JP4877475B2 - 負極および電池 - Google Patents

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Description

本発明は、構成元素としてスズ(Sn)を含む負極、およびそれを用いた電池に関する。
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、または電気自動車などの駆動用として、それらの電源である二次電池の高容量化および高出力化が切望されている。この要求に応える二次電池としてリチウム二次電池がある。しかし、現在におけるリチウム二次電池の代表的な形態である、正極にコバルト酸リチウム、負極に黒鉛を用いた場合の電池容量は飽和状態にあり、大幅な高容量化は極めて困難な状況である。そこで、古くから負極に金属リチウム(Li)を用いることが検討されているが、この負極を実用化するには、リチウムの析出溶解効率の向上およびデンドライト状の析出形態の制御などを図る必要がある。
その一方で、最近、スズなどを用いた高容量の負極の検討が盛んに行われている。しかし、これらの負極は充放電を繰り返すと、活物質の激しい膨張および収縮により粉砕して微細化し、集電性が低下したり、表面積の増大に起因して電解液の分解反応が促進され、サイクル特性は極めて劣悪であった。そこで、負極集電体に三次元構造を有する金属不織布を用いることにより、特性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−308831号公報
しかしながら、三次元構造を有する負極集電体を用いても、充放電に伴う活物質の膨張収縮は抑制することができず、形状崩壊により特性が低下してしまうという問題があった。特に、サイクルを繰り返したのちに高温状態に放置したり、または、高電流値で放電を行った場合などに特性の劣化が著しく、改善が求められていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、形状崩壊を抑制し、特性を向上させることができる負極およびそれを用いた電池を提供することにある。
本発明による負極は、三次元構造を有する負極集電体と、スズと、スズ以外でリチウムと電気化学的に反応可能な第1元素と、リチウムと電気化学的に反応しない第2元素とを含む電極反応部とを有し、第1元素が亜鉛,アルミニウム,銀,インジウム,アンチモンおよび鉛からなる群のうちの少なくとも1種を含み、第2元素がコバルト,銅,マンガン,鉄,ニッケルおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含み、電極反応部におけるスズの含有量が40原子%以上90原子%以下であり、第1元素の含有量が5原子%以上40原子%以下であり、第2元素の含有量が5原子%以上40原子%以下であるものである。
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、負極集電体と、電極反応部とを有し、負極集電体は、三次元構造を有し、電極反応部は、スズと、スズ以外でリチウムと電気化学的に反応可能な第1元素と、リチウムと電気化学的に反応しない第2元素とを含み、第1元素が亜鉛,アルミニウム,銀,インジウム,アンチモンおよび鉛からなる群のうちの少なくとも1種を含み、第2元素がコバルト,銅,マンガン,鉄,ニッケルおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含み、電極反応部におけるスズの含有量が40原子%以上90原子%以下であり、第1元素の含有量が5原子%以上40原子%以下であり、第2元素の含有量が5原子%以上40原子%以下であるものである。
本発明の負極によれば、三次元構造を有する負極集電体を用い、スズと第1元素と第2元素とを含む電極反応部を有し、第1元素が亜鉛等を含むと共に第2元素がコバルト等を含み、電極反応部におけるスズの含有量が40原子%以上90原子%以下、第1元素の含有量が5原子%以上40原子%以下、第2元素の含有量が5原子%以上40原子%以下であるようにしたので、電極反応部が膨張収縮しても、負極集電体との密着性を向上させることができると共に、形状崩壊を抑制することができる。よって、この負極を用いた本発明の電池によれば、負極の集電性を確保することができると共に、電極反応部の形状崩壊に伴う電解質の分解反応を抑制することができる。従って、高温状態に放置したり、または、高電流値で放電を行うなどの過酷な条件で使用しても、優れた特性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る負極は、負極集電体と、この負極集電体に支持されている電極反応部とを有している。負極集電体は、例えば、銅、ニッケル、チタン(Ti)、ステンレス、またはそれらの少なくとも1種を含むリチウムとの反応性が低い金属材料により構成されており、三次元構造を有している。三次元構造とすることにより、電極反応部と負極集電体との接触面積が増大し密着性を向上させることができるからである。なお、三次元構造というのは、発泡金属に代表される発泡体のような網目構造を有するものであり、内包される空隙は連続的につながっていても、分離されていてもよい。このほか三次元構造を有するものには、例えば、織物あるいは不織布などの繊維を加工したもの、または、めっきにより三次元構造体を形成したものが挙げられる。また、繊維を加工したものとしては、金属繊維を加工したものでも、有機繊維を加工した織物あるいは不織布などの表面に金属被膜を形成したものでもよい。
電極反応部は、構成元素として、スズと、スズ以外でリチウムと電気化学的に反応可能な第1元素と、リチウムと電気化学的に反応しない第2元素とを含む負極活物質を含有している。このようにスズと膨張率の異なる第1元素およびリチウムと反応しない第2元素を含むことにより、リチウムを吸蔵放出する際の膨張収縮による形状崩壊を抑制することができるようになっている。第1元素としては、例えば、亜鉛,アルミニウム,銀,インジウム,アンチモンおよび鉛が挙げられ、1種でもよいが2種以上を含んでいてもよい。第2元素としては、例えば、コバルト,銅,マンガン,鉄,ニッケルおよびクロムが挙げられ、1種でもよいが2種以上を含んでいてもよい。電極反応部におけるこれらの含有量は、スズが40原子%以上90原子%以下、第1元素が5原子%以上40原子%以下、第5元素が2原子%以上40原子%以下であることが好ましい。第1元素および第2元素の含有量が少ないと形状崩壊を十分に抑制することができず、多いとスズの含有量が少なくなるので容量が低下してしまうからである。
電極反応部は、負極集電体内部の空隙に存在していてもよく、負極集電体の上に層を形成して存在していてもよく、その両方に存在していてもよい。また、電極反応部の少なくとも一部には、負極集電体の構成元素が拡散していることが好ましい。電極反応部の形状崩壊をより抑制することができるからである。
なお、電極反応部に含まれる負極活物質は粒子状でも粒子状でなくてもよいが、粒子状のものを用いる場合には、負極活物質粒子の平均粒径は、0.1μm以上であることが好ましく、30μm以下であればより好ましい。平均粒径があまり小さいと表面積が増大し、電解質の分解反応が増加してしまい、あまり大きいと膨張収縮による形状崩壊が生じやすくなるからである。また、負極活物質粒子は、少なくとも一部において互いに融着していることが好ましい。膨張収縮による形状崩壊を抑制することができるからである。
更に、負極活物質粒子を用いる場合には、負極活物質粒子に加えて、必要に応じて導電材または結着材などの他の材料を含有していてもよい。導電材は特に限定されるものではなく、充放電電位域において化学的に安定で、電子伝導性に優れているものが好ましい。結着材も特に限定されるものではなく、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、あるいはテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を用いることができる。また、負極活物質粒子とは別に、上述した第1元素または第2元素を含む単体、合金あるいは化合物の粒子を含有していてもよい。
この負極は、例えば、三次元構造を有する負極集電体に、負極活物質粒子を分散媒に分散させて塗布または噴霧などして付着させたのち、分散媒を除去して電極反応部を形成することにより作製することができる。その際、負極活物質粒子と共に、必要に応じて導電材または結着材などの他の材料を分散媒に分散させて、付着させるようにしてもよい。また、例えば、分散媒を除去したのちに熱処理を行うことにより、負極活物質粒子同士を融着させると共に、負極活物質粒子に負極集電体の構成元素を拡散させることが好ましい。
更に、この負極は、三次元構造を有する負極集電体に、気相法、液相法または溶射法などにより負極活物質を物理的または化学的に直接堆積させて電極反応部を形成することにより作製してもよい。この場合も、負極活物質を堆積させたのちに熱処理を行うことにより、電極反応部の構成元素同士を相互拡散させると共に、電極反応部に負極集電体の構成元素を拡散させることが好ましい。
この負極は例えば次のようにして二次電池に用いられる。
図1は、その二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるコイン型といわれるものであり、外装カップ11内に収容された負極12と、外装缶13内に収容された正極14とが、セパレータ15を介して積層されたものである。外装カップ11および外装缶13の周縁部は絶縁性のガスケット16を介してかしめることにより密閉されている。外装カップ11および外装缶13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウムなどの金属によりそれぞれ構成されている。
負極12は、上述した構造を有しており、正極14は、例えば、正極集電体14Aと、正極集電体14Aに設けられた正極活物質層14Bとを有している。正極集電体14Aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどにより構成されている。
正極活物質層14Bは、例えば、正極活物質としてリチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料としては、例えば、一般式Lix MIO2 で表されるリチウム含有金属複合酸化物が好ましい。これを含むことにより、高容量化を図ることができるからである。なお、MIは1種類以上の遷移金属であり、例えばコバルト,ニッケルおよびマンガンからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム含有金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 あるいはLiNiO2 などが挙げられる。
セパレータ15は、負極12と正極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものであり、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンにより構成されている。
セパレータ15には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩であるリチウム塩とを含んでおり、必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。このように電解液を用いるようにすれば、高いイオン伝導率を得ることができるので好ましい。溶媒としては、例えば、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,炭酸ジメチル,炭酸ジエチルあるいは炭酸エチルメチル等の有機溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6 あるいはLiClO4 が挙げられる。リチウム塩は、いずれか1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、正極14、電解液が含浸されたセパレータ15および負極12を積層して、外装缶13と外装カップ11との中に入れ、それらをかしめることにより製造することができる。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極14からリチウムイオンが離脱し、電解液を介して負極12に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極12からリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極14に吸蔵される。その際、負極12は、三次元構造を有する負極集電体により、スズと第1元素と第2元素とを含む電極反応部を支持するようにしたので、充放電に伴い電極反応部が大きく膨張収縮しても、形状崩壊が抑制される。
本実施の形態に係る負極は、次のようにして二次電池に用いてもよい。
図2は、その二次電池を分解して表すものである。この二次電池は、リード21,22が取り付けられた電極巻回体20をフィルム状の外装部材31の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。リード21,22は、それぞれ外装部材31の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。リード21,22は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材31は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材31は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電極巻回体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30とリード21,22との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム32が挿入されている。密着フィルム32は、リード21,22に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図3は、図2に示した電極巻回体20のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電極巻回体20は、負極23と正極24とをセパレータ25および電解質層26を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ27により保護されている。
負極23は、上述した構造を有しており、正極24は、例えば、正極集電体24Aの片面あるいは両面に正極活物質層24Bが設けられた構造を有している。正極集電体24A,正極活物質層24Bおよびセパレータ25の構成は、それぞれ上述した正極集電体14A,正極活物質層14Bおよびセパレータ15と同様である。
電解質層26は、電解液を高分子化合物に保持させたいわゆるゲル状の電解質により構成されている。電解液(すなわち溶媒および電解質塩など)の構成は、図1に示したコイン型の二次電池と同様である。高分子材料としては、例えば、フッ化ビニリデンを含む重合体が好ましく挙げられる。酸化還元安定性が高いからである。高分子化合物としては、また、重合性化合物が重合されることにより形成されたものも挙げられる。
この二次電池は例えば次のようにして製造することができる。
まず、負極23および正極24を作製したのち、負極23および正極24にそれぞれ、高分子化合物に電解液を保持させた電解質層26を形成し、リード21,22を取り付ける。次いで、負極23と正極24とをセパレータ25を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ27を接着して電極巻回体20を形成する。そののち、例えば、外装部材31の間に電極巻回体20を挟み込み、外装部材31の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。これにより、図2,3に示した二次電池が完成する。
なお、電解質層26は次のようにして形成してもよい。例えば、負極23および正極24に重合性化合物と電解液とを含む電解質用組成物を塗布し、セパレータ25を介して巻回して外装部材31の内部に封入したのち、重合性化合物を重合させることにより形成するようにしてもよく、また、負極23と正極24とをセパレータ25を介して巻回して外装部材31の内部に封入したのち、外装部材31の内部に重合性化合物と電解液とを含む電解質用組成物を注入し、重合性化合物を重合させることにより形成するようにしてもよい。
この二次電池の作用は、図2に示したコイン型の二次電池と同様である。
このように本実施の形態によれば、三次元構造を有する負極集電体により、スズと第1元素と第2元素とを含む電極反応部を支持するようにしたので、充放電に伴い電極反応部が膨張収縮しても、負極集電体との密着性を向上させることができると共に、形状崩壊を抑制することができる。よって、負極12,23の集電性を確保することができると共に、電極反応部の形状崩壊に伴う電解質の分解反応を抑制することができる。従って、高温状態に放置したり、または、高電流値で放電を行うなどの過酷な条件で使用しても、優れた特性を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−6)
図1に示したようなコイン型の二次電池を作製した。まず、プラズマを用いた瞬間気相生成法により、スズと第1元素と第2原子とを含む合金よりなる負極活物質粒子を作製した。具体的には、高周波熱プラズマを発生させた管内に原料となる金属をキャリアガスとともに供給して、プラズマ部を通過させることにより金属を瞬間的に溶融または気化させたのち、冷却して固化させることにより合成した。その際、第1元素は実施例1−1〜1−6で亜鉛、アルミニウム、銀、インジウム、アンチモン、または鉛と変化させ、第2元素は実施例1−1〜1−6でコバルト、銅、マンガン、鉄、ニッケルあるいはクロムと変化させた。また、スズと第1元素と第2元素との割合は、スズ80原子%、第1元素10原子%、第2元素10原子%とした。合成した負極活物質粒子の組成は、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析により評価した。次いで、合成した負極活物質粒子の平均粒径を乾式気流分級機により1μmに調整した。
続いて、作製した負極活物質粒子75質量%と、導電材である平均粒径6μmの人造黒鉛粉末10質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン15質量%とを分散媒に混合してスラリーとした。そののち、繊維径8μmの銅繊維よりなり、空隙率70%、厚み40μmの金属不織布を負極集電体として用い、この負極集電体に作製したスラリーを充填し、分散媒を揮発させることにより負極活物質粒子を付着させた。次いで、これをアルゴン雰囲気中において200℃で10時間熱処理を行うことにより電極反応部を形成し、負極12を作製した。作製した負極12について、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy;X線光電子分光法),AES( Auger Electron Spectroscopy;オージェ電子分光法),SEM(Scanning Electron Microscope;走査電子顕微鏡),EDX(Energy Dispersive X-Ray Spectroscope;エネルギー分散型X線検出器)およびXRD( X-Ray Diffraction;X線回折法)により分析したところ、熱処理により負極活物質粒子同士または負極活物質粒子と負極集電体とが少なくとも一部において融着していることが確認された。また、負極活物質粒子の少なくとも一部に、負極集電体の構成元素が拡散していることも確認された。
また、正極活物質である平均粒径5μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2 )粉末92質量%と、導電材であるカーボンブラック3質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン5質量%とを分散媒に混合してスラリーとし、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体14Aに塗布して乾燥させ、プレスすることにより正極活物質層14Bを形成し、正極14を作製した。次いで、作製した負極12と正極14とを、電解液を含浸させた厚み25μmのポリプロピレン製微多孔膜よりなるセパレータ15を介して積層し、外装カップ11および外装缶13の中に入れ、それらをかしめることにより密閉した。電解液には、炭酸エチレン40質量%と炭酸ジメチル60質量%とを混合した溶媒に、LiPF6 を1.0mol/lとなるように溶解させたものを用いた。
本実施例に対する比較例1−1〜1−13として、負極活物質粒子の組成を表1に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−1〜1−6と同様にして、負極活物質粒子および二次電池を作製した。また、比較例1−14,1−15として、負極活物質粒子の組成を表1に示したように変化させると共に、負極集電体に厚み25μm、表面粗さRa0.5μmの銅箔を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−6と同様にして、負極活物質粒子および二次電池を作製した。
作製した実施例1−1〜1−6および比較例1−1〜1−15の二次電池について、保存特性および高負荷特性を調べた。保存特性は、30サイクル充放電を繰り返し、31サイクル目の充電を行ったのち、充電した状態で60℃の恒温槽で10日間保存し、31サイクル目の放電および32サイクル目の充放電を行い、30サイクル目の放電容量(保存前の放電容量)を100%とした場合の32サイクル目の放電容量(保存後の放電容量)の割合を求めた。その際、充電は、上限電圧4.2V、電流密度1mA/cm2 の条件で定電流定電圧充電を行い、放電は、電流密度1mA/cm2 、終止電圧2.5Vの条件で定電流放電を行った。
また、高負荷特性は、上限電圧4.2V、電流密度1mA/cm2 の定電流定電圧充電と、電流密度1mA/cm2 、終止電圧2.5Vの定電流放電とを3サイクル繰り返し、再度同一の条件で4サイクル目の充電を行ったのち、4サイクル目の放電を電流密度5mA/cm2 、終止電圧2.5Vの条件で行い、3サイクル目の放電容量(電流密度1mA/cm2 )を100%とした場合の4サイクル目の放電容量(電流密度5mA/cm2 )の割合を求めた。得られた結果を表1に示す。
Figure 0004877475
表1に示したように、実施例1−1〜1−6によれば、比較例1−1〜1−15に比べて保存特性および高負荷特性について共に高い値が得られた。すなわち、三次元構構造を有する負極集電体によりスズと第1元素と第2元素とを含む電極反応部を支持させるようにすれば、保存特性および高負荷特性を向上させることができることが分かった。
(実施例2−1〜2−5)
負極活物質粒子の組成を表2に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして、負極活物質粒子および二次電池を作製した。実施例2−1〜2−5は、第1元素を亜鉛、第2元素をコバルトとし、スズの含有量を90原子%〜40原子%、亜鉛の含有量を5原子%〜40原子%、コバルトの含有量を5原子%〜40原子%の範囲内で変化させたものである。作製した実施例2−1〜2−5の二次電池についても、実施例1−1と同様にして保存特性および高負荷特性を調べた。得られた結果を実施例1−1および比較例1−1,1−2,1−8の結果と共に表2に示す。
Figure 0004877475
表2に示したように、第1元素および第2元素の含有量を増加させると、保存特性および高負荷特性は向上したのち低下する傾向がみられた。すなわち、電極反応部におけるスズの含有量は40原子%以上90原子%以下、第1元素の含有量は5原子%以上40原子%以下、第2元素の含有量は5原子%以上40原子%以下の範囲内とすれば、より好ましいことが分かった。
(実施例3−1)
負極12の構成を変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。負極12は、実施例1−1と同様の銅不織布よりなる負極集電体に、めっきにより、亜鉛を堆積させたのち、さらにスズコバルト合金を堆積し、アルゴン雰囲気中において200℃で10時間熱処理を行って電極反応部を形成することにより作製した。作製した負極12について、XPS,AES,SEM,EDXおよびXRDにより分析したところ、電極反応部において亜鉛とスズとコバルトとが相互に拡散しており、電極反応部に負極集電体の構成元素が拡散していることも確認された。
また、実施例3−1に対する比較例3−1として、負極集電体に厚み25μm、表面粗さRa0.5μmの銅箔を用いたことを除き、他は実施例3−1と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例3−1および比較例3−1の二次電池についても、実施例1−1と同様にして保存特性および高負荷特性を調べた。得られた結果を表3に示す。
Figure 0004877475
表3に示したように、実施例3−1によれば、比較例3−1に比べて保存特性および高負荷特性について共に高い値が得られた。すなわち、負極活物質粒子を負極集電体に付着させて電極反応部を形成しても、負極活物質を負極集電体に直接堆積させて電極反応部を形成しても、同様の効果を得られることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、液状の電解質である電解液、またはいわゆるゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
なお、固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。高分子固体電解質の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはリン酸リチウムなどを含むもの用いることができる。
また、上記実施の形態および実施例では、コイン型または巻回ラミネート型の二次電池について説明したが、本発明は、円筒型,角型,ボタン型,薄型,大型あるいは積層ラミネート型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る負極を用いた二次電池の構成を表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る負極を用いた他の二次電池の構成を表す部分分解斜視図である。 図2に示した二次電池のI−I線に沿った構造を表す断面図である。
符号の説明
11…外装カップ、12,23…負極、13…外装缶、14,24…正極、14A,24A…正極集電体、14B,24B…正極活物質層、15,25…セパレータ、16…ガスケット、20…電極巻回体、21,22…リード、26…電解質層、27…保護テープ、31…外装部材、32…密着フィルム

Claims (4)

  1. 三次元構造を有する負極集電体と、
    スズ(Sn)と、スズ以外でリチウム(Li)と電気化学的に反応可能な第1元素と、リチウムと電気化学的に反応しない第2元素とを含む電極反応部と
    を有し、
    前記第1元素は、亜鉛(Zn),アルミニウム(Al),銀(Ag),インジウム(In),アンチモン(Sb)および鉛(Pb)からなる群のうちの少なくとも1種を含み、
    前記第2元素は、コバルト(Co),銅(Cu),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含み、
    前記電極反応部におけるスズの含有量は40原子%以上90原子%以下であり、第1元素の含有量は5原子%以上40原子%以下であり、第2元素の含有量は5原子%以上40原子%以下である、
    負極。
  2. 前記負極集電体の構成元素が前記電極反応部の少なくとも一部に拡散している請求項1記載の負極。
  3. 正極および負極と共に電解質を備え
    前記負極は、負極集電体と、電極反応部とを有し、
    前記負極集電体は、三次元構造を有し、
    前記電極反応部は、スズ(Sn)と、スズ以外でリチウム(Li)と電気化学的に反応可能な第1元素と、リチウムと電気化学的に反応しない第2元素とを含み、
    記第1元素は、亜鉛(Zn),アルミニウム(Al),銀(Ag),インジウム(In),アンチモン(Sb)および鉛(Pb)からなる群のうちの少なくとも1種を含み、
    前記第2元素は、コバルト(Co),銅(Cu),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含み、
    前記電極反応部におけるスズの含有量は40原子%以上90原子%以下であり、第1元素の含有量は5原子%以上40原子%以下であり、第2元素の含有量は5原子%以上40原子%以下である、
    電池。
  4. 前記負極集電体の構成元素が前記電極反応部の少なくとも一部に拡散している請求項記載の電池。
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