JP2007198485A - Vリブドベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】Vリブドベルトの耐久性能を向上させるとともに、ミスアライメントノイズを低減させる。
【解決手段】Vリブドベルト10は、接着ゴム層12と、接着ゴム層12の上面に貼付される帆布13と、接着ゴム層12の下面に接着ゴム層12と一体に形成された下ゴム層14を備える。接着ゴム層12には、ベルトの長手方向に延びる心線11を埋設する。接着ゴム層12は、心線11を境に接着ゴム層12の上側を構成する上部層12Aと、下側を構成する下部層12Bとを有する。下部層12Bには、無数の第1の短繊維21を略均等に混入する。第1の短繊維21はベルトの幅方向に配向する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のエンジン、一般産業用等に使用されるVリブドベルトに関する。
自動車のエンジンにおいて、補機に動力を伝達するベルトとしてVリブドベルトが使用されることが知られている。例えばハイブリットエンジンの場合、エンジンの回転変動が非常に大きいので特に騒音が発生しやすくなるので、上記Vリブドベルトには高い耐騒音性能が要求される。
従来、耐騒音性能を高めるために、プーリとベルトの接触面となる下ゴム層に短繊維を混入させ、接触面の摩擦係数を低下させ騒音を防止することが知られている。しかし、下ゴム層に短繊維を混入したとしても、ベルトの横剛性は充分ではなく、エンジンのレイアウトによってはベルトの横剛性不足に起因するいわゆるミスアライメントノイズが発生する場合がある。
また、ハイブリットエンジンのように回転変動が大きいエンジンの場合、エンジンのレイアウトによってはベルトの縦方向の剛性不足に起因するスパン振動が生じやすい場合がある。スパン振動は、ベルトに発熱を生じさせ耐久性を低下させるとともに、騒音発生の原因ともなる。さらにVリブドベルトが補機に使用される場合、Vリブドベルトには高い負荷が作用されるのでVリブドベルトには高負荷耐久性能が要求される。
特許文献1に記載のVリブドベルトにおいては、ベルトの長手方向の亀裂を防止するために、接着ゴム層内にベルトの幅方向に複数のモノフィラメントを並列させて埋設させることが知られている。
特開平7−269658号公報
しかし、特許文献1のベルトにおいては、長手方向の亀裂を防止することはできるが、ベルトの横剛性又は縦剛性を充分に高められるわけではなく、スパン振動やミスアライメントノイズを適切に防止できるわけではない。また、モノフィラメントを接着ゴム層に並列させて埋設させることは通常のベルト製造工程においては困難で、特許文献1に記載のVリブドベルトを量産化することは困難である。
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、通常の製造工程において生産可能なVリブドベルトであって、高負荷耐久性能を有し、かつミスアライメントノイズやスパン振動を有効に防止することができるVリブドベルトを提供することを目的とする。
本発明に係るVリブドベルトは、心線がベルトの長手方向に埋設された接着ゴム層と、
接着ゴム層の上面に貼付される帆布と、接着ゴム層の下面に接着ゴム層と一体に形成され、長手方向に延びる複数のリブが形成された下ゴム層とを備え、接着ゴム層には短繊維が混入されていることを特徴とする。ここで、短繊維は、ベルトの長手方向または幅方向のいずれかに配向されることが好ましく、短繊維は例えばアラミド短繊維が使用される。
短繊維は接着ゴム層の一部に混入されることが好ましく、接着ゴム層が、心線を境に上側を構成する上部層と、下側を構成する下部層から形成される場合、短繊維は下部層に混入された方が良い。Vリブドベルトにおいては、リブの応力が心線と下ゴム層の間に位置する下部層に集中するので、その応力が集中する部分に短繊維を混入させることにより、耐久性能を効率的に向上させることができる。
短繊維が混入された部分の接着ゴム層のモジュラスは、下ゴム層のモジュラスよりも高いほうが良い。接着ゴム層のモジュラスを高めることにより、ベルトの剛性を高めることができる。
なお、本明細書において「モジュラス」とは、各ゴム層と同一の配合を有する加硫ゴムサンプルを、後述するベルトのモジュラス測定方法に従って、所定方向(幅方向のモジュラスならば、幅方向)に伸び率20%で引っ張ったときの引張力のことを言う。伸び率20%のモジュラスを本明細書における「モジュラス」としたのは、低伸長域(伸び率10〜30%程度)のモジュラスがベルト性能に大きく影響するからである。
接着ゴム層のゴム成分は例えばEPDMである。また、下ゴム層にも短繊維が混入される場合、その短繊維は接着ゴム層に混入される短繊維よりも例えばモジュラスが低い。
本発明においては、接着ゴム層に短繊維を混入させることにより、ベルトの剛性を高めることができるので、ベルトの高負荷耐久性能を高めることができる。そして、短繊維がベルトの幅方向に配向する場合には、ベルトのミスアライメントノイズを抑制することができる一方、ベルトの長手方向に配向する場合には、ベルトのスパン振動を抑制することができる。
以下本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るVリブドベルトを示す断面図である。Vリブドベルト10は無端状のベルトであって、接着ゴム層12と、接着ゴム層12の上面に貼付される帆布13と、接着ゴム層12の下面に接着ゴム層12と一体に形成された下ゴム層14を備える。接着ゴム層12には、心線11がベルトの長手方向に延び、螺旋状に巻きつけられて埋設される。下ゴム層12には、ベルトの長手方向に延びる複数(本実施形態では3つ)のリブ15が幅方向に等間隔に設けられる。
接着ゴム層12は、心線11を境に接着ゴム層12の上側を構成する上部層12Aと、下側を構成する下部層12Bから構成される。下部層12Bには、無数の第1の短繊維21が略均等に混入され、第1の短繊維21はベルトの幅方向に配向される。上部層12Aには短繊維が混入されていない。下ゴム層14には無数の第2の短繊維22が略均等に混入され、第2の短繊維22も第1の短繊維21と同様にベルトの幅方向に配向される。
上部層12A、下部層12B、及び下ゴム層14は、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)、クロロプレンゴム、EPM(エチレン−プロピレン共重合体)、H−NBR(水素添加ニトリルゴム)などをゴム成分として形成されるが、好ましくはEPDMが使用される。ゴム成分としてEPDMを使用することにより、ベルトの耐熱性・耐久性を向上させることができる。また、下部層12BにEPDMを使用した場合、下部層12Bに短繊維を混入させても、下部層12Bと心線11との高い接着性を維持することが可能である。各ゴム層のゴム成分は互いに、異なっていても良いし同一であっても良い。
上部層12A、下部層12B、及び下ゴム層14の各ゴム成分には、加硫剤等の各種添加剤が配合されている。加硫剤としては例えばパーオキサイド系加硫剤が使用され、パーオキサイド系加硫剤は、例えばゴム成分100重量部に対して3乃至20重量部配合される。
第1及び第2の短繊維21、22には、アラミド短繊維、ポリアミド短繊維(ナイロン短繊維)等が使用される。アラミド短繊維としては、例えばメタ系アラミド短繊維、パラ系アラミド短繊維が使用される。メタ系アラミド短繊維としては、例えばコーネックス(商品名.帝人(株)製)が、パラ系アラミド短繊維としてはテクノーラ(商品名.帝人(株)製)が用いられる。ナイロン短繊維としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10等の短繊維が用いられる。下部層12Bに混入される第1の短繊維21は、下ゴム層14に混入される第2の短繊維22よりもモジュラスが高い短繊維であることが好ましい。したがって、第1の短繊維21には例えばアラミド繊維が使用され、第2の短繊維22には例えばナイロン短繊維が使用される。このように、第1の短繊維21にモジュラスが高いアラミド短繊維を使用することにより、下部層12Bの幅方向のモジュラスを、下ゴム層14の幅方向のモジュラスよりも高くすることができる。下部層12Bのモジュラスが高くなると、下部層12Bの剛性が高められるため、ベルトの耐久性能が高められるとともに、ミスアライメントノイズの発生をより有効に防止することができる。
下部層12Bに配合される第1の短繊維21は、その平均短繊維長が1乃至4mmであって、下部層12Bのゴム成分100重量部に対して1乃至10重量部配合される。下ゴム層14に混入される第2の短繊維22は、その平均繊維長が1乃至3mmであって、下ゴム層14のゴム成分100重量部に対して、10乃至25重量部配合される。
本実施形態においては、第1の短繊維21を下部層12Bに混入させるとともに、幅方向に配向させることにより、ベルトの幅方向の剛性を高めることができ、ミスアライメントに基づく幅方向の変形が防止されるため、ミスアライメントノイズの発生を適切に防止することができる。また、幅方向の剛性が高められることにより、ベルトの耐久性能を向上させることができる。
また、Vリブドベルト10においては、心線11と下ゴム層14の間に位置する下部層12Bには各リブ15からの応力が集中するが、本実施形態においては、この応力が集中する下部層12Bの剛性が局所的に高められている。したがって、ミスアライメントノイズの発生をより効率的に防止することができるとともに、耐久性能も効率的に向上する。また、接着ゴム層12には部分的に短繊維が混入されているので、接着ゴム層12と心線11との接着性の低下を最小限に抑えることができる。
次に、Vリブドベルト10の製造方法を図2から図3を用いて説明する。本製造方法においては、まず図2に示すようにカレンダーロール機30を用いて、帆布13’に未加硫ゴム層12A’がトッピングされた未加硫ゴム付き帆布19が製造される。
カレンダーロール機30は、帆布供給ロール31、一対の圧着ロール32、33、一対のゴム供給ロール34、35を備える。一対の圧着ロール32、33は、帆布供給ロール31と所定の間隔を有して設けられる。そして一方の圧着ロール32は、僅かに間隙を有しつつ、他方の圧着ロール33の上側に設けられる。その圧着ロール32のさらに上側には、その間に僅かに間隙を有して一方のゴム供給ロール34がさらに設けられる。そのゴム供給ロール34の略水平方向には、その間にわずかに間隙が空けられて他方のゴム供給ロール35が設けられる。
帆布供給ロール31には帆布13’が巻き付けられている。帆布13’は、帆布供給ロール31から、圧着ロール32、33の間に供給される。一方、ゴム供給ロール34、35の間には、未加硫ゴムXが供給され、この未加硫ゴムXはゴム供給ロール34、35間、およびロール34、32間によって圧延され、所定厚みを有する未加硫ゴム層12A’として圧着ロール32、33の間に供給される。
未加硫ゴム層12A’は、圧着ロール32、33の間において、帆布13’の上面に圧着され、これにより帆布13’の一方の面に未加硫ゴム層12A’が圧着された未加硫ゴム付き帆布19が形成される。なお、未加硫ゴムXは、未加硫のゴム成分に加硫剤等の添加剤が配合されて構成される。また帆布13’は、好ましくはゴム糊やRFL(レゾルシンホルムアルデヒドラテックス)液によって予め含浸処理された帆布である。
次に、図3に示すように、円筒形ドラム41が用意され、その円筒形ドラム41にまず未加硫ゴム付き帆布19が巻き付けられ、その上に心線11’が螺旋状に巻きつけられる。心線11’の上には、第1のゴムシート12B’、第2のゴムシート14’が順に巻き付けられる。このとき、未加硫ゴム付き帆布19は帆布13’側の面が円筒形ドラム41に接するように巻きつけられる。
第1のゴムシート12B’は、未加硫のゴム成分に加硫剤等の添加剤及び第1の短繊維21が配合されて構成される。第2のゴムシート14’も、未加硫のゴム成分に加硫剤等の添加剤及び第2の短繊維22が配合されて構成される。なお、第1及び第2のゴムシート12B’、14’はそれぞれ、第1及び第2の短繊維21、22の配向方向が円筒形ドラム41の周方向に対して垂直で、かつ外周面に沿う方向となるように巻き付けられる。
上記ゴムシート等が巻き付けられた円筒形ドラム41は、加硫釜(図示せず)内に入れられ、所定の温度・圧力で加圧加熱される。加圧加熱により、心線11’は、第1のゴムシート12B’及び第2のゴムシート14’によって径方向内側に押され、未加硫ゴム付き帆布19の未加硫ゴム層12A’の中にその一部が埋設される。そして、加圧加熱により、未加硫ゴム層12A’、第1のゴムシート12B’、第2のゴムシート14’は加硫され、これら帆布、ゴムシート等は一体的に成型される。これにより、帆布13’、未加硫ゴム層12A’、心線11’、第1のゴムシート12B’、第2のゴムシート14’から成る平ベルト状の加硫スリーブが得られる。
加硫スリーブはベルト幅に応じて所定幅に切断される。所定幅に切断された加硫スリーブは研磨機により研磨され、下ゴム層14にリブ15が形成され、これにより図1に示すVリブドベルトが得られる。なお心線11’、未加硫ゴム層12A’、第1のゴムシート12B’、帆布13’、第2のゴムシート14’は、Vリブドベルト10において、心線11、上部層12A、下部層12B、帆布13、下ゴム層14にそれぞれ対応する。
なお第1のゴムシート12B’及び第2のゴムシート14’は、短繊維が配合された未加硫ゴムを混錬し、ロールまたはカレンダ等で圧延されることにより得られ、各ゴムシートに配合された短繊維はこれにより所定方向(圧延方向)に配向される。
次に第2の実施形態について図4を用いて説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と相違する点は、第1の短繊維21がベルトの長手方向に沿って配向させられている点のみである。
第2の実施形態において、特に限定されるわけでないが、第1の短繊維21にはアラミド短繊維が、第2の短繊維22にはナイロン短繊維が例えば使用され、これにより、下部層12Bの長手方向のモジュラスを向上させることができ、例えば下ゴム層14の幅方向のモジュラスより高くすることができる。その他のベルトの構成は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。なお製造工程において、第1のゴムシート12B’は、第1の短繊維21の配向方向が円筒形ドラム41の周方向に向くように、巻き付けられる。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態において、第1の短繊維21を下部層12Bに混入させるとともに、長手方向に配向させることにより、ベルトの長手方向の剛性を高め、ベルトの長手方向の振動を防止することができる。したがって、いわゆるスパン振動の発生が防止でき、スパン振動に基づくベルトの騒音を低減することができる。また、ベルトの剛性が高められるため、ベルトの耐久性能を向上させることができる。
次に、第3の実施形態について図5を用いて説明する。第3の実施形態において、第1の実施形態と相違する点は、下部層12Bに混入される第1の短繊維21の構成のみである。第3の実施形態においては、第1の短繊維21は所定の方向に配向されておらず、ランダムに混入させられている。第3の実施形態の第1の短繊維21としては、例えば変成ナイロンミクロファイバーが使用される。
変成ナイロンミクロファイバーは、ナイロン繊維にポリオレフィンをグラフト共重合した共重合体から成る。ナイロン繊維としては微細径のナイロン6が好適に用いられるが、この他にナイロン6,6あるいはナイロン6,10等を用いても良い。また、ポリオレフィンとしてはポリエチレンが好適に用いられるが、ポリエチレンに限定されず、ポリプロピレン等が用いられても良い。
変成ナイロンミクロファイバーは、その繊維長さLFが約4000μm以下であり、繊維径DFが1.5μm以下であり、繊維径DFに対する繊維長さLFの比の値(LF/DF)は10以上であるが、好ましくは、繊維長さLFは約1000μm以下であり、繊維径DFは1.0μm以下であり、かつ比の値(LF/DF)は500以上1500以下の範囲内にある。また、変成ナイロンミクロファイバーの混入量は、例えば下部層12Bのゴム成分100重量部に対して10乃至30重量部である。
第3の実施形態に係る第1のゴムシート12B’は、以下のように製造される。すなわち、まず未加硫ゴム成分(例えばEPDM)にナイロン(例えば、ナイロン6)およびポリオレフィンを配合させた後、撹拌等することにより、ポリオレフィンにナイロンをグラフト重合させる。次に、未加硫ゴム成分(例えばEPDM)をさらに加えるとともに加硫剤等他の添加剤を配合させた後、練り合わせを行う。この練り合わせにより、グラフト重合が細分化され、上述した繊維長さと繊維径を有する変成ナイロンミクロファイバーが得られる。変成ナイロンミクロファイバーは、第1のゴムシート12B’において、いずれの方向にも配向されずにランダムに分布させられる。
第3の実施形態においては、第1の短繊維21を配向方向を定めることなく下部層12Bに混入させることにより、ベルトの幅方向、長手方向の剛性を高めることができ、ベルトの耐久性能を向上させることができる。
なお、第1乃至第3の実施形態では、接着ゴム層12において、下部層12Bのみに短繊維が混入され、上部層12Aには短繊維が混入されていないが、上部層12Aに短繊維が混入されていても良い。この場合、短繊維は長手方向または幅方向に配向されても良いし、配向方向が定められてなくても良い。下部層12Bと配向方向が同一であっても良いし、異なっていても良い。また、上部層12Aに混入される短繊維は、下部層12Bに混入される短繊維と同一の短繊維でも良いが、異なる種類の短繊維であっても良い。
この場合接着ゴム層12は、第1乃至第3の実施形態にように、下部層12B、上部層12Aから成る2層構造でなくても良く、単層構造であっても良い。すなわち、製造工程において、ゴムがトッピングされていない帆布13’を円筒形ドラム41に巻きつけた後、その上に心線11’、第1のゴムシート12B’、第2のゴムシート14’を巻きつけたものを加硫成型し、加硫スリーブを得るようにしても良い。
次に本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下説明する実施例に限定されるわけではない。
[実施例1]
実施例1は、第1の実施形態に対応する実施例であって、接着ゴム層の上部層には短繊維が混入されていない一方、下部層には第1の短繊維(アラミド短繊維(商品名.テクノーラ、帝人(株)製))が混入され、第1の短繊維はベルトの幅方向に配向されていた。アラミド短繊維の長さは1mmであった。下ゴム層には第2の短繊維としてナイロン短繊維が混入され、第2の短繊維もベルトの幅方向に配向されていた。ナイロン短繊維の長さは1mmであり、ナイロンはナイロン6,6であった。帆布にはナイロンと綿で織成された帆布が使用され、RFLにより含浸処理されていた。心線にはポリエステルから成る心線が使用された。心線は1インチの幅長さ当たり21本埋設されていた。各ゴム層を構成するための未加硫ゴム層、第1のゴムシート、第2のゴムシートの厚さは、それぞれ0.35mm、0.3mm、3.6mmであった。実施例1のベルトにはリブが3つ設けられ、そのベルト幅は10.68mmであり、周長さは1035mmであった。なお、未加硫ゴム層(上部層)、第1のゴムシート(下部層)、第2のゴムシート(下ゴム層)の配合は、表1に示す通りの配合であった。
Figure 2007198485
[実施例2]
実施例2は、第2の実施形態に対応する実施例であって、下部層に混入されていた第1の短繊維(アラミド短繊維)がベルトの長手方向に配向されている以外は実施例1と同様に製造され、同様の構成を有するVリブドベルトであった。
[比較例1]
比較例1は上記実施例1及び2の効果を示すための比較例であって、下部層に短繊維が混入されていない以外は、実施例1と同様に製造され、同様の構成を有するVリブドベルトであった。すなわち、下部層のゴム配合は、短繊維が配合されていない以外実施例1と同一の配合であるとともに、その他のゴム層のゴム配合は実施例1のゴム配合と同一であった。
[ベルトの物性評価]
実施例1のベルトの各層のモジュラスを確認した。すなわち、表1に示す下部層及び下ゴム層のゴム配合を有する加硫ゴムサンプル(サンプル1、サンプル2)を作成し、そのサンプルを用いて、接着ゴム層の下部層、及び下ゴム層のモジュラスを測定した。また、短繊維が配合されていない以外下部層と同一のゴム配合を有する加硫ゴムサンプル(サンプル3)についてもサンプルを作成し、そのサンプルの物性も確認した。なお、各サンプルはJIS K6251のダンベル状5号形を用いて採取した加硫ゴムであった。
モジュラス測定は、各サンプル1、2、3を伸び率20%(元のサンプルの長さを100%としたとき)で引っ張ったときの引張力(MPa)を測定することにより行なった。なお、本測定はJIS K6251に基づき行ない、サンプル1、2に関しては、引っ張り方向が短繊維の配向されている方向と同じであった。モジュラス測定の結果を表2に示す。
Figure 2007198485
サンプル1、3の評価結果から明らかなように、同一の伸び率(20%)で引っ張った場合、アラミド短繊維が混入されたサンプル1は、短繊維が混入されていないサンプル3よりも、引張力が大きかった。すなわち、実施例1の下部層は、アラミド短繊維を混入させ幅方向に配向させることにより、その幅方向のモジュラスが増加していることが理解できる。また、サンプル1、2の評価結果から明らかなように、同一の伸び率(20%)で引っ張った場合、アラミド短繊維が混入されたサンプル1は、ナイロン短繊維が混入されたサンプル2よりも、引張力が大きかった。すなわち、実施例1において、接着ゴム層の下部層の幅方向のモジュラスは、下ゴム層の幅方向のモジュラスよりも高いことが理解できる。同様に実施例2においては、接着ゴム層の下部層の長手方向のモジュラスが、下ゴム層の幅方向のモジュラスよりも高いことが理解できる。
[ベルトの耐久性能評価]
図6に示す走行試験装置を用いて、実施例1、2及び比較例1のベルトの耐久性能を評価した。図6に示すように走行試験装置50において、ベルト60は、鉛直方向に並べられた従動及び原動プーリ51、52と、テンショナプーリ53に掛け回された。テンショナプーリ53は、ベルトの張り側に配置されており、ベルト60に対して水平方向外側に833Nの力を作用させた。従動プーリ51、原動プーリ52、テンショナプーリ53の直径は、それぞれ120、120、45mmであり、本試験は100℃の雰囲気下で実施された。本試験においては、従動プーリ51に8.8kWの負荷を作用させて、原動プーリ52を4900rpmの速度で回転させ、ベルト60が破断されるまでの時間を測定し、各ベルトの耐久性能を評価した。
実施例1、2及び比較例1の耐久性評価試験の結果を表3に示す。
Figure 2007198485
表3に示すように実施例1、2は、比較例1に比べ、ベルトが破断されるまでの時間が長かった。これは、実施例1、2のベルトにおいては、長手方向(または幅方向)の剛性が、下部層に短繊維を混入することにより高められ、耐久性能が向上したためと考えられる。
本発明の第1の実施形態に係るVリブドベルトの断面図である。 帆布に未加硫ゴムをトッピングするためのカレンダーロール機を模式的に示した図である。 ベルトの加硫成型工程を示す模式的な図である。 本発明の第2の実施形態に係るVリブドベルトの断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るVリブドベルトの断面図である。 走行試験装置を模式的に示す図である。
符号の説明
10 Vリブドベルト
11 心線
12 接着ゴム層
12A 上部層
12B 下部層
14 下ゴム層
15 リブ
21 第1の短繊維
22 第2の短繊維

Claims (8)

  1. 心線がベルトの長手方向に埋設された接着ゴム層と、
    前記接着ゴム層の上面に貼付される帆布と、
    前記接着ゴム層の下面に前記接着ゴム層と一体に形成され、長手方向に延びる複数のリブが形成された下ゴム層とを備え、
    前記接着ゴム層には短繊維が混入されていることを特徴とするVリブドベルト。
  2. 前記短繊維は、ベルトの長手方向または幅方向のいずれかに配向されることを特徴とする請求項1に記載のVリブドベルト。
  3. 前記短繊維はアラミド短繊維であることを特徴とする請求項1に記載のVリブドベルト。
  4. 前記接着ゴム層の一部に前記短繊維が混入されることを特徴とする請求項1に記載のVリブドベルト。
  5. 前記接着ゴム層は、前記心線を境に上側を構成する上部層と、下側を構成する下部層から形成され、前記短繊維は前記下部層に混入されることを特徴とする請求項4に記載のVリブドベルト。
  6. 前記短繊維が混入された部分の接着ゴム層のモジュラスは、前記下ゴム層のモジュラスよりも高いことを特徴とする請求項4に記載のVリブドベルト。
  7. 前記接着ゴム層のゴム成分はEPDMであることを特徴とする請求項1に記載のVリブドベルト。
  8. 前記下ゴム層にも短繊維が混入され、その短繊維は前記接着ゴム層に混入される短繊維よりもモジュラスが低いことを特徴とする請求項1に記載のVリブドベルト。

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