジ200のシリンダ部材210の内部前端まで内部ピストン230が前進すると、シリンダ部材210の凸部214が内部ピストン230の開閉部材233に当接することで、この開閉部材233が閉止位置から開放位置まで相対的に後退する。
【0055】
これで内部ピストン230の連通流路233が開放されるので、この連通流路233により第2液室216が貫通孔212まで連通される。このような状態でシリンジ駆動機構121によりシリンダ部材210に後部ピストン220が圧入されると、この後部ピストン220に押圧される生理食塩水が被験者に注入される。
【0056】
これで透視画像の撮像が完了した被験者に生理食塩水が注入されるので、この生理食塩水により造影剤が希釈されて被験者の身体的な負担が軽減される。なお、前述のように薬液注入装置100はシリンジ駆動機構121の動作距離をデータ認識するので、薬液シリンジ200の後部ピストン220を適切な位置まで圧入すると自動的に停止する。
【0057】
[第1の形態の効果]
本発明の薬液注入システム1000では、上述のように薬液シリンジ200の1個のシリンダ部材210に1個の内部ピストン230と1個の後部ピストン220とが順番に挿入されており、造影剤と生理食塩水とが内部ピストン230により分離された状態でシリンダ部材210に充填されている。
【0058】
しかし、内部ピストン230はシリンダ部材210の内部前端まで前進すると、後方の第2液室216を前方のシリンダ部材210の貫通孔212に連通させるので、本形態の薬液シリンジ200は、造影剤と生理食塩水とを被験者に順番に注入することができる。
【0059】
このため、造影剤の薬液シリンジと生理食塩水の薬液シリンジとを別個に用意して取り扱う必要がないので、薬液シリンジ200を操作する作業の負担を軽減することができる。しかも、薬液注入装置100の注入ヘッド110には薬液シリンジ200を1個のみ装着すれば良いので、注入ヘッド110の小型化と部品数の削減が実現されている。
【0060】
特に、本形態の薬液注入システム1000では、薬液シリンジ200は2種類の薬液を自動的に順番に注入できるが、それでも薬液シリンジ200に必要な作業は1個のシリンダ部材210に1個の後部ピストン220を圧入するだけである。
【0061】
この作業は従来の一般的な薬液シリンジと完全に同一なので、作業者は特別な作業を必要とすることなく薬液シリンジ200を使用することができる。しかも、本形態の薬液シリンジ200は外形も従来の一般的な薬液シリンジと完全に同一なので、本形態の薬液注入システム1000では、薬液注入装置100として既存の製品を使用することが可能である。
【0062】
また、本形態の薬液シリンジ200では、内部ピストン230の連通流路232を開閉部材233がコイルスプリング234の付勢により閉止しており、その開閉部材233をシリンダ部材213の凸部214との当接により開放させる。このため、内部ピストン230の本体部材231を変形させる必要がないので、後部ピストン220を常時円滑にスライド移動させることができ、異常圧力を検出すると後部ピストン220の押圧を強制停止する薬液注入装置100でも薬液シリンジ200を問題なく利用することができる。
【0063】
しかも、本形態の薬液シリンジ200では、内部ピストン230の連通流路232を開放させるために部品を破断させる必要もないので、破断により発生する破片が被験者に注入されたりシリンダ部材210の貫通孔212を閉塞させるようなこともなく、複数の薬液を安全に注入することができる。
【0064】
さらに、内部ピストン230の開閉部材233がコイルスプリング234の付勢により閉止位置に配置されているので、開閉自在な開閉部材233で複数の薬液を良好に分離しておくことができる。しかも、内部ピストン230が生理食塩水に押圧されて前進するとき、開閉部材233の前面には造影剤の圧力が開放方向に作用するが、開閉部材233の前部の後面には生理食塩水の圧力が閉止方向に作用するので、造影剤の圧力により開閉部材233が開放されることはない。
【0065】
特に、開閉部材233の前部は円錐状に形成されていて前面より後面の面積が大きいので、開閉部材233には造影剤の圧力より生理食塩水の圧力が大きく作用することになり、造影剤の圧力により開閉部材233が開放されることを確実に防止できる。
【0066】
さらに、内部ピストン230の開閉部材233を開放させる開放機構がシリンダ部材210の凸部214からなるので、簡単な構造で確実に開閉部材233を開放させることができ、内部ピストン230が所定位置まで前進したときに適切なタイミングで開閉部材233を開放させることができる。
【0067】
しかも、本形態の薬液注入システム1000では、薬液シリンジ200の各種データが薬液注入装置100に登録されており、この薬液注入装置100は薬液シリンジ200の後部ピストン222の圧入位置から内部ピストン230の前進位置を推測できるので、薬液注入装置100は造影剤と生理食塩水との注入を適切に制御することができる。
【0068】
さらに、薬液注入装置100とMRI装置300とが協調して各種動作を連動させるので、MRI装置300は造影剤の注入に対応した適切なタイミングに透視画像の撮像を実行することができ、薬液注入装置100は透視画像の撮像に対応した適切なタイミングに薬液シリンジ200から造影剤と生理食塩水とを注入することができる。
【0069】
しかも、本形態の薬液注入システム1000では、薬液注入装置100の駆動源が非磁性体で形成されていて磁界を発生しない超音波モータからなり、薬液シリンジ200の各部が非磁性体で形成されているので、MRI装置300の近傍で薬液注入装置100や薬液シリンジ200を問題なく利用することができる。
【0070】
[第1の形態の変形例]
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では薬液注入システム1000が透視撮像装置としてMRI装置300を有することを例示したが、このような透視撮像装置としては、CTスキャナ、PET装置、超音波診断装置、アンギオ装置、MRA装置、等も可能である。
【0071】
また、上記形態では図示を簡単とするため、連通流路232および凸部214が薬液シリンジ200の軸心に対して非対称な1つの位置に形成されていることを図1に表記したが、実際には薬液シリンジ200の軸心に対して対称な複数の位置に形成されていることが好適である。
【0072】
さらに、上記形態では閉止機構がコイルスプリング234からなり、開閉部材233を閉止位置に弾発的に付勢することで仮止していることを例示したが、例えば、閉止機構として開閉部材233と本体部材231とに凹凸を形成しておき、この凹凸の係合により開閉部材233を閉止位置に仮止しておくようなことも可能である(図示せず)。
【0073】
この場合、内部ピストン230がシリンダ部材210の前端まで移動して開閉部材233が閉止位置に変位すると、その内部ピストン230を後退させても開閉部材233が開放位置に復帰しないが、薬液シリンジ200が一度しか使用しないプレフィルドタイプならば問題はない。
【0074】
また、上記形態では薬液シリンジ200のシリンダ部材210にピストン部材として1個の後部ピストン220と1個の内部ピストン230とが挿入されており、2種類の薬液を順番に注入できることを例示した。しかし、図5に例示する薬液注入装置240のように、内部ピストン230,241を2個以上とすることで3種類以上の薬液を順番に注入できることも可能である。なお、このような薬液注入装置240では、最後尾の内部ピストン230以外の内部ピストン241は、本体部材242の後面に凸部243が形成されていることが好適である。
【0075】
さらに、上記形態では薬液シリンジ200の内部ピストン230の開閉部材233を開放するためにシリンダ部材210に凸部214が形成されていることを例示したが、図6に例示する薬液注入装置250のように、内部ピストン251の開閉部材252の前面に凸部253が形成されていることも可能である。
【0076】
この場合、シリンダ部材260には凸部214を形成する必要がないので、一般的な既存のシリンダ部材を利用することが可能である。換言すると、この薬液シリンジ250では、通常の一般的な薬液シリンジに内部ピストン251のみ追完すれば実現できるので、例えば、この内部ピストン251を独立した追加部品として販売するようなことも可能である。
【0077】
また、上記形態では作業者が操作する薬液注入装置100が薬液シリンジ200のシリンダ部材210にピストン部材220を圧入することを例示したが、これを作業者が手動で直接に圧入することも可能である。
【0078】
[第2の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第2の形態を図7および図8を参照して以下に簡単に説明する。なお、これより以下の説明では、上述の第1の形態と同一の部分には同一の名称および符号を使用して詳細な説明は省略する。
【0079】
本形態の薬液注入システム(図示せず)では、薬液シリンジ400が、1個のシリンダ部材260と1個のピストン部材410と1個のシリンダピストン420からなり、シリンダ部材260にシリンダピストン420を介してピストン部材410がスライド自在に挿入されている。
【0080】
ピストン部材410は、後部ピストン220と同様な構造に形成されており、後端にピストンフランジ222が形成されているピストンロッド221の前端にピストンヘッド223が装着されているが、このピストンヘッド223はシリンダ部材260の内部空間を直接に密閉できるサイズには形成されていない。
【0081】
シリンダピストン420は、シリンダ部材260と同様に前端部分が閉塞して後端部分が開口した中空の円筒状に形成されており、その前面と内部空間とを連通させる貫通孔421が形成されている。ただし、その前端の外周部分は、例えば、Oリングなどのガスケットが装着されており(図示せず)、ピストン部材410と同様に機能する。
【0082】
このため、シリンダ部材260にスライド自在に挿入されているシリンダピストン420は、シリンダ部材260の内部空間を密閉し、そこに充填されている薬液を押圧することができる。一方、シリンダピストン420の内部空間にはピストン部材410がスライド自在に挿入されているので、シリンダピストン420はシリンダ部材としても機能する。
【0083】
従って、本形態の薬液シリンジ400では、シリンダ部材260の内部空間が造影剤を収容する第1液室215とされており、シリンダピストン420の内部空間が生理食塩水を収容する第2液室216とされている。なお、シリンダ部材260とシリンダピストン420とピストン部材410との後端には、フランジ部としてシリンダフランジ211と中間フランジ422とピストンフランジ222とが個々に形成されている。
【0084】
また、本形態の薬液注入装置500は、図8に示すように、薬液シリンジ400のシリンダフランジ211を着脱自在に保持するシリンダ保持機構120の後方に、中間フランジ422とピストンフランジ222とを個々に保持してスライド移動させるシリンジ駆動機構501が形成されている。
【0085】
より詳細には、シリンジ駆動機構501は、ピストン駆動機構502と中間駆動機構510とを有しており、ピストン駆動機構502は従来の一般的なシリンジ駆動機構121と同様にピストンフランジ222を後方から保持してスライド移動させる。
【0086】
中間駆動機構510は、シリンダ保持機構120と同様に、上方から挿入される中間フランジ422を着脱自在に保持する開閉自在なクランプ機構511を有しており、このクランプ機構511がガイドレール512により前後方向にスライド自在に支持されている。
【0087】
ピストン駆動機構502と中間駆動機構510とは、相互に独立した駆動系を有しており(図示せず)、注入制御ユニット101により統合制御される。このため、薬液注入装置500は、薬液シリンジ400から被験者に造影剤と生理食塩水とを順番に注入する場合、最初に中間駆動機構510とピストン駆動機構502とを同時に駆動してシリンダ部材260にシリンダピストン420をピストン部材410とともに圧入し、この圧入が完了してからピストン駆動機構502のみを駆動してシリンダピストン420にピストン部材410を圧入する。
【0088】
[第2の形態の作用]
上述のような構成において、本形態の薬液注入システムでは、薬液注入装置500に薬液シリンジ400を装着すると、そのシリンダフランジ211と中間フランジ422とピストンフランジ222とが、シリンダ保持機構120と中間駆動機構510とピストン駆動機構502とで個々に保持される。
【0089】
このような状態で、薬液注入装置500に注入開始が入力操作されると、最初は中間駆動機構510とピストン駆動機構502とが同時に駆動され、シリンダピストン420がピストン部材410とは相対変位しない状態でシリンダ部材260に圧入されるので、その第1液室215の造影剤が被験者に注入される。
【0090】
薬液注入装置500は、造影剤の注入の完了が中間駆動機構510とピストン駆動機構502との動作距離からデータ認識されるので、例えば、MRI装置300と連動した所定タイミングなどに、ピストン駆動機構502のみが駆動される。これでピストン部材410がシリンダピストン420に圧入されるので、その第2液室216の生理食塩水が貫通孔421,212から圧送されて被験者に注入される。
【0091】
[第2の形態の効果]
本発明の薬液注入システムでも、1個の薬液シリンジ400が被験者に造影剤と生理食塩水とを順番に安全かつ円滑に注入することができ、薬液注入装置500は、1個の薬液シリンジ400のシリンダピストン420とピストン部材410とを適切に操作することができる。
【0092】
[第2の形態の変形例]
なお、上記形態では薬液シリンジ400のシリンダ部材260にピストン部材410が1個のシリンダピストン420を介して挿入されていることを例示したが、複数のシリンダピストン420を多重に介して挿入されていることも可能である(図示せず)。
【0093】
また、図9に例示するシリンダ部材420のように、シリンダ部材260やシリンダピストン420の内部に内部ピストン251を挿入しておき、中間/ピストンフランジ422,222の操作で3種類以上の薬液を順番に注入することも可能である。
【0094】
さらに、上記形態では薬液シリンジ400のシリンダピストン420の前端に貫通孔421が対象に形成されていることを例示したが、これで複数の薬液の混合が問題となる場合には、貫通孔421に薬液の自由な移動を規制する弁機構(図示せず)を装着することが好適である。
【0095】
また、図10に例示する薬液シリンジ430のように、シリンダピストン420の貫通孔421に、薬液が前方には移動できるが後方には移動できない一方弁431を装着することも可能である。この場合、ピストン部材410を操作することなくシリンダピストン420のみシリンダ部材260に圧入しても、シリンダ部材260の薬液がシリンダピストン420に逆流することがないので、例えば、1個のシリンジ駆動機構521でシリンダピストン420のみ操作してからシリンダ部材260を操作するようなことも可能である。
【0096】
さらに、上記形態では薬液シリンジ400としてプレフィルドタイプを想定し、事前に充填されている複数の薬液を被験者に順番に注入することのみ説明したが、上述のような薬液シリンジ400をリフィルタイプとして薬液を繰り返し充填することも可能である。
【0097】
その場合、ピストン部材410とシリンダピストン420とがシリンダ部材260の前端まで完全に挿入されている状態で、例えば、シリンダ部材260の導管部213に延長チューブで生理食塩水の薬液タンクを連結する(図示せず)。つぎに、シリンダ部材260とシリンダピストン420とを一体に保持したままピストン部材410のみを後退させると、シリンダピストン420の第2液室216に生理食塩水が充填される。
【0098】
つぎに、生理食塩水の薬液タンクを造影剤の薬液タンクに交換し、シリンダピストン420とピストン部材410とを一体に保持したまま、シリンダ部材260からシリンダピストン420を後退させると、シリンダ部材260の第1液室215に造影剤が充填される。
【0099】
また、上記形態では薬液シリンジ400のシリンダフランジ211と中間フランジ422とピストンフランジ222とが同一形状であることを想定したが、これらを相違する形状に形成しておくことも可能である。さらに、薬液注入装置500のシリンダ保持機構120がシリンダフランジ211しか保持できず、中間駆動機構510が中間フランジ422しか保持できず、ピストン駆動機構502がピストンフランジ222しか保持できない構造とすれば、薬液シリンジ400が薬液注入装置500に不適に装着されることを確実に防止できる。
【0100】
また、例えば、薬液シリンジ400を作業者が手動で操作する場合も、シリンダフランジ211と中間フランジ422とピストンフランジ222とを相違する形状に形成しておくことにより、その操作を容易とすることが可能である。例えば、シリンダフランジ211を縦横に突出した形状に形成しておき、中間フランジ422を横長の形状に形成しておき、ピストンフランジ222を縦長の形状に形成しておけば(図示せず)、前述のように薬液シリンジ400に複数の薬液を順番に充填することを手動操作で容易に実行することが可能である。
【0101】
[第3の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第3の形態を図11を参照して以下に簡単に説明する。本形態の薬液シリンジ600は、1個のシリンダ部材210と1個のピストン部材410と1個のシリンダピストン601からなるが、このシリンダピストン601の前端部分が内部ピストン230と同一の構造に形成されている。
【0102】
[第3の形態の効果]
本発明の薬液シリンジ600でも、複数の薬液を順番に安全かつ円滑に注入することができ、特に、シリンダピストン601がシリンダ部材210の内部前端に到達するまでは複数の薬液の混合を確実に防止することができ、シリンダピストン601がシリンダ部材210の内部前端に到達したときには確実に第2液室216の薬液を圧送することができる。
【0103】
[第3の形態の変形例]
なお、上記形態でも薬液シリンジ600としてプレフィルドタイプを想定し、事前に充填されている複数の薬液を被験者に順番に注入することのみ説明したが、上述のような薬液シリンジ600をリフィルタイプとして薬液を繰り返し充填することも可能である。
【0104】
その場合、ピストン部材410とシリンダピストン602とがシリンダ部材260の前端まで完全に挿入されている状態で、例えば、シリンダ部材210の導管部213に延長チューブで生理食塩水の薬液タンクを連結する(図示せず)。つぎに、シリンダ部材210とシリンダピストン602とを一体に保持したままピストン部材410のみを後退させると、シリンダピストン602の第2液室216に生理食塩水が充填される。
【0105】
つぎに、生理食塩水の薬液タンクを造影剤の薬液タンクに交換し、シリンダピストン602とピストン部材410とを一体に保持したまま、シリンダ部材210からシリンダピストン602を後退させると、シリンダ部材210の第1液室215に造影剤が充填される。
【0106】
【発明の効果】
本発明の薬液シリンジによれば、薬液どうしの混合を防止しつつ、円滑かつ安全に複数の薬液を順番に被験者に注入することができる薬液シリンジを提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態の薬液注入システムの薬液シリンジの内部構造を示す縦断側面図である。
【図2】薬液注入装置の注入ヘッドに薬液シリンジが着脱される状態を示す斜視図である。
【図3】薬液注入装置の外観を示す斜視図である。
【図4】透視撮像装置であるCTスキャナの外観を示す斜視図である。
【図5】第1の変形例の薬液シリンジの内部構造を示す縦断側面図である。
【図6】第2の変形例の薬液シリンジの内部構造を示す縦断側面図である。
【図7】実施の第2の形態の薬液注入システムの薬液シリンジの内部構造を示す縦断側面図である。
【図8】薬液注入装置の注入ヘッドに薬液シリンジが着脱される状態を示す斜視図である。
【図9】第3の変形例の薬液シリンジの内部構造を示す縦断側面図である。
【図10】第4の変形例の薬液シリンジの内部構造を示す縦断側面図である。
【図11】実施の第2の形態の薬液注入システムの薬液シリンジの内部構造を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
100,500 薬液注入装置
120 シリンダ保持機構
121,501,521 シリンジ駆動機構
200,240,250,400,430,440,600 薬液シリンジ
210,260 シリンダ部材
211 フランジ部であるシリンダフランジ
212,421 貫通孔
214,243,253 凸部
220 後部ピストン
222 フランジ部であるピストンフランジ
230,241,251 内部ピストン
231,242 本体部材
232 連通流路
233,252 開閉部材
234 閉止機構であり付勢部材であるコイルスプリング
300 透視撮像装置であるMRI装置
410 ピストン部材
420,601 シリンダピストン
422 フランジ部である中間フランジ
1000 薬液注入システム

Claims (3)

  1. 前端部分が閉塞されるとともに後端部分が開口した円筒状に形成され、前記前端部分に貫通孔を有するシリンダ部材と、そのシリンダ部材にスライド自在に挿入された中空円筒状のシリンダピストンと、そのシリンダピストンにスライド自在に挿入されているピストン部材とを有する薬液シリンジを保持して薬液注入を行う薬液注入装置であって、
    前記シリンダピストンの後端の中間フランジを保持して前記シリンダピストンをスライド移動させる中間駆動機構と、
    前記ピストン部材の後端のピストンフランジを保持して前記ピストン部材を前後方向にスライド移動させるピストン駆動機構と、
    を有するシリンジ駆動機構を備え、
    前記中間駆動機構と前記ピストン駆動機構とは相互に独立した駆動系を有し、
    さらに、前記中間駆動機構は、上方から挿入される前記中間フランジを着脱自在に保持する開閉自在なクランプ機構を有し、このクランプ機構が前後方向にスライド自在に構成されていることを特徴とする、薬液注入装置
  2. 前記シリンジ駆動機構は、
    最初に、前記中間駆動機構および前記ピストン駆動機構を同時に駆動して前記シリンダピストンを前記シリンダ部材内に押し込み、
    次いで、前記ピストン駆動機構のみを駆動して前記ピストン部材を前記シリンダピストン内に押し込む、請求項1に記載の薬液注入装置
  3. 前記シリンジ駆動機構が駆動源として非磁性体で形成されている超音波モータを有している、請求項1または2に記載の薬液注入装置
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