JP4834331B2 - 摩擦伝動ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ローエッジ型の摩擦伝動ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置に関する。
自動車のエンジンに取り付けられたクランクプーリを駆動プーリとした補機駆動用ベルト伝動装置には、一般的に動力伝動用ベルトとしてVリブドベルトが用いられている。
例えば、特許文献1には、ベルト長手方向に沿って心線を埋設したゴム層と、そのゴム層に隣接してベルト長手方向に延びるリブ部を有するVリブドベルトであり、リブ部が短繊維を含まないゴム弾性体からなる内層と、短繊維を三次元的にランダムに配向させたゴム弾性体の外層からなり、外層の表面に存在する短繊維を起毛させた構成のものが開示されている。そして、これによれば、正確に成形したリブ部の外層に存在する短繊維を起毛させてベルト走行時の騒音を軽減することができる、と記載されている。
ところで、自動車の補機駆動用ベルト伝動装置では、エアコン用コンプレッサを駆動するためのエアコンプーリとして、マグネットクラッチによりON/OFF切替するものが主として用いられてきた。しかしながら、マグネットクラッチを用いたエアコンプーリでは、ON/OFF切替持に衝撃が発生し、それが車両の静粛性を損なうという問題があることから、近年、エアコンプーリとして、通常はトルク変動を吸収しながらコンプレッサに動力を伝達する一方、トルクが所定値以上となった場合にはリミッタが切れるように構成されたDL(Damping & Limiting)プーリが広く用いられるようになってきている。
DLプーリのエアコンプーリは、コンプレッサが焼き付く等してロックすると、Vリブドベルトがロックしたプーリ上をスリップし、伝達されるトルクが所定値以上となってリミッタが切れると共に無負荷状態で空回りするようになっている。そして、これによって、Vリブドベルトがロックしたプーリ上をスリップし続けて発熱により破損することが回避され、他の補機駆動が損なわれるのが防止されている。
特開2004−316787号公報
ところが、Vリブドベルトのエアコンプーリへの巻き付け角度が小さいプーリレイアウトであったり、Vリブドベルトに負荷される張力が低かったりすると、Vリブドベルトがロックしたプーリ上でスリップしてもリミッタを切るのに十分なトルクがDLプーリに作用せず、DLプーリの正常な機能が営まれない場合が想定される。そして、そのような場合、Vリブドベルトは、ロックしたプーリ上をスリップし続けると、発熱により破損に至ることとなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば、DLプーリがロックした場合に、そのリミッタを確実に切ることができる摩擦伝動ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、 所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリを備えたベルト伝動装置において、該複数のプーリに巻き掛けられる摩擦伝動ベルトであって、
ベルト本体の少なくとも上記DLプーリに接触するプーリ接触部分が、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維が混入されたエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていると共に、該プーリ接触部分の表面に露出した短繊維が該プーリ接触部分の表面から突出しており、
上記DLプーリが回転不能となって上記プーリ接触部分が該DLプーリ上をスリップすると、該プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の数が減ずることにより、該プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まることを特徴とする。
上記の構成によれば、プーリ接触部分が所定条件で回転不能に固定されたプーリ上をスリップすると、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維が切断され、また、プーリ接触部分が短繊維との接着性能、或いは、短繊維の保持性能の低いエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていることも相俟って短繊維が抜け、その数が減少し、プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まる。従って、例えば、DLプーリがロックしたような場合、プーリ接触部分がロックしたプーリ上をスリップして見掛けの動摩擦係数が高まることにより、ロックしたDLプーリに作用するトルクも高くなり、それによってDLプーリのリミッタを確実に切ることができる。ここで、見掛けの動摩擦係数とは、摩擦伝動ベルトのプーリへの楔効果により補正された動摩擦係数のことである。
上記の構成のようにするには、上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維を、固形分濃度が30質量%以下であるレゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液(以下、「RFL水溶液」という。)に浸漬した後に加熱する処理が施されたものとすればよい。
また、上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維を、その表面がレゾルシン・ホルマリン・ラテックス被膜(以下、「RFL被膜」という。)で被覆されていないものとしてもよい。この場合、RFL水溶液に浸漬した後に加熱する処理を施さなければよい。
そして、上記摩擦伝動ベルトにより、それを所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリに巻き掛けたベルト伝動装置を構成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、例えば、DLプーリがロックしたような場合、プーリ接触部分がロックしたDLプーリ上をスリップして見掛けの動摩擦係数が高まることにより、ロックしたDLプーリに作用するトルクも高くなり、それによってDLプーリのリミッタを確実に切ることができる。
(本発明の摩擦伝動ベルトの構成)
本発明の摩擦伝動ベルトは、ベルト本体の少なくともプーリ接触部分が、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維が混入されたエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されている。また、摩擦伝動ベルトは、プーリ接触部分の表面に露出した短繊維がプーリ接触部分の表面から突出している。そして、プーリ接触部分が所定条件で回転不能に固定されたプーリ上をスリップすると、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の数が減ずることにより、プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まるように構成されている。
このような摩擦伝動ベルトによれば、プーリ接触部分が所定条件で回転不能に固定されたプーリ上をスリップすると、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維が切断され、また、プーリ接触部分が短繊維との接着性能、或いは、短繊維の保持性能の低いエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていることも相俟って短繊維が抜け、その数が減少し、プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まる。従って、例えば、DLプーリがロックしたような場合、プーリ接触部分がロックしたプーリ上をスリップして見掛けの動摩擦係数が高まることにより、ロックしたDLプーリに作用するトルクも高くなり、それによってDLプーリのリミッタを確実に切ることができる。
ここで、摩擦伝動ベルトの見掛けの動摩擦係数とは、摩擦伝動ベルトのプーリへの楔効果により補正された動摩擦係数のことである。その求め方について図1に基づいて説明する(図1は、ベルト摩擦試験機の概略構成を示す)。
まず、摩擦伝動ベルトAから短冊状の試験片を切り出し、その中間部分を所定のプーリ径のプーリに掛け渡し、一端側を延ばして固定体22に取り付けられたロードセル23に止着する一方、他端に荷重24を吊す。このとき、摩擦伝動ベルトAの荷重24の吊り下げ側部分に加わる張力をTsとする。また、摩擦伝動ベルトAのプーリ21への巻付角度をθとする。
続いて、この状態で、摩擦伝動ベルトAのロードセル23への止着側部分に張力が加えられる方向(図1の反時計回り方向)にプーリ21を回転駆動させ、ロードセル23により摩擦伝動ベルトAのロードセル23への止着側部分加えられる張力を検知する。具体的には、摩擦伝動ベルトAの荷重24の吊り下げ側部分に加わる張力を一定のTsに保持しつつ、所定範囲の回転速度(滑り速度)でプーリ21を回転駆動させ、プーリ21上で摩擦伝動ベルトAが滑っているときのロードセル23の検知張力を読み取る。このとき、ロードセル23が検知する張力をTtとする。
そして、見掛けの動摩擦係数をμ’とすると、Eulerの式により、
exp(μ’θ)=Tt/Ts
が成立する。
これより、
μ’=ln(Tt/Ts)/θ
を求めることができる。
なお、測定に用いられるプーリ21の外径は、測定される摩擦伝動ベルトAに使用する最小径のプーリに近いプーリ径とするのがよく、例えば、平ベルトで50〜100mm、Vベルトで70〜100mm、そして、Vリブドベルトで50〜100mmである。また、プーリ21の周速は、例えば、平ベルトで10〜50mm/s、Vベルト及びVリブドベルトで100〜150mm/sである。この周速は、実用でのもの(20〜30m/s)に比べるとはるかに遅い。
上記のように見掛けの動摩擦係数が上昇する特性は、短繊維のベルト本体への接着性能、或いは、ベルト本体の短繊維の保持性能を低くする手段を短繊維側に施すことにより得ることができる。
例えば、プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維として、固形分濃度が30質量%以下であるRFL水溶液に浸漬した後に加熱する処理が施されたものを用いればよい。このように、固形分濃度の低いRFL水溶液で処理した短繊維を用いれば、短繊維の表面を被覆するRFL被膜の膜厚が薄くなり、短繊維のベルト本体に対する接着性能が低くなるので、プーリ接触部分がプーリ上をスリップした際に、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維が容易に脱落する。ここで、RFL水溶液の固形分濃度が30質量%よりも高くなると、短繊維の表面を被覆するRFL被膜の膜厚が厚くなって接着性能が高くなり、プーリ接触部分がプーリ上をスリップした際に、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の脱落が十分に起こらない。
また、プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維として、その表面がRFL被膜で被覆されていないものを用いればよい。このように、RFL被膜を付着させる処理が施されていない短繊維を用いれば、ベルト本体が短繊維を物理的に保持するだけであり、ベルト本体の短繊維の保持性能が低くなるので、プーリ接触部分がプーリ上をスリップした際に、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維が容易に脱落する。
本発明の摩擦伝動ベルトでは、プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維がナイロン短繊維であることが好ましい。このように、短繊維がナイロン短繊維であると、通常時には、ナイロン短繊維がプーリ接触部分のゴム部分よりも弾性率が高いので、プーリ接触部分の摩耗が進行してもゴム部分の方が優先して摩耗することにより、ナイロン短繊維のプーリ接触部分の表面からの突出した状態を維持できる一方、プーリ接触部分がプーリ上をスリップした際には、プーリ接触部分の表面から突出したナイロン短繊維が容易に切断し、プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数を早期に上昇させることができる。
本発明の摩擦伝動ベルトでは、プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維の繊維長が0.5〜5.0mmであることが好ましい。このように、短繊維の繊維長が0.5〜5.0mmであると、プーリ接触部分がプーリ上をスリップした際に、上記の見掛けの動摩擦係数の上昇がなされるように、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の脱落が適度になされる。ここで、繊維長が0.5mmよりも短くなると、通常走行時の短繊維の脱落が多くなり、プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が高くなって異音が発生する虞がある。一方、繊維長が5.0mmよりも長くなると、ゴム組成物の混練が困難となる。ここで、繊維長は、数平均である。
本発明の摩擦伝動ベルトでは、プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維の繊維径が10〜30μmであることが好ましい。このように、短繊維の繊維径が10〜30μmであると、プーリ接触部分がプーリ上をスリップした際に、上記の見掛けの動摩擦係数の上昇がなされるように、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の脱落が適度になされる。ここで、繊維径が10μmよりも小さくなると、通常走行時の短繊維の脱落が多くなり、プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が高くなって異音が発生する虞がある。一方、繊維径が30μmよりも大きくなると、ゴム組成物の混練が困難となる。
本発明の摩擦伝動ベルトでは、プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維の混入量がゴム組成物を構成する原料ゴムのエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して10〜30質量部であることが好ましい。ここで、短繊維の混入量が原料ゴム100質量部に対して10質量部よりも少ないと、プーリ接触部分の表面から突出する短繊維の数が少なくなるため、その見掛けの動摩擦係数が高くなるので、通常時にベルト走行に伴う異音が発生する虞がある。一方、短繊維の混入量が原料ゴム100質量部に対して30質量部よりも多いと、プーリ接触部分の表面から突出する短繊維の数が多いため、プーリ接触部分がプーリ上をスリップした際にプーリ接触部分の表面から突出した短繊維の切断に時間を要するので、プーリ接触部分の表面の動摩擦係数の高まりが緩やかで遅くなる。
本発明の摩擦伝動ベルトでは、上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物をカットした中心線平均粗さ(Ra)が1〜3μmのカット面の動摩擦係数が1.0±0.4であることが好ましい。このように、カット面の動摩擦係数が1.0±0.4と高い値であるということは、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維が無くなったときのプーリ接触部分表面の動摩擦係数が高い値であるということなので、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の数が減じた際の見掛けの動摩擦係数の上昇が急峻なものとなり、プーリ接触部分がプーリ上をスリップする期間が短期間となる。
ここで、摩擦伝動ベルトAの動摩擦係数は、図2に示すように、摩擦伝動ベルトAのプーリ接触部分13を、中心線平均粗さ(Ra)が1〜3μmであるカット面が露出するようにカットし、そのカット面に摩擦抵抗検知部材60を所定の力で圧接させると共に所定速度で一定時間だけ摺動させ、検知された摩擦抵抗力を圧接力で除すことにより求めることができる。
本発明の摩擦伝動ベルトでは、上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物を構成するエチレン−α−オレフィンエラストマーが重量平均分子量1.0×105以下のものを10〜60質量%含有することが好ましい。このように、プーリ接触部分のエチレン−α−オレフィンエラストマーが重量平均分子量1.0×105以下のものを10〜60質量%含有する場合にも、プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の数が減じた際の見掛けの動摩擦係数の上昇が急峻なものとなり、プーリ接触部分がプーリ上をスリップする期間が短期間となる。
本発明の摩擦伝動ベルトによれば、所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリと、本発明の摩擦伝動ベルトとを備え、プーリ接触部分がDLプーリに接触するように摩擦伝動ベルトが複数のプーリに巻き掛けられたベルト伝動装置を構成することができる。
本発明の摩擦伝動ベルトは、ローエッジ型のものであれば、特に限定されるものではなく、ベルト本体がプレーンVベルト本体やVリブドベルト本体やダブルVリブドベルト本体の他、コグドVベルト本体等であってもよい。但し、プーリとの接触面積が広くなるようにされたVリブドベルトやダブルVリブドベルトでは、DLプーリがロックしたときのスリップによる発熱が特に著しくなるので、本発明の作用効果が特に高いものとなる。
以下、本発明の摩擦伝動ベルトの具体例としてVリブドベルト及びダブルVリブドベルトについて図面に基づいてそれぞれ詳細に説明する。
(実施形態1)
図3は、本発明の実施形態に係るVリブドベルトBを示す。このVリブドベルトBは、ベルト周長600〜3000mm、ベルト幅10〜40mm、及び、ベルト厚み3.5〜5.5mmであって、例えば、自動車の補機駆動用ベルト伝動装置に用いられるものである。
このVリブドベルトBは、Vリブドベルト本体10と、Vリブドベルト本体10にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように埋設された心線16と、Vリブドベルト本体10の背面側を被覆するように設けられた背面補強布17と、を備えている。
Vリブドベルト本体10は、原料ゴムであるエチレン−α−オレフィンエラストマーに、カーボンブラックなどの充填材や可塑剤などのゴム配合薬品等が混入され、加熱及び加圧されて、そのうちの原料ゴム成分が有機過酸化物や硫黄によって架橋されたゴム組成物で形成されている。エチレン−α−オレフィンエラストマーは、例えば、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)やエチレン・プロピレン・ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、或いは、それらの混合物であるが、重量平均分子量が1.0×105以下のものを10〜60質量%含んでいるのが好適である。Vリブドベルト本体10は、心線16が埋設された接着ゴム層11と、接着ゴム層11の下側に設けられた圧縮ゴム層12と、が積層されて一体となった構成となっている。
接着ゴム層11は、心線16が埋設されて張力に抗する部分であって、帯状に形成されている。
圧縮ゴム層12は、ベルト内側のプーリに接触して直接的に動力を伝達する部分であって、プーリとの接触面積が広くなるように、ベルト長さ方向に延びる横断面略V字形状の突条のVリブ(プーリ接触部分)13がベルト幅方向に並列して形成されている。Vリブ13は、標準で、例えば、その数が3〜12であり(図3ではVリブ13が6のものを示している。)、高さが2.5mm、横断面のV角度が40°、及び、ピッチが3.56mmである。圧縮ゴム層12を形成するゴム組成物には、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維14が分散して混入されており、Vリブ13の表面に露出した短繊維14がVリブ13の表面から突出している。Vリブ13は、このように表面に露出した短繊維14が突出していることにより表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4に低減され、それによってベルト走行時の異音の発生を抑制している。
ここで、VリブドベルトBの見掛けの動摩擦係数とは、VリブドベルトBのリブプーリへの楔効果により補正された動摩擦係数のことである。その求め方についてVリブ13が3つのものを例として図1に基づいて具体的に説明する(図1は、ベルト摩擦試験機の概略構成を示す)。
まず、VリブドベルトBから短冊状の試験片を切り出し、その中間部分をプーリ径φがφ=60mmであるリブプーリ21に掛け渡し、一端側を水平方向に延ばして固定体22に取り付けられたロードセル23に止着する一方、他端に荷重24(17.15N)を吊す。これにより、VリブドベルトBのリブプーリ21との間の巻付角度θがθ=90°(π/2)になる。
続いて、この状態で、VリブドベルトBの水平部分に張力が加えられる方向(図1の反時計回り方向)にVリブドプーリ21を回転駆動させ、ロードセル23で検知した張力値を読み取る。具体的には、荷重24を17.15Nに一定化するとともに、電動モータにより0.05〜0.35m/secの範囲の回転速度(滑り速度)でリブプーリ21を回転駆動し、リブプーリ21上でVリブドベルトBが滑っているときのロードセル23で検知した張力値を読み取る。なお、「滑り速度」とは、VリブドベルトBとリブプーリ21との間のトルク伝達に伴って生じる両者間の相対的な回転速度の差であって、一般にエンジンの回転速度に一定の係数を乗算して設定される。
そして、ロードセル23の検知した張力値(N)から下記式に基づいて見掛けの動摩擦係数μ’を算出する。
μ’=2÷π×ln(ロードセル23の検知した張力値÷17.15)
圧縮ゴム層12を形成するゴム組成物に混入された短繊維14は、例えば、ナイロン短繊維、アラミド短繊維、綿短繊維等であるが、これらのうちナイロン短繊維であることが好ましい。また、短繊維14は、繊維長が0.5〜5.0mmであるのが好ましい。さらに、短繊維14は、繊維径が10〜30μmであるのが好ましい。また、短繊維14は、原料ゴムであるエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して10〜30質量部混入されていることが好ましい。
短繊維14は、未加硫ゴム組成物の混練の前に表面にゴム用接着剤としてのRFL被膜を僅かに付着させる処理が施されたもの、或いは、そのような処理が施されずに表面にRFL被膜が付着していないものが用いられている。これによって、短繊維14のVリブドベルト本体10に対する接着性能、或いは、Vリブドベルト本体10の短繊維14の保持性能が低くされている。
前者の場合には、短繊維14は、ヤーン状態の繊維束を長手方向に所定ピッチでカットすることによって製造されるが、そのカット前のヤーン状態又はカット後に、固形分濃度が30質量%以下であるRFL水溶液に浸漬した後に加熱する処理が施されることにより表面がRFL被膜で被覆される。ここで、RFL水溶液は、レゾルシン及びホルムアルデヒドの初期縮合物とラテックスとの混合水溶液である。なお、レゾルシン及びホルムアルデヒドの初期縮合物は、レゾルシンとホルマリン(37質量%のホルムアルデヒド水溶液)とを混合することにより得られる。ラテックスは、例えば、ゴム接着性能の優れるビニルピリジンとスチレンとブタジエンとのゴム状共重合体(JIS K 6397による分類でPSBR)のラテックス等である。RFL被膜は、RFL水溶液が付着した繊維を加熱することにより、RFL水溶液の水分が飛散すると共にレゾルシン及びホルムアルデヒドの初期縮合物の縮合反応が進行し、繊維表面を被覆するように形成される。
圧縮ゴム層12のVリブ13を形成するゴム組成物をカットした中心線平均粗さ(Ra)が1〜3μmのカット面の動摩擦係数が1.0±0.4であることが好ましい。
ここで、VリブドベルトBの上記動摩擦係数の求め方についてVリブ13が3つのものを例として図2に基づいて具体的に説明する。
まず、VリブドベルトBを伝動面と平行にカットして、Vリブ13に中心線平均粗さ(Ra)が1〜3μmであるカット面を露出させる。
続いて、そのカット面に、円錐台形状のSUS304製の摩擦抵抗検知部材60の尖頭側を0.11MPa(直径1.5mmの円形の接触面から0.196Nの圧接力を負荷)の圧力で当接させると共に毎分25mmの速度で30秒間だけ摺動させる。
そして、摩擦抵抗検知部材60に接続したロードセル(例えば、ヘイドン型磨耗係数測定機を用いる。)で検知した摩擦抵抗力を摩擦抵抗検知部材60に負荷された圧接力で除すことにより算出する。
心線16は、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)やポリエチレンナフタレート繊維(PEN)の撚り糸であって、例えば、トータル4000〜8000dtexのヤーンを所定の撚り係数で一方向にZ撚り又はS撚りした片撚り糸やトータル2000〜3000dtexのヤーンを所定の撚り係数で一方向にZ撚り又はS撚りに下撚りした下撚り糸を複数本集めて下撚りと同一の撚り係数で下撚りとは逆方向に上撚りした諸撚り糸で構成されている。心線16を構成する撚り糸には、Vリブドベルト本体10に対する接着性能を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬した後に延伸して加熱する延伸熱固定処理及びゴム糊に浸漬した後に乾燥させる処理が施されている。
背面補強布17は、ナイロン繊維や綿やポリエステル繊維(PET)の布であって、例えば、経糸及び緯糸からなる平織り等の織布で構成されている。背面補強布17を構成する布には、Vリブドベルト本体10に対する接着性能を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬して加熱する処理及びVリブドベルト本体10側となる表面にゴム糊をコーティングして乾燥させる処理が施されている。
以上のような構成のVリブドベルトBでは、Vリブ13が所定条件で回転不能に固定されたプーリ上をスリップすると、Vリブ13の表面から突出した短繊維14が切断され、また、Vリブ13が短繊維14との接着性能、或いは、短繊維14の保持性能の低いエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていることに加え、短繊維14側からしても、短繊維14のVリブドベルト本体10への接着性能、或いは、Vリブドベルト本体10の短繊維14の保持性能が低いために短繊維14が抜け、Vリブ13の表面から突出した短繊維14の数が減じ、Vリブ13の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まる。従って、例えば、DLプーリがロックしたような場合、Vリブ13がロックしたプーリ上をスリップして見掛けの動摩擦係数が高まることにより、ロックしたDLプーリに作用するトルクも高くなり、それによってDLプーリのリミッタを確実に切ることができる。
また、短繊維14の繊維長が0.5〜5.0mm、繊維径が10〜30μmであれば、Vリブ13がプーリ上をスリップした際に、上記の見掛けの動摩擦係数の上昇がなされるよう、Vリブ13の表面から突出した短繊維14の脱落が適度になされる。
さらに、圧縮ゴム層12のVリブ13を形成するゴム組成物をカットした中心線平均粗さ(Ra)が3.0のカット面の動摩擦係数が1.0±0.4であれば、圧縮ゴム層12のVリブ13の表面から突出した短繊維が無くなったときの表面の動摩擦係数が高いということになるので、Vリブ13の表面から突出した短繊維14の数が減じた際の見掛けの動摩擦係数の上昇が急峻なものとなり、Vリブ13がプーリ上をスリップする期間を短期間とすることができる。同様の作用効果は、Vリブ13を形成するゴム組成物を構成する原料ゴムのエチレン−α−オレフィンエラストマーが重量平均分子量1.0×105以下のものを10〜60質量%含有する場合にも奏される。
また、短繊維14がナイロン短繊維14であれば、通常時には、ナイロン短繊維14がVリブ13のゴム部分よりも弾性率が高いので、Vリブ13の摩耗が進行してもゴム部分の方が優先して摩耗することにより、ナイロン短繊維14のVリブ13の表面からの突出した状態を維持できる一方、Vリブ13がプーリ上をスリップした際には、Vリブ13の表面から突出したナイロン短繊維14が容易に切断し、Vリブ13の表面の見掛けの動摩擦係数を早期に上昇させることができる。

次に、上記のVリブドベルトBの製造方法を、図4に基づいて説明する。
VリブドベルトBの製造では、外周に、ベルト背面を所定形状に形成する成形面を有する円筒状の内金型と、内周に、ベルト内面を所定形状に形成する成形面を有するゴムスリーブとを用いる。
まず、内金型の外周を背面補強布17となる布17’で被覆した後、その上に、接着ゴム層11の背面側部分11bを形成するための未架橋ゴムシート11b’を巻き付ける。
次いで、その上に、心線16となる撚り糸16’をスパイラル状に巻き付けた後、その上に、接着ゴム層11の内面側部分11aを形成するための未架橋ゴムシート11a’を巻き付け、さらにその上に、圧縮ゴム層12を形成するための未架橋ゴムシート12’を巻き付ける。このとき、圧縮ゴム層12を形成するための未架橋ゴムシート12’として、エチレン−α−オレフィンエラストマーを原料ゴムとして短繊維14等を配合した未加硫ゴム組成物を混練し、それをカレンダロールでシート状に成形したものを用いる。カレンダロールによるシート成形では短繊維14が引き出し方向に配向するが、未架橋ゴムシート12’の巻き付けの際には、短繊維14の配向方向が周方向と直交するようにする。また、短繊維14として、混練の前に表面にゴム用接着剤としてのRFL被膜を僅かに付着させる処理が施されたもの、或いは、そのような処理が施されずに表面にRFL被膜が付着していないものを用いる。なお、各未架橋ゴムシート11b’,11a’,12’を巻き付ける際には、それぞれ、巻付方向両端部同士は、重ね合わせないで突付けとする。
しかる後、内金型上の成形体にゴムスリーブを套嵌してそれを成形釜にセットし、内金型を高熱の水蒸気などにより加熱すると共に、高圧をかけてゴムスリーブを半径方向内方に押圧する。このとき、ゴム成分が流動すると共に架橋反応が進行し、撚り糸16’及び織布17’のゴムへの接着反応も進行する。そして、これによって、筒状のベルトスラブが成形される。
そして、内金型からベルトスラブを取り外し、それを長さ方向に数個に分割した後、それぞれの外周を研磨してVリブ13を形成する。
最後に、分割されて外周にVリブ13が形成されたベルトスラブを所定幅に幅切りし、それぞれの表裏を裏返すことによりVリブドベルトBが得られる。
次に、上記のVリブドベルトBを用いた自動車の補機駆動用ベルト伝動装置について説明する。
図5は、補機駆動用ベルト伝動装置40のレイアウトを示す。
この補機駆動用ベルト伝動装置40のレイアウトは、最上位置のオルタネータプーリ41と、オルタネータプーリ41の左斜め下方に配置されたクランクシャフトプーリ42と、クランクシャフトプーリ42の右方に配置されたエアコンプーリ43と、エアコンプーリ43の左斜め上方及びオルタネータプーリ41の左斜め下方に配置されたウォーターポンププーリ44と、により構成されている。これらのうち、平プーリであるウォーターポンププーリ44以外は全てVリブプーリである。そして、エアコンプーリ43は、通常はトルク変動を吸収しながらコンプレッサに動力を伝達する一方、トルクが所定値以上となった場合にはリミッタが切れるように構成されたDL(Damping & Limiting)プーリである。VリブドベルトBは、Vリブ13側が接触するようにオルタネータプーリ41に巻き掛けられ、次いで、Vリブ13側が接触するようにクランクシャフトプーリ42及びエアコンプーリ43に順に巻き掛けられ、さらに、ベルト背面が接触するようにウォーターポンププーリ44に巻き掛けられ、最後にオルタネータプーリ41に戻るように設けられている。
この補機駆動用ベルト伝動装置40では、例えば、コンプレッサが焼き付く等してDLプーリであるエアコンプーリ43がロックした場合、VリブドベルトBのVリブ13がロックしたエアコンプーリ43上をスリップする。そして、それによってVリブ13の表面から突出した短繊維14が切断され、また、Vリブ13が短繊維14との接着性能、或いは、短繊維14の保持性能の低いエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていることに加え、短繊維14側からしても、短繊維14のVリブドベルト本体10に対する接着性能、或いは、Vリブドベルト本体10の短繊維14の保持性能が低いために短繊維14が抜け、Vリブ13の表面から突出した短繊維14の数が減じる。その結果、Vリブ13の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まって、ロックしたエアコンプーリ43に作用するトルクも高くなり、それによってエアコンプーリ43のリミッタが確実に切れる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態に係るダブルVリブドベルトCを示す。このダブルVリブドベルトCは、ベルト周長600〜3000mm、ベルト幅10〜40mm、及び、ベルト厚み5.0〜8.0mmであって、例えば、自動車の補機駆動用ベルト伝動装置に用いられるものである。
このダブルVリブドベルトCは、ダブルVリブドベルト本体50と、ダブルVリブドベルト本体50にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように埋設された心線56と、を備えている。
ダブルVリブドベルト本体50は、エチレン−α−オレフィンエラストマーを原料ゴムとし、それにカーボンブラックなどの充填材や可塑剤などのゴム配合薬品等が混入され、加熱及び加圧されて、そのうちの原料ゴム成分が有機過酸化物や硫黄によって架橋されたゴム組成物で形成されている。ダブルVリブドベルト本体50は、心線56が埋設された接着ゴム層51と、接着ゴム層51の上側に設けられた上側圧縮ゴム層52aと、接着ゴム層51の下側に設けられた下側圧縮ゴム層52bと、が積層されて一体となった構成となっている。
接着ゴム層51は、心線56が埋設されて張力に抗する部分であって、帯状に形成されている。
上側及び下側圧縮ゴム層52a,52bのそれぞれは、ベルト外側のプーリに接触して直接的に動力を伝達する部分であって、プーリとの接触面積が広くなるように、ベルト長さ方向に延びる横断面略V字形状の突条のVリブ(プーリ接触部分)53がベルト幅方向に並列して形成されている。Vリブ53は、標準で、その数が3〜12であり(図6ではVリブ53が6のものを示している。)、高さが2.5mm、横断面のV角度が40°、及び、ピッチが3.56mmである。圧縮ゴム層52を形成するゴム組成物には、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維54が分散して混入されており、Vリブ53の表面に露出した短繊維54がVリブ53の表面から突出している。
心線56その他の構成は実施形態1と同一である。
また、このダブルVリブドベルトCは、内金型の外周に、下側圧縮ゴム層52aを形成するための未架橋ゴムシート、接着ゴム層51の内面側部分を形成するための未架橋ゴムシートを順に巻き付け、その上に、心線56となる撚り糸をスパイラル状に巻き付けた後、さらにその上に、接着ゴム層51の外面側部分を形成するための未架橋ゴムシート、上側圧縮ゴム層52bを形成するための未架橋ゴムシートを順に巻き付けた成形体によりベルトスラブを作製し、その内周及び外周のそれぞれにVリブ53を形成することにより製造することができる。
以上のような構成のダブルVリブドベルトCでは、Vリブ53が所定条件で回転不能に固定されたプーリ上をスリップすると、Vリブ53の表面から突出した短繊維54が切断され、また、Vリブ53が短繊維54との接着性能、或いは、短繊維54の保持性能の低いエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていることに加え、短繊維54側からしても、短繊維54のダブルVリブドベルト本体50への接着性能、或いは、ダブルVリブドベルト本体50の短繊維54の保持性能が低いために短繊維54が抜け、Vリブ53の表面から突出した短繊維54の数が減じ、Vリブ53の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まる。従って、例えば、DLプーリがロックしたような場合、Vリブ53がロックしたプーリ上をスリップして見掛けの動摩擦係数が高まることにより、ロックしたDLプーリに作用するトルクも高くなり、それによってDLプーリのリミッタを確実に切ることができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態1では、ベルト本体をVリブドベルト本体10、条規実施形態2では、ベルト本体をダブルVリブドベルト本体50としたが、特にこれらに限定されるものではなく、ベルト本体がローエッジ型のものであれば、プレーンVベルト本体やコグドVベルト本体であってもよい。
以上説明したように、本発明は、ローエッジ型の摩擦伝動ベルト及びそれを用いたベルト伝動装置について有用である。
ベルト摩擦試験機の概略構成を示す図である。 動摩擦係数の測定方法についての説明図である。 実施形態1のVリブドベルトの斜視図である。 実施形態1のVリブドベルトの製造方法の説明図である。 実施形態1のベルト伝動装置のプーリレイアウトを示す図である。 実施形態2のダブルVリブドベルトの斜視図である。
符号の説明
A 摩擦伝動ベルト
B Vリブドベルト
C ダブルVリブドベルト
10,50 (ダブル)Vリブドベルト本体
11,51 接着ゴム層
11a’,11b’,12’ 未架橋ゴムシート
12,52a,52b (上側、下側)圧縮ゴム層
13,53 Vリブ(プーリ接触部分)
14,54 短繊維
16,56 心線
16’ 撚り糸
17 背面補強布
17’ 布
21 リブプーリ
22 固定体
23 ロードセル
24 荷重
40 ベルト伝動装置
41 オルタネータプーリ
42 クランクシャフトプーリ
43 エアコンプーリ
44 ウォーターポンププーリ
60 摩擦抵抗検知部材

Claims (15)

  1. 所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリを備えたベルト伝動装置において、該複数のプーリに巻き掛けられる摩擦伝動ベルトであって、
    ベルト本体の少なくとも上記DLプーリに接触するプーリ接触部分が、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維が混入されたエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていると共に、該プーリ接触部分の表面に露出した短繊維が該プーリ接触部分の表面から突出しており、
    上記DLプーリが回転不能となって上記プーリ接触部分が該DLプーリ上をスリップすると、該プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の数が減ずることにより、該プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  2. 所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリを備えたベルト伝動装置において、該複数のプーリに巻き掛けられる摩擦伝動ベルトであって、
    ベルト本体の少なくとも上記DLプーリに接触するプーリ接触部分が、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維が混入されたエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていると共に、該プーリ接触部分の表面に露出した短繊維が該プーリ接触部分の表面から突出しており、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維は、固形分濃度が30質量%以下であるレゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液に浸漬した後に加熱する処理が施されていることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  3. 所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリを備えたベルト伝動装置において、該複数のプーリに巻き掛けられる摩擦伝動ベルトであって、
    ベルト本体の少なくとも上記DLプーリに接触するプーリ接触部分が、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維が混入されたエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていると共に、該プーリ接触部分の表面に露出した短繊維が該プーリ接触部分の表面から突出しており、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維は、その表面がレゾルシン・ホルマリン・ラテックス被膜で被覆されていないことを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維がナイロン短繊維であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維は、繊維長が0.5〜5mmであることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維は、繊維径が10〜30μmであることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維は、その混入量が該ゴム組成物を構成する原料ゴムのエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して10〜30質量部であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  8. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物をカットした中心線平均粗さ(Ra)が1〜3μmのカット面の動摩擦係数が1.0±0.4であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  9. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物を構成するエチレン−α−オレフィンエラストマーは、重量平均分子量が1.0×10以下のものを10〜60質量%含有することを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  10. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記ベルト本体は、ベルト内側に、各々がベルト長さ方向に延びるように形成された複数のVリブがベルト幅方向に並ぶように配設されたVリブドベルト本体であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  11. 請求項1乃至3のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記ベルト本体は、ベルト内側及び外側のそれぞれに、各々がベルト長さ方向に延びるように形成された複数のVリブがベルト幅方向に並ぶように配設されたダブルVリブドベルト本体であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  12. 請求項2又は3に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    上記プーリ接触部分が所定条件で回転不能に固定されたプーリ上をスリップすると、該プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の数が減ずることにより、該プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  13. 所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリと、
    ベルト本体の少なくともプーリ接触部分が、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維が混入されたエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていると共に、該プーリ接触部分の表面に露出した短繊維が該プーリ接触部分の表面から突出した摩擦伝動ベルトと、
    を備え、上記プーリ接触部分が上記DLプーリに接触するように上記摩擦伝動ベルトが上記複数のプーリに巻き掛けられたベルト伝動装置であって、
    上記摩擦伝動ベルトは、上記DLプーリが回転不能となって上記プーリ接触部分が該DLプーリ上をスリップすると、該プーリ接触部分の表面から突出した短繊維の数が減ずることにより、該プーリ接触部分の表面の見掛けの動摩擦係数が0.9±0.4から2.0±0.5に高まることを特徴とするベルト伝動装置。
  14. 所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリと、
    ベルト本体の少なくともプーリ接触部分が、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維が混入されたエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていると共に、該プーリ接触部分の表面に露出した短繊維が該プーリ接触部分の表面から突出した摩擦伝動ベルトと、
    を備え、上記プーリ接触部分が上記DLプーリに接触するように上記摩擦伝動ベルトが上記複数のプーリに巻き掛けられたベルト伝動装置であって、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維は、固形分濃度が30質量%以下であるレゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液に浸漬した後に加熱する処理が施されていることを特徴とするベルト伝動装置。
  15. 所定値以上のトルクが作用したときにリミッタが切れて空回りするように構成されたDLプーリを含む複数のプーリと、
    ベルト本体の少なくともプーリ接触部分が、ベルト幅方向に配向した多数の短繊維が混入されたエチレン−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物で形成されていると共に、該プーリ接触部分の表面に露出した短繊維が該プーリ接触部分の表面から突出した摩擦伝動ベルトと、
    を備え、上記プーリ接触部分が上記DLプーリに接触するように上記摩擦伝動ベルトが上記複数のプーリに巻き掛けられたベルト伝動装置であって、
    上記プーリ接触部分を形成するゴム組成物の短繊維は、その表面がレゾルシン・ホルマリン・ラテックス被膜で被覆されていないことを特徴とするベルト伝動装置
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