JP4866590B2 - めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液及びこれらを用いてなるプリント配線板 - Google Patents

めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液及びこれらを用いてなるプリント配線板 Download PDF

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本発明は、無電解めっきを施す際に好適に使用することができるめっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液であり、特にはプリント配線板用の製造等に好適に用いることができる溶液及びめっき用材料とそれを用いてなるプリント配線板に関するものである。
電気エネルギーを用いずに、金属塩の水溶液中に還元剤を入れておき、その分解による還元作用で金属を基材上に析出せしめる無電解めっきは、各種プラスチック、ガラス、セラミック、木材などの絶縁性材料表面の機能化のために広く適用されている技術である。例えば、ABS樹脂やポリプロピレン樹脂に無電解めっきを施し、自動車のグリルやマーク類、家電製品のツマミ類などの部品とする装飾めっきや、プリント配線板のスルーホールめっきのような機能めっきを挙げることができる。
しかし、無電解めっきは上記各種材料表面との接着性が低い場合が多い。特に、上述したプリント配線板の製造に適用した場合、無電解めっき皮膜と絶縁材料との接着性は低いことが課題であった。特に、絶縁材料に直接金属層を形成する方法として、無電解めっき皮膜を形成する方法を用いた場合、表面粗度が小さい平滑な表面を有する絶縁材料に対して、無電解めっきを強固に接着するのは非常に困難であった。
これは、無電解めっきが、主にパラジウム等の触媒を介して堆積するように形成されるためであると考えられるからである。したがって、表面粗度が小さい樹脂表面に形成した回路配線との接着性を改善するには、ポリイミドフィルム表面に何らかの下地金属層を、蒸着、スパッタリング等の物理的方法で形成し、その上に良導電材である銅を形成する必要があった(特許文献2を参照)。
一方、例えば、表面に配線を形成したプリント配線板などを製造する際、絶縁材料上に無電解めっき皮膜を形成する場合、できるだけ平滑な表面に、強固に無電解めっき皮膜が形成されていることが非常に望ましい。
上記課題を解決するため、プリント配線板に用いられる絶縁性の樹脂材料は、様々な手法で表面を粗化させ、いわゆるアンカー効果によって無電解めっき皮膜との接着性を得ていた(例えば特許文献1参照)。しかし、接着性を良好なものとするためには、材料表面の粗度を大きくする必要があり、表面粗度が小さい場合には無電解めっき皮膜と樹脂材料との接着性は低いため、微細配線形成には限界があった。
特開2000−198907号公報(平成12(2000)年7月18日公開) 特開平8−330728号公報(平成8(1996)年12月13日公開)
背景技術で説明したように、表面粗度が小さい場合でも絶縁性の樹脂材料と無電解めっき皮膜との接着性が高く、且つめっきを施す表面全体に良好に無電解めっきを形成できるめっき用材料は未だ見出されていない。
従って、本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、無電解めっきを施すための層を有するめっき用材料であって、該無電解めっきを施すための層として、特定のポリイミド樹脂を用いるとともに、層Aの引張弾性率を規定することによって、この材料を用いて無電解めっきを施した際の、無電解めっきと各種材料間との接着性を向上させ、且つ良好に無電解めっきせしめるためのめっき用材料を提供することにあり、特に各種プリント配線板の製造等に好適に用いることができ、さらには微細配線形成が要求されるフレキシブルプリント配線板、リジッドプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板、多層リジッド配線板やビルドアップ配線板等のプリント配線板用の製造等に好適に用いることができる溶液、めっき用材料とそれを用いてなるプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、下記のめっき用材料により、上記課題が解決しうることを見出した。すなわち、本発明は、産業上有用な以下の発明(1)〜(7)を包含する。
(1)無電解めっきを施すための層Aを少なくとも有するめっき用材料であって、層Aは下記一般式(1)〜(6)
Figure 0004866590
(式中、RおよびRは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1以上の整数である。)
のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するポリイミド樹脂を含有するとともに、シート状にして測定した引張弾性率が1.8GPa以下であることを特徴とするめっき用材料。
(2)前記引張弾性率が0.1GPa以上であることを特徴とする(1)に記載のめっき用材料。
(3)無電解めっきが、無電解銅めっきであることを特徴とする(1)または(2)に記載のめっき用材料。
(4)(1)に記載の層A上に、無電解めっきが施されてなることを特徴とする積層体。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載のめっき用材料を用いてなるプリント配線板。
(6)下記一般式(1)〜(6)
Figure 0004866590
(式中、RおよびRは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1以上の整数である。)
のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するポリイミド樹脂を含有する溶液であって、(1)に記載の層Aを形成するために用いることを特徴とするポリイミド樹脂溶液。
(7)下記一般式(1)〜(6)
Figure 0004866590
(式中、RおよびRは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1以上の整数である。)
のいずれかで表される構造のうち、1つ以上の構造を有するポリアミド酸を含有する溶液であって、(1)に記載の層Aを形成するために用いることを特徴とするポリアミド酸溶液。
本発明では、無電解めっきを施すための層Aを有し、且つ該層Aに特定の構造を有するポリイミド樹脂を用い、且つ該層Aが特定の引張弾性率を有することにより、特に表面粗度が小さいにもかかわらず無電解めっき層との接着強度が高く、他の各種材料との接着性にも優れる。よって、無電解めっきを施したい材料表面に、まず本発明のめっき用材料を形成し、その後無電解めっきを施せば、本発明のめっき用材料が層間接着剤の役割を果たすことにより、無電解めっきと材料間とが強固に接着するという利点を有する。また、本発明のめっき用材料はポリイミド樹脂を含有することにより耐熱性に優れたものとなるため、各種プリント配線板の製造に好適に用いることができ、さらには、特に表面粗化を実施せずとも無電解めっき層との接着強度が高いという利点を生かして、微細配線形成が要求されるフレキシブルプリント配線板、リジッドプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板、多層リジッド配線板やビルドアップ配線板等のプリント配線板用の製造等に好適に用いることができるという効果も奏する。
本発明の実施の一形態について以下に詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
(本発明のめっき用材料、溶液の特徴と材料構成)
本発明のめっき用材料は、無電解めっきを施すための層Aを有し、且つ該層Aが上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂を含有し、且つ引張弾性率が1.8GPa以下であることを特徴とする。ここで、本発明の層Aとは、厚さが10Å以上を有する層のことをいう。
上記層Aに上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂を用い、且つ該層Aの引張弾性率を特定の範囲に限定することで、表面粗化を実施せずとも無電解めっき皮膜との接着強度を良好なものにすることができる。
本発明のめっき用材料は、層Aを有しさえすれば用いる用途に応じていかなる構成からなる材料、形態であっても構わない。例えば、本発明のめっき用材料をプリント配線板に用いる場合には、層Aのみから構成される材料であっても良いし、層Aと、形成された回路と対向させるための層Bとから構成される材料であっても良いし、層A/高分子フィルムC/層Bとから構成される材料であっても良い。また、層Aと高分子Cとから構成される材料であっても良いし、層A/高分子フィルムC/層Aとから構成される材料であっても良い。
本発明のめっき用材料を得るために、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂を含有する溶液が好ましく用いられる。また、本発明のめっき用材料を得るために、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリアミド酸を含有する溶液が好ましく用いられる。
本発明のめっき用材料は、少なくとも無電解めっきを施すための層Aを有していればよいが、無電解めっきを施したい材料表面に、まず本発明のめっき用材料を形成し、その後無電解めっきを施す方法が好ましく用いられる。これにより、本発明のめっき用材料が層間接着剤の役割を果たすことにより、無電解めっきと材料間とが強固に接着するという利点を生かし、各種装飾めっき用途や、機能めっき用途に適用することが可能である。その中でも、耐熱性をも併せ持ち、表面粗度が小さい場合でも無電解めっき層を強固に形成できるという利点を生かし、プリント配線板用のめっき用材料として好適に用いることができる。
以下に本発明のめっき用材料について、特にプリント配線板に適用した場合について説明する。
(層A)
層Aは、その表面に無電解めっきが施される層であり、且つ該層Aが上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂を含有することが重要である。本発明者らは、無電解めっきを施される表面の材料として上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂を含有していれば、無電解めっきとの接着性が良好なものになることを見出した。
また、層Aは引張弾性率が1.8GPa以下となるように、構成する樹脂および配合を設計することが重要である。ここで、引張弾性率が1.8GPa以下となっていることは、次のようにして確認する。すなわち、層Aからなる25μm厚のシートを作製し、JISK 7127に従って引張弾性率を測定する。具体的には、層Aを形成するための樹脂溶液を調整し、圧延銅箔(BHY22BT、ジャパンエナジー社製)のシャイン面に乾燥後の厚みが25μmとなるように流延塗布し、乾燥させ、充分に揮発分を除去してシートを得る。
塩酸/塩化第二鉄系エッチャントにて圧延銅箔をエッチングにて除去し、60℃/30分乾燥させて、層Aからなる25μm厚みのシートを得る。該シートを幅10mm、長さ80mmにカットし、試験片を得る。測定は、常態にて、チャック間60mm、速度5mm/minで引張試験を実施し、引張弾性率を測定する。
層Aの引張弾性率が1.8GPaよりも高くなると、無電解めっき皮膜と層Aとの接着性が低下する。これは、層Aが固く、粘り強さに欠けるため、めっき銅と層Aの界面で剥離しやすくなるためと考えられる。
さらに、本発明においては引張弾性率の好ましい下限が存在する。引張弾性率は0.1GPa以上であることが好ましい。引張弾性率が0.1GPaよりも小さくなると、無電解めっきの形成性が悪くなる傾向にある。すなわち、無電解めっきを施す面に均一に無電解めっき皮膜を形成することが困難となる場合がある。また、プリント配線板に用いた場合には、微細な回路の形成性に悪影響を及ぼす場合がある。
次に、本発明のポリイミド樹脂について説明する。
本発明のポリイミド樹脂は、下記一般式(1)〜(6)
Figure 0004866590
(式中、RおよびRは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1以上の整数である。)
のいずれかで表される構造のうち、少なくとも1種以上の構造を有するポリイミド樹脂であればよい。上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂を製造する方法としては、例えば、(1)上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有する酸二無水物成分あるいは上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミン成分を用いて、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を製造し、これをイミド化してポリイミド樹脂を製造する方法、(2)官能基を有する酸二無水物成分あるいは官能基を有するジアミン成分を用いて官能基を有するポリアミド酸を製造し、この官能基と反応しうる官能基、及び上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有する化合物を反応させて、上記構造が導入されたポリアミド酸を製造し、これをイミド化してポリイミド樹脂を製造する方法、(3)官能基を有する酸二無水物成分あるいは官能基を有するジアミン成分を用いて官能基を有するポリアミド酸を製造し、これをイミド化して官能基を有するポリイミドを製造し、この官能基と反応しうる官能基、及び上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有する化合物を反応させて、上記構造が導入されたポリイミド樹脂を製造する方法などが挙げられる。
ここで、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンは比較的容易に入手することが可能であるため、上記の中でも、酸二無水物成分と、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンを反応させて目的とするポリイミド樹脂を製造することが好ましい。
次に、本発明のポリイミド樹脂として、酸二無水物成分と、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンとを用いた場合の製造例を説明する。
酸二無水物成分としては特に限定はなく、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンジフタル酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、4,4’−ハイドロキノンビス(無水フタル酸)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)等を挙げることができる。これらは1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
ここで、ピロメリット酸二無水物のような、屈曲性の連結基を有さない酸二無水物を用いると、引張弾性率が向上する傾向にある。一方、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)のような、屈曲性の連結基を有する酸二無水物を用いると引張弾性率が低下する傾向にある。
続いて、ジアミン成分について説明する。本発明においては、ジアミン成分として、下記一般式(1)〜(6)
Figure 0004866590
(式中、RおよびRは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、Rは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価のフェニレン基を表す。さらに、n=3〜100であり、mは1以上の整数である。)
のいずれかで表される構造を有するジアミンを含むことが好ましい。
上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンを含むジアミン成分を用いることにより、得られるポリイミド樹脂は、無電解めっき層と強固に接着するという特徴を有するようになる。
上記一般式(1)で表される構造を有するジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミンや、オクタメチレンジアミンなどを例示することができる。上記一般式(2)で表される構造を有するジアミンとしては、例えば、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタンなどが挙げられる。上記一般式(3)で表されるジアミンとしては、例えば、エラスマー1000Pや、エラスマー650P、エラスマー250P(イハラケミカル工業(株)製)が挙げられる。なお、エラスマーの場合、上記一般式(3)のRは、Cである。また、上記一般式(4)で表されるジアミンとしては、ポリエーテルポリアミン類、ポリオキシアルキレンポリアミン類を挙げることができ、ジェファーミンD−2000、ジェファーミンD−4000(ハンツマン・コーポレーション社製)などを例示することができる。
さらに、上記一般式(6)で表されるジアミンとしては、例えば、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(3−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(3−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、等が挙げられる。また、比較的入手しやすい上記一般式(6)で表される構造を有するジアミンとして、信越化学工業株式会社製のKF−8010、X−22−161A、X−22−161B、X−22−1660B―3、KF−8008、KF−8012、Xー22−9362、等を挙げることができる。上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンは単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
ここで、引張弾性率を本発明の範囲にせしめるために、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンと他のジアミンとを組み合わせて使用することが好ましい。他のジアミン成分としては、あらゆるジアミンを使用することが可能であり、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルなどを挙げることができる。
ここで、p−フェニレンジアミンのように屈曲性の連結基を有さないジアミンを用いると、引張弾性率が向上する傾向にある。一方ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンのように屈曲性の連結基を有するジアミンや、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンのようにメタ結合を有するジアミンを用いると引張弾性率が低下する傾向にある。
また、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンの量によって引張弾性率を制御することもでき、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンの量が少なくなると弾性率は高くなり、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンの量が多くなると弾性率は低くなる傾向にある。
上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンは、全ジアミン成分に対して2〜98モル%が好ましく、より好ましくは5〜95モル%である。上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンが、全ジアミン成分に対して2モル%より低い場合、接着強度が低くなる傾向にある。また、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンが、全ジアミン成分に対して98モル%より高い場合、無電解めっきの形成性が悪くなる傾向にある。
前記ポリイミドは、対応する前駆体ポリアミド酸重合体を脱水閉環して得られる。ポリアミド酸重合体は、酸二無水物成分とジアミン成分とを実質的に等モル反応させて得られる。
反応の代表的な手順として、1種以上のジアミン成分を有機極性溶剤に溶解または分散させ、そののち1種以上の酸二無水物成分を添加し、ポリアミド酸溶液を得る方法があげられる。各モノマーの添加順序はとくに限定されず、酸二無水物成分を有機極性溶媒に先に加えておき、ジアミン成分を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよいし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、つぎに過剰の酸二無水物成分を加え、過剰量に相当するジアミン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよい。このほかにも、当業者に公知のさまざまな添加方法がある。具体的には下記の方法が挙げられる。
なお、ここでいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解する場合のほかに、溶質が溶媒中に均一に分散または分散されて実質的に溶解しているのと同様の状態になる場合を含む。反応時間、反応温度は、とくに限定されない。
1)ジアミン成分を有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの酸二無水物成分を反応させて重合する方法。
2)酸二無水物成分とこれに対し過小モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるようにジアミン成分を用いて重合させる方法。
3)酸二無水物成分とこれに対し過剰モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここにジアミン成分を追加添加後、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるように酸二無水物成分を用いて重合する方法。
4)酸二無水物成分を有機極性溶媒中に溶解及び/または分散させた後、実質的に等モルとなるようにジアミン成分を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルの酸二無水物成分とジアミン成分の混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
ポリアミド酸の重合反応に用いられる有機極性溶媒としては、たとえば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
前記方法により得られたポリアミド酸溶液を、熱的または化学的方法により脱水閉環し、ポリイミドを得るが、ポリアミド酸溶液を熱処理して脱水する熱的方法、脱水剤を用いて脱水する化学的方法のいずれも用いることができる。また、減圧下で加熱してイミド化する方法も用いることができる。以下に各方法について説明する。
熱的に脱水閉環する方法として、前記ポリアミド酸溶液を加熱処理によりイミド化反応を進行させると同時に、溶媒を蒸発させる方法を例示することができる。この方法により、固形のポリイミド樹脂を得ることができる。加熱の条件はとくに限定されないが、200℃以下の温度で1秒〜200分の時間の範囲で行なうことが好ましい。
また、化学的に脱水閉環する方法として、前記ポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒を加えることにより、脱水反応を起こし、有機溶媒を蒸発させる方法を例示することができる。これにより、固形のポリイミド樹脂を得ることができる。脱水剤としては、たとえば、無水酢酸などの脂肪族酸無水物、無水安息香酸などの芳香族酸無水物などがあげられる。また、触媒としては、たとえば、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソキノリンなどの複素環式第3級アミン類などがあげられる。化学的に脱水閉環する際の条件は、100℃以下の温度が好ましく、有機溶媒の蒸発は、200℃以下の温度で約5分〜120分の時間の範囲で行なうことが好ましい。
また、ポリイミド樹脂を得るための別の方法として、前記の熱的または化学的に脱水閉環する方法において、溶媒の蒸発を行なわない方法もある。具体的には、熱的イミド化処理または脱水剤による化学的イミド化処理を行なって得られるポリイミド溶液を貧溶媒中に投入して、ポリイミド樹脂を析出させ、未反応モノマーを取り除いて精製、乾燥させ、固形のポリイミド樹脂を得る方法である。貧溶媒としては、溶媒とは良好に混合するがポリイミドは溶解しにくい性質のものを選択する。例示すると、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソルブ、メチルエチルケトンなどがあげられるが、これらに限定されない。
つぎに、減圧下で加熱してイミド化する方法であるが、このイミド化の方法によれば、イミド化によって生成する水を積極的に系外に除去できるので、ポリアミド酸の加水分解を抑えることが可能であり、高分子量のポリイミドが得られる。また、この方法によれば、原料の酸二無水物中に不純物として存在する片側または両側開環物が再閉環するので、より一層の分子量の向上効果が期待できる。
減圧下で加熱イミド化する方法の加熱条件は、80〜400℃が好ましいが、イミド化が効率よく行なわれ、しかも水が効率よく除かれる100℃以上がより好ましく、さらに好ましくは120℃以上である。最高温度は目的とするポリイミドの熱分解温度以下が好ましく、通常のイミド化の完結温度、すなわち250〜350℃程度が通常適用される。
減圧する圧力の条件は、小さいほうが好ましいが、具体的には、9×10〜1×10Pa、好ましくは8×10〜1×10Pa、より好ましくは7×10〜1×10Paである。
以上、ポリイミド樹脂について説明したが、市販のポリイミド樹脂も用いてもよい。本発明のめっき用材料に用いることができる、比較的入手しやすい上記一般式(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂の例として、信越化学工業株式会社製のX−22−8917、X−22−8904、X−22−8951、X−22−8956、X−22−8984、X−22−8985、等を挙げることができる。尚、これらはポリイミド溶液である。
層Aには、引張弾性率を調整する目的で、上述のポリイミド樹脂の他に、他の成分を含有させることが可能である。他の成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂を適宜使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、また、酸二無水物成分と、熱可塑性ポリイミド樹脂等を挙げることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、フェノール樹脂、シアナート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、トリアジン樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などをあげることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。また、前記熱硬化性樹脂以外に、高分子鎖の側鎖または末端に、エポキシ基、アリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を使用することも可能である。尚、熱硬化性樹脂を含有させた場合、得られる層Aの引張弾性率が向上する傾向にある。
また、層Aには、引張弾性率を調整する目的で、各種有機フィラー、無機フィラーを添加することもできる。尚、フィラーを含有させた場合、得られる層Aの引張弾性率は向上する傾向にある。
上述の他の成分は、微細配線形成に悪影響を及ぼす程に層Aの表面粗度を大きくしない、また、層Aと無電解めっき層との接着性を低下させない範囲で組み合わせることが重要であり、この点には注意を要する。
上述のように、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するジアミンの全ジアミン成分に対するモル濃度を特定の範囲内にすることや、上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂と他の成分とを含有させることなどの方法により、本発明の層Aからなるシートの引張弾性率を0.1GPa以上1.8GPa以下にせしめることが可能である。このように、引張弾性率を特定の範囲に調整することで、高接着強度と良好な無電解めっきの形成が可能となる。
また、層Aには、無電解めっき層との接着性をより向上させる目的で、各種添加剤をめっき材料に添加、めっき材料表面に塗布等の方法で存在させることも可能である。具体的には有機チオール化合物などを挙げることができるが、これに限定されない。
(その他の層)
本発明のめっき用材料は、層Aを有しさえすればいかなる構成からなる材料であっても構わない。例えば、本発明のめっき用材料をプリント配線板、特にビルドアップ配線板等のリジッドプリント配線板に適用する場合、層Aのみから構成される材料であっても良いし、層Aと、形成された回路と対向させるための層Bとから構成される材料であっても良いし、層A/高分子フィルムC/層Bとから構成される材料であっても良い。また、本発明のめっき用材料をプリント配線板、特にフレキシブルプリント配線板に適用する場合、層A/高分子Cとから構成される材料であっても良いし、層A/高分子フィルムC/層Aとから構成される材料であっても良い。
層Bは、形成された回路を有する表面に対して積層する際、回路間に層Bが流動して、回路を埋め込むことができる、優れた加工性が必要である。一般に、熱硬化性樹脂は上記加工性に優れており、層Bには熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。この熱硬化性樹脂組成物としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、シアナートエステル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖または末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を適切な熱硬化剤、硬化触媒と組み合わせた熱硬化性樹脂組成物として適用可能である。これらの熱硬化性樹脂組成物に更に熱可塑性高分子を添加することも好ましく実施可能であり、例えばエポキシ樹脂とフェノキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物やエポキシ樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物、シアナート樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物等は好ましく実施可能である。この中でも、めっき用材料として要求される諸特性バランスに優れるエポキシ樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物が最も好ましい。また、低熱膨張性発現のため、各種フィラーを組み合わせることも可能である。
高分子フィルムCとしては、特に限定はなく、あらゆる高分子フィルムを使用することが可能であるが、耐熱性、低熱膨張性の観点から非熱可塑性ポリイミドフィルムが好ましい。
なお、本発明の無電解めっきを施すための層Aを少なくとも有するめっき用材料は、表面処理を特別施さなくても、無電解めっきとの接着性に優れるものであるが、表面処理を施して用いてもかまわない。ただし、プリント配線板に用いる場合には、配線形成に悪影響を及ぼさない程度の表面粗度を有する必要がある。
本発明のめっき用材料あるいは絶縁シートには、無電解めっき皮膜の形成を行う前に、デスミアなどのアルカリ処理を施す場合がある。従来公知の材料である、エポキシ樹脂材料などは、デスミアなどのアルカリ処理によって表面が粗化されてしまう。これに対して、本発明の無電解めっきを施すための層Aとして、特に上記式(1)、(2)、(4)、または(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂を用いることが、デスミアなどのアルカリ処理をしても、表面が粗化されずに平滑に保つことができ、かつ、強固に無電解めっき皮膜が形成されるという点から好ましい。
(無電解めっき)
本発明のめっき用材料の層Aに形成される無電解めっきの種類としては、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解金めっき、無電解銀めっき、無電解錫めっき、等を挙げる事ができ本発明に使用可能であるが、工業的観点、耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっきが好ましく、特に好ましくは無電解銅めっきである。
(本発明の溶液)
本発明の溶液は、層Aを形成するために用いられることを特徴とする上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂を含有する溶液である。該溶液は、上述したように、ポリイミド樹脂以外にも他の成分を含んでいても良く、またこれら樹脂成分を溶解するいかなる溶媒をも使用することができる。ここで溶解するとは、溶媒に対して樹脂成分が1重量%以上溶解することをいう。該溶液は、所望の材料上に浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート等公知の方法により塗布、乾燥することにより層Aを形成することができる。
また、本発明の溶液は、層Aを形成するために用いられることを特徴とする上記一般式(1)〜(6)で表される構造を有するポリアミド酸を含有する溶液である。該溶液は、上述したように、ポリアミド酸溶液以外にも他の成分を含んでいても良く、またこれら樹脂成分を溶解するいかなる溶媒をも使用することができる。ここで溶解するとは、溶媒に対して樹脂成分が1重量%以上溶解することをいう。該溶液は、所望の材料上に公知の方法により浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート等公知の方法により塗布、イミド化することにより層Aを形成することができる。イミド化は、上述のように、ポリアミド酸溶液を熱処理して脱水する熱的方法、脱水剤を用いて脱水する化学的方法のいずれも用いることができる。また、減圧下で加熱してイミド化する方法も用いることができる。この中でも、処理が簡便で製造効率が良い点から、熱処理して脱水する熱的方法によりイミド化する方法を好ましく用いることができる。
(本発明のめっき用材料の形態と製造方法)
次に本発明のめっき用材料の製造方法について説明する。
本発明のめっき用材料の形態の1つは、ポリイミド樹脂を含有する溶液である。例えば、無電解めっきを施すための層Aを形成する上記溶液を製造し、該溶液を浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート等の公知の方法により、内層配線板や高分子フィルム等の所望の材料上に塗布、乾燥せしめて層Aを形成することができる。
本発明のめっき用材料の別の形態の1つは、ポリアミド酸溶液である。例えば、無電解めっきを施すための層Aを形成する上記溶液を製造し、該溶液を浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート等の公知の方法により、内層配線板や高分子フィルム等の所望の材料上に塗布、イミド化せしめて層Aを形成することができる。
本発明のめっき用材料の、別の形態は、シートである。例えば、無電解めっきを施す層Aを形成する溶液を支持体上に流延塗布し、その後乾燥せしめることにより層Aを有するシートを製造する。このシートを内層配線板や高分子フィルム等の所望の材料上に積層することにより層Aを形成することができる。尚、上述したように、本発明の層Aとは、厚さが10Å以上を有する層のことをいう。
以上、本発明のめっき用材料の形態と使用方法について例示したが、これに限定されるものではない。
<プリント配線板>
本発明のめっき用材料は、プリント配線板用途に好ましく用いる事ができる。ここで、本発明のシート状のめっき用材料を用いたプリント配線板を製造する方法として、順に、樹脂フィルム基材の付いたシート状のめっき用材料、回路パターンが形成された内層基板を積層し、樹脂フィルム基材を剥離することにより露出する層A表面に対し無電解めっきを行い、回路パターン用の金属層を得る事が可能である。
上記において内層基板にフレキシブルプリント配線板を用いた場合、多層フレキシブル配線板を製造する事になり、また、ガラス−エポキシ基材等を用いたプリント配線板を用いた場合、多層リジッド配線板やビルドアップ配線板を製造する事になる。また、多層プリント配線板には垂直方向の電気的接続の為にヴィアの形成が必要であるが、本発明のプリント配線板においては、レーザー、メカニカルドリル、パンチング等の公知の方法でヴィアを形成し、無電解めっき等の公知の方法で導電化することが可能であり、好ましく実施される。
積層に際しては、熱プレス処理、真空プレス処理、ラミネート処理(熱ラミネート処理)、真空ラミネート処理、熱ロールラミネート処理、真空熱ロールラミネート処理等の熱圧着処理を行うことができる。中でも真空下での処理、すなわち真空プレス処理、真空ラミネート処理、真空熱ロールラミネート処理がより良好に回路間をボイド無く埋め込むことが可能であり、好ましく実施可能である。
また、層Aと無電解めっき層との接着性を向上させる目的で、無電解めっき層を形成後に加熱処理を施すことも可能である。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、本発明にかかるめっき用材料の特性として、無電解めっき銅との接着性、表面粗さRa、引張弾性率、配線形成性は以下のように評価または算出した。
〔接着性評価〕
層Aを有するめっき用材料/支持体からなる材料を作製し、めっき用材料とガラスエポキシ基板FR−4(商品番号:MCL−E−67、日立化成工業(株)社製;銅箔の厚さ50μm、全体の厚さ1.2mm)とを対向させ、温度170℃、圧力1MPa、真空下の条件で6分の加熱加圧を行った後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がして、130℃で10分、150℃で10分、180℃で30分加熱して、層Aを有するめっき用材料/FR―4からなる積層体を得た。その後、露出する層Aに銅層の形成を行った。銅層の形成は、デスミアおよび無電解銅めっきを行なった後、無電解めっき銅上に厚さ18μmの電解めっき銅層を形成して行った。その後、180℃、30分の乾燥処理を行った後、JPCA−BU01−1998(社団法人日本プリント回路工業会発行)に従い、常態、及びプレッシャークッカー試験(PCT)後の接着強度を測定した。尚、デスミアおよび無電解銅めっきは以下の表1〜2に記載のプロセスで実施した。
常態接着強度:25℃、50%の雰囲気下、24時間放置した後に測定した接着強度。
PCT後接着強度:121℃、100%の雰囲気下、96時間放置した後に測定した接着強度。
Figure 0004866590
Figure 0004866590
〔引張弾性率〕
層Aからなる成分をシート状にして、JISK 7127に定める引張弾性率の測定法に準じて測定した。なお、測定用のシートは充分に乾燥し、揮発分が1%以下となっていることを確認した。揮発分の測定は、TGA(TGA−50、島津製作所製)測定装置を用いて、条件20℃/分、温度−Tg曲線の20〜200℃間の減量%を測定することにより定量した。
シートの具体的な作製方法は、まず、本発明の層Aを形成する樹脂溶液を調整し、該溶液を圧延銅箔(BHY22BT、ジャパンエナジー社製)のシャイン面に流延塗布し、60℃/1分、80℃/1分、100℃/3分、120℃/1分、140℃/1分、150℃/3分、180℃/60分、200℃/10分の加熱乾燥を熱風オーブンにて行った。その後、塩酸/塩化第二鉄系エッチャントにて圧延銅箔をエッチングにて除去し、層Aからなる25μm厚みのシートを得た。該シートを60℃/30分乾燥させたシートを得た。該シートを幅10mm、長さ80mmにカットし、常態にて、チャック間60mm、速度5mm/minで引張試験を実施し、引張弾性率を測定した。
〔表面粗度Ra測定〕
上記接着性測定項目のサンプル作製手順において、デスミアまで行った状態のサンプルを用い、層Aの表面粗度Raの測定を行った。測定は、光波干渉式表面粗さ計(ZYGO社製NewView5030システム)を用いて下記の条件で層Aの算術平均粗さを測定した。
(測定条件)
対物レンズ:50倍ミラウ
イメージズーム:2
FDA Res:Normal
解析条件:
Remove:Cylinder
Filter:High Pass
Filter Low Waven:0.002mm
〔配線形成性〕
層Aを有するめっき用材料/支持体からなる材料を作製し、めっき用材料と、ガラスエポキシ基板FR−4(商品番号:MCL−E−67、日立化成工業(株)社製;銅箔の厚さ50μm、全体の厚さ1.2mm)を加工し、配線形成したFR−4(配線厚さ12μm)の配線側とを対向させ、温度170℃、圧力1MPa、真空下の条件で6分の加熱加圧を行った後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がして、130℃で10分、150℃で10分、180℃で30分加熱して、層Aを有するめっき用材料/FR―4からなる積層体を得た。その後、UV−YAGレーザーにより内層のFR−4の電極直上に該電極に至る内径30μmのビアホールを開け、続いて基板全面に無電解銅めっきを施した後180℃、30分の加熱処理を施した。その後、形成した銅めっき層上にレジストパターンを形成し、厚み10μmの電解銅めっきを施した後、レジストパターンを剥離し、さらに露出しためっき銅を塩酸/塩化第二鉄系エッチャントで除去して、ライン アンド スペース(L/S)=100μm/100μm、及びL/S=10μm/10μmの配線を有するプリント配線板を作製した。該プリント配線板の配線が、断線や形状不良なく良好に作製できている場合を○、断線や形状不良を生じている場合を×として配線形成性を評価した。
〔合成例1:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、信越化学工業株式会社製KF8010を62g(0.075mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル15g(0.075mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと呼ぶ)を投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´―(4,4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、120分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂1を得た。
〔合成例2:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、信越化学工業株式会社製KF8010を37g(0.05mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル21g(0.10mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´―(4,4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、120分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂2を得た。
〔合成例3:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、信越化学工業株式会社製KF8010を86g(0.10mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル9g(0.05mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´―(4,4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、120分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂3を得た。
〔合成例4:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、信越化学工業株式会社製KF8010を22g(0.027mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル24.5g(0.123mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´―(4,4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、120分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂4を得た。
〔合成例5:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、信越化学工業株式会社製KF8010を107g(0.13mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4g(0.02mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´―(4,4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、120分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂5を得た。
〔合成例6:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、信越化学工業株式会社製KF8010を16g(0.02mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル26g(0.13mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´―(4,4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、120分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂6を得た。
〔合成例7:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン41g(0.143mol)と、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル1.6g(0.007mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´―(4,4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、180分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂7を得た。
〔合成例8:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、エラスマー1000P(イハラケミカル工業(株)製)55g(0.045mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル21g(0.105mol)と、DMFとを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、180分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂8を得た。
〔合成例9:ポリイミド樹脂〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、エラスマー1000P(イハラケミカル工業(株)製)92g(0.075mol)と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル15g(0.075mol)と、DMFとを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、180分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂9を得た。
〔調合例1:層Aを形成する溶液〕
ポリイミド樹脂1をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(a)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔調合例2:層Aを形成する溶液〕
ポリイミド樹脂2をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(b)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔調合例3:層Aを形成する溶液〕
ポリイミド樹脂3をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(c)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔調合例4:層Aを形成する溶液〕
ポリイミド樹脂4をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(d)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔調合例5:層Aを形成する溶液〕
ポリイミド樹脂5をジオキソランに溶解させ、溶液(e)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。また、ポリイミド樹脂7をジオキソランに溶解させ、溶液(f)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。溶液(e)70gと溶液(f)30gとを混合し、層Aを形成する溶液(g)を得た。
〔調合例6:層Aを形成する溶液〕
ポリイミド樹脂6をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(h)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔調合例7:層Aを形成する溶液〕
ポリイミド樹脂8をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(i)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔調合例8:層Aを形成する溶液〕
ポリイミド樹脂9をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(j)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔調合例9:層B溶液〕
ジャパンエポキシレジン(株)社製ビフェニル型エポキシ樹脂のYX4000H32.1g、和歌山精化工業(株)社製ジアミンのビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン17.9g、四国化成工業(株)社製のエポキシ硬化剤、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]ーエチル−s―トリアジン0.2gをジオキソランに溶解させ、固形分濃度50重量%の溶液(k)を得た。溶液(f)50gと溶液(k)15gと(株)龍森社製のシリカ(アドマファインS0−C5、平均粒径=1.5μm)50gとを混合し、層B溶液(l)を得た。
〔実施例1〕
表3に示す層Aを形成する溶液を、支持体となるポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名セラピールHP、東洋メタライジング社製)の表面上に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて60℃、100℃、150℃の温度で加熱乾燥させ、厚み25μmの層Aを有するめっき用材料/支持体からなる材料を得た。得られた材料を用いて、各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
〔実施例2〜5〕
表3に示す層Aを形成する溶液に従い、実施例1と同様の手順で層Aを有するめっき用材料を得た。得られたシートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
〔実施例6〕
表3に示す層Aを形成する溶液を、支持体となるポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名セラピールHP、東洋メタライジング社製)の表面上に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて60℃の温度で加熱乾燥させ、厚み5μmの層Aを有するめっき用材料を得た。
続いて層Aに表3に示す層B溶液を流延塗布し、熱風オーブンにて80℃、100℃、120℃、150℃、170℃の温度で、各1分ずつ加熱乾燥させ、層Aと層B両者を併せた厚みが40μmのめっき用材料を得た。得られためっき用材料を各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
〔実施例7〕
表3に示す層Aを形成する溶液を、25μmのポリイミドフィルム(商品名アピカルNPI、鐘淵化学工業(株)製)の表面上に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて60℃の温度で加熱乾燥させ、厚み5μmの層Aを有するポリイミドフィルムを得た。
続いて形成した層Aと反対のポリイミドフィルム面に表3に示す層B溶液を流延塗布し、熱風オーブンにて80℃、100℃、120℃、150℃、170℃の温度で、各1分ずつ加熱乾燥させ、5μmの層A/25μmのポリイミドフィルム/35μmの層Bからなる構成のめっき用材料を得た。得られためっき用材料を各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
参考
表3に示す層Aを形成する溶液に従い、実施例1と同様の手順で層Aを有するめっき用材料を得た。得られたシートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
参考
表3に示す層Aを形成する溶液および層B溶液に従い、実施例6と同様の手順で層Aよび層Bを有するめっき用材料を得た。得られたシートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
〔比較例1〕
溶液(h)を用いた以外は実施例1と同様の手順で各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表4に示す。表4から分かるように、引張弾性率が大きい場合、接着強度が低いことが分かる。
Figure 0004866590
Figure 0004866590
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明にかかるめっき用材料は、各種材料との接着性のみならず、無電解めっき皮膜との接着性が高い。また、本発明の表面粗度が小さい場合でも無電解めっき皮膜との接着性が高い。さらには、めっき用材料の層A全面に良好に無電解めっきを形成することが可能であるため、特にプリント配線板の製造等に好適に用いることができる。それゆえ、本発明は、樹脂組成物や接着剤等の素材加工産業や各種化学産業だけでなく、各種電子部品の産業分野に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 無電解めっきを施すための層Aを少なくとも有するめっき用材料であって、層Aは下記一般式(6)
    Figure 0004866590
    (式中、RおよびRは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、さらに、n=3〜100であり、mは1以上の整数である。
    表される構造を有するポリイミド樹脂を含有するとともに、シート状にして測定した引張弾性率が0.1GPa以上であり、かつ、1.8GPa以下であることを特徴とするめっき用材料。
  2. 無電解めっきが、無電解銅めっきであることを特徴とする請求項に記載のめっき用材料。
  3. 請求項1に記載の層A上に、無電解めっきが施されてなることを特徴とする積層体。
  4. 請求項1または2に記載のめっき用材料を用いてなるプリント配線板。
  5. 下記一般式(6)
    Figure 0004866590
    (式中、RおよびRは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、さらに、n=3〜100であり、mは1以上の整数である。
    表される構造を有するポリイミド樹脂を含有する溶液であって、請求項1に記載の層Aを形成するために用いることを特徴とするポリイミド樹脂溶液。
  6. 下記一般式(6)
    Figure 0004866590
    (式中、RおよびRは、C2xで表される2価のアルキレン基、または2価の芳香族基を表す。また、Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはフェノキシ基を表し、さらに、n=3〜100であり、mは1以上の整数である。
    表される構造を有するポリアミド酸を含有する溶液であって、請求項1に記載の層Aを形成するために用いることを特徴とするポリアミド酸溶液。
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