JP4863748B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートに関する。
化粧シートは、各種の内装用・外装用建材をはじめとして、各種の家電製品、事務機器、計器類等の装飾、表面保護等のために汎用されている。化粧シートは、一般的には、基材シート上に、印刷層、合成樹脂層、表面保護層等を積層することによって製造されている。従前より合成樹脂層等として塩化ビニル系樹脂が使用されていたが、塩化ビニル系樹脂を用いた化粧シートは燃焼時に塩化水素ガス等の有毒ガスを発生する。このため、一般の焼却炉で焼却処理できないという廃材処理上の問題がある。しかも、火災時には、塩化水素ガス等の有毒ガスを人が吸引して中毒になるという被害の原因にもなる。これらの見地より、塩化ビニル系樹脂の使用が避けられる傾向にある。さらに、近年、不適当な焼却炉で塩化ビニル系樹脂を焼却した場合に、その不完全燃焼によってダイオキシン等の有毒ガスを発生するおそれがあることも指摘されている。
以上のような観点より、塩化ビニル系樹脂に代えて、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂への代替が検討されている。
ポリオレフィン系樹脂の代用により塩化ビニル系樹脂の問題は解消できるものの、別の問題がある。即ち、ポリオレフィン系樹脂をはじめとする樹脂類では、静電気を帯びやすい性質がある。このため、このような材料を化粧シートに用いる場合には、1)印刷原反への微細なゴミの付着が起こり、これがインキ抜け等の問題を引き起こす、2)帯電による空中放電が火災の原因となる、3)微細なゴミの付着により2次加工に支障を来す、4)付着した微細なゴミを除去しようとしても、静電気により付着しているためにその除去が容易ではなく、生産性の低下・コスト上昇の要因になる、等の問題が生じる。
そこで、化粧シートに帯電防止剤を添加することが提案されている。例えば、帯電防止剤として4級アンモニウム塩、カーボンブラック、金属系針状結晶等を化粧シートの表面保護層等に適用する方法等がある(例えば、特許文献1など)。
しかしながら、これら従来の帯電防止剤を使用した場合、a)十分な帯電防止効果が得られない、b)たとえ効果が確保できてもその効果の持続性に欠ける、c)効果が得られても帯電防止剤の含有に起因する濁り等により化粧シートの意匠性を損ねる、等の問題のいずれかが生じる。この問題に鑑み、高分子型帯電防止剤の使用が提案されてきている。当該高分子型帯電防止剤を用いる場合には、良好で且つ安定した帯電防止効果が得られる。
ところが、高分子型帯電防止剤を用いる場合には、化粧シートを折り曲げる際(例えば、Vカット加工時)に高分子型帯電防止剤とポリオレフィン系樹脂との界面が白化し易いという問題がある。これは、高分子型帯電防止剤とポリオレフィン系樹脂との界面に微細なクラックが生じることが原因と考えられる。また、化粧シートには、耐候性も求められる。現状の帯電防止化粧シートでは、帯電防止性、耐候性及び折り曲げ時の白化抑制の特性を十分に兼備したものは得られていない。このため、更なる改善策が切望されている。
特開2000−351182号公報
本発明は、ポリプロピレン樹脂層を有する化粧シートであって、帯電防止性、耐候性及び折り曲げ時の白化抑制の特性を兼備した化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリプロピレン樹脂層に特定の帯電防止剤、光安定剤及び相溶化剤を含有させる場合には、目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シート及び化粧板に関する。
1.被着体に積層するための化粧シートであって、当該化粧シートは少なくともポリプロピレン樹脂層を有し、当該ポリプロピレン樹脂層には1)ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、2)高分子型光安定剤及び3)酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されており、
(1)当該ポリプロピレン樹脂層中のポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤の含有量は2〜40重量%であり、
(2)当該ポリプロピレン樹脂層中の高分子型光安定剤の含有量は10重量%を超え45重量%以下であり、
(3)当該ポリプロピレン樹脂層中の酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は3〜6重量%である、
ことを特徴とする化粧シート。
2.前記ポリプロピレン樹脂層を形成するための樹脂組成物のメルトフローレートが4〜8g/10分である、上記項1に記載の化粧シート。
3.化粧シートが、基材シート上に少なくとも絵柄層及び透明性ポリプロピレン樹脂層が積層されたものであり、当該透明性ポリプロピレン樹脂層は1層又は2層以上であり、当該透明性ポリプロピレン樹脂層の表層部に1)ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、2)高分子型光安定剤及び3)酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されている、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.化粧シートが、基材シート上に少なくとも絵柄層、透明性ポリプロピレン樹脂層及び透明性表面保護層が積層されたものであり、当該透明性ポリプロピレン樹脂層は1層又は2層以上であり、当該透明性ポリプロピレン樹脂層の表層部に1)ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、2)高分子型光安定剤及び3)酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されている、上記項1又は2に記載の化粧シート。
5.前記表層部が、透明性ポリプロピレン樹脂層のおもて表面から、当該樹脂層の厚みの1/2以下の深さまでの領域である、上記項3又は4に記載の化粧シート。
6.透明性ポリプロピレン樹脂層の厚みが30μm以上であり、且つ、表層部が当該樹脂層のおもて表面から15μm以下の深さまでの領域である、上記項3又は4に記載の化粧シート。
7.(1)前記表層部中のポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤の含有量は2〜40重量%であり、
(2)前記表層部中の高分子型光安定剤の含有量は10重量%を超え45重量%以下であり、
(3)前記表層部中の酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は3〜6重量%である、
上記項3〜6のいずれかに記載の化粧シート。
8.前記表層部を形成するための樹脂組成物のメルトフローレートが4〜8g/10分である、上記項3〜7のいずれかに記載の化粧シート。
9.高分子型光安定剤が、下記式(1)
Figure 0004863748
(ただし、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で示される環状アミノビニル化合物とエチレンとの共重合体である、上記項1〜8のいずれかに記載の化粧シート。
10.上記項1〜9のいずれかに記載の化粧シートが被着体上に積層されてなる化粧板。

以下、本発明の化粧シート及び化粧板について詳細に説明する。
1.化粧シート
本発明の化粧シートは、被着体に積層するための化粧シートであって、当該化粧シートは少なくともポリプロピレン樹脂層を有し、当該ポリプロピレン樹脂層には1)ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、2)高分子型光安定剤及び3)酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されており、
(1)当該ポリプロピレン樹脂層中のポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤の含有量は2〜40重量%であり、
(2)当該ポリプロピレン樹脂層中の高分子型光安定剤の含有量は10重量%を超え45重量%以下であり、
(3)当該ポリプロピレン樹脂層中の酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は3〜6重量%である、ことを特徴とする。
本発明の化粧シートは、ポリプロピレン樹脂層を少なくとも有する。ポリプロピレン樹脂層は1層又は2層以上でもよい。2層以上の場合は、隣接してもよく、他の層を介して積層されてもよい。
(高分子型帯電防止剤)
ポリプロピレン樹脂層には、ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤が含有量2〜40重量%となるように含有される。
ポリエーテル−エステル−アミドとしては、エーテル基含有成分、エステル基含有成分及びアミド基含有成分の3成分からなるポリマーが例示される。例えば、ポリエチレンオキサイド成分及びナイロン12成分を含有するポリエーテルエステルアミドが挙げられる。より具体的には、ポリエチレンオキサイド部−H−[O−CHCH−O−、アジピン酸部−OC(CHCO−及びナイロン12部−[NH(CH11CO]−O−の3部から構成される共重合体が挙げられる。
ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤は市販品も使用できる。例えば、製品名「IRGASTAT P 18」、「IRGASTAT P 22」(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
上記ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤を用いることにより、他の帯電防止剤を用いる場合よりも優れた耐候性(特に耐水性)が得られる。とりわけ紫外線吸収剤及び/又は光安定剤の使用量を減らすことができる点で有利である。
高分子型帯電防止剤の含有量はポリプロピレン樹脂層中2〜40重量%であればよいが、3〜35重量%であれば好ましい。
(高分子型光安定剤)
ポリプロピレン樹脂層には、高分子型光安定剤が含有量10重量%を超え45重量%以下となるように含有される。
高分子型光安定剤としては、特に下記式(1)
Figure 0004863748
(ただし、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で示される環状アミノビニル化合物とエチレンとの共重合体(エチレン−環状アミノビニル化合物共重合体)を好適に用いることができる。例えば、上記式(1)でR、Rがメチル基、Rが水素原子である化合物とエチレンとの共重合体が好適である。
高分子型光安定剤を用いることによって、帯電防止能の低下を伴うことなく、耐候性を向上できる。その結果、良好な帯電防止性と優れた耐候性という2つの効果をより確実に達成できる。
上記重合体のMI(メルトインデックス)は、0.1〜500g/min、特に0.5〜200g/minのものが望ましい。なお、前記MIは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」採用したものである。
上記共重合体は、公知又は市販のものを使用できる。また、公知の製法により得られる。例えば、所定の単量体を共重合条件に供することによって製造でき、具体的には、高圧法低密度ポリエチレン製造装置により製造可能である。通常は、ラジカル重合で製造される。このとき使用される触媒としては、遊離基発生開始剤(例えば、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロハーオキサイド類、アゾ化合物等)が好適に用いられる。重合装置は、エチレンの高圧ラジカル重合法で一般的に用いられる連続撹拌式槽型反応器又は連続式管型反応器を使用することができる。重合圧力は1000〜5000kg/cm程度、重合温度は100〜400℃程度とすればよい。
高分子型光安定剤の含有量はポリプロピレン樹脂層中10重量%を超え45重量%以下であればよいが、11〜45重量%であれば好ましく、20〜35重量%であればより好ましい。
(酸変性ポリオレフィン樹脂)
ポリプロピレン樹脂層には、酸変性ポリオレフィン樹脂が含有量3〜6重量%となるように含有される。
酸変性ポリオレフィン樹脂(相溶化剤)は特に限定されず、高分子型帯電防止剤とポリプロピレン樹脂との相溶性改善の程度により幅広い範囲から選択できる。
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、「製品名「ユーメックス1010」(三洋化成工業株式会社製)」が好適である。この酸変性ポリオレフィン樹脂は、化粧シート折り曲げ時に高分子型帯電防止剤とポリプロピレン樹脂との界面において、白化の原因のクラック(隙間)の発生を効果的に防止できる。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、少なくとも一部の末端が酸変性されたポリオレフィン樹脂である。JIS K0070で規定される酸価は、1.0〜100mgKOH/g程度が好ましく、5〜60mgKOH/g程度が好ましい。酸価が1.0mgKOH/g未満である場合には相溶性改善が不十分となるおそれがある。100mgKOH/gを超える場合には、シート成形時の操業性が悪化するおそれがある。
ポリオレフィン(原料)としては限定的ではなく、例えば、プロピレン、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1,4−メチルペンテン−1等の単独重合体、共重合体又はこれらの重合体の混合物が例示される。この中でも、特に低分子量ポリプロピレンが好ましい。
低分子量酸変性ポリプロピレンは、数平均分子量800〜20000、好ましくは1000〜18000の酸変性ポリプロピレンである。酸変性ポリプロピレンは、末端二重結合を有する低分子量ポリプロピレンに、後記不飽和カルボン酸及び/又はその無水物を化学的に付加させる方法、或いは、通常の酸変性プロピレンを低分子量化する方法により合成でき、少なくとも一部の末端が酸変性されたものである。酸変性ポリプロピレンは、その軟化点が一般に130〜170℃、好ましくは140〜160℃の温度を示す。
好ましい末端二重結合を有する低分子量ポリプロピレンとしては、1000炭素当たり、1〜10、好ましくは2〜7の末端二重結合を有し、数平均分子量は800〜20000、好ましくは1000〜18000である。末端二重結合の数が1未満の場合には、所望の酸変性が生じ難くなるおそれがある。末端二重結合の数が10を超える場合には、酸変性ポリプロピレンの耐熱性が低下する傾向がある。また、数平均分子量が20000を超えると折り曲げ時の白化抑制能が低下する傾向がある。
上記酸変性は、溶融グラフト法、溶液グラフト法等により実施できる。溶融グラフト法は、通常100〜270℃、好ましくは130〜240℃の反応温度で、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜20時間(反応時間)の条件下で実施できる。溶液グラフト法は、キシレンに完全に溶解させた後、パーオキサイドを併用し、不飽和カルボン酸及び/又はその無水物との反応を通常120〜180℃、好ましくは140〜160℃の反応温度で、通常1〜20時間、好ましくは3〜15時間(反応時間)の条件下で実施できる。そして、大量のアセトン等を使用して沈殿物を得る。
該酸変性によって得られた結果物は、不飽和カルボン酸及び/又はその無水物を一般に0.01〜20%、好ましくは0.05〜15%、特に好ましくは0.1〜10重量%の割合で含有することが望ましい。変性剤である不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸等が挙げられる。また、不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水ナジック酸等が挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸が好ましい。なお、酸変性ポリオレフィンは、直接変性されたものを未変性のもので希釈したものでもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量はポリプロピレン樹脂層中3〜6重量%であるが、3〜5重量%であれば好ましい。
ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、高分子型光安定剤及び酸変性ポリオレフィン樹脂(これらを「3成分」とも言う)を含むポリプロピレン樹脂層の作製方法は特に制限されない。例えば、溶融したポリプロピレン樹脂に当該3成分を添加し、混合した後、得られた混合物を押し出し法によりシート化した後に積層する方法、上記混合物を押し出し法により他の層に直接に積層する方法、上記シート化したものを複数用意し、それらをラミネートし、さらに他の層に積層する方法等が挙げられる。押し出し法によってポリプロピレン樹脂層を形成する場合には、前記混合物(樹脂組成物)のメルトフローレート(MFR)は4〜8g/10分程度とすることが好ましく、4〜7g/10分程度がより好ましい。なお、前記MFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6758記載の「230℃、21.18N(2.16kgf)」採用したものである。
本発明では、当該3成分がポリプロピレン樹脂層の表層部に存在することが望ましい。かかる構成を採用することによって、より少ない使用量で所望の効果が得られる。
表層部は、ポリプロピレン樹脂層の表面(おもて表面)付近の領域である。即ち、化粧シートが被着体と積層される側と反対側の面である。例えば、図1に示すように、ポリプロピレン樹脂層11が被着体12に積層する場合、おもて表面13から一定の深さの領域が表層部14となる。
本発明では、表層部は、ポリプロピレン樹脂層の厚み等にもよるが、一般的には当該樹脂層の厚みの1/2以下の深さまでの領域であることが好ましい。即ち、表層部の深さを当該樹脂層の厚みの1/2以下とすることが望ましい。特に、本発明では、厚み30μm以上のポリプロピレン樹脂層のおもて表面から、15μm以下の範囲内の深さ領域を表層部とすることが望ましい。なお、ポリプロピレン樹脂層の厚みの上限値は、通常は200μm程度とすればよい。
本発明では、1つのポリプロピレン樹脂層が、1層(単層)又は2層以上から構成されてもよい。2層以上の場合は、積層体がポリプロピレン樹脂層を構成する。積層体が1つのポリプロピレン樹脂層を構成している場合には、上記樹脂層の厚みとは上記積層体の厚みをいう。また、ポリプロピレン樹脂層が化粧シートに2つ以上存在する場合は、表層部とは、積層される被着体から最も遠い位置にあるポリオレフィン系樹脂層の表層部をいう。
表層部に前記3成分を存在させる場合、それらの含有量は次のように設定することが望ましい。即ち、表層部中のポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤の含有量は3〜35重量%とし、表層部中の高分子型光安定剤の含有量は20〜35重量%とし、表層部中の酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は3〜5重量%とすることが好ましい。前記3成分をこのように表層部に存在させ且つ含有量を上記範囲内に設定することによって、効率的に所望の効果を得ることができる。
本発明では、ポリプロピレン樹脂層中には、当該3成分のほか、他の添加剤が含有されていても良い。例えば、通常のポリオレフィン系樹脂に使用される紫外線吸収剤、酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、分散剤、過酸化物、充填剤、蛍光増白剤等が挙げられる。この中でも、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えばトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤(特開2001−181413号公報)のほか、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;サルチル酸フェニル、4−t−ブチル−フェニル−サリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又はメタクリロイル基を導入した反応型紫外線吸収剤;粒径0.2μm以下の酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄等の無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は、紫外線吸収剤の種類等に応じて適宜設定できるが、通常は表層部層中0.1〜3重量%程度とすれば良い。
本発明の化粧シートの層構成は、所定のポリプロピレン樹脂層を有する限り限定的ではなく、公知の化粧シートと同様の構成とできる。例えば、基材シート上に少なくとも絵柄層、ポリプロピレン樹脂層、必要に応じて表面保護層が形成されてなる化粧シートが例示される。なお、絵柄層を設ける場合には、化粧シート表面から絵柄層を視認できるように絵柄層よりもおもて面に位置する層は透明性とする。
各層の形成方法は、特に限定的でなく、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、転写印刷等の印刷;スプレー、ローラー、刷毛等の塗布;シート状物等の成形体を積層等のいずれも採用できる。これらの方法の中から、適宜組み合わせて選択すればよい。
各層の厚みは限定的でないが、通常は0.1〜500μm程度の範囲内とできる。
以下、上記の化粧シートを実施形態の一例として、各層の構成について説明する。
≪基材シート≫
基材シートは、その表面(おもて面)には絵柄層等が順次積層される。
基材シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂により形成されたものが好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。
基材シートは、着色されていても良い。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていても良い。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には50〜250μmが好ましい。
基材シートは、必要に応じて、絵柄層を形成するインキの密着性を高めるために表面(おもて面)にコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従って実施すれば良い。また、必要に応じて、基材シートの裏面にコロナ放電処理を施したり、裏面プライマー層を形成したりしてもよい。
≪絵柄層≫
絵柄層は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与するものであり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いた印刷法により、基材シート表面に形成すればよい。インキとしては、化粧シートのVOCを低減する観点からは水性組成物を用いることが望ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。
より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等を使用できる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性又は混合樹脂、その他の樹脂も使用できる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上で使用できる。
絵柄層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層(着色隠蔽層)を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。
上記以外にも、例えば、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法などを用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
≪接着剤層≫
接着剤層は、絵柄層とポリプロピレン樹脂層との間に存在する。接着剤層で使用する接着剤は、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等を含む各種接着剤を使用できる。また、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等の接着剤でもよい。
なお、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
接着剤層は、絵柄層が認識できる限り、透明でも半透明でもよい。
接着剤層は、化粧シートのVOCを低減できる点で水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用できる。水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。これらに使用される樹脂は、前記の絵柄層の形成に使用される水性組成物の水性バインダーと同じものを使用できる。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすれば良い。
≪ポリプロピレン樹脂層≫
この実施形態においては、絵柄層(さらには接着剤層)上にポリプロピレン樹脂層が形成される。この場合、ポリプロピレン樹脂層は透明層であることが好ましい。また、絵柄層が視認できる限りは、着色透明層、着色半透明層等であっても良い。
ポリプロピレン樹脂の構成及び形成方法は、前記の通りである。例えば、図2のように、表層部(押出し樹脂層2)と下層(押出し樹脂層1)の2層構成とできる。この場合には、表層部に当該3成分(ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、高分子型光安定剤及び酸変性ポリオレフィン樹脂)を含むポリプロピレン樹脂組成物を用い、下層には当該3成分を含まないポリプロピレン樹脂組成物を用いて、両者を同時に又は別々に押し出し法等によりシート状に成形したり、そのまま前記接着剤層上に積層したりすることによって、ポリプロピレン樹脂層を形成することができる。この場合には、当該3成分を含有する樹脂組成物のMFRを4〜8g/10分の範囲内として押し出し成形することにより、所望の特性がより発現し易くなる。
≪表面保護層≫
本発明において、表面保護層は、最表面層として設けられている。表面保護層は、透明である限り、着色されていても良い。また、絵柄層が視認できる範囲内であれば半透明であっても良い。表面保護層の形成により、化粧シート表面の傷つきやすさをカバーし、耐擦傷性を向上させることができる。
表面保護層に用いられる材料としては特に限定されないが、本発明では2液硬化型ウレタン系樹脂を使用することが望ましい。2液硬化型ウレタン系樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを硬化剤とするものであれば特に限定されない。
2液硬化型ウレタン系樹脂に用いるポリオール及びイソシアネートとしては限定的ではないが、ポリオールとしては分子中に2個以上の水酸基を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。イソシアネートとしては、水性組成物の項目で説明したポリイソシアネート等が挙げられる。
本発明では、表面保護層は、VOC低減等の効果がより高められるという点で、水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用することができる。上記水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。これらに使用される樹脂は、前記の絵柄層の形成に使用される水性組成物の水性バインダーと同様のものを使用することができる。
また、本発明では、表面保護層として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。電離放射線硬化型樹脂を使用する場合には、より優れた耐擦傷性、耐候性等が得られる。
電離放射性硬化型樹脂は、公知のもの又は市販品を使用することができる。具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー及び単量体の少なくとも1種を含む組成物を用いる。
前記のプレポリマー又はオリゴマーとしては、例えば、ポリエステルメタアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、ポリオールメタアクリレート、メラミンメタアクリレート等のメタアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等がある。
単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸エトキシメチル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ラウリル等メタアクリル酸エステル類がある。
不飽和酸の置換アミノアルコールエステルとしては、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メタアクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等がある。
その他、アクリルアミド、メタアクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオベンジルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の多官能性物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基をもつポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピオレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。また、3官能基以上のアクリレート系単量体には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート等がある。
電離放射線硬化型樹脂による表面保護層の形成方法は限定的ではないが、例えば、電離放射線硬化型樹脂を含む組成物(塗料)の塗膜に電離放射線を照射することにより形成できる。電離放射線は、塗料に含まれる電離放射線硬化型樹脂、添加剤である光ラジカル重合開始剤・増感剤に作用してラジカル重合反応を開始できるエネルギーを有するものであればよく、紫外線、X線、γ線等の電磁波が挙げられる。この中でも、塗膜の硬化能力、照射装置の簡便性からは電子線が最も実用性が高い。電子線照射する場合には、例えば、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線照射することにより皮膜を架橋硬化させればよい。なお、表面保護層を電離放射線硬化型樹脂により形成する場合は、予め下地としてプライマー層(特にウレタン系樹脂によるプライマー層)を透明性樹脂層上に設けることが望ましい。
表面保護層の厚みは限定されないが、通常は0.1〜50μm、特に1〜20μmとすることが望ましい。
≪エンボス加工≫
表面保護層(化粧シートの最表面)は、エンボス加工されていてもよい。さらには、エンボス加工による凹部にインキを充填するワイピング加工を施し、その表面を2液硬化型ウレタン系樹脂で被覆(オーバーコート処理)するのが好ましい。
エンボス加工は、化粧シートに木目模様等の所望のテクスチァーを付与するために行う。例えば、加熱ドラム上で表面保護層を加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで140〜170℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を有するエンボス板で加圧・賦形し、冷却固定することによりテクスチャーを付与する。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式エンボス機で行える。
エンボス凹凸模様としては、例えば、木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられる。
ワイピング加工は、エンボス凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する加工である。ワイピングインキとしては、通常は2液硬化型のウレタン樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。ワイピング加工では、特に木目導管溝凹凸に対して行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
本発明では、表面保護層中に他の成分が含まれていても良い。例えば、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、光安定剤、ツヤ調整剤、ブロッキング防止剤、滑剤等の添加剤を配合できる。
2.化粧板
本発明の化粧板は、本発明の化粧シートが被着材上に積層されたものである。より具体的には、化粧シートの表面保護層が最表面層となるように当該シートが被着材上に積層されている。
≪被着材≫
被着材としては限定的ではない。例えば、木質材料、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。本発明化粧シートは、木質材料に好適に適用できる。木質材料としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
≪被着材への積層≫
化粧シートの被着材への積層は、公知の化粧シートの積層と同様にすることができる。例えば、接着剤を用いて化粧シートを被着材上に貼着することにより積層できる。
使用できる接着剤としては、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、ゴム系等のどのタイプの接着剤も使用できる。これは、公知のもの又は市販品を使用できる。
熱可塑性樹脂系接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等が例示される。
熱硬化性樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等が例示される。
ゴム(エラストマー)接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スフチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)等が例示される。
本発明の化粧シートは、ポリプロピレン樹脂層を有し、当該ポリプロピレン樹脂層には、特定量の1)ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、2)高分子型光安定剤及び3)酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されている。これにより、化粧シートは比較的長期にわたって良好な帯電防止性能を発揮するとともに、帯電防止性能を阻害せずに良好な耐候性及び折り曲げ時の耐白化性を有する。
このような特性をもつ本発明化粧シートは、室内用建材、外装用及び準外装用建材の化粧シートとして使用できるほか、家電製品、事務機器、計器類等の化粧シートとしても幅広く利用することができる。
本発明化粧シートの積層構造の一例を示す図である。 実施例1で作製された化粧シートの断面構造図である。
符号の説明
1 ポリプロピレン系樹脂フィルム
2 絵柄層
3 接着剤層
4 ポリプロピレン樹脂層(下層)
5 ポリプロピレン樹脂層(上層)
6 プライマー層
7 プライマー層
8 表面保護層
11 ポリプロピレン樹脂層
12 被着体
13 おもて表面
14 表層部
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより一層明確にする。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
図2に示す構造を有する化粧用シートを作製した。
(1)ポリプロピレン樹脂層を有するシートの作製
着色材(酸化チタン)を10重量%添加することにより着色したポリプロピレン系樹脂フィルム1(厚み80μm)を用意し、その表面(おもて面)及び裏面にコロナ放電処理を施した。この表面(おもて面)に2液硬化型ウレタン系樹脂をバインダーとした着色インキをグラビア印刷し、アクリル系樹脂をバインダーとしたインキで木目柄の絵柄層2を形成した。また、裏面には、ウレタン系樹脂をバインダーとしたプライマー層6をグラビア印刷にて形成し、印刷シートを得た。
次いで、上記印刷シートの絵柄層2の上に、2液硬化型ウレタン樹脂からなる接着剤層3を厚さ15μmで形成した後、その塗膜の上にポリプロピレン樹脂層として表層5(0.01mm)及び下層4(0.07mm)の2層からなるポリプロピレン樹脂層をラミネートし、ポリプロピレン樹脂層が積層されたシートを得た。ラミネートに用いた樹脂組成物のMFRは6.2g/10分であった。
このとき、表層5には、ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤(製品名「IRGASTAT P 18」チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)15重量%、高分子型光安定剤(品番「XJ100H」日本ポリエチレン製)20重量%、酸変性ポリオレフィン(PO)樹脂(製品名「ユーメックス1010」三洋化成工業株式会社製)3重量%及び紫外線吸収剤(製品名「UV1164ANK」サンケミカル製)4375重量ppmを含有させた。一方、下層4には、帯電防止剤、光安定剤及び酸変性ポリオレフィン樹脂は添加せずに上記と同じ紫外線吸収剤5000重量ppmを含有させた。
(2)表面保護層の形成
上記(1)で得られたシートのポリプロピレン樹脂層上に表面保護層を形成した。まず、ポリプロピレン樹脂層の上に、さらにイソシアネート部分がイソホロンジイソシアネートと水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートを用いたアクリル−ウレタンブロック重合体(主剤)と、ヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)とからなる2液硬化型ウレタン系樹脂を塗工し、プライマー層7(厚さ2μm)を形成した。
次に、ウレタンアクリレート系の電離放射線硬化型樹脂をグラビアコートにて塗膜を形成した後、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して塗膜を架橋硬化させること(EB処理)により、表面保護層8(厚さ5μm)を形成した。
実施例2〜3
高分子型光安定剤の含有量を32重量%(実施例2)、44重量%(実施例3)としたほかは、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例4
樹脂組成物のMFRを4.7g/10分としたほかは、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例1〜2
高分子型光安定剤の含有量を4重量%(比較例1)、8重量%(比較例2)としたほかは、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例3〜5
酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量を0重量%(比較例3)、1重量%(比較例4)、7重量%(比較例5)としたほかは、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例6
帯電防止剤及び酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量を共に0重量%とし、高分子型光安定剤の含有量を4重量%としたほかは、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
参考例1〜3
樹脂組成物のMFRを9g/10分(参考例1)、15g/10分(参考例2)、17g/10分(参考例3)としたほかは、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
試験例1
各化粧シートの耐候性を調べた。耐候性試験は、耐候性試験装置「アイスーパーUVテスター」(岩崎電気製)による加速試験と耐セロテープ(登録商標)試験によって行った。具体的には、耐候性試験装置による加速試験を200時間行った。また、加速試験開始から25時間ごとにサンプルを取り出し、下記に示す耐セロテープ(登録商標)試験により表面保護層の剥離の有無を調べた。
耐候性の評価は次の通りとした。即ち、加速試験開始から200時間後における耐セロテープ(登録商標)試験により表面保護層の剥離が認められなかったものを○と評価した。200時間到達前に表面保護層の剥離が認められたものを×と評価した。
耐セロテープ(登録商標)試験は次のようにして行った。先ず化粧シートの裏面全体に両面テープを貼着し、土台(金属製の平板)に圧着した。次に化粧シートのおもて面に粘着テープ(ニチバン製「セロテープ(登録商標)」工業用24mm巾)を貼着し、綿布で擦って十分に密着させた。次に貼着した粘着テープを剥離角45°で急激に剥離した。前記粘着テープの貼着と剥離を10回繰り返した後、肉眼観察により表面保護層の剥離の有無を確認した。
評価結果を表1に示す。×の場合には、表面保護層の剥離を認めた時間を併記した。
試験例2
各化粧シートの折り曲げ耐性を調べた。具体的には、化粧シートを180°折り曲げ後、化粧シートのおもて表面の白化の有無を肉眼観察により確認した。
白化が認められないものを○と評価した。白化が認められるものを×と評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0004863748
表1からは次のことが分かる。即ち、高分子型帯電防止剤、高分子型光安定剤及び酸変性ポリオレフィン(PO)樹脂を所定量含有する場合には(実施例1〜4)、良好な耐候性が得られるとともに折り曲げ時の白化を抑制できることが分かる。また、ポリプロピレン樹脂層を形成するための樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)を4〜8g/10分とした場合には、特に耐候性が得られ易いことが分かる(参考例1〜3との対比)。高分子型光安定剤が少ない場合には(比較例1〜2)、耐候性が不十分である。酸変性PO樹脂が少ない場合には(比較例3〜4)、折り曲げ時の白化が十分に抑制できず、他方、酸変性PO樹脂が多い場合には(比較例5)、却って耐候性を阻害することが分かる。尚、比較例6は耐候性試験及び折り曲げ試験の結果が共に○であるが、高分子型帯電防止剤を含有しないために帯電防止という基本特性が具備されていないものである。

Claims (10)

  1. 被着体に積層するための化粧シートであって、当該化粧シートは少なくともポリプロピレン樹脂層を有し、当該ポリプロピレン樹脂層には1)ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、2)高分子型光安定剤及び3)酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されており、
    (1)当該ポリプロピレン樹脂層中のポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤の含有量は2〜40重量%であり、
    (2)当該ポリプロピレン樹脂層中の高分子型光安定剤の含有量は10重量%を超え45重量%以下であり、
    (3)当該ポリプロピレン樹脂層中の酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は3〜6重量%である、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記ポリプロピレン樹脂層を形成するための樹脂組成物のメルトフローレートが4〜8g/10分である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 化粧シートが、基材シート上に少なくとも絵柄層及び透明性ポリプロピレン樹脂層が積層されたものであり、当該透明性ポリプロピレン樹脂層は1層又は2層以上であり、当該透明性ポリプロピレン樹脂層の表層部に1)ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、2)高分子型光安定剤及び3)酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されている、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 化粧シートが、基材シート上に少なくとも絵柄層、透明性ポリプロピレン樹脂層及び透明性表面保護層が積層されたものであり、当該透明性ポリプロピレン樹脂層は1層又は2層以上であり、当該透明性ポリプロピレン樹脂層の表層部に1)ポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤、2)高分子型光安定剤及び3)酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されている、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  5. 前記表層部が、透明性ポリプロピレン樹脂層のおもて表面から、当該樹脂層の厚みの1/2以下の深さまでの領域である、請求項3又は4に記載の化粧シート。
  6. 透明性ポリプロピレン樹脂層の厚みが30μm以上であり、且つ、表層部が当該樹脂層のおもて表面から15μm以下の深さまでの領域である、請求項3又は4に記載の化粧シート。
  7. (1)前記表層部中のポリエーテル−エステル−アミド系高分子型帯電防止剤の含有量は2〜40重量%であり、
    (2)前記表層部中の高分子型光安定剤の含有量は10重量%を超え45重量%以下であり、
    (3)前記表層部中の酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は3〜6重量%である、
    請求項3〜6のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 前記表層部を形成するための樹脂組成物のメルトフローレートが4〜8g/10分である、請求項3〜7のいずれかに記載の化粧シート。
  9. 高分子型光安定剤が、下記式(1)
    Figure 0004863748
    (ただし、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で示される環状アミノビニル化合物とエチレンとの共重合体である、請求項1〜8のいずれかに記載の化粧シート。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の化粧シートが被着体上に積層されてなる化粧板。
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