JP4875947B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両のシートベルト装置に関し、特に、ロック機構によるロック作動が行われたとき乗員保護拘束のための制御動作を中止する車両のシートベルト装置に関する。
車両の座席において乗員を保護するために装備されたシートベルト装置について、近年、緊急時や走行状態の不安定時に、ベルトによる乗員の拘束を行うことにより、姿勢変化を抑止する技術が実用に供されている。
シートベルト装置を開示する先行技術としては、下記の特許文献1,2に記載されたシステムがある。特許文献1は、自車の状況を加味して制御を行い、乗員の拘束保護をいっそう効率よく行う乗員拘束保護システムを開示している。また特許文献2は、走行時に車体の横滑りや駆動輪の空転等が生じたときにシートベルト装置のプリテンショナを動作させ、乗員を有効に保護できるようにした乗員拘束保護システムを開示している。
また車両のシートベルト装置では、緊急時にはビークルセンサが作動してベルトの引出しを阻止するロック機構が設けられている。ロック機構に関連する先行技術文献として、ロック機構が作動してロック状態が生じたときに当該ロック状態を解除する方法を開示する特許文献3がある。特許文献3に開示される技術では、ベルトを締め付けるための可逆ベルト・プリテンショナを作動させた後にロック状態を解除するためには、ベルトリールのロック機構を、事前に規定された解除条件が満たされるまで作動させ、その後にロック解除の動作を行うようにする。
特開2004−291967号公報 特開2001−122081号公報 特許第3652683号公報
車両のシートベルト装置によれば、車両の緊急時や走行状態不安定時に、乗員を保護するようにベルトの引出しを阻止するため、リトラクタにおいて、引出し阻止方向にモータを通電駆動する。また車両の緊急時等では、状況に応じて、リトラクタに付設されたロック機構が動作することがある。車両の緊急時等にロック機構が作動してベルトリールとの間で係合状態が生じている時にはベルトリールが固定され、ベルトの引出し方向への回転が発生しない。このような状況において、シートベルト装置でベルト引出し阻止方向の制御を別途に行うことは、無駄な電力を消費することになる。
さらに、車両の緊急時等に、ロック機構の作動に加えてモータを作動させる時には、ロック機構のロック作動とモータによる作動とによってベルトの引出しを止められるため、衝撃を和らげる性能が低下することがある。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、車両の緊急時や走行状態不安定時に、ロック機構が作動してロック状態が生じたときには、リトラクタでのモータによるベルト引出し阻止動作の制御を停止し、無駄な通電による電力消費を低減し、省電力化および劣化防止を図ることができる車両のシートベルト装置を提供することにある。
本発明に係る車両のシートベルト装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1、3の車両のシートベルト装置(請求項1、3に対応)は、ベルトを巻き取るベルトリールと、このベルトリールを駆動してベルトを引き込みベルトリールに巻き取らせるモータとから構成される電気式プリテンショナを備え、さらに、車両の走行状態が所定の状態に変化したことを判定する走行状態判定手段と、車両の車体に所定の傾斜または加速度が作用したとき、ベルトリールの引出し方向への回転を阻止するロック機構と、ロック機構の作動状態を判定するロック作動判定手段と、走行状態判定手段から出力される信号に基づきモータへの通電量を制御する制御手段を備える。この制御手段は、走行状態判定手段から出力される信号を入力したときに所定の方法でモータを通電駆動すると共に、ロック作動判定手段から出力される信号がロック有効信号であるときにモータへの通電量を減少させる。
上記の車両のシートベルト装置では、車両の緊急時等にビークルセンサを含むロック機構(加速度に感応するロック機構)が作動した際には、ベルト引き込むためのモータへの通電量を減少させる。所定のベルト巻取り位置に乗員を保護する保持制御を行う車両のシートベルト装置で、ロック機構が作動したか否かを判定し、「作動あり」のときにはモータ動作による拘束保護制御を停止する。これにより、モータ通電量を最適にし、電力消費の無駄を省きモータの劣化を防ぐことが可能となる。またモータトルクが、ベルト引出し動作に対して対抗することを阻止できるので、緩衝性を高めることが可能となる。
の車両のシートベルト装置(請求項に対応)は、上記の構成において、更に、制御手段は、ロック作動判定手段から出力するロック有効信号が所定時間継続するとき、モータの通電を停止する。
第3の車両のシートベルト装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、更に、ベルトリールの巻取り位置を検知する巻取り位置検知手段を備え、この巻取り位置検知手段が所定以上の巻取りを検知した際に所定の方法での駆動を再開する。
の車両のシートベルト装置(請求項に対応)は、請求項1において、好ましくは、ベルトリールの巻取り位置を検知する巻取り位置検知手段を備え、この巻取り位置検知手段が所定以上の巻取りを検知した際に所定方法での駆動を再開する。
第4の車両のシートベルト装置(請求項4に対応)は、請求項1〜3のいずれか1項において、好ましくは、走行状態判定手段が走行状態の変化を検知した時、ロック作動判定手段での判定が有効であるときには、モータへの通電を禁止する。
本発明によれば、ロック機構を備えた車両のシートベルト装置で、車両の緊急時等にロック機構が作動してベルトの引出しが阻止されるときには、リトラクタのモータへの引出し阻止用のモータ通電量を低減または停止し、ロック作動時の無駄な通電をなくし、省電力化および劣化防止を達成することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1は運転席等におけるシートベルト装置の装備状態を示し、図2はシートベルト用のリトラクタの要部構成を示し、図3は車両のシートベルト装置の制御システムの全体的な構成を示す。
図1において、シートベルト装置10は、乗員11の身体を座席12に拘束するベルト(ウェビング)13を備える。ベルト13は、乗員11の上体を拘束するベルト部分13aと、乗員11の腰部を拘束するベルト部分13bとから成る。ベルト部分13bの一端はアンカープレート14により車室下部の車体部分に固定されている。ベルト部分13aは、乗員11の肩近傍の箇所に設けられたスルーアンカー15で折り返され、その端部はリトラクタ16のベルトリールに連結されている。ベルト13の他方の共通端部にはタングプレート17が取り付けられている。このタングプレート17は、座席12の下側縁部に固定されたバックル18に着脱自在である。バックル18には、タングプレート17の連結を検出するバックルスイッチ19が設けられている。
図2に、シートベルト用のリトラクタ16の要部構成を示す。リトラクタ16は、ハウジング21内に回転自在に設けられたベルトリール(スピンドル)22と、ベルトリール22を回転駆動するモータ23とを備える。ベルトリール22にはベルト13の上記ベルト部分13aの端部が結合され、ベルト部分13aはベルトリール22で巻き取られる。ベルトリール22の軸22aは動力伝達機構(ギヤ機構)24を介してモータ23の駆動軸23aに接続される。ベルトリール22は、動力伝達機構24を経由してモータ23で回転駆動される。またリトラクタ16は、ベルトリール22の軸22aに接続された巻取り位置検知部25を備える。
巻取り位置検知部25は、好ましくは回転角センサを利用して構成される。回転角センサには、例えば、磁気ディスクと2個のホールICとを組み合わせて成る磁気センサが利用される。この回転角センサの最小分解角度は例えば4°であり、ベルトの長さに換算すると1.3〜1.6mm程度である。なお巻取り位置検知部25としては、回転角センサの代わりに、ベルト長センサを用いることもできる。
巻取り位置検知部25は、回転角センサでベルトリール22の回転角を検出することにより、ベルトリール22によるベルト巻取り位置を検知する。巻取り位置検知部25から出力される検知信号は制御装置26に入力される。リトラクタ16の動作は、制御装置26によって制御される。制御装置26は、電源27からモータ23へ供給される駆動電流I1の通電量を通電量調整部28で制御することにより、リトラクタ16の動作を制御する。制御装置26により制御されるリトラクタ16は、乗員11の姿勢を保持するための電気式プリテンショナとして構成されている。座席12に乗車した乗員11は、車両の緊急時や走行状態の不安定時に、ベルト13による保護・拘束を受け、姿勢変化を抑止され、望ましい安全状態に保持される。
さらにシートベルト用のリトラクタ16において、上記ベルトリール22の軸22aの反対側の他方の端部には、車両走行の緊急事態の発生時にベルト13のベルト部分13aの急激な引出しを防止するロック機構100が付設される。車両走行の緊急事態が発生する場合とは、衝突や急制動等であり、それによって、車体に所定の傾斜が作用したり、あるいは車体に所定の加速度が作用する場合である。ロック機構100はよく知られた装置である。ロック機構100は、通常、機構本体部101とビークルセンサ(V/S)102とから構成される。機構本体部101は、ハウジングフレームの内部に、軸22aに結合されかつ軸22aと連動して回転自在に設けられたラチェットホイールと、ハウジングフレームに固定されているフレームギヤと、位置の変化に伴ってフレームギアと係合したりまたは係合解除されたりするロッキング要素とを内蔵している。またビークルセンサ102は、センサフレームにボール要素(ウェイト)とレバー要素(アクチュエータ)を備える。車体に加速度が生じたときに、ボール要素が感応してその位置が変化し、レバー要素を動作させ、レバー要素は上記ラチェットホイールの外周ツメと係合状態を作る機能を有している。
上記のロック機構100において、通常の状態ではロッキング要素とフレームギヤは係合しない状態になり、ロック状態では両者は係合する状態になる。また同様に、通常の状態ではラチェットホイールの外周ツメとビークルセンサ102のレバー要素とは係合しない状態になり、ロック状態では両者は係合する状態になる。
ロック機構100において、ビークルセンサ102によるロック条件(法規上)は、例えば0.45Gでは「50mm以下、または任意の2方向27°の傾きでロックすること」であり、0.7Gでは「25mm以下でロックすること」である。また機構のバラツキにより、ビークルセンサ102のロック解除可能な条件には、ベルト巻取り量に換算して±5mm程度の個体差がある。
ロック機構100がロック状態にあるか否かは、後述のごとくロック状態判定部によって判定される。
上記のシートベルト装置10およびリトラクタ16等は運転席側の装置であったが、助手席側にも同様なシートベルト装置およびリトラクタ等が装備されている。以下において「R側」は運転席側、「L側」は助手席側とする。
図3のブロック図を参照して、シートベルト装置10等の制御システムをハードウェアの観点から説明する。
図3において、制御装置26はCPUで構成される。制御装置26を含むブロック30は、シートベルトによって乗員11の姿勢を保持するための電気式プリテンショナユニットを示している。ブロック30では、制御装置(CPU)26の入力側に電源部31、車内ネットワーク(CAN)通信部32、回転角インターフェース(回転角I/F)部33、通信部34を備え、その出力側にR側モータ駆動制御部35、L側モータ駆動制御部36、記録部37を備えている。記録部37は、データや制御プログラムを格納するメモリである。
ブロック30の入力側には、シートベルト用リトラクタの一例として上記のリトラクタ16を示すブロックが設けられる。リトラクタ16は、前述した巻取り位置検知部25から出力される検知信号を制御装置26に送信するための回転角インターフェース(回転角I/F)部41を含む。回転角インターフェース部41は、ブロック30内の上記回転角インターフェース部33に接続され、回転角インターフェース部33に対して検知信号を送る。上記のリトラクタ16は運転席側および助手席側等のそれぞれについて設けられている。
ブロック30の入力側には、さらに、ACC(Adaptive Cruise Control)ユニット(障害物検知装置等の制御ユニット)42、VSA(Vehicle Stability Assist)ユニット(車両挙動安定化制御ユニット)43、FI/AT(Fuel Injection / Automatic Transmission)ユニット44、SRS(Supplement Restraint System)ユニット(補助拘束装置ユニット)45等が設けられている。これらの入力側要素の中には、車速センサ等の車両走行状態検出ユニットも含まれる。ACCユニット42、VSAユニット43、FI/ATユニット44等は車内ネットワーク46を介してそれらの出力信号を車内ネットワーク通信部32に供給する。SRSユニット45は、R側バックル47RおよびL側バックル47Lからの各信号を受けるSRS制御部45aと、通信部45bとを有している。ここでR側バックル47Rは運転席側の上記バックル17に相当し、L側バックル47Lは助手席側に装備されたシートベルト装置のバックルである。R側バックル47RおよびL側バックル47Lから出力される各信号は、内蔵されるバックルスイッチの検知信号である。SRS制御部45aは、R側バックル47RまたはL側バックル47Lからの信号を受けると、通信部45bを介してその信号をブロック30の通信部32に送信する。またSRSユニット45は、車両走行時にシートベルトが正規に使用されていない場合には、警告灯48に対して警告信号を供給する。
ブロック30の出力側には、R側モータ51とL側モータ52が設けられる。R側モータ51は、運転席側のシートベルト装置の駆動用モータであり、R側モータ駆動制御部35に対応して配置されている。R側モータ駆動制御部35は、制御装置26からの制御指令信号に基づいて上記の電源(+V)27からの通電量を制御してR側モータ51に対して駆動電流を供給する。なおブロック53は接地部である。またL側モータ52は、助手席のシートベルト装置の駆動用モータであり、L側モータ駆動制御部36に対応して配置されている。L側モータ駆動制御部36は、制御装置26からの制御指令信号に基づいて電源(+V)54からの通電量を制御してL側モータ52に対して駆動電流を供給する。またブロック55は接地部である。上記の接地部53,55は、車体の一部をなす接地端子である。
図4は、本実施形態に係るシートベルト装置10の制御システムの基本的な構成を概念的に示す機能ブロック図である。この制御システムは、主要素として、前述した巻取り位置検知部25と、ロック機構100によるロック状態の判定を行うロック状態判定部61と、車両走行状態判定部62と、シートベルト装置制御部63と、ベルト駆動部64とから構成されている。
ロック状態判定部61は、巻取り位置検知部25で検知されるベルトリール21の巻取り位置の変化に基づいて、ロック機構100における作動の状態がロック状態であるか否かを判定する。ロック状態判定部61は、前述の制御装置(CPU)26でロック状態判定プログラムを実施することにより、機能手段として実現される。
車両走行状態判定部62は、前述の制御装置(CPU)26の演算処理機能により実現され、前述の車両走行状態検知部から供給される検知信号を、予め用意された基準値と比較することにより自車の走行状態について判定処理を行う。車両走行状態判定部62で判定される車両走行状態は、車両の緊急作動状態および走行不安定状態を含むものである。なお車両走行状態検知部は、車体前後方向加速度センサ、車体左右方向(横方向)加速度センサ、車速センサ、舵角センサ、車輪速センサ、ロール角センサ、旋回方向センサなどの複数の各種センサのうちの少なくともいずれか1つを含む。なおこれらのセンサについては、少なくとも車内ネットワークを介して利用可能な状態にあればよい。
シートベルト装置制御部63、前述した制御装置(CPU)26の演算処理機能と、R側モータ駆動制御部35およびL側モータ駆動制御部36とから構成されるものである。またベルト駆動部64は、前述のリトラクタ16であり、より詳しくは前述のR側モータ51とL側モータ52である。
次に、図4に示された上記構成と、図5に示したフローチャートとに基づき、シートベルト装置制御部63等によって実施されるシートベルト装置10の特徴的な動作制御例を説明する。この例ではR側モータ51の例で説明する。
乗員11が座席12に座り、ベルト13を体に巻き付け、タングプレート17をバックル18(R側バックル47R)に結合すると、ベルト13が乗員11の体に装着される。このとき、バックルスイッチ19がオンする(ステップS11)。
乗員11の体にベルトが装着されたシートベルト装置10では、基本的な動作として、ステップS12で、乗員11の個人的な情報と設定情報とが取得される。乗員情報と設定情報は事前に用意されており、図3に示した記録部37に保存されているものとする。乗員情報としては、性別情報、体格情報等である。設定情報としては、乗員11の意思により好みとして設定された情報である。
次に続くステップS13,S14では、取得した乗員情報および設定情報に基づいて、R側モータ51を動作させ、ベルトリール22によるベルト巻取作動を行い(ステップS13)、シートベルト装着のフィット状態が良好になるまで(ステップS14)調整が行われる。判定ステップS14でYESと判定された場合には、基準位置が記憶される(ステップS15)。当該基準位置に係るデータは上記の記録部37に保存される。
次に、判定ステップS16において、車両の走行状態について変化があるか否かが判定される。判定ステップ16でNOである場合にはこの制御動作フローはすぐに終了し、YESである場合にはステップS17以降が実行される。
車両の走行状態の変化を確認する判定ステップS16は、車両走行中であってシートベルト装置10の適正な保持動作制御が要求されている間は、定期的に実行される。
判定ステップS16による判定は、車両走行状態検知部61と車両走行状態判定部62により行われる。判定ステップS16によって判定される車両走行状態の内容には種々のものが含まれる。「車両の走行状態」としては、例えば、横滑り、急減速等の緊急状態の他、やや大きな操舵操作・アクセル操作等の通常運転状態の変化が含まれる。また、乗員が左右に振られるような走行状態もある。例えば、横加速度が所定以上になった場合、所定以上のステアリング操作があった場合、または旋回中に車輪に空転が生じた場合等である。なお、上述のステアリング操作には、乗員によるものの他、自動操舵および外力による走向の変化も含まれる。
判定ステップS16において「車両の走行状態に変化あり」と判定されたとき(YES)には、通常では、当該車両の走行状態の変化に対応して予め設定されているシートベルト拘束状態に対応する目標位置の設定が行われるが、本実施形態の場合には、目標位置設定の前に緊急拘束が必要であるか否かが判定される(ステップS17)。
判定ステップS17でYESである場合には、ロック状態判定部61の判定内容に基づいて、ロック機構100が作動状態にあるか否かを判定する(判定ステップS18)。判定ステップS18でYESの場合には制御を終了し、NOである場合には緊急拘束のための拘束作動を実行し(ステップS19)、その後、制御を終了する。
判定ステップS17でNOである場合には、ステップS20に移行し、通常の目標位置設定の制御が行われる。ステップS20では、車両の走行状態の変化に対応して予め設定されているシートベルト拘束状態に対応する目標位置の設定を行う。通常の場合、車両の走行状態が不安定になり緊急状態が発生するので、ベルト拘束を高める方向で目標位置は設定される。ステップS20で目標位置が設定されると、当該目標位置に対応するようにR側モータ51の巻取り動作を制御する上でのモータ保持電流が決定される。
次のステップS21では、R側モータ51によるベルト巻取り量を変える保持電流の制御が開始される。
シートベルト装置10の基本的な動作例として、保持制御が実行されるとき、R側モータ51は所要の通電量で駆動され、これによりベルトリール22がベルト13のベルト部分13aを巻取り、当該ベルト部分13aをリトラクタ16に引き込む。R側モータ51の所要のモータ通電量を保持電流として維持することにより、ベルト巻取り量が望ましい目標位置に設定される。
ただし本実施形態に係る制御フローの場合には、ステップS21の後に、ロック機構100の作動があるか否かについての判定が行われる(判定ステップS22)。
判定ステップS22でNOである場合には、ステップS23〜S26で、目標位置に設定するための保持電流の制御が行われる。制御対象である保持電流で決まる「現在値」が「目標位置」と安定した状態で一致するまで制御が継続される。
判定ステップS23では、現在値が目標位置と一致しないか否かが判定される。判定ステップS23において現在値が目標位置と一致しないとき(YES)には、次の判定ステップS24に移行する。判定ステップS24では、現在値と目標位置との大小関係が判定される。現在値が目標位置よりも小さい場合にはモータ通電量を増加し(ステップS25)、現在値が目標値よりも大きい場合にはモータ通電量を減少する(ステップS26)。その後、判定ステップS27に移行する。
また上記の判定ステップS23において現在値が目標位置と一致するとき(NO)には、即座に判定ステップS27に移行する。
また上記の判定ステップS22でYESとなる場合には、既にロック機構100でロック状態が生じ、ベルトリール22の回転は阻止され、固定されているので、わざわざ目標位置に設定するための保持電流制御を行う必要はない。そこで、モータ通電量を減少させるかまたは停止する処理が行われる(ステップS28)。原則的にはモータ通電量は減少させることが好ましいが、ロック機構100によるロック作動状態が所定時間継続する場合には、モータ23への通電を停止することが好ましい。これによって、不要な電力消費を確実に防ぐと共に、モータ通電量減少直後においてリトラクタ16の引き込み方向への回転が発生してロック機構100によるロック状態が解除されることがあっても、急激なベルト引出しを許容することなく、乗員11を適切に保持することができる。
さらに、車両走行状態判定部62で走行状態に変化ありと判定されたときにおいて、ロック状態判定部61によってロック機構100によるロック作動状態が検知された時にはモータ23への通電を禁止するように構成することもできる。緊急な拘束が必要な場合であっても、ロック機構100が作動しているときには、ベルト13のそれ以上の引出しは生ぜず、また本実施形態に係るシートベルト装置10では事前にベルト13は弛みを除去された状態で保持制御されているので、それ以上のモータ通電量は不要となる。
その後のステップでは、ベルト13の巻取り位置について位置変化が所定値(Xth)以上に生じているか否かが判定される(判定ステップS29)。判定ステップS29でYESの場合には前述の判定ステップS24に移行し、現在値と目標位置との関係に応じてモータ通電量の増減制御が行われる(ステップS25,S26)。すなわち、巻取り位置検知部25で所定値(Xth)以上の巻取り量を検知したときには、モータ23への通電による保持電流制御を再開する。この場合には、ロック機構100によるロック状態が解除されたとして、通常の保持制御に戻ることになる。こうしてロック機構100によるロックが外れたとしても、適切に乗員11を保持・拘束することができる。
また、判定ステップS29でNOである場合には、前述の判定ステップS27に移行する。
判定ステップS27では、車両の走行状態が安定しているか否かが判定される。走行状態が安定していない場合にはステップS22に戻り、上記のステップS22〜S29が繰り返される。走行状態が安定しない間は、原則的に、ロック機構100によるロック作動がない場合には、現在値と目標位置を一致させる制御が行われる。またロック機構100によるロック作動がある場合には、モータ通電量が低減または停止され、不必要な保持制御を実質的に中止して無駄な電力消費を防止する。
判定ステップS27において走行状態が安定であると判定された場合には、次の判定ステップS30に移行する。判定ステップ30では、シートベルト装置10のリトラクタ16においてロック機構100が作動しているか否かが再び判定される。ロック機構100が作動していない場合にはエンド端子に移行し、ロック機構100が作動している場合にはロック解除制御(ステップS31)を実行した後にエンド端子に移行する。ステップS31でのロック解除制御は、モータ23を逆転することにより行われる。
車両走行中であってシートベルト装置10の適正動作制御が必要である場合に、上記の制御のプロセスが継続される。
上記のごとくしてR側モータ51を利用して成る電気式プリテンショナが構成される。この電気式プリテンショナによって、乗員11の位置および姿勢は適正に保持され、かつロック機構100が作動してベルトリール22が固定されている場合にはモータ23への通電量を低減または停止し、無駄な電力消費を防止し、モータの劣化を防止する。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、ロック機構を装備した車両のシートベルト装置で、車両の走行状態変化時でロック機構がロック作動しているときにはモータ通電量を低減等して不要な電力消費をなくすのに利用される。
車両におけるシートベルト装置の装着状態を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るシートベルト装置のリトラクタの要部構成を示す図である。 本実施形態に係るシートベルト装置の制御システムの全体構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るシートベルト装置の制御システムの要部構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るシートベルト装置の特徴的な制御フローを示すフローチャートである。
符号の説明
10 シートベルト装置
11 乗員
16 リトラクタ
22 ベルトリール
23 モータ
25 巻取り位置検知部
26 制御装置
61 ロック状態判定部
62 車両走行状態判定部
63 シートベルト装置制御部
100 ロック機構
101 機構本体部
102 ビークルセンサ

Claims (4)

  1. ベルトを巻き取るベルトリールと、このベルトリールを駆動して前記ベルトを引き込み前記ベルトリールに巻き取らせるモータとから構成される電気式プリテンショナを備えた車両のシートベルト装置であって、
    前記車両の走行状態が所定の状態に変化したことを判定する走行状態判定手段と、
    前記車両の車体に所定の傾斜または加速度が作用したとき、前記ベルトリールの引出し方向への回転を阻止するロック機構と、
    前記ロック機構の作動状態を判定するロック作動判定手段と、
    前記走行状態判定手段から出力される信号に基づき前記モータへの通電量を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記走行状態判定手段から出力される信号を入力したときに所定の方法で前記モータを通電駆動すると共に、前記ロック作動判定手段から出力される信号がロック有効信号であるときに前記モータへの通電量を減少させ、
    前記制御手段は、前記ロック作動判定手段から出力される前記ロック有効信号が所定時間継続するとき、前記モータの通電を停止することを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記ベルトリールの巻取り位置を検知する巻取り位置検知手段を備え、この巻取り位置検知手段が所定以上の巻取りを検知した際に前記所定の方法での駆動を再開することを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。
  3. ベルトを巻き取るベルトリールと、このベルトリールを駆動して前記ベルトを引き込み前記ベルトリールに巻き取らせるモータとから構成される電気式プリテンショナを備えた車両のシートベルト装置であって、
    前記車両の走行状態が所定の状態に変化したことを判定する走行状態判定手段と、
    前記車両の車体に所定の傾斜または加速度が作用したとき、前記ベルトリールの引出し方向への回転を阻止するロック機構と、
    前記ロック機構の作動状態を判定するロック作動判定手段と、
    前記走行状態判定手段から出力される信号に基づき前記モータへの通電量を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記走行状態判定手段から出力される信号を入力したときに所定の方法で前記モータを通電駆動すると共に、前記ロック作動判定手段から出力される信号がロック有効信号であるときに前記モータへの通電量を減少させ、
    前記ベルトリールの巻取り位置を検知する巻取り位置検知手段を備え、この巻取り位置検知手段が所定以上の巻取りを検知した際に前記所定方法での駆動を再開することを特徴とする両のシートベルト装置。
  4. 前記走行状態判定手段が走行状態の変化を検知した時、前記ロック作動判定手段での判定が有効であるときには、前記モータへの通電を禁止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。
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