JP4841764B2 - シリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン単結晶の引上げに使用される大口径の石英ガラスるつぼの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【関連技術】
従来、単結晶半導体材料のような単結晶物質の製造には、いわゆるチョクラルスキー法と呼ばれる方法が広く採用されている。この方法は多結晶シリコンを容器内で溶融させ、この溶融槽内に種結晶の端部を浸けて回転させながら引き上げるもので、種結晶上に同一の結晶方位を持つ単結晶が成長する。この単結晶引き上げ容器には石英ガラスるつぼが一般的に使用されている。
【0003】
昨今高品位ウェハーの需要が高まる中で、シリコン融液の対流コントロールが重要になりつつある。特に大口径化が進むと従来の様なカーボンヒーター位置の調整だけでは、石英るつぼを通過する熱をコントロールしにくくなり、これが単結晶品質に影響を及ぼす事が予想される。
【0004】
熱の伝わり方は、まず熱せられたカーボンヒーターからの輻射でカーボンサセプターに熱が伝わり、次いで石英るつぼを通過し、その後にシリコンメルトに伝わる。通常るつぼは二重構造となっており、外層にあたる気泡層は伝わる熱を均一にする為に設けられている。しかしながら気泡含有率が高すぎたり、気泡径が大きすぎると遮蔽効果も大きくなってしまう。
【0005】
るつぼ外層の気泡含有率を低減する技術としては、減圧溶融なら減圧層をコントロールすることで、気泡含有率を調整できる(特開昭56−149333号公報)他に、外層を形成する際に結晶質シリカと非晶質シリカを含ませる事で気泡を削減する技術(特開平6−72793号公報)や粉体の粒度分布を調整し気泡を小さくする技術(特開平7−172978号公報)等が知られている。しかしながら、これらの技術ではるつぼ外層の気泡含有率を有効に減少させる方法としては十分なものとはいい難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、るつぼ外層の泡径を小さくすることによって気泡含有率を効果的に低減させることができるようにしたシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のシリコン単結晶引き上げ用石英ガラスるつぼの製造方法は、上方に開口する開口部を備えた水平回転自在な耐熱性モールドと、スリット開口を残して該開口部を覆う蓋と、該耐熱性モールド内を加熱する加熱手段と、該耐熱性モールドの底部内面に開口する1個又は複数個の給気孔と、該給気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設された給気通路と、該耐熱性モールドの上端部分内面に開口する1個又は複数個の排気孔と、該排気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設されかつ外部に開口する排気通路と、を有するシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造装置を用いて製造される、気泡を多く含む外層と気泡を含まない内層とを備え持つ二重構造を有するシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造方法であって、
(a)二酸化珪素粉末を上記耐熱性モールド内に供給して、該耐熱性モールド内面に沿って成型体を形成する工程、
(b)上記成型体を加熱溶融して、半透明石英ガラスるつぼ外層を形成する工程、
(c)このるつぼ外層の形成中もしくは形成後に、該るつぼ外層内の高温ガス雰囲気中に二酸化珪素粉末を供給し、内壁面に向って飛散融合させて透明石英ガラス層を形成する工程、
からなり、上記成型体を加熱溶融し、その表面がガラス化してガラス層が形成された後、該給気通路及び給気孔を介して該成型体内に処理ガスを供給し、この供給された処理ガスは該成型体の内部を通って上方に流動し前記スリット開口や排気孔及び排気通路を通って該耐熱性モールドの外部に排出され、かつ前記処理ガスが、水素又はヘリウムもしくはそれらの混合ガスであるようにして製造することを特徴とする。
【0008】
上記成型体に供給される処理ガスとしては、少なくとも1種類以上のガスが用いられる。
【0009】
上記供給する処理ガスとしては、水素又はヘリウムもしくはそれらの混合ガスが好適に用いられる。
【0010】
本発明のシリコン単結晶引き上げ用石英ガラスるつぼの製造装置は、本発明のシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造方法に用いられかつ上方に開口する開口部を備えた水平回転自在な耐熱性モールドと、スリット開口を残して該開口部を覆う蓋と、該耐熱性モールド内を加熱する加熱手段と、該耐熱性モールドの底部内面に開口する1個又は複数個の給気孔と、該給気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設された給気通路と、該耐熱性モールドの上端部分内面に開口する1個又は複数個の排気孔と、該排気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設されかつ外部に開口する排気通路と、を有し、該耐熱性モールド内面に沿って形成される二酸化珪素粉末の成型体を加熱溶融し、その表面がガラス化してガラス層が形成された後、該給気通路及び給気孔を介して該成型体内に処理ガスを供給することができ、かつこの供給された処理ガスは該成型体の内部を通って上方に流動し前記スリット開口や排気孔及び排気通路を通って該耐熱性モールドの外部に排出されるようにし、前記処理ガスが、水素又はヘリウムもしくはそれらの混合ガスであることを特徴とする。
【0011】
本発明の製造装置には、上記耐熱性モールドの内面に開口する1個又は複数個の排気孔と、該排気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設された排気通路とをさらに設けるのが好ましい。
【0012】
本発明における「二酸化珪素粉」とは、非晶質及び結晶質ならびに天然及び合成を包含し、非晶質の二酸化珪素粉を「石英ガラス粉」、結晶質の二酸化珪素粉を「石英粉」と称するものとする。すなわち、例えば外層の原料粉には天然石英粉を用いるのが実用的であり、内層の原料粉には合成石英ガラス粉を用いるのが実用的であるものの、(結晶質の)天然石英粉、天然石英ガラス粉、(結晶質の)合成石英粉、合成石英ガラス粉等の各種粉体、及び各種粉体を混合したもの等を適宜選択することが可能である。
【0013】
例えば、天然の水晶や珪砂・珪石等を粉砕し純化して得られる天然石英粉は、コスト上の利点とともに(作成された石英ガラス自体が)耐熱性に優れるというメリットがあるため、本発明の石英ガラスるつぼの外層の原料として好適である。また、より高純度の粉体として合成石英ガラス粉がるつぼ内層の原料に好適であり、具体的には、シリコンアルコキシド、ハロゲン化珪素(四塩化珪素ほか)、珪酸ソーダその他の珪素化合物を出発材料として、ゾルゲル法、スート法、火炎燃焼法等で得られる合成石英ガラス粉を適宜選択することができ、それ以外にもフュームドシリカや沈降シリカ等も利用できる。さらに、作成される石英ガラスるつぼの所望の物性(気泡の状態、密度、表面状態その他)に応じて、結晶化した合成石英粉、ガラス化した天然石英ガラス粉、または前記各種粉体を混合したもの、ならびに結晶化促進や不純物遮蔽等に寄与する元素を含有するもの(アルミニウム化合物その他)及びそれらを混合したもの等を内外層の原料として用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一つの実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、これらの説明は例示的に示されるもので限定的に解釈すべきものでないことはいうまでもない。
【0015】
図1は本発明方法の実施に使用される装置と該装置を使用する石英ガラスるつぼ製造方法を示す断面説明図である。図2は本発明のシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造中の処理ガスの流れを示す一部の断面図である。
【0016】
図1において、10は本発明の石英ガラスるつぼの製造装置で、耐熱性モールド12を有している。該耐熱性モールド12は、回転軸14によって水平回転自在に支持されている。16はキャビティで該耐熱性モールド12内部に形成されかつ上方に開口する開口部18を備えている。該開口部18は、スリット開口20を残して蓋22により覆われる。
【0017】
24は給気孔で、該耐熱性モールド12の内面、好ましくは底部内面に開口し、1個又は複数個が設けられる。26は給気通路で、該給気孔24に連通するとともに該耐熱性モールド12の壁体12aの内部に穿設されかつ他端は、例えば図示例では回転軸14の内部を通って、外部に開口している。したがって、外部から該給気通路26に供給される処理ガス28は該給気孔24から該耐熱性モールド12の内面側、すなわち該キャビティ16内に供給される。
【0018】
30は排気孔で、該耐熱性モールド12の内面、好ましくは上端部分に開口し、1個又は複数個が設けられる。32は排気通路で、該排気孔30に連通するとともに該耐熱性モールド12の壁体12aの内部に穿設されかつ他端は、外部、例えば図示例では該耐熱性モールド12の外周面、に開口している。したがって、該キャビティ16内に供給された処理ガス28は該排気孔30及び排気通路32から該耐熱性モールド12の外部に排気される。
【0019】
該耐熱性モールド12を内面側から加熱するための加熱手段として、図1に示すように、電源34に接続されたカーボン電極36,38を備えるアーク放電装置40を使用することができる。アーク放電装置40の代わりにプラズマ放電装置を用いてもよい。
【0020】
1は本発明に係るシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼで、二酸化珪素粉末、例えば天然石英粉末から形成される半透明石英ガラス、すなわち外層を構成する基体3を有している。該基体3は、二酸化珪素粉末を回転する耐熱性モールド12の中に投入し、該耐熱性モールド12の内壁に沿って層状に堆積させて所望のるつぼ形状の成型体3とし、この成型体3を内面から加熱して二酸化珪素粉末を溶融させたのち、冷却することにより製造される。この基体3の製造については特公平4−22861号公報に詳細な記載がある。
【0021】
本発明方法においては、該成型体3を加熱手段により溶融し、表面がガラス化してガラス層3aが形成された後、該給気通路26及び給気孔24から該成型体3に水素又はヘリウムもしくはそれらの混合ガス等の処理ガス28を供給するのが特徴である。この供給された処理ガス28は該給気孔24からキャビティ16に形成された成型体3の内部を通って上方に流動し、該耐熱性モールド12のスリット開口20や排気孔30及び排気通路32を通って耐熱性モールド12の外部に排出される。
【0022】
したがって、該成型体3は処理ガスが流動している状態で加熱手段からの熱によって徐々に加熱溶融し、ガラス化して最後に成型体3の全部が半透明石英ガラス層、すなわち外層又は基体3となる。成型体3の全てが半透明石英ガラス層となった状態で給気孔24からの処理ガスの供給を終了すればよい。
【0023】
このように成型体3に処理ガス28を供給しつつその加熱溶融を行い、外層3を形成することによって、外層3中に存在する気泡の径が小さくなり、全体の気泡含有率を低下させることができる。この処理ガス28の供給速度(ガス流量)については特に限定はないが、10〜50L/分程度が好適である。
【0024】
図1に示す装置は、内層4を形成するために、耐熱性モールド12の上方に二酸化珪素粉末42を収容する供給槽44を備える。この供給槽44には計量フィーダ46が設けられた吐出パイプ48に接続されている。供給槽44内には攪拌羽根50が配置される。
【0025】
基体3が形成された後、又は基体3の形成の途中において、アーク放電装置40のカーボン電極36,38からの放電による加熱を継続しながら、二酸化珪素粉末42供給のための計量フィーダ46を調整した開度に開いて、吐出パイプ48から二酸化珪素粉末42を基体3の内部に供給する。アーク放電装置40の作動により、基体3内には高温ガス雰囲気54が形成されている。したがって、二酸化珪素粉末42は、この高温ガス雰囲気54中に供給されることとなる。
【0026】
なお、高温ガス雰囲気54とは、カーボン電極36,38を用いたアーク放電によりその周囲に形成された雰囲気を指し、石英ガラスを溶かすに十分な温度以上、具体的には2千数百度の高温になっている。
【0027】
高温ガス雰囲気54中に供給された二酸化珪素粉末42は、高温ガス雰囲気54中の熱により少なくとも一部が溶融され、同時に基体3の内壁面に向けて飛散させられて、該基体3の内壁面に付着し、基体3と一体融合的に基体3の内面に実質的に無気泡の石英ガラス層すなわち内層4を形成する。この内層4の形成方法については、上述した特公平4−22861号公報に詳細な記載がある。
【0028】
図2に、この方法において成型体3中を処理ガス28(図示例ではH2ガス)が上方に流れている状態の石英ガラスるつぼ1の断面を示す。本発明による石英ガラスるつぼは、二酸化珪素粉末、例えば天然石英粉末を内面から加熱溶融して形成された外層すなわち基体3と、二酸化珪素粉末、例えば合成シリカ粉末を高温ガス雰囲気54中に放出して、溶融飛散させ、基体3の内壁面に付着させて形成した内層4とを有しているものである。
【0029】
【実施例】
以下に本発明の実施例をあげて説明するが、これらは例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0030】
(実施例1)
図1に示す装置を用い外径が22インチの石英ガラスるつぼを製造した。製造に当たっては上方に開口する開口部を備えたカーボンモールド内にあらかじめ天然石英粉末を20kg供給して形成し、外層となる成型体を作成した。
【0031】
この成型体を内面から熱源により加熱溶融し、表面がガラス化した後、供給孔24より水素とヘリウムの混合ガスを1:24の割合(水素2L/分、ヘリウム48L/分)で流量50L/分で溶融終了まで導入した。このように外層を形成するとともに、外層の内部に形成された高温ガス雰囲気中に高純度合成石英ガラス粉末3kgを供給し、成型体内表面に飛散・溶融させて外径が22インチの石英ガラスるつぼを製造した。
【0032】
なお、ここで使用した合成石英ガラスシリカ粉末は、極めて高純度なものであったので、その金属元素含有量を測定したところ、AlとTiが各々0.5ppm未満、FeとCaが各々0.1ppm、Na・K・Li・Mgが各々0.1ppm未満で、Znが10ppb、NiとCrが5ppb、Baが3ppb、CuとPbが1ppb、その他の元素(Mn、Co、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Ag、Sn、Sb、Hf、Ta、U、Th)は全て1ppb未満であった。
【0033】
この製造した石英ガラスるつぼにおける外層の気泡含有率(気泡体積/測定体積)を、後記する比較例の気泡含有率を1とした時の比率として表1に示した。
【0034】
(実施例2)
処理ガスを水素とヘリウムの混合ガスからヘリウムガスに変えた以外は実施例1と同様に石英ガラスるつぼを製造した。この製造した石英ガラスるつぼにおける外層の気泡含有率を同様に表1に示した。なお、処理ガスとして水素ガスを用いる場合についても同様の結果が得られることを確認してある。
【0035】
(比較例1)
処理ガスを導入しないこと以外は、実施例1と同様の方法で石英ガラスるつぼを製造した。この製造した石英ガラスるつぼにおける外層の気泡含有率を1として表1に示し、実施例1及び2と比較した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、るつぼ外層の泡径を小さくすることによって気泡含有率を効果的に低減させることができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の実施に使用される装置と該装置を使用する石英ガラスるつぼの製造方法を示す概略断面説明図である。
【図2】 本発明のシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造中の処理ガスの流れを示す一部の断面図である。
【符号の説明】
3:外層(基体、成型体)、3a:ガラス層、4:内層、12:耐熱性モールド、12a:壁体、14:回転軸、16:キャビティ、18:開口部、20:スリット開口、22:蓋、24:給気孔、26:給気通路、28:処理ガス、30:排気孔、32:排気通路、34:電源、36,38:カーボン電極、40:アーク放電装置、42:二酸化珪素粉末、44:供給槽、46:計量フィーダ、48:吐出パイプ、50:攪拌羽根、54:高温ガス雰囲気。
Claims (2)
- 上方に開口する開口部を備えた水平回転自在な耐熱性モールドと、スリット開口を残して該開口部を覆う蓋と、該耐熱性モールド内を加熱する加熱手段と、該耐熱性モールドの底部内面に開口する1個又は複数個の給気孔と、該給気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設された給気通路と、該耐熱性モールドの上端部分内面に開口する1個又は複数個の排気孔と、該排気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設されかつ外部に開口する排気通路と、を有するシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造装置を用いて製造される、気泡を多く含む外層と気泡を含まない内層とを備え持つ二重構造を有するシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造方法であって、
(a)二酸化珪素粉末を上記耐熱性モールド内に供給して、該耐熱性モールド内面に沿って成型体を形成する工程、
(b)上記成型体を加熱溶融して、半透明石英ガラスるつぼ外層を形成する工程、
(c)このるつぼ外層の形成中もしくは形成後に、該るつぼ外層内の高温ガス雰囲気中に二酸化珪素粉末を供給し、内壁面に向って飛散融合させて透明石英ガラス層を形成する工程、
からなり、上記成型体を加熱溶融し、その表面がガラス化してガラス層が形成された後、該給気通路及び給気孔を介して該成型体内に処理ガスを供給し、この供給された処理ガスは該成型体の内部を通って上方に流動し前記スリット開口や排気孔及び排気通路を通って該耐熱性モールドの外部に排出され、かつ前記処理ガスが、水素又はヘリウムもしくはそれらの混合ガスであるようにして製造することを特徴とするシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造方法。 - 請求項1記載のシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造方法に用いられかつ上方に開口する開口部を備えた水平回転自在な耐熱性モールドと、スリット開口を残して該開口部を覆う蓋と、該耐熱性モールド内を加熱する加熱手段と、該耐熱性モールドの底部内面に開口する1個又は複数個の給気孔と、該給気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設された給気通路と、該耐熱性モールドの上端部分内面に開口する1個又は複数個の排気孔と、該排気孔に連通するとともに該耐熱性モールドの壁体内部に穿設されかつ外部に開口する排気通路と、を有し、該耐熱性モールド内面に沿って形成される二酸化珪素粉末の成型体を加熱溶融し、その表面がガラス化してガラス層が形成された後、該給気通路及び給気孔を介して該成型体内に処理ガスを供給することができ、かつこの供給された処理ガスは該成型体の内部を通って上方に流動し前記スリット開口や排気孔及び排気通路を通って該耐熱性モールドの外部に排出されるようにし、前記処理ガスが、水素又はヘリウムもしくはそれらの混合ガスであることを特徴とするシリコン単結晶引上げ用石英ガラスるつぼの製造装置。
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