JP5061514B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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Description
ここで、車線逸脱防止制御として左右輪に制動力差を発生させると、トルクステアが発生する。そして、そのトルクステアにより運転者の意図した操舵方向(車線変更側)と反対方向に操舵が発生する場合がある。
さらに、車線変更時に車線逸脱防止制御は抑制されるものの、その抑制が開始される前に運転者に操舵の引っ掛かり感を与えてしまうことになり、車線逸脱防止制御が運転者に違和感を与えてしまう。
本発明の課題は、運転者の操舵操作に基づく車線逸脱防止制御の抑制を適切に行うことである。
(第1の実施形態)
(構成)
本発明の第1の実施形態は、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図1は、第1の実施形態を示す概略構成図である。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能になっている。
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御したりすることで、エンジン9の運転状態を制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。撮像部13は、自車両前方を撮像するように設置されたCCD(ChargeCoupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。撮像部(フロントカメラ)13は車両前部に設置されている。
なお、本発明においては画像処理以外の検出手段でレーンマーカを検出するものであっても良い。例えば、車両前方に取り付けられた複数の赤外線センサによりレーンマーカを検出し、その検出結果に基づいて走行車線を検出しても良い。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、自車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は自車両に発生するヨーレイトφ´を検出する。ナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレイトφ´を、道路情報とともに、制駆動力コントロールユニット8に出力する。
なお、専用のセンサにより各値を検出しても良い。すなわち、加速度センサにより前後加速度Yg及び横加速度Xgを検出し、ヨーレイトセンサによりヨーレイトφ´を検出しても良い。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
続いてステップS3において、ヨー角φfrontを算出する。具体的には、撮像部13が検出した遠方に延びる白線に対する自車両のヨー角φfrontを算出する。
φfront=tan−1(V/dX´(=dY/dX)) ・・・(2)
ここで、dXは、横変位Xの単位時間当たりの変化量であり、dYは、単位時間当たりの進行方向の変化量であり、dX´は、前記変化量dXの微分値である。
Xs=Tt・V・(φfront+Tt・V・β)+Xfront ・・・(3)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間である。この車頭時間Ttに自車速Vを乗じると前方注視点距離になる。すなわち、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsになる。この(3)式によれば、ヨー角φfrontが大きくなるほど、推定横変位Xsが大きくなる。
Ms0=K1・K2・(|Xs|−XL)−ΔMd ・・・(4)
ここで、K1は車両諸元から決まる比例ゲインであり、K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図3はそのゲインK2の例を示す。図3に示すように、例えばゲインK2は、低速域で小さい値になり、車速Vがある値になると、車速Vの増加に対して減少し、その後ある車速Vに達すると大きい値で一定値となる。また、ΔMdは、後述のステップS9で運転者の運転操作状態に応じて設定されるヨーモーメント補正量である。
また、後述のステップS6で設定する逸脱判断フラグFoutがONの場合に基準ヨーモーメントMs0を前記(4)式により算出するものとし、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、基準ヨーモーメントMs0を0に設定する。
逸脱傾向判定用しきい値(横変位限界距離)XLは、一般的に車両が車線逸脱傾向にあると把握できる値であり、経験値、実験値等として得る。例えば、逸脱傾向判定用しきい値XLは、走行車線の境界線の位置を示す値であり、下記(5)式により算出される。
XL=(L−H)/2 ・・・(5)
ここで、Lは走行車線の車線幅(走行車線をなす白線間の幅)であり、Hは車両の幅である。車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理して得ている。
なお、逸脱傾向判定用しきい値XLは車線幅L内に設定されているが、車線の外側に設定されても良い。また、車線から車両の車輪が少なくとも1つ出た後に車線逸脱傾向ありと判断されるように、逸脱傾向判定用しきい値XLが設定されても良い。
また、逸脱判断フラグFoutをONに設定可能とする条件としては、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定した後に車両が逸脱状態でない状態((|Xs|<XL)又は(|Xfront|<XL))となった場合とする。また、逸脱判断フラグFoutをONに設定可能とする条件として、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定した後、所定時間経過した後とするなどの、時間的な条件を加えることもできる。
なお、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)又はビークルダイナミックスコントロール(VDC)が作動している場合には、車線逸脱防止制御を作動させないようにするために、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定しても良い。
前記ステップS6による逸脱傾向の判定に基づけば、自車両が走行車線に戻ったり、自車両が運転者の意思で車線変更したりすることで、車線逸脱傾向が解消するとされており(Fout=OFF)、これにより、車線逸脱防止制御を終了、すなわち自車両へのヨーモーメントの出力(付与)が終了するようになっている。このステップS7では、このような逸脱傾向の判定とは別に、走行車線における自車両の横変位量が所定量以上になった場合、車線逸脱防止制御の終了タイミングと判定する。具体的には、先ず、ヨーモーメントの出力の終了(終了位置)を判定するための出力終了判定用しきい値Xendを設定する。続いて、実際の横変位Xfrontが出力終了判定用しきい値Xend以上の場合(|Xfront|≧Xend)、車線逸脱防止制御の終了タイミングになったと判定して、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定する。
自車両101が図5に示す逸脱傾向判定用しきい値XL(白線102位置又はその白線102近傍)を越えると車線逸脱防止制御が開始されるようになり(自車両101にヨーモーメントが付与されて)、さらに自車両101が図5に示す出力終了判定用しきい値Xendに到達すると、該車線逸脱防止制御が終了するようになる(自車両101へのヨーモーメントの付与を終了する)。よって、出力終了判定用しきい値Xendから逸脱傾向判定用しきい値XLを減算した値ls_w_LMT(=Xend−XL)が車線逸脱防止制御の制御範囲になる。
続いてステップS8において、最終的に制御指令値として用いる目標ヨーモーメントを設定する。
このステップS8では、このようなヨーモーメントの出力形態にすることを前提として、前記ステップS5で算出した基準ヨーモーメントMs0に対するリミッタ処理をして目標ヨーモーメントMsを算出している。このようなことから、先ず、リミッタ処理するためのリミッタを既定値として設定する。
図6に示すように、基準ヨーモーメントMs0の増加側(制御始期又は制御前半の値)の増加割合を制限するリミッタとして増加側変化量リミッタLupを設定し、基準ヨーモーメントMs0の最大値(制御中盤の値)を制限するリミッタとして最大値リミッタLmaxを設定し、基準ヨーモーメントMs0の減少側(制御終期又は制御後半の値)の減少割合を制限するリミッタとして減少側変化量リミッタLdownを設定する。
図7は、これらリミッタLup、Lmax、Ldownで基準ヨーモーメントMs0を制限して得た結果、すなわち目標ヨーモーメントMsを示す。
なお、増加側変化量リミッタLupが小さくなると、目標ヨーモーメントMsの増加側の傾き(増加割合)は小さくなり、減少側変化量リミッタLdownが小さくなると、目標ヨーモーメントMsの減少側の傾き(減少割合)は小さくなる。
図8に示すように、処理を開始すると、先ずステップS21において、車線逸脱状態になっているか否かを判定する。具体的には、前記ステップS6で設定した逸脱判断フラグFoutがOFFからONに変化したか否かを判定する。ここで、車線逸脱状態であると判定するまで該ステップS21の処理を繰り返し、車線逸脱状態であると判定した場合、ステップS22に進む。
続いてステップS23において、車線逸脱状態になっていると判定している間(逸脱中)の舵角δと基準舵角δlatchとを比較して、操舵(転舵)方向が元の車線(逸脱回避後に自車両が戻る車線)側か否かを判定する。ここで、操舵方向が元の車線側の場合、ステップS24に進み、そうでない場合(操舵方向が車線逸脱方向の車線側(車線変更側)の場合)、ステップS25に進む。
ステップS25では、切り増し操舵量Δδを算出する。具体的には、現在の舵角δと基準舵角δlatchとを比較して、基準舵角δlatchを基準として車線逸脱方向の車線側(車線変更側)に操舵(切り増し)が発生している場合、下記(6)式により切り増し操舵量Δδを算出する。
Δδ=|δlatch−δ| ・・・(6)
続いてステップS26において、前記ステップS25で切り増し操舵量Δδを算出した場合には、その切り増し操舵量Δδに基づいてヨーモーメント補正量ΔMdを算出する。
なお、逸脱判断フラグFoutがONの場合、すなわち、目標ヨーモーメントMsの絶対値|Ms|が0よりも大きい場合、車線逸脱防止制御として自車両へのヨーモーメント(目標ヨーモーメントMs)の付与を開始するから、この自車両へのヨーモーメントの付与と同時に該警報出力がされる。しかし、警報の出力タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、前記ヨーモーメント付与の開始タイミングよりも早くても良い。
逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、すなわち、目標ヨーモーメントMsが0の場合(車線逸脱防止制御を実施しない場合)、下記(7)式及び(8)式に示すように、各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動液圧Pmf,Pmrにする。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(7)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(8)
ここで、Pmfは前輪用の制動液圧である。また、Pmrは後輪用の制動液圧であり、前後配分を考慮して前輪用の制動液圧Pmfに基づいて算出した値になる。例えば、運転者がブレーキ操作をしていれば、制動液圧Pmf,Pmrはそのブレーキ操作の操作量(マスタシリンダ液圧Pm)に応じた値になる。
ΔPsf=2・Kbf・(Ms・FRratio)/T ・・・(9)
ΔPsr=2・Kbr・(Ms・(1−FRratio))/T ・・・(10)
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(11)
Psfl=Pmf+ΔPsf
Psfr=Pmf
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
・・・(12)
この(11)式及び(12)式によれば、車線逸脱回避側の車輪の制動力が大きくなるように、左右輪の制動力差が発生する。
また、ここでは、(11)式及び(12)式が示すように、運転者によるブレーキ操作、すなわち制動液圧Pmf,Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。そして、制駆動力コントロールユニット8は、このようにして算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する。
動作は次のようになる。
車両走行中、各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、ヨー角及び車速Vを算出する(前記ステップS2、ステップS3)。続いて、推定横変位(逸脱推定値)Xsを算出して(前記ステップS4)、算出した推定横変位Xsに基づいて車線逸脱傾向の判定(逸脱判断フラグFoutの設定)を行うとともに、その車線逸脱傾向の判定結果(逸脱判断フラグFout)を、運転者の車線変更の意思に基づいて修正する(前記ステップS6)。
ここで、車線逸脱後に生じた切り増し操舵量Δδに基づいて、ヨーモーメント補正量ΔMdを算出しており(前記ステップS9)、算出したヨーモーメント補正量ΔMdにより基準ヨーモーメントMs0を補正する(前記ステップS5)。
次に作用及び効果を説明する。
車線逸脱開始時(車線逸脱判定開始時)の舵角δを基準舵角δlatchの初期値として設定するとともに、その設定した基準舵角δlatchと現在(各サンプリング処理時)の舵角δとを比較して、操舵方向が元の車線側の場合、該現在の舵角δにより基準舵角δlatchを更新している(前記ステップS21〜ステップS24)。そして、現在(各サンプリング処理時)の舵角δと基準舵角δlatchとを比較して、車線逸脱方向の車線側(車線変更側)に操舵(切り増し)が発生している場合、切り増し操舵量Δδを算出し、算出した切り増し操舵量Δδに基づいて、ヨーモーメント補正量ΔMdを設定している(前記ステップS25、ステップS26)。
これにより、車線逸脱防止制御の実施によりトルクステアが発生し(左右輪に制動力差を発生させることに起因して発生し)、そのトルクステアにより運転者の意図した操舵方向(車線変更側)と反対方向に操舵(転舵)が発生する場合には、該トルクステアによる操舵により(元の車線側に)基準舵角δlatchが更新されていくようになる。
同図(a)に示すように、本発明を適用した場合、車線逸脱防止制御後、車線逸脱回避方向に舵角(トルクステア起因の舵角)が発生するが、該舵角δにより基準舵角δlatchが更新されていくことで、運転者が切り増し操舵すると、その操舵開始タイミングから、車線逸脱防止制御が抑制され始めるようになる。
なお、前記実施形態を次のような構成により実現することもできる。
よって、目標ヨーモーメントMsが大きくなるほど、基準舵角δlatchを車線逸脱回避方向に補正することで、基準舵角δlatchは、車線逸脱防止制御の実施により発生するトルクステアにより変化する舵角が加味された値となり、運転者による操舵操作の検出のためのしきい値として適切な値になる。
次に第2の実施形態を説明する。
(構成)
第2の実施形態は、前記第1の実施形態と同様に、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。
第2の実施形態では、運転者により修正操舵が加わり易くなる走行環境にある場合に、それを考慮してヨーモーメント補正量ΔMdを算出する。ここで、修正操舵とは、運転者が自車両の走行状態の維持のためにする操舵、又は操舵の外乱を修正するための操舵であり、本実施形態では、前記車線変更の際の切り増し操舵とは別個の操舵である。
図13に示すように、処理を開始すると、先ずステップS31において、走行環境に基づいて修正操舵指標を設定する。具体的には、車輪速のばらつき度合い(増減の変動度合い)に基づいて、修正操舵指標を設定する。
続いてステップS32において、前記ステップS31で設定した修正操舵指標Drに基づいて、補正用ゲイン(補正係数)を設定する。
ΔMd=Kd・ΔMd ・・・(13)
ここで、右辺(補正前)のΔMdは、前記第1の実施形態(前記ステップS26)と同様に、切り増し操舵量Δδに基づいて算出される値である。
次に動作、作用及び効果を説明する。
特に第2の実施形態では、車輪速のばらつき度合いが高くなるほど、修正操舵指標Drは大きくなり(前記ステップS31、前記図14)、その修正操舵指標Drが大きくなるほど、補正ゲインKdは小さくなる(前記ステップS32、前記図15)。そして、補正ゲインKdが小さくなるほど、ヨーモーメント補正量ΔMdは小さくなる(前記ステップS33、前記(13)式)。
すなわち、前記第2の実施形態では、車輪速のばらつき度合いに基づいて、走行路表面の凹凸を検出(予測)又は修正操舵指標Drを設定している。これに対して、撮像部13により認識される白線が離散的である場合(例えばボッツドッツを認識しているような場合)、走行路表面に凹凸があるものとし、修正操舵指標Drを設定(大きい値に設定)することもできる。
これにより、車速Vが小さい場合、運転者による修正操舵が加わりやすいとして、修正操舵指標Drを大きくすることで、ヨーモーメント補正量ΔMdを小さくし、基準ヨーモーメントMs0の補正量を少なくしている。これにより、車線逸脱防止制御中の低速走行に起因する運転者の修正操舵を運転者による切り増し操舵として検出してしまうのを防止することができる。
また、以上のように具体的に挙げた自車両が走行する路面表面状態、走行路形状及び自車両の走行状態以外の値、例えば横加速度そのものに基づいて、修正操舵指標Drを設定することもできる。
Claims (2)
- 車両の横変位に関する逸脱傾向判定用しきい値と、前記逸脱判定用しきい値よりも車線幅方向外側に設定された出力終了判定用しきい値との間を制御範囲とし、前記車両の横変位と前記逸脱傾向判定用しきい値との偏差に基づき、車線逸脱傾向を回避させるために車両に発生させるヨーモーメントの目標値である目標ヨーモーメントを設定し、その目標ヨーモーメントが自車両に連続的に逐次付与されるように左右輪に制動力差を発生させることで、制御により車両に発生するヨーモーメントを徐々に増加させた後に徐々に減少させる車線逸脱防止制御を行う制御手段と、
運転者の操舵状態を示す値として運転者の操舵操作による操舵角を検出する操舵状態検出手段と、
前記車両の横変位が前記逸脱傾向判定用しきい値に達したときの前記操舵角を所定のしきい値である基準舵角として記憶し、操舵角が前記基準舵角から所定舵角以上切り増しされた場合には、その切り増しの大きさに応じた補正量で、前記目標ヨーモーメントを減少方向に補正する制御内容変更手段と、
を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 前記制御範囲にあるときの操舵角と基準舵角とを比較することでそのときの操舵方向が元の車線に戻る方向か否かを判定し、その判定が元の車線に戻る方向の場合には、現在の操舵角で前記基準舵角を更新するしきい値補正手段をさらに備えた請求項1記載の車線逸脱防止装置。
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