JP4851918B2 - ウエーハのレーザー加工方法およびレーザー加工装置 - Google Patents

ウエーハのレーザー加工方法およびレーザー加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハに、ストリートに沿ってレーザー光線を照射し、ウエーハの内部にストリートに沿って変質層を形成するウエーハのレーザー加工方法およびレーザー加工装置に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハをストリートに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体チップを製造している。また、サファイヤ基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハも所定のストリートに沿って切断することにより個々の発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述した半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等をストリートに沿って分割する方法として、ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を用い、分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光線を照射するレーザー加工方法も試みられている。このレーザー加工方法を用いた分割方法は、ウエーハの裏面側から内部に集光点を合わせて被加工物に対して透過性を有する赤外光領域のパルスレーザー光線を照射し、ウエーハの内部にストリートに沿って変質層を連続的に形成し、この変質層が形成されることによって強度が低下したストリートに沿って外力を加えることにより、ウエーハをストリートに沿って分割するものである。(例えば、特許文献1参照。)
特許第3408805号公報
ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線としては、現状では波長が1064nmのパルスレーザー光線が用いられている。しかるに、波長が1064nmのパルスレーザー光線によってウエーハの内部に変質層を形成すると、表面に形成されたデバイスに影響を与えることはないが、形成される変質層が薄く、破断に可能な厚さの変質層を形成するには多くの変質層を積層しなければならず、生産性が悪いという問題がある。
一方、ウエーハに対する透過性が1064nmの波長より良好な1342nmの波長のパルスレーザー光線が実用化されている。この1342nmの波長のパルスレーザー光線を用いてウエーハの内部に変質層を形成すると、破壊力が強く厚い変質層を形成することができる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、表面に形成されたデバイスに影響を与えることなくウエーハの内部に必要な厚さの変質層を効率よく形成することができるウエーハのレーザー加工方法およびレーザー加工装置を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハに、ストリートに沿ってレーザー光線を照射し、ウエーハの内部にストリートに沿って変質層を形成するウエーハのレーザー加工方法であって、
波長が1064nmのレーザー光線をウエーハの裏面側からウエーハの表面近傍に集光点を位置付けてストリートに沿って照射し、ウエーハの表面近傍にストリートに沿って第1の変質層を形成する第1の変質層形成工程と、
波長が1342nmのレーザー光線をウエーハの裏面側から該第1の変質層よりウエーハの裏面側に集光点を位置付けてストリートに沿って照射し、該第1の変質層よりウエーハの裏面側にストリートに沿って第2の変質層を形成する第2の変質層形成工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハのレーザー加工方法が提供される。
また、本発明によれば、表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハに、ストリートに沿ってレーザー光線を照射し、ウエーハの内部にストリートに沿って変質層を形成するウエーハのレーザー加工方法であって、
波長が1342nmのレーザー光線をウエーハの表面側からウエーハの裏面近傍に集光点を位置付けてストリートに沿って照射し、ウエーハの裏面近傍にストリートに沿って第1の変質層を形成する第1の変質層形成工程と、
波長が1064nmのレーザー光線をウエーハの表面側から該第1の変質層よりウエーハの表面側に集光点を位置付けてストリートに沿って照射し、該第1の変質層よりウエーハの表面側にストリートに沿って第2の変質層を形成する第2の変質層形成工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハのレーザー加工方法が提供される。
更に本発明によれば、ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハにレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを該加工送り方向と直交する割り出し送り方向に相対的に割り出し送りする割り出し送り手段と、を具備するレーザー加工装置において、
該レーザー光線照射手段は、波長が1064nmのレーザー光線を発振するレーザー光線発振器を備えた第1のレーザー光線照射手段と、波長が1342nmのレーザー光線を発振するレーザー光線発振器を備えた第2のレーザー光線照射手段と、を具備している、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
本発明においては、ウエーハの内部における表面近傍には破壊力が比較的弱い波長が1064nmのレーザー光線によって変質層を形成するので、ウエーハの表面に形成されたデバイスを損傷することはない。一方、ウエーハの表面に形成されたデバイスに影響しないウエーハの内部における裏面近傍には破壊力が強い波長が1342nmのレーザー光線によって変質層を形成するため厚い変質層を形成することができるため、効率よく必要な厚さの変質層を形成することができる。
以下、本発明によるウエーハのレーザー加工方法およびレーザー加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。
図1に示されたレーザー加工装置1は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、静止基台2に上記矢印Xで示す加工送り方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に配設された第1のレーザー光線照射ユニット支持機構4aと、該第1のレーザー光線ユニット支持機構4aに矢印Zで示す方向に移動可能に配設された第1のレーザー光線照射ユニット5aと、第2のレーザー光線照射ユニット支持機構4bと、該第2のレーザー光線ユニット支持機構4bに矢印Zで示す方向に移動可能に配設された第2のレーザー光線照射ユニット5bとを具備している。
上記チャックテーブル機構3は、静止基台2上に矢印Xで示す加工送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上に矢印Xで示す方向に移動可能に配設された第一の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上に矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持された支持テーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備しており、吸着チャック361の被加工物載置面361a上に被加工物であるウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。また、チャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動させるための加工送り手段37を具備している。加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第一の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられる。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置1は、上記チャックテーブル36の加工送り量を検出するための加工送り量検出手段374を備えている。加工送り量検出手段374は、案内レール31に沿って配設されたリニアスケール374aと、第1の滑動ブロック32に配設され第1の滑動ブロック32とともにリニアスケール374aに沿って移動する読み取りヘッド374bとからなっている。この送り量検出手段374の読み取りヘッド374bは、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。そして後述する制御手段は、入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル36の加工送り量を検出する。なお、上記加工送り手段37の駆動源としてパルスモータ372を用いた場合には、パルスモータ372に駆動信号を出力する後述する制御手段の駆動パルスをカウントすることにより、チャックテーブル36の加工送り量を検出することができる。また、上記加工送り手段37の駆動源としてサーボモータを用いた場合には、サーボモータの回転数を検出するロータリーエンコーダが出力するパルス信号を後述する制御手段に送り、制御手段が入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル36の加工送り量を検出することができる。
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための第1の割り出し送り手段38を具備している。第1の割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
上記第1のレーザー光線照射ユニット支持機構4aは、静止基台2上に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール41、41と、該案内レール41、41上に矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に配設された可動支持基台42を具備している。この可動支持基台42は、案内レール41、41上に移動可能に配設された移動支持部421と、該移動支持部421に取り付けられた装着部422とからなっている。装着部422は、一側面に矢印Zで示す方向即ち上記チャックテーブル36の被加工物載置面361aに垂直方向に延びる一対の案内レール423、423が平行に設けられている。図示の実施形態における第1のレーザー光線照射ユニット支持機構4aは、可動支持基台42を一対の案内レール41、41に沿って割り出し送り方向である矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための第2の割り出し送り手段43を具備している。第2の割り出し送り手段43は、上記一対の案内レール41、41の間に平行に配設された雄ネジロッド431と、該雄ねじロッド431を回転駆動するためのパルスモータ432等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド431は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ432の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド431は、可動支持基台42を構成する移動支持部421の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ432によって雄ネジロッド431を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台42は案内レール41、41に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置1は、上記レーザー光線照射ユニット支持機構4の可動支持基台42の割り出し送り量を検出するための割り出し送り量検出手段433を備えている。割り出し送り量検出手段433は、案内レール41に沿って配設されたリニアスケール433aと、可動支持基台42に配設されリニアスケール433aに沿って移動する読み取りヘッド433bとからなっている。この送り量検出手段433の読み取りヘッド433bは、図示の実施形態においては1μm毎に1パルスのパルス信号を後述する制御手段に送る。そして後述する制御手段は、入力したパルス信号をカウントすることにより、レーザー光線照射ユニット5の割り出し送り量を検出する。なお、上記第2の割り出し送り手段43の駆動源としてパルスモータ432を用いた場合には、パルスモータ432に駆動信号を出力する後述する制御手段の駆動パルスをカウントすることにより、レーザー光線照射ユニット5の割り出し送り量を検出することができる。また、上記第2の割り出し送り手段43の駆動源としてサーボモータを用いた場合には、サーボモータの回転数を検出するロータリーエンコーダが出力するパルス信号を後述する制御手段に送り、制御手段が入力したパルス信号をカウントすることにより、レーザー光線照射ユニット5の割り出し送り量を検出することができる。
図示の実施形態における第1のレーザー光線照射ユニット5aは、ユニットホルダ51と、該ユニットホルダ51に取り付けられた第1のレーザー光線照射手段6aを具備している。ユニットホルダ51は、上記装着部422に設けられた一対の案内レール423、423に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を上記案内レール423、423に嵌合することにより、矢印Zで示す方向に移動可能に支持される。図示の実施形態における第1のレーザー光線照射ユニット5aは、ユニットホルダ51を一対の案内レール423、423に沿って矢印Zで示す方向に移動させるための集光点位置調整手段53を具備している。集光点位置調整手段53は、上記一対の案内レール423、423の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでおり、パルスモータ532によって図示しない雄ネジロッドを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ51および第1のレーザー光線照射ユニット5aを案内レール423、423に沿って矢印Zで示す方向に移動せしめる。
第1のレーザー光線照射手段6aは、上記ユニットホルダ51に固定され実質上水平に延出する円筒形状のケーシング60aを含んでいる。また、第1のレーザー光線照射手段6aは、図2に示すようにケーシング60a内に配設されたパルスレーザー光線発振手段61aおよび出力調整手段62aと、上記ケーシング60aの先端に装着された集光器63aを具備している。上記パルスレーザー光線発振手段61aは、YAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器611aと、これに付設された繰り返し周波数設定手段612aとから構成されている。このパルスレーザー光線発振手段61aのパルスレーザー光線発振器611aは、1064nmの波長を有するパルスレーザー光線を発振する。出力調整手段62aは、パルスレーザー光線発振手段61aから発振されたパルスレーザー光線の出力を所定の値に調整する。
上記第1のレーザー光線照射手段6aを構成するケーシング60aの前端部には、撮像手段7が配設されている。この撮像手段7は、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を後述する制御手段に送る。
次に、上記第2のレーザー光線照射ユニット支持機構4bおよび第2のレーザー光線照射ユニット5bについて説明する。なお、第2のレーザー光線照射ユニット支持機構4bおよび第2のレーザー光線照射ユニット5bについては、上記第1のレーザー光線照射ユニット支持機構4aおよび第1のレーザー光線照射ユニット5aの構成部材と実質的に同一機能を有する各構成部材には同一符号を付して説明する。
第2のレーザー光線照射ユニット支持機構4bは上記第1のレーザー光線照射ユニット支持機構4aと平行に配設され、第2のレーザー光線照射ユニット支持機構4bの可動支持基台42と上記第1のレーザー光線照射ユニット支持機構4aの可動支持基台42とが対向して配設されている。従って、上記第1のレーザー光線照射ユニット支持機構4aの可動支持基台42を構成する装着部422に配設された第1のレーザー光線照射ユニット5aと、第2のレーザー光線照射ユニット支持機構4bの可動支持基台42を構成する装着部422に配設された第2のレーザー光線照射ユニット5bとは、近接した位置に線対称に配置される。なお、第2のレーザー光線照射ユニット5bの第2のレーザー光線照射手段6bを構成するケーシング60bの前端部には、撮像手段は配設されていない。
第2のレーザー光線照射手段6bは、上記ユニットホルダ51に固定され実質上水平に延出する円筒形状のケーシング60bを含んでいる。また、第2のレーザー光線照射手段6bは、図3に示すようにケーシング60b内に配設されたパルスレーザー光線発振手段61bおよび出力調整手段62aと、上記ケーシング60bの先端に装着された集光器63bを具備している。上記パルスレーザー光線発振手段61bは、YVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器611bと、これに付設された繰り返し周波数設定手段612bとから構成されている。このパルスレーザー光線発振手段61bのパルスレーザー光線発振器611bは、1342nmの波長を有するパルスレーザー光線を発振する。出力調整手段62bは、パルスレーザー光線発振手段61bから発振されたパルスレーザー光線の出力を所定の値に調整する。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、制御手段8を具備している。制御手段8はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)81と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)82と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)83と、カウンター84と、入力インターフェース85および出力インターフェース86とを備えている。制御手段8の入力インターフェース85には、上記加工送り量検出手段374、割り出し送り量検出手段433および撮像手段7等からの検出信号が入力される。そして、制御手段8の出力インターフェース86からは、上記パルスモータ372、パルスモータ382、パルスモータ432、パルスモータ532、第1のレーザー光線照射手段6a、第2のレーザー光線照射手段6b等に制御信号を出力する。
図示のレーザー加工装置1は以上のように構成されており、以下このレーザー加工装置1を用いてウエーハの内部に変質層を形成するウエーハの加工方法について説明する。
図4には、本発明によるウエーハの加工方法によって加工されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図4に示す半導体ウエーハ10は、厚さが100μmのシリコンウエーハからなり、表面10aに複数のストリート101が格子状に形成されているとともに、該複数のストリート101によって区画された複数の領域にデバイス102が形成されている。
上記半導体ウエーハ10の内部にストリート101に沿って変質層を形成する第1の実施形態について、図5乃至図8を参照して説明する。
上記のように構成された半導体ウエーハ10は、図5に示すように環状のフレームFに装着されたポリオレフィン等の合成樹脂シートからなる保護テープTに表面10aを貼着する。従って、半導体ウエーハ10は、裏面10bが上側となる。このようにして環状のフレームFに保護テープTを介して支持された半導体ウエーハ10は、図1に示すレーザー加工装置1のチャックテーブル36上に保護テープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ10は、保護テープTを介してチャックテーブル36上に吸引保持される。また、環状のフレームFは、クランプ362によって固定される。
上述したように半導体ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル36は、加工送り手段37によって撮像手段7の直下に位置付けられる。チャックテーブル36が撮像手段7の直下に位置付けられると、撮像手段7および制御手段8によって半導体ウエーハ10のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段7および制御手段10は、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されているストリート101と、ストリート101に沿ってレーザー光線を照射する第1のレーザー光線照射手段6aの第1の集光器63aおよび第2のレーザー光線照射手段6bの第2の集光器63bとの位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理が実行され、レーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。また、半導体ウエーハ10に形成されている所定方向と直交する方向に形成されているストリート101に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。
以上のようにしてチャックテーブル36上に保持されている半導体ウエーハ10に形成されたストリート101を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、波長が1064nmのパルスレーザー光線を半導体ウエーハ10の裏面10b側から半導体ウエーハ10の表面10a近傍に集光点を位置付けてストリート101に沿って照射し、半導体ウエーハ10の表面10a近傍にストリート101に沿って第1の変質層を形成する第1の変質層形成工程を実施する。即ち、制御手段8は、加工送り手段37を作動して図6の(a)で示すようにチャックテーブル36を第1のレーザー光線照射手段6aの集光器63aが位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン101の一端(図6の(a)において左端)を第1のレーザー光線照射手段6aの集光器63aの直下に位置付ける。そして、第1のレーザー光線照射手段6aの集光器63aから照射するパルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ10の表面10a(下面)から例えば10μm裏面10b(上面)側に位置付ける。次に、制御手段8は、第1のレーザー光線照射手段6aのパルスレーザー光線発振手段61aを作動して集光器63aからシリコンウエーハに対して透過性を有する1064nmの波長のパルスレーザー光線を照射しつつ、加工送り手段37のパルスモータ372を作動してチャックテーブル36を図6の(a)において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめる。そして、図6の(b)で示すように集光器63aの照射位置がストリート101の他端の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル36の移動を停止する。この結果、図6の(b)に示すように半導体ウエーハ10の内部には表面10a(下面)近傍にストリート101に沿って所定の厚さの第1の変質層110が形成される。
上記第1の変質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :YAGスレーザー
波長 :1064nmのパルスレーザー
繰り返し周波数 :400kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :600mm/秒
上記加工条件によって第1の変質層形成工程を実施すると、第1の変質層110の厚さは20μm程度形成される。なお、第1の変質層形成工程においてはパルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ10の表面10a近傍に合わせて実施するが、波長が1064nmのパルスレーザー光線によって実施するので破壊力が比較的弱いため、半導体ウエーハ10の表面10aに形成されたデバイス102を損傷することはない。
上述したように所定のストリート101に沿って第1の変質層形成工程を実施したならば、制御手段8は第1の割り出し送り手段38のパルスモータ382を作動して、チャックテーブル36を図1において矢印Yで示す方向にストリート101の間隔だけ割り出し送りし、上記第1の変質層形成工程を実施する。このようにして半導体ウエーハ10の所定方向に延在する全てのストリート101について第1の変質層形成工程を遂行したならば、チャックテーブル36を90度回動し該チャックテーブル36に保持されている半導体ウエーハ10を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直角に延びる各分割予定ライン101に沿って上記第1の変質層形成工程を実行することにより、半導体ウエーハ10の内部に全てのストリート101に沿って変質層110を形成することができる。
以上のようにして半導体ウエーハ10に形成された全てのストリート101に沿って上記第1の変質層形成工程を実行することにより、半導体ウエーハ10の表面10a近傍にストリート101に沿って第1の変質層110を形成したならば、波長が1342nmのパルスレーザー光線を半導体ウエーハ10の裏面10b側から第1の変質層110より半導体ウエーハ10の裏面10b側に集光点を位置付けてストリート101に沿って照射し、第1の変質層110より半導体ウエーハ10のウエーハの裏面10b側にストリート101に沿って第2の変質層を形成する第2の変質層形成工程を実施する。即ち、制御手段8は、加工送り手段37を作動して図7の(a)で示すようにチャックテーブル36を第2のレーザー光線照射手段6bの集光器63bが位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン101の一端(図7の(a)において左端)を第2のレーザー光線照射手段6bの集光器63bの直下に位置付ける。そして、第2のレーザー光線照射手段6bの集光器63bから照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを第1の変質層110より例えば20μm裏面10b(上面)側に位置付ける。次に、制御手段8は、第2のレーザー光線照射手段6bのパルスレーザー光線発振手段61bを作動して集光器63bからシリコンウエーハに対して透過性を有する1342nmの波長のパルスレーザー光線を照射しつつ、加工送り手段37のパルスモータ372を作動してチャックテーブル36を図7の(a)において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめる。そして、図7の(b)で示すように集光器63bの照射位置がストリート101の他端の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル36の移動を停止する。この結果、図7の(b)に示すように半導体ウエーハ10の内部には第1の変質層110より例えば20μm裏面10b(上面)側にストリート101に沿って所定の厚さの第2の変質層120が形成される。
上記第1の変質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :YVO4スレーザー
波長 :1342nmのパルスレーザー
繰り返し周波数 :80kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ1.3μm
加工送り速度 :600mm/秒
上記加工条件によって第2の変質層形成工程を実施すると、第2の変質層120の厚さは40μm程度形成される。このように第2の変質層形成工程においては波長が1342nmのパルスレーザー光線によって実施するので破壊力が強いので、第1の変質層形成工程に用いた波長が1064nmのパルスレーザー光線の出力と同じであっても2倍の厚さの第2の変質層120を形成することができる。従って、厚さが100μmの半導体ウエーハ10に上記第1の変質層形成工程と第2の変質層形成工程を実施すると、図8に示すように半導体ウエーハ10の内部には表面10a(下面)から10μm裏面10b(上面)側に厚さが20μmの第1の変質層110が形成され、第1の変質層110から20μm裏面10b(上面)側に厚さが40μmの第2の変質層120が形成される。このように厚さが100μmの半導体ウエーハ10に上記第1の変質層形成工程と第2の変質層形成工程をそれぞれ1回実施することにより半導体ウエーハ10の厚さに対して60%の厚さの変質層を形成することができる。もし、従来のように波長が1064nmのパルスレーザー光線を用いて厚さが100μmの半導体ウエーハ10に60%の厚さの変質層を形成するは上記第1の変質層形成工程を3回実施する必要がある。なお、第2の変質層形成工程において用いる波長が1342nmのパルスレーザー光線は上述したように破壊力が強いが、第2の変質層形成工程によって形成される第2の変質層120は第1の変質層110より裏面10b側に形成するので、半導体ウエーハ10の表面10aに形成されたデバイス102を損傷することはない。
上述した第2の変質層形成工程を上記第1の変質層形成工程と同様に半導体ウエーハ10に形成された全てのストリート101に沿って実施する。この結果、半導体ウエーハ10の内部には、ストリート101に沿って表面10a近傍に第1の変質層110が形成され、裏面10b近傍に第2の変質層120が形成される。
なお、上述した実施形態においては第1の変質層形成工程と第2の変質層形成工程において第1の変質層110と第2の変質層120をそれぞれ1層ずつ形成した例を示したが、ウエーハの厚さにより必要に応じて2層以上の変質層を形成してもよい。
次に、本発明によるウエーハのレーザー加工方法の第2の実施形態について、図9乃至図12を参照して説明する。
図9乃至図12に示す実施形態は、上記レーザー加工装置1を用いて半導体ウエーハ10の表面10a側からパルスレーザー光線を照射し、半導体ウエーハ10の内部に効率よく変質層を形成するものである。
第2の実施形態を実施するには、上記図4に示す半導体ウエーハ10は、図9に示すように環状のフレームFに装着された保護テープTに裏面10bを貼着する。従って、半導体ウエーハ10は、表面10aが上側となる。このようにして環状のフレームFに保護テープTを介して支持された半導体ウエーハ10は、図1に示すレーザー加工装置のチャックテーブル36上に保護テープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ10は、保護テープTを介してチャックテーブル36上に吸引保持される。また、環状のフレームFは、クランプ362によって固定される。
上述したようにチャックテーブル36上に半導体ウエーハ10を吸引保持したならば、上述した第1の実施形態と同様にチャックテーブル36を撮像手段7の直下に位置付け、撮像手段7および制御手段8によって半導体ウエーハ10のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。
以上のようにしてチャックテーブル36上に保持されている半導体ウエーハ10に形成されたストリート101を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、波長が1342nmのパルスレーザー光線を半導体ウエーハ10の表面10a側から半導体ウエーハ10の裏面10b近傍に集光点を位置付けてストリート101に沿って照射し、半導体ウエーハ10の裏面10b近傍にストリート101に沿って第1の変質層を形成する第1の変質層形成工程を実施する。即ち、制御手段8は、加工送り手段37を作動して図10の(a)で示すようにチャックテーブル36を第2のレーザー光線照射手段6bの集光器63bが位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン101の一端(図10の(a)において左端)を第2のレーザー光線照射手段6bの集光器63bの直下に位置付ける。そして、第2のレーザー光線照射手段6bの集光器63bから照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ10の裏面10b(下面)から例えば10μm表面10a(上面)側に位置付ける。次に、制御手段8は、第2のレーザー光線照射手段6bのパルスレーザー光線発振手段61bを作動して集光器63bから1342nmの波長のパルスレーザー光線を照射しつつ、加工送り手段37のパルスモータ372を作動してチャックテーブル36を図10の(a)において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめる。そして、図10の(b)で示すように集光器63bの照射位置がストリート101の他端の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル36の移動を停止する。なお、この第1の変質層形成工程の加工条件は、上記第1の実施形態における第2の変質層形成工程の加工条件と同一でよい。この結果、図10の(b)に示すように半導体ウエーハ10の内部には裏面10b(下面)近傍にストリート101に沿って厚さが40μmの第1の変質層130が形成される。なお、第1の変質層形成工程において用いる波長が1342nmのパルスレーザー光線は上述したように破壊力が強いが、第1の変質層形成工程によって形成される第1の変質層130は半導体ウエーハ10の裏面10b近傍に形成されるので、半導体ウエーハ10の表面10aに形成されたデバイス102を損傷することはない。
上述した第1の変質層形成工程を半導体ウエーハ10に形成された全てのストリート101に沿って実施する。この結果、半導体ウエーハ10の内部には、裏面10b(下面)近傍に全てのストリート101に沿って厚さが40μmの第1の変質層130が形成される。
以上のようにして半導体ウエーハ10に形成された全てのストリート101に沿って上記第1の変質層形成工程を実行することにより、半導体ウエーハ10の裏面10b近傍にストリート101に沿って第1の変質層130を形成したならば、波長が1064nmのレーザー光線を半導体ウエーハ10の表面10a側から第1の変質層130より半導体ウエーハ10の表面10a側に集光点を位置付けてストリート101に沿って照射し、第1の変質層130より半導体ウエーハ10の表面10a側にストリート101に沿って第2の変質層を形成する第2の変質層形成工程を実施する。即ち、制御手段8は、加工送り手段37を作動して図11の(a)で示すようにチャックテーブル36を第1のレーザー光線照射手段61の集光器63aが位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン101の一端(図11の(a)において左端)を第1のレーザー光線照射手段6aの集光器63aの直下に位置付ける。そして、第1のレーザー光線照射手段6aの集光器63aから照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを第1の変質層130より例えば20μm表面10a(上面)側に位置付ける。次に、制御手段8は、第1のレーザー光線照射手段6aのパルスレーザー光線発振手段61aを作動して集光器63aから1064nmの波長のパルスレーザー光線を照射しつつ、加工送り手段37のパルスモータ372を作動してチャックテーブル36を図11の(a)において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめる。そして、図11の(b)で示すように集光器63aの照射位置がストリート101の他端の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル36の移動を停止する。なお、この第2の変質層形成工程の加工条件は、上記第1の実施形態における第1の変質層形成工程の加工条件と同一でよい。この結果、図11の(b)に示すように半導体ウエーハ10の内部には第1の変質層130より例えば20μm表面10a(上面)側にストリート101に沿って厚さが20μmの第2の変質層140が形成される。なお、第2の変質層形成工程においては第2の変質層140が半導体ウエーハ10の表面10a近傍に形成されるが、波長が1064nmのパルスレーザー光線によって実施するので破壊力が比較的弱いため、半導体ウエーハ10の表面10aに形成されたデバイス102を損傷することはない。
以上のように、本発明によるウエーハのレーザー加工方法における第2の実施形態においても、厚さが100μmの半導体ウエーハ10に上述した第1の変質層形成工程と第2の変質層形成工程を実施することにより、図12に示すように半導体ウエーハ10の内部には裏面10b(下面)から10μm表面10a(上面)側に厚さが40μmの第1の変質層130が形成され、第1の変質層130から20μm表面10a(上面)側に厚さが20μmの第2の変質層140が形成される。このように厚さが100μmの半導体ウエーハ10に上記第1の変質層形成工程と第2の変質層形成工程をそれぞれ1回実施することにより半導体ウエーハ10の厚さに対して60%の厚さの変質層を形成することができる。
なお、上述した実施形態においては第1の変質層形成工程と第2の変質層形成工程において第1の変質層130と第2の変質層140をそれぞれ1層ずつ形成した例を示したが、ウエーハの厚さにより必要に応じて2層以上の変質層を形成してもよい。
次に、上記レーザー加工装置1に装備されるレーザー光線照射手段の他の実施形態について、図13を参照して説明する。なお、図13に示すレーザー光線照射手段6においては、上記図2に示す第1のレーザー光線照射手段6aおよび図3に示す第2のレーザー光線照射手段6bと同一の構成部材には同一符号を付してその説明は省略する。
図13に示すレーザー光線照射手段6は、第1のレーザー光線照射手段6aの集光器と第2のレーザー光線照射手段6bの集光器を共通の集光器63とした構成である。即ち、図13に示すレーザー光線照射手段6においては、第1のレーザー光線照射手段6aのパルスレーザー光線発振手段61aから発振された1064nmの波長を有するパルスレーザー光線は、出力調整手段62aによって出力が構成されハーフミラー64を通して共通の集光器63に導かれる。一方、第2のレーザー光線照射手段6bのパルスレーザー光線発振手段61bから発振された1342nmの波長を有するパルスレーザー光線は、方向変換ミラー65および上記ハーフミラー64を介して共通の集光器63に導かれる。このように図13に示すレーザー光線照射手段6は、共通の集光器63によって1064nmの波長を有するパルスレーザー光線と1342nmの波長を有するパルスレーザー光線を照射するように構成したので、第1のレーザー光線照射手段6aと第2のレーザー光線照射手段6bを一つのユニットとして構成することができる。
本発明によって構成されたレーザー加工装置の斜視図。 図1に示すレーザー加工装置に装備される第1のレーザー光線照射手段のブロック構成図。 図1に示すレーザー加工装置に装備される第2のレーザー光線照射手段のブロック構成図。 本発明によるウエーハのレーザー加工方法によって加工されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図。 図4に示す半導体ウエーハの表面を環状のフレームに装着された保護テープの表面に貼着した状態を示す斜視図。 本発明によるウエーハのレーザー加工方法の第1の実施形態における第1の変質層形成工程を示す説明図。 本発明によるウエーハのレーザー加工方法の第1の実施形態における第2の変質層形成工程を示す説明図。 本発明によるウエーハのレーザー加工方法の第1の実施形態における第1の変質層形成工程および第2の変質層形成工程が実施された半導体ウエーハの要部を拡大して示す断面図。 図4に示す半導体ウエーハの裏面を環状のフレームに装着された保護テープの表面に貼着した状態を示す斜視図。 本発明によるウエーハのレーザー加工方法の第2の実施形態における第1の変質層形成工程を示す説明図。 本発明によるウエーハのレーザー加工方法の第2の実施形態における第2の変質層形成工程を示す説明図。 本発明によるウエーハのレーザー加工方法の第2の実施形態における第1の変質層形成工程および第2の変質層形成工程が実施された半導体ウエーハの要部を拡大して示す断面図。 図1に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段の他の実施形態を示すブロック構成図。
符号の説明
1:レーザー加工装置
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
4a:第1のレーザー光線照射ユニット支持機構
4b:第2のレーザー光線照射ユニット支持機構
5a:第1のレーザー光線照射ユニット
5b:第2のレーザー光線照射ユニット
51:ユニットホルダ
53:集光点位置調整手段
6a:第1のレーザー光線照射手段
6b:第1のレーザー光線照射手段
61a、61b:パルスレーザー光線発振手段
63、63a、63b:集光器
64:方向変換ミラー
65:ハーフミラー
7:撮像手段
10:半導体ウエーハ
101:分割予定ライン
102:デバイス
110:第1の変質層
120:第2の変質層
130:第1の変質層
140:第2の変質層

Claims (3)

  1. 表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハに、ストリートに沿ってレーザー光線を照射し、ウエーハの内部にストリートに沿って変質層を形成するウエーハのレーザー加工方法であって、
    波長が1064nmのレーザー光線をウエーハの裏面側からウエーハの表面近傍に集光点を位置付けてストリートに沿って照射し、ウエーハの表面近傍にストリートに沿って第1の変質層を形成する第1の変質層形成工程と、
    波長が1342nmのレーザー光線をウエーハの裏面側から該第1の変質層よりウエーハの裏面側に集光点を位置付けてストリートに沿って照射し、該第1の変質層よりウエーハの裏面側にストリートに沿って第2の変質層を形成する第2の変質層形成工程と、を含む、
    ことを特徴とするウエーハのレーザー加工方法。
  2. 表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハに、ストリートに沿ってレーザー光線を照射し、ウエーハの内部にストリートに沿って変質層を形成するウエーハのレーザー加工方法であって、
    波長が1342nmのレーザー光線をウエーハの表面側からウエーハの裏面近傍に集光点を位置付けてストリートに沿って照射し、ウエーハの裏面近傍にストリートに沿って第1の変質層を形成する第1の変質層形成工程と、
    波長が1064nmのレーザー光線をウエーハの表面側から該第1の変質層よりウエーハの表面側に集光点を位置付けてストリートに沿って照射し、該第1の変質層よりウエーハの表面側にストリートに沿って第2の変質層を形成する第2の変質層形成工程と、を含む、
    ことを特徴とするウエーハのレーザー加工方法。
  3. ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハにレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを該加工送り方向と直交する割り出し送り方向に相対的に割り出し送りする割り出し送り手段と、を具備するレーザー加工装置において、
    該レーザー光線照射手段は、波長が1064nmのレーザー光線を発振するレーザー光線発振器を備えた第1のレーザー光線照射手段と、波長が1342nmのレーザー光線を発振するレーザー光線発振器を備えた第2のレーザー光線照射手段と、を具備している、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
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