JP4852597B2 - トルク伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両において、原動機のトルクを車輪側に伝達するトルク伝達装置に関する。
特開2001−20975号公報に、4輪駆動車においてカップリングを介し主駆動輪側(前輪)から副駆動輪側(後輪)へ原動機の駆動力を伝達するトルク伝達装置が開示されている。
このカップリングの回転ケースにはオイルが密封されており、収容されているクラッチやベアリングなどの摺動摩擦部はこのオイルによって潤滑される。これにより、カップリングの性能が保証されている。
しかし、上記の技術のように、オイルを回転ケースに封入するだけでは、利用できるオイル量が限られている。このような場合、カップリングがトルクの断続を頻繁に行うとオイルの温度が上昇する。これにより、摺動摩擦部の摩擦特性が変化し、トルク伝達特性が低下するといった課題がある。
また、度重なる温度上昇に伴ってオイルの潤滑性が劣化すると、潤滑が必要な部材や機構の耐久性も低下するという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、オイルの昇温による伝達トルクの低下を抑制し、カップリングの耐久性を向上させることができるトルク伝達装置の提供を目的としている。
本発明の主たる側面は、第1及び第2の半径方向側壁と、前記第1及び第2の側壁を連結する第1の周壁とを備えた静止側ハウジングと、第3及び第4の半径方向側壁と、前記第3及び第4の側壁を連結する第2の周壁とを備えた第1のトルク伝達部材と、第2のトルク伝達部材と、前記第1及び第2のトルク伝達部材と、前記第1及び第2のトルク伝達部材間でトルク伝達を行う摩擦クラッチとを備えたカップリングと、前記第1及び第3の半径方向側壁と、前記第2及び第4の半径方向側壁と、前記第1及び第2の周壁とで画成され、オイルを所定量封入し、前記第1のトルク伝達部材の回転により、前記第1及び第2の周壁の間で、前記第1の周壁に沿って鉛直方向上方に向けてオイルを回転流動させる環状空間部を備えた空間部と、を備え、前記カップリングは、前記静止側ハウジング内に封入されたオイルを前記カップリング内へ導入する第1の開口と、前記第2及び第4の側壁の間に配置され、前記第2の側壁に相対回転不能に固定され、前記摩擦クラッチを締結操作するアクチュエータとを備え、前記第1の周壁の鉛直方向上方には、前記第1のトルク伝達部材の回転軸方向に沿って延設され、回転流動するオイルの流れを回転軸方向へと変換し、前記オイルを前記アクチュエータと前記第2の半径方向側壁との間に流動させる突出部が前記第1の周壁とは別体として設けられ、前記第4の半径方向側壁の内周と前記第2のトルク伝達部材の外周との間には、前記アクチュエータと前記第2の半径方向側壁との間を流動するオイルを前記カップリングの内部に導入する第2の開口が設けられ、前記静止側ハウジング及び前記第1のトルク伝達部材の少なくとも一方には、回転軸方向に流動するオイルを半径方向内方に流動させ、前記第2の開口へとオイルを導くオイル流路が設けられ、前記突出部は、オイルの流れを回転方向から回転軸方向に変換するように前記第1の半径方向側壁から前記第2の半径方向側壁へと回転方向の幅が広がるように傾斜する側面と、回転方向又は回転軸方向に流動するオイルを捕集する底面とを備えたことを特徴とするトルク伝達装置を提供することにある。
図1は、第1実施例のトルク伝達装置1を示す断面図である。
図2は、トルク伝達装置1の要部を示す部分断面図(パターンA)である。
図3は、トルク伝達装置1の要部を示す縦断面図(パターンA)である。
図4は、トルク伝達装置1の要部を示す部分拡大断面図(パターンA)である。
図5は、トルク伝達装置1の要部を示す部分拡大断面図(パターンA)である。
図6は、トルク伝達装置1の要部を示す部分断面図(パターンB)である。
図7は、トルク伝達装置1の要部を示す縦断面図(パターンB)である。
図8は、トルク伝達装置1の要部を示す部分拡大断面図(パターンB)である。
図9は、トルク伝達装置1の要部を示す部分拡大断面図(パターンB)である。
図10は、トルク伝達装置1の要部を示す部分断面図(パターンC)である。
図11は、トルク伝達装置1の要部を示す縦断面図(パターンC)である。
図12は、トルク伝達装置1の要部を示す部分拡大断面図(パターンC)である。
図13は、トルク伝達装置1の要部を示す部分拡大断面図(パターンC)である。
図14は、トルク伝達装置1の要部を示す部分断面図(パターンD)である。
図15は、トルク伝達装置1の要部を示す縦断面図(パターンD)である。
図16は、トルク伝達装置1の要部を示す部分拡大断面図(パターンD)である。
図17は、トルク伝達装置1の要部を示す部分拡大断面図(パターンD)である。
図18は、パターンA,B,C,Dでのオイル導入効果を示す表である。
図19は、突出部の有無と突出部の位置などによって異なるオイル導入効果を示す表である。
図20は、第2実施例のトルク伝達装置301を示す断面図である。
図21は、トルク伝達装置301の要部を示す部分断面図である。
図22は、トルク伝達装置301の突出部305によるオイル流動状態を示す図面である。
図23は、トルク伝達装置301の突出部331によるオイル流動状態を示す図面である。
図24は、トルク伝達装置1とトルク伝達装置301を用いた車両の動力系を示すスケルトン機構図である。
図25は、第3実施例のトルク伝達装置401を示す断面図である。
図26は、トルク伝達装置401において突出部405の傾斜角度を示す図面である。
図27は、突出部405によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図28は、突出部405によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図29は、突出部405によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図30は、トルク伝達装置401の突出部461によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図31は、突出部461によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図32は、突出部461によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図33は、第4実施例のトルク伝達装置501を示す断面図である。
図34は、トルク伝達装置501の要部を示す縦断面図である。
図35は、トルク伝達装置501の突出部505によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図36は、突出部505によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図37は、突出部505によるオイル捕集を示す部分拡大断面図である。
図38は、トルク伝達装置401とトルク伝達装置501を用いた4輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図である。
〈第1実施例〉
図1〜図19及び図24によってトルク伝達装置1の説明をする。図24はトルク伝達装置1を用いた車両の動力系を示すスケルトン機構図であり、左右の方向はこの車両の左右の方向である。
[トルク伝達装置1の構成]
トルク伝達装置1は、回転ケース3(第1のトルク伝達部材)とハブ5(第2のトルク伝達部材)と、回転ケース3とハブ5の間でトルク伝達を行うメインクラッチ7(摩擦クラッチ)とを備えたカップリング9と、カップリング9を収容する静止側ハウジング11と、静止側ハウジング11内に封入されたオイル13と、静止側ハウジング11内のオイル13がカップリング9内へ導入されるようにカップリング9の一部に形成された開口15(パターンA)とを備えている。
また、静止側ハウジング11は、第1の半径方向側壁17と第2の半径方向側壁19と、第1と第2の側壁17,19を連結する第1の周壁21とを備え、回転ケース3は、第3の半径方向側壁23と第4の半径方向側壁25と、第3と第4の側壁23,25を連結する第2の周壁27とを備える。オイル13は、第1の半径方向側側壁17と第3の半径方向側壁23と、第2の半径方向側壁19と第4の半径方向側壁25と、第1の周壁21と第2の周壁27と、で囲まれた空間部29内に所定量(例えば、空間部29の容量の20〜30%程度の容量)封入される。
空間部29は、第1の半径方向側壁17と第3の半径方向側壁23とで画成された第1の空間部SP1と、第2の半径方向側壁19と第4の半径方向側壁25とで画成された第2の空間部SP2と、第1の周壁21と第2の周壁27とで画成された第3の空間部SP3とを有する。
第3の空間部SP3は、回転ケース3の軸方向に沿って同心二重環状構造を有し、第1の周壁21と第2の周壁27とが所定の狭い対向間隔G1に設定されている。この対向間隔G1を狭く設定することによって、回転ケース3が回転した際に、オイル13は、自重に抗して、第1の周壁21の内周面に沿って鉛直方向上方に向かって全体として回転流動することができる。このとき、オイル13は、回転による流動力を残存した状態のまま、第1の周壁21の内周面に沿って鉛直方向上方に向けて連れ回る。
また、第1の周壁21の鉛直方向上部には、半径方向内側に向けて突出部31が設けられており、突出部31の側面32、32は、オイル13の流動力を回転方向から半径方向に変換することにより、オイル13を開口15へと導入する。
さらに、開口15は、回転時に突出部31と対向する位置に、第2の周壁27に形成されている。メインクラッチ7を構成するアウタープレート33とインナープレート35(複数の締結部材)とは、第2の周壁27の内周側に配置される。開口15は、第2の周壁27の回転軸方向に沿って各プレート33,35を露出させるように形成されている。突出部31は、各プレート33,35と対向可能に延設されている。
突出部31は、先端面37を有し、開口15の回転方向幅W1、W3、W4、W5は、先端面37の回転方向幅W2より広く形成されている(図3、7、11、15)。第1の周壁21は、回転ケース3の軸方向の左端側(一方側)から右端側(他方側)に向けて拡径するように形成されている。第2の周壁27は、第1の周壁21と第2の周壁27との対向部の間隔G2を狭くする大径部39を備えている。
静止側ハウジング11は、第1のハウジング部41と第2のハウジング部43を備えている。第2の周壁27の内周側には、摩擦クラッチとしてのメインクラッチ7(第1の摩擦クラッチ)及びパイロットクラッチ45(第2の摩擦クラッチ)と、パイロットクラッチ45の締結力をカムスラスト力(軸方向推力)に変換すると共に、カムスラスト力によってパイロットクラッチ45を締結するボールカム47(カム機構)とが配置されている。開口15は、メインクラッチ7とパイロットクラッチ45とボールカム47を全て露出させるように第2の周壁27に形成されている。
[動力系の構成]
図24のように、上記動力系において、エンジン1001の駆動力は、トランスミッション1003から減速ギヤ機構1005、減速ギヤ機構1005からデフケース1007、デフケース1007からフロントデフ1009に伝達され、車軸1011,1013を介して左右の前輪1015,1017に配分され、左右の後輪1019,1021は車両の走行に伴って回転する。
トルク伝達装置1は、回転ケース3がデフケース1007側に連結され、ハブ5が右車軸1013の一部を構成する動力伝達軸67(第2のトルク伝達部材)に連結され、下記のように、フロントデフ1009の差動制限機構として機能する。
[トルク伝達装置1の構成]
静止側ハウジング11のハウジング部41,43はボルト49によって固定されている。静止側ハウジング11に収容されたカップリング9は、回転ケース3とハブ5とメインクラッチ7とパイロットクラッチ45とボールカム47に加えて、電磁コイル51(アクチュエータ)とアーマチャ53とコントローラなどから構成されている。
回転ケース3は、左端部を両側シールのボールベアリング55を介し、また、右端部を両側シールのボールベアリング57と電磁コイル51のコア59とを介してそれぞれ静止側ハウジング11に支持されている。回転ケース3の左端部内周には、フロントデフ1009のデフケース1007側にスプライン連結するためのスプライン部61が形成されている。
ハブ5は、左右の端部をボールベアリング63とニードルベアリング65によってそれぞれ回転ケース3に支持されている。また、ハブ5は中空部材であり、右車軸1013の一部を構成する動力伝達軸67が左右に貫通している。メインクラッチ7のアウタープレート33は回転ケース3の内周にスプライン連結され、インナープレート35はハブ5の外周にスプライン連結されている。各インナープレート35にはオイル13の移動を促進し、特にプレート33,35間の潤滑効果を高めるオイル孔101が設けられている。
ボールカム47は、カムリング69とプレッシャプレート71との間に設けられている。カムリング69はハブ5の外周で相対回転自在に支持され、プレッシャプレート71はハブ5の外周に軸方向移動自在にスプライン連結され、カムリング69と側壁25との間にはボールカム47のカム反力を受けるベアリング73が配置されている。アーマチャ53は、パイロットクラッチ45とプレッシャプレート71の間に配置され、回転ケース3の内周に軸方向移動自在にスプライン連結されている。側壁25は、周壁27の右端部に螺着され、ナット75のダブルナットによるロック機能によって軸方向に位置決めされている。また、電磁コイル51のコア59は、ピン77によって静止側ハウジング11に回り止めされている。
静止側ハウジング11の左端部ではシール79が回転ケース3との間に配置され、トランスミッション1003側のオイル潤滑空間とトルク伝達装置1側のオイル潤滑空間とを区画し、右端部では動力伝達軸67との間にシール81が配置されトルク伝達装置1側のオイル潤滑空間と大気側空間とを区画し、オイル13の漏れと外部からの異物の侵入を防止している。また、ハブ5と回転ケース3との間には断面がX字状のシールであるXリング83,84が配置され、回転ケース3の周壁27と側壁25との間にはOリング85が配置され、ハブ5と動力伝達軸67との間にはOリング87が配置され上述した2つのオイル潤滑空間が区画されている。
コントローラ(図示せず)は、電磁コイル51の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。コントローラにより電磁コイル51が励磁されると、アーマチャ53が吸引されてパイロットクラッチ45が締結される。これにより、トルクを受けたボールカム47が作動し、そのカムスラスト力によりプレッシャプレート71がメインクラッチ7を押圧して締結させる。この締結力によってフロントデフ1009(前輪1015,1017間)の差動回転が制限される。このとき、コントローラが励磁電流を制御すると、パイロットクラッチ45の滑りによってボールカム47のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ7の上記差動制限力を調整することができる。例えば、パイロットクラッチ45の締結力を強めればボールカム47によってメインクラッチ7が強く締結され、フロントデフ1009の差動をロックすることができる。
また、電磁コイル51の励磁を停止すると、メインクラッチ7が開放され、フロントデフ1009の差動がフリーになる。
なお、メインクラッチ7(摩擦クラッチ)はデフケース1007と一方の車軸としての右車軸1013との間に配置されているので、左右輪に対する均等な差動制限を行うためにはアクチュエータとしての励磁コイル51への励磁電流を左右旋回によって異なるように制御すれば良い。
[パターンAの開口15]
図3のように、車両の走行中、回転ケース3は矢印89の方向に回転する。このとき、オイル13は、その粘性により、周壁21,27の間で、周壁21に沿って鉛直方向上方に向かって回転流動する。そして、オイル13は鉛直方向上部に設けられた突出部31の側面32に当たって、その流れが半径方向内側に変換される。このとき、周壁21,27間の対向間隔G1を狭くしたこと、及び、突出部31と開口15とを対向させたこと、及び、大径部39による狭い間隔G2によって開口15から右側へのオイル13の移動を制限したことなどによって、オイル13の流れを効率よく開口15側に方向転換させ、さらに、回転による流動力を残存した状態でオイル13を開口15に導入することができる。これにより、図2のように、開口15から露出したメインクラッチ7(プレート33,35)とパイロットクラッチ45とボールカム47とアーマチャ53などにオイル13が直接供給され、効率よく潤滑され冷却される。
開口15には、図4のように、オイル13の回転方向に先行する先行面91と、後行面93とが設けられている。また、先行面91は回転方向に向かって大きく傾斜し、後行面93は僅かに傾斜している。回転流動するオイル13の流れは、図4の矢印95のように、突出部31の側面32に当たって径方向内側に方向を転換される。このとき、突出部31の先端面37と周壁27との対向間隔G3は、周壁21と周壁27との対向間隔G1よりも大幅に狭く設定することにより、オイル13を突出部31の側面32により確実に当てることができる。先行面91に対向して径方向内側に向かったオイル13は、図5の矢印97のように、後行面93に当たって開口15に導入され、矢印99で示すオイル13は直接開口15に導入される。また、開口15の回転方向幅W1を突出部31の先端面37の回転方向幅W2より広くしたので、開口15に対するオイル13の流動が円滑に行われる。
[パターンB]
図6〜図9によってパターンBの開口151の説明をする。
開口151は、図8のように、オイル13の回転方向に先行する先行面153と、後行面155とが設けられている。さらに、先行面153は開口15の先行面91よりさらに大きく傾斜させてあり、後行面155はほぼ回転ケース3の中心方向に向いている。また、図7のように、回転方向幅W3を開口15の回転方向幅W2より広くしてある。
車両の走行中、回転ケース3は図7の矢印89の方向に回転する。このとき、オイル13は、その粘性により、周壁21,27の間で、周壁21に沿って鉛直方向上方に向かって全体として回転流動する。そして、鉛直方向上部に設けられた突出部31の側面32に当たってその流れが半径方向内側に変換される。このとき、周壁21,27間の対向間隔G1を狭くしたこと、及び、突出部31と開口151とを対向させたこと、及び、大径部39による狭い間隔G2によって開口151から右側へのオイル13の移動を制限したことなどによって、オイル13の流れを効率よく開口151側に方向転換させ、さらに、回転による流動力を残存した状態でオイル13を開口151に導入させることができる。これにより、図6のように、開口151から露出したメインクラッチ7(プレート33,35)とパイロットクラッチ45とボールカム47とアーマチャ53などにオイル13が直接供給され、効率よく潤滑され冷却される。
回転流動するオイル13の流れは、図8の矢印95のように、突出部31の側面32に当たって径方向内側に方向を転換される。先行面153に対向して径方向内側に向かったオイル13は、図9の矢印97のように、後行面155に当たって開口151に導入され、矢印99で示すオイル13は直接開口151に導入される。また、開口151の回転方向幅W3を突出部31の先端面37の回転方向幅W2より広くしたので、開口151に対するオイル13の流動が円滑に行われる。
[パターンC]
図10〜図13によってパターンCの開口201の説明をする。
図10のように、各開口201は円形に形成され、軸方向に間隔を空けて4個設けられている。図12のように、各開口201には、オイル13の回転方向に先行する先行面203と、後行面205とが設けられている。先行面203は開口15の先行面91よりさらに大きく傾斜させてあり、後行面205はほぼ回転ケース3の中心方向に向いている。また、図11のように、開口201の回転方向幅W4を突出部31の先端面37の回転方向幅W2より広してある。
車両の走行中、回転ケース3は図11の矢印89の方向に回転する。このとき、オイル13は、その粘性により、周壁21,27の間で、周壁21に沿って鉛直方向上方に向かって全体として回転流動する。そして、鉛直方向上部に設けられた突出部31の側面32に当たってその流れが半径方向内側に変換される。このとき、周壁21,27間の対向間隔G1を狭くしたこと、及び、突出部31と開口201とを対向させたこと、及び、大径部39による狭い間隔G2によって開口201から右側へのオイル13の移動を制限したことなどによって、オイル13の流れを効率よく開口201側に方向転換させ、さらに、回転による流動力を残存した状態でオイル13を開口201に導入させることができる。これにより、図10のように、開口201から露出したメインクラッチ7(プレート33,35)とパイロットクラッチ45とボールカム47とアーマチャ53などにオイル13が直接供給され、効率よく潤滑され冷却される。
回転流動するオイル13の流れは、図12の矢印95のように、突出部31の側面に当たって径方向内側に方向を転換される。先行面203に対向して径方向内側に向かったオイル13は、図13の矢印97のように、後行面205に当たって開口201に導入され、矢印99で示すオイル13は直接開口201に導入される。また、開口201の回転方向幅W4を突出部31の先端面37の回転方向幅W2より広くしたので、開口201に対するオイル13の流動が円滑に行われる。
[パターンD]
図14〜図17によってパターンDの開口251の説明をする。
開口251は、図16のように、オイル13の回転方向に先行する先行面253と、後行面255とが設けられている。さらに、先行面253、後行面255はいずれもほぼ回転ケース3の中心方向に向いている。また、図15のように、開口251の回転方向幅W5を突出部31の先端面37の回転方向幅W2より広くしている。
車両の走行中、回転ケース3は図15の矢印89の方向に回転し、オイル13は、その粘性により、周壁21,27の間で、周壁21に沿って鉛直方向上方に向かって全体として回転流動する。そして、鉛直方向上部に設けられた突出部31の側面32に当たってその流れが半径方向内側に変換される。このとき、周壁21,27間の対向間隔G1を狭くしたこと、及び、突出部31と開口251とを対向させたこと、及び、大径部39による狭い間隔G2によって開口251から右側へのオイル13の移動を制限したことなどによって、オイル13の流れを効率よく開口251側に方向転換させ、さらに、回転による流動力を残存した状態でオイル13を開口251に導入させることができる。これにより、図14のように、開口251から露出したメインクラッチ7(プレート33,35)とパイロットクラッチ45とボールカム47とアーマチャ53などにオイル13が直接供給され、効率よく潤滑され冷却される。
回転流動するオイル13の流れは、図16の矢印95のように、突出部31の側面32に当たって径方向内側に方向を転換される。先行面253に対向して径方向内側に向かったオイル13は、図17の矢印97のように、後行面255に当たって開口251に導入され、矢印99で示すオイル13は直接開口251に導入される。また、開口251の回転方向幅W5を突出部31の先端面37の回転方向幅W2より広くしたので、開口251に対するオイル13の流動が円滑に行われる。
図18は上記パターンA,B,C,Dの各開口15,151,201,251によるオイル導入効果を測定した実験結果を示す表であり、図19は突出部の有無と突出部の位置などによって異なるオイル導入効果を測定した実験結果を示す表である。図18,19の実験は、スタート温度が常温(20℃)で、回転ケース3を所定回転数(240rpm)の回転速度(車速50km/hに相当)で5分間回転させたとき、メインクラッチ部とパイロットクラッチ部にそれぞれ導入されたオイル量と、これらの合計を測定し封入オイル量Lに対して各部に導入されたオイル量を%表示している。回転ケース3に封入されたオイル量は、図19の番号4を除いて、ほぼ所定量L(mL)であり、オイル13をL封入したときのオイルレベルは各シール79,81の下端部内周のレベルであり、回転ケース3の回転速度240rpmは車両の走行速度50km/hに相当する。また、図19の番号3は図18のパターンAに相当する。
図18が示すように、オイル導入量はパターンB、パターンA、パターンC、パターンDの順に多く、カップリング9内部の潤滑・冷却効果が高くなっている。
また、図19が示すように、突出部を設けない場合(番号1)はオイル導入量と潤滑・冷却効果が不充分であり、突出部を鉛直方向上方に設けない番号2の場合も充分なオイル導入量が得られず、図18のパターンAに相当する番号3で充分なオイル導入量と潤滑・冷却効果が得られている。
なお、番号4は封入オイル量を2倍の2L(mL)に増加すると、オイル導入量と潤滑・冷却効果がさらに増加することを示している。
[トルク伝達装置1の効果]
上記のように構成されたことにより、トルク伝達装置1は下記のような効果が得られる。
トルク伝達装置1は、封入されたオイル13が静止側ハウジング11と接触して冷却されるので冷却性が向上する。
また、冷却されたオイル13を開口15からカップリング9の内部に導入するので、伝達トルクの低下が抑制される。
また、オイル13が昇温しにくいので、高温によるオイル13の劣化が抑制され、カップリング9の耐久性が向上する。
また、オイル13を周壁21,27の間で回転流動させる(周壁21,27との相対回転に応じて連れ回るように周壁21と周壁27との間の間隔を設定している)ことにより、オイル13を単に攪拌するのに比べて、オイル13を迅速で効率よく開口15側に導入することができる。
また、鉛直方向上方に流動させることにより、必要な箇所に設けられた開口15に対し上方からオイル13を流動させて効率よく供給することができる。
また、周壁21,27の間で回転流動させることによってオイル13に生じた回転力が開口15に導入されるまで流動力として残留するので、この流動力によってオイル13を開口15に強制導入させ、潤滑効果を向上させることができる。
また、周壁21,27の対向間隔G1を狭く設定したことにより、オイル13の流動方向を効率よく転換し、開口15側に向けることができる。
また、突出部31の側面32(周方向に対する面)がオイル13に当たり、回転流動を半径方向に変換することにより、半径方向に対向した開口15にオイル13を向けて、効率よく導入させることができる。
また、突出部31を鉛直方向上部に設けたことにより、突出部31から開口15側へオイル13を流動させる態様の自由度が増すので、開口15の位置に対する制約がそれだけ緩和される。
また、突出部31で流動方向を変換されたオイル13を、突出部31と対向した開口15へダイレクトに流入させることができる。
また、開口15から露出したメインクラッチ7(プレート33,35)とパイロットクラッチ45とボールカム47とアーマチャ53などに対しオイル13をダイレクトに流動供給し、効率よく潤滑し冷却することができる。
また、突出部31の先端面37によってオイル13の流動が制限されるような場合であっても、開口15の回転方向幅W1を先端面37の回転方向幅W2より広くしたので、開口15に対するオイル13の流動が阻害されることはない。
また、静止側ハウジング11の周壁21を拡径したので、回転流動するオイル13を遠心力によって拡径方向(右方向)に流動させることができる。
また、回転ケース3に大径部39を設けたことにより、開口15から離れる方向へのオイル13の流動を制限し、開口15側へ向かわせることができる。
また、静止側ハウジング11を分割構造にしたことにより、開口15の形状を設定し配置することがそれだけ容易になる。
また、上記のように、開口15から2以上の機能部(メインクラッチ7(プレート33,35)とパイロットクラッチ45とボールカム47とアーマチャ53)を露出させることができるので、それだけ広範囲な潤滑と冷却が可能である。
〈第2実施例〉
図20〜図23及び図24によってトルク伝達装置301の説明をする。図24はトルク伝達装置301を用いた車両の動力系を示すスケルトン機構図であり、左右の方向はこの車両の左右の方向である。
[トルク伝達装置301の構成]
トルク伝達装置301は、回転ケース3(第1のトルク伝達部材)とハブ5(第2のトルク伝達部材)、ハブ5と一体回転するようにハブにスプライン連結した動力伝達軸67(第2のトルク伝達部材)と、回転ケース3とハブ5間でトルク伝達を行うメインクラッチ7(摩擦クラッチ)とを備えたカップリング9と、カップリング9を収容する静止側ハウジング11と、静止側ハウジング11内に封入されたオイル13と、静止側ハウジング11内のオイル13がカップリング9内へ導入されるようにカップリング9の一部に環状空間として形成された開口303とを備えている。
また、静止側ハウジング11は、第1の半径方向側壁17と第2の半径方向側壁19と、側壁17,19を連結する第1の周壁21とを備える。回転ケース3は、第3の半径方向側壁23と第4の半径方向側壁25と、側壁23,25を連結する第2の周壁27とを備える。カップリング9は、メインクラッチ7を締結操作する電磁コイル51(アクチュエータ)を備え、環状の電磁コイル51は、側壁19,25の間に配置され、かつ側壁19に相対回転不能に固定されている。周壁21の鉛直方向上部には、回転ケース3の回転軸方向に延設され、左端側(一端側)と右端側(他端側)とを有して右端側に開放される突出部305が設けられている。突出部305は、静止側ハウジング11(周壁21)と別体に設けられ、周壁21の内周側に固定されている。周壁21は、回転ケース3の軸方向の左端側から右端側に向けて拡径するように形成されている。オイル13は、側壁17,23と側壁19,25と周壁21,27とで囲まれた空間部313内に所定量封入されている。
空間部313は、第1の半径方向側壁17と第3の半径方向側壁23とで画成された第1の空間部SP11と、第2の半径方向側壁19と第4の半径方向側壁25とで画成された第2の空間部SP12(開口303)と、第1の周壁21と第2の周壁27とで画成された第3の空間部SP13とを有する。
第3の空間部SP13は、回転ケース3の軸方向に沿って同心二重環状構造を有し、第1の周壁21と第2の周壁27とが所定の狭い対向間隔G4に設定されている。この対向間隔G4を狭く設定することによって、回転ケース3が回転した際に、オイル13は、自重に抗して、第1の周壁21の内周面に沿って鉛直方向上方に向かって全体として回転流動することができる。このとき、オイル13は、回転による流動力を残存した状態のまま、第1の周壁21の内周面に沿って鉛直方向上方に向けて連れ回る。
また、突出部305は、オイル13の回転方向に対して開口し、回転ケースの軸方向に沿って延設された構造(第1のオイル流路307)を有する。突出部305は、回転ケースの回転により周壁21,27の間で回転流動するオイル13の流動力を回転方向から軸方向に変換するためのオイル障壁としての側面311と、側面311によって回転方向から軸方向へと流動の方向を変換されたオイル13を右端側へと誘導する底面308とを有する。突出部305の側面311は、回転ケースの回転により周壁21,27の間で回転流動するオイル13の流動力を回転方向から軸方向に変換することにより、オイル13を開口303へと導入する。つまり、突出部305は、周壁21,27の間で回転流動するオイル13を捕集するオイル捕集手段として機能すると同時に、このようにして捕集されたオイル13を軸方向に全体として流動させる流動方向変換手段としての役割を果たしている。
詳細には、突出部305は、回転流動するオイル13を受けて左端側から右端側へオイル13を流動させると共に、右端側から電磁コイル51と側壁19との間にオイル13を開放させ、側壁25の内周側と動力伝達軸67の外周及びハブ5の外周との間に設けた開口303からカップリング9の内部にオイル13を導入させる。
このとき、突出部305の底面308と周壁27との対向間隔G5は、周壁21と周壁27との対向間隔G4よりも大幅に狭く設定することにより、オイル13を突出部305の側面311により確実に当てることができる。
トルク伝達装置301におけるオイル13の流路は、オイル13を回転方向89に流動させる第3の空間SP13と、第3の空間部SP13内に設けられ、オイル13の流動方向を回転方向から軸方向へと変換する第1のオイル流路307と、静止側ハウジング11に設けられ、軸方向に流動するオイル13を開口303側に向けて半径方向内方に流動させる第2のオイル流路309と、アクチュエータ59に設けられ、開口303側に向けて半径方向内方に流動させる第3のオイル流路310とを備えている。これにより、オイル13は、回転による流動力を残存した状態で開口303に導入される。
突出部305の側面311は、オイル13の流動方向を回転方向から軸方向に変換するように回転ケース3の軸方向から回転方向に角度θで傾斜している(図22,23:図21のX方向の矢視図)。
空間部313は、シール79,81,83を介して軸方向に区画されている。そして、側壁19と電磁コイル51の少なくとも何れか一方に第2の開口(第2のオイル流路309、第3のオイル流路310)を形成することにより、突出部305の右端側と開口303(第2の空間部SP12)とを連通させている。
静止側ハウジング11は、第1のハウジング部41と第2のハウジング部43を備えている。周壁27の内周側には、摩擦クラッチとしてのメインクラッチ7(第1の摩擦クラッチ)及びパイロットクラッチ45(第2の摩擦クラッチ)と、パイロットクラッチ45の締結力をカムスラスト力(軸方向推力)に変換すると共に、カムスラスト力によってパイロットクラッチ45を締結するボールカム47(カム機構)とが配置されている。
[動力系の構成]
図24のように、上記動力系において、エンジン1001の駆動力は、トランスミッション1003から減速ギヤ機構1005、減速ギヤ機構1005からデフケース1007、デフケース1007からフロントデフ1009に伝達され、車軸1011,1013を介して左右の前輪1015,1017に配分され、左右の後輪1019,1021は車両の走行に伴って回転する。
トルク伝達装置301は、回転ケース3がデフケース1007側に連結され、ハブ5が右車軸1013の一部を構成する動力伝達軸67(第2のトルク伝達部材)に連結され、下記のように、フロントデフ1009の差動制限機構として機能する。
[トルク伝達装置301の構成]
静止側ハウジング11のハウジング部41,43はボルト49によって固定されている。ハウジング部41,43の間にはオイル漏れを防止するガスケットが配置されている。静止側ハウジング11に収容されたカップリング9は、回転ケース3とハブ5とメインクラッチ7とパイロットクラッチ45とボールカム47と電磁コイル51に加えて、アーマチャ53とコントローラ(図示せず)などから構成されている。
回転ケース3は、左端部を両側シールのボールベアリング55を介し、また、右端部を両側シールのボールベアリング57と電磁コイル51のコア59とを介してそれぞれ静止側ハウジング11に支持されている。また、回転ケース3の左端部内周には、上記フロントデフ1009のデフケース1007側にスプライン連結するためのスプライン部61が形成されており、周壁27には遠心力によってオイル13を外部に排出する開口315が設けられている。
ハブ5は、左右の端部をボールベアリング63とニードルベアリング65によってそれぞれ回転ケース3に支持されているが、ニードルベアリング65を省いても機能的には問題ない。また、ハブ5は中空部材であり、上記右車軸1013の一部を構成する動力伝達軸67が左右に貫通している。また、メインクラッチ7のアウタープレート33は回転ケース3の内周にスプライン連結され、インナープレート35はハブ5の外周にスプライン連結されている。各インナープレート35にはオイル13の移動を促進し、特にプレート33,35間の潤滑効果を高めるオイル孔101が設けられている。
ボールカム47は、カムリング69とプレッシャプレート71との間に設けられている。カムリング69はハブ5の外周で相対回転自在に支持され、プレッシャプレート71はハブ5の外周に軸方向移動自在にスプライン連結され、カムリング69と側壁25との間にはボールカム47のカム反力を受けるベアリング73が配置されている。アーマチャ53は、パイロットクラッチ45とプレッシャプレート71の間に配置され、回転ケース3の内周に軸方向移動自在にスプライン連結されている。側壁25は、周壁27の右端部に螺着され、ナット75のダブルナットによるロック機能によって軸方向に位置決めされている。また、電磁コイル51のコア59は、ピン77によって静止側ハウジング11に回り止めされている。
静止側ハウジング11の左端部ではシール79が回転ケース3との間に配置され、トランスミッション1003側のオイル潤滑空間とトルク伝達装置1側のオイル潤滑空間とを区画し、右端部では動力伝達軸67との間にシール81が配置されトルク伝達装置1側のオイル潤滑空間と大気側空間を区画し、オイル13の漏れと外部からの異物の侵入を防止している。また、動力伝達軸67と回転ケース3の左端部との間には断面がX字状のシールであるXリング83が配置されている。
コントローラは、電磁コイル51の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。コントローラにより電磁コイル51が励磁されるとアーマチャ53が吸引されてパイロットクラッチ45が締結される。これにより、トルクを受けたボールカム47が作動しそのカムスラスト力によりプレッシャプレート71がメインクラッチ7を押圧して締結する。この締結力によってフロントデフ1009(前輪1015,1017間)の差動回転が制限される。このとき、コントローラが励磁電流を制御すると、パイロットクラッチ45の滑りによってボールカム47のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ7の上記差動制限力を調整することができる。例えば、パイロットクラッチ45の締結力を強めればボールカム47によってメインクラッチ7が強く締結され、フロントデフ1009の差動をロックすることができる。
また、電磁コイル51の励磁を停止すると、メインクラッチ7が開放され、フロントデフ1009の差動がフリーになる。
側壁25の内周には、開口303からオイル13を導くオイル導入部としての螺旋溝319が設けられている。同じく、ハブ5の外周には、開口303から導入されたオイル13をボールカム47側に導くオイル溝321が設けられている。なお、螺旋溝319は、一方向の螺旋溝でも、あるいは、互いに交差した両方向の(格子状の)螺旋溝でもよく、また、破線で描いたように、開口303側から回転ケース3の内部に向けて径方向に序々に拡大する傾斜溝323を形成してもよい。
図20のように、突出部305は静止側ハウジング11(ハウジング部41)にビス317,317で両端を固定されており、図22のように、右端側に向かって回転方向幅が広くなっている。図21のように、回転ケース3は車両の走行中矢印89の方向に回転し、オイル13はその粘性により周壁21,27の間(第3の空間部SP13)で回転流動し、矢印325のように周壁21に沿って鉛直方向上方に回転流動する。そして、オイル13は、鉛直方向上部に固定された突出部305の側面311で捕集され、図22の矢印327のように、オイル13の流れは、回転方向から軸方向へと変換され、オイル13は第1の流路307を傾斜角θで右方向に流動する。さらに、矢印329のように、オイル13は、右端側から第2の流路309を通って半径方向内方に流動し、流動力を残存した状態で開口303に強制導入され、オイル溝321からカップリング9の内部に供給される。これにより、オイル13は、ボールカム47とパイロットクラッチ45とアーマチャ53とメインクラッチ7(プレート33,35)などを潤滑し冷却する。
図23は、他の突出部331を示しており、突出部331は、突出部305と同様に側面311が傾斜角θで傾斜しており、突出部305と異なって回転方向幅は軸方向にわたって一定に形成されている。
突出部331は、上記突出部305と同等のオイル捕集機能が得られる。
[トルク伝達装置301の効果]
上記のように構成されたことにより、トルク伝達装置301は下記のような効果が得られる。
トルク伝達装置301は、封入されたオイル13が静止側ハウジング11と接触して冷却されるので冷却性が向上する。
また、冷却されたオイル13が開口303からカップリング9の内部に導入されるので、伝達トルクの低下が抑制される。
また、オイル13が昇温しにくいので、高温によるオイル13の劣化が抑制され、カップリング9の耐久性が向上する。
また、オイル13を周壁21,27の間で回転流動させる(周壁21,27との相対回転に応じて連れ回るように周壁21と周壁27との間の間隔を設定している)ことにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく開口303側に導入することができる。
また、オイル13を周壁21,27の間で回転流動させることにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく回転流動させ、この回転流動を突出部305,331によって軸方向流動に変換し、右端側から開口303に向けて開放し導入することができる。
また、オイル13を第1のオイル流路307で回転流動させることにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく回転流動させ、この回転流動を突出部305,331で軸方向流動に変換し、第2のオイル流路309を介し半径方向内側に流動させ、開口303側に開放して導入することにより、電磁コイル51を備えたカップリング9に対するオイル13の循環経路が確立されるので、電磁コイル51を含めた周辺部材を確実に潤滑し冷却することができる。
また、周壁21,27の間で回転流動させることによってオイル13に生じた回転力が開口303に導入されるまで流動力として残留するので、この流動力によってオイル13を開口303に強制導入させ、潤滑・冷却効果を向上させることができる。
また、突出部305,331を鉛直方向上部に設けることによって、突出部305,331から開口303側へオイル13を流動させる態様の自由度が増すので、開口303の位置に対する制約がそれだけ緩和される。
また、周壁21を拡径したので、回転流動するオイル13を遠心力によって拡径方向(右方向)に流動させることができる。
また、突出部305,331に傾斜角度θを与えたので、回転流動するオイル13の回転力を軸方向に変換して開口303側へスムーズに向けることができる。
また、静止側ハウジング11と別体に形成された突出部305,331は、形状の設定が容易であり、それだけ低コストで実施できる。
また、突出部305,331に設けられた側面311によってオイル13を捕集し、開口303側へ確実に移送することができる。
また、電磁コイル51と静止側ハウジング11とシール79,81,83とによって画成した空間部313にオイル13を溜めることができ、空間部313の第3の空間部SP13は開口303(第2の空間部SP12)に面しているので、オイル13を第3の空間部SP13から開口303(第2の空間部SP12)へ容易に流動させることができる。
また、第2の開口(第2のオイル流路309、第3のオイル流路310)を設けたことによって開口303へのオイル通路が形成されるので、第2のオイル流路309及び第3のオイル流路310の形状を工夫することによって、開口303側へオイル13をスムーズに流通させることができる。
また、静止側ハウジング11をハウジング部41,43によって2部材の分割構造にしたので、第2のオイル流路309、第3のオイル流路310オイルや開口303の形状を設定し配置することがそれだけ容易になる。
〈第3実施例〉
図25〜図32及び図38によってトルク伝達装置401の説明をする。図38はトルク伝達装置401を用いた四輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図であり、左右の方向はこの車両の左右の方向であり、図25,26の左方はこの車両の前方に相当する。
[トルク伝達装置401の構成]
トルク伝達装置401は、回転ケース3(第1のトルク伝達部材)とハブ5(第2のトルク伝達部材)と、回転ケース3とハブ5間でトルク伝達を行うメインクラッチ7(摩擦クラッチ)とを備えたカップリング9と、カップリング9を収容する静止側ハウジング11と、静止側ハウジング11内に封入されたオイルと、静止側ハウジング11内のオイルがカップリング9内へ導入されるようにカップリング9の一部に形成された開口403とを備えている。
また、静止側ハウジング11は、第1の半径方向側壁17と第2の半径方向側壁19と、側壁17,19を連結する第1の周壁21とを備え、回転ケース3は、第3の半径方向側壁23と第4の半径方向側壁25と、側壁23,25を連結する第2の周壁27とを備える。カップリング9は、メインクラッチ7を締結操作する電磁コイル51(アクチュエータ)を備える。環状の電磁コイル51は、側壁19,25の間に配置され、かつ側壁19に相対回転不能に固定されている。周壁21の鉛直方向上方には、回転ケース3の軸方向に延設され、前端側(一端側)と後端側(他端側)とを有して後端側に開放される突出部405が設けられている。突出部405は、静止側ハウジング11(周壁21)と別体に設けられ、周壁21の内周側に固定されている。周壁21は、回転ケース3の軸方向の左端側から右端側に向けて拡径するように形成されている。オイル13は、側壁17,23と側壁19,25と周壁21,27とで囲まれた空間部413内に所定量封入されている。
空間部413は、第1の半径方向側壁17と第3の半径方向側壁23とで画成された第1の空間部SP21と、第2の半径方向側壁19と第4の半径方向側壁25とで画成された第2の空間部SP22(開口403)と、第1の周壁21と第2の周壁27とで画成された第3の空間部SP23とを有する。
第3の空間部SP23は、回転ケース3の軸方向に沿って同心二重環状構造を有し、第1の周壁21と第2の周壁27とが所定の狭い対向間隔G6(図示せず)に設定されている。第1及び第2の実施例と同様にして、この対向間隔G6を狭く設定することによって、回転ケース3が回転した際に、オイル13は、自重に抗して、第1の周壁21の内周面に沿って鉛直方向上方に向かって全体として回転流動することができる。このとき、オイル13は、回転による流動力を残存した状態のまま、第1の周壁21の内周面に沿って鉛直方向上方に向けて連れ回る。
また、突出部405は、オイル13の回転方向に対して開口し、回転ケースの軸方向に沿って延設された構造(第1のオイル流路407)を有する。突出部405は、回転ケースの回転により周壁21,27の間で回転流動するオイル13の流動力を回転方向から軸方向に変換するためのオイル障壁としての側面411と、側面411によって回転方向から軸方向へと流動の方向を変換されたオイル13を右端側へと誘導する底面408とを有する。突出部405の側面411は、回転ケースの回転により周壁21,27の間で回転流動するオイル13の流動力を回転方向から軸方向に変換することにより、オイル13を開口403へと導入する。つまり、突出部405は、周壁21,27の間で回転流動するオイル13を捕集するオイル捕集手段として機能すると同時に、このようにして捕集されたオイル13を軸方向に全体として流動させる流動方向変換手段としての役割を果たしている。
詳細には、回転ケース3の回転により周壁21,27の間で回転流動し、突出部405は、回転流動するオイル13を受けて前端側から後端側へ流動させると共に、後端側から電磁コイル51と側壁19との間に開放させ、オイル13は、側壁25の内周側とハブ5の外周との間に設けた開口403からカップリング9の内部に導入される。
このとき、突出部405の底面408と周壁27との対向間隔G7(図示せず)は、周壁21と周壁27との対向間隔G6よりも大幅に狭く設定することにより、オイル13を突出部405の側面411により確実に当てることができる。
なお、周壁27には、メインクラッチ7、ボールカム47、アーマチャ53、パイロットクラッチ45を空間部413に露出させるように回転軸方向に延設された長孔状の開口28が設けられている。開口を介してオイル13が周壁27の内外を流動可能である。
トルク伝達装置401におけるオイル13の流路は、オイル13を回転方向447に流動させる第3の空間SP23と、第3の空間部SP23内に設けられ、オイル13の流動方向を回転方向から軸方向へと変換する第1のオイル流路407と、静止側ハウジング11に設けられ、軸方向に流動するオイル13を開口403側に向けて半径方向内方に流動させる第2のオイル流路409と、同じく静止側ハウジング11(ハウジング部43及びアダプタ498)に設けられ、軸方向に流動するオイル13を開口403側に向けて半径方向内方に流動させる第3のオイル流路410とを備えている。これにより、オイル13は、回転による流動力を残存した状態で開口403に導入される。
突出部405の側面411は、オイル13の流動を回転方向から軸方向に変換するように回転ケース3の回転軸方向から回転方向に角度θで傾斜している(図26)。それゆえ、突出部405の側面411は、後端側に拡径する回転ケース3に合わせて、図27〜図29(それぞれ、図25のA,B,Cの矢視図)のように、後端側に向かって半径方向深さが深くなっている。
空間413は、シール79,81,83を介して軸方向に区画され、空間部413の電磁コイル51が配置される側は、開口403に面している。
そして、側壁19と電磁コイル51の少なくとも何れか一方に第2の開口(第2のオイル流路409、第3のオイル流路410)を形成することにより、突出部405の後端側と環状空間として形成された開口403(第2の空間部SP22)とを連通させている。
静止側ハウジング11は、第1のハウジング部41と第2のハウジング部43を備えており、周壁27の内周側には、摩擦クラッチとしてのメインクラッチ7(第1の摩擦クラッチ)及びパイロットクラッチ45(第2の摩擦クラッチ)と、パイロットクラッチ45の締結力をカムスラスト力(軸方向推力)に変換すると共に、カムスラスト力によってパイロットクラッチ45を締結するボールカム47(カム機構)とが配置されている。
[動力系の構成]
図38のように、上記四輪駆動車の動力系は、横置きのエンジン1101(原動機)及びトランスミッション1103と、フロントデフ1105と、前車軸1107,1109と、前輪1111,1113と、トランスファ1115と、後輪側プロペラシャフト1117と、トルク伝達装置401と、リヤデフ1119と、後車軸1121,1123と、後輪1125,1127などから構成されている。
エンジンの駆動力は、トランスミッション1103から減速ギヤ機構1129、減速ギヤ機構1129からデフケース1131、とデフケース1131からフロントデフ1105に伝達され、前車軸1107,1109から前輪1111,1113に配分されると共に、デフケース1131からトランスファ1115と後輪側プロペラシャフト1117とを介してトルク伝達装置401に伝達される。トルク伝達装置401が連結されていると、減速ギヤ機構1133からリヤデフ1119に伝達され、後車軸1121,1123から後輪1125,1127に配分されて4輪駆動状態になる。
また、トルク伝達装置401の連結が解除されると、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
このように、トルク伝達装置401は、前輪駆動ベースの4輪駆動車において、後輪側を断続する2−4切替機構として用いられている。
[トルク伝達装置401の構成]
静止側ハウジング11のハウジング部41,43はボルト49によって固定されている。トルク伝達装置401の場合、ハウジング部43はリヤデフ1119を収容するデフキャリヤの前側部分である。
静止側ハウジング11に収容されたカップリング9は、回転ケース3とハブ5とメインクラッチ7とパイロットクラッチ45とボールカム47に加えて、電磁コイル51とアーマチャ53とコントローラ(図示せず)などから構成されている。
回転ケース3の前端側には、動力伝達軸415がボルト417で固定されている。動力伝達軸415にスプライン連結されナット419で固定されたフランジ421はプロペラシャフト1117側に連結されている。また、動力伝達軸415は両側シールのボールベアリング55を介して静止側ハウジング11に支持されている。回転ケース3の後端部は両側シールのボールベアリング57と電磁コイル51のコア59とを介して静止側ハウジング11に支持されている。
ハブ5は中空部材であり、前後の端部をボールベアリング63とニードルベアリング65によってそれぞれ回転ケース3に支持されており、内周にはドライブピニオンシャフト423がスプライン連結されている。ドライブピニオンシャフト423はスラスト力を受けるベアリング425,427によってハウジング部43に支持され、その後端には、リヤデフ1119側のベベルギア429と噛み合って減速ギヤ機構1133を構成するベベルギア431が一体形成されている。
メインクラッチ7のアウタープレート33は回転ケース3の内周にスプライン連結されている。インナープレート35はハブ5の外周にスプライン連結され、各インナープレート35にはオイルの移動を促進し、特にプレート33,35間の潤滑効果を高めるオイル孔101が設けられている。ハブ5の内周にはオイルを溜めるオイル溜まり433と、このオイル溜まり433とプレート33,35側とを連通し、潤滑効果を高めるオイル孔435が設けられている。
ボールカム47は、カムリング69とプレッシャプレート71との間に設けられている。カムリング69はハブ5の外周で相対回転自在に支持され、プレッシャプレート71はハブ5の外周に軸方向移動自在にスプライン連結され、カムリング69と側壁25との間にはボールカム47のカム反力を受けるベアリング73が配置されている。アーマチャ53は、パイロットクラッチ45とプレッシャプレート71の間に配置され、回転ケース3の内周に軸方向移動自在にスプライン連結されている。側壁25は、周壁27の後端部に螺着され、ナット75のダブルナットによるロック機能によって軸方向に位置決めされている。また、電磁コイル51のコア59は、ボルト437と回り止め部材439とによって静止側ハウジング11のハウジング部43に回り止めされている。
静止側ハウジング11(ハウジング部41)の前端部ではシール79がフランジ421との間に配置され、オイル漏れと外部からの異物の侵入を防止し、静止側ハウジング11の後端部(ハウジング部43の前端部)ではドライブピニオンシャフト423のベアリング425,427にプリロードを与えるナット441との間にシール81が配置され、トルク伝達装置401側のオイルとリヤデフ1119側のオイルとの混ざり合いを防止している。また、回転ケース3の周壁27と側壁25との間にはOリング85が配置されている。
コントローラは、電磁コイル51の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。コントローラにより電磁コイル51が励磁されると、アーマチャ53が吸引されてパイロットクラッチ45が締結される。これにより、トルクを受けたボールカム47が作動し、そのカムスラスト力によりプレッシャプレート71がメインクラッチ7を押圧して連結される。電磁コイル51の励磁を停止すると、メインクラッチ7の連結が解除される。
メインクラッチ7(トルク伝達装置401)が連結されると、エンジン1101の駆動力がリヤデフ1119側に伝達されて車両が4輪駆動状態になり、連結が解除されると車両は2輪駆動状態になる。
また、メインクラッチ7が連結されている間、コントローラが励磁電流を制御すると、パイロットクラッチ45の滑りによってボールカム47のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ7を介してリヤデフ1119側に伝達される駆動力を制御することができる。これにより、前輪と後輪間の駆動力配分比を調整することができる。
側壁25の内周には、開口403からオイル13を導くオイル導入部としての螺旋溝443が設けられている。
なお、螺旋溝443は、一方向の螺旋溝でも、あるいは、互いに交差した両方向の(格子状の)螺旋溝でもよい。また、図20(トルク伝達装置301:実施例2)のように傾斜溝323を形成してもよい。
車両の走行中、回転ケース3の回転に応じて、オイル13はその粘性で周壁21,27の間(空間部413)で、周壁21に沿って鉛直方向上方に回転流動する。そして、オイル13は、鉛直方向上部に固定された突出部405の側面411で捕集され、図26の矢印445のように、オイル13の流れは、回転方向から軸方向に変換され、オイル13は、第1のオイル流路407を傾斜角θで後方に流動する。さらに、オイル13は、後端側から第2のオイル流路409を通って半径方向内方に流動し、流動力を残存した状態で開口403からカップリング9の内部に強制導入される。これにより、オイル13は、ボールカム47とパイロットクラッチ45とアーマチャ53とメインクラッチ7(プレート33,35)などを潤滑し冷却する。
また、突出部405の側面411を後方へ行く程深くしたので、図27〜図29の矢印447,449,451が示すように、後方へ行く程オイルの捕集量が多くなる上に、後方に拡径した静止側ハウジング11の周壁21に沿って回転流動するオイル13が後方へ移動するので、突出部405で多量のオイル13を捕集できるようになる。さらに、図28と図29のように、突出部405に設けられた返し部453によってオイル13の逃げが抑制されるので、開口403から強制導入されるオイル量がそれだけ増加し、潤滑・冷却効果を高めている。
また、図30〜図32は、他の突出部461を示している。
突出部461は、静止側ハウジング11の周壁21に傾斜角θで取り付けられており、周壁21への取り付け部463と、オイル流入側のエッジ部465と、取り付け部463とエッジ部465との間に設けられたトレイ部(底部)467を有する。トレイ部467には回転流動するオイルを受ける側面469が設けられている。突出部405と同様に、側面469は、後端側に向かって深くなっている。
矢印447,449,451のように、突出部461は、突出部405と同等のオイル捕集機能が得られる。
[トルク伝達装置401の効果]
上記のように構成されたことにより、トルク伝達装置401は下記のような効果が得られる。
トルク伝達装置401は、封入されたオイル13が静止側ハウジング11と接触して冷却されるので冷却性が向上する。
また、冷却されたオイル13が開口403からカップリング9の内部に導入されるので、伝達トルクの低下が抑制される。
また、オイル13が昇温しにくいので、高温によるオイル13の劣化が抑制され、カップリング9の耐久性が向上する。
また、オイル13を周壁21,27の間で回転流動させる(周壁21,27との相対回転に応じて連れ回るように周壁21と周壁27との間の間隔を設定している)ことにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく開口403側に導入することができる。
また、オイル13を周壁21,27の間で回転流動させることにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく回転流動させ、この回転流動を突出部405,461によって軸方向流動に変換し、後端側から開口403に向けて開放し導入することができる。
また、オイル13を第1の流路407で回転流動させることにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく回転流動させ、この回転流動を突出部405,461で軸方向流動に変換し、第2のオイル流路409を介し半径方向内側に流動させ、開口403側に開放して導入することにより、電磁コイル51を備えたカップリング9に対するオイル13の循環経路が確立されるので、電磁コイル51を含めた周辺部材を確実に潤滑し冷却することができる。
また、周壁21,27の間で回転流動させることによってオイル13に生じた回転力が開口403に導入されるまで流動力として残留するので、この流動力によってオイル13を開口403に強制導入させ、潤滑・冷却効果を向上させることができる。
また、突出部405,461を鉛直方向上部に設けることによって、突出部405,461から開口403側へオイル13を流動させる態様の自由度が増すので、開口403の位置に対する制約がそれだけ緩和される。
また、周壁21を軸方向一方から他方側に向けて拡径したので、回転流動するオイル13に遠心力を作用させ拡径方向(後方)に流動させることができる。
また、突出部405,461に傾斜角度θを与えたので、回転流動するオイル13の回転力を軸方向に変換して開口403側へスムーズに向けることができる。
また、静止側ハウジング11と別体に形成された突出部405,461は、形状の設定が容易であり、それだけ低コストで実施できる。
また、突出部405,461に設けた側面411,469によってオイル13を捕集し、開口403側へ確実に移送することができる。
また、電磁コイル51と静止側ハウジング11とシール79,81,83とによって画成した空間部413にオイル13を溜めることができ、空間部413の第3の空間部SP23は開口403(第2の空間部SP22)に面しているので、オイル13を第3の空間部SP23から開口403(第2の空間部SP22)へ容易に流動させることができる。
また、第2の開口(第2のオイル流路409、第3のオイル流路410)を設けたことによって開口403へのオイル通路が形成されるので、第2のオイル流路409、第3のオイル流路410の形状を工夫することによって、開口403側へオイル13をスムーズに流通させることができる。
また、静止側ハウジング11をハウジング部41,43によって2部材の分割構造にしたので、第2のオイル流路409、第3のオイル流路410や開口403の形状を設定し配置することがそれだけ容易になる。
〈第4実施例〉
図33〜図37及び図38によってトルク伝達装置501の説明をする。図38はトルク伝達装置501を用いた四輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図であり、左右の方向はこの車両の左右の方向であり、図33の左方はこの車両の前方に相当する。
[トルク伝達装置501の構成]
トルク伝達装置501は、回転ケース3(第1のトルク伝達部材)とハブ5(第2のトルク伝達部材)と、回転ケース3とハブ5間でトルク伝達を行うメインクラッチ7(摩擦クラッチ)とを備えたカップリング9と、カップリング9を収容する静止側ハウジング11と、静止側ハウジング11内に封入されたオイルと、静止側ハウジング11内のオイルがカップリング9内へ導入されるようにカップリング9の一部に形成された開口503とを備えている。
静止側ハウジング11は、第1の半径方向側壁17と第2の半径方向側壁19と、側壁17,19を連結する第1の周壁21とを備え、回転ケース3は、第3の半径方向側壁23と第4の半径方向側壁25と、側壁23,25を連結する第2の周壁27とを備え、カップリング9は、メインクラッチ7を締結操作する電磁コイル51(アクチュエータ)を備える。環状の電磁コイル51は、側壁19,25の間に配置され、かつ側壁19に相対回転不能に固定されている。周壁21の鉛直方向の最上部から回転方向に所定角度θ2(例えば、15°)だけ先行した位置(図34)には、回転ケース3の回転軸方向に延設され、前端側(一端側)と後端側(他端側)とを有して後端側に開放される突出部505が設けられている。突出部505は、静止側ハウジング11(周壁21)と別体に設けられ、周壁21の内周側に固定されている。周壁21は、回転ケース3の軸方向の前端側(一方側)から後端側(他方側)に向けて拡径するように形成されている。
オイル13は、側壁17,23と側壁19,25と周壁21,27とで囲まれた空間部513内に所定量封入されている。
空間部513は、第1の半径方向側壁17と第3の半径方向側壁23とで画成された第1の空間部SP31と、第2の半径方向側壁19と第4の半径方向側壁25とで画成された第2の空間部SP32(開口503)と、第1の周壁21と第2の周壁27とで画成された第3の空間部SP33とを有する。
第3の空間部SP33は、回転ケース3の軸方向に沿って同心二重環状構造を有し、第1の周壁21と第2の周壁27とが所定の狭い対向間隔G8(図示せず)に設定されている。第1、第2及び第3の実施例と同様にして、この対向間隔G8を狭く設定することによって、回転ケース3が回転した際に、オイル13は、自重に抗して、第1の周壁21の内周面に沿って鉛直方向上方に向かって全体として回転流動することができる。このとき、オイル13は、回転による流動力を残存した状態のまま、第1の周壁21の内周面に沿って鉛直方向上方に向けて連れ回る。
また、突出部505は、オイル13の回転方向に対して開口し、回転ケースの軸方向に沿って延設された構造(第1のオイル流路507)を有する。突出部505は、回転ケースの回転により周壁21,27の間で回転流動するオイル13の流動力を回転方向から軸方向に変換するためのオイル障壁としての側面511と、側面511によって回転方向から軸方向へと流動の方向を変換されたオイル13を右端側へと誘導する底面508とを有する。突出部505の側面511は、回転ケースの回転により周壁21,27の間で回転流動するオイル13の流動力を回転方向から軸方向に変換することにより、オイル13を開口503へと導入する。つまり、突出部505は、周壁21,27の間で回転流動するオイル13を捕集するオイル捕集手段として機能すると同時に、このようにして捕集されたオイル13を軸方向に全体として流動させる流動方向変換手段としての役割を果たしている。
詳細には、回転ケース3の回転により周壁21,27の間で回転流動し、突出部505は、回転流動するオイル13を受けて前端側から後端側へ流動させると共に、後端側から電磁コイル51と側壁19との間に開放させ、オイル13は、側壁25の内周側とハブ5の外周との間に設けた開口503からカップリング9の内部に導入される。
このとき、突出部505の底面508と周壁27との対応間隔G9(図示せず)は、周壁21と周壁27との対向間隔G8よりも大幅に狭く設定することにより、オイル13を突出部505の側面511により確実に当てることができる。
トルク伝達装置501におけるオイル13の流路は、オイル13を回転方向519に流動させる第3の空間SP33と、第3の空間部SP33内に設けられ、オイル13の流動方向を回転方向から軸方向へと変換する第1のオイル流路507と、静止側ハウジング11に設けられ、軸方向に流動するオイル13を開口503側に向けて半径方向内方に流動させる第2のオイル流路509と、同じく静止側ハウジング11(ハウジング部43)に設けられ、軸方向に流動するオイル13を開口403側に向けて半径方向内方に流動させる第3のオイル流路510とを備えている。これにより、オイル13は、回転による流動力を残存した状態で環状空間として形成された開口503に導入される。
これにより、オイル13は、回転による流動力を残存した状態で開口403に導入される。
突出部505の側面511は、オイル13の流動を回転方向から軸方向に変換するように回転ケース3の回転軸方向から回転方向に角度θで傾斜している。それゆえ、突出部505の側面511は、後端側に拡径する回転ケース3に合わせて、図35〜図37(それぞれ、図33のD,E,Fの矢視図)のように、後端側に向かって半径方向深さが深くなっている。
空間部513は、シール79,81,83を介して回転軸方向に区画され、空間部513の電磁コイル51が配置される側は、開口503に面している。
そして、側壁19と電磁コイル51の少なくとも何れか一方に、第2の開口(第2のオイル流路509、第3のオイル流路510)を形成することにより、突出部505の後端側と開口503(第2の空間部SP32)とを連通させている。
静止側ハウジング11は、第1のハウジング部41と第2のハウジング部43を備えており、周壁27の内周側には、摩擦クラッチとしてのメインクラッチ7(第1の摩擦クラッチ)及びパイロットクラッチ45(第2の摩擦クラッチ)と、パイロットクラッチ45の締結力をカムスラスト力(軸方向推力)に変換すると共に、カムスラスト力によってパイロットクラッチ45を締結するボールカム47(カム機構)とが配置されている。
[動力系の構成]
図38のように、上記四輪駆動車の動力系は、横置きのエンジン1101(原動機)及びトランスミッション1103と、フロントデフ1105と、前車軸1107,1109と、前輪1111,1113と、トランスファ1115と、後輪側プロペラシャフト1117と、トルク伝達装置501と、リヤデフ1119と、後車軸1121,1123と、後輪1125,1127などから構成されている。
エンジンの駆動力は、トランスミッション1103から減速ギヤ機構1129、減速ギヤ機構1129からデフケース1131、デフケース1131からフロントデフ1105に伝達され、前車軸1107,1109から前輪1111,1113に配分されると共に、デフケース1131からトランスファ1115と後輪側プロペラシャフト1117とを介してトルク伝達装置501に伝達される。トルク伝達装置501が連結されていると、減速ギヤ機構1133からリヤデフ1119に伝達され、後車軸1121,1123から後輪1125,1127に配分されて4輪駆動状態になる。
また、トルク伝達装置501の連結が解除されると、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
このように、トルク伝達装置501は、前輪駆動ベースの4輪駆動車において、後輪側を断続する2−4切替機構として用いられている。
[トルク伝達装置501の構成]
静止側ハウジング11のハウジング部41,43はボルト49によって固定されている。トルク伝達装置501の場合、ハウジング部43はリヤデフ1119を収容するデフキャリヤの前側部分である。また、ハウジング部43の上部には、オイルの吹き出しを抑制するブリーザー48が取り付けられている。
静止側ハウジング11に収容されたカップリング9は、上記の回転ケース3とハブ5とメインクラッチ7とパイロットクラッチ45とボールカム47に加えて、電磁コイル51とアーマチャ53とコントローラ(図示せず)などから構成されている。
回転ケース3の前端側には、動力伝達軸415がボルト417で固定されている。動力伝達軸415にスプライン連結されナット419で固定されたフランジ421はプロペラシャフト1117側に連結されている。また、動力伝達軸415は両側シールのボールベアリング55を介して静止側ハウジング11に支持されている。回転ケース3の後端部は両側シールのボールベアリング57と電磁コイル51のコア59とを介して静止側ハウジング11に支持されている。
ハブ5は中空部材であり、前後の端部をボールベアリング63とニードルベアリング65によってそれぞれ回転ケース3に支持されており、内周にはドライブピニオンシャフト423がスプライン連結されている。ドライブピニオンシャフト423はスラスト力を受けるベアリング425,427によってハウジング部43に支持され、その後端には、リヤデフ1119側のベベルギア429と噛み合って減速ギヤ機構1133を構成するベベルギア431が一体形成されている。
メインクラッチ7のアウタープレート33は回転ケース3の内周にスプライン連結されている。インナープレート35はハブ5の外周にスプライン連結され、各インナープレート35にはオイルの移動を促進して、特にプレート33,35間の潤滑効果を高めるオイル孔101が設けられている。ハブ5の内周にはオイルを溜めるオイル溜まり433と、このオイル溜まり433とプレート33,35側とを連通し、潤滑効果を高めるオイル孔435が設けられている。
ボールカム47は、カムリング69とプレッシャプレート71との間に設けられている。カムリング69はハブ5の外周で相対回転自在に支持され、プレッシャプレート71はハブ5の外周に軸方向移動自在にスプライン連結され、カムリング69と側壁25との間にはボールカム47のカム反力を受けるベアリング73が配置されている。アーマチャ53は、パイロットクラッチ45とプレッシャプレート71の間に配置され、回転ケース3の内周に軸方向移動自在にスプライン連結されている。側壁25は、周壁27の後端部に螺着され、ナット75のダブルナットによるロック機能によって軸方向に位置決めされている。また、電磁コイル51のコア59は、ボルト437と回り止め部材439とによって静止側ハウジング11のハウジング部43に回り止めされている。
静止側ハウジング11(ハウジング部41)の前端部ではシール79がフランジ421との間に配置され、オイル漏れと外部からの異物の侵入を防止し、静止側ハウジング11の後端部(ハウジング部43の前端部)ではドライブピニオンシャフト423のベアリング425,427にプリロードを与えるナット441の外周面との間にシール81が配置され、トルク伝達装置501側のオイルとリヤデフ1119側のオイルとの混ざり合いを防止している。また、回転ケース3の周壁27と側壁25との間にはOリング85が配置されている。
コントローラは、電磁コイル51の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。コントローラにより電磁コイル51が励磁されると、アーマチャ53が吸引されてパイロットクラッチ45が締結される。これにより、トルクを受けたボールカム47が作動し、そのカムスラスト力によりプレッシャプレート71がメインクラッチ7を押圧して連結される。電磁コイル51の励磁を停止すると、メインクラッチ7の連結が解除される。
メインクラッチ7(トルク伝達装置501)が連結されると、エンジン1101の駆動力がリヤデフ1119側に伝達されて車両が4輪駆動状態になり、連結が解除されると車両は2輪駆動状態になる。
また、メインクラッチ7が連結されている間、コントローラが励磁電流を制御すると、パイロットクラッチ45の滑りによってボールカム47のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ7を介してリヤデフ1119側に伝達される駆動力を制御することができる。これにより、前輪と後輪間の駆動力配分比を調整することができる。
側壁25の内周には、開口503からオイル13を導くオイル導入部としての螺旋溝443が設けられている。
なお、螺旋溝443は、一方向の螺旋溝でも、あるいは、互いに交差した互いに交差した両方向の(格子状の)螺旋溝でもよく、また、図20(トルク伝達装置301:実施例2)のように傾斜溝323により開口403を形成してもよい。
突出部505の後端側には、突出部505から流動してきたオイル13を捕らえ、半径方向下方へ流動させるオイルコレクター523が、ボルト515で取り付けられており、オイルコレクター523は第2のオイル流路509の一部を構成している。
車両の走行中、回転ケース3は図34の矢印517の方向に回転し、オイル13は、この回転に応じて、その粘性で周壁21,27の間(空間部513)で、周壁21に沿って鉛直方向上方(矢印519の方向)に回転流動する。そして、オイル13は突出部505の側面511で捕集され、オイル13の流れは回転方向から軸方向に変換されて、オイル13は第1のオイル流路507を傾斜角θで後方に流動する。図34の矢印521のように後端側からオイルコレクター523と第2のオイル流路509とハウジング部43の第3のオイル流路510を通って半径方向内方に流動し、流動力を残存した状態で開口503からカップリング9の内部に強制導入される。これにより、オイル13は、ボールカム47とパイロットクラッチ45とアーマチャ53とメインクラッチ7(プレート33,35)などを潤滑し冷却する。
また、突出部505の側面511を後方へ行く程深くしたので、図35〜図37の矢印533が示すように、後方へ行く程オイル13の捕集量が多くなる上に、後方に拡径した静止側ハウジング11の周壁21に沿って回転流動するオイル13が後方へ移動し、突出部505で多量のオイル13を捕集できるようになる。それゆえ、開口503から強制導入されるオイル量がそれだけ増加し、潤滑・冷却効果を高めることができる。
[トルク伝達装置501の効果]
上記のように構成されたことにより、トルク伝達装置501は下記のような効果が得られる。
トルク伝達装置501は、封入されたオイル13が静止側ハウジング11と接触して冷却されるので冷却性が向上する。
また、冷却されたオイル13が開口503からカップリング9の内部に導入されるので、伝達トルクの低下が抑制される。
また、オイル13が昇温しにくいので、高温によるオイル13の劣化が抑制され、カップリング9の耐久性が向上する。
また、オイル13を周壁21,27の間で回転流動させる(周壁21,27との相対回転に応じて連れ回る)ことにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく開口503側に導入することができる。
また、オイル13を周壁21,27の間で回転流動させることにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく回転流動させ、この回転流動を突出部505によって軸方向流動に変換し、後端側から開口503に向けて開放し導入することができる。
また、オイル13を第1のオイル流路507で回転流動させることにより、オイル13を、単に攪拌するのに比べて、迅速で効率よく回転流動させ、この回転流動を突出部505で軸方向流動に変換し、オイルコレクター523と第2のオイル流路509を介し半径方向内側に流動させ、開口503側に開放して導入することにより、電磁コイル51を備えたカップリング9に対するオイル13の循環経路が確立されるので、電磁コイル51を含めた周辺部材を確実に潤滑し冷却することができる。
また、周壁21,27の間で回転流動させることによってオイルに13生じた回転力が開口503に導入されるまで流動力として残留するので、この流動力によってオイル13を開口503に強制導入させ、潤滑・冷却効果を向上させることができる。
また、突出部505を鉛直方向上部に設けることによって、突出部505から開口503側へオイル13を流動させる態様の自由度が増すので、開口503の位置に対する制約がそれだけ緩和される。
また、周壁21を拡径したので、回転流動するオイル13を遠心力によって拡径方向(後方)に流動させることができる。
また、突出部505に傾斜角度θを与えたので、回転流動するオイル13の回転力を軸方向に変換して開口503側へスムーズに向けることができる。
また、静止側ハウジング11と別体に形成された突出部505は、形状の設定が容易であり、それだけ低コストで実施できる。
また、突出部505に設けた側面411によってオイル13を捕集し、開口503側へ確実に移送することができる。
また、電磁コイル51と静止側ハウジング11とシール79,81,83とによって画成した空間部513にオイルを溜めることができ、空間部513の第3の空間部SP33は開口503(第2の空間部SP22)に面しているので、オイル13を第3の空間部SP33から開口503(第2の空間部SP22)へ容易に流動させることができる。
また、第2の開口(第2のオイル流路409、第3のオイル流路510)を設けたことによって開口503へのオイル通路が形成されるので、第2のオイル流路509、第3のオイル流路510の形状を工夫することによって、開口503側へオイル13をスムーズに流通させることができる。
また、静止側ハウジング11をハウジング部41,43によって2部材の分割構造にしたので、第2のオイル流路509、第3のオイル流路510や開口503の形状を設定し配置することがそれだけ容易になる。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
アクチュエータは電磁コイルを用いたものに限らず油圧シリンダとピストンによるもの、電動モータとカム機能によるもの、その他種々の形態をとりうる。
また、摩擦クラッチもコーンリングを用いたもの、ローラやスプラグを用いたものなど種々の形態をとりうる。
以上において説明したように、本発明のトルク伝達装置は、封入されたオイルが静止側ハウジングと接触して冷却されることによって冷却性が向上する。
また、冷却されたオイルを開口からカップリングの内部に導入するので、伝達トルクの低下が抑制される。
また、オイルが昇温しにくいので、高温によるオイルの劣化が抑制され、カップリングの耐久性が向上する。
本発明のトルク伝達装置は、オイルを第1の周壁と第2の周壁との間で回転流動させることにより、オイルを単に攪拌するのに比べて、オイルを迅速で効率よく開口側に導入することができる。
また、鉛直方向上方に流動させることにより、必要な箇所に設けられた開口に対し上方からオイルを流動させて供給することができる。
本発明のトルク伝達装置は、アクチュエータを備えたカップリングに対するオイルの循環経路を確立することができ、アクチュエータを含めた周辺部材を確実に潤滑し冷却することができる。
また、オイルを第1の周壁と第2の周壁の間で回転流動させることにより、オイルを単に攪拌するのに比べて、オイルを迅速で効率よく回転流動させ、この回転流動を突出部によって軸方向流動に変換し、他端側から開口側に開放して導入することができる。
本発明のトルク伝達装置は、カップリングに対するオイルの循環経路を確立し、確実に潤滑し冷却することができる。
また、オイルを第1の流路で回転流動させることにより、オイルを単に攪拌するのに比べて、オイルを迅速で効率よく回転流動させ、この回転流動を変換手段(例えば、静止側ハウジングまたは第1のトルク伝達部材に設けられている)によって軸方向流動に変換し、第2の流路を介して半径方向内側に流動させ、開口側に開放して導入することができる。
本発明のトルク伝達装置は、第1の周壁と第2の周壁の間で回転流動させることによってオイルに生じた回転力が、その後開口に導入されるまで流動力として残留するので、この流動力によってオイルを開口に強制導入させることができる。
本発明のトルク伝達装置は、対向間隔を狭く設定することによって、オイルの流動方向を回転流動から方向転換して開口側に向けることができる。
本発明のトルク伝達装置は、突出部の側面(周方向に対する面)がオイルに当たり、回転流動を半径方向に変換することにより、半径方向に対向する開口にオイルを向けて、効率よく導入させることができる。
本発明のトルク伝達装置は、突出部を鉛直方向上部に設けることによって、突出部から開口側へオイルを流動させる態様の自由度が増すので、開口の位置に対する制約がそれだけ緩和される。
本発明のトルク伝達装置は、突出部で流動方向を変換されたオイルを開口へダイレクトに流入させることができる。
本発明のトルク伝達装置は、開口から露出する複数の締結部材(クラッチ板など)に対してオイルを直接供給し効率よく潤滑し冷却することができる。
本発明のトルク伝達装置は、複数の締結部材のそれぞれに対してオイルを直接流動供給し効率よく潤滑し冷却することができる。
本発明のトルク伝達装置は、突出部の先端面によってオイルの流動が制限されるような場合であっても、開口の回転方向幅を先端面より広くしたことにより、開口に対するオイルの流動が阻害されることを抑制できる。
本発明のトルク伝達装置は、第1の周壁を軸方向に拡径したので、回転流動によって遠心力を受けるオイルで拡径方向(軸方向)に流動させることができる。
本発明のトルク伝達装置は、大径部を設けたことにより、軸方向へのオイルの流動を制限して開口側へ向かわせることができる。
本発明のトルク伝達装置は、突出部に傾斜を与えたので、回転流動するオイルの回転力を軸方向に変換して開口側へスムーズに向けることができる。
本発明のトルク伝達装置は、別体に形成された突出部は、形状の設定が容易である。
本発明のトルク伝達装置は、突出部に設けた捕集壁部によってオイルを捕集し、開口側へ確実に移送することができる。
本発明のトルク伝達装置は、アクチュエータと静止側ハウジングとシールとによって画成した環状空間にオイルを溜めることができ、この環状空間は開口に面しているので、オイルを環状空間から開口へ容易に流動させることができる。
本発明のトルク伝達装置は、第2の開口を設けたことによって環状空間へのオイル通路が形成され、開口の形状を工夫することによって環状空間からのオイルの漏洩を抑制し、第1の開口側へオイルをスムーズに流通させることができる。
本発明のトルク伝達装置は、静止側ハウジングを分割構造にしたことにより、オイルの流路や開口の形状を設定し配置することがそれだけ容易になる。
本発明のトルク伝達装置は、開口から2つ以上の機能部を露出させることができ、それだけ広範囲な潤滑と冷却が可能である。
なお、各実施例の説明で用いた“鉛直方向上方(上部)”とは、静止側ハウジング及びカップリングの半径方向断面において、カップリングの回転ケースにおける最大幅を持つ鉛直方向中間部より上方であることを意味する。オイル導入の効果が高く見込める位置であれば鉛直方向の最上部でなくともよい。

Claims (4)

  1. 第1及び第2の半径方向側壁と、前記第1及び第2の側壁を連結する第1の周壁とを備えた静止側ハウジングと、
    第3及び第4の半径方向側壁と、前記第3及び第4の側壁を連結する第2の周壁とを備えた第1のトルク伝達部材と、
    第2のトルク伝達部材と、
    前記第1及び第2のトルク伝達部材と、前記第1及び第2のトルク伝達部材間でトルク伝達を行う摩擦クラッチとを備えたカップリングと、
    前記第1及び第3の半径方向側壁と、前記第2及び第4の半径方向側壁と、前記第1及び第2の周壁とで画成され、オイルを所定量封入し、前記第1のトルク伝達部材の回転により、前記第1及び第2の周壁の間で、前記第1の周壁に沿って鉛直方向上方に向けてオイルを回転流動させる環状空間部を備えた空間部と、
    を備え、
    前記カップリングは、前記静止側ハウジング内に封入されたオイルを前記カップリング内へ導入する第1の開口と、前記第2及び第4の側壁の間に配置され、前記第2の側壁に相対回転不能に固定され、前記摩擦クラッチを締結操作するアクチュエータとを備え
    前記第1の周壁の鉛直方向上方には、前記第1のトルク伝達部材の回転軸方向に沿って延設され、回転流動するオイルの流れを回転軸方向へと変換し、前記オイルを前記アクチュエータと前記第2の半径方向側壁との間に流動させる突出部が前記第1の周壁とは別体として設けられ、
    前記第4の半径方向側壁の内周と前記第2のトルク伝達部材の外周との間には、前記アクチュエータと前記第2の半径方向側壁との間を流動するオイルを前記カップリングの内部に導入する第2の開口が設けられ、
    前記静止側ハウジング及び前記第1のトルク伝達部材の少なくとも一方には、回転軸方向に流動するオイルを半径方向内方に流動させ、前記第2の開口へとオイルを導くオイル流路が設けられ、
    前記突出部は、オイルの流れを回転方向から回転軸方向に変換するように前記第1の半径方向側壁から前記第2の半径方向側壁へと回転方向の幅が広がるように傾斜する側面と、回転方向又は回転軸方向に流動するオイルを捕集する底面とを備え、
    たことを特徴とするトルク伝達装置。
  2. 請求項に記載されたトルク伝達装置であって、
    前記第1の開口は、前記第1のトルク伝達部材の回転時に前記突出部と対向可能に前記第2の周壁に形成されていることを特徴とするトルク伝達装置。
  3. 請求項に記載されたトルク伝達装置であって、
    前記第1の周壁は、前記第1のトルク伝達部材の回転軸方向の一方側から他方側に向けて拡径するように形成されていることを特徴とするトルク伝達装置。
  4. 請求項に記載されたトルク伝達装置であって、
    前記アクチュエータは、環状を呈し、
    前記空間部は、シールを介して回転軸方向に区画され、
    前記空間部は、前記突出部の他端側に、前記環状空間部と連通する第2の空間部を備えていることを特徴とするトルク伝達装置。
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