JP2007103119A - 正極材料、正極および電池 - Google Patents

正極材料、正極および電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオンの可逆性を向上させることができる正極材料、ならびにそれを用いた正極および電池を提供する。
【解決手段】正極21と負極22とがセパレータ23を介して対向配置されている。正極21には、リチウム遷移金属複合酸化物と、フッ化黒鉛と、フッ化リチウムとを含有する正極材料が含まれている。これにより、リチウムの可逆性が向上し、高温環境下においても、または充電電圧を高くしても、優れた電池特性を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム(Li)と遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物を含有する正極材料、ならびにそれを用いた正極および電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR,携帯電話,ラップトップコンピュータ等のポータブル電子機器が多く登場し、急速に需要が拡大している。これらの電子機器の小型軽量化の進行に伴い、ポータブル電源として、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、従来の水系電解液二次電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため、その需要は大きい。また、耐環境性、特に高温時の特性を向上させることにより、あるいは、高出力時の放電性能を向上させることにより、適用範囲を拡大させることが期待されている。
このリチウムイオン二次電池の正極活物質としては、例えば、層状岩塩構造を有するリチウム・コバルト複合酸化物あるいはリチウム・ニッケル複合酸化物、またはスピネル構造を有するリチウム・マンガン複合酸化物が知られている。中でも、リチウム・コバルト複合酸化物は、高容量を得ることができると共に熱的安定性にも優れており、最も広く利用されている。
これらの正極活物質を用いた電池については、従来より、サイクル特性あるいは耐環境性などを向上させるための様々な手段が提案されている。例えば、特許文献1,2には、特定の金属塩を添加したり、正極合剤中のバインダーの量を規定する手段などが記載されている。特許文献3には、リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物にアルミニウム(Al),マンガン(Mn),スズ(Sn),インジウム(In),鉄(Fe),銅(Cu),マグネシウム(Mg),チタン(Ti),亜鉛(Zn),あるいはモリブデン(Mo)などを固溶することにより放電容量を向上させる手段が記載されている。特許文献4〜7には、ハロゲンにより置換する手段が提案されている。特許文献8,9には、正極活物質の粒子表面に金属ハロゲン化物を被覆する手段が提案されている。
特開平07−192721号公報 特開平10−302768号公報 特許第3244314号公報 特許第296705号公報 特開2002−184402号公報 特開2002−298846号公報 特開2004−296098号公報 特許第3157413号公報 特許第3141858号公報
しかしながら、特に高温環境下では、充放電時におけるリチウムイオンの可逆性が低下しまい、特性が低下してしまうという問題があった。また、最近では、更なる高エネルギー密度化を図るために、上限充電電圧を高くすることにより正極の利用率を向上させることが提案されており、リチウムイオンの可逆性を向上させることが求められている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、リチウムイオンの可逆性を向上させることができる正極材料、ならびにそれを用いた正極および電池を提供することにある。
本発明による正極材料は、リチウムと遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含むものである。
本発明による正極は、リチウムと遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含む正極材料を含有するものである。
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、正極は、リチウムと遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含む正極材料を含有するものである。
本発明の正極材料によれば、リチウムと遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含むようにしたので、リチウムイオンの可逆性を向上させることができる。よって、この正極材料を用いた本発明の正極および電池によれば、高温環境下においても、または充電電圧を高くしても、優れた電池特性を得ることができる。
また、リチウム遷移金属複合酸化物粒子に対するフッ化黒鉛および金属フッ化物の割合(フッ化黒鉛と金属フッ化物との合計/リチウム遷移金属複合酸化物粒子)を0.1mol%以上20mol%以下とするようにすれば、あるいはフッ化黒鉛および金属フッ化物を、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部に被着するようにすれば、あるいはリチウム遷移金属複合酸化物粒子にフッ素(F)を含むようにすれば、より高い効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る正極材料は、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、リチウムと遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含んでおり、必要に応じてリチウムを吸蔵および放出することが可能な他の正極活物質を含んでいてもよい。リチウム遷移金属複合酸化物粒子のみでは、リチウムの可逆性が低下してしまうが、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含むことにより、リチウムイオンの可逆性を向上させることができるからである。
リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、遷移金属として、コバルト(Co),ニッケル(Ni)およびマンガンのうちの少なくとも1種を含むものが挙げられ、具体的には、Lix MO2-y z (Mは、コバルト,ニッケルおよびマンガンからなる群のうちの少なくとも1種を含んでおり、必要に応じて、チタン,バナジウム(V),クロム(Cr),鉄,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),タングステン(W),ニオブ(Nb),イットリウム(Y),ジルコニウム(Zr),マグネシウム,アルミニウム,ホウ素(B),ケイ素(Si)およびガリウム(Ga)からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。0.8≦x≦1.2,−0.1≦y≦0.2,0≦z≦0.1)で表される平均組成を有するリチウム遷移金属複合酸化物などがある。
このリチウム遷移金属複合酸化物では、フッ素は必須の構成元素ではないが、フッ素を含んでいることが好ましい。リチウムイオンの可逆性をより向上させることができるからである。
リチウム遷移金属複合化合物において、コバルトの割合は多いほど好ましく、例えば、正極材料に含まれるリチウムを除いた金属全体において、20mol%以上であることが好ましい。これにより、高い電子伝導性・可逆性を得ることができるからである。
金属フッ化物としては、例えば、LiF,NiF2 ,CaF2 あるいはAlF3 が挙げられる。
フッ化黒鉛および金属フッ化物は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の隙間に存在していてもよいが、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部に被着していることが好ましい。フッ化黒鉛および金属フッ化物は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面近傍において機能すると考えられ、リチウムイオンの可逆性をより向上させることができるからである。
フッ化黒鉛および金属フッ化物を、リチウム遷移金属複合酸化物粒子に被着する方法としては、例えば、蒸着あるいはスパッタリングにより被着する方法、所定の金属などを被着したのちフッ素系のガスで処理する方法、電気化学的により被膜を形成する方法、あるいは特許3496414号公報に記載されたように、メカノケミカル法により被着する方法が挙げられる。
リチウム遷移金属複合酸化物粒子に対するフッ化黒鉛および金属フッ化物の割合(フッ化黒鉛と金属フッ化物との合計/リチウム遷移金属複合酸化物粒子)は、0.1mol%以上20mol%以下の範囲内であることが好ましい。割合が少ないと、リチウムイオンの可逆性改善効果が十分ではなく、割合が高いと、導電性が低下してしまうからである。
この正極材料は、例えば、次のようにして二次電池に用いられる。
(第1の二次電池)
図1は本実施の形態に係る正極材料を用いた第1の二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、電極反応物質としてリチウムを用い、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11の内部には、液状の電解質である電解液が注入されており、セパレータ23に含浸されている。電池缶11は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウムなどよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、本実施の形態に係る正極材料と、必要に応じて黒鉛などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んで構成されている。
また、正極活物質層21Bは、空隙を10体積%以上30体積%以下の範囲内で有することが好ましい。空隙が少ないと電解液の浸透性が低下してしまい、また、空隙が多いと、正極材料の充填量が少なくなってしまうからである。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、良好な電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて正極活物質層21Bと同様の結着剤を含んで構成されている。
なお、この二次電池では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量が、正極21の充電容量よりも大きくなっており、充電の途中において負極22にリチウム金属が析出しないようになっている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、リチウム金属に対して2.0V以下の電位でリチウムを吸蔵および放出することが可能な材料が好ましく挙げられる。電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるからである。具体的には、難黒鉛化性炭素,人造黒鉛,天然黒鉛,熱分解炭素類,コークス類,グラファイト類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維,活性炭あるいはカーボンブラックなどの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム,ホウ素,アルミニウム,ガリウム,インジウム,ケイ素,ゲルマニウム(Ge),スズ,鉛(Pb),ビスマス,カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛,ハフニウム(Hf),ジルコニウム,イットリウム,パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、更に、酸化鉄,酸化ルテニウム,酸化モリブデン,酸化タングステン,酸化チタンあるいは酸化スズなどの比較的卑な電位でリチウムを吸蔵および放出することが可能な酸化物、または窒化物などが挙げられる。
セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。
電解液は、例えば有機溶媒などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステル、あるいはプロピオン酸エステルが挙げられる。非水溶媒は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えばリチウム塩が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF6 ,LiBF4 ,LiAsF6 ,LiClO4 ,LiB(C6 5 4 ,LiCH3 SO3 ,LiCF3 SO3 ,LiClあるいはLiBrなどが挙げられる。
なお、この二次電池の完全充電時における開回路電圧(すなわち電池電圧)は4.20Vでもよいが、4.20Vよりも高く4.25V以上6.00V以下の範囲内になるように設計されていることが好ましい。電池電圧を高くすることによりエネルギー密度を大きくすることができると共に、本実施の形態によれば、正極材料におけるリチウムイオンの可逆性が向上されているので、電池電圧を高くしても、優れた特性を得ることができるからである。その場合、電池電圧を4.20Vとする場合よりも、同じ正極材料でも単位質量当たりのリチウムの放出量が多くなるので、それに応じて正極材料と負極活物質との量が調整される。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質層21Bは、例えば、正極材料と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型することにより形成する。
また、例えば、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成し負極22を作製する。負極活物質層22Bは、例えば、気相法、液相法、焼成法、または塗布のいずれにより形成してもよく、それらの2以上を組み合わせてもよい。なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法を用いることができ、具体的には、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法,レーザーアブレーション法,熱CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法あるいはプラズマCVD法等が利用可能である。液相法としては電解鍍金あるいは無電解鍍金等の公知の手法が利用可能である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法,反応焼成法あるいはホットプレス焼成法が利用可能である。塗布の場合には、正極21と同様にして形成することができる。
続いて、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1,2に示した二次電池が形成される。
この二次電池では、充電を行うと、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して、負極活物質層22Bに吸蔵される。次いで、放電を行うと、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。本実施の形態では、上述した正極材料を用いているので、リチウムイオンの可逆性が向上しており、高温環境下または高電圧下においても、優れた特性が得られる。
(第2の二次電池)
図3は本実施の形態に係る正極材料を用いた第2の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図4は図3に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体30は、一対の正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有しており、負極34は、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有している。正極集電体33A,正極活物質層33B,負極集電体34A,負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、それぞれ上述した正極集電体21A,正極活物質層21B,負極集電体22A,負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層36は高いイオン伝導率を得ることができると共に、漏液を防止することができるので好ましい。電解液の構成は、第1の二次電池と同様である。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。高分子化合物には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極33および負極34を第1の二次電池と同様にして製造したのち、正極33および負極34のそれぞれに、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。そののち、正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aに負極リード32を取り付ける。次いで、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図3,4に示した二次電池が完成する。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述したようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付けたのち、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、必要に応じて重合開始剤あるいは重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を外装部材40の内部に注入し、外装部材40の開口部を密封する。そののち、必要に応じて熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成し、図3,4に示した二次電池を組み立てる。
この二次電池は、第1の二次電池と同様に作用する。
このように本実施の形態によれば、正極21に、リチウムと遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含む正極材料を含有するようにしたので、リチウムイオンの可逆性を向上させることができ、高温環境下においても、または充電電圧を高くしても、優れた電池特性を得ることができる。
また、リチウム遷移金属複合酸化物粒子に対するフッ化黒鉛および金属フッ化物の割合を0.1mol%以上20mol%以下とするようにすれば、あるいはフッ化黒鉛および金属フッ化物を、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部に被着するようにすれば、あるいはリチウム遷移金属複合酸化物粒子にフッ素を含むようにすれば、より高い効果を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1)
まず、正極材料を次のようにして作製した。市販の硝酸ニッケルと、硝酸コバルトとを、ニッケルとコバルトとの比率(ニッケル:コバルト)が0.2:0.8のモル比となるように混合した水溶液を、十分に攪拌しながらアンモニア水を滴下し、複合水酸化物粉末を得た。次いで、この複合水酸化物粉末と、水酸化リチウム粉末とを混合して混合水酸化物粉末としたのち、電気炉を用いて、900℃で7時間加熱し、粉砕してリチウム遷移金属複合酸化物粉末を得た。得られたリチウム遷移金属複合酸化物粉末について、蛍光X線分析を行なったところ、Li1.01Ni0.20Co0.801.98の組成を有することが確認された。また、レーザー回折法により粒径を測定したところ、平均粒径は約12μmであった。更に、X線回折測定を行ったところ、ICDD50−0653に記載のLiCoO2 の回折パターンに類似しており、LiCoO2 と同様の層状岩塩構造を形成していることが確認された。更にまた、SEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)により観察したところ、0.1μm〜5μmの一次粒子が凝集した球状の粒子が確認された。続いて、このリチウム遷移金属複合酸化物粉末と、市販のフッ化黒鉛と、フッ化リチウム(LiF)とを自動乳鉢により混合し、150℃で乾燥して正極材料を作製した。フッ化リチウムおよびフッ化黒鉛の混合量は、リチウム遷移金属複合酸化物粉末に対して、それぞれ3mol%とした。
作製した正極材料を用い、図1,2に示した二次電池を作製した。まず、作製した正極材料86質量%と、導電剤としてグラファイト10質量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン4質量%とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤を溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に塗布し乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層21Bを形成することにより正極21を作製した。そののち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、負極活物質として人造黒鉛粉末90質量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合して負極合剤を調製したのち、この負極合剤を溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の負極合剤スラリーとし、この負極合剤スラリーを、厚み10μmの銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に塗布し乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極活物質層22Bを形成することにより負極22を作製した。その際、正極材料と負極活物質との量を調整し、完全充電時における開回路電圧が4.40Vであり、かつ、負極22の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるように設計した。次いで、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、多孔性ポリオレフィンフィルムよりなるセパレータ23を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこの積層体を渦巻状に多数回巻回し、巻回電極体20を作製した。次いで、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、熱感抵抗素子16と共に巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納し、電池缶11の内部に電解液を注入した。電解液には、炭酸エチレンと炭酸エチルメチルとを等体積比で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1.0mol/lとなるように溶解させたものを用いた。そののち、ガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、外径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を得た。
実施例1−1に対する比較例1−1〜1−3として、フッ化黒鉛とフッ化リチウムとを用いなかったことを除き、またはフッ化リチウムのみを用いなかったことを除き、またはフッ化黒鉛のみを用いなかったことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
実施例1−1および比較例1−1〜1−3の二次電池について、45℃で充放電を行い、高温における初期容量およびサイクル維持率を調べた。充電は、電流値1000mA,充電上限電圧4.40V、充電時間2.5時間の条件で行い、放電は、電流値800mA、終止電圧2.75Vの条件で行った。初期容量は、1サイクル目の放電容量とした。また、サイクル維持率は、1サイクル目に対する100サイクル目の放電容量維持率、すなわち、(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100%から求めた。結果を表1に示す。
Figure 2007103119
表1から分かるように、リチウム遷移金属複合酸化物と、フッ化黒鉛と、フッ化リチウムとを混合した実施例1−1によれば、フッ化黒鉛およびフッ化リチウムを混合しなかった比較例1−1、あるいはフッ化リチウムを混合しなかった比較例1−2、あるいはフッ化黒鉛を混合しなかった比較例1−3よりも、初期容量およびサイクル維持率が向上した。
すなわち、正極材料として、リチウム遷移金属複合酸化物と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを用いるようにすれば、高温環境下においても、あるいは充電電圧を高くしても、優れた電池特性を得ることができることが分かった。
(実施例2−1)
メカノケミカル法により、リチウム遷移金属複合酸化物粉末に、フッ化黒鉛およびフッ化リチウムを被着させて正極材料を作製したことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。正極材料をSEMにより観察したところ、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面に、フッ化黒鉛とフッ化リチウムとが均一に被着している様が確認された。
実施例2−1に対する比較例2−1として、フッ化黒鉛を用いなかったことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。
実施例2−1および比較例2−1の二次電池について、実施例1−1と同様にして、高温における初期容量およびサイクル維持率を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2007103119
表2から分かるように、実施例1−1と同様に、リチウム遷移金属複合酸化物に、フッ化黒鉛とフッ化リチウムとを被着した正極材料を用いた実施例2−1によれば、フッ化黒鉛およびフッ化リチウムを用いなかった比較例1−1、あるいはフッ化リチウムを用いなかった比較例1−2、あるいはフッ化黒鉛を用いなかった比較例1−3,2−1よりも、初期容量およびサイクル維持率が向上した。また、リチウム遷移金属複合酸化物粒子に、フッ化黒鉛およびフッ化リチウムを被着させた正極材料を用いた実施例2−1によれば、リチウム遷移金属複合酸化物と、フッ化黒鉛と、フッ化リチウムとを混合した正極材料を用いた実施例1−1よりも、サイクル維持率が向上した。
すなわち、リチウム遷移金属複合酸化物粒子に、フッ化黒鉛とフッ化リチウムとを被着するようにすれば、好ましいことが分かった。
(実施例3−1〜3−3)
Li1.01Ni0.20Co0.801.98に代えて、他のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。その際、リチウム遷移金属複合酸化物は、実施例3−1ではLiCoO2 とし、実施例3−2ではLi1.02Ni0.70Co0.301.98とし、実施例3−3ではLi1.01Ni0.20Co0.801.98とLi1.03Ni0.35Co0.30Mn0.351.97とを、Li1.01Ni0.20Co0.801.98:Li1.03Ni0.35Co0.30Mn0.351.97=80:20の質量比で混合したものとした。また、LiCoO2 は、市販の酸化コバルトと、炭酸リチウムとを混合し、950℃で7時間焼成して作製した。更に、Li1.02Ni0.70Co0.301.98は、硝酸ニッケルと硝酸コバルトとの比率を変更したことを除き、他は実施例1−1と同様にしてリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。更に、Li1.03Ni0.35Co0.30Mn0.351.97は、硝酸ニッケルおよび硝酸コバルトに加え、更に硝酸マンガンを用い、これらを所定の割合となうように混合した水溶液を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にしてリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。更にまた、実施例3−3においては、Li1.03Ni0.35Co0.30Mn0.351.97は、Li1.01Ni0.20Co0.801.98と、フッ化黒鉛と、フッ化リチウムとを自動乳鉢により混合して作製した正極材料を用いて正極合剤を作製する際に混合した。なお、実施例3−3において作製した正極21について、X線回折測定およびTOF−SIMS(Time Of Fright-Secondary Ion Mass Spectroscopy;飛行時間型二次イオン質量分析)により分析したところ、フッ化黒鉛とフッ化リチウムとが確認された。
実施例3−1〜3−3の二次電池について、実施例1−1と同様にして、高温における初期容量およびサイクル維持率を調べた。結果を表3に示す。
Figure 2007103119
表3から分かるように、実施例1−1と同様に、他のリチウム遷移金属複合酸化物を用いた実施例3−1〜3−3によれば、サイクル維持率が向上した。
すなわち、他のリチウム遷移金属複合酸化物を用いても、フッ化黒鉛と金属フッ化物とを用いるようにすれば、高温環境下においても、あるいは充電電圧を高くしても、優れた電池特性を得ることができることが分かった。
(実施例4−1〜4−5)
リチウム遷移金属複合酸化物粉末に対するフッ化リチウムおよびフッ化黒鉛の混合量を変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして正極材料および二次電池を作製した。フッ化リチウムおよびフッ化黒鉛の混合量は、リチウム遷移金属複合酸化物粉末に対して、実施例4−1ではそれぞれ20mol%とし、実施例4−2ではそれぞれ10mol%とし、実施例4−3ではそれぞれ5mol%とし、実施例4−4ではそれぞれ1mol%とし、実施例4−4ではそれぞれ0.05mol%とした。
実施例4−1〜4−5の二次電池について、実施例1−1と同様にして、高温における初期容量およびサイクル維持率を調べた。結果を表4に示す。
Figure 2007103119
表4から分かるように、初期容量は、リチウム遷移金属複合酸化物粉末に対するフッ化リチウムおよびフッ化黒鉛の混合量が多くなるに伴い、低下する傾向が観られた。また、サイクル維持率は、リチウム遷移金属複合酸化物粉末に対するフッ化リチウムおよびフッ化黒鉛の混合量が多くなるに伴い大きくなり、極大値を示したのち、低下してほぼ一定となった。
すなわち、リチウム遷移金属複合酸化物粉末に対するフッ化リチウムおよびフッ化黒鉛の混合量を0.01mol%以上20mol%以下とするようにすれば、好ましいことが分かった。
(実施例5−1)
Li1.01Ni0.20Co0.801.98に代えて、フッ素を含むリチウム遷移金属複合酸化物を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。その際、フッ素を含むリチウム遷移金属複合酸化物は、水酸化リチウム粉末全体における5mol%分をフッ化リチウムとしたことを除き、他は実施例1−1と同様にしてリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。作製したリチウム遷移金属複合酸化物について、蛍光X線分析を行なったところ、Li1.01Ni0.20Co0.801.940.05の組成を有することが確認された。
実施例5−1の二次電池について、実施例1−1と同様にして、高温における初期容量およびサイクル維持率を調べた。結果を表5に示す。
Figure 2007103119
表5から分かるように、フッ素を含むリチウム遷移金属複合酸化物を用いた実施例5−1によれば、フッ素を含まないリチウム遷移金属複合酸化物を用いた実施例1−1よりも、サイクル維持率が向上した。
すなわち、リチウム遷移金属複合酸化物にフッ素を含むようにすれば、好ましいことが分かった。
(実施例6−1〜6−3)
金属フッ化物としてのフッ化リチウムに代えて、フッ化ニッケル(NiF2 ),フッ化カルシウム(CaF2 ),またはフッ化アルミニウム(AlF3 )を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にして正極材料および二次電池を作製した。
実施例6−1〜6−3の二次電池について、実施例1−1と同様にして、高温における初期容量およびサイクル維持率を調べた。結果を表6に示す。
Figure 2007103119
表6から分かるように、実施例1−1と同様に、金属フッ化物としてフッ化ニッケル,フッ化カルシウム,あるいはフッ化アルミニウムを用いた実施例6−1〜6−3においても、初期容量およびサイクル維持率について共に高い値が得られた。
すなわち、他の金属フッ化物を用いても、リチウム遷移金属複合酸化物とフッ化黒鉛とを用いるようにすれば、高温環境下においても、あるいは充電電圧を高くしても、優れた電池特性を得ることができることが分かった。
(実施例7−1〜7−5)
正極材料の量と負極活物質の量とを調整し、完全充電時のおける開回路電圧が実施例7−1では4.60V、実施例7−2では4.50V、実施例7−3では4.30V、実施例7−4では4.25V、実施例7−5では4.20Vとなるように設計したことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
実施例7−1〜7−5に対する比較例7−1〜7−6として、フッ化黒鉛とフッ化リチウムとを用いなかったことを除き、またはフッ化リチウムのみを用いなかったことを除き、またはフッ化黒鉛のみを用いなかったことを除き、他は実施例7−1または実施例7−5と同様にして二次電池を作製した。なお、完全充電時のおける開回路電圧は、比較例7−1〜7−3では4.60V、比較例7−4〜7−6では4.20Vである。
実施例7−1〜7−5および比較例7−1〜7−6の二次電池について、実施例1−1と同様にして、高温における初期容量およびサイクル維持率を調べた。その際、充電上限電圧を、実施例7−1および比較例7−1〜7−3では4.60V、実施例7−2では4.50V、実施例7−3では4.30V、実施例7−4では4.25V、実施例7−5および比較例7−4〜7−6では4.20とした。結果を表7に示す。
Figure 2007103119
表7から分かるように、完全充電時のおける開回路電圧を4.60Vまたは4.20Vとしても、実施例1−1と同様に、それぞれサイクル維持率が向上した。また、サイクル維持率改善の効果は、完全充電時のおける開回路電圧を4.20V超とした実施例1−1,7−1において、特に高かった。更に、完全充電時のおける開回路電圧を4.50V、4.30V、または4.25Vとした実施例7−2〜7−4においても、同様にサイクル維持率が向上した。
すなわち、完全充電時のおける開回路電圧を4.25V以上6.00V以下の範囲内とするようにした場合に、高い効果が得られることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態または実施例では、液状の電解質である電解液、または電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する固体電解質、または固体電解質とゲル状の電解質あるいは電解液とを混合したものが挙げられる。
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。このとき、高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートあるいはポリアクリレートなどのエステル系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
また、上記実施の形態および実施例では、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池について説明したが、本発明は、負極活物質にリチウム金属を用い、負極の容量が、リチウムの析出および溶解による容量成分により表されるいわゆるリチウム金属二次電池、または、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表されるようにした二次電池についても同様に適用することができる。
更に、上記実施の形態および実施例では、巻回構造を有する二次電池について説明したが、本発明は、正極および負極を折り畳んだりあるいは積み重ねた他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、いわゆるコイン型、ボタン型、シート型あるいは角型などの他の形状を有する二次電池についても適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る正極材料を用いた第1の二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る正極材料を用いた第2の二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図3で示した巻回電極体のI−I線に沿った断面図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構,15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33…正極、21A,33A…正極集電体、21B,33B…正極活物質層、22,34…負極、22A,34A…負極集電体、22B,34B…負極活物質層、23,35…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質層、37…保護テープ、40…外装部材、41…密着フィルム。

Claims (13)

  1. リチウム(Li)と遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含むことを特徴とする正極材料。
  2. 前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子に対する前記フッ化黒鉛および前記金属フッ化物の割合(フッ化黒鉛と金属フッ化物との合計/リチウム遷移金属複合酸化物粒子)は、0.1mol%以上20mol%以下であることを特徴とする請求項1記載の正極材料。
  3. 前記フッ化黒鉛および前記金属フッ化物は、前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部に被着していることを特徴とする請求項1記載の正極材料。
  4. 前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子は、フッ素(F)を含んでいることを特徴とする請求項1記載の正極材料。
  5. リチウム(Li)と遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含む正極材料を含有することを特徴とする正極。
  6. 前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子に対する前記フッ化黒鉛および前記金属フッ化物の割合(フッ化黒鉛と金属フッ化物との合計/リチウム遷移金属複合酸化物粒子)は、0.1mol%以上20mol%以下であることを特徴とする請求項5記載の正極。
  7. 前記フッ化黒鉛および前記金属フッ化物は、前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部に被着していることを特徴とする請求項5記載の正極。
  8. 前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子は、フッ素(F)を含んでいることを特徴とする請求項5記載の正極。
  9. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記正極は、リチウム(Li)と遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物粒子と、フッ化黒鉛と、金属フッ化物とを含む正極材料を含有する
    ことを特徴とする電池。
  10. 前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子に対する前記フッ化黒鉛および前記金属フッ化物の割合(フッ化黒鉛と金属フッ化物との合計/リチウム遷移金属複合酸化物粒子)は、0.1mol%以上20mol%以下であることを特徴とする請求項9記載の電池。
  11. 前記フッ化黒鉛および前記金属フッ化物は、前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面の少なくとも一部に被着していることを特徴とする請求項9記載の電池。
  12. 前記リチウム遷移金属複合酸化物粒子は、フッ素(F)を含んでいることを特徴とする請求項10記載の電池。
  13. 一対の正極および負極当たりの完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下の範囲内であることを特徴とする請求項10記載の電池。
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