JP4862884B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4862884B2
JP4862884B2 JP2008317210A JP2008317210A JP4862884B2 JP 4862884 B2 JP4862884 B2 JP 4862884B2 JP 2008317210 A JP2008317210 A JP 2008317210A JP 2008317210 A JP2008317210 A JP 2008317210A JP 4862884 B2 JP4862884 B2 JP 4862884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
diameter
pulling
silicon
pulling speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008317210A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010042977A (ja
Inventor
明浩 木村
亮二 星
将 園川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2008317210A priority Critical patent/JP4862884B2/ja
Publication of JP2010042977A publication Critical patent/JP2010042977A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4862884B2 publication Critical patent/JP4862884B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)により、シリコン種結晶を使用してネッキング(減径部の形成)を行い、シリコン単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
従来、CZ法によるシリコン単結晶の製造においては、単結晶シリコンを種結晶として用いて、これをシリコン融液に接触させた後、回転させながらゆっくりと引き上げることで単結晶棒を成長させている。この際、種結晶をシリコン融液に接触させた後に、熱衝撃により種結晶に高密度で発生するスリップ転位から伝播する転位を消滅させるために、直径3mm程度に一旦細くして絞り部を形成するいわゆる種絞りを行い、次いで、所望の口径になるまで結晶を太らせて、無転位のシリコン単結晶を引き上げている。このような種絞りは、Dash Necking法としてCZ法でシリコン単結晶棒を引き上げる場合の常識とされている。
すなわち、従来用いられてきた種結晶の形状は、例えば直径あるいは一辺約8〜20mmの円柱状や角柱状の単結晶に種ホルダーにセットするための切り欠け部を設けたもので、最初にシリコン融液に接触する下方の先端形状は、平坦面となっている。そして、高重量の単結晶棒の重量に耐えて安全に引き上げるためには、種結晶の太さは、素材の強度からして上記以下に細くすることは難しい。
このような形状の種結晶では、融液と接触する先端の熱容量が大きいために、種結晶が融液に接触した瞬間に結晶内に急激な温度差を生じ、スリップ転位を高密度に発生させる。従って、この転位を消去して単結晶を育成するために前記Dash Necking法による種絞りが必要になる。
しかし、無転位化するためには、最小直径を4〜6mmまでは絞り込む必要があり、近年のシリコン単結晶径の大口径化に伴い、高重量化した単結晶棒を支持するには強度が不十分であり、単結晶棒引き上げ中に、この細い絞り部が破断して単結晶棒が落下する等の重大な事故を生じる恐れがあった。
このような問題を解決するために、種結晶の先端部の形状を楔形あるいは中空部を有する形状とし、種結晶がシリコン融液に接触する時に入るスリップ転位をできるだけ低減することによって、絞り部の直径を比較的太くしても無転位化を可能とする方法が開示されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
しかし、上記方法では、近年のますます大直径、長尺化し、例えば200kg以上にもなる単結晶棒の引き上げには強度が不十分となる場合があり、高重量の単結晶棒の引き上げには不向きであった。そこで、先端の尖ったシリコン種結晶を用いて、種結晶先端部を溶かし込み、絞り込み部、絞り部を形成し、ネッキング(減径部の形成)を行って、その後拡径して単結晶棒を引き上げる製造方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。この方法により、大直径化して高重量の単結晶棒の引き上げに対応することはできるようになったが、直胴部に至る前の絞り込み部、絞り部、拡径部において、有転位化してしまう問題があった。
一方、先端が尖った種結晶を用いて、Dash Necking法による種絞りを行うことなくシリコン単結晶を製造する方法については、種結晶の融液への溶かし込み終了後、単結晶の成長に移行する時間やその成長速度について開示されている(例えば特許文献4参照)。しかし、ネッキング(減径部の形成)を行って、単結晶棒を引き上げる製造方法において、同様の成長速度を採用すると、成長速度が速すぎるため単結晶の直径が細くなり過ぎ、近年の大直径、長尺化し、例えば200kg以上にもなる単結晶棒の引き上げには強度が不十分となり、高重量の単結晶棒の引き上げには不向きであった。
そこで、ネッキング(減径部の形成)を行った場合については、種結晶の降下を止め引上げに転じた直後から、種結晶下方に形成される結晶径の拡大が始まる間の減径部の形成では、引上速度を0.5mm/min以下として、単結晶を引上げるという、引上速度の上限値の開示がされている(例えば特許文献5参照)。しかし、この方法でも、絞り込み部および拡径部において有転位化してしまう問題があった。
特開平5−139880号公報 特願平9−255485号公報 特開平11−292688号公報 特開平11−240793号公報 国際公開第WO03/091483号パンフレット
本発明は、CZ法によりネッキング(減径部の形成)を行い、単結晶を製造する際に、絞り込み部および拡径部において、無転位化率を低下させることなく、単結晶棒を成長させて、大直径化して高重量の単結晶棒の生産性を向上させるシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、チョクラルスキー法により、先端の尖ったシリコン種結晶を用いて、先端から所定の直径の位置までシリコン融液に溶かし込み、ネッキングを行って絞り込み部を形成し、その後拡径して拡径部、直胴部を形成して単結晶棒を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、前記種結晶の溶かし込みが終了し、該種結晶を上方に引き上げ始める引上開始までにヒーターパワーの制御により前記シリコン融液の温度を下げ始め、前記引上開始から前記単結晶の直胴部が形成され始めるまでの引上速度を少なくとも二段階以上とし、該引上速度は、前記引上開始時は0.3mm/min未満であり、その後、前記絞り込み部の直径が最小となる時間に対して、120%以上か、または、50%以上75%未満の範囲のタイミングで0.3mm/min以上0.7mm/min以下に増加することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。(請求項1)。
このように、引上開始までにシリコン融液の温度を下げ始めることで、その後に引上速度を制御して所望の結晶直径へと拡径することができる。そして、引上開始から単結晶の直胴部が形成され始めるまでの引上速度を少なくとも二段階以上とし、途中で引上速度を増加することで、生産性良く、高重量の単結晶を引き上げることができる。その際、所定の引上速度で引き上げをした後、所定のタイミングで引上速度を高速化することにより、絞り込み部において拡径するということや拡径部において減径するということがないため、有転位化することなく、単結晶を製造することができる。
ここで、本発明における「ネッキング」とは、先端の尖ったシリコン種結晶を用いて、先端から所定の直径の位置までシリコン融液に溶かし込んだ後、単結晶の成長を開始する際に、一旦直径を僅かに減径させることを意味しており、転位を消去するため一旦3mm程度に非常に細くする、いわゆるDash Necking法における種絞りとは異なるものであり、もともと無転位のものをわずかに減径させるものである。
また、本発明の製造方法では、前記タイミングは、前記引上開始時の引上速度を0.3mm/min未満に固定して前記単結晶の試作を行い、前記絞り込み部の直径が最小となる時間を求め、前記引上速度の増加のタイミングを決定することが好ましい(請求項2)。
このように、引上速度を固定して単結晶の試作を行うことにより、絞り込み部の直径が最小となる時間を正確に把握することができる。そして、求められた時間から引上速度を増加するタイミングが事前に決定できる。従って、引上速度の制御とヒーターパワーの制御との関係を事前に導き出すことができるため、単結晶の製造を確実に自動化することができ、単結晶の生産性を向上することができる。
また、本発明の製造方法では、前記絞り込み部は、前記単結晶の直径が成長途中で増加することなく減少し続けることにより形成され、該絞り込み部の下方に形成される拡径部は、その後成長される直胴部に至るまで前記単結晶の直径が成長途中で減少することなく増加し続けることにより形成されることが好ましい(請求項3)。
このことにより、絞り込み部および拡径部は、それぞれの成長途中で減径や拡径を繰り返すことがないため、絞り込み部および拡径部における有転位化を防止して、シリコン単結晶を製造することができる。
以上説明したように、本発明では、CZ法により先端が尖った種結晶を用いて、ネッキング(減径部の形成)を行って単結晶を製造する方法において、引上速度を決められたタイミングで増加することで、絞り込み部および拡径部の有転位化を防止して、シリコン単結晶を製造することができる。また、単結晶の引き上げ途中で引上速度が増加することで、生産性良く、高重量の単結晶を製造することができる。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述のように、大直径化して高重量の単結晶棒の引き上げに対応するために、先端の尖ったシリコン種結晶を用いて、ネッキングを行って、絞り込み部、絞り部、拡径部を形成して直胴部を有する単結晶棒を引き上げる方法が開示されたが、直胴部に至る前の絞り込み部、絞り部、拡径部の形状が原因となり、特に、絞り込み部が単調な減径ではなくその一部が拡径している場合、また、絞り部に続く拡径部においてその一部が減径している場合に有転位化してしまうことがわかった。
一方、種結晶の融液への溶かし込み終了後、種結晶を上方に引き上げ始める時間やその引上速度の上限値について開示されているが、途中で引上速度を変化させると絞り込み部や拡径部の形状が拡径と減径を繰り返してしまい、これが原因となり、有転位化してしまうことがわかった。
そこで、絞り込み部や拡径部における有転位化を防止するためには、絞り込み部や拡径部の形状が重要であり、絞り込み部および拡径部は、それぞれの成長途中で減径や拡径を繰り返すことがないことが必要である。
しかし、先端の尖ったシリコン種結晶を用いて、ネッキングを行って絞り込み部を形成した後、拡径部を形成して単結晶棒を引き上げる製造方法において、絞り込み部や拡径部の形状を拡径と減径とを繰り返さないように形成することは、絞り込み部や拡径部の直径と引上速度の変更の適切なタイミングが明らかになっていないために困難であることがわかった。
そこで、本発明者らは、種結晶を上方に引き上げ始める引上開始までにシリコン融液の温度を下げ始め、引上開始時の引上速度は低速とし、その後、絞り込み部の直径が最小となる時間に対して引上速度を増加させるタイミングを決めて、適切なタイミングで引上速度を増加して高速化することにより所望形状を有する単結晶を製造することを試みた。
その結果、引上速度を引上開始時の低速から、その後、絞り込み部の直径が最小となる時間に対して120%以上の範囲のタイミングで増加することで、拡径部の直径が成長途中で減径しないことを発見した。
さらに、引上速度を引上開始時の低速から、その後、絞り込み部の直径が最小となる時間に対して50%以上75%未満の範囲のタイミングで増加することで、絞り込み部と拡径部の形状は、途中で拡径と減径とを繰り返すことがないことを発見した。
一方、引上速度を引上開始時の低速から、その後、絞り込み部の直径が最小となる時間に対して50%未満の範囲のタイミングで増加した場合には、絞り込み部の減径量が大きくなり過ぎて、高重量の単結晶棒を成長させることができなくなってしまうこと、また、増加するタイミングが絞り込み部の直径が最小となる時間に対して75%以上120%未満の範囲の場合には、絞り込み部と拡径部の形状は、途中で拡径と減径を繰り返してしまい、製造させたシリコン単結晶は有転位化してしまうことを発見した。
また、引上速度は、引上開始の低速時には、0.3mm/min未満とし、その後、高速時には、0.3mm/min以上0.7mm/min以下に増加することで、単結晶の直径が細くなり過ぎることはなく、かつ途中で高速化して単結晶を成長させることで、生産性良く、高重量の単結晶を引き上げることができることも発見した。
本発明は、上記の発見に基づいて完成されたものであり、以下、本発明について図面を参照しながらさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図2は本発明により製造された単結晶の絞り込み部と拡径部の形状を示す概略図である。先端が尖った種結晶1の先端2を図示しないシリコン融液に溶かし込み、ネッキングを行って形成されたのが絞り込み部3である。そして、絞り込み部3の下方に続けて形成されているのが拡径部4および直胴部5である。
本発明においては、CZ法により、先端の尖ったシリコン種結晶1を用いて、先端2から所定の直径の位置までシリコン融液に溶かし込み、ネッキングを行って絞り込み部3を形成し、その後拡径して単結晶棒を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、種結晶1の溶かし込みが終了し、種結晶1を上方に引き上げ始める引上開始までにヒーターパワーの制御によりシリコン融液の温度を下げ始める。このことにより、その後の引上速度を制御して単結晶の直径を所望の値へ減径する絞り込み部を形成し、次に拡径する拡径部を形成することができる。
ここで、図1は本発明におけるシリコン単結晶の製造における引上速度、ヒーターパワー、単結晶の直径の関係を示した図である。上記のように種結晶の溶かし込みが終了し、種結晶を上方に引き上げ始める引上開始までにヒーターパワーのダイヤル値を下げて、その後、本発明のように引上速度を制御することで、単結晶の直径が絞り込み部で減少し、拡径部で増加をしていることがわかる。
次に、本発明の製造方法では、引上開始時の引上速度を0.3mm/min未満の低速にしてネッキングを行い、絞り込み部3を形成する。このように、引上速度を0.3mm/min未満にすることにより、結晶の成長が追いつかずに結晶直径が細くなり過ぎることがなく、高重量の単結晶を引き上げることができる。
そして、その後、単結晶の直胴部5が形成され始めるまでの間に引上速度を途中で0.3mm/min以上0.7mm/min以下に増加する。このように、引上速度が増加したことにより、高速化して単結晶を成長させることができ、生産性良く、高重量の単結晶を引き上げることができる。
また、本発明の製造方法では、絞り込み部3の直径が最小直径Wとなる時間に対して、120%以上の範囲のタイミングで引上速度を増加する。このことにより、単結晶は既に拡径部を形成していて、シリコン融液の温度も充分に低下しているため、引上速度を増加しても直径が細くなることは無く、形成される拡径部は拡径するのみである。従って、絞り込み部および拡径部における有転位化を防止して、単結晶棒を成長させることができる。
ここで、図1を参照すると、上記のように、引上速度を0.3mm/min未満にして絞り込み部を形成し、絞り込み部の直径が最小となった時間(約20分)に対して120%以上となるタイミング(約25分)で、引上速度を0.3mm/min以上0.7mm/min以下に増加している。そして、このときの単結晶の直径について注目すると、絞り込み部を形成し始めてから、最小値に至るまで、途中で直径が増加していることはない。また、最小値から拡径部の形成に移行した際にも、途中で直径が減少していることはないことがわかる。従って、上記のようなタイミングで、引上速度を増加することで、絞り込み部および拡径部における有転位化を防止して、単結晶棒を成長させることができる。
なお、引上開始時の引上速度は、例えば、引上開始直後に引上速度を瞬間的に高速として、その後、減少させて一定の引上速度にして絞り込み部を形成するというように、引上速度が0.3mm/min未満の範囲であれば変動させても構わない。
一方、引上速度を増加するタイミングを絞り込み部3の直径が最小直径Wとなる時間に対して、50%以上75%未満の範囲とする場合にも、単結晶は絞り込み部3を形成し始めているため、引上速度を増加することによる結晶の減径により絞り込み部が形成され、その後に最小直径になった後、拡径部を形成しても減径と拡径を交互に繰り返すことなく、絞り込み部および拡径部における有転位化を防止して、単結晶棒を成長させることができる。
この場合、本発明の製造方法では、引上開始時の引上速度を0.3mm/min未満に固定して単結晶の試作を行い、絞り込み部の直径が最小となる時間を事前に求めて、引上速度を増加するタイミングを決定することが好ましい。
このように、予め引上速度を固定して、安定的に単結晶を成長させて試作を行うことで絞り込み部の直径が最小となる時間を正確に把握することができるため、引上速度を増加して高速化するタイミングを事前に決定することができる。そして、シリコン融液の温度を下げるために必要なヒーターパワーと引上速度との関係が図1のようになることを事前に導き出すことができるため、正確に両者を制御することができる。従って、確実に単結晶の製造を自動化することができ、効率化を促進して生産性をより向上することができる。
また、本発明の製造方法では、絞り込み部は、単結晶の直径が成長途中で増加することなく減少し続けることにより形成され、また、拡径部は、前記単結晶の直径が成長途中で減少することなく増加し続けることにより形成させることができる。
このように絞り込み部および拡径部は、それぞれの成長途中で減径や拡径を繰り返すことがなく、単結晶の直径の急激な変化が起こらないため、この変化による有転位化も発生しない上に、成長時間の短縮をすることができる。従って、絞り込み部および拡径部における有転位化を防止して、高い生産性でシリコン単結晶を製造することができる。
次に本発明の実施例、比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、CZ法により直径300mmのシリコン単結晶を成長させるため、1辺20mmの角柱状で先端が尖った先端部を有する種結晶をシリコン融液に溶かし込んだ。この際、シリコン融液に種結晶の溶かし込みを開始してから10分後にヒーターパワーのダイヤル値を下げてシリコン融液の温度を下げ始めた。そして、種結晶の先端部の直径が8.0mmになった段階で引上速度を0.1mm/minに固定して種結晶を上方に引き上げ始め、試作としての単結晶の引き上げを開始した。そして、単結晶の直径が目標の最小直径6.0mmとなる時間(以下、「X」という)が引上開始より20分後であることを確認した。
そして、表1に示すように、要因として引上速度を増加するタイミング(A〜F)と引上速度(a〜c)とを変更して、実施例および比較例のシリコン単結晶を製造した。
Figure 0004862884
(実施例1)(要因B,a)
CZ法により直径300mmのシリコン単結晶を成長させるため、試作と同様の条件で、種結晶をシリコン融液に溶かし込み、種結晶の直径が8.0mmになった段階で引上速度を0.1mm/minに固定して種結晶を上方に引き上げを開始した。その後、引上速度を増加するタイミングを引上開始より10分後(Xの50%)として、引上速度を0.3mm/minに増加して、単結晶を成長させた。
そして、この条件で20回、シリコン単結晶を製造して、絞り込み部および拡径部における無転位化率と減径、拡径の切替回数を確認した。
(実施例2および実施例3)(要因C,aおよび要因F,a)
上記の実施例1のシリコン単結晶の製造方法において、引上速度を増加するタイミングを引上開始より14分後(Xの75%未満)とした場合および24分後(Xの120%)とした場合についても、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例4)(要因B,b)
上記の実施例1のシリコン単結晶の製造方法において、引上速度を0.7mm/minに増加した場合についても、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例5および実施例6)(要因C,bおよび要因F,b)
上記の実施例1のシリコン単結晶の製造方法において、引上速度を0.7mm/minに増加し、引上速度を増加するタイミングを引上開始より14分後(Xの75%未満)とした場合および24分後(Xの120%)とした場合についても、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例1および比較例2)(要因D,aおよび要因E,a)
上記の実施例1のシリコン単結晶の製造方法において、引上速度を増加するタイミングを引上開始より15分後(Xの75%)とした場合および23分後(Xの120%未満)とした場合についても、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例3および比較例4)(要因D,bおよび要因E,b)
上記の実施例1のシリコン単結晶の製造方法において、引上速度を0.7mm/minに増加し、引上速度を増加するタイミングを引上開始より15分後(Xの75%)とした場合および23分後(Xの120%未満)とした場合についても、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例5〜比較例7)(要因A,a〜c)
上記の実施例1のシリコン単結晶の製造方法において、引上速度を増加するタイミングを引上開始より9分後(Xの50%未満)とし、引上速度を0.3mm/min、0.7mm/min、0.8mm/minとした場合についても、それぞれ実施例1と同様の評価を行った。
(比較例8〜比較例12)(要因B〜F,c)
上記の実施例1のシリコン単結晶の製造方法において、引上速度を0.8mm/minに増加し、引上速度を増加するタイミングを引上開始より10分後、14分後、15分後、23分後、24分後(Xの50%、75%未満、75%、120%未満、120%)とした場合についても、それぞれ実施例1と同様の評価を行った。
表1より、全ての実施例において、高い無転位化率を得ることができることがわかる。しかし、ほとんどの比較例においては、無転位化率が非常に低かった。
また、絞り込み部および拡径部における減径、拡径の切替回数については、全ての実施例で絞り込み部から拡径部への切り替えだけの1回であった。また、比較例5〜比較例9、比較例12についても1回であったが、比較例1〜比較例4、比較例10、比較例11では、3回であった。
なお、単結晶の最小直径については、実施例1および4は、平均6.5mm、実施例2および5は、平均6.6mm、実施例3および6は、平均7.2mmとなり、高重量の単結晶を引き上げることができた。しかし、比較例5〜7においては、単結晶の直径が目標の最小直径6.0mmよりも細くなりすぎて、高重量の単結晶を成長させることはできなかった。
以上のことから、本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、絞り込み部および拡径部において、減径または拡径を繰り返すことなく、目標とする単結晶の最小の直径を有することで、高重量の単結晶棒を成長させることができる。また、絞り込み部および拡径部における有転位化を防止して、高い無転位化率の単結晶を製造することができる。さらに、引上速度を可能な限り高速化することで効率良く単結晶を育成することができるため、高い生産性でシリコン単結晶を製造することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明におけるシリコン単結晶の製造における引上速度、ヒーターパワー、単結晶の直径の関係を示した図である。 本発明により製造された単結晶の絞り込み部と拡径部の形状を示す概略図である。
符号の説明
1…種結晶、 2…先端、 3…絞り込み部、 4…拡径部、 5…直胴部、 W…最小直径。

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法により、先端の尖ったシリコン種結晶を用いて、先端から所定の直径の位置までシリコン融液に溶かし込み、ネッキングを行って絞り込み部を形成し、その後拡径して拡径部、直胴部を形成して単結晶棒を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、前記種結晶の溶かし込みが終了し、該種結晶を上方に引き上げ始める引上開始までにヒーターパワーの制御により前記シリコン融液の温度を下げ始め、前記引上開始から前記単結晶の直胴部が形成され始めるまでの引上速度を少なくとも二段階以上とし、該引上速度は、前記引上開始時は0.3mm/min未満であり、その後、前記絞り込み部の直径が最小となる時間に対して、120%以上か、または、50%以上75%未満の範囲のタイミングで0.3mm/min以上0.7mm/min以下に増加することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記タイミングは、前記引上開始時の引上速度を0.3mm/min未満に固定して前記単結晶の試作を行い、前記絞り込み部の直径が最小となる時間を求め、前記引上速度の増加のタイミングを決定することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記絞り込み部は、前記単結晶の直径が成長途中で増加することなく減少し続けることにより形成され、該絞り込み部の下方に形成される拡径部は、その後成長される直胴部に至るまで前記単結晶の直径が成長途中で減少することなく増加し続けることにより形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
JP2008317210A 2008-05-21 2008-12-12 シリコン単結晶の製造方法 Active JP4862884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008317210A JP4862884B2 (ja) 2008-05-21 2008-12-12 シリコン単結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008133086 2008-05-21
JP2008133086 2008-05-21
JP2008184503 2008-07-16
JP2008184503 2008-07-16
JP2008317210A JP4862884B2 (ja) 2008-05-21 2008-12-12 シリコン単結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010042977A JP2010042977A (ja) 2010-02-25
JP4862884B2 true JP4862884B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=42014689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008317210A Active JP4862884B2 (ja) 2008-05-21 2008-12-12 シリコン単結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4862884B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2848067B2 (ja) * 1991-11-12 1999-01-20 信越半導体株式会社 シリコン単結晶の種結晶
JP2937112B2 (ja) * 1996-03-13 1999-08-23 住友金属工業株式会社 単結晶引き上げ用種結晶及び該種結晶を用いた単結晶引き上げ方法
JP3402210B2 (ja) * 1997-12-27 2003-05-06 信越半導体株式会社 シリコン単結晶の製造方法
JP3440819B2 (ja) * 1998-04-07 2003-08-25 信越半導体株式会社 シリコン単結晶の製造方法
DE60138443D1 (de) * 2000-02-25 2009-06-04 Shinetsu Handotai Kk Verfahren zur herstellung von siliziumeinkristallen
US7179330B2 (en) * 2002-04-24 2007-02-20 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method of manufacturing silicon single crystal, silicon single crystal and silicon wafer
JP4857920B2 (ja) * 2006-06-07 2012-01-18 株式会社Sumco シリコン単結晶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010042977A (ja) 2010-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0854211B1 (en) Method of manufacturing silicon monocrystal, and seed crystal used in the method
US6869477B2 (en) Controlled neck growth process for single crystal silicon
JP4151580B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法並びにシリコン単結晶とシリコンウエーハ
JP4142332B2 (ja) 単結晶シリコンの製造方法、単結晶シリコンウェーハの製造方法、単結晶シリコン製造用種結晶、単結晶シリコンインゴットおよび単結晶シリコンウェーハ
JP4165068B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
TW201002877A (en) Method of shoulder formation in growing silicon single crystals
JP5660020B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP4862884B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JPH09249482A (ja) 単結晶引き上げ方法
WO2001063022A2 (en) Controlled neck growth process for single crystal silicon
JP3440802B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JPH11199384A (ja) シリコン単結晶の成長方法
JPH1112082A (ja) シリコン単結晶の製造方法および保持する方法
JP5907045B2 (ja) シリコン単結晶の引き上げ方法
JP3440819B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP3402210B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP4215249B2 (ja) シリコン種結晶およびシリコン単結晶の製造方法
JP4785762B2 (ja) 単結晶の製造方法
JP6308138B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP3690680B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP5053426B2 (ja) シリコン単結晶製造方法
JP2010030817A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP5217981B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JPH11209197A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP6070626B2 (ja) シリコン単結晶の育成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111024

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4862884

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250