JP4827625B2 - 記録ヘッドの吐出検査方法、記録装置 - Google Patents

記録ヘッドの吐出検査方法、記録装置

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Description

本発明は、電気熱エネルギー変換体の熱エネルギーを記録用インクに作用させてノズルから吐出させるタイプの記録ヘッドの吐出検査方法、記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、記録ヘッドに設けたノズルからインク(記録用インク液滴)を吐出させて紙等の被記録材に付着させることにより各種情報の記録を行う。
インクジェット記録装置は、微細なノズルから記録材にインクを直接吐出し画像を形成するものであるため、記録ヘッドのノズルが設けられた面(以下ノズル面という)にインクが付着していると吐出不良が発生しうる。記録を行うために吐出したインクは記録材に当たり、その一部が記録材に付着せずに跳ね返ったり、インクを吐出する際に記録に関与する主なインクの他に微小なインク滴が吐出されて雰囲気中に漂ったりすることがある。これらのインクがノズル面に堆積することで吐出不良が発生する。これを防ぐためにはノズル面に撥液処理を施せばよいが、それでもインク残留を完全に無くすことは難しい。
特に記録材の全幅に対応する数だけライン状に配してなるフルライン型記録装置では、高速で印字することが可能であるが、反面ではこのような吐出不良が発生しやすい。そこでこのような吐出不良を発生した吐出ノズルを素早く特定して記録ヘッドの回復作業や画像の補完に反映させている。
記録ヘッドの吐出口面の反射光強度を測定して濡れ状態を検知する光学センサを設け、光学センサの出力に応じて吐出口面を清掃手段によって清掃するインクジェット記録装置がある(特許文献1)。
また、記録ヘッドの下面に付着したゴミを検知するインクジェットプリンタ装置がある(特許文献2)。
特開平7−246708号公報 特開平11−179934号公報
しかしながら、特許文献1では、反射光から検出するのでインクの付着面積に応じた出力が得られるが、少量の付着インクの有無および付着インクの正確な位置を検出することは困難である。
また、特許文献2においても、ノズル面に付着したインクの正確な位置を特定することができない。つまり、検出のための光ビームを遮るか否かによって付着インクの有無を検出するので、光ビームの光路上のどの位置に付着インクがあるかは判断できない。したがって、検出した付着インクがヘッドのノズルを塞いで不吐を発生するのか、ノズルのない領域にあり吐出には影響がないのかが分からない。そのため、ノズル面の付着インクを検出するたびにワイピングなどのヘッド回復処理を行うと、必要以上に印刷を停止することになってしまいスループットの低下を招いていた。
また、特許文献2において、少量の付着インクでも検出できるようにするためには、光ビームの光路をできるだけノズル面に近接させるために、ノズル面に光ビームをさえぎるような凸部を設けられなくなってしまう。
一般にはヘッド基板とフレキシブル基板などの配線材を電気的に接合する接合部を封止する封止材が100〜300μmノズル面より出っ張っているが、これをなくすのは現状では困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的はノズル面に付着するインクによる不吐を短時間で検出できる検査方法の行程を提供することである。
上記目的を達成するために本発明の吐出検査方法は、インクを吐出するためのノズルと、前記ノズルに対応して設けられた電気熱変換手段及び温度検知手段とを有し、前記電気熱変換手段と前記温度検知手段とが積層されている記録ヘッドの吐出検査方法であって、前記電気熱変換手段を駆動する駆動工程と、前記温度検知手段により前記電気熱変換手段を駆動してからの前記ノズル内の温度変化を測定する測定工程と、前記測定工程において測定した温度の値を2階微分演算する演算工程と、前記演算工程の演算結果から得られた負のピークが出現するまでの時間に基づいて、インクの吐出が正常に行われたか否かを判定する判定工程と、を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために本発明の記録装置は、インクを吐出するためのノズルと、前記ノズルに対応して設けられた電気熱変換手段及び温度検知手段とを有し、前記電気熱変換手段と前記温度検知手段とが積層されている記録ヘッドと、前記電気熱変換手段を駆動する駆動手段と、前記温度検知手段により検知された前記電気熱変換手段を駆動してからの前記ノズル内の温度の値を2階微分演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果から得られた負のピークが出現するまでの時間に基づいて、インクの吐出が正常に行われたか否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
上述した方法により、簡単な構成でノズルを塞ぐインクの有無を正確にかつ瞬時に検出できるので無駄なヘッドクリーニングをなくしてスループットを向上させることができる。
(実施例)
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
最初に、以下に説明するいくつかの実施形態において共通的に用いられるインクジェット記録装置の構成について説明する。
図4は、本実施例のシリアル方式インクジェットプリンタを示す。記録ヘッド1は、複数のノズル列を有し、インク滴を吐出することにより、記録媒体12上にドット形成の画像記録を行うデバイスである。
図7(a)および(b)は本発明による温度検知素子を具備するインクジェット記録ヘッドの好適な一実施形態に係る基板の模式的部分平面図およびその模式的断面図である。
次に、本実施例に用いられる記録ヘッドの詳細について説明する。列状に設けられた複数個のノズル2よりインク滴を吐出させるために、印加電圧が供給される。熱エネルギーを発生する電気熱エネルギー変換体(以下、吐出ヒーター3)は、ノズル毎にヒーターボード上に配設されている。そして駆動信号の印加によって、吐出ヒーター3を加熱しインク滴を吐出させる。ヒーターボードには、吐出ヒーター3が複数個ならんで配設された吐出ヒーター列があり、その近傍にはインク滴を吐出しないダミー抵抗(不図示)が設置されている。
図7(a)において4は端子であり、ワイヤボンディングにより外部と接続される。5は温度検知素子(以下、温度センサ5)であり、吐出ヒーター3等と同じ製膜プロセスによりヒーターボード10に形成してある。
図7(b)は(a)における温度センサ5を含む部分a−a’の部分断面図である。Si基板21には、熱酸化膜SiO等からなる蓄熱層22を介してAl、Pt、Ti、TiN、TiSi、Ta、TaN、TaSiN、等の温度に応じて抵抗値が変化する薄膜抵抗体で形成される温度検知素子3を備える。薄膜抵抗体としては、この他にTaCr、Cr、CrSi、CrSiN、W、WSi2、WN、Poly−Si,α−Si、Mo、MoSi,Nb、Ru等が挙げられる。更に、Si基板21には、接続配線のためのAl等の個別配線23およびヒーター3とSi基板21に形成された制御回路を接続するAl配線が形成される。更に層間絶縁膜24を介して電気熱エネルギー変換体(吐出ヒーター3)、SiN等のパシベーション膜25、耐キャビテーション膜26が半導体プロセスで高密度に積層されて形成される。
この耐キャビテーション膜26は、吐出ヒーター3上の耐キャビテーション性を高める為にTa等が用いられる。
薄膜抵抗体として形成される温度センサ5は前記吐出ヒーター3の各々の直下に分離独立して配置される。各温度検知素子に接続される温度検知素子の個別配線23は温度検知素子の情報を検出する検出回路の一部として構成される。
この実施例によれば、Si基板21には、熱酸化膜SiO等からなる蓄熱層22を介してヒーター3とSi基板21に形成された制御回路を接続するAl配線が形成されている。更に、層間絶縁膜24を介して電気熱エネルギー変換体3、SiN等のパシベーション膜25、電気熱エネルギー変換体上の耐キャビテーション性を高める為にTa等の耐キャビテーション膜26が形成された従来の構成の蓄熱層22上にAl、Pt、Ti等の薄膜抵抗体で形成される温度センサ5と接続配線のためのAl等の個別配線23を成膜、パターンニングする。これにより、従来の記録ヘッド構造を変えることなく作製することができるので工業生産上も大きな利点を有する。
本実施例では、温度センサ5の平面形状を四角形としているが、微少な温度変動でも高い電圧値として出力するために蛇行形状として高抵抗化を図ったものでもよい。
図5に示されている記録装置の制御回路は、メインバス405にたいしてそれぞれアクセスする画像入力部403、それに対応する画像信号処理部404、CPU400といったソフトウェアを実行することで機能する回路群といった機械的な動作が実行される回路とに大別される。
CPU400は、通常、ROM401とRAM402を有し、入力情報に対して適切な記録条件を与えて記録ヘッド412を駆動して記録を行うための制御を実行する。また、RAM402内には、予め記録ヘッドの回復手順を実行するプログラムが格納されており、必要に応じて予備吐出条件等の回復条件を回復処理制御回路407、記録ヘッド等に与える。回復処理モータ408は、記録ヘッド412とこれに対向して設けられるブレード(クリーニング)409やキャップ410、吸引ポンプ411を駆動する。
記録ヘッド駆動制御回路414は、CPU400から与えられた駆動条件にしたがって、記録ヘッド412の電気熱変化体である吐出ヒーター3を駆動し、記録ヘッド413に予備吐出や記録用インク吐出を行わせる。
図6(a)は正常にインクが吐出されたときのインク−耐キャビテーション膜界面での、図6(b)は温度センサでの温度プロファイルを示している。正常吐出の場合、吐出ヒーター3にパルスが印加されることにより吐出ヒーター3の温度が急激に上昇する。それに伴って少し時間差があいたのちに、インク−耐キャビテーション膜界面の温度も上昇する(状態I)。インク−耐キャビテーション膜界面の温度がインクの発泡温度に達すると気泡が生成、成長していく。この際気泡が発生したので、耐キャビテーション膜26はインクと接しない状態になる。気泡の熱伝導率(λgas)はインクの熱伝導率(λliqud)に比べ一桁小さいのでインク−耐キャビテーション膜間に気泡が介在している状態では、吐出ヒーター3で発生している熱のほとんどがヒーターボードに蓄熱される。
従って、気体−耐キャビテーション膜界面の温度は急上昇する。その後、パルスの印加停止にともない吐出ヒーター3の温度上昇は停止し、それに伴い気体−耐キャビテーション膜界面の温度上昇も停止する(状態II)。その後吐出ヒーター、気体−耐キャビテーション膜界面共に温度は下降していく(状態III)。さらに一定時間経過すると気泡収縮に伴って耐キャビテーション膜26とインクが再び接触するのでより一層早い速度で冷却され、初期状態に戻っていく(状態IV)。
ヒーターと温度センサとの間には層間絶縁膜24が成膜されているためヒーターからの熱が伝わるのに数μsecの遅延時間がある。したがって図6(a)に示している状態I〜IVの各状態にある時間と(b)に示している状態I〜IVの各状態にある時間は異なる。このように本発明においてノズル内の温度を高速(短時間)にかつ精度良く検出できるのは、温度検知素子をヒーター部の直下に層間絶縁膜24を介し形成されていることによることが本発明者らのシミュレーションと実験で明らかになった。
次に以上の構成のインクジェット記録装置を共通装置として用いた記録ヘッドの吐出不良の検出処理について説明する。
(実施例1)
図1はインクを吐出させようと吐出ヒーターにパルス印加時間0.8μsecの駆動パルスを印加したとき吐出状態の違いにより温度センサが検出する温度プロファイルが異なることを示している時間−温度変化曲線図である。線図(a)から(d)は、それぞれ温度プロファイルを示している。
図1の線図(a)に示したように正常にインクが吐出する場合、駆動条件が一定であればセンサ検出温度が最高温度に到達した時間から一定時間後に降温速度が急激に変化するポイントが出現する。言い換えると単位時間あたりの温度が下がる割合(傾き)が大きく変わるポイントが現れる。
これは、図6(b)で説明したように耐キャビテーション膜26とインクが再び接触するのでより一層早い速度で冷却されるからである。このポイントのことを以後変曲点1と呼ぶ。本実施例のなかで用いているノズル形状においてはセンサ検出温度が最高温度到達してから約3.7μs後に変曲点1が現れる。
一方、正常にインクが吐出しない場合、図1の線図(b)のように降温過程での傾きの変化は現れない。インクが吐出しない理由は、耐キャビテーション膜上に残留気泡が接触していることにより吐出ヒーターから伝わってくる熱がインクに伝わらずインクの相変化が起こらなかったためである。図1の線図(b)のように降温過程での傾きの変化は現れない。このような吐出状態を泡不吐状態と呼ぶ。
また、ノズル近傍にゴミが詰まり、インクが正常にノズルから飛翔していかないときの温度センサが検出する温度変化は図1の線図(c)のようになる。この場合も図から明らかなように正常吐出時に変曲点が現れるタイミングにおいて変曲点は出現していない。
線図(c)のノズル内の状態を図9に示す。図から明らかなように流路内の不純物がノズルに詰まり、気泡の生成、成長に伴うインク吐出が正常に行えない状態にある。気泡は膨張、収縮しているが、ノズルの一部分あるいは全てが塞がっているため気泡は共通液室側へ膨張していく。そのため耐キャビテーション膜26上にインクが接触するタイミングが正常吐出の時に比べかなり遅く、急激な冷却速度の変化は発生しない。
次に、ノズルがインクで塞がれた不吐出(以降、濡れ不吐と呼ぶ)のとき線図(d)について説明する。この場合には降温過程で傾きの変化は現れるが、この変化のポイント(以後、変曲点2と呼ぶ)は変曲点1より明らかに遅れて現れる。
ところで、インクジェットヘッドの内部は、ノズルからインクが漏れてこないように大気圧よりやや低い圧力の負圧に保たれている。例えば、インクを供給するインクタンクの内部に多孔質体のフォーム材を内蔵し、その毛管力にて負圧を維持している。この負圧のためノズルを塞ぐように付着したインクは、一般的にノズルよりヘッド内部に吸い込まれていく。
線図(d)のノズル内の状態を図8に示す。ノズル面の上にノズルを塞ぐようにインクが付着しているので、ゴミ詰まりの不吐と同様に気泡の生成、成長に伴うインク吐出が正常に行えない状態にある。気泡は膨張、収縮しているが、ノズルが塞がっているため気泡は共通液室側へ膨張していく。
また、気泡が膨張、収縮している間は、上記の負圧によるインクの吸い込みは停止する。しかし気泡の収縮がほぼ終了するころには、再び負圧によるインクの吸い込みが再開するので、この吸い込まれたインクによる冷却効果のため、冷却速度が早まり傾きが急になる。本実施例において用いているノズル形状においてはセンサ検出温度が最高温度到達してから約5.2μs後にこの変曲点2が現れる。
図2(i)は各吐出状態での温度センサが検出した温度変化について、正常吐出時に変曲点1が出現する時間の1μs前のタイミングから変曲点1が出現してから4μs後のタイミングまでの、時間範囲で一階微分した結果である。正常吐出および濡れ不吐のプロファイルにおいて降温過程で傾きの変化がある時間での一階微分の結果をみると、極大値、極小値が現れている(発生する)ことがわかる。泡不吐状態、ゴミ詰まり不吐状態ではそれらは現れない。
図2(ii)は一階微分された各吐出状態の温度プロファイルをさらに時間で微分をおこなった結果である。この結果をみると正常吐出および濡れ不吐時には負のピークが出現していることがわかる。
一方、泡不吐、ゴミ詰まり不吐の場合には、頂点が負の値をもつピークはない。吐出異常判定システムという観点から判定方法を考えると、温度プロファイルの一階微分波形に比べ二階微分波形の方が出力値の差が大きい。このため、本実施例のなかでは吐出異常を検出する手段として二階微分波形による判定方法を適用する。この変曲点の検出手段は、この方法に限定するものではなく、温度プロファイルの曲率の変化により求める方法、パターンマッチングを用いる方法など他の方法を用いても構わない。
図3は、本実施例におけるノズルの不吐判定処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1にて判定対象ノズルの記憶させておいた正常吐出時における変曲点1のタイミングを読み取る。このデータは、例えばヘッドクリーニングを行った直後、すなわち確実に正常な吐出が行われているときの温度波形の2階微分のプロファイルにおいて、極小値が0以下の負のピークのタイミングを求め、メモリーに記憶させておく。
次に、ステップS2では、正常吐出の駆動パルス、例えば駆動電圧20Vでパルス印加時間0.8μSの駆動パルスを、判定対象ノズルに印加したときの温度変化を温度センサで測定する。
ステップS3では、ステップS1で読み取ってきた正常吐出時の変曲点タイミングの前1μS、後2μSの時間範囲内でステップS2にて測定された温度変化を時間で2階微分する。
ステップS4では、ステップS3にて演算された温度変化の2階微分のプロファイルにおいて極小値が0以下の負のピークがあるのかないのかを判断する。
ステップS4で0以下の負のピークがないと判定された場合は、ステップS8に進み、その判定対象ノズルは泡不吐もしくはゴミ不吐と判定され、ステップS9でヘッドクリーニングが実行される。そしてヘッドクリーニングの結果不吐出が解消されたかを検査するため、予備吐出による再検査に進む。
ステップS4で0以下の負のピークがあると判定された場合には、ステップS5に進み、正常吐出時の変曲点タイミングと、判定対象波形の変曲点タイミング、すなわち極小値が0以下である負のピークのタイミング、の差△tを求める。
次にステップS6にて、△tの絶対値|△t|が1μS未満かどうかを判定する。ステップS6において、△tの絶対値|△t|が1μS未満(1μSより小さい)である場合、ステップS7でその判定対象ノズルは正常吐出状態であると判定される。△tの絶対値|△t|が1μS未満の場合とは、正常吐出時変曲点タイミングの前後1μSの時間範囲内に負のピークがある場合である。ステップS7で対象ノズルは正常吐出状態であると判定された場合には、記録動作が継続される。
ステップS5において、△tの絶対値|△t|が1μS以上である場合、対象ノズルは、ステップS10で濡れ不吐であると判定される。この場合、正常吐出時変曲点タイミングの後1μS以降、2μSまで時間範囲に負のピークがあると判定されている。
ステップS10で濡れ不吐であると判定されると、印刷(記録)を中断するとともにステップS11に進む。ステップS11では、濡れが解消されるのを待つためT秒間の待機を行う。その後、印刷を再開する。印刷が再開されると、不吐判定処理も再開される。
ステップS11でのT秒間の待機時間は、ヘッドの吐出口面の撥水特性、表面張力などのインク特性により違ってくるが、例えば1秒間〜10秒間程度である。一律に決めてしまうのではなく、例えば、濡れ不吐が発生したノズル数によって変えてもよい。
ここまで、駆動パルスとしては1個のパルスを用いたシングルパルスを印加した場合について説明したが、2個以上のパルスを間欠的に与える分割パルスを印加する場合についても適応可能である。しかし、分割パルスの場合はパルスの印加開始より変曲点1が現れるまでの時間は当然長くなる。したがって印加する駆動パルスの種類に応じて、最高温度到達より変曲点1までの時間、変曲点1から変曲点2までの時間が異なる可能性があるので、正常吐出時変曲点タイミングや△tも異なってくる。したがって温度波形の判定対象時間範囲や△tの閾値も個々に設定した方がより正確な判定が可能になる。
このように、印刷中に駆動パルスを与えたときに、温度検知素子の温度を測定することにより、ノズルを塞ぐような付着インクがあるかどうかが瞬時に判定できる。これにより、無駄なヘッドクリーニングをなくしてスループットを向上させることができる。
実施形態における吐出状態の違いによる温度プロファイル 実施形態における温度変化について1階微分及び2階微分の演算結果 実施形態におけるインクの吐出判定の制御フロー 実施形態における記録装置の斜視図 実施形態における記録装置の制御回路 実施形態における正常に吐出された場合の温度プロファイル 実施形態における記録ヘッドの平面図及び断面図 実施形態における図1の線図(d)のノズル内の状態を説明する図 実施形態における図1の線図(c)のノズル内の状態を説明する図

Claims (8)

  1. インクを吐出するためのノズルと、前記ノズルに対応して設けられた電気熱変換手段及び温度検知手段とを有し、前記電気熱変換手段と前記温度検知手段とが積層されている記録ヘッドの吐出検査方法であって、
    前記電気熱変換手段を駆動する駆動工程と、
    前記温度検知手段により前記電気熱変換手段を駆動してからの前記ノズル内の温度変化を測定する測定工程と、
    前記測定工程において測定した温度の値を2階微分演算する演算工程と、
    前記演算工程の演算結果から得られた負のピークが出現するまでの時間に基づいて、インクの吐出が正常に行われたか否かを判定する判定工程と、
    を備えることを特徴とする記録ヘッドの吐出検査方法。
  2. 前記判定工程は、前記演算工程の演算結果から得られた負のピークが出現するまでの時間を、予めメモリ手段に保持されているインクの吐出が正常に行われた場合の前記時間と比較することによりインクの吐出が正常に行われたか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッドの吐出検査方法。
  3. 前記判定工程は、前記演算工程の演算結果から得られた負のピークが出現するまでの時間と予めメモリ手段に保持されているインクの吐出が正常に行われた場合の前記時間との時間差が所定の値未満であればインクの吐出が正常に行われたと判定することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッドの吐出検査方法。
  4. 前記電気熱変換手段と前記温度検知手段は絶縁層を挟んで積層されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録ヘッドの吐出検査方法。
  5. インクを吐出するためのノズルと、前記ノズルに対応して設けられた電気熱変換手段及び温度検知手段とを有し、前記電気熱変換手段と前記温度検知手段とが積層されている記録ヘッドと、
    前記電気熱変換手段を駆動する駆動手段と、
    前記温度検知手段により検知された前記電気熱変換手段を駆動してからの前記ノズル内の温度の値を2階微分演算する演算手段と、
    前記演算手段の演算結果から得られた負のピークが出現するまでの時間に基づいて、インクの吐出が正常に行われたか否かを判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  6. インクの吐出が正常に行われた場合の負のピークが出現するまでの時間を保持するメモリ手段を備え、
    前記判定手段は、前記演算手段の演算結果から得られた負のピークが出現するまでの時間を、予め前記メモリ手段に保持されている前記時間と比較することによりインクの吐出が正常に行われたか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. インクの吐出が正常に行われた場合の負のピークが出現するまでの時間を保持するメモリ手段を備え、
    前記判定手段は、前記演算手段の演算結果から得られた負のピークが出現するまでの時間と予め前記メモリ手段に保持されているインクの吐出が正常に行われた場合の前記時間との時間差が所定の値未満であればインクの吐出が正常に行われたと判定することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  8. 前記電気熱変換手段と前記温度検知手段は絶縁層を挟んで積層されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
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