JP4785762B2 - 単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によって単結晶を育成しながら引上げる単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶の育成に関し、CZ法が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容されたシリコンの溶融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、この種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることによって、種結晶の下端に単結晶を形成していくものである。
図13に示すように、CZ法を用いた引上げ法は、先ず、チャンバ51内に設けた石英ガラスルツボ52に原料シリコンを装填し、カーボンヒータ53により加熱してシリコン融液Mとする。しかる後、引上げ用のワイヤ54の先端に取り付けられた種結晶Pをシリコン融液Mに接触させてシリコン結晶を引上げる。
尚、ルツボ52とワイヤ54とは、夫々引上げ方向を軸として回転可能に設けられているが、引上げ工程においては、互いに逆方向に回転するよう制御がなされる。
一般に、引上げ開始に先立ち、シリコン融液Mの温度が安定した後、図13に示すように、種結晶Pをシリコン融液Mに接触させて種結晶Pの先端部を溶解するネッキングを行う。ネッキングとは、種結晶Pとシリコン融液Mとの接触で発生するサーマルショックによりシリコン単結晶に生じる転位を除去するための不可欠の工程である。このネッキングによりネック部P1(細径部)が形成される。また、このネック部P1は、一般的に、直径が3〜7mmで、その長さが30〜40mm以上必要とされている。
ネッキングが終了すると、図14に示すように、直胴部直径にまで結晶径を広げる拡径工程に移行する。この工程により拡径部C1が形成される。
拡径部C1の形成後、図15に示すように、直胴部直径を維持したまま単結晶Cを引き上げる直胴工程が行われる。この工程により、製品部分となる直胴部C2(定径部)が形成される。
そして、直胴工程を終了する際、図16に示すように、単結晶Cの直径を徐々に小さくする縮径工程が行われる。この工程により縮径部C3が形成され、最後に単結晶Cが溶融液Mと切り離される。
このCZ法によるシリコン単結晶引上げにおいて、良質のシリコン単結晶を製造するには、引上げ工程中における単結晶の胴径形成制御、シリコン融液の液面高さ位置制御等が重要である。
即ち、単結晶の胴径については、例えば直胴部の胴径を一定に維持するために、常に胴径を測定し、これを単結晶の引上げ速度等の制御にフィードバックするようになされる。
従来、単結晶の胴径を測定する方法としては、固体である単結晶と液体であるシリコン融液との境界面(固液境界面と呼ぶ)をカメラ等の計測手段により光学的に計測し、これに基づき胴径を算出する光学的手法が多く利用されている。
また、シリコン融液の液面高さ位置の制御については、シリコン単結晶の成長に伴ってルツボ内のシリコン融液の液面が降下していくため、ルツボ高さ位置を制御し、ヒータに対するシリコン融液液面の相対的な位置が一定となるようになされる。
従来、シリコン融液の液面高さ位置を制御するために必要な液面高さ測定については、様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、レーザにより液面の所定スポットを撮像し、撮像信号を用いて融液面高さを測定する装置が開示されている。
特開2002−80293号公報
ところで、直胴工程を終了した後の縮径工程において形成される縮径部C3は、製品部分に使用されないため、縮径工程は可能な限り短時間で終了することが望まれている。
これは、縮径工程に無駄に時間を掛けると、縮径部が引上げ方向に長くなり、余分にシリコン融液Mを使用することとなって、生産性が低下するためである。
しかしながら、前記単結晶の胴径形成制御において、光学的手法により胴径を測定する方法にあっては、胴径を急激に縮径させると、縮径部の胴径変化に追従して測定するのが困難であるという技術的課題があった。このため、測定を維持するために縮径部を引上げ方向に長く形成する必要があった。
また、前記単結晶の胴径形成制御を行わずに、即ち、胴径の測定結果をフィードバックさせずに縮径部の形成を急速に行うと、縮径工程途中における意図せぬ融液からの単結晶切り離しが発生する危険が高くなり、この意図せぬ単結晶引き離しが生じると単結晶に転位が生じる、或いはクラックが発生するという課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、チョクラルスキー法によってルツボからシリコン単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、直胴部及び縮径部の形成を最適化された制御により実行することのできる単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る単結晶の製造方法は、炉体内のルツボに溶融された融液から、チョクラルスキー法によって単結晶を引上げる単結晶の製造方法であって、予め引上げ工程前において、この引上げ工程で使用されるルツボ形状に基づき、シリコン融液の液面高さに対応するシリコン融液の平均液面半径の値を、コンピュータに入力設定するステップと、前記コンピュータにより、所定時間内における前記融液の平均液面半径を求めるステップと、前記所定時間内における前記融液の液面高さ変化量を測定し、前記所定時間内における単結晶の成長長さ変化量を測定し、前記所定時間内における前記ルツボの高さ位置変化量を測定するステップと、前記融液の平均液面半径及び液面高さ変化量と、前記ルツボの高さ位置変化量とに基づき融液の減少重量を求めるステップと、前記求められた融液の減少重量と単結晶の成長増加重量とが等しいことに基づいて、前記融液の減少重量と、前記単結晶の成長長さ変化量と、前記融液の液面高さ変化量から単結晶の胴半径を算出するステップと、前記算出された単結晶胴半径に基づき単結晶の引上げ制御を行うステップとを実行することに特徴を有する。
尚、前記融液の平均液面半径をD、前記融液の液面高さ変化量をN、前記ルツボの高さ位置変化量をH、前記融液の密度をρL、円周率をπとすると、前記融液の減少重量を求めるステップにおいて、該融液の減少重量は、π・ρL・D2(H−N)により求められ、前記単結晶の成長長さ変化量をg、単結晶の胴半径をpv、前記単結晶の密度をρSとすると、前記単結晶の胴半径を算出するステップにおいて、該単結晶の成長増加重量は、π・ρS・dpv 2(g−N)により求められ、前記胴半径dpvは、π・ρL・D2(H−N)=π・ρS・dpv 2(g−N)の関係式に基づき求められることが望ましい。
このような方法によれば、直胴部や縮径部の形成箇所に拘らず、単結晶Cの胴径を演算により測定することができ、測定した胴径の値を単結晶の引上げ制御にフィードバックすることができる。
また、前記単結晶の引上げ制御を行うステップにおいて、引上げ動作前に目標値とする単結晶の胴半径を設定するステップと、前記算出された単結晶の胴半径が前記目標値に沿うように単結晶の引上げ制御を行うステップとを実行することが望ましい。
或いは、前記単結晶の引上げ制御を行うステップにおいて、引上げ動作前に目標値とする単結晶の断面積を設定するステップと、前記算出された単結晶の胴半径に基づき求められた単結晶の断面積が前記目標値に沿うように単結晶の引上げ制御を行うステップとを実行することが望ましい。
このようにすれば、目標値に沿った最適な形状の直胴部及び縮径部を形成することができ、単結晶への転位やクラック等の発生を防止することができる。
また、縮径部の長さ寸法が冗長にならないため、融液を直胴部形成に多く用いることができ、生産性を向上することができる。
本発明によれば、チョクラルスキー法によってルツボから単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、直胴部及び縮径部の形成を最適化された制御により実行することのできる単結晶の製造方法及び単結晶引上装置を得ることができる。
以下、本発明に係る単結晶の製造方法の実施の形態について図面に基づき説明する。図1は本発明に係る単結晶の製造方法が適用される単結晶引上装置1の全体構成を示すブロック図である。
この単結晶引上装置1は、円筒形状のメインチャンバ2aの上にプルチャンバ2bを重ねて形成された炉体2と、炉体2内に設けられたルツボ3と、ルツボ3に装填された半導体原料(原料シリコン)Mを溶融するカーボンヒータ4とを有している。尚、ルツボ3は二重構造であり、内側が石英ガラスルツボ3a、外側が黒鉛ルツボ3bで構成されている。
また、炉体2の上方には、単結晶Cを引上げる引上げ機構5が設けられ、この引上げ機構5は、モータ駆動される巻取り機構5aと、この巻取り機構5aに巻き上げられる引上げワイヤ5bとにより構成される。そして、ワイヤ5bの先端に種結晶Pが取り付けられ、単結晶Cを育成しながら引上げるようになされている。
また、メインチャンバ2a内において、育成中の単結晶Cにカーボンヒータ4等からの余計な輻射熱を与えないようにするため、ルツボ3の上方且つ近傍には、単結晶Cの周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成された輻射シールド6が設けられている。
また、図1に示すように単結晶引上装置1は、シリコン融液Mの温度制御を行うヒータ4への供給電力量を制御するヒータ制御部9と、石英ガラスルツボ3を回転させるモータ10と、モータ10の回転数を制御するモータ制御部10aとを備えている。さらには、石英ガラスルツボ3の高さを制御する昇降装置11と、昇降装置11を制御する昇降装置制御部11aと、成長結晶の引上げ速度と回転数を制御するワイヤリール回転装置制御部12とを備えている。これら各制御部9、10a、11a、12と前記バルブ14及び排気ポンプ19はコンピュータ8の演算制御装置8bに接続されている。
続いて、このような単結晶引上装置1を用いた単結晶Cの製造方法について説明する。
原料シリコンの溶融工程においては、最初にルツボ3の石英ガラスルツボ3a内に原料シリコンが装填される。
次いで、コンピュータ8の記憶装置8aに記憶されたプログラムに基づき、先ず、演算制御装置8bの指令によりヒータ制御部9を作動させてヒータ4を加熱し、ルツボ3内の原料シリコンの溶融作業が開始される。
ルツボ3においてシリコン融液Mが生成されると、単結晶引上げ作業が開始される。
具体的には演算制御装置8bの指令によりモータ制御部10aと、昇降装置制御部11aと、ワイヤリール回転装置制御部12とが作動し、ルツボ3が回転すると共に、巻取り機構5aが作動してワイヤ5bが降ろされる。そして、ワイヤ5bに取付けられた種結晶Pがシリコン融液Mに接触され、種結晶Pの先端部を溶解するネッキングが行われてネック部P1が形成される。
しかる後、演算制御装置8bの指令によりヒータ4への供給電力や、単結晶引上げ速度(通常、毎分数ミリの速度)などをパラメータとして引上げ条件が調整され、先ず、拡径部C1を形成する拡径工程が行われる。
拡径工程の後、胴径を一定に形成する直胴工程が行われる。この直胴工程では、演算制御装置8bにおいて演算処理により胴径を求め、所定の胴径を維持するよう引上げ制御が行われる。
シリコン単結晶Cの胴径は、次のように算出される。図2乃至図6に示すように、微小単位時間ΔT(所定時間内)において、単結晶Cの胴半径(胴半径変数)をdpv、石英ガラスルツボ3a内のシリコン融液の平均液面半径をD、単結晶成長長さをg、ルツボ3aの高さ位置変化量をH、シリコン融液Mの液面高さ変化量をNとすると、微小単位時間ΔTあたりのシリコン融液Mの減少重量は、次式(1)により求められる。
Figure 0004785762
また、微小単位時間ΔTあたりの単結晶Cの成長増加重量は次式(2)により求められる。
Figure 0004785762
尚、ρLはシリコン融液Mの密度、ρSは単結晶Cの密度、πは円周率である。また、g、H、Nの各値については、上昇方向を正方向、下降方向を負方向と定義する。
そして、微小単位時間ΔTあたりのシリコン融液Mの減少重量と単結晶Cの成長増加重量とが等しいことに基づき、次の関係式(3)が成立する。
Figure 0004785762
ここで、シリコン融液Mの平均液面半径Dは、予め引上げ工程前において、この引上げ工程で使用されるルツボ形状に基づき、シリコン融液Mの液面高さに対応する値をコンピュータ8に入力設定しておくことにより求められる。
また、単結晶成長長さg、ルツボ3aの高さ位置変化量H、シリコン融液Mの液面高さ変化量Nについては、公知の測定技術により求められる。
したがって、単結晶Cの胴半径(胴半径変数)dpvは、式(3)から次式(4)により求められる。
Figure 0004785762
尚、図2はH>0、N=0の場合、図3はH>0、N<0の場合、図4はH>0、N>0の場合、図5はH=0、N<0の場合、図6はH<0、N<0の場合であって、夫々微小単位時間ΔTの間の状態変化を示す図である。これらいずれの状態においても、式(4)に従い胴半径dpvが求められ、コンピュータ8による引上げ制御にフィードバックされる。
また、直胴工程が進行すると、シリコン融液Mがルツボ3aから減少し、図7に示すように(H>0、N=0の場合)、微小単位時間ΔTの間に、ルツボ底部のR形状に沿ってシリコン融液Mの平均液面半径DがD´に縮小する。
この場合、融液Mの平均液面半径Dはシリコン融液Mの残量によって変化するため、融液残量、単結晶Cの成長量、ルツボ高さ位置のいずれかを変数xとし、この変数xの値の変化に対応する融液Mの平均液面半径Dを予めコンピュータ8に設定することにより、次式(5)により単結晶Cの胴半径dpvが求められる。
Figure 0004785762
また、直胴工程が終了すると、縮径部C3を形成する縮径工程に移行する。この場合、図8に示すように(H>0、N=0の場合)、微小単位時間ΔT、ΔT´の間に単結晶Cの胴半径dpvがdpv´、dpv″と縮小し、融液Mの平均液面半径DがD´、D″へと縮小する。
ここで、縮径部C3の高さ方向の長さ寸法をgtとすれば、次式(6)により単結晶Cの胴半径dpv(gt)が求められる。
Figure 0004785762
また、この縮径工程においては、特に次のような引上げ制御がなされる。
先ず、図9のグラフに示すように、縮径部C3の長さgtに対して目標値となる胴半径dsp(gt)が予め設定される。
次いで、図10のグラフに示すように、微小単位時間ΔT毎に算出した縮径部C3の胴径dpvが、目標値となる胴半径dsp(gt)に等しくなるよう単結晶引上げ制御がなされ、縮径部C3が形成される。
或いは、次のように引上げ制御がなされてもよい。
この引上げ制御では、先ず、図11に示すように目標値dsp(gt)及びdsp軸、gt軸によって形成される領域の面積Ssp(或いは回転体としての体積)が求められる。
また、図12に示すように縮径部C3の長さ寸法gtがGtの時点で、それまでの各微小単位時間ΔT毎に算出した縮径部半径dpvと微小単位時間ΔTにおける縮径部成長長さΔgtとを乗算して形成される四角形面積の総和Spv(或いは、回転体として形成される円柱体積の総和)とが求められる。
そして、総和面積Spvが前記目標値dsp(gt)から得られた面積Sspに等しくなるよう引上げ制御が行われる。
尚、これら図9乃至図12を用いて説明した制御方法は、縮径部C3だけでなく、直胴部C2の形成工程においても用いることが好ましい。
また、前記した引上げ制御においては、設定値dsp(gt)に加えて、縮径部C3形成時の理想的な単結晶育成速度Vspを設定しておくことが好ましい。
これは、次の理由による。即ち、シリコン融液Mが減少してくると、融液Mの熱容量が減少するため融液温度が低下し易い。その結果、ヒータによる融液Mへの加熱が不十分な状況に陥ると、単結晶Cの急激な凝固やルツボ内壁からの原料融液凝固等による有転位化を誘発する虞がある。
また、融液Mの減少と共に融液温度が低下しやすくなると、次第に単結晶育成速度が増加していく傾向がある。これは、シリコン融液Mの温度が低下していくことで融液Mの凝固が促進されるためである。
そこで、単結晶育成速度Vspを設定し、その値に沿ってヒータによる融液Mの加熱量を増加することにより、融液Mの急激な温度変化を防止し、最適な単結晶引上げ速度に制御でき、縮径部C3の形成を確実に行うことができる。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、シリコン融液Mの減少重量と単結晶の成長増加重量とを夫々演算処理により求め、それらシリコン融液の減少重量と単結晶の成長増加重量とが等しいことに基づき単結晶Cの胴径(胴半径)が算出される。
また、引上げ制御においては、算出される単結晶Cの胴径が目標値とする胴径に等しくなるように引上げ速度やヒータ等の制御がなされる。
したがって、この方法によれば、直胴部や縮径部の形成箇所に拘らず、単結晶Cの胴径を演算により測定することができ、従来のように、測定手段が縮径部の変化に追従できないといった不具合が生じることがない。
即ち、測定した胴径の値をフィードバックすることにより、目標値に沿った最適な形状の直胴部及び縮径部を形成することができ、単結晶への転位やクラック等の発生を防止することができる。
また、縮径部の長さ寸法が冗長にならないため、シリコン融液Mを直胴部形成に多く用いることができ、生産性を向上することができる。
尚、前記実施の形態では、縮径部形成における課題を解決する手段として本発明に係る製造方法を説明したが、本発明の単結晶の製造方法においては、前記したように縮径部だけでなく直胴部の形成にも適用することができる。
また、前記実施の形態においては、シリコン単結晶の製造を例に説明したが、本発明においては、チョクラルスキー法によって引上げられるシリコン以外の他の単結晶の製造方法にも適用することができる。
続いて、本発明に係る単結晶の製造方法について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に示した構成の単結晶引上装置を用い、実際に実験を行うことにより、その効果を検証した。
〔実施例1〕
実施例1では、石英ガラスルツボに300kgの原料シリコンを充填し、直径310mmの単結晶の引上げを行ない、単結晶重量265kgで縮径部を形成する縮径工程を開始した。直胴部形成及び縮径部形成途中までは、本発明に係る製造方法に基づき単結晶径を制御した。
縮径工程の最終段階においては、光学的単結晶径計測によって得られた測定値に基づき縮径部形成を行った。これは、縮径によって単位時間あたりに育成される単結晶の体積及び重量変化(単位時間あたりに減少する融液原料の体積及び重量変化も同様)が微小となり、算出する単結晶径の相対的誤差が大きくなるためである。
この結果、形成された縮径部の長さ寸法は約370mm、重量約22kgであった。縮径工程は、約5時間30分であった。
〔実施例2〕
実施例2では、石英ガラスルツボに300kgの原料シリコンを充填し、直径310mmの単結晶の引上げを行ない、単結晶重量278kgで縮径部を形成する縮径工程を開始した。この実験では、実施例1と同様の方法により縮径部を形成すると共に、実施例1において単結晶を引上げた後にルツボ内に残った融液量に基づき、その分の融液量を直胴部形成に用いるよう引上制御を行った。
この実験の結果、実施例1と略同等に縮径部を形成することができた。さらに、縮径部減量に相当する量のシリコン融液が直胴部形成に寄与したため、直胴部長さが約74mm増加し、生産性の向上、コスト低減に繋がった。
〔比較例1〕
比較例1では、石英ガラスルツボに300kgの原料シリコンを充填し、直径310mmの単結晶の引上げを行ない、単結晶重量265kgで縮径部を形成する縮径工程を開始した。
この比較例1では、縮径部工程において、従来の固液境界面の観測による光学的単結晶径計測手法を用いた縮径部形成を行った。そして、縮径部形成の最初から最後まで計測手段であるカメラにより固液境界面を撮像し、縮径部形成を行った。
この実験の結果、縮径部の長さ寸法は約500mm、重量約30kgとなり、縮径部形成に要した時間は約7時間30分となった。
以上の実施例の実験結果から、本発明の単結晶の製造方法を用いることにより、製造工程が短縮されると共に、原料融液を効率的に単結晶製造に使用することができることを確認した。即ち、直胴部及び直胴部形成後の縮径部形成を最適化された制御により実行することができ、生産性を向上し、コスト低減が可能であることを確認した。
本発明は、チョクラルスキー法によって単結晶を引上げる単結晶の製造方法に関するものであり、半導体製造業界等において好適に用いられる。
図1は、本発明に係る単結晶の製造方法が適用される単結晶引上装置の全体構成を示すブロック図である。 図2は、直胴部胴径の算出に必要な微小単位時間における各寸法位置を示す図である。 図3は、直胴部胴径の算出に必要な微小単位時間における各寸法位置を示す他の状態図である。 図4は、直胴部胴径の算出に必要な微小単位時間における各寸法位置を示す他の状態図である。 図5は、直胴部胴径の算出に必要な微小単位時間における各寸法位置を示す他の状態図である。 図6は、直胴部胴径の算出に必要な微小単位時間における各寸法位置を示す他の状態図である。 図7は、直胴部胴径の算出に必要な微小単位時間における各寸法位置を示す他の状態図である。 図8は、縮径部胴径の算出に必要な微小単位時間における各寸法位置を示す図である。 図9は、縮径部の目標値とする胴径を示すグラフである。 図10は、縮径部の胴径測定値を目標値に沿うよう制御するイメージを示すグラフである。 図11は、縮径部の目標値とする断面積を示すグラフである。 図12は、縮径部の測定に基づく断面積を目標値とする断面積に沿うよう制御するイメージを示すグラフである。 図13は、単結晶引上げ工程を説明するための図である。 図14は、単結晶引上げ工程を説明するための図である。 図15は、単結晶引上げ工程を説明するための図である。 図16は、単結晶引上げ工程を説明するための図である。
符号の説明
1 単結晶引上装置
2 炉体
2a メインチャンバ
2b プルチャンバ
3 ルツボ
3a 石英ガラスルツボ
4 ヒータ
5 引上げ機構
6 輻射シールド
8 コンピュータ
8a 記憶装置
8b 演算記憶装置
C 単結晶
M 原料シリコン、シリコン融液
P 種結晶
P1 ネック部

Claims (4)

  1. 炉体内のルツボに溶融された融液から、チョクラルスキー法によって単結晶を引上げる単結晶の製造方法であって、
    予め引上げ工程前において、この引上げ工程で使用されるルツボ形状に基づき、シリコン融液の液面高さに対応するシリコン融液の平均液面半径の値を、コンピュータに入力設定するステップと、
    前記コンピュータにより、所定時間内における前記融液の平均液面半径を求めるステップと、
    前記所定時間内における前記融液の液面高さ変化量を測定し、前記所定時間内における単結晶の成長長さ変化量を測定し、前記所定時間内における前記ルツボの高さ位置変化量を測定するステップと、
    前記融液の平均液面半径及び液面高さ変化量と、前記ルツボの高さ位置変化量とに基づき融液の減少重量を求めるステップと、
    前記求められた融液の減少重量と単結晶の成長増加重量とが等しいことに基づいて、前記融液の減少重量と、前記単結晶の成長長さ変化量と、前記融液の液面高さ変化量から単結晶の胴半径を算出するステップと、
    前記算出された単結晶胴半径に基づき単結晶の引上げ制御を行うステップとを実行することを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 前記融液の平均液面半径をD、前記融液の液面高さ変化量をN、前記ルツボの高さ位置変化量をH、前記融液の密度をρL、円周率をπとすると、前記融液の減少重量を求めるステップにおいて、該融液の減少重量は、
    π・ρL・D2(H−N)により求められ、
    前記単結晶の成長長さ変化量をg、単結晶の胴半径をpv、前記単結晶の密度をρSとすると、
    前記単結晶の胴半径を算出するステップにおいて、該単結晶の成長増加重量は、
    π・ρS・dpv 2(g−N)により求められ、
    前記胴半径dpvは、
    π・ρL・D2(H−N)=π・ρS・dpv 2(g−N)
    の関係式に基づき求められることを特徴とする請求項1に記載された単結晶の製造方法。
  3. 前記単結晶の引上げ制御を行うステップにおいて、
    引上げ動作前に目標値とする単結晶の胴半径を設定するステップと、
    前記算出された単結晶の胴半径が前記目標値に沿うように単結晶の引上げ制御を行うステップとを実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された単結晶の製造方法。
  4. 前記単結晶の引上げ制御を行うステップにおいて、
    引上げ動作前に目標値とする単結晶の断面積を設定するステップと、
    前記算出された単結晶の胴半径に基づき求められた単結晶の断面積が前記目標値に沿うように単結晶の引上げ制御を行うステップとを実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された単結晶の製造方法。
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