JP4823326B2 - 止着用フロントシートを有する紙おむつ - Google Patents

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Description

本発明は、フック要素とフック受要素との係合を行う着脱自在の面ファスナー(通常ベルクロファスナー(登録商標)またはマジックテープ(登録商標)と呼ばれる)を用いて装着するようにした紙おむつに関する。
一般に、紙おむつを被着用者に装着する場合のテープファスナーとしては、粘着剤を用いたものが主流をなしている。おむつカバーにおいては、前述の面ファスナーにて結合するようにしている。この面ファスナーを用いる場合、何回もの着脱が可能であり便利である。
これに対して、粘着テープファスナーを紙おむつの両側部に固定し、紙おむつの腹側のバックシート表面に大きい面積をもってフロントシートを固定し、このフロントシートに対して粘着テープファスナーを止着し、取付位置を調整し直すことが可能な構造のものが汎用されている。
この場合、粘着テープファスナーの止着位置の便宜のために、フロントテープの腹周り方向に間隔を置いてターゲット(目印)を印刷により形成したものが知られている。
フロントシートに対して粘着テープファスナーを止着するようにした構造のものは、テープファスナーの取付位置が調整可能である利点があるものの、着用後一旦剥がし、排尿の有無を確認した後、再度、フロントシートに固定する場合、粘着剤の止着強度が低下する。さらに、元来、粘着剤による接着強度に頼るために、たとえば大きい面積を有する成人用の紙おむつにおいては強度不足となり、剥がれが生じやすい。
この点、面ファスナーを用いると大きい係合強度が得られ、かつ、着脱を繰り返しても係合強度の低下がないという利点がある。この場合の面ファスナーとしては、フック要素が多数の逆レ字状やきのこ状の突起からなり、フック受け要素が基材部表面に両端が固定された多数の略半円弧状のループからなり、両要素が粘着力や化学的結合ではなく、からみ合いにより機械的に着脱(剥離)自在となっているものが一般に用いられている。そして、従来は、図11に拡大して示すように、ループ5a,5a…としては捲縮加工(嵩高加工)が施されたフィラメント糸(単フィラメントをfで図示)が用いられており、その嵩高性によってフック要素との強固な絡み合いが実現されている。また、このようにフロントテープに代えて面ファスナーを用いる場合においても、前記のターゲットを基材部5bに形成したものが市販されている。
しかし、従来の面ファスナーのフック受け要素では、主に「ループを構成する糸の嵩高さ」によって、図11に示すように、基材部表面の多数のループ5a,5a…によって基材部5b表面のターゲット(図示せず)が散点的に隠蔽されてしまい、ターゲットとしてキャラクターやデザイン模様等を施しても、それを鮮明に見ることができないという問題点があった。
したがって、本発明の課題は、面ファスナーテープを紙おむつの止着手段とするものにあって、フック受け要素の基材部のターゲットを見易くすることにある。
他の課題は、止着用フロントシート部分においても、通気性を有する製品を提供することにある。
本発明者らが鋭意研究したところによると、ループを有するフック受け要素における基材部ターゲットの見易さに影響するファクターとして、主に「ループを構成する糸の嵩高さ」、「ループの数密度(単位面積当りのループの数)」、および「ループ配置の規則性」があることが判明した。以下、順に説明する。
先ず、「ループを構成する糸の嵩高さ」が、ターゲットの見易さに最も影響すると考えられる。従来のようにループを構成する糸が捲縮加工されたフィラメント糸(図11の拡大部参照)であると、隠蔽面積が過大になり、下のターゲットが見にくくなる。ループの太さはフィラメント糸であるため一義的に決め難いが、捲縮加工された従来品では、多数あるループの略全てが太さ約400μm以上となっている。
次に、「ループの数密度」については、概ね60個/cm2を超えると、特に50個/cm2を超えると、隠蔽作用が目視において目立つようになる。また、反対にループが疎ら過ぎても、それのみが目立つようになり、下のターゲットが見にくくなる傾向がある。したがって、数密度は10個/cm2、好適には30個/cm2、特に好適には40個/cm2以上とする。
さらに、「ループ配置の規則性」も重要である。多数あるループが図11に示すようにループ5a,5a…がランダムに配置されていると、実際の隠蔽割合以上に見えにくくなるのに対して、図10に示すようにループ5a,5a…が規則的に配置されていると隠蔽部分を想定し易く、実際の隠蔽割合よりも見易く感じられるのである。具体的には、基材部を平面的に見て、多数あるループの60%〜70%以上、特に80〜90%以上が所定の同一方向に膨出して見える形態をなしていると、ループによる実際の隠蔽割合よりも見易く感じられることが判明している。
なおこの「ループ配置の規則性」には、「ループの長さ」が関係する、一つのループの長さが3mm、特に2mmを超えると、それ自体による隠蔽作用が目視において目立つようになる。また、ループが長くなると、それ自体の隠蔽面積も大きくなり、また基材部への固定により生ずる拘束力がループ全体に作用しなくなるため、前述のように繊維がばらけてループがより太くなってしまったり、自由部分が長くなるためにループが捩じれる等により不規則な形に変形し、全体として不規則な配置となり、実際の隠蔽割合以上に見えにくくなったりする。
他方、実際の紙おむつにおけるフロントシートとしては、図10や図11に示すように、ターゲットが施された基材部5bと、この基材部5bの表面に固定された、多数のループ5a,5a…が膨出するように編成された格子網状体20とからなるフック受け要素が用いられている。このように、基材部5bに対するループ5a,5a…の接着力を格子網状部分によって補う形態では、格子網状材における「縦糸部分5c及び横糸部分5dの嵩高さ」や「縦糸部分間隔及び横糸部分間隔」も基材部5bのターゲットの見易さに影響する。後者の影響は、ループの数密度と同様である。
このように見てくると、上述のファクターの全てが相乗的に作用していることが判るが、やはり中でもループの嵩高さや数密度の影響が大きい。しかし、従来のフック受け要素におけるループの嵩高さを単に少なくしたり、数密度を単に少なくしたりすると、フック要素との係合力が低下してしまい、本来の止着機能を損ないかねない。この問題点は、ループの数密度を上げることにより解決できるが、数密度を上げ過ぎると反対に基材部ターゲットの見易さを損ねてしまうという問題を解決できなくなる。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであって、次記の構成を採用するものである。
<請求項記載の発明>
フック要素とこれと係脱自在の関係を有するフック受け要素との組み合わせによる面ファスナーを用い、紙おむつ背側の両側部にそれぞれフック要素を固定し、腹側に1つフック受け要素を固定し、着用者への装着時の固定手段とする紙おむつにおいて、
前記フック受け要素は、材部と、数のループと、格子網状体とからなり、
前記基材部の表面には、胴回り方向に異なる複数の止着位置を表示するデザインが印刷され、
前記ループは、未捲縮加工の透明なナイロンまたはポリエチレンテレフタレートのフィラメントを束ね、太さが200μm以下、長さが3mm以下に形成され、
前記格子網状体は、未捲縮加工の透明なナイロンまたはポリエチレンテレフタレートのフィラメントを束ね、縦糸部分間隔が1.5〜1.8mm、横糸部分間隔が0.7〜1.3mmとなるように実質的に真直ぐに形成され、
前記ループは数密度が30〜60個/cm2、前記フック受け要素を平面的に見た時に前記ループの80%以上が同一方向に膨出し、膨張の両端部が前記格子網状体上に固定され、
前記フック受け要素単体の光透過率が60%以下である、ことを特徴とする止着用フロントシートを有する紙おむつ。
<作用効果>
請求項記載の発明は、材部に対するループの接着力を格子網状部分で補うものであり、かかる場合には基材部状のループ、格子網状体を未捲縮加工のフィラメント糸とすることにより、下の基材部の表面に印刷されたデザインを見易くすることができる。
格子網状体の縦糸部分間隔を1.5〜1.8mmとし、且つ横糸部分間隔を0.7〜1.3mmとなるように実質的に真直ぐに形成し、ループ数密度を30〜60個/cm2とし、80%以上が同一方向に膨出させ、膨張の両端部を格子網状体上に固定することにより、フック受け要素単体の光透過率が60%以下となり、基材部の表面に表示されたデザインが見易くなり、未捲縮加工のフィラメント糸を用いても十分な止着力が発揮される。また、ループの数密度がこの範囲にあると、一見すると密な配置によって隠蔽効果が大きくなると思われるが、実際に目視すると基材部自体の素材感に近く見えるため、ループが疎らに配置された従来品よりもかえって下のデザインが見易くなる。
<請求項記載の発明>
前記ループを、ポリウレタン系接着剤により前記基材部に固定した、請求項に記載の止着用フロントシートを有する紙おむつ。
<作用効果>
かかる接着剤を用いることにより、基材部表面の光沢感を抑えることができ、もって基材部のターゲットがより見易くなる。
<請求項記載の発明>
せん断強度試験方法による、相互に止着された前記フック要素の表面と前記フック受け要素の表面とを両表面に沿う方向に相対的にずらすのに要する力として定まる、せん断力が100g以上であり、剥離強度試験方法による、相互に止着された前記フック要素の表面と前記フック受け要素の表面とを両表面に直交する方向に引き剥がすのに要する力として定まる、剥離力が10g以上である、請求項1または2に記載の止着用フロントシートを有する紙おむつ。
<作用効果>
前述の構成により、ループによる止着力を十分に維持しながらもその下のターゲットを見易くすることができるが、具体的な止着力としては上記範囲のせん断力及び剥離力を有するように設計するのが望ましい。
ここに、本発明にいう「せん断強度試験方法」および「剥離強度試験方法」は次のように定義される。
(イ)せん断強度試験方法
(1)図12に示すように、紙おむつ製品から40mm×100mmに切り取ったフック受け要素(フロントシート)5に、製品から切り取ったフック要素6のフックを有する部分全面を貼り付ける。このとき、フック要素6に対するフック受け要素5の向きが製品使用時と同様に、すなわちフック受け要素5の製品状態での縦方向と、フック要素8の製品状態での縦方向とが平行になるように貼り付ける。
(2)しかる後、フック要素8におけるフックを有しない基端部を引張試験機の上のチャックc1に、フック受け要素5における未係合部分を下のチャックに挟み、製品状態での横方向が縦方向に沿うような姿勢で、且つ上下チャックc1,c2間距離cyが50mmとなるように調整し、引張速度300mm/minでせん断方向に引っ張り、測定を行う。
(3)得られたチャートの最初のピークを読み取り、これをせん断強度とする。
(ロ)剥離強度試験方法
(1)図13に示すように、紙おむつ製品から40mm×100mmに切り取ったフック受け要素(フロントシート)5を、ループを有する側を表にして裏面を両面テープでステンレス板stに貼り付ける。固定されていない端部は表面がわからクラフトテープでステンレス板stに固定する。
(2)次に、貼り付けたフック受け要素5の表面に、製品から切り取ったフック要素8のフックを有する部分全面を貼り付ける。このとき、フック受け要素5に対するフック要素8の向きが製品使用時と同様に、すなわちフック受け要素5の製品状態での縦方向と、フック要素8の製品状態での縦方向とが平行になるように貼り付ける。しかる後、上記縦方向に質量2kgのローラーを1往復させ、フック要素8とフック受け要素5とを係合させる。
(3)次に、これらのステンレス板st,5,6をテーブルtbの縁等に固定し、フック要素8のフックを有しない基端部側をテーブルのtb縁から折り曲げて吊り下げ、その吊り下げ部分にクラフトテープctの一端部を貼り、クラフトテープctの他端部に1kgの分銅Gを取り付け、2秒間荷重をかける。
(4)次いで、荷重を外し、フック要素を係合した状態のフック受け要素をステンレス板とともに図示しない引張試験機に持ち込み、剥離角度90°、引張速度300mm/minで測定を行う。この状態が図13(b)に示されている。
(5)得られたチャートから最大値と最小値を除き、残りのピークから最大ピーク、最小ピーク各3点(計6点)を読み取り、平均値を求め、これをせん断力とする。
<請求項7記載の発明>
フィラメント糸の材質が半透明または透明のナイロンまたはポリエチレンテレフタレートである請求項1〜6のいずれか1項に記載の止着用フロントシートを有する紙おむつ。
<作用効果>
真直ぐなまたは緩やかにカーブしたフィラメント糸は未捲縮加工のものが、視認性に優れている。また、フィラメント糸の材質が半透明または透明のナイロンまたはポリエチレンテレフタレートであると、フック要素の止着性などの点で優れる。
以上の通り、本発明によれば、面ファスナーテープを紙おむつの止着手段とするものにあって、フック受け要素の基材部のターゲットが、ループによる隠蔽にもかかわらず見易くなる。
紙おむつの装着状態斜視図である。 製品の展開図である。 ファスナーテープを剥がした状態の要部横断面図である。 ファスナーテープを仮止めした状態の要部横断面図である。 他の例のファスナーテープを剥がした状態の要部横断面図である。 他の実施例の紙おむつの装着状態斜視図である。 フロントシートの断面図である。 フロントシートの断面図である。 他の実施例の紙おむつの装着状態斜視図である。 本発明に係るフロントシートの要部拡大平面図である。 従来のフロントシートの要部拡大平面図である。 せん断強度試験方法の要領説明図である。 剥離強度試験方法の要領説明図である。 ファスナーテープを仮止めした状態の要部横断面図である。
以下本発明を図面に示す実施の形態を参照しながらさらに詳説する。
図1〜図4は第1実施例を示したもので、紙おむつ本体は、表面(肌に当る面)側の不織布等からなる透液性トップシート1と、裏面のポリエチレンシート等からなる、より好ましくは内面側がポリエチレンシート等からなり、外面側が不織布からなるポリラミ不織布からなる不透液性バックシート2と、周囲部分をフラップ部として残してそれらの間に介在された綿状パルプ等からなる吸収体3とを基本構成要素としている。ここで、ポリラミ不織布からなる不透液性バックシート2には、細かいニードル孔を多数形成することにより、これに通気性及び透湿性を付与したものを使用するのが望ましい。
吸収体3に隣接して脚回り部分に1本または複数本の弾性伸縮部材4Aが必要により設けられている。前後端には、必要により前後漏れ防止用弾性伸縮部材4Bが設けられる。図示の形態は、吸収体3に隣接して脚回り部分に1本または複数本の弾性伸縮部材4Aを平面ギャザーとして設けたものであるが、より望ましくはバリヤーカフス(起立カフスとも呼ばれる)として設けたものである。
この種の紙おむつ本体は公知のものであるが、本発明では腹部Sの外面に、多数のループ5aが基材5bに突出するフック受け要素を構成するフック受けシート(からみ受シート)5が、いわゆるフロントシートとして不透液性バックシート2により固定される。ただし、図1に示すフック受けシート5のループ5aは、図面を見易くするためにサイズや配置を決定しており、後述する本発明の範囲とは相関がない。
他方、背中Bがわ両側部には、面ファスナーの他の一つの要素が固定されている。実施例においては、背中Bがわ両側部はバックシート2とトップシート1とにより構成され、バックシート2の表面にその側縁から外方に張り出して主テープ部材6が、たとえば粘着剤層6Aにより固定され、トップシート1の表面とその側縁を跨いだ主テープ部材6の内面側との間に副テープ部材7が、たとえば両端が粘着剤層7Aにより固定状態で設けられている。
前記主テープ部材6の副テープ部材7が存在しない内面側部分に、面ファスナーのフック要素を構成するフックシート8がたとえば粘着剤層8Aにより固定されている。フックシート8は、多数のフック片8aを基材8bに植設したものであり、フック片8aは前記ループ5aと係脱自在の関係にある。また、フックシート8は、好ましくは、主テープ部材6の先端から内側に設けることにより、先端部を撮み部として残してある。
他方、図4に示されているように、未装着時においては主テープ部材6を、製品の内側に折り畳んだ状態とされ、その際に、フックシート8は、副テープ部材7の一部、あるいは図5に示されるように、副テープ部材7全体を越える位置において不織布からなるトップシート1の繊維に剥離自在に絡んだ状態で係合している。より構成パーツを少なくするべく、図14に示すように、主テープ部材6のみを用い、その基端部およびバックシート2の側縁部と対応する部分のみを粘着剤層n1,n2を介してバックシート2に固定するとともに、主テープ部材6におけるフック片8a部分よりも先端側の中間部に粘着材層n3を形成しておき、未装着時においては主テープ部材6を、製品の内側に折り畳んだ状態で先端部の粘着剤層n3により製品内側に固定することもできる。
かかる紙おむつにおいては、フックシート8を有する主テープ部材6、および副テープ部材7が紙おむつ本体に取付けられた後、図4に示すように、主テープ部材6を、紙おむつの内側に折り畳んだ状態とし、フックシート8を、副テープ部材7の一部を越える位置において、不織布からなるトップシート1の繊維に絡ませて係合しておき、製造工程をさらに進め、荷作り後、出荷する。
紙おむつの装着時には、主テープ部材6の先端を摘み、トップシート1からフックシート8を剥離し、その延在部分を腹側Sに持ち込み、フックシート8をフック受けシート5上に重ねる。この重ね合わせによって、各フック片8aが各ループ5aに絡み、紙おむつ前後の結合がなされる。
排尿の有無の確認や装着のやり直しに際しては、フックシート8の延在部をフック受けシート5から剥して、再結合すればよい。
上記実施例においては、フックシート8を粘着剤8Aにて主テープ部材6に対して固定したが、粘着剤層8Aによることなくフックシート8の基材8bを主テープ部材6に熱溶着などにより固定することもできる。
フックシート8は、主テープ部材6の長手方向に沿って間隔を置いて複数設けることもできる。図1および図2に示されているように、フックシート8を有する主テープ部材6および副テープ部材7のファスナーテープは、紙おむつの一方の両側部に対して2つ設けたが、接合強度に応じて(あるいは幼児用などの用途に応じて)1つまたは3以上とすることができる。また、図6に示すように、フック受けシート5は、腹側に個別に対応して配置してもよい。
前述のとおり、本発明においては、図7に断面で示すように多数のループ5aが基材部5b表面に突出するフック受け要素を構成するフック受けシート5が不透液性バックシート2上に例えばホットメルト接着剤11により固定される。この場合、図示のように、基材部5bを構成する基材シートの表面に直接にターゲットをグラビア印刷やフレキソ印刷等の公知の印刷手段により施した後、その表面にホットメルト接着等によりループを固定するのが望ましい。基材シートの裏面にターゲットを付けることもでき、その場合には基材シート自体を透明または半透明な素材で形成する。この基材シート5bとしては、印刷厚も含めて25μm以下の厚さのものが好ましく、材質としては例えばポリエチレンが望ましい。
また、図8に断面で示すように、フック受けシート5を不透液性バックシート2に直接固定するのではなく、フック受けシート5を固定すべき位置において、前記フックシート8の止着位置のターゲット9が外面側に印刷された印刷フィルム10を、たとえばホットメルト接着剤11により不透液性バックシート2に固定し、その印刷フィルム10上にフック受けシート5を熱溶着により(熱溶着層を符号12で示す)積層一体化させるとともに、フック受けシート5は前記ターゲット9が外部から見えるようにするために、透明または半透明とすることもできる。この場合、印刷フィルム10も本発明の基材部を構成する。かくして、フック受けシート5を介して外部から前記ターゲット9が視認可能となっており、前記フックシート8の止着位置をターゲット9に応じて選択できる。
ターゲット9としては、数字、マーク、色分け帯または線などによって表示でき、特にこれらによって、図9に示すように胴回り方向に異なる複数の止着位置を表すように色分けされた帯状のデザインからなるターゲット9を形成するのが望ましい。なお図9中では図面の見易さのため、色分けおよびループは省略している。しかし、本発明では次述のようにフック受けシート5上には多数のループが設けられる。
そして特に本発明では、図10に平面を示すように、全てのループ5a,5a…を未捲縮加工の真直ぐなまたは緩やかにカーブしたフィラメント糸で形成する。従来品と同程度の太さのフィラメントからなるフィラメント糸を用いた場合、ループの太さは一概にはいえないが略全てが約200μm以下になる。本発明では、かかる真直ぐなまたは緩やかにカーブしたフィラメント糸を用いることにより、図11の従来品の対比図と比べると明らかなようにループ5a,5aによる隠蔽面積が著しく小さくなり、基材部5bのターゲット9がループ5a,5a…の存在にもかかわらず見易くなる。
ただし、これだけであると、捲縮加工をしていないことによってフックとの係合力が弱くなるので、ループ5a,5a…の数密度を10〜60、好適には30〜60個/cm2、特に好適には40〜50個/cm2以上にするのが望ましい。ループ5a,5a…の数密度がかかる範囲にあると、前述のとおり下のターゲット9の見易さを損ねるどころか、反対に見易くなる。
また図示のように、表面側から視認可能なターゲット9を有する基材部5bと、この基材部5bの表面に固定された、多数のループ5aが膨出するように編成された格子網状体とからなるフック受け要素を用いる場合には、格子網状体5N全体(すなわち、縦糸部分5c、横糸部分5d、ループ5aの全て)を未捲縮加工の真直ぐなまたは緩やかにカーブしたフィラメント糸により形成すると、下の基材部5bのターゲット9が見易くなる。この場合、ループ5a,5a…の数密度を前述範囲となすとともに、格子網状体20における縦糸部分間隔yを1.5mm以下、特に0.7〜1.3mm、且つ横糸部分間隔xを3.0mm以下、特に1.5〜1.8mmとなすことにより、前述のとおり下のターゲット9の見易さを損ねるどころか、反対に見易くなる。この場合、格子網状体の目付けは、25.0〜34.0g/m2であるのが望ましい。
ここにフィラメント糸は、拡大して示すように細いフィラメントfを10数本束ねたものであり、材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やナイロン等公知のもの全てを利用できるが、ナイロンが特に望ましい。フィラメント糸の色としては、白色、半透明または透明のものが望ましい。
さらに基材部5bのターゲット9を見易くするためには、フック受け要素を平面的に見たときに、ループ5aの60〜70%以上、特に80〜90%以上が図示のように所定の同一方向に膨出(図では縦糸方向に対して左側に膨出)して見える形態をなすようにするのが好ましい。このため、一つのループ5aの長さを3mm以下、特に2mm以下として、ループが不規則に変形しないようにするのが望ましい。
また最終的な見易さの目安としては、フック受け要素単体の光透過率があり、本発明では、これが60%以下となるようにするのが好ましい。
ループ5a,5aは、図示の場合は格子網状体とともに、基材部5bに例えばホットメルト接着剤により固定する。この際に用いるホットメルト接着剤としては、ゴム系、スチレン系、ポリウレタン系接着剤を用いることができるが、中でもポリウレタン系接着剤を用いると光沢感が減り、よりターゲットが見易くなる。かかる接着剤の塗布量としては、3.5g/m2以上、特に4.0〜5.0g/m2が好ましい。
他方、前述のように、ループ5a,5a…の数密度を増すことによって、止着力(係合力)の低下を損なわないようにすることができるが、この止着力の最終的な目安としては、前述のせん断強度試験方法によるせん断力が100g以上で、前述の剥離強度試験方法による剥離力が10g以上であるように、前述の各ファクターを設定するのが望ましい。
また、本発明においては、ループ5a,5a…を有するフック要素表面に対して起毛処理を施し、ループ5a,5aを若干引き出し、若干ばらけさせることにより、フック要素との係合力を向上させることができる。この場合、止着力が向上するので、ループ密度を低下させることによって見易さを向上させ、起毛処理による見易さへの影響を相殺させることができる。
その他の付加的な処理としては、本発明におけるフック受け要素に対して、例えば微細な透孔または窪み孔を散点的に多数設ける(図示せず)ことによって、JIS−P−8117:ガーレー法による通気性が9.0sec/100ml、またJIS−L−1099:MVTR法(塩化カルシウム法)による透湿性が、500g/m2・d以上のものとするのも好ましい。
1…トップシート、2…バックシート、3…吸収体、5…フック受けシート、6…主テープ部材、7…副テープ部材、8…フックシート、9…ターゲット、10…印刷フィルム、11…ホットメルト接着剤、12…熱溶着層。

Claims (3)

  1. フック要素とこれと係脱自在の関係を有するフック受け要素との組み合わせによる面ファスナーを用い、紙おむつ背側の両側部にそれぞれフック要素を固定し、腹側に1つフック受け要素を固定し、着用者への装着時の固定手段とする紙おむつにおいて、
    前記フック受け要素は、材部と、数のループと、格子網状体とからなり、
    前記基材部の表面には、胴回り方向に異なる複数の止着位置を表示するデザインが印刷され、
    前記ループは、未捲縮加工の透明なナイロンまたはポリエチレンテレフタレートのフィラメントを束ね、太さが200μm以下、長さが3mm以下に形成され、
    前記格子網状体は、未捲縮加工の透明なナイロンまたはポリエチレンテレフタレートのフィラメントを束ね、縦糸部分間隔が1.5〜1.8mm、横糸部分間隔が0.7〜1.3mmとなるように実質的に真直ぐに形成され、
    前記ループは数密度が30〜60個/cm2、前記フック受け要素を平面的に見た時に前記ループの80%以上が同一方向に膨出し、膨張の両端部が前記格子網状体上に固定され、
    前記フック受け要素単体の光透過率が60%以下である、ことを特徴とする止着用フロントシートを有する紙おむつ。
  2. 前記ループを、ポリウレタン系接着剤により前記基材部に固定した、請求項に記載の止着用フロントシートを有する紙おむつ。
  3. せん断強度試験方法による、相互に止着された前記フック要素の表面と前記フック受け要素の表面とを両表面に沿う方向に相対的にずらすのに要する力として定まる、せん断力が100g以上であり、剥離強度試験方法による、相互に止着された前記フック要素の表面と前記フック受け要素の表面とを両表面に直交する方向に引き剥がすのに要する力として定まる、剥離力が10g以上である、請求項1または2に記載の止着用フロントシートを有する紙おむつ。
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