JP2005288911A - 化粧シート - Google Patents

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Hironori Kamiyama
弘徳 上山
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Abstract

【課題】耐候性がより改善された化粧シートを提供する。
【解決手段】被着材に積層して用いるための化粧シートであって、
(1)当該シートは、少なくとも基材、絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を順に有し、(2)当該透明性樹脂層及び/又は透明性保護層が、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの少なくとも1種を含む、ことを特徴とする化粧シートに係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種の建材の表面装飾材料として効果的な絵柄が施された化粧シート及び当該化粧シートが積層された化粧板に関する。
化粧シートは、被着材(木質板等)の表面の保護、装飾等を目的として、被着材の表面に貼着することにより用いられている。そして、これによって得られた化粧板は、各種の建材、家具等に使用されている。
このような化粧シート及び化粧板としては、例えば透明着色ポリ塩化ビニル(PVC)フィルムに,必要に応じて木目絵柄印刷層、木目導管エンボス加工、ワイピング加工等が施されたものが知られている。例えば、基材上にインキ層、接着性樹脂層、オレフィン系樹脂層及びトップコート層を有する化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
しかしながら、従来の化粧シートでは、インキ層の上にオレフィン系樹脂層が積層されるが、その樹脂層の耐候性が十分なものとは言えない。上記の特許文献1に係る化粧シートでは、耐候性を高めるためにトリアジン系紫外線吸収剤が用いられているが、なお改善の余地がある。
特開2003−340973号公報
従って、本発明は、耐候性がさらに改善された化粧シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の構成を有する積層体が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の化粧シートに係る。
1. 被着材に積層して用いるための化粧シートであって、
(1)当該シートは、少なくとも基材、絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を順に有し、
(2)当該透明性樹脂層及び/又は透明性保護層が、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの少なくとも1種を含む、
ことを特徴とする化粧シート。
2. 透明性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂である前記項1記載の化粧シート。
3. 透明性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂の溶融押出により隣接する層上に塗工されて形成されている前記項2記載の化粧シート。
4. 透明性樹脂層と透明性保護層との間にプライマー層が形成されている前記項1〜3のいずかに記載の化粧シート。
5. 透明性樹脂層が、さらに酸化防止剤を含む前記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6. 透明性樹脂層と透明性保護層との間にプライマー層が形成されている前記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7. 絵柄層と透明性樹脂層との間に接着性樹脂層が介在する前記項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
8. 基材及び透明性樹脂層を除く層の少なくとも1つが水性組成物により形成されている前記項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
9. 透明性樹脂層が、熱可塑性樹脂の溶融押出しを行い、次いでエンボスが施された冷却ロールにより当該樹脂を冷却固化及びエンボス加工してなる前記項1〜8のいずれかに記載の化粧シート。
10. 前記項1〜9のいずれかに記載の化粧シートの透明性保護層が最表面層となるように当該シートが被着材上に積層されてなる化粧板。
本発明の化粧シートは、透明性樹脂層及び/又は透明性保護層に特定のベンゾトリアゾール系化合物を含むので、従来の化粧シートに比べて優れた耐候性を発揮することができる。
本発明の化粧シートは、被着材に積層して用いるための化粧シートであって、
(1)当該シートは、少なくとも基材、絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を順に有し、
(2)当該透明性樹脂層及び/又は透明性保護層が、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの少なくとも1種を含む、
ことを特徴とする。以下、各層について説明する。
基材
基材は、その表面(おもて面)には絵柄層等が順次積層され、裏面には被着材が積層される。
基材としては、例えば熱可塑性樹脂により形成されたものを好適に使用することができる。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等を挙げることができる。
基材は、着色されていても良い。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、例えば二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
基材として透明性基材を用いる場合には、被着材の表面(木目等)を視認できる化粧板を得ることができる。この場合、基材は、無色透明、着色透明、半透明等のいずれであってもよい。
基材には、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていても良い。
基材の厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般的には50〜250μmとすることが好ましい。
基材においては、必要に応じて、絵柄層を設けるインキの接着を強固にするために表面(おもて面)にコロナ放電処理を行うこともできる。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従って実施すれば良い。
また、必要に応じて、基材の裏面には、被着材との積層のために、コロナ放電処理を施したり、あるいはプライマー層を形成することもできる。
プライマー層を形成するための材料としては、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(特に、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等とイソシアネート化合物との2液硬化型樹脂)、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等の樹脂類ほか、アルキルチタネート、エチレンイミン等の化合物も使用することができる。
プライマー層の形成は、これらの樹脂等をそのままで又は溶媒に溶解若しくは分散させた状態で用い、公知の印刷方法、塗布方法等に従ってプライマー層を形成することができる。この場合、上記の樹脂等を含む水性組成物を用いてプライマー層を形成することもできる。例えば、上記の樹脂等を水又は水系溶媒に溶解又は分散させて得られる水性組成物を好ましく用いることができる。水系溶媒としては、後記の絵柄層で使用される水性組成物と同様のものを使用できる。特に、上記樹脂を水又は水系溶媒に分散させて得られる水性エマルション樹脂がより好ましい。
透明性樹脂層
透明性樹脂層は、透明性のものであれば限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。このような樹脂としては、例えば熱可塑性樹脂により形成されたものを好適に使用することができる。また、透明性樹脂層は、共押出し等により接着性樹脂層と組み合わせて使用することもできる。また、透明性樹脂層は、熱可塑性樹脂の溶融押出しを行い、次いでエンボスが施された冷却ロールにより当該樹脂を冷却固化及びエンボス加工して形成することもできる。
透明性樹脂層の種類としては、例えば軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等を挙げることができる。本発明では、透明性樹脂層として、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
透明性樹脂層は、必要に応じて着色されていても良い。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、前記の着色半透明層で挙げられた顔料又は染料を使用することができる。これらは、1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
本発明の化粧シートでは、透明性樹脂層及び/又は透明性保護層が、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの少なくとも1種を含む。これらの化合物(「本発明化合物」ともいう。)は、公知又は市販品(紫外線吸収剤)を使用することができる。この中でも、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。本発明では、透明性樹脂層及び透明性保護層の双方が本発明化合物を含むことが望ましい。
本発明化合物の含有量は、本発明化合物の種類、透明性樹脂層を構成する樹脂成分の種類等に応じて適宜決定できるが、通常は透明性樹脂層中0.01〜30重量%、特に0.1〜3重量%とすることが望ましい。
また、透明性樹脂層には、本発明化合物以外の紫外線吸収剤が含まれていてもよい。例えば、ベンゾトリアゾール系(本発明化合物以外のもの)、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系等の各紫外線吸収剤を挙げることができる。具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル、4−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤等が挙げられる。その他にも、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又はメタクリロイル基が導入された反応型紫外線吸収剤等を用いることもできる。
また、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
難燃剤は、耐燃性を付与するために添加される。例えば、塩化パラフィン、トリクレジルホスフェート、塩素化油、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブロモビスフェノールA、ジブロモプロピルホスフェート、トリ(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、酸化アンチモン、含水アルミナ、ホウ酸バリウム等を好適に用いることができる。
酸化防止剤は、酸化分解を抑制ないしは防止するために添加される。例えば、アルキルフェノール類、アミン類、キノン類等が好適である。
ラジカル捕捉剤は、日光による変褪色、亀裂、白化、強度劣化等の防止して耐候性を向上させるために添加される。ラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートのほか、例えば特公平4−82625号公報に開示されている化合物等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。
透明性樹脂層の形成方法は限定的でなく、例えば予め形成されたシート又はフィルムを隣接する層に積層する方法、透明性樹脂層を形成し得る樹脂組成物を溶融押出することにより隣接する層上に塗工する方法、隣接する層と一緒にラミネートする方法等のいずれも採用することができる。本発明では、特に溶融押出により透明性樹脂層を形成することが好ましい。とりわけ、透明性樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を溶融押出によって塗工することが望ましい。具体的には、絵柄層上に予め接着性樹脂層を形成し、当該接着性樹脂層上にポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを溶融押出して塗工することにより透明性樹脂層を好適に形成することができる。溶融押出の方法は、例えばTダイ等を用いる公知の方法に従って実施すれば良い。
透明性樹脂層の厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般的には50〜250μmとすることが好ましい。特に、透明性樹脂層は、20〜200μm程度とすることが好ましい。
透明性樹脂層の表面(おもて面)及び/又は裏面には、隣接する層との接着性を高めるために、必要に応じてコロナ放電処理を行うこともできる。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従えば良い。
また、透明性樹脂層の表面(おもて面)及び/又は裏面には、プライマー層を形成することもできる。プライマー層を形成するための材料としては、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等の樹脂類ほか、アルキルチタネート、エチレンイミン等の化合物も使用することができる。特に、プライマー層としては、2液硬化型のウレタン系樹脂の使用が好ましい。イソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等の脂肪酸イソシアネート(脂肪族イソシアネート)、ポリオールとしてアクリルポリオールをそれぞれ使用する場合には、より優れた耐候性、密着性等が得られるので好ましい。
プライマー層は、これらの材料をそのままで、あるいは顔料、染料、耐候剤、界面活性剤等の添加剤とともに、溶媒に溶解若しくは分散させた状態で用い、公知の印刷方法、塗布方法等に従って形成することができる。この場合、前記の樹脂を含む水性組成物の形態で使用することもできる。すなわち、上記樹脂を水又は水系溶媒に樹脂成分を分散又は溶解させたものを好適に用いることもできる。特に、上記樹脂を水又は水系溶媒に分散させて得られる水性エマルション樹脂を用いてプライマー層を形成することが好ましい。水系溶媒としては、後記の絵柄層で使用される水性組成物と同様のものを使用できる。
絵柄層
絵柄層は、木目、節目等の天然素材が有する柄のほか、文字、記号、図等も表わすことができる。
絵柄層は、着色材及び樹脂バインダーを含むインキを用いて形成できる。バインダーとしては、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用いることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。着色材としては、公知のもの又は市販品が使用できる。具体的には、後記の着色半透明層で使用されるものを適用することができる。
本発明では、上記樹脂バインダーとして水性組成物を用いることもできる。水性組成物は、水又は水系溶媒に樹脂成分を分散又は溶解させたものであり、バインダー樹脂として使用されているものを採用できる。特に、水又は水系溶媒に樹脂成分を分散して得られる水性エマルション樹脂組成物の形態で使用することが望ましい。
溶媒に関し、水は、例えば公知の水系塗工剤等に使用されているグレードの工業用水が使用できる。また、水系溶媒としては、水と有機溶媒とからなる混合溶媒を使用することもできる。有機溶媒としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等の低級アルコールのほか、グリコール類、グリコールエステル類等の水溶性有機溶剤を好適に用いることができる。なお、水溶性有機溶剤は、水性エマルション樹脂の流動性改良、被塗工体である基材シートへの濡れ性の向上、乾燥性の調整等の目的で使用されるものであり、その目的に応じてその種類、使用量等が決定される。混合溶媒の場合、水及び有機溶媒の割合は一般に水:有機溶媒20:80〜100:0(重量比)の範囲内で適宜調整することができる。
樹脂成分としては、公知の水系塗工剤、水性塗料等に使用されている樹脂が挙げられる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。これらの中でも、耐熱性、耐水性、耐候性等の点において、アクリルウレタン系樹脂を用いることが好ましい。アクリルウレタン系樹脂を使用する場合、その平均分子量は1万〜10万程度とすることが好ましい。
本発明では、中和剤が添加された水性エマルション組成物(特に水性エマルション樹脂組成物)を用いる。そして、その中和剤として沸点−50〜25℃(好ましくは沸点−40〜15℃)の塩基性物質を用いる。かかる沸点範囲をもつ塩基性物質を使用することによって、余剰の塩基性物質は化粧シート製造工程中に蒸発し、化粧シートが使用されるまでには殆どが消失する。これにより、化粧シート又は化粧板の使用時における経時的に揮発する有機物質による問題を解消することができる。
上記のような沸点をもつ塩基性物質としては、例えばアンモニア、モノメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン等の塩基性有機化合物が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。中和剤は、いったん水に溶解させ、溶液の形態で使用することもできる。例えば、アンモニアを使用する場合は、アンモニア水として使用すれば良い。また、沸点をもたず、化粧シート内に含有される水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基性ポリマーを使用しても良い。
中和剤の使用量は、一般的に前記樹脂成分を十分に中和し得る量(当量)の範囲内で適宜設定すれば良い。かかる範囲内に設定することによって、より確実な中和力とともに、所望の耐水性等を付与することができる。
絵柄層の形成は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等の公知の印刷法により好適に実施することができる。例えば、絵柄層が木目の基調色になるように、顔料(又は染料)添加により着色されたインキを用いて印刷すれば良い。
着色隠蔽層
着色隠蔽層は、樹脂バインダー及び着色材を含む着色インキを用いて形成することができる。樹脂バインダー及び着色材は、それぞれ公知のもの又は市販品を使用することができる。樹脂バインダーとしては、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィンのほか、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用いることができる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。
着色材としては、例えばチタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニンリンブラック等の有機顔料(染料も含む。)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。着色隠蔽層で用いられる着色材の色は、上記のような効果を発現するものであれば特に限定されない。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
着色隠蔽層の形成は、上記着色インキを用い、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷等の印刷;スプレー、ローラー、刷毛等の塗布;シート状物等の成形体の積層等を適用すれば良い。
着色隠蔽層の厚み(乾燥後)は、所望の透過率、用いる着色インキの種類等に応じて適宜設定すれば良い。一般的には0.5〜50μm程度の範囲内から設定することができる。
着色隠蔽層の位置は、基材、絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層のいずれかの面(表面又は裏面)に着色隠蔽層が存在するようにすれば良い。例えば、基材と絵柄層との間に介在させることができる。
また、着色隠蔽層は、1層又は2層以上有していても良い。2層以上有する場合は、互いに隣接していても良いし、離れていても良い。
接着性樹脂層
本発明化粧シートでは、好ましくは絵柄層と透明性樹脂層との間に接着性樹脂層が介在する。
接着性樹脂層で使用する樹脂は、公知又は市販の接着剤、ヒートシール剤、あるいは透明性樹脂層との共押し出しで得られる材料の中から、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂中には、耐候剤等の種々の添加剤が含まれていても良い。また、これらの樹脂は、水性組成物の形態で使用することもできる。具体的には、上記樹脂を水又は水系溶媒に溶解又は分散させた水性組成物を使用できる。特に、上記樹脂を水又は水系溶媒に分散して得られる水性エマルション樹脂の形態で使用することが望ましい。水系溶媒としては、前記の絵柄層の形成に使用される水性組成物と同様のものを用いることができる。
本発明では、耐熱性等をより高めることができるという点でウレタン系樹脂接着剤が好ましい。ウレタン系樹脂接着剤は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする2液硬化型ウレタン樹脂が挙げられる。
上記ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものである。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用いられる。
また、上記イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環族)イソシアネートが用いられる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることもできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネートの3量体等が挙げられる。
なお、必要に応じ、接着面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を施すこともできる。
接着方法としては、用いる接着剤の種類等に応じて公知の方法に従って実施すれば良い。例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用い、溶融押出(エクストルージョンコート法)で絵柄層上に塗工する方法、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂にイソシアネート、アミン等の架橋剤、メチルエチルケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、アザビスイソブチロニトリル等の重合開始剤、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等の重合促進剤等を必要により添加した接着剤を塗工し、ドライラミネートする方法を採用することができる。また、本発明では、熱圧着できる接着剤のほか、透明性樹脂層と共押し出しできる接着性の高い樹脂を使用し、熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて適用することができる。
接着性樹脂層の厚さは、使用する樹脂の種類等に応じて異なるが、通常は0.1〜30μm程度とすれば良い。
透明性保護層(いわゆるOP層)
本発明において、透明性保護層は最表面層として設けられている。透明性保護層は、透明である限り、着色されていても良い。また、絵柄層が視認できる範囲内で半透明であっても良い。透明性保護層の形成により、化粧シート表面の傷のつきやすさをカバーし、耐擦傷性を向上させることができる。
前記のとおり、本発明では、透明性保護層に本発明化合物が含まれていても良い。これらの含有量等は、前記の透明性樹脂層と同様にすれば良い。
透明性保護層に用いられる材料としては特に限定されず、公知の化粧シートと同様のものを使用することができる。例えば、2液硬化型のウレタン系樹脂、2液硬化型のアクリルウレタン系樹脂等を使用することができる。また、これらの樹脂は、水性組成物として使用することもできる。水性組成物としては、上記のような樹脂を水又は水系溶媒に溶解又は分散させたものを使用することができる。特に、上記樹脂を水又は水系溶媒に分散して得られる水性エマルション樹脂の形態で使用することが望ましい。水系溶媒としては、前記の絵柄層の形成に使用される水性組成物と同様のものを用いることができる。
特に、本発明では、透明性保護層として電離放射線硬化型樹脂を用いることが望ましい。電離放射線硬化型樹脂を使用することによって、より優れた耐擦傷性、耐候性等を得ることができる。
電離放射性硬化型樹脂は、公知のもの又は市販品を使用することができる。具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー及び単量体の少なくとも1種を含む組成物を用いる。
前記のプレポリマー又はオリゴマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類がある。例えば、ポリエステルメタアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、ポリオールメタアクリレート、メラミンメタアクリレート等のメタアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等がある。
単量体としては、スチレン、αーメチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、2ーエチルヘキシルアクリレート、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸エトキシメチル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ラウリル等メタアクリル酸エステル類がある。
不飽和酸の置換アミノアルコールエステルとしては、アクリル酸ー2ー(N,Nージエチルアミノ)エチル、メタアクリル酸ー2ー(N,Nージエチルアミノ)エチル、アクリル酸ー2ー(N,Nージベンジルアミノ)メチル、アクリル酸ー2ー(N,Nージエチルアミノ)プロピル等がある。
その他にも、アクリルアミド、メタアクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオベンジルグリコールジアクリレート、1,6ーヘキサンジオールジアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の多官能性物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基をもつポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピオレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。また、3官能基以上のアクリレート系単量体には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート等がある。
電離放射線硬化型樹脂による透明性保護層の形成方法も公知の方法に従えば良く、例えば電離放射線硬化型樹脂を含む組成物(塗料)を調製し、これを用いて塗膜を形成し、公知の使用条件(175keV及び5Mrad(50kGy))で電子線照射して塗膜を架橋硬化させれば良い。電離放射線硬化型樹脂を使用する場合は、予め下地としてプライマー層(特にウレタン系樹脂によるプライマー層)を透明性樹脂層上に設けることが望ましい。
前記のとおり、本発明では、透明性樹脂層及び/又は透明性保護層に本発明化合物が含まれる。透明性保護層に本発明化合物が含まれる場合、その含有量等は前記の透明性樹脂層と同様にすれば良い。
また、透明性保護層には、必要に応じて各種の添加剤が含まれていても良い。例えば、耐擦傷性等を向上させるために各種のフィラー(好ましくはモース硬度3〜10のフィラー)を添加することもできる。
透明性保護層(すなわち、化粧シートの最表面)には、好ましくはエンボス加工等により凹凸模様が施される。さらに好ましくは、前記エンボス凹部にインキを充填するワイピング加工を施し、その表面を2液硬化型ウレタン系樹脂で被覆(オーバーコート処理)した構造とする。
エンボス加工は、化粧シートに木材板表面等所望のテクスチァーを付与するために行われる。例えば、加熱ドラム上でアクリル系樹脂を加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで160〜180℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス板で加圧、賦形し、冷却固定して形成する。これは、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用すれば良い。凹凸模様としては、例えば木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられ、これらの中から所望の模様を適宜選択することができる。
ワイピング加工とは、エンボス加工で設けた凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する加工をいう。ワイピングインキとしては、通常は2液硬化型のウレタン樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。ワイピング加工では、特に木目導管溝凹凸に対して行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
被着材
本発明化粧シートが適用される被着材は、限定的でなく、公知の化粧シートと同様のものを用いることができる。例えば、木質材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
被着材への積層
本発明の化粧シートは、各種の被着材等に積層され、化粧板として使用される。積層方法は限定的でなく、例えば接着剤により化粧シートを被着材に貼着する方法等を採用することができる。接着剤は、被着材の材質等に応じて公知の接着剤から適宜選択すれば良い。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
このようにして製造された化粧板は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧板、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板等に好ましく用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確に説明する。ただし、本発明は、実施例の範囲に限定されない。
実施例1
図1に示す基本構成を有する化粧シートを作製した。
基材1として、着色されたポリプロピレン系樹脂フィルム(厚み60μm)を用意した。この表面及び裏面にコロナ放電処理を施した後、表面に2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとする着色インキをグラビア印刷にて着色隠蔽層2(厚み2μm)を形成し、さらに木目柄の絵柄層3を形成した。一方、基材の裏面には、ウレタン系樹脂をバインダーとしたプライマー層6をグラビア印刷により形成した。
次いで、前記の絵柄層3の上に2液硬化型ウレタン樹脂からなる塗液を塗工して接着性樹脂層(厚み3μm)(図示せず)を形成した。さらに、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを主成分とするベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(製品名「Tinuvin 326」チバスペシャリティーケミカルズ社製)5000ppmを含むポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをTダイで溶融押し出し塗工することによって、透明性樹脂層4(厚み80μm)を形成した。
透明性樹脂層の上に、さらにイソシアネート部分がイソホロンジイソシアネートと水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートを用いたアクリル−ウレタンブロック重合体(主剤)と、ヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)とからなる2液硬化型ウレタン系樹脂を塗工し、プライマー層(厚さ2μm)(図示せず)を形成した。
次に、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを主成分とするベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(製品名「Tinuvin P」チバスペシャリティーケミカルズ社製)5000ppm、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールを主成分とするベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(製品名「Tinuvin 399」チバスペシャリティーケミカルズ社製)5000ppm及びシリカ粉末(モース硬度5)5重量%を含むウレタンアクリレート系電離放射線硬化型樹脂をグラビアコートにて塗膜を形成した後、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して塗膜を架橋硬化させることにより、透明性保護層5(厚さ5μm)を形成した。
最後に、透明性保護層の側を赤外線非接触方式のヒーターで加熱し、透明性保護層及び透明性樹脂層を柔らかくした後、直ちに透明性保護層の面から熱圧によるエンボス加工を行い、木目導管溝模様の凹凸模様を賦形することにより、所定の化粧シートを得た。
実施例2
実施例1において、上記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをTダイで溶融押し出し塗工した後、上記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー側から熱エンボス加工を行い、かつ、2液硬化型のアクリルウレタン樹脂を使用して透明性保護層5(厚み5μm)を形成することにより、化粧シートを作製した。
実施例3
実施例1において、絵柄層、接着性樹脂層、透明性保護層及びプライマー層の形成に水性インキを使用することにより、実施例1と同じ構成の化粧シートを得た。
実施例4
実施例2において、上記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをTダイで溶融押し出し塗工すると同時にエンボス加工した後、2液硬化型のアクリルウレタン樹脂を使用して透明性保護層5(厚み5μm)を形成することにより、化粧シートを作製した。
比較例1
透明性樹脂層及び透明性保護層のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤に代えてトリアジン系紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を用いたほかは、実施例4と同様にして化粧シートを作製した。
試験例1
実施例及び比較例で得られた化粧シートの下記の物性についてそれぞれ調べた。その結果、実施例はいずれも「○」(合格)であった。これに対し、比較例1は、耐候性が「×」であり、その他の項目は「○」であった。
(1)耐候性
促進耐候性試験としてJIS−B−7350に準じて試験を実施した。サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機を用い、ブラックパネル温度63℃、照射量25.5mW/cm2(365nm)、降雨時間が照射120分中18分の条件で合計2000時間実施した。また、メタルウェザーメーターを用い、ブラックパネル温度63℃、照射量60mW/cm2(365nm)、降雨時間が照射20時間中4時間の条件で合計200時間実施した。それぞれの試験後において、化粧シートの外観の変化の有無を調べた。色、ツヤ等の外観に変化がないものを「○」、外観が変化したもの(白色、黄色等の変色)を「×」とした。
(2)耐擦傷性
JAS特殊合板の「(7)摩耗試験(摩耗A試験、摩耗B試験及び摩耗C試験)」の項目における「(イ)摩耗C試験」に準じて試験を実施し、試験後の化粧シート表面の状態を観察した。外観に変化がないものを「○」、キズ等により外観が変化したものを「×」とした。
(3)透明性保護層の密着性
透明性保護層の外観を観察し、剥離等の有無を確認した。剥離等の問題がないものを「○」、剥離等が認められるものを「×」とした。
(4)化粧板の耐候性
上記(4)で作製された化粧板について、上記(2)の耐候性試験を実施し、試験後の外観を調べた。外観に変化がないものを「○」、外観が変化したもの(白色、黄色等の変色)を「×」とした。
実施例1で作製した化粧シートの断面構造を示す図である。
符号の説明
1 基材
2 着色隠蔽層
3 絵柄層
4 透明性樹脂層
5 透明性保護層
6 プライマー層

Claims (10)

  1. 被着材に積層して用いるための化粧シートであって、
    (1)当該シートは、少なくとも基材、絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を順に有し、
    (2)当該透明性樹脂層及び/又は透明性保護層が、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの少なくとも1種を含む、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 透明性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の化粧シート。
  3. 透明性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂の溶融押出により隣接する層上に塗工されて形成されている請求項2記載の化粧シート。
  4. 透明性樹脂層と透明性保護層との間にプライマー層が形成されている請求項1〜3のいずかに記載の化粧シート。
  5. 透明性樹脂層が、さらに酸化防止剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 透明性樹脂層と透明性保護層との間にプライマー層が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 絵柄層と透明性樹脂層との間に接着性樹脂層が介在する請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 基材及び透明性樹脂層を除く層の少なくとも1つが水性組成物により形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
  9. 透明性樹脂層が、熱可塑性樹脂の溶融押出しを行い、次いでエンボスが施された冷却ロールにより当該樹脂を冷却固化及びエンボス加工してなる請求項1〜8のいずれかに記載の化粧シート。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の化粧シートの透明性保護層が最表面層となるように当該シートが被着材上に積層されてなる化粧板。
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