JP4869477B2 - 車輛用スピン防止規制(asr)用の方法及び装置 - Google Patents

車輛用スピン防止規制(asr)用の方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前文に記載の方法及び請求項8の前文に記載の装置、即ち車輛のスピン防止規制(anti−spin regulation)(ASR)を行うための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的には、スピン防止規制(ASR)は、自動車の運転中又は運転開始時のホイール速度の検出に基付いて行われる。一つ又はそれ以上の被駆動ホイールの速度が自動車の速度を越えたとき、スピン防止規制手順を実行する。この目的のため、スリップしているホイール即ちスリップホイールを制動システムで制動する。追加に、又は別態様で、エンジン速度を低下させる。ホイールのスリップが減少したとき、制動手順を終了し及び/又はエンジン速度を再度上昇させる。
【0003】
スピン防止規制(ASR)は、原理的には、車輛のトラクションポテンシャル(traction potential)を増大する。しかしながら、詳細には、制動システムを使用するスピン防止規制システムの場合には、スリップしている被駆動ホイールのスピン防止規制中に別の被駆動ホイールがスリップを引起し易い状況が生じる。これは、別の被駆動ホイールが原理的に十分なトラクションを備えている場合にも生じる。これは、トラクションの大部分がこのホイールに伝達されるためである。例えば、個々の被駆動ホイールが摩擦係数に関して大きく異なっている場合に対応する状況が生じる。
【0004】
上文中に説明した状況を改善するための方法は、1999年9月19日に出願されたドイツ国特許出願第198 37 524.7号に開示されている。この特許出願には、自由スピンが起こりそうになった場合に制動力を増大したり減少したりすることによって一つのホイールを制御し、制御されていないホイールで自由スピンが起こりそうになったとき、制御されたホイールでの制動力を減少する、スリップ防止規制又はトラクションコントロールを行うための方法及び装置が記載されている。
【0005】
従って、別の被駆動ホイールがスリップしそうになったとき、スリップホイールに作用する制動力を減少する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、車輛についてスピン防止規制(ASR)を行うための改良された方法及び装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、方法に関する請求項1の目的によって、即ち車輛用スピン防止規制(ASR)用の方法において、スリップしている被駆動ホイールを制動手段によって制動する方法によって達成される。別の被駆動ホイールを監視手段によって監視する。別の被駆動ホイールについての監視結果からスリップ傾向が決定手段によって決定された場合に別の被駆動ホイールを制動手段によって制動する工程を含む。
【0008】
更に、本発明の目的は、装置に関する請求項8の目的によって、即ち車輛用スピン防止規制(ASR)用の、本発明の方法で使用するのに特に好適な装置において、スリップしている被駆動ホイールを制動するため、制動手段が設けられている、ことを特徴とする装置によって達成される。別の被駆動ホイールを監視するため、監視手段が設けられている。別の被駆動ホイール用の決定手段を更に設けることにより、スリップ傾向が決定された場合に別の被駆動ホイールを制動するため、制動手段が設けられている。
【0009】
例として、本明細書中下文において、スリップλは以下のように記載される。
【0010】
【数1】
Figure 0004869477
ここでvw はスリップホイールの速度であり、vv は車輛の速度(又は任意の他の基準速度)である。従って、スリップλは、スリップホイールの速度vw と車輛の速度vv との相対的な差と記載される。更に、小さなスリップはスピン防止規制内で無視でき、最小程度のスリップλだけがホイールスリップと考えられる。他方、更に小さなスリップはスリップ傾向と考えることができる。
【0011】
本発明に従ってスピン防止規制が提供されるため、このスピン防止規制に従って、制動されていない別の被駆動ホイールでスリップが起こり難くする。従って、運転についての安定性が向上する。更に、エンジン速度を低下させる必要(一つ又はそれ以上の被駆動ホイールがスリップした場合に生じる)は、少数の場合に限られる。これに加え、スリップしているホイールに対するスピン防止規制の作用を高めることができる。他方、別の被駆動ホイールのスリップを阻止できなかった場合には、対応するスピン防止規制を改善する。これは、適当な制動力をより早期に利用できるためである。
【0012】
好ましくは、別の被駆動ホイールについてスリップ傾向が決定手段によって決定された場合、スリップしている被駆動ホイールに作用する制動力を減少する(請求項2参照)。
【0013】
これにより、有利には、本発明は、それ自体周知の特に適当な方法と当該技術分野の現状に従って組み合わせられる。その結果、本発明の利点が更に強められる。
【0014】
本発明の方法の好ましい実施例では、スリップ傾向は、前記別の被駆動ホイールについて決定手段によって、被駆動ホイールの速度を車輛の速度と比較する工程、及び両速度の差(スリップ傾向値)を所定のスリップ傾向閾値と比較する工程によって決定される(請求項3参照)。
【0015】
これにより、本発明の方法を容易に実施できる。更に、スピン防止規制システムの通常利用可能なシステム構成要素及び制御手段によって、スリップ傾向検出を行うことができる。
【0016】
有利には、スリップホイールの速度と車輛の速度の差がスリップ閾値を越えた場合にスピン防止規制を実行する。スリップ傾向閾値は、同じ目盛りでスリップ閾値の下にある(請求項4参照)。
【0017】
そのように行うことによって、スリップ傾向閾値を考慮に入れることによって容易にスリップの発生を確実に阻止できる。
請求項5によれば、スリップ傾向閾値を越えた場合、別の被駆動ホイールに作用する制動力が段階的に上昇し、これによって安定性が向上する。
【0018】
好ましくは、別の被駆動ホイールに作用する制動力の増大勾配を、得られた制動力に従って変化させる(請求項6参照)。圧力が過度に増大すると、トラクションが大幅に失われる。これは、スプリット摩擦路面条件(split−friction road surface condition)(SH)が仮定されるためである。
【0019】
本発明の別の好ましい実施例では、スリップ傾向値がスリップ傾向閾値より低くなった場合に別の被駆動ホイールに作用する制動力を段階的に減少する(請求項7参照)。
【0020】
そのように行うことによって、一方では、十分な持続時間に亘って制動力を利用できる。他方では、別の被駆動ホイールに制動力が長過ぎる時間に亘ってくわえられることがないようにする。
【0021】
本発明を図示の例示の実施例を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1には、例として、液圧式制動システム(図3に示し且つ以下に説明するシステム)が実行するスピン防止規制が示してある。しかしながら、スピン防止規制は、任意の他の制動システムで実行でき、並びに追加として又は別態様として任意のエンジン制御システムによって、本発明自体に影響を及ぼさずに実施できるということは理解されなければならない。
【0023】
図1は四つのグラフ(1)、(2)、(3)及び(4)を含む。これらのグラフ(1)、(2)、(3)及び(4)の各々では、同じ時間スロット(timeslot)中の時間の関数として量が示してある。従って、各グラフ(1)、(2)、(3)及び(4)の横軸は時間軸tであり、四つのグラフ(1)、(2)、(3)及び(4)の時間軸tは互いに等しい。
【0024】
更に、第1グラフ(1)では、残りの軸はスリップ軸λ1 であり、自動車の第1のスリップホイール(スリップ状態にあるホイール)のスリップλ1 を示す(スリップλ1 の定義を以下に論じる)。第2グラフ(2)では、残りの軸は圧力軸p1 であり、液圧式制動システムの第1枝内の圧力媒体の圧力p1 を示す。第3グラフ(3)では、残りの軸はスリップ軸λ2 であり、自動車の別の被駆動ホイールのスリップλ2 を示す。最後に、第4グラフ(4)内の残りの軸は圧力軸p2 であり、液圧制動システムの第2枝内の圧力媒体の圧力p2 を示す。
【0025】
ここで考慮する例では、スリップホイールのスリップλ1 並びに別の被駆動ホイールのスリップλ2 は、以下のように記載される。
【0026】
【数2】
Figure 0004869477
ここでvw はスリップホイールの速度であり、vv は車輛の速度である。従って、スリップλは、スリップホイールの速度vw と車輛の速度vv との相対的な差である(これによって、駆動されないホイール(非駆動ホイール)の速度だけを計測する方法や、幾つかのホイールの速度を平均する方法等の任意の適当な方法で車輛の速度を計測できる)。しかしながら、本発明について、スリップλの任意の他の適当な記載を使用できる(例えば、相対的速度差Δvw,v の代わりに絶対値を使用でき、又は車輛の速度の代わりに任意の他の適当な基準速度を使用できる)。
【0027】
ここで考慮する例では、スリップホイールのスリップλ1 は、グラフ(1)に示すようにスリップ閾値thr2 を越えている。簡単にするため、スリップ閾値thr2 を定数であると仮定する。しかしながら、スリップ閾値thr2 は、本発明に何等影響を及ぼさない、時間に関する任意の適当な関数であってもよい。例えば、スリップλ1 を相対的速度差Δvw,v でなく絶対値として定義した場合、スリップ閾値thr2 は車輛の速度vv で決まり、及び従って時間に亘って変化する。
【0028】
原理的には、車輛手段の速度に対する被駆動ホイールの任意の正の速度差をホイールスリップと考えることができるということは理解されるべきである。しかしながら、例示で考えられているスピン防止規制システムでは、小さなホイールスリップは考慮しない。従って、下文では、スリップ閾値thr2 を越えるホイールスリップだけをホイールスリップと考える。
【0029】
スリップλ1 がスリップ閾値thr2 を越えた後、スピン防止規制を実行する。ここで考慮する例では、スピン防止規制中、液圧制動システム内で第1圧力p1 が上昇し、及び従って、スリップホイールに制動力が加えられる。第1圧力p1 がグラフ(2)に示すように一定のままである場合には、別の被駆動ホイールの速度がグラフ(3)に示すように車輛の速度に対して増大する。第1時間t1 では、別の被駆動ホイールの対応するスリップλ2 がスリップ傾向閾値thr1 を越える。スリップ傾向閾値thr1は、同じ目盛りでスリップ閾値thr2 よりも小さい。従って、別の被駆動ホイールのスリップλ2 は、スピン防止規制システムによって調節されるべきホイールスリップとは考えられず、別の被駆動ホイールがスリップを開始する傾向であると考えられる。
【0030】
その結果、制動力を別の被駆動ホイールに加えるため、液圧制動システムの第2枝で段階的に第2圧力p2 を上昇する。この第2圧力p2 は段階的に増大する、即ち圧力増大パルスが休止時間と交互になっている。
【0031】
第2圧力p2 は、スリップλ2 がスリップ傾向閾値thr1 より高い限り、増加する。しかしながら、所望の範囲内にとどめるため、圧力増大パルスの程度を経時的に減少し、これに対し、休止時間を増大する。圧力上昇手順は、第2時間t2 で別の被駆動ホイールのスリップλ2 が再度スリップ傾向閾値thr1 より低下するとすぐに終了する。更に、液圧制動システムの第2枝内の圧力は、これに続く時間内に減少する。
【0032】
第1時間t1 で開始し、別の被駆動ホイールのスリップλ2 がスリップ傾向閾値thr1 を越えたとき、液圧制動システムの第1枝に加えられ及び従ってスリップホイールに加えられる第1圧力p1 は、経時的に減少する。簡単に述べると、連続的に減少することが描かれている。しかしながら、その任意の他の適当な関数を使用してもよい。
【0033】
次いで、第2時間t2 で、別の被駆動ホイールのスリップλ2 が再度スリップ傾向閾値thr1 より低くになったとき、第1圧力p1 が再度増大する。これは、スリップホイールのスリップλ1 がいまだにスリップ閾値thr2 よりも高いためである。しかしながら、発生する状態に応じて、第1圧力p1 を維持したり更に減少させたりすることができる。
【0034】
図2には、例示の後輪駆動装置の例示の実施例の場合に第2圧力p2 がどのように増大し減少するのかを更に詳細に示す二つのグラフが含まれる。
更に詳細には、グラフ(1)では、第2圧力p2 は、開始時間t0 での約0hPa(0バール)の低圧で始まる工程で上昇する。圧力p2 は、開始時間t0 で開始し、第1時間t1 での10×103 hPa(10バール)まで上昇する。次いで、圧力は、第2時間t2 まで250msに亘って一定に保持される。第2時間t2 と第3時間t3 との間で、圧力p2 は、20×103 hPa(20バール)まで上昇し、この圧力を第4時間t4 まで別の250msに亘って一定に保持する。第4時間t4 と第5時間t5 との間で圧力p2 を25×103 hPa(25バール)まで更に上昇する。このことは、この工程での圧力上昇は、0hPa(0バール)から10×103 hPa(10バール)まで、及び10×103 hPa(10バール)から20×103 hPa(20バール)までの前の二つの工程の半分であるということを意味する。その後、圧力p2 を第6時間t6 まで500msに亘って一定に保持する。従って、第5時間t5 と第6時間t6 との間の圧力保持時間は、第1時間t1 と第2時間t2 との間又は第3時間t3 と第4時間t4 との間の二倍である。最後に、第6時間t6 と第7時間t7 との間で圧力p2 を更に30×103 hPa(30バール)まで上昇する。
【0035】
グラフ(2)には、圧力p2 をどのように再度減少させるのかの二つのプロファイルが示してある。
第1のプロファイルでは、第1時間t1 の時点で約35×103 hPa(35バール)の圧力p2 が発生しているものと仮定する。次いで、この圧力を第2時間t2 と第3時間t3 との間で約30×103 hPa(30バール)まで減少する。次いで、第3時間t3 と第4時間t4 との間で500msに亘って一定に保持する。更に、第4時間t4 と第5時間t5 との間で約25×103 hPa(25バール)まで更に減少し、以上の工程を繰り返す。この例では、圧力p2 の減少の勾配(5×103 hPa(5バール)の段階及び500msの比較的長い圧力保持時間と対応する)は全手順に亘って比較的小さい。
【0036】
第2のプロファイルでは、第1時間t1 ' と第2時間t2 ' との間で圧力p2 を約30×103 hPa(30バール)から約25×103 hPa(25バール)まで減少する。次いで、この圧力を第2時間t2 ' と第3時間t3 ' との間で250msに亘って一定に保持する。第3時間t3 ' と第4時間t4 ' との間で圧力p2 を約20×103 hPa(20バール)まで更に減少する。この圧力が第5時間t5 ' と第6時間t6 ' との間で約15×103 hPa(15バール)まで更に減少させる前に、この圧力を第4時間t4 ' と第5時間t5 ' との間で250msに亘って再度一定に保持する。第6時間t6 ' と第7時間t7 ' との間で圧力p2 を500msに亘って一定に保持し、以上の工程を繰り返す。従って、圧力p2 の減少は、5×103 hPa(5バール)の段階及び250msの比較的短い圧力保持時間と対応する比較的高い勾配で開始し、圧力p2 がひとたび20×103 hPa(20バール)より低下すると、5×103 hPa(5バール)の段階及び500msの比較的短い圧力保持時間と対応する比較的低い勾配で続行される。
【0037】
最後に、上文中に言及したように、図3には、本発明を実施する例示の環境が記載してある。更に詳細には、図3は、本発明の方法で使用する上で好適であり、自動車内の液圧制動システムの第1制動回路10として実施される液圧システムを示す。例として、第1制動回路10は、後輪駆動装置を持つ自動車の右後ホイール20及び左後ホイール30を制動に使用される(残りの二つのホイールに必要な第2制動回路は、明瞭化を図るため、図3には示してない)。対応する液圧制動システムは、「TT−制動回路分割(TT−brake circuitpartition)と呼ばれる。しかしながら、任意の他の液圧制動システム(並びに全輪駆動装置又は前輪駆動装置等の任意の他のホイール駆動装置、及び任意の他の一般的液圧システム)を本発明の方法で使用できるということは理解されるべきである。これには、詳細には、例えば全輪駆動装置を含む自動車の、一つの後ホイール及び一つの前ホイールに対して別の制動回路を使用するいわゆる「X−制動回路分割(X−brake circuit partition)」が含まれる。更に、本発明の方法は、後輪駆動装置又は前輪駆動装置を持つ自動車の「X制動回路分割」内でも使用できる。
【0038】
第1制動回路10は、二つの独立した圧力源を有する。第1に、自動車の運転者は、圧力媒体リザーバ60を備えた主制動シリンダ50に連結された制動ペダル40を押すことによって圧力を発生できる。第2に、電動モータ80によって駆動される高圧ポンプ70が設けられている。電動モータは、制御ユニット90によって制御される。従って、第1制動回路10は、簡単なペダル駆動式制動手順に好適であり、並びにアンチロック制動システム(ABS)としてあるいはスピン防止規制(ASR)システムとして使用する上で好適である。これらのシステムは、両方とも、自動車の運転者が何を行っているのかに拘わらず圧力を発生するため、モータ駆動式圧力ポンプを設置することを必要とする。
【0039】
更に詳細には、アンチロック制動システム(ABS)は、原理的には、制動手順中にホイールの速度を検出し、ホイールの速度がゼロにまで減速したが自動車の全体の速度がゼロにまで減速していない場合に、個々のホイールブレーキ220、230を頻繁に開閉することによって作動する。他方、スピン防止規制(ASR)は、原理的には、始動中又は運転手順中にホイールの速度を検出し、被駆動ホイールの速度が他のホイール及び/又は自動車の全体としての速度を越えた場合に個々のホイールブレーキ220、230を頻繁に開閉することによって作動する。従って、個々のホイール20、30の各々の速度を検出するのに好適なホイール速度センサ25、35が設置されている。
【0040】
更に、本発明によれば、ホイール速度センサ25又は35を使用し、制動が加えられていないホイール20又は30の各々を、残りの他方のホイール30又は20のスピン防止規制中に監視する。監視結果を制御ユニット90に送り、制動が加えられていないホイールが、残りの他方のホイールに制御ユニット90でスピン防止規制が加えられている間に、スリップを起こしそうであるかどうかを決定する。更に、制御ユニット90は、対応するソフトウェア及び/又はハードウェアが設けられているため、液圧制動システムを本発明に従って制御する上で好適である。
【0041】
更に、第1制動回路10は、枝分かれしており、その枝内に6本の2/2ポート方向制御バルブ100、110、120、130、140、及び150(短く言うと、2/2バルブ100、110、120、130、140、及び150)が設けられている。これらの2/2バルブ100、110、120、130、140、及び150は、双方向(又は2/2バルブ130及び140の場合には一方向)流通位置FTPと、係止位置LPとの間で切り換えることができる。これによって、各切り換えは、図3に示すように、ばね作動式第1位置(即ち流通位置FTP又は係止位置LPのいずれか)及び電磁作動式第2位置(即ち係止位置LP又は流通位置FTPのいずれか)によって行われる。従って、各スイッチ(及び従って各2/2バルブ100、110、120、130、140、及び150)は、対応する電磁石の充電又は放電によって制御され、この充電手順又は放電手順は、制御ユニット90によって制御される。その結果、第1制動回路10は、制御ユニット90によって2/2バルブ100、110、120、130、140、及び150のうちの任意のばねを開閉することによって、及び従って第1制動回路10の個々の枝を開閉することによって変更できる。従って、第1制動回路は、簡単なペダル駆動式制動手順、ABS制動手順及び/又はASR手順を実行するのに必要な幾つかの形体に設定できる。
【0042】
図3内には、第1制動回路が、簡単なペダル駆動式制動に好適な形体で示してある。この形体では、ペダル40を押すことによって主制御シリンダ50内に圧力を発生する。圧力は、圧力媒体内でルートライン160、第1枝170(流通位置FTPにある下文において遮断バルブ100と呼ぶ第1の2/2バルブ100を通って)、及び第3及び第4の枝190、200(流通位置FTPにある下文において夫々第1及び第2の入口2/2バルブ110、120と呼ぶ第2及び第3の2/2バルブ110、120の夫々を通って)に沿って送られる。ここから、第1及び第2のホイールブレーキ220、230を作動する。
【0043】
この配列内で、高圧ポンプ70を電動モータ80で作動させる(及び制御ユニット90で制御する)と、基本的には、制動システムには作用が全く及ぼされない。これは、第2枝180内の2/2バルブ150がその係止位置LPにあるためである。従って、高圧ポンプ70の入口71には圧力媒体は供給されず、加圧媒体リザーバ60から第2枝180を通して利用することができないためである。
【0044】
他方、2/2バルブ150をその流通位置FTPに切り換え、遮断2/2バルブ100をその係止位置LPに切り換えることによって、高圧ポンプ70は、ブレーキペダル40の代わりにホイールブレーキ220、230に圧力を発生する。これによって、最大圧力は、任意の所望の最大圧力に調節した圧力制御バルブ210によって制限される。この圧力制御バルブ210は、対応する閾値を越えたとき、溢流ライン240を開放する。
【0045】
その結果、2/2バルブを好適の方法で開閉することにより、何等かのスピン防止規制(ASR)を当該技術分野の現状によるシステムによって実行できる。これを行うとき、ホイール速度センサ25又は35を使用し、制動が加えられていないホイールの各々を監視できる。制御ユニット90は、制動が加えられていないホイール20又は30がスリップする傾向にあるかどうかを、監視結果を使用して決定するために使用できる。次いで、スリップ挙動が生じた場合には、制御ユニット90により、システムで、制動が加えられていないホイール20又は30に、上文中に説明したように制動を加えることができる。
【0046】
任意の他の好適な制動システムを本発明で使用できるということは理解されるべきである。更に、非制動ホイール20又は30がスリップしているかどうかを監視結果を使用して決定するため、制御ユニットの代わりに、他の構成要素を使用してもよい。更に、スリップ状態を検出するため、別のホイール速度センサを使用してもよい(追加のホイール速度センサの感度を元々のホイール速度センサ25及び25よりも高くしてもよい)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスピン防止規制を示すグラフである。
【図2】図1の例を更に詳細に示すグラフである。
【図3】本発明を実施する例示の環境の概略図である。
【符号の説明】
10 第1制動回路
20 右後ホイール
30 左後ホイール
40制動ペダル
50 主制動シリンダ
60 圧力媒体リザーバ
70 高圧ポンプ
80 電動モータ
90 制御ユニット

Claims (6)

  1. 車輛用スピン防止規制(ASR)用の方法において、
    スリップしている被駆動ホイール(20、30)を制動手段(220、230)によって制動力を加えることにより制動する工程、
    別の被駆動ホイール(20、30)を監視手段(25、35)によって監視する工程、及び
    前記別の被駆動ホイール(20、30)がスリップする場合に、前記別の被駆動ホイール(20、30)を制動手段(220、230)によって制動する工程を含み、
    スリップしている被駆動ホイール(20、30)は、前記被駆動ホイール(20、30)の速度(vw )を前記車輛の速度(vv )と比較すること及び両速度(vw 、vv )の差を所定のスリップホイール閾値(thr2 )と比較することによって決定され、
    前記別の被駆動ホイール(20、30)についての前記スリップ傾向は、決定手段(90)により、前記別の被駆動ホイール(20、30)の速度(vw )を前記車輛の速度(vv )と比較すること及び両速度(vw 、vv )の差を所定のスリップ傾向閾値(thr1 )と比較することによって決定され、
    前記スリップ傾向閾値(thr1 )を越えている限り、前記別の被駆動ホイール(20、30)に作用する制動力が段階的に上昇する、ことを特徴とする方法。
  2. 前記別の被駆動ホイール(20、30)についてスリップ傾向が決定手段(90)によって決定された場合、前記スリップしている被駆動ホイール(20、30)に作用する制動力を減少する工程を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. スリップホイール(20、30)の速度(vw )と前記車輛の速度(vv )の差がスリップ閾値(thr2 )を越えた場合に、スピン防止規制を実行する工程を含み、前記スリップ傾向閾値(thr1 )は、同じ目盛りで前記スリップ閾値(thr2 )の下にある、ことを特徴とする請求項1叉は2に記載の方法。
  4. 前記別の被駆動ホイール(20、30)に作用する制動力の増大勾配を、制動手段(220、230)によって加えられた制動力に従って変化させる、ことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記別の被駆動ホイール(20、30)の速度(vw )と前記車輛の速度(vv )との差が、前記スリップ傾向閾値(thr1 )より低い場合に、前記別の被駆動ホイール(20、30)に作用する制動力を段階的に減少する、ことを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法。
  6. 車輛用スピン防止規制(ASR)用の装置において、
    スリップしている被駆動ホイール(20、30)を制動するための制動手段(220、230)が設けられ、
    別の被駆動ホイール(20、30)を監視するための監視手段(25、35)が設けられ、
    前記別の被駆動ホイール(20、30)用の決定手段(90)を更に設けることにより、スリップ傾向が決定された場合に請求項1乃至5のうちのいずれか一つに記載の方法によって前記別の被駆動ホイール(20、30)を制動するための制動手段(220、230)が設けられている、ことを特徴とする装置。
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