JP3565272B2 - Li二次電池用の負極材料、それを用いた負極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Liイオン電池,ゲル電解質型Liポリマ電池,真性電解質型Liポリマ電池などLi二次電池用の新規な負極材料とそれを用いた容量密度の高い負極に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノートパソコンや携帯電話などの各種電気・電子機器の電源としてLi二次電池が広く用いられているが、これら電気・電子機器に対する小型化・軽量化の要求が強まっていることに伴って、Li二次電池に対しても、小型化と高容量化の要求が強まっている。
【0003】
ところで、現行のLi二次電池の負極は、その殆どが、黒鉛などの炭素材料を例えばフッ素系の結着剤と混合して成るペーストを、Cu箔,Ni箔,ステンレス鋼の箔のような金属集電体に塗工して製造されたものである。
負極材料として用いられる炭素材料は、例えば黒鉛の場合、その結晶構造は、炭素原子の共有結合によって形成された六員環構造が平面的に広がって1つの平面層を構成し、この層がファン・デア・ワールスの力によって所定の間隔を置いて積層した層状構造になっている。そして、上記した層間距離は、理論的には0.3354nmになっている。
【0004】
このような結晶構造の黒鉛をLi二次電池の負極材料として使用した場合、充電時にあっては、電解質や正極から供給され、そのイオン半径が約0.1nm程度であるLiイオンが、上記した黒鉛結晶の層間に侵入し、そこに、例えばLiC6の形態で吸蔵される。そして、放電時にあっては、上記した吸蔵LiはLiイオンとなって層間から電解質へ放出される。充放電時に供給・放出される電子は集電体で集電される。
【0005】
黒鉛の場合、その層状構造における層間距離はLiイオンの半径に対して適切な大きさであり、また層間引力は比較的弱いファン・デア・ワールス力であるため、上記したLiイオンの吸蔵・放出に伴う層状構造の膨張,収縮に対する耐性が良好である。そのため、充放電サイクルを多数回反復しても、層状構造の崩壊という問題は起こりづらく、長期に亘って負極材料としての機能を維持する。
【0006】
このようなことから、現行のLi二次電池の負極材料としては、殆ど、黒鉛を代表例とする炭素材料が使用されている。
しかしながら、他方では、炭素材料は、その容量密度(LiC6:理論容量372mAh/g)が必ずしも高い値であるとはいえず、最近の高容量化の要求に対しては充分に対応できないという問題がある。
【0007】
そのため、炭素材料に比べて容量密度が高い金属系の材料で負極材料を製造する研究が従来から行われている。
例えば、金属Liは、その容量密度(Li:理論容量3860mAh/g)が最も高い材料である。しかしながら、この金属Liの場合、充電時にデンドライトとなって負極に析出するが、現在までのところ、このデンドライト析出を抑制するなどの問題が未解決の状態にある。そのため、いまだ実用化の目途は立っていない。
【0008】
また、容量密度が高い材料としては、Al(LiAl:理論容量993mAh/g)やSn(Li4.4Sn:理論容量994mAh/g)などが知られている。例えば、特開2001−68094号公報では、Snの負極材料が開示されている。これらの金属系材料は、炭素材料に比べると確かに容量密度が2.6倍強と高いとはいえ、その結晶構造は炭素材料のような層状構造ではない。そのため、充放電サイクルを多数回反復しているうちに、Liイオンの吸蔵・放出に伴う結晶構造の膨張・収縮によって、比較的短時間で、当該結晶構造が次第に崩壊し、粉粒体になって集電体から脱落して電解質中に分散し、電池劣化を招くという問題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、Li二次電池における従来から知られている負極材料に関する上記した問題を解決することができる新規な負極材料とそれを用いた負極の提供を目的とする。
具体的には、金属または合金であるため、炭素材料の場合に比べて容量密度は高く、しかし金属または合金であるにもかかわらず、炭素材料の場合と同等の充放電サイクル寿命を有している負極材料とそれを用いた負極の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、Liイオンを吸蔵・放出する金属または合金から成る活性層と、Liイオンを吸蔵・放出しない金属または合金から成る集電層とが、交互に積層されている積層構造体を基本単位として含むことを特徴とする、Li二次電池用の負極材料が提供される。
【0011】
また、本発明においては、上記した負極材料の粉末と結着剤との混合物が、集電体の片面または両面に塗工されていることを特徴とする、Li二次電池用の負極が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明の負極材料の開発を可能にした材料の設計思想について説明する。
1)炭素材料の層状構造において、電気化学的にLiイオンの吸蔵・放出が起こる場は、炭素原子の共有結合で形成されている平面層の間に位置する層間である。平面層それ自体では電気化学的なLiイオンの吸蔵・放出は起こらない。
【0013】
すなわち、炭素材料の場合、Liイオンを吸蔵・放出する場と、Liイオンの吸蔵・放出をしない場(平面層)とが交互に積層した層状構造になっている。このことにより、Liイオンの吸蔵・放出に伴う層状構造の膨張・収縮が緩和され、それが良好な充放電サイクル寿命として発現する。
しかしながら、一方では、炭素材料の容量密度はそれ程高くないという問題がある。
【0014】
2)ところで、高い容量密度を得ようとする場合には、AlやSnのように、Liイオンを吸蔵・放出する金属材料を用いることが有利である。
しかしながら、金属材料の場合、一般に、単独でその結晶構造を炭素材料のような前記した機能を有する層状構造にすることは事実上不可能である。仮に、炭素材料のような層状構造、すなわち、Liイオンを吸蔵・放出する場とLiイオンを吸蔵・放出しない場が交互に積層されている層状構造を金属材料で形成することができれば、その材料は、容量密度は高く、しかも炭素材料のように充放電サイクル寿命特性が良好な材料として機能し得るものと考えられる。
【0015】
3)ところで、金属材料には、電気化学的にLiイオンを吸蔵・放出しない、すなわちLiと合金化しない材料も存在する。
したがって、電気化学的にLiイオンを吸蔵・放出する金属材料の薄層と、電気化学的にLiイオンを吸蔵・放出しない金属材料の薄層とを交互に積層すれば、得られる積層構造体は、炭素材料の場合と同じような機能を発揮するのではないかと考えられる。しかも、その積層構造体の場合、Liイオンを吸蔵・放出する層は金属材料で構成されているので、容量密度は炭素材料の場合に比べて高くなるはずである。
【0016】
また、Liイオンの吸蔵に伴う膨張・収縮により、Liイオンを吸蔵・放出する金属材料が粉粒化した場合であっても、その薄層は、Liイオンを吸蔵・放出しない、すなわち、膨張・収縮に伴う粉粒化を起こさない別の金属材料の薄層で挟み込まれているので、発生した粉粒体が電解質に分散して電池劣化を招くという事態は抑制されるものと考えられる。
【0017】
以上の着想と考察に基づき、本発明者は、上記した両薄層を構成する金属材料の種類と互いの組み合わせ、両薄層の厚み、また上記積層構造体の形成方法などにつき鋭意研究を重ねた結果、上記した構成の負極材料と、それを用いた負極を開発することに成功した。
まず、本発明の負極材料について詳細に説明する。
【0018】
本発明の負極材料の基本単位である積層構造体の1例A0を図1に示す。
この積層構造体A0は、Liイオンを吸蔵・放出する金属材料から成る層1と、Liイオンを吸蔵・放出しない金属材料から成る層2とを交互に積層した構造になっている。そして、図1における最下層と最上層は、いずれも、Liイオンを吸蔵・放出しない金属材料の層2で構成されている。
【0019】
なお層1は、Liイオンを吸蔵・放出することにより全体の電池反応を可能にする活性な層という意味で、以後、活性層といい、また層2は、Liイオンを吸蔵・放出しないが導電性を備えており、そして活性層1で生成した電子を集電する層という意味で、以後、集電層という。
この積層構造体A0を負極材料として使用した場合、充電時には、各活性層1にLiイオンが吸蔵される。そして、放電時には、活性層1から、そこに吸蔵されていたLiイオンが放出され、そのときに各活性層1に供給または生成した電子は、各活性層それ自体で導電するだけではなく、各活性層1に隣接する集電層2で集電される。
【0020】
上記した充放電サイクルが反復する過程で、活性層1の膨張・収縮によって当該活性層を構成する金属材料の粉粒化が起こる。しかしながら、積層構造体A0では、活性層1はその両面に積層されている集電層2で挟み込まれており、かつ集電層2は充放電サイクルの過程で粉粒化せずに金属薄層のままの状態にあるので、活性層1の粉粒化が起こってもその粉粒体が電解質に分散するという事態は、集電層2が1種の防護壁となることによって抑制される。
【0021】
この積層構造体A0において、活性層1を構成する金属材料としては、Liイオンを吸蔵・放出するものであれば何であってもよく、格別限定されるものではなく、例えば、Sn,Zn,Ag,Alなどの金属や、Cu−Sn合金などをあげることができる。
また、集電層2を構成する金属材料はLiイオンを吸蔵・放出しないものであればよく、例えば、Cu,Ni,Fe,ステンレス鋼などをあげることができる。
【0022】
活性層1の厚みが100μmを超えると、Liイオンの吸蔵・放出が反復する過程で粉粒化が起こりやすくなるので、厚みの上限は100μm以下に設定することが好ましい。10nm〜10μmであることが実用的である。
一方、集電層2の厚みは格別限定されるものではないが、負極材料としての強度確保という点では厚い方が有効である。しかし、容量密度の点からいえばできるだけ薄い方が有利である。電池の要求特性や用いる金属材料の種類によって厚みは適宜に設定されるが、概ね、0.1nm〜100μm程度であればよい。好ましくは、10nm〜100μmである。
【0023】
また、積層構造体A0における活性層1と集電層2の層数は格別限定されるものではない。しかし、上記した説明からも明らかなように、1つの活性層とその両面に積層された2つの集電層を最小単位としていなければならない。
この積層構造体A0は、例えば、真空蒸着法,圧延箔の積層法,電気めっき法などを適用して製造することができる。
【0024】
例えば真空蒸着法の場合、薄いCu箔を全体の集電体として用意し、このCu箔の上に、PVD法やCVD法により、Sn層(活性層),Cu層(集電層)を交互に所望の層数だけ積層し、最後に集電層であるCu層を積層して目的とする積層構造体A0を製造することができる。
圧延箔の積層法を適用する場合も、Cu箔とSn箔を交互に積層し、最後にCu層を積層したのち全体をプレス成形して密着させることによって製造することができる。
【0025】
しかしながら、上記した方法は、各層の厚みを薄くして、しかも積層する層数を多くする場合には多大の工数が必要である。その点からいえば、電気めっき法は少ない工数で積層構造の形成が可能であるが、活性層と集電層の金属材料の種類が異なるため、各層の反復形成にはやはり多大な工数が必要となる。
このようなことからすると、積層構造体A0の製造に際しては、パルスめっき法を適用することが好適である。1種類の電解液で活性層と集電層を交互に連続的に積層することができるからである。
【0026】
例えば、活性層をCu−Sn合金で形成し、集電層をCu層で形成する場合、電解液として硫酸,硫酸銅,硫酸すずを主成分とする水溶液を用い、作用極(カソード)にステンレス鋼,Ti,Cuなどを用い、対極(アノード)に鉛を用い、一定時間ごとに通電電流や通電電位を切り替えることにより、カソード上にCuめっき層とCu−Sn合金めっき層を交互に積層することができる。その場合、それぞれのめっき時間を適宜に選定することにより、めっき層の厚みを任意に変化させることができる。
【0027】
また、電解銅箔の製造時に使用している電解ドラム(Tiやステンレス鋼など)をカソードとし、Pbなどの不溶性電極をアノードとして組み合わせ、上記したパルスめっき法を適用すれば、本発明の積層構造体を連続して製造することができる。
ところで、図1で示した積層構造体A0の場合、最下層と最上層はいずれもLiイオンを吸蔵しない集電層である。したがって、この積層構造体A0の周囲に電解質が存在していたとしても、Liイオンはこの積層構造体A0の厚み方向からは活性層に吸蔵されないし、したがって活性層から放出されることはない。
【0028】
Liイオンの活性層への吸蔵と活性層からの放出、換言すれば、電解質と活性層との間のLiイオンの授受反応は、活性層が表出している箇所、すなわち、図1の積層構造体A0の4つの側面でのみ進行する。そのため、図1で示した積層構造体A0のままでは、活性層は有効に活用されていないことになる。
そこで、この積層構造体A0を負極材料として実用化するためには、活性層と電解質との接触面積を広げて両者間におけるLiイオンの授受反応を促進することが必要である。
【0029】
そのために、本発明においては、積層構造体A0に次のような処置が施されたのち、負極材料として実使用される。
第1の処置は、積層構造体A0の厚み方向に、例えばニードルパンチング加工,エキスパンド加工,エンボス加工などの手段を講じて積層体の内部にまで至る多数の微小クラックを形成する処置である。このような処置を施すことにより、微小クラッチから積層構造体A0の内部にまで電解質が侵入して活性層における電解質との接触面積が実効的に増加する。
【0030】
第2の処置は、積層構造体A0を粉砕して粉末化する処置である。この処置により、現行の炭素材料の場合と同じように、表出する活性層の面積は増加して電解質との接触面積は著しく増加する。
これら処置のうち、後者の粉砕処置は、作業が簡便であり、また活性層と電解質との接触面積は大幅に増量するという点で有効である。
【0031】
本発明の負極は、上記した負極材料と例えばフッ素系樹脂の結着剤を所定の量比で混合し、その混合物を例えばCu箔の集電体に塗工して製造される。
その場合、上記した負極材料(積層構造体)の金属材料は易酸化性であるため、その表面酸化を防ぐために、実使用に先立ち、例えばクロム酸溶液に浸漬したのち水洗して、表面に防錆皮膜を形成しておくことが好ましい。
【0032】
【実施例】
1)負極材料の製造
下記の条件でパルスめっきを行った。
電解液:H2SO4 1mol/L,SnSO4 1mol/L,CuSO4 0.1mol/L,液温40℃、
作用極(カソード):縦22cm,幅35cm,厚み1mmのTi板(有効面積は500cm2)、
対極(アノード):縦22cm,幅35cm,厚み5mmのPb板(不溶性電極)、
パルス通電の態様:パルス通電時間はT1(1秒),T2(5秒)の2種類とし、パルス時間T1のときの電流密度は1A/dm2,パルス時間T2のときの電流密度は5A/dm2に設定。
【0033】
そして、上記パルス通電を120回反復。
上記したパルスめっきを行ったのち、Ti板から析出物を剥離した。面積が約500cm2で厚みが10μm(平均値)のシートが得られた。
このシートの断面を走査電顕で観察したところ、シートは層状構造になっていて、パルス通電T1時の層はいずれも厚み約3nmであり、パルス通電T2時の層はいずれも厚み約80nmであった。
【0034】
また、シートからサンプルを採取し、その表面からEPMA分析を行ったところ、パルス通電T1時の層はほとんど純銅から成り、パルス通電T2時の層はCu−Sn合金から成り、そのSn含有率は約60質量%であった。
ついで、シートをカッタミルで粗粉砕し、更に振動ミルで粉砕して平均粒径3μmの粉末にした。その後、この粉末を濃度5%のクロム酸溶液に1分間浸漬し、水洗後乾燥して本発明の負極材料とした。
【0035】
2)Liイオン二次電池の組み立て
上記した粉末とフッ素系結着剤を重量比9:1で混合し、その混合物を、幅60mm,長さ600mmの圧延銅箔の両面にそれぞれ厚み40μmで塗工して本発明の負極を製造した。なお、上記塗膜におけるSnの割合は、約50質量%であった。
【0036】
一方、コバルト酸リチウム,フッ素系結着剤,黒鉛粉末を重量比8:1:1で混合し、その混合物を、幅60mm,長さ600mm,厚み20μmのアルミ箔の両面にそれぞれ厚み160μmで塗工して正極を製造した。
ついで、負極と正極の間にポリプロピレン製のセパレータを挟み込み、全体を渦巻状に巻回して直径18mm,高さ65mmの円柱極板を成形した。
【0037】
その円柱極板をステンレス鋼製の有底円筒容器に収容し、更に、電解質がLiBF4で、溶媒がエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの非水混合液である電解液を注入し、正・負極端子を取り出したのち封口して、電池容量2000mAhの円筒型Liイオン二次電池を組み立てた。
比較のために、負極材料が黒鉛粉末であり、負極の塗工厚みが100μm,正極の塗工厚みが100μmであったことを除いては実施例と同様の仕様で円筒型Liイオン二次電池を組み立てた。この電池を比較例1とする。
【0038】
また、負極材料が平均粒径3μmのCu−Sn合金粉末(Sn含有量は約55質量%)であったことを除いては、実施例と同様の仕様で円筒型Liイオン二次電池を組み立てた。この電池を比較例2とする。
3)特性
これら3種類の電池につき、電流2.0A(1C)で1時間の定電流充電を行ったのち、電池電圧4.2Vの定電圧充電を1.5時間行い、また放電は0.4A(0.2C)で行い、端子電圧が2.5Vにまで低下した時点で放電を停止する充放電サイクルを反復した。
【0039】
そして、5サイクル後の電池容量を測定し、また電池容量が初期容量の70%未満になるまでのサイクル数を計測し、その値を電池劣化までのサイクル数とした。そして、上記サイクル数が800サイクルを超える場合は、電池性能は良好であるとして充放電サイクル試験を停止した。
以上の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から明らかなように、本発明の負極材料を用いた実施例の電池は、現行の黒鉛材料を負極材料とする比較例1の電池に比べて、その電池容量は50%以上増加しており、しかもそのサイクル寿命は略同等である。
また、Cu−Sn合金を負極材料とする比較例2の電池は、比較例1の電池に比べてその電池容量が75%以上増加しているとはいえ、そのサイクル寿命は極度に劣化している。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の負極材料は、現行の黒鉛材料を用いた場合と対比して、電池容量の大幅な増加を可能にし、同時に略同等のサイクル寿命特性を保障している。
したがって、高容量化,小型化が強く求められているLi二次電池用の負極材料として有用であり、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負極材料の1例を示す概略図である。
【符号の説明】
A0 積層構造体
1 Liイオンを吸蔵・放出する金属材料の層(活性層)
2 Liイオンを吸蔵・放出しない金属材料の層(集電層)
Claims (8)
- Liイオンを吸蔵・放出する金属または合金から成る活性層と、Liイオンを吸蔵・放出しない金属または合金から成る集電層とが、交互に積層されている積層構造体を基本単位として含むことを特徴とする、Li二次電池用の負極材料。
- 前記積層構造体の最外層は前記集電層になっている請求項1のLi二次電池用の負極材料。
- 前記活性層の厚みが10nm〜100μmであり、前記集電層の厚みが0.1nm〜100μmである、請求項1のLi二次電池用の負極材料。
- 前記活性層を構成する金属または合金が、Sn,Zn,Ag,Al,Cu−Sn合金である、請求項1〜3のいずれかのLi二次電池用の負極材料。
- 前記集電層を構成する金属または合金が、Cu,Ni,Fe,ステンレス鋼である、請求項1〜4のいずれかのLi二次電池用の負極材料。
- 前記積層構造体は、パルスめっき法で製造されている、請求項1〜5のいずれかのLi二次電池用の負極材料。
- 前記積層構造体の厚み方向には、複数個の亀裂が形成されている、請求項1〜6のいずれかのLi二次電池用の負極材料。
- 請求項1〜6のいずれかの負極材料の粉末と結着剤との混合物が、集電体の片面または両面に塗工されていることを特徴とする、Li二次電池用の負極。
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