JP4867211B2 - 樹脂フィルムの熱変形抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂フィルムの熱変形抑制方法に関する。
包装用フィルム、LCD、有機ELといった各種ディスプレイ、フレキシブル基板等に使用される樹脂フィルムは、高温で保存したり、加熱処理した場合に、熱変形してしまうことがあった。
このような問題を解決する方法として、フィルム製造工程において熱弛緩処理(アニール処理)を付加する方法が知られている。しかしながらこの方法は、十分な寸法安定性を付与するためには長時間のアニールが必要となるので生産性が悪く、フィルムの製造コストが高くなってしまうという問題があった。
樹脂フィルムの熱変形を抑える他の方法として、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルムの少なくとも片面にビニル基を有するポリジメチルシロキサンとジメチルハイドロジェンシランからなる付加反応タイプの硬化型シリコーンをメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びトルエンの混合溶剤中に溶解させ、さらにシリコーンレジンを配合しさらに白金触媒を添加して調製した塗工液を塗布、乾燥させて十分な寸法安定性を示す離型フィルムを形成する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら前記離型フィルムは高い寸法安定性を備えているものの、特定の硬化型シリコーンと特定のシリコーンレジンを用いるため、塗工液の調製が複雑であり、コストも高いという問題があった。
特開平9−262951号公報
本発明は、簡便でかつ安価な方法で、樹脂フィルムの熱変形を抑制する方法を提供する。
すなわち本発明は、樹脂フィルムの少なくとも片面に無機微粒子層(ただし、無機微粒子層が有機高分子と無機微粒子とを含む層である場合を除く。)を積層する樹脂フィルムの熱変形抑制方法であって、前記無機微粒子層の膜厚が0.05〜1μmであり、前記無機微粒子層を構成する無機微粒子がシリカであることを特徴とする樹脂フィルムの熱変形抑制方法である。
本発明によれば、簡便でかつ安価な方法で、樹脂フィルムの熱変形を抑制することができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明で用いられる樹脂フィルムは公知の樹脂フィルムであり、その材料や層構成、製造方法など特に限定されるものではない。樹脂フィルムを構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリメタクリル酸メチル等を挙げることができる。樹脂フィルムの製造方法としては、Tダイ成形法、インフレーション成形法、プレス形成法、溶媒キャスト法等が挙げられる。また、一軸延伸、あるいは二軸延伸された樹脂フィルムであってもよい。
本発明で用いられる樹脂フィルムは、単層であってもよく、多層であってもよい。また、多孔質フィルムであってもよい。多層フィルムである場合には、シリカ蒸着膜のような無機物からなる層を有していてもよい。本発明で用いられる樹脂フィルムの膜厚は、通常200μm以下である。
本発明における樹脂フィルムの熱変形とは、樹脂フィルムを加熱したときにおこる熱膨張や、延伸フィルム等で顕著に見られる熱収縮である。
樹脂フィルムの少なくとも片面に無機微粒子層を積層することにより、樹脂フィルムの熱変形を抑制することができる。無機微粒子層は、樹脂フィルムの片面のみに積層してもよく、両面に積層してもよい。無機微粒子層を両面に積層する場合には、一方の無機微粒子層と他方の無機微粒子層とが同じ無機微粒子から形成されていてもよく、異なる無機微粒子から形成されていてもよい。また、各無機微粒子層の厚みも同じでも異なっていてもよい。
本発明における無機微粒子層とは、無機微粒子が積み重なって形成されてなる層である。無機微粒子層には、低融点ガラスや有機珪素化合物等の無機バインダー添加してもよい。
本発明における無機微粒子層の厚さは、樹脂フィルムの熱変形抑制効果および無機微粒子層の強度の観点から、0.05〜1μmであることが好ましい。
樹脂フィルムに無機微粒子層を積層する方法としては、無機微粒子を分散させた塗工液を樹脂フィルム上に塗工する方法が挙げられる。無機微粒子層を形成する無機微粒子は、アスペクト比が2未満であり、塗工液中で均一に分散しやすいものが好ましい。アスペクト比が大きい無機微粒子や、塗工液中で分散しにくい無機微粒子を用いた場合には、均一な無機微粒子層を積層することが困難となることがある。本発明で用いられる無機微粒子としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸バリウム等が挙げられる。塗工液中での分散性が良好であること、粒子が真球状であり粒径が均一であることから、無機微粒子としてシリカを用いることが好ましい。なおシリカとは、二酸化ケイ素粒子またはコロイダルシリカのことである。
本発明で用いられる無機微粒子は1種類に限定されるものではなく、必要に応じて複数の無機微粒子を混合して無機微粒子層を形成することができる。
塗工液中での無機微粒子の分散性および積層した無機微粒子層の強度の観点から、粒径が1nm〜300nmである無機微粒子を用いることが好ましい。透明性に優れる無機微粒子層を形成する際には、粒径が1〜100nmである無機微粒子を用いることが特に好ましい。無機微粒子の粒径とは、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等を用いて画像で観察された粒径や、レーザー回折散乱法、動的光散乱法、BET法の平均粒径、シアーズ法などにより求められる平均粒径である。
無機微粒子層を形成するために使用する塗工液は、無機微粒子を溶媒に分散させた液または無機コロイドであり、透明性、緻密性に優れることから、シリカを分散させた液またはコロイダルシリカを用いることが好ましい。溶媒には揮発性の有機溶媒を用いてもよいが、乾燥設備の防爆型構造が不要となりコスト低減が可能であるため、水を使用することが好ましい。
塗工液中の無機微粒子の量は、形成する無機微粒子層の膜厚に応じて適宜選択することができるが、1〜20重量%の範囲が好ましい。
塗工液は、スターラーによる攪拌、超音波分散、超高圧分散(超高圧ホモジナイザー)等の手法により、塗工液中の粒子の分散性を向上させてもよい。また、塗工液のpH調整を行い粒子の分散性を向上させてもよい。イオン性分散剤や非イオン性分散剤や界面活性剤を添加することにより、塗工液中の粒子の分散性を向上させてもよい。また、アルコール等の有機溶剤を添加してもよい。
無機微粒子を含む塗工液を樹脂フィルム上に塗工する方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター等を用いて塗工する方法が挙げられる。塗工液を塗工する前に、樹脂フィルム表面に予めコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線処理、アンカーコート処理、洗浄処理等の前処理を施しておいてもよい。
塗工液の塗工厚みは、形成する無機微粒子層厚みに応じて適宜設定することができるが、通常1〜20g/m2の範囲である。
本発明の樹脂フィルムの熱変形抑制方法は、ボイル処理やレトルト処理といった加熱工程が必要とされる食品用包装材、偏光板の熱変形による画質低下が問題となる大型液晶ディスプレイ(LCD)、発光層からの発熱による変形が危惧されるプラズマディスプレイパネル(PDP)およびその前面版、スパッタ等の製膜時の加熱変形が問題となるフレキシブル基板およびそれを使用する有機ELディスプレイ、内部発熱による変形、短絡が問題のリチウム二次電池のセパレーター等に使用可能である。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[参考例]
樹脂フィルムには、二軸延伸ナイロン基材を主とする、日本エコラップ(株)製ガスバリアフィルム、セービックスYON−R2(膜厚約15μm)のガスバリア層上に、活性水素化合物とイソシアネート化合物(商品名:AD76H5/CAT−10L=10/4(重量比)、東洋モートン(株)製)を混合した液を塗工し、乾燥させて膜厚約0.2μmの層を形成したフィルムを使用した。該樹脂フィルムから、10cm×10cmの試験片を作製し、該試験片を100℃のウォーターバス中で一時間保持した後、収縮率を測定した。MD方向の収縮率は2.0%、TD方向の収縮率は3.5%であった。
[実施例1]
無機微粒子として日産化学社製コロイダルシリカ、スノーテックスST−XS(平均粒径4〜6nm、固形分濃度20重量%)を12.5g、日産化学社製コロイダルシリカ、スノーテックスST−ZL(平均粒径70〜100nm、固形分濃度40重量%)を25g、純水87.5gと界面活性剤水溶液25g(東レ・ダウコーニングシリコーン社製界面活性剤SH3746を1重量%、純水99重量%)およびイソプロピルアルコールを100g投入し塗工液を調製した。塗工液中の固形分濃度はST−XSが1重量%、ST−ZLが4重量%であった。参考例で用いた樹脂フィルムの活性水素化合物およびイソシアネート化合物から形成された膜面に該塗工液をバーコーターを用いて塗工し、60℃で乾燥して無機微粒子層を積層した。無機微粒子層の膜厚は250mであった。無機微粒子層を積層した樹脂フィルムから、10cm×10cmの試験片を作製し、該試験片を100℃のウォーターバス中で一時間保持した後、収縮率を測定した。MD方向の収縮率は1.3%、TD方向の収縮率は3.2%であった。無機微粒子層を積層することにより、樹脂フィルムの熱収縮が抑制されたことが確認できた。


Claims (1)

  1. 樹脂フィルムの少なくとも片面に無機微粒子層(ただし、無機微粒子層が有機高分子と無機微粒子とを含む層である場合を除く。)を積層する樹脂フィルムの熱変形抑制方法であって、前記無機微粒子層の膜厚が0.05〜1μmであり、前記無機微粒子層を構成する無機微粒子がシリカであることを特徴とする樹脂フィルムの熱変形抑制方法。
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