JP4866118B2 - 変速制御装置及び変速制御方法 - Google Patents
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Description
また、自動変速機の選択レンジとして、自動変速機をロックするレンジである駐車レンジがあり、この駐車レンジは、シフト操作部に駐車位置を形成して、運転者がシフトレバーによりこの駐車位置を選択したり、別途に備えられた駐車スイッチを運転者が押下することなどにより選択される。
したがって、本発明の解決しようとする課題は、運転者が駐車レンジへの切り換えを許可する所定速度よりも高い速度で駐車レンジへの切り換えを選択し、その後、車両が所定速度以下となった場合に、運転者の意図しない車両の急減速を防止できる変速制御装置及び変速制御方法を提供することである。
本実施の形態のシフト装置1は、後記する自動変速機(図3参照)の制御に適用されるものであり、シフトバイワイヤ方式でシフト操作に応じたシフト操作信号を、自動変速機のレンジの切り換えを制御する変速制御装置(図3参照)に伝送する。
なお、シフト装置1の取付け位置は、インスツルメントパネルIPに限定されず、図示しないステアリングコラムに設置するなど、様々な位置に取り付けることができる。
図3に示すように、自動変速機32には、変速制御装置20とシフト装置1とを備えたシフト操作装置40が接続されている。自動変速機32は、入力側がトルクコンバータ31を介してエンジン30の図示しないエンジン出力軸に連結され、出力側が図示しない駆動輪に動力を伝達する出力軸33が連結されている。この自動変速機32の油圧制御部34には、自動変速機32のレンジ切り替えを行うための電動アクチュエータ35が設けられている。油圧制御部34及び電動アクチュエータ35は、変速制御装置20からの制御信号に基づいて駆動制御される。
また、変速制御装置20には、特許請求の範囲の警告手段に相当する警告装置21が接続され、この警告装置21は、変速制御装置20からの制御信号に基づいて発報し、例えば、運転者に注意を促す警告音を発する。
さらに、変速制御装置20には、測定した車両の速度に応じた車速信号を出力する図示しない車速センサが接続されている。
また、本実施の形態では警告装置21は、警告音を発することとしたが、これ以外にも、例えばランプを駐車スイッチ2やインスツルメントパネルIP(図1参照)等に設置して点滅させたり、これらを組み合わせて運転者に警告を促すこととしてもよい。
参考実施形態例は、駐車スイッチ2の運転者の操作後の状態が、操作前の状態に自動復帰する自動復帰タイプである場合の変速制御方法である。
ここで、図4は、参考実施形態例に係る変速制御方法を説明するタイムチャートであり、図5は、参考実施形態例に係る変速制御装置20の動作を説明するフローチャートである。
図4を参照しつつ、参考実施形態例の変速制御方法を説明する(適宜、図1ないし図3参照)。
なお、「車速」を示すチャートにおいて、V0は駐車レンジへの切り換えを許可するか否かの境界となる速度であり、車両の安全性を考慮して任意に設定することができる。このV0は、特許請求の範囲の所定速度に相当する。
また、このとき、自動変速機32のレンジが駐車レンジではなくニュートラルレンジに切り換わったことを運転者に警告するために、警告装置21から警告音が発せられる。
なお、時刻t1において、自動変速機32のレンジをドライブレンジから切り換えないことも考えられるが、運転者が駐車レンジに切り換わっていると思い込んでアクセル操作をする可能性等があるため、ニュートラルレンジに切り換えることが好ましい。
そして、時刻t3において、運転者が再度、駐車スイッチ2を押下すると、変速制御装置20は許可フラグにしたがって、自動変速機32のレンジをニュートラルレンジから駐車レンジに切り換える。
はじめに、変速制御装置20は、運転者が駐車スイッチ2を押下することで出力される駐車信号を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、駐車信号を取得していないと判定した場合は(ステップS101で‘N’の場合)、車速センサから出力された車速信号に基づいて、車速がV0以下であるか否かを判定する(ステップS103)。
ここで、車速がV0以下ではない場合(ステップS103で‘N’の場合)、変速制御装置20は許可フラグを“0”に更新し(ステップS105)、車速がV0以下の場合は(ステップS103で‘Y’の場合)、許可フラグを“1”に更新する(ステップS107)。これにより、車速がV0以下になると、許可フラグが“1”に切り換わる。
ここで、許可フラグが“1”ではない場合(ステップS109で‘N’の場合)、変速制御装置20は自動変速機32をニュートラルレンジに切り換え(ステップS111)、警告装置21を発報する(ステップS115)。これにより、運転者は自動変速機32が駐車レンジに切り換わっていないことを認識することができる。
また、許可フラグが“1”の場合(ステップS109で‘Y’の場合)、自動変速機32を駐車レンジに切り換える(ステップS113)。これにより、自動変速機32は、許可フラグが“1”の場合のみ、駐車レンジに切り換わることになる。
そして、変速制御装置20は、以上説明した手順を図示しないエンジンスイッチがオフになるまで、数ミリ秒単位で繰り返す。
なお、変速制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有するコンピュータであり、ROMに記憶された図5に示したフローチャートを実行するプログラムを、RAMに展開してCPUが実行する。
時刻t1では、ステップS101で‘Y’となり、ステップS109に進み、ステップS109で‘N’であるため、ステップS111に進み、自動変速機32はニュートラルレンジに切り換わり、ステップS115において、警告装置21は、警告音を発する。
また、時刻t2では、ステップS101で‘N’となり、ステップS103に進み、ステップS103で‘Y’であるため、ステップS107に進み、許可フラグが“0”から“1”に更新される。
さらに、時刻t3では、ステップS101で‘Y’となり、ステップS109に進み、ステップS109で‘Y’であるため、ステップS113に進み、自動変速機32のレンジがニュートラルレンジから駐車レンジに切り換わる。
本実施形態例は、運転者が駐車スイッチ2を操作すると、運転者が再度操作するまで復帰しない手動復帰タイプの駐車スイッチ2を用いた場合の変速制御方法である。
ここで、図6は、本実施形態例に係る変速制御方法を説明するタイムチャートである。図6を参照しつつ、本実施形態例の変速制御方法を説明する(適宜、図1ないし図3参照)。
なお、「車速」を示すチャートにおいて、参考実施形態と同様に、V0は駐車レンジへの切り換えを許可するか否かの境界となる速度である。
そして、時刻t3において、運転者が再度、駐車スイッチ2を押下すると、駐車信号の出力が止まり、変速制御装置20は許可フラグを“0”から“1”に更新する。
ここで、図6に示したタイムチャートと、図5に示した変速制御装置20の動作手順を対応させて各時刻における変速制御装置20の動作を説明する。
時刻t1では、ステップS101で‘Y’となり、ステップS109に進み、ステップS109で‘N’であるため、ステップS111に進み、自動変速機32はニュートラルレンジに切り換わり、ステップS115において、警告装置21は、警告音を発する。
また、時刻t2では、ステップS101で‘Y’となり、ステップS109に進み、ステップS109で‘N’であるため、ステップS111に進み、自動変速機32はニュートラルレンジを維持し、ステップS115において、警告装置21は、警告音を発する。このため、許可フラグは“0”から“1”に更新されない。
さらに、時刻t4では、ステップS101で‘Y’となり、ステップS109に進み、ステップS109で‘Y’であるため、ステップS113に進み、自動変速機32のレンジがニュートラルレンジから駐車レンジに切り換わる。
例えば、シフト装置1の形態は、シフトバイワイヤ方式のものであれば、様々な態様のシフト装置を適用することができる。
また、駐車スイッチ2に替えて、シフトレバーにより、駐車位置を選択することで、駐車信号を送信するシフト装置を用いることもできる。
さらに、変速制御装置20は、前記した実施の形態以外のシフト制御プログラムを同時に実行させることもできる。
このように、本発明は、前記した実施の形態に開示した事項に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって定められる。
2 駐車スイッチ
20 変速制御装置
21 警告装置
32 自動変速機
Claims (4)
- 車両が所定速度以下でON状態の駐車信号を取得した場合に、自動変速機を駐車レンジに切り換える変速制御装置において、
前記所定速度超で前記ON状態の駐車信号を取得した場合には、前記所定速度以下で新たに前記ON状態の駐車信号を取得するまで、前記自動変速機が前記駐車レンジに切り換わらず、
手動操作で駐車スイッチを押下して前記駐車信号が前記ON状態からOFF状態に切り換わったとき、前記車両が所定速度以下であるために許可フラグが0から1に更新され、
さらに、手動操作で駐車スイッチが再度押下されて前記駐車信号が前記OFF状態からON状態に切り換わったときに前記自動変速機を駐車レンジに切り換えること、
を特徴とする変速制御装置。 - 前記所定速度超で前記ON状態の駐車信号を取得した場合には、前記自動変速機をニュートラルレンジに切り換えること、
を特徴とする請求項1に記載の変速制御装置。 - 前記所定速度超で前記ON状態の駐車信号を取得した場合に発報する警告手段を有すること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の変速制御装置。 - 車両が所定速度以下でON状態の駐車信号を取得した場合に、自動変速機を駐車レンジに切り換える変速制御装置における変速制御方法であって、
前記変速制御装置が、前記所定速度超で前記ON状態の駐車信号を取得した場合には、前記所定速度以下で新たに前記ON状態の駐車信号を取得するまで、前記自動変速機が前記駐車レンジに切り換わらず、
手動操作で駐車スイッチを押下して前記駐車信号が前記ON状態からOFF状態に切り換わったとき、前記車両が所定速度以下であるために許可フラグが0から1に更新され、
さらに、手動操作で駐車スイッチが再度押下されて前記駐車信号が前記OFF状態からON状態に切り換わったときに前記自動変速機を駐車レンジに切り換えること、
を特徴とする変速制御方法。
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