JP4869522B2 - 光路折り曲げズーム光学系 - Google Patents

光路折り曲げズーム光学系 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光路折り曲げズーム光学系に関し、特に、ズーム光学系を搭載するデジタルカメラ、携帯端末等の奥行き方向の薄型化を実現するために光路折り曲げプリズムを配置したズーム光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCD等の電子撮像素子を用いた小型カメラや、携帯端末、携帯電話等への内蔵用の結像光学系では、小型化、特に薄型化の要求が強い。
【0003】
このような中、特開平10−20191号において、4群ズームレンズの群間に平凸レンズを接合した三角プリズムを配置して光路を折り曲げてコンパクト化をすることが開示されている。
【0004】
また、ズームレンズではないが、光路折り曲げ光学系の光路折り曲げ用のプリズムにパワー(屈折力、発散力)を与えたものとして、特開平9−211287号、特開平10−239594号のものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−20191号の場合は、プリズムを絞りの後に配置しているため、薄型化に難がある。
【0006】
また、プリズムにパワーを持たせる特開平9−211287号、特開平10−239594号のものは、前記したように、ズームレンズではなく、また、光学系の小型化、薄型化の観点からプリズムにパワーを持たせたものではない。
【0007】
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型デジタルスチルカメラ、携帯端末等に搭載可能な薄型ズーム光学系であって、薄型化のため光軸を曲げ、かつ、折り曲げプリズムにパワーを持たせた光路折り曲げズーム光学系を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の第1の光路折り曲げズーム光学系は、
少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
前記第1レンズ群が、光路を折り曲げるための1面の反射面と、入射面と、射出面とを含むプリズムを有し、前記プリズムの入射面、射出面の少なくとも一方は光軸に回転対称な曲面であり、
前記ズーム光学系は、1面のみ反射面を有することを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第2の光路折り曲げズーム光学系は、
少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有し、少なくとも負の屈折力のプリズムを1つ含む第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
前記プリズムは、光路を折り曲げるための1面の反射面と、入射面と、射出面とを含み、かつ、前記入射面、射出面の少なくとも一方は曲面であり、
前記ズーム光学系は、1面のみ反射面を有することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0010】
本発明の第3の光路折り曲げズーム光学系は、
少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
前記第1レンズ群が、光路を折り曲げるための1面の反射面と、入射面と、射出面とを含むプリズムを有し、前記プリズムの入射面、射出面の少なくとも一方は曲面であり、前記プリズムのd線における屈折率ndが以下の条件式(1)を満たし、
前記ズーム光学系は、1面のみ反射面を有することを特徴とする。
1.6<nd<2.0 ・・・(1)
【0011】
1.6<nd<2.0 ・・・(1)
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用を説明する。
【0012】
少なくとも、物体側から順に、第1レンズ群、第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動するズームレンズにおいては、第1レンズ群の屈折力を負とすると、第2レンズ群以降の光線高を低く抑えることができ、光学系の厚みを薄くすることができる。したがって、本発明のズーム光学系においては、第1レンズ群を負の屈折力を有する構成とし、それに伴って第2レンズ群を正の屈折力を有する構成としている。
【0013】
そして、レンズ入射面を物体側に向けなおかつ奥行きを薄くするには、 光路折り曲げを光学系のできるだけ物体側の位置で行うようにするとよい。レンズ入射面を物体側に向けると、レンズ入射面から光路折り曲げ位置までが光学系の奥行き方向となるため、光路を折り曲げるプリズムをできるだけ物体側の位置、すなわち、第1レンズ群中に配置すると、より奥行き方向を薄くできる。
【0014】
光路折り曲げのためにミラーを用いた場合に比べて、 プリズムで光路を折り曲げる場合には、屈折率が1より大きい媒質中を光が通るため、 同じ光路長でも空気換算長が長くなる。そのため、プリズムで光路を折り曲げた方が光学系の全長が短くでき、より光学系を小型化できる。
【0015】
また、プリズムの入射面、反射面の少なくとも一方が曲面、例えば、光軸に回転対称な曲面であると、プリズム自体に屈折力を持たせることができるため、プリズム以外のレンズ枚数を減らして光学系をより小型化できる。また、レンズ枚数を同じとして、 より収差を小さくすることもできる。
【0016】
そして、プリズムの屈折力を負とすると、プリズムより像側での光線高を低くすることができ、光学系の厚みをより薄くできる。さらに、プリズムの屈折力を負とすると、それを含む負の屈折力の第1レンズ群の屈折力を分担できるため、第1レンズ群の構成枚数を減らし、光学系の小型化につながる。
【0017】
そして、プリズムの屈折率ndが条件式(1)の下限値の1.6を越えると、プリズムの屈折力が小さくなり、効果的に収差を補正したり、プリズム以降の光線高を低く抑えたりすることができなくなる。プリズムの入射面あるいは射出面の曲面の曲率を大きくすれば屈折力を大きくできるが、 曲率を大きくする程プリズムの偏心感度が大きくなり、性能が低下しやすくなる。また、条件式(1)の上限値の2.0を越えると、媒質の分散が大きくなり、色収差が大きくなってしまう。
【0018】
以上において、以下の条件式(2)を満たすことが望ましい。
【0019】
−5.0<f1G/√(fw ×ft )<−0.3 ・・・(2)
ただし、f1Gは第1レンズ群の焦点距離、fw は広角端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離、ft は望遠端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離である。
【0020】
条件式(2)はさらに、
−5.0<f 1G /√(f w ×f t )≦−0.9674 ・・・(2’)
を満たすことが好ましい。
条件式(2)はさらに、
−5.0<f1G/√(fw ×ft )≦−0.3 ・・・(2−1)
を満たすことが好ましい。
【0021】
さらに、
−1.7<f1G/√(fw ×ft )<−0.8 ・・・(2−2)
を満たすことがより望ましい。
【0022】
第1レンズ群及び第2レンズ群以降の偏心感度を低く抑えながら光学系を薄くするためには、 条件式(2)を満たすとよい。条件式(2)の上限値の−0.3を越えると、第1レンズ群の屈折力が小さすぎることになり、第2レンズ群以降での光線高が高くなってしまい、第2レンズ群以降の偏心感度が高くなってしまう。また、光学系が厚くなってしまう。条件式(2)の下限値の−5.0を越えると、第1レンズ群の屈折力が大きすぎることになり、第1レンズ群の偏心感度が高くなってしまう。
【0023】
さらに、条件式(2−1)を満たすと、第1レンズ群及び第2レンズ群以降の偏心感度をより低く抑えながら光学系を薄くすることができ、より好ましい。
【0024】
さらに、条件式(2−2)を満たすと、第1レンズ群及び第2レンズ群以降の偏心感度をさらに低く抑えながら光学系を薄くすることができ、さらに好ましい。
【0025】
また、第2レンズ群の後に、正の屈折力を有する第3レンズ群を含み、広角端から望遠端に変倍する際に、第2レンズ群と第3レンズ群が相対的間隔を変えながら光軸に沿って移動するようにすることが望ましい。
【0026】
すなわち、広角端から望遠端に変倍する際に、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とが相対的間隔を変えながら移動するズーム方式は、スペースを効率良く使って変倍による焦点位置補正を行いながら高い変倍率を稼ぐことができる。
【0027】
この場合に、無限遠合焦時に広角端から望遠端に変倍する際の第2レンズ群、第3レンズ群のそれぞれの移動量をM2 、M3 とすると、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
【0028】
0.3<M3 /M2 <3.0 ・・・(3)
条件式(3)はさらに、
0.5<M3 /M2 <2.0 ・・・(3−1)
を満たすことが好ましい。
条件式(3)はさらに、
0.802≦M 3 /M 2 <3.0 ・・・(3’)
を満たすことが好ましい。
【0029】
さらに、
0.7<M3 /M2 <1.7 ・・・(3−2)
を満たすことがより望ましい。
【0030】
第2レンズ群と第3レンズ群の移動量の比M3 /M2 が、条件式(3)の上限の3.0を越えると、第3レンズ群が非常に多く移動することになり、望遠端では第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が狭くなりすぎて、第3レンズ群でフォーカスのために繰り出せる空間が確保できず、フォーカス可能距離レンジを十分確保できなくなる。また、フォーカス可能距離レンジを確保すると、ズーム比を十分確保できなくなる。M3 /M2 が、条件式(3)の下限の0.3を越えると、第3レンズ群があまり移動しないことになり、ズーム比を十分確保できなくなる。そのため、M3 /M2 は条件式(3)を満たすことが望ましい。
【0031】
また、条件式(3−1)を満たすようにすると、よりズーム比及びフォーカス可能距離レンジを確保でき、より好ましい。
【0032】
さらに、条件式(3−2)を満たすと、さらにズーム比及びフォーカス可能距離レンジを確保でき、さらに好ましい。
【0033】
また、望遠端における第2レンズ群以降の合成系の倍率βRtが、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
【0034】
1.0<−βRt<2.3 ・・・(4)
条件式(4)はさらに、
1.0<−βRt<2.1 ・・・(4−1)
を満たすことが望ましい。
【0035】
さらに、
1.0<−βRt<1.9 ・・・(4−2)
を満たすことがより望ましい。
条件式(4)はさらに、
1.0<−β Rt ≦1.586 ・・・(4’)
を満たすことがより望ましい。
【0036】
第2レンズ群と第3レンズ群の相対的間隔変化をできるだけ小さく保つには、 第2レンズ群以降の合成系の倍率の絶対値が1倍より大きくできるだけ1倍に近い位置にて変倍するのがよい。つまり、第2レンズ群以降の望遠端における無限遠物点合焦時の合成倍率をβRtとすると、条件式(4)を満たすことが望ましい。条件式(4)の上限の2.3、下限の1.0何れを越えても、第2レンズ群と第3レンズ群の相対的間隔の変化量が大きくなってしまう。
【0037】
さらに、条件式(4−1)を満たすと、第2レンズ群と第3レンズ群の相対的間隔変化をより小さく保つことができる。
【0038】
また、条件式(4−2)を満たすと、第2レンズ群と第3レンズ群の相対的間隔変化をさらに小さく保つことができる。
【0039】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系における1面の反射面は平面であることが望ましい。
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、最も像側のレンズ群に非球面を少なくとも1面有することが望ましい。
【0040】
最も像側のレンズ群では、最大光線高が高い。そのため、この最も像側のレンズ群に非球面を少なくとも1面配置すると、歪曲収差や非点収差、 コマ収差等の軸外収差を効果的に補正することができる。
【0041】
そして、その場合に、変倍時及び合焦時に、最も像側のレンズ群は固定であることが望ましい。
【0042】
最も像側のレンズ群は非球面を有し、この非球面より物体側にて発生する収差、特に軸外収差をキャンセルしており、ズームやフォーカスにより光軸方向にその最も像側のレンズ群を動かすと、収差のバランスを崩してしまう。そのため、最も像側のレンズ群は固定とした方がよい。
【0043】
その場合に、像側から2番目のレンズ群を光軸方向に移動して合焦するようにすることが望ましい。
【0044】
像側から2番目のレンズ群を用いてフォーカスすると、フォーカスによる焦点距離や収差の変動が少なく、性能を落とすことなくフォーカスを行うことができる。
【0045】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、第1レンズ群に非球面を少なくとも1面有することが望ましい。
【0046】
第1レンズ群では光線高が高く、球面のみからなると軸外収差を抑えきれない。第1レンズ群に少なくとも1面の非球面を配置することで、 軸外収差を効果的に補正することができる。
【0047】
この場合、変倍時及び合焦時に、第1レンズ群は固定であることが望ましい。
【0048】
第1レンズ群は非球面を有し、この非球面より物体側にて発生する収差、特に軸外収差をキャンセルしており、ズームやフォーカスにより光軸方向に動かすと、収差のバランスを崩してしまう。そのため、第1レンズ群は固定とした方がよい。
【0049】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、プリズムより像側に配置されたレンズ群、又は、プリズムより像側に配置されたレンズ群中の一部のレンズを光軸方向に移動することで合焦することが望ましい。
【0050】
プリズムは折り曲げ系であるため、 ズームやフォーカスにより光軸方向に動かすと機構が複雑となる。また、プリズムより物体側のレンズ群あるいはレンズ群中の一部のレンズを動かすと、光学系の厚みが変化することになり、薄くすることが困難になる。そのため、プリズムより像側に配置されたレンズ群又はそのレンズ群中の一部のレンズを移動してフォーカスすることが好ましい。
【0051】
また、像側から2番目のレンズ群を光軸方向に移動して合焦する場合、像側から2番目のレンズ群と3番目のレンズ群の望遠端での無限遠物点合焦時の光軸上空気間隔DFTが以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
【0052】
0.01<DFT/ft <2.0 ・・・(5)
ただし、ft は望遠端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離である。
【0053】
条件式(5)はさらに、
0.03<DFT/ft <1.5 ・・・(5−1)
を満たすことが望ましい。
【0054】
さらに、
0.05<DFT/ft <1.0 ・・・(5−2)
を満たすことがより望ましい。
【0055】
望遠端での無限遠物点合焦時からより近距離側へピント位置を変えると、フォーカスを行う像側から2番目のレンズ群は物体側へ繰り出すことになる。このとき、この像側から2番目のレンズ群と3番目のレンズ群の光軸上空気間隔DFTが小さすぎると、すなわち条件式(5)の下限値の0.01を越えると、フォーカスで物体側に繰り出せる空間が狭くなり、フォーカス可能距離レンジを十分にとることができなくなる。一方、条件式(5)の上限値の2.0を越えると、変倍時に像側から2番目と3番目のレンズ群の間隔をほとんど縮めることができず、ズーム比の確保が困難となる。そのため、DFTは条件式(5)を満たすとよい。
【0056】
また、条件式(5−1)を満たすと、よりフォーカス可能距離レンジを確保でき、かつズーム比も確保できるため、より好ましい。
【0057】
さらに、条件式(5−2)を満たすと、さらにフォーカス可能距離レンジを確保でき、かつズーム比も確保できるため、 さらに好ましい。
【0058】
また、正の屈折力を有する第3レンズ群を含む場合に、第1レンズ群が、負の屈折力を有する1つのプリズムと、1枚の負レンズと、1枚の正レンズからなり、第3レンズ群が1枚の正レンズからなることが望ましい。
【0059】
第1レンズ群が、負の屈折力を有する1つのプリズムと、1枚の負レンズを含むため、 プリズム、レンズの屈折力を大きくすることなく、第1レンズ群全体の屈折力を大きくすることができる。また、第1レンズ群が負の屈折力を有し、その負の屈折力が大きくなると、第2レンズ群以降の最大光線高を低く抑えることができ、レンズの大きさを小さくでき、光学系をより薄型にすることができる。また、第2レンズ群以降の偏心感度を低く抑えることができる。
【0060】
また、正の屈折力を有する第3レンズ群を含む場合に、第1レンズ群が、負の屈折力を有する1つのプリズムと、1枚の正レンズからなり、第3レンズ群が、1枚の正レンズと、1枚の負レンズからなることが望ましい。
【0061】
第1レンズ群が、負の屈折力を有する1つのプリズムと、1枚の正レンズからなるため、最大光線高が高くレンズの大きさが大きいレンズを少なくでき、光学系全体の軽量化につながる。また、第3レンズ群が、1枚の正レンズと、1枚の負レンズからなるため、各レンズの屈折力を大きくすることなく第3レンズ群全体の屈折力を大きくすることができる。そのため、第3レンズ群の変倍時及び合焦時の移動量を小さく抑えることができ、ズーム比やフォーカス可能距離レンジをより十分にとることができるようになる。
【0062】
以上において、第3レンズ群を光軸方向に移動することにより合焦することが望ましい。
【0063】
第3レンズ群は1枚の正レンズ、あるいは1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、第3レンズ群のレンズ枚数が少なく、重量が軽い。そのため、この第3レンズ群を移動して合焦すると、移動のために必要な消費電力を小さくすることができる。
【0064】
以上において、第1レンズ群に非球面を有する場合に、プリズムの入射面、射出面の少なくとも一方が非球面であってもよい。
【0065】
プリズムでは光線高が高く、入射面、射出面の少なくとも一方を非球面とすると、歪曲収差や非点収差、コマ収差等の軸外収差を効果的に補正することができる。
【0066】
以上において、第1レンズ群又は最も像側のレンズ群に非球面を有する場合、非球面が形成されたレンズあるいはプリズムがガラスからなり、その転移点Tgが以下の条件式(6)を満たすことが望ましい。
【0067】
60℃<Tg<620℃ ・・・(6)
非球面形状は、研磨では形状を正確に出すことができず、また、研削では大量に加工することが困難である。非球面が形成されたレンズあるいはプリズムが条件式(6)を満たすようなガラスからなると、ガラス成形法により加工することができ、容易に大量に生産することができる。そのため、光学系が安価になる。
【0068】
また、第1レンズ群又は最も像側のレンズ群に非球面を有する場合、非球面が形成されたレンズあるいはプリズムが、ガラス成形法で加工されたものであることが望ましい。
【0069】
非球面形状は、研磨では形状を正確に出すことができず、また、研削では大量に加工することが困難である。非球面が形成されたレンズあるいはプリズムをガラス成形法により加工すると、容易に大量に生産することができ、光学系が安価になる。
【0070】
また、第1レンズ群又は最も像側のレンズ群に非球面を有する場合、非球面が形成されたレンズあるいはプリズムが、有機無機ハイブリッド材料からなることが可能である。
【0071】
有機無機ハイブリッド材料は、例えば特開平7−90181号に記載されているように、無機材料中に有機材料が分散されているもの、あるいは、有機材料中に無機材料が分散されているものであり、ガラスに比べると融点が低く、低い温度で成形して、容易に大量に生産することができ、光学系が安価になる。また、プラスチックに比べると高屈折率低分散の光学特性が得られ、 また、耐熱性に優れる。さらに、傷も付き難く、例えば光学系の前玉にも使用できる。したがって、少なくとも非球面が形成されたレンズあるいはプリズムにこのような有機無機ハイブリッド材料を用いることが望ましい。
【0072】
また、第1レンズ群又は最も像側のレンズ群に非球面を有する場合、非球面が形成されたレンズあるいはプリズムが、プラスチックからなることが可能である。
【0073】
プリズムがプラスチックからなると、プラスチック成形法で容易に大量に非球面を有するプリズムあるいはレンズを生産することができる。また、材料費が安いため、 安価なプリズム及び安価な光学系を得ることができる。また、プラスチックはガラスに比べ軽いため、 光学系の軽量化も図れる。
【0074】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、プリズムがプラスチックからなることが可能である。
【0075】
プリズムは他のレンズに比べ体積が大きく、軽いプラスチックでプリズムを作れば、 軽量化に特に効果がある。また、プラスチック成形法で生産することができ、容易に大量に生産することができる。さらに、材料費が安いため、 安価な光学系を得ることができる。
【0076】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、全てのレンズ及びプリズムがプラスチックからなることが可能である。
【0077】
全てのレンズ及びプリズムがプラスチックからなると、全てのレンズ及びプリズムをプラスチック成形法で生産することができ、容易に大量に生産することができる。また、材料費が安いため、 安価な光学系を得ることができる。
【0078】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、光軸の折り曲げ面が像面に配置される撮像素子の撮像面の短辺に平行になるように光軸を折り曲げていることが望ましい。
【0079】
像面に配置される例えばCCDの短辺方向に光軸を折り曲げれば、 折り曲げた方向でのCCD上の最も外側の位置が、長辺方向に折り曲げた場合に比べて低くなる。そのため、反射面の大きさも小さくでき、プリズムの厚さを薄くでき、 光学系をより薄型にすることができる。
【0080】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、プリズムは、変倍時に可動な全てのレンズ群の最も物体側のレンズよりも物体側に配置されていることが望ましい。
【0081】
すなわち、ズームやフォーカス駆動系を複雑化しないために、移動群は折り曲げ位置よりも像側とするのがよい。
【0082】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、変倍時に移動するレンズ群は、広角端から望遠端に変倍する際に、単調に物体側に移動するようにすることができる。
【0083】
変倍時に移動するレンズ群を、単調に物体側に移動するものとすると、移動のための機構が簡単になる。
【0084】
また、本発明の光路折り曲げズーム光学系において、プリズムより像側の光路上に少なくとも1つの開口絞りを配置することが望ましい。
【0085】
開口絞りをプリズムより物体側に設けると、プリズムより物体側の光路長が長くなり、光学系の厚さが厚くなってしまう。
【0086】
また、正の屈折力を有する第3レンズ群を含む場合に、第3レンズ群を光軸方向に移動して合焦することができる。
【0087】
第3レンズ群は変倍時に移動し、この第3レンズ群で合焦すると、合焦時にも変倍用の移動機構を利用することができ、機構が簡単になり、 機構も含む光学系全体を小型化、軽量化できる。
【0088】
また、以上のような本発明のズーム光学系と、そのズーム光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、その電子撮像素子によって光電変換された電子信号を処理する処理手段と、操作者がその処理手段に入力したい情報信号を入力するための入力部と、その処理手段からの出力を表示する表示素子と、その処理手段からの出力を記録する記録媒体とを含み、その処理手段は、ズーム光学系によって電子撮像素子に受光された物体像を表示素子に表示するように構成されている情報処理装置を本発明に基づいて構成することができる。
【0089】
この場合に、その入力部がキーボードにて構成され、ズーム光学系と電子撮像素子とが表示素子の周辺部又はキーボードの周辺部に内蔵されているパソコン装置を本発明に基づいて構成することができる。
【0090】
また、以上のような本発明のズーム光学系と、そのズーム光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、電話信号を送信及び受信するためのアンテナと、電話番号等の信号を入力するための入力部と、その電子撮像素子によって受光された物体像を送信可能な信号に変換する信号処理部とを含んでいる電話装置を本発明に基づいて構成することができる。
【0091】
また、以上のような本発明のズーム光学系と、そのズーム光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、その電子撮像素子によって光電変換された電子信号を処理する処理手段と、その電子撮像素子で受光された物体像を観察可能に表示する表示素子とを有し、電子撮像素子で受光された物体像の像情報を記録するための記録部材を内蔵又は挿脱するように構成され、その処理手段が、電子撮像素子に受光された物体像を表示素子に表示する表示処理機能と、電子撮像素子に受光された物体像を記録媒体に記録する記録処理機能とを有する電子カメラ装置を本発明に基づいて構成することができる。
【0092】
このように構成することで、デジタルカメラ自体も薄くすることができる。また、例えば携帯型パソコンや携帯電話等の携帯端末に撮像機能を搭載しても、携帯端末のサイズを大きくしなくてすむ。
【0093】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光路折り曲げズーム光学系の実施例1〜10について説明する。これらの実施例の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図をそれぞれ図1〜図10に示す。各図中、第1レンズ群はG1、第2レンズ群はG2、第3レンズ群はG3、第4レンズ群はG4、光路折り曲げプリズムはP、開口絞りはS、近赤外カットフィルター、ローパスフィルター、電子撮像素子であるCCDのカバーガラス等の平行平面板群はF、CCDの像面はIで示してあり、平行平面板群Fは最終レンズ群と像面Iの間に固定配置されている。
【0094】
実施例1の光路折り曲げズーム光学系は、図1に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、像面側に凸の負メニスカスレンズと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、2枚の両凸正レンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、両凸正レンズ1枚からなる第3レンズ群G3、両凸正レンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSと第2レンズ群G2は一体で物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0095】
非球面は、第1レンズ群G1の光路折り曲げプリズムPの入射面、負メニスカスレンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の4面に用いられている。
【0096】
この実施例において、光路折り曲げプリズムPはプラスチックからなる。
【0097】
実施例2の光路折り曲げズーム光学系は、図2に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、像面側に凸の負メニスカスレンズと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、2枚の両凸正レンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第3レンズ群G3、両凸正レンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSと第2レンズ群G2は一体で物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0098】
非球面は、第1レンズ群G1の光路折り曲げプリズムPの入射面、負メニスカスレンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の4面に用いられている。
【0099】
この実施例において、光路折り曲げプリズムPはプラスチックからなる。
【0100】
実施例3の光路折り曲げズーム光学系は、図3に示すように、物体側に凸の負メニスカスレンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、両凹負レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、2枚の両凸正レンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、両凸正レンズ1枚からなる第3レンズ群G3、像面側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSは物体側へ移動し、第2レンズ群G2は開口絞りSとの間隔を狭めながら物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0101】
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの物体側の面、正メニスカスレンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の4面に用いられている。
【0102】
この実施例において、光路折り曲げプリズムPを含めて全ての要素はガラスからなる。
【0103】
実施例4の光路折り曲げズーム光学系は、図4に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、両凸正レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、物体側に凸の正メニスカスレンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSは物体側へ移動し、第2レンズ群G2は開口絞りSとの間隔を狭めながら物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0104】
非球面は、第1レンズ群G1の光路折り曲げプリズムPの入射面、両凸正レンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の4面に用いられている。
【0105】
この実施例において、光路折り曲げプリズムPを含めて全ての要素はガラスからなる。
【0106】
実施例5の光路折り曲げズーム光学系は、図5に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、両凸正レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、両凸正レンズと、像面側に凸の負メニスカスレンズとからなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSは物体側へ移動し、第2レンズ群G2は開口絞りSとの間隔を狭めながら物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を広げながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0107】
非球面は、第1レンズ群G1の両凸正レンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の3面に用いられている。
【0108】
この実施例において、光路折り曲げプリズムPを含めて全ての要素はガラスからなる。
【0109】
実施例6の光路折り曲げズーム光学系は、図6に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、両凸正レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第3レンズ群G3、両凸正レンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSは物体側へ移動し、第2レンズ群G2は開口絞りSとの間隔を一旦は狭めた後に広げながら物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0110】
非球面は、第1レンズ群G1の光路折り曲げプリズムPの入射面、正メニスカスレンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の4面に用いられている。
【0111】
この実施例において、光路折り曲げプリズムPはプラスチックからなる。
【0112】
実施例7の光路折り曲げズーム光学系は、図7に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、2枚の両凸正レンズと、両凹負レンズとからなる第2レンズ群G2、両凸正レンズと、像面側に凸の負メニスカスレンズとからなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSは物体側へ移動し、第2レンズ群G2は開口絞りSとの間隔を狭めながら物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0113】
非球面は、第1レンズ群G1の両凸正レンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の3面に用いられている。
【0114】
この実施例において、第2レンズ群G2の3枚のレンズはプラスチックからなる。
【0115】
実施例8の光路折り曲げズーム光学系は、図8に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、2枚の両凸正レンズと、両凹負レンズとからなる第2レンズ群G2、両凸正レンズと、両凹負レンズとからなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSは物体側へ移動し、第2レンズ群G2は開口絞りSとの間隔を狭めながら物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0116】
非球面は、第1レンズ群G1の光路折り曲げプリズムPの入射面、正メニスカスレンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第3レンズ群G3の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の5面に用いられている。
【0117】
この実施例において、第1レンズ群G1から第4レンズ群G4の全てのレンズ、プリズムはプラスチックからなる。
【0118】
実施例9の光路折り曲げズーム光学系は、図9に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、両凹負レンズと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、2枚の両凸正レンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第3レンズ群G3、両凸正レンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ移動し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間の開口絞りSは広角端から中間状態までは第2レンズ群G2との間隔を狭めながら、また、中間状態から望遠端までは第2レンズ群G2と一体で移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0119】
非球面は、第1レンズ群G1の光路折り曲げプリズムPの入射面、両凹負レンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の4面に用いられている。
【0120】
この実施例において、光路折り曲げプリズムPはプラスチックからなる。
【0121】
実施例10の光路折り曲げズーム光学系は、図10に示すように、両凹負レンズと等価な光路折り曲げプリズムPと、両凹負レンズと、両凸正レンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、2枚の両凸正レンズと、物体側に凸の負メニスカスレンズとからなる第2レンズ群G2、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第3レンズ群G3、両凸正レンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定で、開口絞りSは物体側へ移動し、第2レンズ群G2は開口絞りSとの間隔を狭めながら物体側へ移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を一旦は広げた後に狭めながら物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。
【0122】
非球面は、第1レンズ群G1の光路折り曲げプリズムPの入射面、両凹負レンズの物体側の面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4の物体側の面の4面に用いられている。
【0123】
この実施例において、光路折り曲げプリズムPはプラスチックからなる。
【0124】
なお、以上の実施例1〜10において、何れも第1レンズ群G1は負の屈折力、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4は正の屈折力を有し、第3レンズ群G3を物体側に繰り出して近距離物体へフォーカスするものである。
【0125】
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、2ωは画角、FNOはFナンバー、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。また、“RE”は反射面を示す。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
【0126】
Figure 0004869522
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0127】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0128】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0129】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0130】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0131】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0132】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0133】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0134】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0135】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0136】
Figure 0004869522
Figure 0004869522
Figure 0004869522
【0137】
以上の実施例1の無限遠物点合焦時の収差図を図11に示す。この収差図において、SAは球面収差、ASは非点収差、CCは倍率色収差、DTは歪曲収差を示す。図中、“FIY”は像高を表す。
【0138】
次に、上記各実施例における条件(1)〜(5)に係わるnd,f1G/√(fw ×ft ),M3 /M2 ,−βRt,DFT/ft の値を示す。
Figure 0004869522
【0139】
以上の実施例1〜10において、以下のd線の屈折率nd 、アッベ数νd を有するガラスの転移点Tgは次の通りである。
【0140】
Figure 0004869522
【0141】
また、上記各実施例において、以下のd線の屈折率nd 、アッベ数νd を有する媒体はプラスチックである。
【0142】
Figure 0004869522
【0143】
なお、上記各実施例において、非球面を設けた光路折り曲げプリズムPは全て、入射面に非球面を設けているが、射出面に非球面を設けるようにしてもよい。
【0144】
また、以上の実施例では全て、光学系の最も物体側の第1要素としてプリズムPを用いているが、図12に模式的に示すように、そのプリズムPの前側(物体側)に単レンズ又は複数のレンズからなるレンズ群Aを単数あるいは複数配置して、フォーカシングあるいはズーミングのために光軸に沿って移動させるようにしてもよい。
【0145】
さて、以上のような本発明の光路折り曲げズーム光学系は、ズームレンズ等の結像光学系で物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例であるパソコン、電話、携帯端末、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
【0146】
図13〜図15は、本発明によるズーム光学系をデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図を示す。図13はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図14は同後方斜視図、図15はデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例5の光路折り曲げズーム光学系を通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像が、平行平面板群F中の近赤外カットフィルターと光学的ローパスフィルターを介してCCD49の撮像面上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フロッピーディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0147】
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側にそれぞれカバー部材50が配置されている。
【0148】
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が良好で、明るく、フィルター等が配置できるバックフォーカスの大きなズームレンズであるので、高性能・低コスト化が実現できる。
【0149】
なお、図15の例では、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
【0150】
次に、本発明のズーム光学系が対物光学系として内蔵された情報処理装置の一例であるパソコンが図16〜図18に示される。図16はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図17はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図18は図16の状態の側面図である。図16〜図18に示されるように、パソコン300は、外部から繰作者が情報を入力するためのキーボード301と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺の像を撮影するための撮影光学系303とを有している。ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
【0151】
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明による光路折り曲げズーム光学系(図では略記)からなる対物レンズ112と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
【0152】
ここで、撮像素子チップ162上には光学的ローパスフィルターLFが付加的に貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
【0153】
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力され、電子画像としてモニター302に表示される、図16には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
【0154】
次に、本発明のズーム光学系が撮影光学系として内蔵された情報処理装置の一例である電話、特に持ち運びに便利な携帯電話が図19に示される。図19(a)は携帯電話400の正面図、図19(b)は側面図、図19(c)は撮影光学系405の断面図である。図19(a)〜(c)に示されるように、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力するマイク部401と、通話相手の声を出力するスピーカ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル403と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示するモニター404と、撮影光学系405と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406と、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段(図示せず)とを有している。ここで、モニター404は液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405は、撮影光路407上に配置された本発明による光路折り曲げズーム光学系(図では略記)からなる対物レンズ112と、物体像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
【0155】
ここで、撮像素子チップ162上には光学的ローパスフィルターLFが付加的に貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
【0156】
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
【0157】
以上の本発明の光路折り曲げズーム光学系及びそれを用いた装置は例えば次のように構成することができる。
【0158】
〔1〕 少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
前記第1レンズ群が、光路を折り曲げるための少なくとも1面の反射面と、入射面と、射出面とを含むプリズムを有し、前記プリズムの入射面、射出面の少なくとも一方は光軸に回転対称な曲面であることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0159】
〔2〕 少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有し、少なくとも負の屈折力のプリズムを1つ含む第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
前記プリズムは、光路を折り曲げるための少なくとも1面の反射面と、入射面と、射出面とを含み、かつ、前記入射面、射出面の少なくとも一方は曲面であることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0160】
〔3〕 少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
前記第1レンズ群が、光路を折り曲げるための少なくとも1面の反射面と、入射面と、射出面とを含むプリズムを有し、前記プリズムの入射面、射出面の少なくとも一方は曲面であり、前記プリズムのd線における屈折率ndが以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0161】
1.6<nd<2.0 ・・・(1)
〔4〕 上記1から3の何れか1項において、以下の条件式(2)を満たすことを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0162】
−5.0<f1G/√(fw ×ft )<−0.3 ・・・(2)
ただし、f1Gは第1レンズ群の焦点距離、fw は広角端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離、ft は望遠端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離である。
【0163】
〔5〕 上記1から3の何れか1項において、前記第2レンズ群の後に、正の屈折力を有する第3レンズ群を含み、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群が相対的間隔を変えながら光軸に沿って移動することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0164】
〔6〕 上記5において、無限遠合焦時に広角端から望遠端に変倍する際の前記第2レンズ群、前記第3レンズ群のそれぞれの移動量をM2 、M3 とすると、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0165】
0.3<M3 /M2 <3.0 ・・・(3)
〔7〕 上記5において、望遠端における第2レンズ群以降の合成系の倍率βRtが、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0166】
1.0<−βRt<2.3 ・・・(4)
〔8〕 上記1から3の何れか1項において、最も像側のレンズ群に非球面を少なくとも1面有することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0167】
〔9〕 上記8において、変倍時及び合焦時に、最も像側のレンズ群は固定であることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0168】
〔10〕 上記9において、像側から2番目のレンズ群を光軸方向に移動して合焦することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0169】
〔11〕 上記1から3の何れか1項において、前記第1レンズ群に非球面を少なくとも1面有することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0170】
〔12〕 上記11において、変倍時及び合焦時に、前記第1レンズ群は固定であることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0171】
〔13〕 上記1から3の何れか1項において、前記プリズムより像側に配置されたレンズ群、又は、前記プリズムより像側に配置されたレンズ群中の一部のレンズを光軸方向に移動することで合焦することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0172】
〔14〕 上記10において、像側から2番目のレンズ群と3番目のレンズ群の望遠端での無限遠物点合焦時の光軸上空気間隔DFTが以下の条件式(5)を満足することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0173】
0.01<DFT/ft <2.0 ・・・(5)
ただし、ft は望遠端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離である。
【0174】
〔15〕 上記5において、前記第1レンズ群が、負の屈折力を有する1つのプリズムと、1枚の負レンズと、1枚の正レンズからなり、前記第3レンズ群が1枚の正レンズからなることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0175】
〔16〕 上記5において、前記第1レンズ群が、負の屈折力を有する1つのプリズムと、1枚の正レンズからなり、前記第3レンズ群が、1枚の正レンズと、1枚の負レンズからなることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0176】
〔17〕 上記15又は16において、前記第3レンズ群を光軸方向に移動することにより合焦することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0177】
〔18〕 上記11において、前記プリズムの入射面、射出面の少なくとも一方が非球面であることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0178】
〔19〕 上記8又は11において、非球面が形成されたレンズあるいはプリズムがガラスからなり、その転移点Tgが以下の条件式(6)を満たすことを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0179】
60℃<Tg<620℃ ・・・(6)
〔20〕 上記8又は11において、非球面が形成されたレンズあるいはプリズムが、ガラス成形法で加工されたことを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0180】
〔21〕 上記8又は11において、非球面が形成されたレンズあるいはプリズムが、有機無機ハイブリッド材料からなることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0181】
〔22〕 上記8又は11において、非球面が形成されたレンズあるいはプリズムが、プラスチックからなることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0182】
〔23〕 上記1から3の何れか1項において、プリズムがプラスチックからなることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0183】
〔24〕 上記1から3の何れか1項において、全てのレンズ及びプリズムがプラスチックからなることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0184】
〔25〕 上記1から3の何れか1項において、光軸の折り曲げ面が像面に配置される撮像素子の撮像面の短辺に平行になるように光軸を折り曲げていることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0185】
〔26〕 上記1から3の何れか1項において、前記プリズムは、変倍時に可動な全てのレンズ群の最も物体側のレンズよりも物体側に配置されていることを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0186】
〔27〕 上記1から3の何れか1項において、変倍時に移動するレンズ群は、広角端から望遠端に変倍する際に、単調に物体側に移動することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0187】
〔28〕 上記1から3の何れか1項において、前記プリズムより像側の光路上に少なくとも1つの開口絞りを配置したことを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0188】
〔29〕 上記5において、前記第3レンズ群を光軸方向に移動して合焦することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
【0189】
〔30〕 上記1から29の何れか1項記載の光路折り曲げズーム光学系と、前記光路折り曲げズーム光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、前記電子撮像素子によって光電変換された電子信号を処理する処理手段と、操作者が前記処理手段に入力したい情報信号を入力するための入力部と、前記処理手段からの出力を表示する表示素子と、前記処理手段からの出力を記録する記録媒体とを含み、
前記処理手段は、前記光路折り曲げズーム光学系によって前記電子撮像素子に受光された物体像を前記表示素子に表示するように構成されていることを特徴とする情報処理装置。
【0190】
〔31〕 上記30において、
前記入力部がキーボードにて構成され、前記光路折り曲げズーム光学系と前記電子撮像素子とが前記表示素子の周辺部又は前記キーボードの周辺部に内蔵されていることを特徴とするパソコン装置。
【0191】
〔32〕 上記1から29の何れか1項記載の光路折り曲げズーム光学系と、前記光路折り曲げズーム光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、電話信号を送信及び受信するためのアンテナと、電話番号等の信号を入力するための入力部と、前記電子撮像素子によって受光された物体像を送信可能な信号に変換する信号処理部とを含んでいることを特徴とする電話装置。
【0192】
〔33〕 上記1から29の何れか1項記載の光路折り曲げズーム光学系と、前記光路折り曲げズーム光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、前記電子撮像素子によって光電変換された電子信号を処理する処理手段と、前記電子撮像素子で受光された物体像を観察可能に表示する表示素子とを有し、前記電子撮像素子で受光された物体像の像情報を記録するための記録部材を内蔵又は挿脱するように構成され、前記処理手段が、前記電子撮像素子に受光された物体像を前記表示素子に表示する表示処理機能と、前記電子撮像素子に受光された物体像を前記記録媒体に記録する記録処理機能とを有することを特徴とする電子カメラ装置。
【0193】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、小型デジタルスチルカメラ、携帯端末等に搭載可能な薄型ズーム光学系であって、薄型化のため光軸を曲げ、かつ、折り曲げプリズムにパワーを持たせた光路折り曲げズーム光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光路折り曲げズーム光学系の実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図2】実施例2の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図3】実施例3の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図4】実施例4の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図5】実施例5の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図6】実施例6の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図7】実施例7の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図8】実施例8の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図9】実施例9の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図10】実施例10の光路折り曲げズーム光学系の図1と同様のレンズ断面図である。
【図11】実施例1の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図12】本発明の光路折り曲げズーム光学系の変形例の構成を模式的に示す図である。
【図13】本発明による光路折り曲げズーム光学系を組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。
【図14】図13のデジタルカメラの後方斜視図である。
【図15】図13のデジタルカメラの断面図である。
【図16】本発明による光路折り曲げズーム光学系を対物光学系として組み込れたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。
【図17】パソコンの撮影光学系の断面図である。
【図18】図16の状態の側面図である。
【図19】本発明による光路折り曲げズーム光学系を対物光学系として組み込れた携帯電話の正面図、側面図、その撮影光学系の断面図である。
【符号の説明】
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
P…光路折り曲げプリズム
S…開口絞り(独立の場合)
F…平行平面板群
I…像面
A…フォーカシングレンズ群又はズーミングレンズ群
E…観察者眼球
LF…光学的ローパスフィルター
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
53…ファインダー用対物光学系
55…ポロプリズム
57…視野枠
59…接眼光学系
112…対物レンズ
113…鏡枠
114…カバーガラス
160…撮像ユニット
162…撮像素子チップ
166…端子
300…パソコン
301…キーボード
302…モニター
303…撮影光学系
304…撮影光路
305…画像
400…携帯電話
401…マイク部
402…スピーカ部
403…入力ダイアル
404…モニター
405…撮影光学系
406…アンテナ
407…撮影光路

Claims (11)

  1. 少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
    前記第1レンズ群が、光路を折り曲げるための1面の反射面と、入射面と、射出面とを含むプリズムを有し、前記プリズムの入射面、射出面の少なくとも一方は光軸に回転対称な曲面であり、
    前記ズーム光学系は、1面のみ反射面を有することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
  2. 少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有し、少なくとも負の屈折力のプリズムを1つ含む第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
    前記プリズムは、光路を折り曲げるための1面の反射面と、入射面と、射出面とを含み、かつ、前記入射面、射出面の少なくとも一方は曲面であり、
    前記ズーム光学系は、1面のみ反射面を有することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
  3. 少なくとも、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、それ以降の少なくとも1つのレンズ群からなっていて、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群を含んで光軸に沿って移動する少なくとも1つのレンズ群を含むズーム光学系において、
    前記第1レンズ群が、光路を折り曲げるための1面の反射面と、入射面と、射出面とを含むプリズムを有し、前記プリズムの入射面、射出面の少なくとも一方は曲面であり、前記プリズムのd線における屈折率ndが以下の条件式(1)を満たし、
    前記ズーム光学系は、1面のみ反射面を有することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
    1.6<nd<2.0 ・・・(1)
  4. 請求項1から3の何れか1項において、以下の条件式(2)を満たすことを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
    −5.0<f1G/√(fw ×ft )<−0.3 ・・・(2)
    ただし、f1Gは第1レンズ群の焦点距離、fw は広角端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離、ft は望遠端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離である。
  5. 請求項1から3の何れか1項において、前記第2レンズ群の後に、正の屈折力を有する第3レンズ群を含み、広角端から望遠端に変倍する際に、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群が相対的間隔を変えながら光軸に沿って移動することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
  6. 請求項5において、無限遠合焦時に広角端から望遠端に変倍する際の前記第2レンズ群、前記第3レンズ群のそれぞれの移動量をM2 、M3 とすると、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
    0.3<M3 /M2 <3.0 ・・・(3)
  7. 請求項5において、望遠端における第2レンズ群以降の合成系の倍率βRtが、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
    1.0<−βRt<2.3 ・・・(4)
  8. 請求項1から3の何れか1項において、以下の条件式(2’)を満たすことを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
    −5.0<f 1G /√(f w ×f t )≦−0.9674 ・・・(2’)
    ただし、f 1G は第1レンズ群の焦点距離、f w は広角端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離、f t は望遠端での無限遠物点合焦時の全系の焦点距離である。
  9. 請求項5において、無限遠合焦時に広角端から望遠端に変倍する際の前記第2レンズ群、前記第3レンズ群のそれぞれの移動量をM 2 、M 3 とすると、以下の条件式(3’)を満足することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
    0.802≦M 3 /M 2 <3.0 ・・・(3’)
  10. 請求項5において、望遠端における第2レンズ群以降の合成系の倍率β Rt が、以下の条件式(4’)を満足することを特徴とする光路折り曲げズーム光学系。
    1.0<−β Rt ≦1.586 ・・・(4’)
  11. 前記反射面は、平面である請求項1から10に記載の光路折り曲げズーム光学系。
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