JP5940193B1 - 面ファスナーと繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面化粧材と裏材を係脱自在に面接合する面ファスナーと内装材を得る。【解決手段】(a) 加熱されて溶融した溶融物26が先端に固着している熱可塑性合成繊維の破断端末11が表面に露出している布帛に構成され、雄型係合素子が表面に露出している破断繊維33の破断端末によって構成されている雄型面ファスナー14と、(b) 両端が布帛本体に係止されている表面繊維34が表面に露出している布帛に構成され、雌型係合素子が表面に露出している表面繊維によって構成されている雌型面ファスナー24とによって面ファスナーを構成し、(c) 雌型係合素子を構成している表面繊維の単繊維繊度を3dtex未満且つ雄型面ファスナー破断繊維の単繊維繊度よりも2dtex以上細くし、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーの何れか一方を裏地31とし他方を表地32とし、裏地31と表地32が係脱自在な内装材10を構成する。【選択図】図5

Description

本発明は、表地と裏地から成る車両内装材や天井装飾、壁面装飾等の内装材、基材の外面が化粧材で装飾された建具や椅子等の屋内装置品、表地と裏地から成る被服等の二つの面材で係脱自在に構成された被服や寝具等の繊維製品の接合構造に関するものである。
サイズの大きい二つの面材の着脱自在に確り接合するための接合資材として両面粘着テープと面ファスナーが汎用されている。両面粘着テープには、剥離した際に粘着成分が糊残りとなって基材面を汚染する危険があり、この点で面ファスナーは有利である。
面ファスナーは、単繊維繊度30dtex以下の繊維によって構成された不織布やループパイル54で被覆された雌型面ファスナー58と、フック要素が突出した雄型面ファスナー57によって構成されている(図14参照)。フック要素には単繊維繊度が70〜1000d(デニール)の繊維が使用されている(特許文献1)。
フック要素には、雄生揉みや牛膝、アザミ等の植物種子の棘に似たJ字状を成す鈎形フックと、茸のように脹らんだ繊維端末によって形成されたキノコ型フック55がある(図14参照)。キノコ形フックは浸漬したカットパイル布帛の水面に突き出たカットパイルの先端を加熱溶融して形成される(特許文献2,3,4)。キノコ型フックの外径は、カットパイル56の繊維の外径の2〜4倍になっている。キノコ形フックには、浸漬した際に水の表面張力によって引き倒されずに先端が水面から突き出る程度に太く剛直なモノフイラメントをカットパイル56に使用しなければならず、単繊維繊度が10dtex以下の軟弱な細手のモノフイラメントによってキノコ形フックをつくることは困難である。
キノコ形フックに関しては、ニードルパンチ不織布の表面に直炎を当ててキノコ形フックを形成することも提案されている(特許文献5)。しかし実際には直炎を当てたニーバルパンチ不織布の表面の繊維毛羽は溶融樹脂皮膜となり易く(特許文献6)、理想通りキノコ形フックを形成することは困難である。
そして従来の雄型面ファスナーでは、厚い雌型面ファスナーに喰い込めるように長く硬い剛直なカットパイル56が起立しているので肌触りが悪く肌身を傷つけ擦り傷を負う危険があり、長期にわたって圧迫されるときはフック要素が押し倒されたままセットされて厚みが変化するので表面化粧材と裏材を着脱自在に面接合する内装材の接合治具には不向きである。
そこで、薄く軟らかく長期間押圧されても厚みが変化せず、広幅で表面化粧材と裏材を係脱自在に面接合する面ファスナーが考案された(特許文献7)。
その面ファスナーは、(a) 加熱されて溶融した溶融物26が先端に固着している熱可塑性合成繊維の破断端末11が表面に露出している布帛に構成され、雄型係合素子が表面に露出している破断繊維33の破断端末によって構成されている雄型面ファスナーと、(b) 両端が布帛本体に係止されている表面繊維34が表面に露出している布帛に構成され、雌型係合素子が表面に露出している表面繊維34によって構成されている雌型面ファスナーとによって構成されている。
その溶融物26が破断繊維33の破断端末に固着している雄型面ファスナーとしては、製編織過程でパイル糸のパイル糸ループが破断されて形成されてカットパイル布帛の縦向き繊維を形成している基布から起立した破断繊維33の破断端末が露出しているカットパイル面にレーザー光線を照射し、その照射箇所の起立している破断端末11を加熱し溶融して溶融物26が発生、つまり、溶融物26が発生する加熱溶融前に繊維が破断されている破断繊維起立型雄型面ファスナーのほかに、製造後の布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態の横向き繊維の表面にレーザー光線を照射し、その照射箇所の横向き繊維が加熱され溶融し破断された横向き繊維の破断繊維33の破断端末11に溶融物26が発生して固着、つまり、加熱溶融されて破断繊維33となった破断繊維横向き型雄型面ファスナーも考案された。
実開昭62−073777号公報(実公平03−17729) 特開昭49−95742号公報(特公昭54−38541) 特開昭49−96838号公報(特公昭54−38542) 実開昭49−23102号公報(実公昭52−56081) 特開昭48−32045号公報(特公昭53−22501) 特開昭49−22226号公報(特公昭52−44254) 特開2013−231255号公報(特許第5051563号)
表面に露出している表面繊維34の両端が布帛本体に係止されている織物や編物或いは不織布等の一般の布帛は、破断繊維起立型雄型面ファスナーに対しても破断繊維横向き型雄型面ファスナーに対しても、それらの表面に固着している溶融物26に表面繊維34が引っ掛かって雌型面ファスナーとしての機能を発揮するものと思われた。
しかし、表面繊維34が膨出していて雄型面ファスナーの溶融物26に引っ掛かり易く見える嵩高な布帛の中には、表面繊維34が溶融物26に引っ掛からず、雌型面ファスナーとしての機能を発揮しない布帛が意外にも多いことが判明した。
そこで雄型面ファスナーと表面繊維が表面に膨出している布帛との接合関係について鋭意研究し、次の知見を得た。
(知見1)
破断繊維起立型雄型面ファスナーと破断繊維横向き型雄型面ファスナー(以下、必要に応じて両者を合わせて『破断繊維溶融型雄型面ファスナー』と総称する。)は、雄型係合素子が単繊維繊度50dtex以下の破断繊維に支持されている点において共通し、単繊維繊度が77dtex(70デニール)以上の太手の繊維に支持されている在来の鈎形フックやキノコ型フック(図14参照)とは支持する繊維の太さが著しく異なり細手である点においても共通し、それらの雄型係合素子は、これらの共通点からして『破断繊維溶融型素子』として在来の鈎形フックやキノコ型フックと区別することが出来る。
(知見2)
鈎形フックやキノコ型フックとの相違点である単繊維繊度の細さからして、破断繊維溶融型素子は、雌型面ファスナーに対して、在来の鈎形フックやキノコ型フックのように突き刺さる突入係合構造ではなく、圧着されて雌型面ファスナーの繊維に密着して絡み付く密着係合構造となる点においても鈎形フックやキノコ型フックとは相違する。
(知見3)
この係合初期の係合構造の相違からして、破断繊維溶融型素子は、在来の鈎形フックやキノコ型フックの雌型面ファスナーの一本の繊維糸条に引っ掛かる釣り針型係止構造ではなく、周囲の多数本の繊維からの内部圧力を受けて雌型面ファスナーの一本の繊維に絡合し係止される内部圧力作用型係止構造となる点においても鈎形フックやキノコ型フックとは相違する。
(知見4)
破断繊維溶融型雄型面ファスナーでは、これらの鈎形フックやキノコ型フックとの相違点、特に係合初期において密着係合構造となり、係止状態において内部圧力作用型係止構造となる点において、雌型面ファスナーの繊維の単繊維繊度が太く繊維径が太くなれば、係合すべき雌型面ファスナーの一本の繊維の裏側まで溶融物が到達し難く、その一本の繊維の表面から溶融物が滑脱し易く、雌型面ファスナーとの係止状態が不安定になる。
(知見5)
破断繊維溶融型雄型面ファスナーでは、又、雌型面ファスナーの繊維の単繊維繊度が太く繊維径が太くなれば、破断繊維が嵌合する雌型面ファスナー内部の繊維間隙間も粗くなり、一旦その繊維間隙間に破断繊維が嵌まり込んでも直ぐ抜け易くなり、この点でも雌型面ファスナーとの係止状態が不安定になる。
(知見6)
破断繊維溶融型雄型面ファスナーでは、又、破断繊維の単繊維繊度が細く繊維径が細くなれば雌型面ファスナーの繊維に押し返されて折れ曲がり易くなるので、雌型面ファスナー内部の繊維間隙間に破断繊維が嵌まり込み難くなり、係合すべき雌型面ファスナーの一本の繊維の裏側まで溶融物が到達し難く、破断繊維が係止されるべき雌型面ファスナー内部の繊維との係止状態が不安定になる。
(知見7)
これらの点で、雌型面ファスナーの繊維の単繊維繊度が細く繊維径が細くなれば可撓性も高まり、破断繊維溶融型素子に向き合う雌型面ファスナーの繊維は、周囲の繊維からの圧力を受けて破断繊維溶融型素子に密着し易くなる。
(知見8)
又、雌型面ファスナーの繊維の単繊維繊度が細く繊維径が細くなれば可撓性も高まることから、破断繊維溶融型素子は、向き合う雌型面ファスナーの繊維に押し返されることなく繊維間隙間に嵌まり込み易くなる。
(知見9)
更に、雌型面ファスナーの繊維の単繊維繊度が細く繊維径が細くなることから、破断繊維溶融型素子は、雌型面ファスナーの繊維径が細いことで向き合う雌型面ファスナーの繊維の裏側まで到達し易くなり、雌型面ファスナーの繊維に係合し易くなる。
(知見10)
雌型面ファスナーの繊維の単繊維繊度が細く繊維径が細くなれば、雌型面ファスナー内部の繊維間隙間が細かく緻密になり、嵌まり込んだ繊維間隙間から破断繊維溶融型素子が抜け難くなり、破断繊維溶融型雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの係止状態が安定になる。
即ち、破断繊維33に向き合う雌型面ファスナーの表面繊維34の単繊維繊度が細く繊維径が細くなって可撓になれば、その向き合う破断繊維33へと周囲の表面繊維34からの圧力を受けて密着し、その向き合う破断繊維33の溶融物26が雌型面ファスナーの嵩高に膨らみ出た表面繊維34の膨出隙間へと押し込まれ、表面繊維34の裏側に廻り込んで突出し易く、破断繊維溶融型雄型面ファスナーと雌型面ファスナーは確り係合する。
又、雌型面ファスナーの表面繊維34の単繊維繊度が細く繊維径が細くなると、雌型面ファスナー内部の繊維間隙間28が細かく緻密になり。一旦雌型面ファスナーの内部の繊維間隙間28に嵌まり込んだ破断繊維の溶融物26は、繊維間隙間を幾重にも囲む表面繊維34a,34b………に引っ掛かって雌型面ファスナーから外れ難くなる。又、一旦雌型面ファスナー内部の繊維間隙間に嵌まり込んだ溶融物は、前後の表面繊維34xと表面繊維34yの間に挟まれて繊維間隙間から抜け出し難くなる。
こうして、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの係止状態が安定する。しかし、雌型面ファスナーの表面繊維の単繊維繊度が太く繊維径が太くなれば、破断繊維の端末11が嵌合すべき雌型面ファスナー内部の繊維間隙間が粗くなり、溶融物が嵌まり込んでも直ぐ抜け出し易く、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの係止状態が不安定になる。
又、雌型面ファスナーの表面繊維34の単繊維繊度が太く繊維径が太くなれば、相対的に細手となる破断繊維33の端末11は雌型面ファスナーの太手の表面繊維34に押し返されて折れ曲がり易くなり、雌型面ファスナー内部の繊維間隙間28に嵌まり込み難く、溶融物26が係合すべき雌型面ファスナーの一本の太手の表面繊維34の裏側まで回り込んで到達し難く、その一本の太手の表面繊維34の表面から滑脱し易くなり、破断繊維溶融型雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの係止状態が不安定になる。
本発明は、破断繊維溶融型雄型面ファスナーと雌型面ファスナーは、雌型面ファスナーの表面繊維の単繊維繊度が太くなるにつれて接合し難くなり、両者の係合具合は、破断繊維溶融型素子の破断繊維と雌型面ファスナーの表面繊維との繊度差に応じて変化するとの上記の知見に基づいて完成され、上記の知見は、本発明の効果によって確認された。
本発明に係る面ファスナーの第1の特徴は、(a) 熱可塑性合成繊維の破断した破断繊維33の破断端末11に破断繊維33の溶融物26が固着しており、その溶融物26によって雄型係合素子が構成されている雄型面ファスナー14と、両端が布帛本体に係止されて布帛の表面に平行になって露出している布帛の表面繊維34によって雌型係合素子が構成されている雌型面ファスナー24によって構成されており、(b) 雄型面ファスナー14が、布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態の横向き繊維の破断端末11に溶融物26が固着した破断繊維横向き型雄型面ファスナーである点にある。
本発明に係る雄型面ファスナーの第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、雄型面ファスナー14が、布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態の横向き繊維の表面に破断繊維33の溶融物26が固着した破断繊維横向き型雄型面ファスナーであり、その溶融物26において隣り合う複数本の破断繊維(33a,33b,33c)が溶融物26を介して連結されている点にある(図7,図8参照)。
本発明に係る雄型面ファスナーの第3の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、雄型面ファスナー14の破断繊維33の単繊維繊度が6dtex以上25dtex以下であり、雌型面ファスナー24の表面繊維34の単繊維繊度が2dtex未満であり、雄型面ファスナー14の破断繊維33の単繊維繊度と雌型面ファスナー24の表面繊維34の単繊維繊度との繊度差が4dtex以上23dtex以下である点にある。
本発明に係る雄型面ファスナーの第4の特徴は、上記第1と第2と第3の何れかの特徴に加えて、雌型面ファスナー24が棉繊維によってループパイルが形成されているタオル織物であり、雌型面ファスナー24の表面繊維34が棉繊維によって構成されており、棉繊維になる雌型面ファスナー24のループパイル面に対する雄型面ファスナー14の溶融物26の露出面の耐剥離強度が100g/m2 以上である点にある。
本発明に係る雄型面ファスナーの第5の特徴は、上記第1と第2と第3と第4の何れかの特徴に加えて、雌型面ファスナー24の表面繊維34の露出長さが、その表面繊維34の横断面を円形とし、その表面繊維34の比重と単繊維繊度によって算定される表面繊維34の太さである繊維径の20倍以上である点にある。
本発明に係る雄型面ファスナーの第6の特徴は、上記第1と第2と第3と第4と第5の何れかの特徴に加えて、雄型面ファスナー14が、裏側に合成樹脂層15が積層されている原布17の表面に溶融物26が発生して固着した雄型面ファスナーであり、その原布17に発生した溶融物26が破断繊維33の破断端末11に支えられて合成樹脂層15の表面に点在しており、その点在する溶融物26と溶融物26の間に合成樹脂層15が露出している点にある(図2参照)。
本発明に係る雄型面ファスナーの第7の特徴は、上記第6の特徴に加えて、雄型面ファスナー14の原布17の裏側に積層されている合成樹脂層15の表面に化粧材16が積層されている点にある。
本発明に係る雄型面ファスナーの第8の特徴は、上記第6と第7の何れかの特徴に加えて、原布17の繊維が溶融物26の発生箇所で分断された破片18となって合成樹脂層(15)の表面に接着している点にある。
本発明に係る雄型面ファスナーの第9の特徴は、上記第6と第7と第8の何れかの特徴に加えて、合成樹脂層15が発泡している点にある。
本発明に係る雄型面ファスナーの第10の特徴は、上記第1と第2と第3と第4と第5の何れかの特徴に加えて、雄型面ファスナー14が、裏側に化粧材(16)が積層されている原布17の表面に繊維の溶融物26が発生しており、その原布17に発生した溶融物26が破断繊維33の破断端末11に支えられて化粧材16の表面に点在しており、その点在する溶融物26と溶融物26の間に化粧材(16)が露出している点にある(図3参照)。
本発明に係る雄型面ファスナーの第11の特徴は、上記第10の特徴に加えて、原布17が分断された破片18となって化粧材16の表面に接着している点にある。
本発明に係る内装材は、上記第1と第2と第3の何れかの特徴を有する面ファスナーの雄型面ファスナー14と、上記第1と第2と第3の何れかの特徴を有する面ファスナーの雌型面ファスナー24との何れか一方を裏地31とし、その何れか他方を表地32とし、それらの雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24を係脱自在に接合して成ることを特徴とする。
本発明に係る屋内装置品化粧材は、上記第1と第2と第3と第4と第5と第6と第7と第8と第9と第10と第11の何れかの特徴を有する面ファスナーの雄型面ファスナー14と、上記第1と第2と第3と第4と第5と第6と第7と第8と第9と第10と第11の何れかの特徴を有する面ファスナーの雌型面ファスナー24との何れか一方を裏地31とし、その何れか他方を表地32とし、それらの雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24を係脱自在に接合して成ることを特徴とする。
本発明に係る被服は、上記第1と第2と第3と第4と第5と第6と第7と第8と第9と第10と第11の何れかの特徴を有する面ファスナーの雄型面ファスナー14と、上記第1と第2と第3と第4と第5と第6と第7と第8と第9と第10と第11の何れかの特徴を有する面ファスナーの雌型面ファスナー24が触れ合う部位に適用されていることを特徴とする。
本発明に係る寝具は、上記第1と第2と第3と第4と第5と第6と第7と第8と第9と第10と第11の何れかの特徴を有する面ファスナーの雄型面ファスナー14と、上記第1と第2と第3と第4と第5と第6と第7と第8と第9と第10と第11の何れかの特徴を有する面ファスナーの雌型面ファスナー24が触れ合う部位に適用されていることが触れ合う部位に適用されていることを特徴とする。
本発明の対象する破断繊維溶融型雄型面ファスナーは、冒頭に記した通り、破断繊維起立型雄型面ファスナーと破断繊維横向き型雄型面ファスナーを包含している。その破断繊維起立型雄型面ファスナーは、製編織過程でパイル糸のパイル糸ループが破断されて形成されてカットパイル布帛の縦向き繊維を形成している基布から起立した破断繊維33の破断端末が露出しているカットパイル面に破断繊維33の溶融物26が発生して固着しており、その溶融物26の発生箇所において縦向き繊維の破断端末11が起立している雄型面ファスナーである。即ち、破断繊維起立型雄型面ファスナーでは、溶融物26が発生する加熱溶融前に繊維が破断されて所謂カットパイル片である縦向き繊維を形成している。
一方、破断繊維横向き型雄型面ファスナーは、製造後の布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態の非カットパイル片である横向き繊維の表面に溶融物26が発生して固着しており、その溶融物26の発生箇所において横向き繊維が起立している雄型面ファスナーである。即ち、破断繊維横向き型雄型面ファスナーでは、溶融物26が発生する前に非カットパイル片である繊維は、布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態の横向き繊維であり、非カットパイル片である横向き繊維の表面に溶融物26が発生して固着している雄型面ファスナーであり、その破断繊維33である横向き繊維は、非カットパイル片であって溶融物26が発生して破断したものではなく、カットパイル片のように布帛の表面から起立しているものではない。
このように、本発明の対象する破断繊維溶融型雄型面ファスナーは、布帛に対する傾斜が概して90°相違する縦向き繊維(カットパイル片)と横向き繊維(非カットパイル片)を包含している。その破断繊維起立型雄型面ファスナーの縦向き繊維(カットパイル片)は、カットパイル片と見ることが出来、その縦向き繊維の先端に発生する溶融物26は、キノコ型面ファスナーのキノコ型フックを連想させる。しかし、その縦向き繊維の先端に発生する溶融物26は、粒径が500μm未満で微細なものであり、而も、その発生過程で縦向き繊維が熱収縮し、不特定方向に傾いて捲縮している。そのため、その熱収縮した繊維端末11は、熱収縮前の縦向き繊維のように布帛に直角に突出しておらず、不特定方向に傾いて、破断繊維起立型雄型面ファスナーの表面に分布している。
一方、破断繊維横向き型雄型面ファスナーの破断した横向き繊維(非カットパイル片)は、布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態になっているかのように想像し得ても、その破断過程で熱収縮し、不特定方向に傾いて捲縮している。
そのため、その熱収縮して破断した繊維端末11は、横向き繊維のように布帛の表面に平行にはならず、破断繊維起立型雄型面ファスナーの繊維端末11と同様に、不特定方向に傾いて破断繊維横向き型雄型面ファスナーの表面に分布している。
そのように破断繊維起立型雄型面ファスナーの破断繊維33の端末11も破断繊維横向き型雄型面ファスナーの破断繊維33の端末11も細かく捲縮して不特定方向に傾いているので、雌型面ファスナー24との接触箇所の臨界面に現れるそれらの破断繊維33の端末11は、図5と図6と図7と図8に示すように、共に細かく捲縮して不特定方向に傾いているものとして図示することが出来、又、両者には雌型面ファスナー24の細手の表面繊維34に絡み付く性質が認められる。従って、本発明では、破断繊維起立型雄型面ファスナーの破断繊維(カットパイル片)の端末11も破断繊維横向き型雄型面ファスナーの破断繊維(非カットパイル片)の端末11も同等のものとして扱われる。
図6は、単繊維繊度が5dtex未満の熱可塑性合成繊維を破断繊維33に使用した雄型面ファスナー14と、単繊維繊度が5dtex以上の熱可塑性合成繊維を表面繊維34に使用した雌型面ファスナー24を重ね合わせた場合の裏側から見た雌型面ファスナー24と雄型面ファスナー14の接触箇所の臨界面を拡大して示す斜視図である。
その臨界面において、図示するように、雌型面ファスナー24の表面繊維34の繊度が太くなり、繊維径が太くなると、その表面繊維34の太さに応じた粗い起伏が雌型面ファスナー24の臨界面に発生すると共に表面繊維34が剛直になり、表面繊維34の太さに応じて発生する粗い起伏に弾性変形は認められない。
従って、図6に図示する重ね合わせた雌型面ファスナー24を雄型面ファスナー14に押し付けて密着させるとき、雄型面ファスナーの表面に介在する破断繊維33h,33i,33jと雌型面ファスナー24の表面繊維34の関係は、次のようになる。
(1) 雄型面ファスナーの表面に介在する破断繊維33h,33i,33jを雌型面ファスナー24の繊維間隙間28に押し込もうとしても、雌型面ファスナー24の繊維間隙間28が押し広がり難く、雄型面ファスナーの破断繊維33h,33i,33jは表面繊維34に押し返され、雌型面ファスナー24の繊維間隙間28に押し込まれない。
(2) 一部の破断繊維33hが雌型面ファスナー24の表面の粗い窪みに嵌まり込んでも、窪みの形状が弾性変化しなければ、表面繊維34に絡み付いたことにはならない。
(3) 他の一部の破断繊維33iが表面繊維34に押し返されることなく繊維間隙間28に押し込まれたとしても、その繊維間隙間28は破断繊維33iに押し広げられたものではなく、表面繊維34の太さに応じて構成された粗く深い窪みに過ぎず、破断繊維33iは単に遊嵌しているだけで表面繊維34に絡み付いたことにはならない。
(4) 他の一部の破断繊維33jが繊維間隙間28に押し込まれて表面繊維34の裏面に回り込んだとしても、先の破断繊維33iと同様に、粗く深い窪みに遊嵌しているだけで表面繊維34に絡み付いたことにはならない。
これに対し、図5は、単繊維繊度が5dtex以上の熱可塑性合成繊維を破断繊維33に使用した雄型面ファスナー14と、単繊維繊度が5dtex未満の熱可塑性合成繊維を表面繊維34に使用した雌型面ファスナー24を重ね合わせた本発明の面ファスナーの裏側から見た雌型面ファスナー24と雄型面ファスナー14の接触箇所の臨界面を拡大して示す斜視図である。即ち、本発明によると、その臨界面において、図示するように、雌型面ファスナー24の表面繊維34の繊度が細くなり、繊維径が細くなると、雄型面ファスナー14に向き合う雌型面ファスナー24の臨界面は起伏の少ない平滑面になる共に表面繊維34も靱やかになり、雌型面ファスナー24の表面の繊維間隙間28も弾性変形し易くなる。
従って、図5に図示する重ね合わせた雌型面ファスナー24を雄型面ファスナー14に押し付けて密着させるとき、雄型面ファスナー14の表面に介在する破断繊維33e,33f,33gと雌型面ファスナー24の表面繊維34の関係は、次のようになる。
(1) 雄型面ファスナー14の表面に介在する破断繊維33e,33f,33gを雌型面ファスナー24の繊維間隙間28に押し込もうとすれば、雌型面ファスナー24の表面繊維34が変形して繊維間隙間28が押し広げられ、雄型面ファスナー14の破断繊維33e,33f,33gは表面繊維34に押し返されることなく、雌型面ファスナー24の繊維間隙間28に押し込まれる。
(2) 一部の破断繊維33eが雌型面ファスナー24の表面の細かい窪みに嵌まり込むときは、窪みの形状が弾性変化しており、その一部の破断繊維33eは窪みの周囲の表面繊維34に絡み付く。
(3) 破断繊維33fが表面繊維34に押し返されることなく繊維間隙間28に深く押し込まれるときは、その繊維間隙間28は破断繊維33fに押し広げられており、雌型面ファスナー24を雄型面ファスナー14に押し付ける圧縮応力の作用しない除重においては繊維間隙間28を狭める弾性回復力が破断繊維33fに作用するので、その破断繊維33fは繊維間隙間28に挟み込まれることになる。
(4) 他の一部の破断繊維33gが繊維間隙間28に押し込まれて表面繊維34の裏面に回り込むときも、先の破断繊維33fと同様に、弾性回復力が作用して破断繊維33gは繊維間隙間28に挟み込まれることになる。
このように、繊度が細く繊維径が細くなれば、可撓性も高まり、雌型面ファスナー24の表面繊維34は、接触箇所の臨界面において向き合う雄型面ファスナー14の破断繊維33に密着し易くなる(図5,図7,図8参照)。
一方、雄型面ファスナー14の溶融物26は、接触箇所の臨界面において向き合う雌型面ファスナー24の表面繊維34に押し返されることなく、雌型面ファスナー24の繊維間隙間28に嵌まり込み易くなる(図5,図7,図8参照)。
そして、雌型面ファスナー24の繊維間隙間28に嵌まり込んだ雄型面ファスナー14の溶融物26は、繊維間隙間28を突き抜けて雌型面ファスナー24の表面繊維34の裏側まで回り込み、雌型面ファスナー24の表面繊維34に確り係合する(図5参照)。
更に、表面繊維34の繊度が細く繊維径が細くなると、雌型面ファスナー24内部の繊維間隙間28も細かく緻密になるので、雄型面ファスナー14の溶融物26は、嵌まり込んだ繊維間隙間28から抜け出し難くなる(図5,図7,図8参照)。
従って、本発明によると、単繊維繊度が5dtex以上50dtex以下の破断繊維33によってフック要素が構成されて感触が柔らかく肌身に優しく、雌型面ファスナー24と確り係合する雄型面ファスナー14を得ることが出来る。
本発明の雄型面ファスナー14は、破断繊維33が基布から起立しているカットパイル布帛のカットパイル面に破断端末11の溶融物26が発生した破断繊維起立型雄型面ファスナーであっても、又、布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態の横向き繊維の表面に破断端末11の溶融物26が発生した断繊維横向き型雄型面ファスナーであっても、布帛の表面に露出している熱可塑性合成繊維に溶融物26を発生させて構成され、その表面に露出している熱可塑性合成繊維は、単繊維繊度が5dtex以上50dtex以下であり、布帛の表面に横倒しの状態であっても布帛の表面に起立状態であってもよい。
本発明の雄型面ファスナー14は、在来の鈎形フックやキノコ型フックに比して著しく細手なので、雌型面ファスナー24に係脱自在に接合して内装材10(図9参照)や屋内装置品化粧材の裏地31や表地32(図10参照)、或いは、ストレートパンツ46やスカート47の結び紐等として被服に使用するときでも(図11参照)、又、枕カバー、布団カバー、敷布、ベットカバー等の寝具類の裏地と表地の何れに使用するときでも嵩張らず、異物に触れたかの如き不快な感触を与えない。
本発明の雄型面ファスナー14の原布は溶融物26を形成する熱可塑性合成繊維が表面に横倒しの状態になっている平織地や平編地や不織布などの表面が平滑な薄手の布帛であってもよいので、それを裏地や表地として重ねて内装材や屋内装置品化粧材、或いは、被服や寝具類に使用するときでも、嵩張った印象や分厚く粗硬な印象を与えない。
このように、本発明によると、内装材や屋内装置品化粧材、被服、寝具類の使用に適した面ファスナー30を得ることが出来る。
本発明の破断繊維溶融型雄型面ファスナーの雄型係合素子である溶融物26に係合する雌型面ファスナー24の表面繊維34の単繊維繊度が細く繊維径が細くなれば可撓性も高まり、溶融物26に向き合う表面繊維34aは、周囲の表面繊維(34b,34c,34d………)からの圧力を受けて破断繊維33に密着し易くなる(図7,図8参照)。
又、表面繊維34は、単繊維繊度が細く繊維径が細くなると、折れ曲がり易くなり、押し込まれて来る溶融物26に対する抗力が弱まるので、雄型面ファスナー14の溶融物26は、向き合う雌型面ファスナーの表面繊維34aに押し返されることなく、雌型面ファスナー24の繊維間隙間28に嵌まり込み易くなる(図7,図8参照)。
更に、表面繊維34の単繊維繊度が細く繊維径が細くなると、雄型面ファスナーの溶融物26は、向き合う雌型面ファスナーの嵩高に膨らみ出た表面繊維34の膨出隙間に嵌まり込み易く、その膨出隙間45を突きぬけて表面繊維34の裏側まで廻り込んで突出し易くなり、雌型面ファスナーの表面繊維34に確り係合する。
そして又、表面繊維34の単繊維繊度が細く繊維径が細くなると、雌型面ファスナー内部の繊維間隙間28も細かく緻密になり、嵌まり込んだ繊維間隙間28から溶融物26が抜け出し難くなり、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの係止状態が安定する(図7,図8参照)。
本発明では、溶融物26を支える破断繊維33の単繊維繊度を5dtex以上50dtex以下とし、雌型面ファスナー24の表面繊維34の単繊維繊度を3dtex未満にし、破断繊維33と表面繊維34との間に2dtex以上47dtex以下の繊度差を設けている。そうすると、棉繊維の単繊維繊度は1dtex前後であるから、棉繊維を表面繊維34に用いれば、破断繊維33と表面繊維34との間の繊度差が2dtex以上47dtex以下になり、雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24との耐剥離強度が100g/m2 以上になり、雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24が係脱自在に確り係合した面ファスナーが得られる。
棉繊維のように捲縮した表面繊維34は、絡まり易いので、溶融物26が嵌まり込み易い嵩高な繊維間隙間28を雌型面ファスナー24の表面に形成し易い。そのように雌型面ファスナー24の表面に嵩高に現れるようにするためには、その雌型面ファスナー24の表面に露出する表面繊維34の露出長さを表面繊維34の繊維径の20倍以上にするとよい。ここに、繊維径D(μm)は、表面繊維の比重をρとし、表面繊維の単繊維繊度をN(dtex)とするとき、それらの間に成立する関係式『D(μm)= 11.28×
(N÷ρ)1/2 』によって算定される。
雄型面ファスナー14の破断繊維33の単繊維繊度を6dtex以上25dtex以下とし、雌型面ファスナー24の表面繊維34の単繊維繊度を2dtex未満にし、雄型面ファスナー14の破断繊維33と雌型面ファスナー24の表面繊維34の単繊維繊度差を4dtex以上23dtex以下にすると、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの耐剥離強度が一層強まる。そのためには、破断繊維33の単繊維繊度を7dtex以上20dtex以下にし、表面繊維34の単繊維繊度を0.5dtex未満に、更に好ましくは0.05dtex未満にし、破断繊維33と表面繊維34の単繊維繊度差を6dtex以上19dtex以下にすることが推奨される。又、雄型面ファスナーの溶融物26の発生密度が緻密になれば、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの耐剥離強度が益々強まり、使用中に雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの間に浮き剥がれがなく、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーが係脱自在に確り係合した面ファスナー30が得られる。
雄型面ファスナー14の表面では、複数本の破断繊維(33a,33b,33c)を連結する溶融物26が、その結束する複数本の破断繊維(33a,33b,33c)に支えられて係止されているので、破断端末11から離脱し難く、露出する溶融物26に表面が樹脂化されて雄型面ファスナー14の耐久性が向上する。
本発明の第6の特徴を有する雄型面ファスナー14では、溶融物26によって構成されている雄型係合素子が破断繊維33の破断端末11に支えられて点在しているので軽質量で取り扱い易く、可撓性と伸縮性に富んでいて起伏のある施工下地面によく馴染んで施工し易い(図2参照)。
本発明の第7の特徴を有する雄型面ファスナー14は、合成樹脂層15の表面に化粧材16が積層されているので、内装材の表地に好適である。
本発明の第8の特徴を有する雄型面ファスナー14では、破断繊維33となる雄型面ファスナーの原布17が分断された破片18となっているので極軽質量で取り扱い易く、極可撓で起伏のある施工下地面によく馴染んで施工し易く、内装材の表地に好適である。
本発明の第9の特徴を有する雄型面ファスナー14は、合成樹脂層15が発泡しているので、クッション性の富み肌触りがよく、防音断熱施工に好適な内装材に好適である。
本発明の第10の特徴を有する雄型面ファスナー14は、溶融物26が破断繊維33の破断端末11に支えられて直接化粧材16の裏面に点在しているので、極可撓で極軽質量で取り扱い易い(図3参照)。
本発明の第11の特徴を有する雄型面ファスナー14は、破断繊維33となる雄型面ファスナーの原布17が分断された破片18となって化粧材16に接着しているので、極薄軽質量で被服や寝具に使い易い。
そして第8と第11の特徴を有する雄型面ファスナー14において、原布17を支持する合成樹脂シート(15)や化粧材(16)を雄型面ファスナー14の基材(15,16)とすれば、その基材(15,16)の物性に応じて伸縮性や弾力性、クッション性や断熱・保温性、吸音・防音・遮音性、柔軟性や剛性、耐水性や難燃性等、種々の物性に優れ、又、従来のキノコ型フック55(図14参照)とは構造が根本的に異なり、原布17が破片18となって形骸化し、焼き払われた田畠に頭をもたげた畝や稲株のように雄型係合素子である破片18が基材から突出し、恰も破片18を基材(15,16)に植設したかのような極めて新規な雄型面ファスナー14が得られる(図2,図3参照)。
本発明に係る面ファスナーの側面図である。 本発明に係る雄型面ファスナーの斜視図である。 本発明に係る雄型面ファスナーの斜視図である。 本発明に係る雄型面ファスナーの原布の斜視図である。 本発明に係る雌型面ファスナーと雄型面ファスナーとの接触箇所の拡大斜視図である。 本発明に対比される雌型面ファスナーと雄型面ファスナーとの接触箇所の拡大斜視図である。 本発明に係る面ファスナーの接合箇所の分解拡大斜視図である。 本発明に係る面ファスナーの接合箇所の拡大斜視図である。 本発明に係る内装材のインスツルメントパネルへの手順を示す車両ドアの斜視図である。 本発明に係る化粧材を装着した屋内装置品の斜視図である。 本発明の面ファスナーを装着したパンツとスカートの斜視図である。 本発明の面ファスナーに成る食卓用敷物の斜視図である。 面ファスナーの剥離強度試験装置の斜視図である。 従来の面ファスナーの接合箇所の拡大側面図である。
本発明の雄型面ファスナーの原布17としては、目付けが50g/m2 未満、好ましくは目付けが40g/m2 未満、更に好ましくは目付けが15g/m2 以上35g/m2 以下で概して25g/m2 前後で繊維間の隙間が細かく且つ均一で縦横各10mmの矩形面積内の隙間の分布密度が5個/cm2 以上となる極薄織物や極薄編物例えばトリコットナイロンハーフや蜘蛛の巣ように表裏を透視し得る極薄不織布を使用すると、レーザー光線を照射した際に原布17を構成している繊維糸条が破断して細かい破片18に分割され、恰も合成樹脂シート(15)や化粧材(16)に溶融物26の付着した破片18を散布し接着したかの如き雄型面ファスナー14が得られる(図2,図3参照)。
そのためには、原布17を合成樹脂シート(15)や化粧材(16)に接着してからレーザー光線を原布17に照射するとよい。又、そのためには、単繊維繊度が5dtex以上50dtex以下、好ましくは10dtex以上40dtex以下、更に好ましくは15dtex以上35dtex以下で概して25dtexとなる比較的太手繊維を原布17に使用する(図4参照)。そうすると、レーザー光線を照射した際に破断繊維33の全体が溶融して被膜状にならず、溶融物26が突き出た破断繊維33に覆われた破片18が発生して雌型面ファスナー24に係合し易い雄型係合素子が合成樹脂シート(15)や化粧材(16)の表面に形成される(図2,図3参照)。
合成樹脂シート(15)としてはポリウレタン樹脂シートが推奨される。それは、ガスバーナーを当てるとポリウレタン樹脂シートの表面が瞬時溶融して接着性を帯び、接着剤を使用することなく原布17を貼り合わせることが出来るからである。
本発明では、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの耐剥離強度を測定するために棉繊維によってループパイルが形成されているタオル織物を使用している。それは、熱可塑性合成繊維には繊維素材や比重、捲縮の有無、繊維長、単繊維繊度等の仕様の異なる種々の繊維があり、熱可塑性合成繊維によって耐剥離強度測定用の試験布の仕様を特定することは困難であるからである。これに対し、棉繊維は、天然の捲縮を有し、繊維長が20〜30mmの短繊維であり、比重も1.50前後で産地によるバラツキも少なく、高級品である海島棉の単繊維繊度は0.69dtex前後で最も細いもののインド棉やアメリカ棉やエジプト棉等の単繊維繊度は総じて1.20dtex前後でバラツキが少なく、棉繊維を使用すれば耐剥離強度測定用の試験布の仕様を特定し易くなると言う技術的メリットがある。又、棉繊維を使用したタオル織物には、それが汎用されていて容易に入手し得ると言う経済的メリットもある。そして又、棉繊維を使用したタオル織物には、雌型面ファスナー24に使用すると湯上がりマットや水回りマットに好適な面ファスナー30が得られると言う実用上のメリットもある。それ故に、本発明では、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとの耐剥離強度を測定するために、棉繊維によってループパイルが形成されているタオル織物を使用することにしている。
そのタオル織物を雌型面ファスナー24に使用した雄型面ファスナー14の耐剥離強度は、次の手順で測定される(図13参照)。
先ず、スペーサー50を間に挟んで上板51と下板52を平行且つ水平に支持し、その上板51の裏面に雄型係合素子である溶融物26の露出面を下向きにして縦横各10cmの矩形の雄型面ファスナー14を試験試料として貼り付ける。次に、縦横各10cmの矩形のタオル織物を雌型面ファスナー24の試験布として平板な支持板53にループパイル面を上向きに載置する。次いで、支持板53と共に雌型面ファスナー(試験布)を持ち上げて雄型面ファスナーに密着させ、そのまま支持板53を引き降ろす。その支持板53を引き降ろすとき、雌型面ファスナー24が落下せずに雄型面ファスナー14に密着状態に係止されているか否かを観察する。その支持板53を引き降ろすとき、雌型面ファスナー(試験布)が雄型面ファスナー14から剥離して落下した場合、雌型面ファスナー(試験布)の一平方メートル当たりの質量(wg/m2 )を以て、雄型面ファスナー14の耐剥離強度を雌型面ファスナー(試験布)の一平方メートル当たりの質量(wg/m2 )以下と判定する。雌型面ファスナー(試験布)が雄型面ファスナー14から剥離せずに密着状態の場合、雌型面ファスナー(試験布)の一平方メートル当たりの質量(wg/m2 )を以て、雄型面ファスナー14の耐剥離強度を雌型面ファスナー(試験布)の一平方メートル当たりの質量(wg/m2 )以上と判定する。
従って、本発明の雄型面ファスナー14の耐剥離強度を100g/m2 以上と判定するためには、縦横各寸法が10cmで質量が1g/枚の矩形のタオル織物を雌型面ファスナー24の試験片として使用すべきことになる。
雄型面ファスナー14の耐剥離強度測定のためには、一平方メートル当たりの質量の異なる複数種類の縦横各10cmの矩形に裁断されたタオル織物を試験布として用意しておくとよい。その複数種類の試験布は、一定のタオル織物の片面に裏地を重りとして貼り合わせて質量を加減したものであってもよい。
耐剥離強度が100g/m2 程度の面ファスナー30は、雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24に分離し易い。しかし、テーブルクロス40、ランチョンマット41、コースター42、ポットスタンド43等の食卓用敷物(図12参照)のように、汚染し易い部位に使用される面ファスナー30では、表側になる雄型面ファスナー14か雌型面ファスナー24を頻繁に取り換え、洗濯して再使用すべきことになり、その際、耐剥離強度が強ければ取り換え取り外しに手間取ることになるから、そのように汚染し易い部位に使用される面ファスナー30の耐剥離強度を100g/m2 程度にしておくと却って便利である。
それ故、本発明では、面ファスナー30の標準耐剥離強度を100g/m2 以上に規定し、又、棉繊維製タオル織物が水分や塵埃拭き取りに効果的でテーブルクロス40、ランチョンマット41、コースター42、ポットスタンド43等の食卓用敷物に好適なことから、棉繊維製タオル織物を雌型面ファスナー24に代わる試験布として規定している。
雌型面ファスナー24の表面繊維34の単繊維繊度が細く繊維径が細くなればなるほど、破断繊維33の破断端末31が表面繊維34に絡み付き易くなって、雄型面ファスナー14の耐剥離強度が強くなる。従って、単繊維繊度を0.5dtex未満に、好ましくは、0.05dtex未満に分割し得る分割型複合繊維を表面繊維34に使用することが推奨される。このように雌型面ファスナー24の表面繊維34に極細繊維を使用すると、雄型面ファスナー14の原布に対するレーザー光線の照射密度を緻密にして溶融物26の発生密度を緻密にすることなく、雄型面ファスナー14の耐剥離強度を強くすることが出来、肌触りのよい雄型面ファスナー14を得ることが可能となる。
しかし、このことは雌型面ファスナー24の表面繊維34に単繊維繊度が3dtex以上の繊維の使用を禁止することを意味しない。即ち、雌型面ファスナー24の表面繊維34には、雄型面ファスナーの破断繊維よりも単繊維繊度が太い5dtex以上の太手繊維を、単繊維繊度が3dtex未満の細手繊維や極細繊維34と混用することも出来る。
何故なら、単繊維繊度が3dtex未満の表面繊維と5dtex以上の表面繊維のように単繊維繊度の異なる数種類の繊維を雌型面ファスナー24に混用しても、雌型面ファスナー24の全ての繊維が5dtex以上の太手繊維になる訳ではなく、その混用する5dtex以上の太手繊維によって雌型面ファスナー24に混在する3dtex未満の表面繊維34の雄型面ファスナー14に対する雌型面ファスナー機能は損なわれる訳でもないからである。つまリ、雄型面ファスナーの表面に介在する全ての繊維が雌型面ファスナーの繊維に対して雄型係合素子として機能する訳ではなく、又、雌型面ファスナーの全ての繊維が雄型面ファスナーの繊維に対して雌型係合素子として機能を発揮し、雌型面ファスナーの中で溶融物26に触れる3dtex未満の表面繊維34だけが雌型面ファスナーとしての機能を発揮すると言う訳である。
それ故、3dtexを超える8dtex以上の太手繊維が雌型面ファスナー24の表面に混在していても、又、3dtex未満の極細繊維が雄型面ファスナー14の表面に混在していても、その混在する太手繊維や極細繊維によって雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24との間に作用する耐剥離強度は格別左右されない。
一方、3dtex以上の太手繊維が混在していれば、その混在する太手繊維によって雌型面ファスナー24の耐磨耗性、引張強度、引裂強度、形状寸法安定性等の物性品質が改善される。同様に、3dtex未満の細手繊維や0.5dtex未満の極細繊維が混在していれば、その混在する細手繊維や極細繊維によって雄型面ファスナー14の外観風合いが改善される。
それ故、雄型面ファスナーの破断繊維よりも単繊維繊度が太い5dtex以上、更には7dtex以上の太手繊維を、単繊維繊度が3dtex未満の細手繊維や極細繊維34と共に雌型面ファスナー24の表面繊維に混用することは許容される。
同様に、雌型面ファスナー24の表面繊維よりも単繊維繊度が細い3dtex未満の細手繊維や0.5dtex未満の極細繊維を、単繊維繊度が5dtex以上50dtex以下の太手繊維と共に雄型面ファスナー14に混用することも許容される。
それ故に、雄型面ファスナーの破断繊維よりも単繊維繊度が太い5dtex以上、更には7dtex以上の太手繊維を、単繊維繊度が3dtex未満の細手繊維や極細繊維34と共に雌型面ファスナー24の表面繊維に混用することは許容される。同様に、雌型面ファスナー24の表面繊維単繊維繊度が細い3dtex未満の細手繊維や0.5dtex未満の極細繊維を、単繊維繊度が5dtex以上50dtex以下の太手繊維と共に雄型面ファスナーの破断繊維に混用することが許容される。何故なら、雄型面ファスナーの表面には、レーザー光線が隈なく照射されている訳ではなく、溶融物26が固着していない破断繊維33もあれば、溶融物26が固着していない横向き繊維もある。その溶融物26が固着していない繊維に対して雌型面ファスナーの表面繊維34は、それが仮に3dtex未満の極細繊維であっても、雌型係合素子として有効に機能することはない。
そのように、雌型面ファスナーの全ての表面繊維が雌型係合素子として雄型面ファスナーの全ての繊維に機能する訳ではなく、又、雄型面ファスナーの表面に介在する繊維の全てが雌型面ファスナーの全ての表面繊維34に対して雄型係合素子として機能する訳でもないので、極細繊維を含む3dtex未満の細手繊維が雄型面ファスナーの表面に混在していても、その介在する一部の細手繊維によって雄型面ファスナーと雌型面ファスナーの間に係脱自在に作用する耐剥離強度が左右されることにはならない。
それ故に、雄型面ファスナーの破断繊維単繊維繊度が太い5dtex以上、更には7dtex以上の太手繊維を、単繊維繊度が3dtex未満の細手繊維や極細繊維34と共に雌型面ファスナー24の表面繊維に混用することが許容される。
同様に、雌型面ファスナーの表面繊維よりも単繊維繊度が細い3dtex未満の細手繊維や0.5dtex未満の極細繊維を、単繊維繊度が5dtex以上50dtex以下の太手の破断繊維33と共に雄型面ファスナーに混用することが許容される。
雌型面ファスナー24に3dtex未満の細手の表面繊維と3dtex以上の太手の表面繊維を混用する場合、それらを部分的に使い分け、市松模様、霜降り模様、縞模様、絣模様、格子模様等の模様状に雌型面ファスナー24の表面に現れるようにするとよい。
その場合、太手繊維の現れる部分を緻密且つ地厚にし、細手繊維の現れる部分を粗く嵩高にし、圧着した際に圧縮応力が太手繊維の現れる緻密で地厚な部分に集中し、その太手繊維の現れる部分に緩衝されて細手繊維の現れる粗く嵩高な部分には強い圧縮応力が作用しないようにし、その細手繊維の現れる部分で雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24との間で作用する耐剥離強度が維持されるようにする。
このことは、雄型面ファスナー14の単繊維繊度が5dtex以上の太手繊維と単繊維繊度が5dtex未満の細手繊維を混用する場合も同様であり、その混用する太手繊維と細手繊維を部分的に使い分けて市松模様、霜降り模様、縞模様、絣模様、格子模様等の模様状に表面に顕現させる。
このことは、雌型面ファスナー24に単繊維繊度が3dtex未満の細手繊維と単繊維繊度が5dtex以上の太手繊維を混用する場合も同様であり、細手繊維の単繊維繊度は2dtex未満に、好ましくは0.5dtex未満に、更に好ましくは0.05dtex未満にする。特に、レーザー光線の照射を必要としない雌型面ファスナーの場合は、織組織や編組織を変えて細手繊維と太手繊維を使い分け、太手繊維の織編み込まれる部分では、細手繊維の織編み込まれる部分に比して織編組織密度を緻密にし、地厚に製織編する。又、太手繊維で構成される織編糸の総繊度と太さを細手繊維で構成される織編糸の総繊度と太さよりも太くすることは、細手繊維の織編み込まれる部分に比して太手繊維の織編み込まれる部分を分厚くするうえで好ましい。
雄型面ファスナー14の溶融物26は、レーザー光線を照射し加熱し溶融させて破断繊維33に発生させることが出来る。その溶融物26がレーザー光線に加熱されて発生したものであるか否かは、その溶融物26の大きさと形状によって容易に判別することが出来る。即ち、レーザー光線に加熱されて発生した溶融物26は、雌型面ファスナーの嵩高に膨らみ出た表面繊維34の膨出隙間へと押し込まれる程度に細かく、その粒径は概して500μm以下であり、隣り合う複数本の破断繊維(33a,33b,33c)の溶接物が融着した起伏のある複雑な顆粒状の形状になる(図7,図8参照)。その点で、レーザー光線に加熱されて発生した溶融物26は、直炎によって溶融した繊維が連続して皮膜状に広がって形成する溶融物とは大きさと形状を異にし、又、超音波によって発生した溶融物のようにフィルム状にはならない。又、火炎放射装置を使用する場合、火炎が直径5mm以上に拡散し、直径5mm以上の広い範囲が加熱されて溶融するので、凹凸が細かく微細な溶融物は発生しない。超音波ミシンを使用する場合、微細な範囲で溶融されるものの、押圧エンボス加工を施したように凹部の底部で溶融物が押し広げられて顆粒状には形成されない。そしてヒーター(電気発熱体)による場合、粒径500μm以下の細かい顆粒状の溶融物は発生しない。従って、本発明における溶融物26は、レーザー光線に加熱されて変形した破断繊維に発生した溶融物として特定することが出来る。
雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24には、織物、編物、不織布、ループパイル布帛等の非カットパイル布帛とカットパイル布帛の何れをも使用することが出来る。
カットパイル布帛を雄型面ファスナー14に使用する場合は、カットパイル布帛のバックステッチ面にレーザー光線を照射し、バックステッチのパイル繊維を横向き繊維とし、バックステッチの表面に溶融物26を発生させることが出来る。こうして形成された雄型面ファスナー14は、片面がカットパイルで装飾されているので、内装材や化粧材の表地32に好適になる(図9,図10参照)。非カットパイル布帛を雄型面ファスナー即ち破断繊維横向き型雄型面ファスナーに使用場合は、その非カットパイル布帛はスエード調の人工皮革であってもよいし、繊度が15〜35dtexで概して25dtex前後のナイロンフィラメントで編成された目付けが15〜35g/m2 で概して25g/m2 前後のトリコットナイロンハーフのような極薄布帛であってもよい。又、非カットパイル布帛として破断繊維横向き型雄型面ファスナーに使用される不織布は、蜘蛛の巣ように表裏を透視し得る目付けが15〜35g/m2 で概して25g/m2 前後の熱溶融した繊維高分子ポリマーが紡糸ノズルから押し出され熱溶融状態にある熱可塑性合成繊維の堆積ウェブを圧搾した極薄のスパンボンド不織布であってもよいし、又、紡績カード機を通して嵩高く堆積された熱可塑性合成繊維の堆積ウェブに極薄のニードルパンチングを施したニードルパンチング不織布であってもよく、又、極薄のスエード調に仕上げられていてもよい。カットパイル布帛を雌型面ファスナー24に使用する場合は、バックステッチのパイル繊維を表面繊維34として使用する。この雌型面ファスナー24も、片面がカットパイルで装飾されているので、内装材や化粧材の表地32に好適になる(図9,図10参照)。
ループパイル布帛を雄型面ファスナー14に使用する場合は、ループパイル面にレーザー光線を照射して溶融物26を発生させることも出来、バックステッチ面にレーザー光線を照射してバックステッチの表面に溶融物26を発生させることも出来る。しかし、ループパイル面は装飾されていて内装材や化粧材の表地32に好適なので、バックステッチ面にレーザー光線を照射してバックステッチの表面に溶融物26を発生させる方が有益である。ループパイル布帛を雌型面ファスナー24に使用する場合は、ループパイル面のパイル繊維を表面繊維34として使用することも出来、バックステッチのパイル繊維を表面繊維34として使用することも出来る。しかし、この場合も、ループパイル面を表側に向け、内装材や化粧材の表地32として雌型面ファスナー24を使用する方が有益である。
実用上、雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24に使用する布帛の中で好適な布帛は、不織布である。それは、ティッシュペーパーや食器洗浄布、モップ等の清掃用布をはじめとして被服類の芯地や装身具や袋物類の裏地、カーペットその他の敷物類の二次基布、フィルターや座席カバーから包装資材に至るあらゆる分野で不織布が使用されていて規格の異なる多様な不織布が市販されて容易且つ安価に入手し得るばかりではなく、織物や編物と異なって前記の通り繊維が四方八方にランダムに連続した複雑な網目構造を形成していて強度的にも伸縮性の点でも方向性がなく、特に、熱溶融接着性ポリマーに被覆された芯鞘複合繊維に成る不織布や接着性ポリマーの付与された不織布では繊維と繊維の交絡点が接着性ポリマーを介して接合されていて強度的に品質が安定しており、需要に応じた種々の規格の雄型面ファスナーを迅速且つ経済的に提供することが出来、それ故に、本発明の実施分野が広く利用価値が高まる等の理由による。
雄型面ファスナー14や雌型面ファスナー24として使用する不織布は、ループパイル布帛やカットパイル布帛の二次基布としてバックステッチ面に裏打ち接着して使用してもよく、ほかの不織布や織物や編物に貼り合わせて使用することが出来る。
そうすると、ループパイル布帛やカットパイル布帛だけてはなく、ほかの多くの不織布や織物や編物を雄型面ファスナー14や雌型面ファスナー24として使用し得るようにすることも出来る。
つまり、凹凸の段差の大きいタフテッド・ループパイル布帛やタフテッド・カットパイル布帛のバックステッチ面のように段差の大きい布帛の凹凸面には直接レーザー光線を照射せず、レーザー光線を照射して溶融物26を発生させた不織布を貼り合わせた方が手っとり早いと言う訳である。
雄型面ファスナーの破断繊維33や雌型面ファスナーの表面繊維34に捲縮繊維を使用すると、雄型面ファスナー14や雌型面ファスナー24の風合いや感触を軟らかくすることが出来るだけではなく、雄型面ファスナーの触れ合う破断繊維33と破断繊維33の間の隙間28が広がって雌型面ファスナーの表面繊維34が入り込み易くなり、雌型面ファスナーの表面繊維34が輪奈のように膨出して雄型面ファスナーの破断繊維33が入り込み易くなり、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーの間に係脱自在に作用する剥離強度を強めることが出来る。それ故、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーには捲縮繊維を使用することが推奨される。前記のように、レーザー光線の照射されることのない雌型面ファスナーでは、捲縮繊維として、天然の捲縮を有する棉繊維の使用が推奨される。
雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24は、車両ドア内装材10では裏地31と表地32に、椅子や座椅子等の室内装置品内装材では裏材と背凭れ地および座面地に、車両床面内装材の床下敷では床下敷と足元マットに、天井や壁面や建具の内装材では施工下地材と天井張地や壁張地や表装地等の化粧材に使い分けられる。
その場合、雄型面ファスナー14を内装材10の裏地31に使用し、表地32には織物や編物、不織布、ループパイル布帛、カットパイル布帛等の通常の布帛を使用すると、吸音性や断熱性、保温性などの機能性に優れた内装工事が出来るので実用的である。
本発明の雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24を車両ドアの内装材10に使用する場合、インスツルメントパネル37には内装材10を嵌め込む飾り額38を設け、その飾り額38に裏地31と表地32を順次嵌め込む(図9参照)。
その場合、雄型面ファスナー14は内装材10の下地となる裏地31に使用すると、表地32には織物や編物、不織布、ループパイル布帛、カットパイル布帛等の通常の布帛を使用することが出来るので好都合である。
雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24を椅子や座椅子に使用する場合、椅子や座椅子の基材13には雌型面ファスナーを裏地31として固定し、その裏地31の上に破断繊維の破断端末11の露出面を重ね合わせ、雄型面ファスナー14を背凭れ表地32aや座面表地32bとして着脱自在に接合する。
そうすると、背凭れ表地32aや座面表地32bを取り外した状態の背凭れや座面には雄型係合素子が現れないので、その裏地31に覆われた椅子や座椅子を通常の椅子や座椅子と同様に使用することが出来る(図10参照)。
本発明に係る面ファスナーは、雄型面ファスナー14と雌型面ファスナー24をストレートパンツ46の結び紐とスカート47の結び紐の一方又は双方に使用してストレートパンツ46にスカート47を係脱自在に接合する等して被服や寝具類に利用することが出来る(図11参照)。
10:内装材
11:破断端末
13:基材
14:雄型面ファスナー
15:合成樹脂
16:化粧材
17:原布
18:破片
24:雌型面ファスナー
26:溶融物
28:繊維間隙間
30:面ファスナー
31:裏地
32:表地
33:破断繊維
34:表面繊維
37:インスツルメントパネル
38:飾り額
40:テーブルクロス
41:ランチョンマット
42:コースター
43:ポットスタンド
46:ストレートパンツ
47:スカート
50:スペーサー
51:上板
52:下板
53:支持板
54:ループパイル
55:キノコ型フック
56:カットパイル
57:従来の雄型面ファスナー
58:従来の雌型面ファスナー

Claims (2)

  1. (a) 熱可塑性合成繊維の破断した破断繊維(33)の破断端末(11)に破断繊維(33)の溶融物(26)が固着しており、その溶融物(26)によって雄型係合素子が構成されている雄型面ファスナー(14)と、両端が布帛本体に係止されて布帛の表面に平行になって露出している布帛の表面繊維(34)によって雌型係合素子が構成されている雌型面ファスナー(24)によって構成されており、
    (b) 雄型面ファスナー(14)が、布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態の横向き繊維の破断端末(11)に溶融物(26)が固着した破断繊維横向き型雄型面ファスナーであることを特徴とする面ファスナー。
  2. 雄型面ファスナー(14)が、布帛の表面に平行に続く方向に横倒し状態の横向き繊維の表面に破断繊維(33)の溶融物(26)が固着した破断繊維横向き型雄型面ファスナーであり、その溶融物(26)において隣り合う複数本の破断繊維(33a,33b,33c)が溶融物(26)を介して連結されている請求項1に記載の面ファスナー。
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