JP4888227B2 - データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置 - Google Patents

データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4888227B2
JP4888227B2 JP2007138881A JP2007138881A JP4888227B2 JP 4888227 B2 JP4888227 B2 JP 4888227B2 JP 2007138881 A JP2007138881 A JP 2007138881A JP 2007138881 A JP2007138881 A JP 2007138881A JP 4888227 B2 JP4888227 B2 JP 4888227B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
values
data group
data set
design
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007138881A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008293315A (ja
Inventor
正隆 小石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2007138881A priority Critical patent/JP4888227B2/ja
Publication of JP2008293315A publication Critical patent/JP2008293315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4888227B2 publication Critical patent/JP4888227B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、データ解析プログラムおよび装置であって、複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれと前記第1のデータ群とを用いて求められる値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを解析し、データセットを構成する各データ組のうち、第1のデータ群または第2のデータ群のいずれか一方のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、他方のデータ群を構成する各値の数値条件を探索するためのプログラムおよび装置に関する。本発明は、また、構造体の設計プログラムおよび装置であって、所望の特性を有する構造体が満たす、構造体の設計パラメータの値それぞれの数値条件を探索するためのプログラムおよび装置に関する。
従来、構造体の構造や形状等の設計は、構造体を試作して実験を行うことによって性能評価を行い、また、構造体の構造解析モデルを作成し、有限要素法等をはじめとする種々の構造解析手法を用いて数値実験を行って性能評価を行い、その性能評価結果に基づいて、構造体や構造解析モデルの再試作・再作成を行う、いわゆる試行錯誤による設計探索が行なわれていた。そのため、設計者の所望する最適な構造体を設計するには、多大の労力や多大の時間、さらには多大の試作コストを費やす必要があった。
また、試行錯誤によって最適な設計パラメータを1つ求めたとしても、実際の構造体を設計するのに十分な情報が得られたとはいえなかった。例えば、タイヤ製造業者が所望の特性を有するタイヤを設計する際、乗り心地と操縦安定性といった所望の特性は、いわゆるトレードオフの関係をもっている。タイヤなどの構造体の設計では、ある設計パラメータの値が制約されている条件下、トレードオフのバランスを取りながら他の設計パラメータの値を設定する必要が生じることが多い。このため、実際の構造体の設計作業においては、あらゆる状況を想定した上で、所望の特性のトレードオフの関係と、設計空間の構造との関係を、多角的に把握しておくことが重要である。
今日、実際の構造体の設計作業において、所望の特性のトレードオフの関係と設計空間の構造との関係を、多角的に把握しておくための手法がいくつか提案されている。この手法は、いわゆる多目的最適化とよばれる分野で種々検討されている。例えば本願出願人による出願の公開公報である下記特許文献1には、この多目的最適化手法を応用して、タイヤをはじめとする構造体の設計においてトレードオフ関係にある複数の性能であっても、設計者が設計自由度をもって最適設計することのできる構造体の設計方法が記載されている。
特開2006−285381号公報
下記特許文献1記載の設計方法では、構造体の複数の性能それぞれに対応する複数の目的関数についてのパレート最適解を求めて、パレート最適解に基いた自己組織化マップを生成するとともに、構造体の設計変数の情報を付与した自己組織化マップを生成している。下記特許文献1記載の方法を用いると、設計者は、作成した各自己組織化マップにおけるパレート最適解の全体像を見ながら、トレードオフの関係にある性能バランスを考慮しつつ、自己組織化マップ上の位置を定めることにより最適設計案を決定することができる。
特許文献1記載の方法では、例えば2次元で表現された自己組織化マップの情報から、設計者は、目的関数間の大域的なトレードオフ関係や、目的関数と設計パラメータとの大域的な関連性を、視覚的に判断することができる。しかし、特許文献1記載の方法で得られる自己組織化マップの情報だけでは、所望の性能バランス(目的関数の値のバランス)を達成するために必要な、各設計パラメータそれぞれが有すべき数値範囲の条件を、具体的(定量的)に把握することは困難であった。すなわち、特許文献1記載の方法で得られる自己組織化マップの情報だけから、所望の性能バランス(目的関数の値のバランス)と設計パラメータとの関連性を具体的(定量的)に把握するには、経験や慣れが必要であり、また、経験や慣れを積んだとしても、所望の性能バランス(目的関数の値のバランス)と設計パラメータとの定量的な関連性を把握することは困難であった。
そこで、本発明は、所望の性能バランスを有する構造体が満たす、構造体の設計パラメータそれぞれの数値条件を定量的に探索するためのプログラムおよび装置を提供することを目的とする。本発明は、また、複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれと前記第1のデータ群とを用いて求められる値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを解析し、データセットを構成する各データ組のうち、第1のデータ群または第2のデータ群のいずれか一方のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、他方のデータ群を構成する各値の数値条件を探索するためのプログラムおよび装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、コンピュータに、複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれと前記第1のデータ群とを用いて求められる値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを解析させ、前記データセットを構成する各データ組のうち、前記第1のデータ群または前記第2のデータ群のいずれか一方のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、他方のデータ群を構成する各値が満たしている数値条件を探索させるためのプログラムであって、コンピュータに実行させるステップとして、前記データセットを、前記一方のデータ群に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類し、各データ組それぞれに対し、分類されたクラスタに応じた識別データを付与するステップと、前記データセットを、前記他方のデータ群を構成する前記値の組み合わせに応じ一段階以上分類して前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を探索するステップと、を有し、前記数値条件を探索するステップでは、分類の各段階において、分類後データセットにおける前記識別データの不均一さを、分類前データセットにおける前記識別データの不均一さよりも小さくするために必要な、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を求めることを特徴とするデータ解析プログラムを提供する。
なお、前記数値条件を探索するステップでは、分類の各段階について求めた、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を統合して、前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、各部分データセットそれぞれに対応する、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を求め、コンピュータに実行させるステップとして、さらに、各部分データセットに対応する前記クラスタの識別データと、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの前記数値条件と、を対応づけてディスプレイに表示させるステップを有することが好ましい。
また、前記数値条件を探索するステップは、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの前記数値条件を、決定木の手法を用いて探索させることが好ましい。また、前記一方のデータ群は、前記関数の値の集合である第2のデータ群であり、前記他方のデータ群は、前記第1のデータ群であることが好ましい。また、前記第2のデータ群は、複数の前記関数間のトレードオフを示す前記関数の値の集合である、パレート最適解であることが好ましい。また、前記付与するステップでは、自己組織化マップ手法を用いてクラスタリングして、複数のクラスタに分類することが好ましい。
本発明は、また、複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれと前記第1のデータ群とを用いて求められる値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを解析し、前記データセットを構成する各データ組のうち、前記第1のデータ群または前記第2のデータ群のいずれか一方のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、他方のデータ群を構成する各値が満たしている数値条件を探索するための装置であって、前記データセットを、前記一方のデータ群に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類し、各データ組それぞれに対し、分類されたクラスタに応じた識別データを付与する手段と、前記データセットを、前記他方のデータ群を構成する前記値の組み合わせに応じ一段階以上分類して前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を探索する手段と、を有し、前記数値条件を探索する手段では、分類の各段階において、分類後データセットにおける前記識別データの不均一さを、分類前データセットにおける前記識別データの不均一さよりも小さくするために必要な、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を求めることを特徴とするデータ解析装置も、併せて提供する。
本発明は、また、所望の特性を有する構造体が満たす、前記構造体の設計パラメータの値それぞれの数値条件を探索するためのプログラムであって、コンピュータに実行させるステップとして、構造体における変更すべき設計パラメータを複数設定するとともに、前記設計パラメータの値の許容範囲を少なくとも設定するステップと、この設計パラメータを変数として前記構造体を再現する構造体モデルを生成するモデル生成ステップと、前記設計パラメータの値を与えて生成された前記構造体モデルを用いてシミュレーションを実施し、前記特性を表す複数の目的関数それぞれの値を導出するステップと、前記設計パラメータの値を前記許容範囲内で繰り返し変更して設定し前記モデル生成ステップを実施し、変更の度に前記変更によって生成される構造体モデルについて前記導出するステップを繰り返させ、前記設計パラメータの値の集合である第1のデータ群と、前記目的関数の値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを生成するステップと、前記データセットを、前記第2のデータ群を構成する前記目的関数の値に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類し、各データ組それぞれに対し、分類されたクラスタに応じた識別データを付与するステップと、前記データセットを、前記第1のデータ群を構成する前記設計パラメータの値の組み合わせに応じ一段階以上分類して前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を探索するステップと、を有し、前記数値条件を探索するステップでは、分類の各段階において、分類後データセットにおける前記識別データの不均一さを、分類前データセットにおける前記識別データの不均一さよりも小さくするために必要な、前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を求めることを特徴とする構造体の設計プログラムも、併せて提供する。
なお、前記数値条件を探索するステップは、分類の各段階について求めた、前記第1のデータ群を構成する前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を統合して、前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、各部分データセットそれぞれに対応する、前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を求め、さらに、各部分データセットに対応する前記クラスタの識別データと、前記第1のデータ群を構成する前記設計パラメータの値それぞれの前記数値条件と、を対応づけてディスプレイに表示させるステップを、コンピュータに実行させることが好ましい。
また、前記データセットを生成するステップでは、前記設計パラメータの値を前記許容範囲内で繰り返し変更して設定し前記モデル生成ステップを実施し、変更の度にこの変更によって生成される構造体モデルについて前記導出するステップを繰り返させた後、前記データセットを構成する前記第2のデータ群として、複数の前記目的関数間のトレードオフを示す前記関数の解の集合であるパレート最適解を複数抽出するとともに、前記第1のデータ群として前記パレート最適解を与える前記設計パラメータの値を複数抽出することが好ましい。
また、前記付与するステップでは、自己組織化マップ手法を用いてクラスタリングして、複数のクラスタに分類することが好ましい。また、前記構造体はタイヤであってもよい。
本発明は、また、所望の特性を有する構造体の設計案を探索する装置であって、構造体における変更すべき設計パラメータを複数設定するとともに、前記設計パラメータの値の許容範囲を少なくとも設定する手段と、この設計パラメータを変数として前記構造体を再現する構造体モデルを生成する手段と、前記設計パラメータの値を与えて生成された前記構造体モデルを用いてシミュレーションを実施し、前記特性を表す複数の目的関数それぞれの値を導出する手段と、前記設計パラメータの値を前記許容範囲内で繰り返し変更して設定して前記モデル生成ステップを実施し、変更の度にこの変更によって生成される構造体モデルについて前記導出するステップを繰り返させ、前記設計パラメータの値の集合である第1のデータ群と、前記目的関数の値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを生成する手段と、前記データセットを、前記第2のデータ群を構成する前記目的関数の値に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類し、各データ組それぞれに対し、分類されたクラスタに応じた識別データを付与する手段と、前記データセットを、前記第1のデータ群を構成する前記設計パラメータの値の組み合わせに応じ一段階以上分類して前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、前記前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を探索する手段と、を有し、前記数値条件を探索する手段では、分類の各段階において、分類後データセットにおける前記識別データの不均一さを、分類前データセットにおける前記識別データの不均一さよりも小さくするために必要な、前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を求めることを特徴とする構造体の設計装置を、併せて提供する。
本発明によれば、所望の性能バランスを有する構造体が満たす、構造体の設計パラメータそれぞれの数値条件を定量的に求めることができる。本発明は、また、複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれと前記第1のデータ群とを用いて求められる値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを解析し、データセットを構成する各データ組のうち、第1のデータ群または第2のデータ群のいずれか一方のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、他方のデータ群を構成する各値の数値条件を求めることができる。
以下、データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の構造体の設計装置の一例である、タイヤ設計装置10(以降、装置10とする)の概略構成図である。装置10は、所定のタイヤを基準にして、所望の特性を有するタイヤの設計案を探索するための装置である。よリ具体的には、所望の性能バランスを有するタイヤが満たすべき、タイヤの設計パラメータそれぞれの数値条件を探索するための装置である。この装置10は、入力部12、コンピュータ14及び出力部16を有する。入力部12は、マウスやキーボードであり、各種情報をオペレータの指示により入力するデバイスである。出力部16は、ディスプレイやプリンタなど、各種情報を出力媒体に表示出力するデバイスである。
コンピュータ14は、メモリ13及びCPU15を有し、この他に図示されないROM等を有する。コンピュータ14は、ROM等に記憶されたプログラム(コンピュータソフトウェア)を、CPU15が実行することにより、パレート解探索手段20、および設計条件探索手段30の各部を機能的に形成する。パレート解探索手段20は、条件設定変更部22と、モデル生成部24と、シミュレーション演算部25と、目的値算出部26と、パレート最適解探索制御部28とを有して構成されている。また、設計条件探索手段30は、クラスタリング処理部32と、識別データ付与部34と、設計パラメータ数値条件探索部36(数値条件探索部36)とを有して構成されている。装置10は、上述のように、プログラムが実行されることで各部位が機能するコンピュータによって構成されてもよいし、各部位が専用回路で構成された専用装置であってもよい。
パレート解探索手段20は、いわゆる多目的最適化設計手法を用いて、タイヤについての多目的最適化問題の解として、複数のタイヤ性能をそれぞれ表す複数の目的関数についてのパレート最適解を求める。図2は、装置10のパレート解探索手段20で生成される、後述のデータセットについて説明する概略のデータ構成図である。
パレート解探索手段20の条件設定変更部22は、キーボードやマウス等からなる入力部12を用いて入力された条件に基いて、タイヤの基準案、最適化のために変更すべき設計パラメータ、変更すべき設計パラメータの値の許容範囲、生成するモデルの境界条件、シミュレーション条件、シミュレーションにおける制約条件、タイヤの特性を表す複数の目的関数、パレート最適解探索のための条件等を設定する。
目的関数は、タイヤ性能として評価しようとする物理量を求めるための関数であり、例えば、操縦安定性の指標となるスリップ角1度における横力であるCP(コーナリングパワー)、乗心地性の指標となるタイヤの1次固有振動数、転動抵抗の指標となる転がり抵抗、又耐摩耗性の指標となるタイヤトレッド部材の摩耗エネルギ等を求めるための関数が挙げられる。設計パラメータは、タイヤの形状、内部構造等を規定するパラメータであり、例えば、タイヤのトレッド部におけるクラウン形状を規定する曲率半径、又タイヤ内部構造を規定するタイヤのベルト幅寸法等が挙げられる。本発明では、設計パラメータの種類を複数設定する。制約条件は、目的関数の値を所定の範囲に制約したり、設計パラメータの値を所定の範囲に制約するための条件である。この他、タイヤの負荷荷重やタイヤの転動速度をはじめとする走行条件、タイヤが走行する路面条件(凹凸形状、摩擦係数)、車両の走行シミュレーションに用いるための車両諸元の情報等が設定される。パレート最適解探索のための条件は、パレート最適解を探索するための手法や、パレート最適解探索における各種条件である。本実施形態では、例えば、パレート最適解を探索するための手法として、多目的GA(遺伝的アルゴリズム)手法を選択する。
モデル生成部24は、後述するパレート最適解探索制御部28によって設定された、上記設計パラメータの値の組み合わせ(第1のデータ群)(図2参照)に基いてタイヤモデルを生成する。すなわち、タイヤモデルは、条件設定部22で設定された各種類の設計パラメータを変数とし、後述するパレート最適解探索制御部28で設定された各値を、上記変数に代入することで、代入した値に応じた解析可能なタイヤモデルを生成する。モデル生成部22は、この他、少なくとも、このタイヤモデルを転動させる対象である路面モデルも、併せて生成する。また、タイヤモデルとともに、このタイヤが装着されるリムやホイールやタイヤ回転軸を再現するモデルも生成すればよい。また、必要に応じて、タイヤが装着される車両を再現するモデルも作成すればよい。この際、タイヤモデル、リムモデル、ホイールモデル、およびタイヤ回転軸モデルを、予め設定された境界条件に基いて一体化して、シミュレーション演算部24におけるシミュレーション演算に用いてもよい。これら各モデルは数値計算可能な離散化モデルであればよく、例えば、公知の有限要素法(FEM)に用いるための有限要素モデル等であればよい。なお、タイヤモデルを用いて、例えばタイヤウエット性能をはじめとするタイヤ性能を最適化するタイヤ設計案を求める場合など、路面モデルとタイヤモデルの他に、路面上に存在する介在物を再現するモデルを生成しておけばよい。例えば、介在物モデルとして、路面上の水、雪、泥、砂、砂利、氷等を再現する各種モデルを、数値計算可能な離散化モデルで生成しておけばよい。なお、路面モデルも、表面が平坦な路面を再現するモデルに限らず、必要に応じて、表面に凹凸を有する路面形状を再現するモデルであってもよい。
シミュレーション演算部25は、例えば路面上を転動するタイヤの転動を再現するシミュレーション条件を、モデル生成部24で生成したタイヤモデルや路面モデルなどに与えたときの、タイヤモデルの挙動やタイヤモデルに作用する力などの物理量を時系列に求める。シミュレーション演算部25は、例えば、公知の有限要素ソルバーによるサブルーチンを実行することで機能する。
目的値算出部26は、シミュレーション演算部25におけるシミュレーション結果に応じて、条件設定・変更部22で設定された各種目的関数の値(目的値)を導出する。目的値算出部26で求めた各目的値の組(第2のデータ群)は、対応する設計パラメータの値の組(第1のデータ群)と対応付けられて、メモリ13に一旦記憶される(図2参照)。
パレート最適解探索制御部28は、条件設定部22で設定されたパレート最適解探索の条件に応じて、パレート最適解を探索する。この際、パレート最適解探索制御部28は、設計パラメータの値の組み合わせを種々変化させる(第1のデータ群を種々変化させる)とともに、モデル生成部24、シミュレーション演算部25、および目的値算出部26を制御して、複数の目的値の組み合わせ(第2のデータ群)を求めることにより、パレート最適解を探索する。本実施形態では、パレート最適解探索制御部28は、多目的GA(遺伝的アルゴリズム)手法によってパレート最適解を探索する。
パレート最適解は、トレードオフの関係にある複数の目的関数において、他の任意の解よりも優位にあるとはいえないが、より優れた解が他に存在しない解をいう。一般にパレート最適解は集合として複数個存在する。パレート最適解探索制御部28は、一度の探索で複数のパレート最適解の集合を求める多目的GAの手法を用いる。通常のGAは、初期解のサンプル集合に対して、評価、選択、交叉、変異の処理を行い、次の世代の解集合として生成し、この処理を逐次続けて、数10〜数100世代後の解集合を求めて最適解を求める手法である。
多目的GAは、複数の目的関数に対して複数の最適解が存在するため、GAの方法を用いて、この最適解の境界をパレート最適解として求める方法である。多目的GAは、現在種々の方法が提案されているが、本発明では特に制限されない。例えば、解集合を目的関数に沿って複数の領域に分割し、この分割した解集合毎に多目的GAを行うDRMOGA(Divided Range Multi-Objective GA)、NCGA(Neighborhood Cultivation GA),DCMOGA(Distributed Cooperation model of MOGA and SOGA)、NSGA(Non-dominated Sorting GA)、NSGA2(Non-dominated Sorting GA-II)、SPEAII(Strength Pareto Evolutionary Algorithm-II)法等の公知の方法を用いることができる。その際、解集合が解空間に幅広く分布し、精度の高いパレート最適解の集合を求める必要がある。このため、パレート最適解探索制御部28では、例えば、ベクトル評価遺伝的アルゴリズム(Vector Evaluated Generic Algorithms:VEGA)や、パレートランキング法やトーナメント法を用いた選択が行われる。
パレート最適解探索制御部28は、このような多目的GAによる最適設計処理ルーチンを制御して、設定された各設計パラメータの値の組み合わせ(第1のデータ群)を種々変化させたサンプル集合を設定し、これにシミュレーション演算を施して目的関数の値を求めることにより、パレート最適解の初期解のサンプル集合を設定し、この集合を用いて多目的GAを行う。多目的GAにおける解集合に対する評価、選択,交又の各操作は、後述するシミュレーション演算結果である目的関数の値によって行われ、さらに変異の操作が行われて次世代の解集合が生成される。パレート最適解探索制御部28で探索されたパレート最適解を構成する各種データは、データセットしてメモリ13に一旦記憶される。データセットは、パレート最適解を構成する目的値の組み合わせ(第2のデータ群)と、各第2のデータ群に対応する設計パラメータの値の組み合わせ(第1のデータ群)との組(データ組)が、複数集合して構成されている(図2参照)。
なお、パレート解探索手段20では、シミュレーション演算部25が、タイヤの転動シミュレーション以外にも、タイヤの摩耗性能、耐久性能、転がり抵抗、NV、乗り心地、バネ特性、ハイプレ性能、トラクション性能など、タイヤのその他の性能を求めるための各種シミュレーション演算も実施し、第2の物理量の値を求めてもよい。例えば、タイヤの断面形状や、タイヤの構成部材の形状およびタイヤ構成部材の物性値に応じて変化する、タイヤ耐久性を表す物理量である、タイヤ構成部材の余裕率(タイヤモデルにおけるタイヤ構成部材の各要素中の最大主歪、最大主応力、あるいは最大歪エネルギー密度の少なくとも1つの力学特性値と、タイヤ構成部材の材料自体が有する破断時の力学特性値との比率)を求めるシミュレーション演算が、本願出願人による出願の公開公報である特開2005−1649号公報に記載されている。
また、タイヤに関する物理量(過渡応答特性や、上記他の物理量)のみではなく、タイヤを構成するゴム部材の物性値(ヤング率、せん断剛性、ポアソン比、あるいは超弾性ポテンシャルのパラメータ、外力を与えた場合の応力や歪など)を目的値として求めてもよい。また、設計パラメータとして、タイヤの形状などのタイヤ全体に関する値の他に、トレッド部材における材料特性を規定するフィラー分散形状やフィラー体積率、など、タイヤを構成する微視的なゴム部材の材料を特徴づける設計パラメータを設定してもよい。このような場合、モデル生成部24が、上記タイヤを再現するタイヤモデルの他に、タイヤのミクロ構造を再現したミクロスケールモデルや、ミクロスケールモデルが表す代表領域よりも大きい領域を再現したメゾスケールモデル、さらには、タイヤモデルが装着された車両モデルなど、異なるスケールのモデルをそれぞれ生成する。ミクロスケールモデルとは、例えば、フィラーが分散配置されたゴム部材や、ゴム部材中にスチール線材が埋設された部材などを再現したモデルなどである。また、メゾスケールモデルとは、例えば、トレッドゴム部材が微小凹凸路面と接触したとき微小凹凸に応じて変化する状態を再現するようなタイヤのトレッド部材モデルの一部分を再現したモデルなどである。そして、シミュレーション演算部25が、各シミュレーションモデルを用いて、所定の条件下で、いわゆるマルチスケールシミュレーションとよばれるシミュレーション演算を行えばよい。マルチスケールシミュレーションでは、各スケールのシミュレーションの間で入出力のやり取りを行ない、タイヤを構成するゴム部材の物性値や、車両の挙動など、異なるスケールのモデルが表す物理量をそれぞれ取得すればよい。例えば、ミクロモデルシミュレーションの結果を、メゾスケールシミュレーションに反映させ、メゾスケールシミュレーションの結果をタイヤモデルを用いたシミュレーションに反映させ、タイヤモデルを用いたシミュレーションの結果を車両モデルを用いたシミュレーションに反映させ、最終的に車両モデルを用いたシミュレーションの結果を得ることができる。このようなマルチスケールシミュレーションを用いることで、異なるスケールでの構造や物性値を設計パラメータとしても、異なるスケールそれぞれの物理量を求めることができる。また、異なるスケールそれぞれの物理量を目的関数としてもよい。なお、上記本願出願人による出願の公開公報である、特開2006−285381には、自己組織化マップの具体例に加え、マルチスケールシミュレーションの具体的実施例も記載されている。
また、走行条件やタイヤ製造条件のばらつきに対する、各種物理量の値の頑健さ(ロバスト性)を表す値を、目的値として設定してもよい。この際、パレート最適化探索制御部28が、設計パラメータに加えて、予め設定された所定の変動因子(荷重の条件や、タイヤの形状および材料物性値の条件、路面とタイヤの摩擦係数の条件など)も種々変更し、シミュレーション演算部25が、各変動因子の値毎に、シミュレーション演算を実施すればよい。
設計条件探索手段30は、上記データセットを解析し、所望の性能バランスを有するタイヤが満たすべき、タイヤの設計パラメータそれぞれの数値条件を探索する部位である。設計条件探索手段30のクラスタリング処理部32は、メモリ13に一旦記憶されたデータセットを読み出し、第2のデータ群に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類する。本発明において、クラスタリングとは、データの集合を部分集合(クラスタ)に切り分けて、それぞれのクラスタに含まれるデータが、ある共通の特徴をもつようにすることをいう。すなわち、本発明におけるクラスタリングは、教師なしデータ分類手法、すなわち与えられたデータを外的基準なしに自動的に分類する手法を用いて実施されるデータ分類全般を指す。本実施形態では、読み出したデータセットを、自己組織化マップ手法を用いてクラスタリングし、複数のクラスタに分類する。
自己組織化マップ(Self-Organizing Map)は、多次元の入力データを予備的な知識なし(教師なし)に、クラスタリングして、複数の領域に区切られて表されたマップである。この多次元のデータとしてパレート最適解における目的値を用いる。自己組織化マップには、二次元平面上に規則的に配置されたノード(後述に示す例では六角形のセル)が存在し、このノードのそれぞれは目的関数の設定数と同じ数の次元のベクトルであって、ベクトル成分が乱数で初期化された参照ベクトルを持つ。一方、パレート最適解は目的値毎の値を持ち、この値をベクトル成分とするベクトルで表したとき、このベクトルに最も距離の近い参照ベクトルに対応するノードがベストマッチノード(勝者)として選択される。そして、このベストマッチノードと、このベストマッチノードから所定範囲に存在するノードのベクトルがパレート最適解のベクトルとの間の距離に応じてパレート最適解のベクトルに近づくように、パレート最適解のベクトル毎に更新される。このような参照ベクトルを持つノードによって構成されるマップが自己組織化マップである。なお、自己組織化マップについては、“Visualization and Data Mining of Pareto Solutions Using Self-Organizing Map”(Shigeru Obayashi and Daisuke Sasaki, 2nd International Conference on Evolutionary Multi-Criterion Optimization, 8-11thApril 2003, Portugal)に詳細が述べられている。
設計条件探索手段30のクラスタリング処理部32は、自己組織化マップ手法を用い、第2のデータ群に基づいてデータセットを複数のクラスタに分類する。例えば、第2のデータ群が(f、f、f、f)の4種類の目的値の組み合わせからなる場合、f1を指標とする性能が最も優れている領域、f2を指標とする性能が優れている領域、f3を指標とする性能が優れている領域、fとfとfの合計が比較的優れている領域、fおよびfの合計が比較的優れている領域、fおよびfの合計が比較的優れている領域領域、fおよびfの合計が比較的優れている領域・・・など、第2のデータ群に基づいて、例えば10個のクラスタに分類する。すなわち、第1のデータ群と第2のデータ群の組み合わせの集合であるデータセットを、タイヤの性能バランスの違いに応じて、複数の部分集合に分類する。
設計条件探索手段30の識別データ付与部34は、クラスタリング処理部32によって分類した各クラスタそれぞれに応じて、データセットを構成する各データ組に識別データを付与する。すなわち、例えば10個に分類した各クラスタそれぞれに応じて、各データ組それぞれに、例えばNo.1〜No.10といった識別符号(この場合は数字データ)を付与する。なお、本明細書では、第1のデータ群と第2のデータ群との組み合わせに加え、この第1のデータ群と第2のデータ群との組み合わせに識別符号が付与されたデータ集合についても、データセットと称している(図2参照)。なお、本発明において識別符号は、数字や文字で表された、カテゴリーの違いを表すデータであってもよいし、数値データでもよい。
設計条件探索手段30の設計パラメータ数値条件探索部36(数値条件探索部36)は、識別データが付与された状態のデータセットを、第1のデータ群を構成する設計パラメータの値に応じて分類する処理を繰り返す。より具体的には、設計パラメータ数値条件探索部36は、識別データが付与されたデータセットを、タイヤの設計パラメータの数値条件の違いに応じて、タイヤの性能バランスの違いに応じて分類された各部分集合に対応するまで、この識別データに関して繰り返し分類する。これにより、設計パラメータ数値条件探索部36は、第1のデータ群を構成する設計パラメータの値に応じて、識別データが付与されたデータセットを上記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、設計パラメータそれぞれの数値条件を探索する。
この際、数値条件探索部36は、分類の各段階において、分類後データセットにおける識別データに関する不均一さを、分類前データセットにおける識別データに関する不均一さよりも小さくするために必要な、設計パラメータの値それぞれの数値条件を求める。分類の際、本実施形態の数値条件探索部36は、いわゆる決定木による分類手法を用いて、データセットを、タイヤの設計パラメータの数値条件の違いに応じて分類していく。決定木による分類手法を用いれば、タイヤの性能バランスに応じて付与された識別符号データに対応する部分集合において各性能パラメータが有すべき数値条件を、比較的簡単に求めることができる。なお、決定木とは、対象データ全体を最もよく分類できる変数を探索するアルゴリズムによって、データを分類し判別・予測のルールを作成する手法のことである。より具体的には、決定木は、分類後における目的値の不均一の程度(不均一評価値)を最小とする分類ルールを逐次探索することで、対象データ全体を最もよく分類できるルールを探索する公知の手法である。
決定木では、取り扱える結論(目的値)が1つに限られており、多目的最適化の分野では、決定木の手法は従来は用いられていなかった。本願発明では、設計パラメータの値の組み合わせ(第1のデータ群)と目的値の組み合わせ(第2のデータ群)とからなる各データ組それぞれに識別データを付与し、この識別データを決定木における結論に位置づけて、第1のデータ群に応じた分類のルールを作成する。識別データは、そもそも、第2のデータ群を分類した(自己組織化マップの手法を用いてクラスタリングした)結果に応じて付与されているものであり、このような決定木の手法を用いることで、第1のデータ群に応じた分類のルールと、第2のデータ群の分類結果とが対応付けられる。数値条件探索制御部46の制御下で実施する、決定木の手法を用いたデータ分類の詳細については、後に詳述する。
図3は、数値条件探索部36のより詳細な構成図である。数値条件探索部36は、データセット分類部42と、エントロピー導出部44と、数値条件探索制御部46とを有している。データセット分類部42は、後述する数値条件探索制御部46で割り付けられた分類条件に応じて、識別データが付与された状態のデータセットを分類する部位である。分類条件は、複数種類のうち1つの設計パラメータについて設定された1つの閾値に対して、この1つの設計パラメータの値が閾値より大きいか否かの条件である。
エントロピー導出部44は、後述する数値条件探索制御部46の制御の下、データセット分類部42によって分類される前の状態(分類前データセット)の、識別データに関する情報エントロピーの大きさ、および分類後の状態(分類後データセット)における情報エントロピーの大きさ、をそれぞれ求める部位である。識別データに関する情報エントロピーの大きさは、データセットにおける識別データに関する不均一さの指標(すなわち不均一さの程度)を表す不均一評価値である。なお、本発明における不均一評価値は、情報エントロピーであることに限定されず、例えば識別データが数値データである場合など、不均一評価値として分散(二次モーメント)を用いてもよく、特に限定されない。
数値条件探索制御部46は、分類条件(設計パラメータの種類と閾値との組み合わせ)を種々変更して設定し、変更して設定するたびに、データセット分類部42にデータセット(または部分データセット)を分類させ、エントロピー導出部44に、分類前および分類後それぞれの、識別データに関する情報エントロピーの大きさを導出させる。数値条件探索制御部46では、種々変更して設定した分類条件それぞれのうち、分類後の情報エントロピーを最小にする分類条件を最適分類条件として抽出し、この最適分類条件で分類前のデータセットを2つに区分する。数値条件探索制御部46は、区分後の部分データセットそれぞれについても、このような分類処理を繰り返すことで、データセットを多段階に区分する。数値条件探索制御部46は、このように多段階の区分を繰り返させ、最終的に、識別データが付与されたデータセットを、タイヤの設計パラメータの数値条件の違いに応じて、タイヤの性能バランスの違いに応じて分類された各クラスタに対応する複数の部分データデットまで区分する。なお、本発明において、区分後の部分データが、タイヤの性能バランスの違いに応じて分類された各クラスタに対応するとは、区分後の部分データと上記クラスタとが完全に一致することを、必ずしも意味するわけではない。
数値条件探索制御部46は、さらに、決定木を用いた分類手法による区分の各段階それぞれで求めた、設計パラメータそれぞれの数値条件を統合して、データセットを上記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、各部分データセットそれぞれに対応する、設計パラメータそれぞれの数値条件を求める。本願発明では、このように、タイヤの性能バランスに対応して分類されたクラスタそれぞれに対応して、タイヤの各設計パラメータそれぞれが満たすべき数値条件を求めることができる。数値条件探索制御部46は、さらに、各部分データセットに対応するクラスタの識別データと、各設計パラメータそれぞれの数値条件と、の対応を表す2次元画像を作成し、ディスプレイなどの出力部16に表示させる。
以下、装置10を用いて行なわれるタイヤの設計方法の一実施形態を、以下詳細に説明する。図4は、装置10を用いて行なわれるタイヤの設計方法の一例について説明するフローチャートである。
まず、パレート解探索手段20の条件設定変更部22が、キーボードやマウス等からなる入力部12を用いて入力された条件に基いて、タイヤの基準案、最適化のために変更すべき設計パラメータ、変更すべき設計パラメータの値の許容範囲、生成するモデルの境界条件、シミュレーション条件、シミュレーションにおける制約条件、タイヤの特性を表す複数の目的関数、パレート最適解探索のための条件等を設定する(ステップS102)。
本実施形態では、タイヤの基準案として、例えば図5に示すM、M、Mの3種類のタイヤ基準断面形状を設定する。本実施形態では、モデル生成部24において、各タイヤ基準形状を、重み付け係数を用いて線型的に組み合わせることで、各種タイヤの設計案を作成する。本実施形態では、この重み付け係数を、設計パラメータとして設定する。本実施形態では、1つのタイヤ形状の設計案を決定するための、X、X、Xの3つの重み付け係数の組を、1組のタイヤ設計パラメータの値の組み合わせ(第1のデータ群)とする。
目的関数としては、例えば、操縦安定性の指標となるスリップ角1度における横力であるCP(コーナリングパワー)の値fを求めるための関数F、乗心地性の指標となるタイヤの1次固有振動数の値fを求めるための関数F、転動抵抗の指標となる転がり抵抗の値fを求めるための関数F、また、耐摩耗性の指標となるタイヤトレッド部材の摩耗エネルギの値fを求めるための関数Fなどを設定する。
また、シミュレーション条件として、例えば、タイヤが路面を転動している最中の、タイヤと路面との相対角の時系列情報を設定しておく。また、シミュレーション条件の1つとして、タイヤが路面を転動している最中の、タイヤと路面との相対速度の条件を設定しておく。その他、シミュレーション条件の1つとして、タイヤの内圧や、路面に対する付加荷重の条件を設定しておく。また、路面モデルの条件やホイールモデル、リムモデルの条件、また、その他シミュレーションにおける各種境界条件についても、適宜設定しておく。また、例えば、パレート最適解を探索するための手法として、多目的GA(遺伝的アルゴリズム)手法を設定しておく。
次に、パレート最適解探索制御部28が、条件設定部22で設定された多目的GA(遺伝的アルゴリズム)手法を用いて、パレート最適解を探索する(ステップS104)。この際、パレート最適解探索制御部28は、上述のように、設計パラメータの値の組み合わせを種々変化させる(第1のデータ群を種々変化させる)とともに、モデル生成部24、シミュレーション演算部25、および目的値算出部26を制御して、複数の第1のデータ群それぞれについて複数の目的値の組み合わせ(第2のデータ群)を求めることにより、パレート最適解を探索する。
この際、モデル生成部22は、最適化制御部18において設定された変更すべき設計パラメータを変数としたタイヤモデルを生成する。図6は、本実施形態において生成するモデルの一例を示す、モデルの概略斜視図である。本実施形態では、モデル生成部22は、公知の有限要素法(FEM)に用いるための有限要素モデルを生成する。モデル生成部22は、タイヤモデル52の他、予め設定された条件に応じて、少なくとも、このタイヤモデルを転動させる対象である路面モデル62も、併せて生成する。また、タイヤモデルとともに、ホイールモデル54やタイヤ回転軸モデル56も生成する。モデル生成部22では、タイヤモデル52とホイールモデル54とタイヤ回転軸モデル56を、予め設定された境界条件に基いて一体化して、タイヤ組立体モデルを作成しておく。パレート最適解探索制御部28は、作成したモデルを用いたシミュレーション演算をシミュレーション演算部25に実施させ、目的値算出部26に各種目的関数の値(目的値)を導出させる。本実施形態では、パレート最適解探索制御部28は、上述のように、多目的GA(遺伝的アルゴリズム)手法によってパレート最適解を探索する。
パレート最適解の探索が終わると、パレート最適解探索制御部28で探索されたパレート最適解を構成する各種データを、データセットとしてメモリ13に一旦記憶する(ステップS106)。データセットは、パレート最適解を構成する目的値の組み合わせ(第2のデータ群)と、各第2のデータ群に対応する設計パラメータの値の組み合わせ(第1のデータ群)との組(データ組)が、複数集合して構成されている。
次に、設計条件探索手段30のクラスタリング処理部32が、メモリ13に一旦記憶されたデータセットを読み出し、上述のように自己組織化マップ(Self-Organizing Map)の手法を用いて、第2のデータ群に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類する(ステップS108)。この際、(f、f、f、f)の4種類の目的値の組み合わせからなる第2のデータ群について、f1を指標とする性能が最も優れている領域、f2を指標とする性能が優れている領域、f3を指標とする性能が優れている領域、fとfとfの合計が比較的優れている領域、fおよびfの合計が比較的優れている領域、fおよびfの合計が比較的優れている領域領、fおよびfの合計が比較的優れている領域・・・など、第2のデータ群に基づいて、例えば10個のクラスタに分類する。すなわち、第1のデータ群と第2のデータ群の組み合わせの集合であるデータセットを、タイヤの性能バランスの違いに応じて、10個の部分集合に分類する。
次に、設計条件探索手段30の識別データ付与部34が、クラスタリング処理部32によって分類した各クラスタそれぞれに応じて、データセットを構成する各データ組に識別データを付与する(ステップS110)。図7は、データセットを、第2のデータ群に基づいてクラスタリングして10個のクラスタに分類した自己組織化マップ(Self-Organizing Map)の一例を示している。識別データ付与部34は、図7に示すように、各クラスタに、NO.1〜NO.10の各数字データを識別符号としてそれぞれ付与するとともに、メモリ13に記憶されたデータセットを構成する各データ組それぞれに、対応するクラスタの識別符号を表す識別データを付与する。
次に、設計条件探索手段30の数値条件探索部36が、識別データが付与された状態のデータセットを、第1のデータ群を構成する設計パラメータの値に応じて分類する処理を繰り返すことで、第1のデータ群を構成する設計パラメータの値に応じて、識別データが付与されたデータセットを上記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、設計パラメータそれぞれの数値条件を探索する(ステップS112)。
図8は、ステップS112における数値条件探索の処理をより詳細に示すフローチャートである。ステップS112における数値条件の探索では、まず、エントロピー導出部44が、メモリ13に記憶された、数値条件の探索対象であるデータセット(識別データが付与された状態のデータセット)について、識別データに関する情報エントロピーの大きさを導出し、メモリ13に記憶しておく(ステップS202)。
次に、数値条件探索制御部46は、設計パラメータX、X、Xのうち1つの設計パラメータを選択し、分類基準設計パラメータに設定する(ステップS204)。数値条件探索制御部46は、選択した1つの設計パラメータについて、閾値の割り付けを行なう(ステップS206)。この際、数値条件探索制御部46は、実験計画法を用いて閾値の割り付けを行なえばよい。実験計画法としては、例えば、直交実験法、D最適性基準に基く方法、ラテンハイパーキューブ法、および区分コンテカルロ法など、公知である各種の実験計画法を用いればよく、特に限定されない。
次に、数値条件探索制御部46は、割り付けた複数の閾値のうちの1つの閾値を分類基準に設定し、対象データセットを分類し(ステップS208)、分類後データセットについて識別データに関する情報エントロピーの大きさ(分類後エントロピー量)を、エントロピー導出部44に導出させ、メモリ13に記憶させる(ステップS210)。数値条件探索制御部46は、割り付けた複数の閾値の全てについて、分類後エントロピー量が導出されて、メモリ13に記憶されたか否かを判定する(ステップS212)。割り付けた複数の閾値のうち、分類後エントロピー量が導出されていない閾値がある場合(すなわち、ステップS212の判定がNoの場合)、割り付けた複数の閾値のうち異なる閾値を分類基準に設定し(ステップS214)、分類後エントロピー量を導出する。すなわち、分類後エントロピー量が、割り付けた複数の閾値全てについて導出されるまで、ステップS208〜S210の処理を繰り返し実施する。
次に、数値条件探索制御部46は、メモリ13に記憶された、各閾値についての分類後エントロピー量をそれぞれ比較し、分類後エントロピー量を最小化する閾値を抽出し、分類基準設計パラメータについてのエントロピー最小化閾値として、分類後エントロピー量と併せてメモリ13に記憶する(ステップS216)。
設計パラメータX、X、Xのうち、エントロピー最小化閾値が導出されていない設計パラメータがある場合(すなわち、ステップS218の判定がNoの場合)、設計パラメータX、X、Xのうち異なる設計パラメータを分類基準設計パラメータに設定し(ステップS220)、エントロピー最小化閾値を導出する。すなわち、エントロピー最小化閾値が、設計パラメータX、X、Xの全てについて導出されるまで、ステップS206〜S216の処理を繰り返し実施する。
次に、数値条件探索制御部46は、メモリ13に記憶された、各設計パラメータの、エントロピー最小化閾値と分類後エントロピー量との組み合わせを、それぞれ比較して、この中で最も分類後エントロピー量が小さい最小分類後エントロピー量を抽出することで、この最小分類後エントロピー量に対応する、エントロピー最小化閾値と対応する設計パラメータ(最小化設計パラメータ)との組み合わせを求め、メモリ13に記憶する(ステップS222)。
次に、ステップS202で求めた、対象データセット(分類前データセット)についての情報エントロピー(分類前エントロピー量)と、上記最小分類後エントロピー量とを比較する(ステップS224)。分類前エントロピーに比べて最小分類後エントロピー量がより小さくなっていない場合、エントロピー最小化閾値を必要数値条件とは採用せず(ステップS226)、ステップS230に進む。分類前エントロピーに比べて最小分類後エントロピー量がより小さくなっている場合、エントロピー最小化閾値を必要数値条件としてメモリ13に記憶するとともに、最小化設計パラメータのエントロピー最小化閾値を基準に、対象データセットを区分(分類)する。
図9は、ステップS112における数値条件探索の処理について説明する図であり、データ分岐構造を表した決定木である。ステップS202〜ステップS228(ステップS226は含まず)の各処理が実行されることで、例えばノード71に対応する対象データデットが、最小化設計パラメータXのエントロピー最小化閾値tを基準に、ノード72に対応する部分データセットと、ノード73に対応する部分データセットの2つのデータセットに区分される。ノード72に対応する部分データセットは、データ群2の設計パラメータXがエントロピー最小化閾値t以下であるデータ組からなる集合であり、ノード73に対応する部分データセットは、データ群2の設計パラメータXがエントロピー最小化閾値tより大きいデータ組からなる集合である。この場合、分類後データセットとは、ノード72に対応する部分データセットと、ノード73に対応する部分データセットと、の2つのデータセットである。
一回の区分が終了すると、数値条件探索制御部46は、予め設定された終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件としては、例えば、区分の回数でもよく、また、区分された後の部分データセットを構成するデータ組の数についての条件でもよいし、また、区分における最小分類後エントロピー量についての条件でもよい。例えば、区分の回数が所定回数以上となった場合や、区分された後の部分データセットを構成するデータ組の数が所定値以下となった場合や、また、区分における最小分類後エントロピー量が所定値以下となった場合、ステップS230の判定はYESとなり、数値条件の探索を終了すればよい。
終了条件を満たしていない場合、すなわち、ステップS230の判定がNOとなる場合、区分した後のデータセットを区分対象データセットに設定し(ステップS232)、ステップS204〜ステップS228の各処理を繰り返す。例えば、ノード72に対応する区分対象データセットを、ノード74に対応する部分データセットと、ノード75に対応する部分データセットと、の2つの部分データセットに区分する。そして、ノード73に対応する区分対象データセットを、ノード76に対応する部分データセットと、ノード77に対応する部分データセットと、の2つの部分データセットに区分する。数値条件探索制御部46は、このように、終了条件が満たされるまで(すなわち、ステップS230における判定がYESとなるまで)、部分データセットの区分を繰り返し実施する。数値条件探索制御部46は、部分データセットの区分のたびに、最小化設計パラメータとエントロピー最小化閾値の組み合わせとを抽出し、メモリ13に記憶しておく。ステップS112における数値条件探索の処理は、以上のように行なわれる。
次に、数値条件探索制御部46は、さらに、決定木を用いた分類手法による区分の各段階それぞれで求めた、設計パラメータそれぞれの数値条件を統合して、データセットを上記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、各部分データセットそれぞれに対応する、設計パラメータそれぞれの数値条件を求める(ステップS114)。さらに、各部分データセットに対応するクラスタの識別データと、各設計パラメータそれぞれの数値条件と、の対応を表す2次元画像を作成し、ディスプレイなどの出力部16に表示させる(ステップS116)。
図10は、装置10において作成する、各部分データセットに対応するクラスタの識別データと、各設計パラメータそれぞれの数値条件と、の対応を表す2次元画像の一例である。図10では、識別符号がNo.7であるクラスタに対応する部分データセット、および識別符合がNo.8であるクラスタに対応する部分データセットついての、各設計パラメータの数値条件を示している。なお、図9に示すように、識別符号No.8であるクラスタは2つ存在しているが、図10では、そのうちの一方のクラスタに対応する部分データセット(図9においてより左側)についてのみ示している。
図9に示すように、識別符号No.7であるクラスタに対応する部分データセットに区分するには、データセットを、ノード71において、設計パラメータXを最小化設計パラメータとし、閾値tをエントロピー最小化閾値としてまず区分する必要がある。そして次に、ノード72において、設計パラメータXを最小化設計パラメータとし、閾値tをエントロピー最小化閾値として区分する必要がある。そして次に、ノード74において、設計パラメータXを最小化設計パラメータとし、閾値tをエントロピー最小化閾値として区分する必要がある。すなわち、識別符号がN0.7であるクラスタに対応する部分データセットは、主に、設計パラメータXが閾値t以下であり、設計パラメータXが閾値t以下であり、設計パラメータXが閾値t以下である設計パラメータの組合わせ(第1のデータ群)を有するデータ組で構成されている。数値条件探索制御部46は、このように、設計パラメータそれぞれの数値条件を統合して、各クラスタに対応した部分データセットそれぞれに対応する、設計パラメータそれぞれの数値条件を求める。そして、図10に示すような、各部分データセットに対応するクラスタの識別符号と、各設計パラメータそれぞれの数値条件と、の対応を表す2次元画像を作成し、出力部16に表示出力する。この際、必ずしも全ての部分データセットについて、対応するクラスタの識別データと各設計パラメータそれぞれの数値条件と、の対応を表す2次元画像を作成する必要はなく、図10に示すように、例えば予め設定された識別符号をもつクラスタに対応する部分データについてのみ、上述のような2次元画像を作成して表示出力してもよい。
本願発明では、このように、タイヤの性能バランスに対応して分類されたクラスタそれぞれに対応して、タイヤの各設計パラメータそれぞれが満たすべき数値条件を求めることができる。本発明は、多目的最適化問題に従来利用されることのなかった決定木のアルゴリズムを、多目的最適化問題に適応して、目的値に応じてクラスタリングしたクラスタ毎の符号と、設計パラメータの値との関係を見出すことで、目標の性能バランスを実現するために取り得る設計パラメータの具体的数値条件を求めるといった優れた効果を奏する。本発明を用いれば、目標の性能バランスを実現するために取り得る設計パラメータの条件を、従来に比べてより客観的かつ定量的に把握することができる。
上記実施形態では、データセットとして、パレート最適解に対応するデータ集合を設定したが、本発明で解析対象とするデータセットは、特に限定されない。本発明で解析対象とするデータセットは、複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれに第1のデータ群を入力して得られる関数の値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したものであればよい。例えば、直交実験法、D最適性基準に基く方法、ラテンハイパーキューブ法、および区分モンテカルロ法など、公知である各種の実験計画法を用いて、タイヤの設計パラメータの値の組み合わせを複数設定して第1のデータ群とし、この第1のデータ群と目的関数とを用いて求められる、目的値の組み合わせそれぞれを第2のデータ群としてもよい。
また、上記実施形態では、所望の性能バランスを有するタイヤが満たすべき、タイヤの設計パラメータそれぞれの数値条件を探索している。すなわち、第2のデータ群が所望の条件を満たすデータ組における、第1のデータ群を構成する各値の数値条件を探索している。本発明では、第1のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、第2のデータ群を構成する各値の数値条件を探索してもよい。
また、本発明の構造体の設計プログラムおよび装置で設計案を探索する対象は、タイヤに限定されない。また、構造体の設計において作成するモデルは、FEMなどの離散化数値解析モデルであってもよいし、FEMモデルを用いたシミュレーション結果に応じて作成した応答曲面(多項式、クリンギング)などでもよい。
また、本発明は、構造体の設計案を探索することに限定されず、複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれに第1のデータ群を入力して得られる関数の値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを解析させ、データセットを構成する各データ組のうち、第1のデータ群または第2のデータ群のいずれか一方のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、他方のデータ群を構成する各値の数値条件を探索するプログラムおよび装置であってもよい。
以上、本発明のデータ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の構造体の設計装置の一例である、タイヤ設計装置の概略構成図である。 図1に示すタイヤ設計装置のパレート解探索手段で生成されるデータセットについて説明する、概略のデータ構成図である。 図1に示すタイヤ設計装置の数値条件探索部の詳細な構成図である。 図1に示すタイヤ設計装置を用いて行なわれるタイヤの設計方法の一例について説明するフローチャートである。 図4にフローチャートで示すタイヤの設計方法における、タイヤ基準断面形状を示している。 図1に示すタイヤ設計装置で生成するモデルの一例の、概略斜視図である。 図1に示すタイヤ設計装置で生成する自己組織化マップの一例である。 図1に示すタイヤ設計装置で行なう数値条件探索処理を詳細に示すフローチャートである。 図1に示すタイヤ設計装置で行なう数値条件探索処理について説明する図であり、データ分岐構造を表した決定木である。 図1に示すタイヤ設計装置で作成する、各部分データセットに対応するクラスタの識別データと、各設計パラメータそれぞれの数値条件と、の対応を表す2次元画像の一例である。
符号の説明
10 タイヤ設計装置
12 入力部
13 メモリ
14 コンピュータ
15 CPU
16 出力部
20 パレート解探索手段
22 条件設定変更部
24 モデル生成部
25 シミュレーション演算部
26 目的値算出部
28 パレート最適解探索制御部
30 設計条件探索手段
32 クラスタリング処理部
34 識別データ付与部
36 設計パラメータ数値条件探索部
42 データセット分類部
44 エントロピー導出部
46 数値条件探索制御部
52 タイヤモデル
54 ホイールモデル
56 タイヤ回転軸モデル
62 路面モデル

Claims (13)

  1. コンピュータに、複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれと前記第1のデータ群とを用いて求められる値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを解析させ、前記データセットを構成する各データ組のうち、前記第1のデータ群または前記第2のデータ群のいずれか一方のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、他方のデータ群を構成する各値が満たしている数値条件を探索させるためのプログラムであって、
    コンピュータに実行させるステップとして、
    前記データセットを、前記一方のデータ群に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類し、各データ組それぞれに対し、分類されたクラスタに応じた識別データを付与するステップと、
    前記データセットを、前記他方のデータ群を構成する前記値の組み合わせに応じ一段階以上分類して前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を探索するステップと、を有し、
    前記数値条件を探索するステップでは、分類の各段階において、分類後データセットにおける前記識別データの不均一さを、分類前データセットにおける前記識別データの不均一さよりも小さくするために必要な、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を求めることを特徴とするデータ解析プログラム。
  2. 前記数値条件を探索するステップは、分類の各段階について求めた、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を統合して、前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、各部分データセットそれぞれに対応する、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を求め、
    コンピュータに実行させるステップとして、さらに、各部分データセットに対応する前記クラスタの識別データと、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの前記数値条件と、を対応づけてディスプレイに表示させるステップを有することを特徴とする請求項1記載のデータ解析プログラム。
  3. 前記数値条件を探索するステップは、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの前記数値条件を、決定木の手法を用いて探索させることを特徴とする請求項1または2記載のデータ解析プログラム。
  4. 前記一方のデータ群は、前記関数の値の集合である第2のデータ群であり、前記他方のデータ群は、前記第1のデータ群であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデータ解析プログラム。
  5. 前記第2のデータ群は、複数の前記関数間のトレードオフを示す前記関数の値の集合である、パレート最適解であることを特徴とする請求項4記載のデータ解析プログラム。
  6. 前記付与するステップでは、自己組織化マップ手法を用いてクラスタリングして、複数のクラスタに分類することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のデータ解析プログラム。
  7. 複数の値の集合である第1のデータ群と、複数の関数それぞれと前記第1のデータ群とを用いて求められる値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを解析し、前記データセットを構成する各データ組のうち、前記第1のデータ群または前記第2のデータ群のいずれか一方のデータ群が所望の条件を満たすデータ組において、他方のデータ群を構成する各値が満たしている数値条件を探索するための装置であって、
    前記データセットを、前記一方のデータ群に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類し、各データ組それぞれに対し、分類されたクラスタに応じた識別データを付与する手段と、
    前記データセットを、前記他方のデータ群を構成する前記値の組み合わせに応じ一段階以上分類して前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を探索する手段と、を有し、
    前記数値条件を探索する手段では、分類の各段階において、分類後データセットにおける前記識別データの不均一さを、分類前データセットにおける前記識別データの不均一さよりも小さくするために必要な、前記他方のデータ群を構成する前記値それぞれの数値条件を求めることを特徴とするデータ解析装置。
  8. 所望の特性を有する構造体が満たす、前記構造体の設計パラメータの値それぞれの数値条件を探索するためのプログラムであって、
    コンピュータに実行させるステップとして、
    構造体における変更すべき設計パラメータを複数設定するとともに、前記設計パラメータの値の許容範囲を少なくとも設定するステップと、
    この設計パラメータを変数として前記構造体を再現する構造体モデルを生成するモデル生成ステップと、
    前記設計パラメータの値を与えて生成された前記構造体モデルを用いてシミュレーションを実施し、前記特性を表す複数の目的関数それぞれの値を導出するステップと、
    前記設計パラメータの値を前記許容範囲内で繰り返し変更して設定し前記モデル生成ステップを実施し、変更の度に前記変更によって生成される構造体モデルについて前記導出するステップを繰り返させ、前記設計パラメータの値の集合である第1のデータ群と、前記目的関数の値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを生成するステップと、
    前記データセットを、前記第2のデータ群を構成する前記目的関数の値に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類し、各データ組それぞれに対し、分類されたクラスタに応じた識別データを付与するステップと、
    前記データセットを、前記第1のデータ群を構成する前記設計パラメータの値の組み合わせに応じ一段階以上分類して前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を探索するステップと、を有し、
    前記数値条件を探索するステップでは、分類の各段階において、分類後データセットにおける前記識別データの不均一さを、分類前データセットにおける前記識別データの不均一さよりも小さくするために必要な、前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を求めることを特徴とする構造体の設計プログラム。
  9. 前記数値条件を探索するステップは、分類の各段階について求めた、前記第1のデータ群を構成する前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を統合して、前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、各部分データセットそれぞれに対応する、前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を求め、
    さらに、各部分データセットに対応する前記クラスタの識別データと、前記第1のデータ群を構成する前記設計パラメータの値それぞれの前記数値条件と、を対応づけてディスプレイに表示させるステップを、コンピュータに実行させることを特徴とする請求項8記載の構造体の設計プログラム。
  10. 前記データセットを生成するステップでは、前記設計パラメータの値を前記許容範囲内で繰り返し変更して設定し前記モデル生成ステップを実施し、変更の度にこの変更によって生成される構造体モデルについて前記導出するステップを繰り返させた後、
    前記データセットを構成する前記第2のデータ群として、複数の前記目的関数間のトレードオフを示す前記関数の解の集合であるパレート最適解を複数抽出するとともに、前記第1のデータ群として前記パレート最適解を与える前記設計パラメータの値を複数抽出することを特徴とする請求項8または9記載の構造体の設計プログラム。
  11. 前記付与するステップでは、自己組織化マップ手法を用いてクラスタリングして、複数のクラスタに分類することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の構造体の設計プログラム。
  12. 前記構造体はタイヤであることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の構造体の設計プログラム。
  13. 所望の特性を有する構造体の設計案を探索する装置であって、
    構造体における変更すべき設計パラメータを複数設定するとともに、前記設計パラメータの値の許容範囲を少なくとも設定する手段と、
    この設計パラメータを変数として前記構造体を再現する構造体モデルを生成する手段と、
    前記設計パラメータの値を与えて生成された前記構造体モデルを用いてシミュレーションを実施し、前記特性を表す複数の目的関数それぞれの値を導出する手段と、
    前記設計パラメータの値を前記許容範囲内で繰り返し変更して設定して前記モデル生成ステップを実施し、変更の度にこの変更によって生成される構造体モデルについて前記導出するステップを繰り返させ、前記設計パラメータの値の集合である第1のデータ群と、前記目的関数の値の集合である第2のデータ群と、の組み合わせからなるデータ組が複数集合したデータセットを生成する手段と、
    前記データセットを、前記第2のデータ群を構成する前記目的関数の値に基づいてクラスタリングして複数のクラスタに分類し、各データ組それぞれに対し、分類されたクラスタに応じた識別データを付与する手段と、
    前記データセットを、前記第1のデータ群を構成する前記設計パラメータの値の組み合わせに応じ一段階以上分類して前記クラスタに対応した複数の部分データセットに区分するために満たすべき、前記前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を探索する手段と、を有し、
    前記数値条件を探索する手段では、分類の各段階において、分類後データセットにおける前記識別データの不均一さを、分類前データセットにおける前記識別データの不均一さよりも小さくするために必要な、前記設計パラメータの値それぞれの数値条件を求めることを特徴とする構造体の設計装置。
JP2007138881A 2007-05-25 2007-05-25 データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置 Expired - Fee Related JP4888227B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007138881A JP4888227B2 (ja) 2007-05-25 2007-05-25 データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007138881A JP4888227B2 (ja) 2007-05-25 2007-05-25 データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008293315A JP2008293315A (ja) 2008-12-04
JP4888227B2 true JP4888227B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=40167967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007138881A Expired - Fee Related JP4888227B2 (ja) 2007-05-25 2007-05-25 データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4888227B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5983194B2 (ja) * 2012-08-31 2016-08-31 横浜ゴム株式会社 データ処理方法、データ処理プログラム、及びデータ処理装置
JP6153247B2 (ja) * 2013-04-25 2017-06-28 東洋ゴム工業株式会社 クラスタ分析方法、クラスタ分析装置及びコンピュータプログラム
KR101462349B1 (ko) * 2013-07-17 2014-11-20 서울대학교산학협력단 생산이력 히스토리 매칭의 최적화 방법
JP5854067B2 (ja) * 2014-02-28 2016-02-09 横浜ゴム株式会社 不均質材料のシミュレーションモデルの作成方法、不均質材料のシミュレーション方法、及びプログラム
JP6601401B2 (ja) * 2014-08-25 2019-11-06 横浜ゴム株式会社 タイヤモデルの作成方法、タイヤモデルの作成装置、タイヤのシミュレーション方法、及び非一時的なコンピュータが読み取り可能な媒体
JP6299767B2 (ja) 2014-09-26 2018-03-28 横浜ゴム株式会社 帯状切断部材の製造方法及び帯状部材の切断装置
JP6561455B2 (ja) * 2014-11-19 2019-08-21 横浜ゴム株式会社 データの分析方法およびデータの表示方法
JP6544005B2 (ja) * 2015-04-08 2019-07-17 横浜ゴム株式会社 構造体の近似モデル作成方法、構造体の近似モデル作成装置、およびプログラム
JP6631151B2 (ja) * 2015-10-20 2020-01-15 横浜ゴム株式会社 最適タイヤ断面形状作成方法及び最適タイヤ断面形状作成装置
CN111985530B (zh) * 2020-07-08 2023-12-08 上海师范大学 一种分类方法
EP4310717A1 (en) * 2021-03-18 2024-01-24 NEC Corporation Recommendation data generation device, control method, and non-transitory computer-readable medium
WO2022196208A1 (ja) * 2021-03-18 2022-09-22 日本電気株式会社 特異材料検出装置、制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体
CN117043779A (zh) * 2021-03-18 2023-11-10 日本电气株式会社 映射图像生成设备、控制方法和非暂时性计算机可读介质
US20240161354A1 (en) * 2021-03-18 2024-05-16 Nec Corporation Physical property map image generation apparatus, control method, and non-transitory computer readable medium
WO2023195152A1 (ja) * 2022-04-08 2023-10-12 日本電気株式会社 推奨データ生成装置、推奨データ生成方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体
KR102682001B1 (ko) * 2022-08-30 2024-07-04 한양대학교 산학협력단 최대 노름 최소화에 기반한 단일 정책 다중 목적 강화학습 방법 및 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008293315A (ja) 2008-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4888227B2 (ja) データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置
JP6561455B2 (ja) データの分析方法およびデータの表示方法
JP4339808B2 (ja) 構造体の設計方法
JP5018116B2 (ja) タイヤの設計方法およびタイヤの設計装置
JP5160146B2 (ja) タイヤの設計方法
JP5160147B2 (ja) タイヤの設計方法
JP6589285B2 (ja) データの分析方法およびデータの表示方法
JP6263883B2 (ja) データ処理方法および構造体の設計方法
JP7205160B2 (ja) タイヤの金型形状設計方法、タイヤの金型形状設計装置、およびプログラム
US8086428B2 (en) Tire design method
JP6544005B2 (ja) 構造体の近似モデル作成方法、構造体の近似モデル作成装置、およびプログラム
JP6349723B2 (ja) シミュレーション方法、その装置およびプログラム
JP7328527B2 (ja) タイヤモデル作成方法、タイヤ形状最適化方法、タイヤモデル作成装置、タイヤ形状最適化装置、およびプログラム
JP5236301B2 (ja) タイヤの設計方法
JP2001287516A (ja) タイヤの設計方法、タイヤ用加硫金型の設計方法、タイヤ用加硫金型の製造方法、タイヤの製造方法、タイヤの最適化解析装置及びタイヤの最適化解析プログラムを記録した記憶媒体
JP6565285B2 (ja) 構造体の近似モデル作成方法、構造体の近似モデル作成装置、およびプログラム
JP6544006B2 (ja) 構造体の近似モデル作成方法、構造体の近似モデル作成装置、およびプログラム
JP2008276469A (ja) タイヤの設計方法
JP6065472B2 (ja) タイヤモデル作成方法、タイヤ断面形状決定方法、タイヤモデル作成装置、及びプログラム
JP2014182605A (ja) データの表示方法
JP6676928B2 (ja) タイヤモデル作成方法、タイヤ形状最適化方法、タイヤモデル作成装置、タイヤ形状最適化装置、およびプログラム
JP4800581B2 (ja) タイヤの設計方法
JP7315824B2 (ja) タイヤの初期形状設計方法、タイヤの初期形状設計装置、およびプログラム
WO2016031811A1 (ja) タイヤモデルの作成方法、タイヤモデルの作成装置、タイヤのシミュレーション方法、及び非一時的なコンピュータが読み取り可能な媒体
JP7352070B2 (ja) データ処理方法、データ処理装置、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4888227

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees