JP5405254B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
このうちテープ式紙おむつにおいては、紙おむつ本体と、紙おむつ本体の背側の左右両側から側方に張り出すように設けられたテープ部と、テープ部を止着させるために紙おむつ本体の腹側に設けられたターゲット部と、が備えられた構成が一般的に知られている。
テープ式紙おむつを人体に装着させる際には、紙おむつの腹側部分と背側部分とを、着用者の腹部と背部とに当てた後、前記テープ部を、着用者の左右両脇からそれぞれ腹側に回り込ませて腹側のターゲット部に係止させることにより、紙おむつを固定する。
また、このテープ式紙おむつにおいては、紙おむつ本体の表面シートの左右の立体ギャザーシートの間にインナーパッドを配置し、当該インナーパッドを交換することにより、紙おむつを取り替える回数を減らすことも行われている。
こうしたテープ式紙おむつを装着するにあたって、テープ部の止着位置を調整することはおむつの着け心地を快適にするために重要である。このため、紙おむつを固定する際の係合位置確認用の目印として、細帯状のテープ部材を腹側部の略中央部に付設した構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、テープ部を再止着した場合に、前回と同一箇所に再止着させることは困難であり、従って、着用者にとっては、テープ部が外される度に締め付け具合が変化するため、装着感が一定でないという問題があった。
人体の腹側に位置する腹側部と背側に位置する背側部とを有する本体部と、
前記背側部の両側端部から突出する左右一対のテープ部と、
前記腹側部の外面に設けられたターゲット部と、を備える吸収性物品において、
前記テープ部の内面には、当該テープ部を前記ターゲット部に着脱自在に止着させる止着部材が備えられ、
前記テープ部又は前記ターゲット部は、前記吸収性物品の装着時における前記止着部材の止着位置を認識可能に跡付けする跡付け手段を備えていることを特徴とする。
前記跡付け手段は、前記止着部材に隣接するよう前記テープ部に貼着されたシート部材であり、
前記シート部材は、前記吸収性物品の装着時に、前記ターゲット部に止着され、前記テープ部を前記ターゲット部から離脱させた時に、前記テープ部から剥離されて前記ターゲット部に止着された状態のままとなるように構成されることを特徴とする。
前記跡付け手段は、前記止着部材にミシン目を介して隣接して設けられたシート部材であり、
前記シート部材は、前記吸収性物品の装着時に、前記ターゲット部に止着され、前記テープ部を前記ターゲット部から離脱させた時に、前記ミシン目から切り離されて前記ターゲット部に止着された状態のままとなるように構成されることを特徴とする。
前記跡付け手段と前記ターゲット部とは、色彩及び/又は手触りが異なることを特徴とする。
前記跡付け手段は、前記止着部材の近傍に設けられ、インクを収容するインク収容部材であり、
前記インク収容部材は、前記吸収性物品の装着時に、所定の押圧力によって破れ、収容されたインクが外部に流出するように構成されることを特徴とする。
前記左右一対のテープ部の各々は、上下並列に配された2つの基材を備え、
前記上下並列に配された2つの基材は、前記止着部材と前記跡付け手段とをそれぞれ備え、各々の前記跡付け手段によって互いに異なる色彩を前記ターゲット部に呈するように構成されることを特徴とする。
前記跡付け手段は、前記ターゲット部に設けられた感圧紙であり、
前記感圧紙は、前記吸収性物品の装着時に、所定の押圧力によって色が変化するように構成されることを特徴とする。
このため、テープ部をターゲット部から離脱させた際に、跡付け手段により前回の装着時のテープ部の止着位置を一目で認識できる。
よって、再止着の場合における締め付け具合の再調整の手間を軽減すると共に、再止着した場合の装着感の変化を防ぐことができる。
本実施形態における吸収性物品として使い捨て紙おむつ(以下、紙おむつという。)1を例示して説明する。
具体的には、本体部10の一方の端部が人体の腹側に位置する腹側部11を形成し、他方の端部が人体の背側に位置する背側部12を形成し、腹側部11と背側部12との間が人体の股下に位置する股下部13を形成する。
また、腹側部11において股下部13よりも両外側に延出した腹側延出部111、111と、背側部12において股下部13よりも両外側に延出した背側延出部(両側端部)121、121とは、紙おむつ1が装着された際に胴周り部14を形成する。
なお、この際、例えば、背側部12の胴周り方向に沿った縁部中央に、糸ゴム等の弾性部材(図示省略)を幅方向に沿って設け、この弾性部材により平面ギャザーを形成して、本体部10を着用者の胴周りにフィットするように伸縮自在な構成としても良い。
トップシート10aは、不織布が好適に用いられ、具体的には、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を繊維素材として、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって加工したものを用い得る。
バックシート10bも、トップシート10aと同様に不織布が好適に用いられる。なお、バックシート10bは、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材であって、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましい。
なお、トップシート10a及びバックシート10bの間に、ポリエチレンフィルムからなるシート材を挟むこととしても良い。
高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、あるいはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
吸収体10cは、単層構造であっても良いし、複数層に分かれた構造でも構わない。吸収体10cは、人体の腹側部11から両脚の間の股下部13を通り背側部12に亘る位置に装着されている。
このギャザーシート10d、10dの幅方向外側の部分は、吸収体10cの側方でトップシート10aの上面に固着されている。また、このギャザーシート10d、10dの幅方向内側の部分は、トップシート10aに固定されておらず、その長手方向に沿って複数の糸ゴム等の弾性部材16…が略平行に備えられており、断面略く字状及び逆く字状に立ち上がって着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形可能な立体ギャザーが形成されている。
インナーパッドPは、例えば、尿取りパッド、失禁パッド等であり、体液の吸収に対して紙おむつ1を補助するためのものであると共に、紙おむつ1そのものの取換え頻度を少なくすることにより使用コストを抑えるためのものでもある。インナーパッドPは、例えば、図4、5に示すように、透液性のトップシートP1、不透液性のバックシートP2、当該トップシートP1とバックシートP2との間に介装される吸収部P3等を備えて、紙おむつ1の吸収体10cと略同形状に形成されている。吸収部P3は、吸収体10cと同様に、例えば、綿やパルプ等の吸収性素材や、高吸収性ポリマーのような高吸水性樹脂とが組み合わされて形成された吸収体コア(図示省略)が、透液性のクレープ紙等のシート材(図示省略)により包まれて覆われたものにより構成されており、体液としての尿等の水様成分を吸収するものである。
本実施形態においては、左右のテープ部20、20は、それぞれ、上下並列に配された2枚のシート基材21、21を備えて構成されている。
各シート基材21は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等の各種のプラスチックフィルムを、所定の厚さに形成した基材シートであり、その基端部が紙おむつ1に接合されている。なお、シート基材21の基端部は、トップシート10aやバックシート10bの内面又は外面に貼り付けても良いし、トップシート10aとバックシート10bとの間に挟んで固定しても良い。
テープ部20は、第1ファスニングテープ22によって、ターゲット部30に着脱自在に止着可能となっている。
そして、紙おむつ1の装着時に、第2ファスニングテープ23は、第1ファスニングテープ22と共にターゲット部30に止着され(図6(b)参照)、テープ部20をターゲット部30から離脱させた時に、シート基材21(テープ部20)から剥離されてターゲット部30に止着された状態のままとなるように構成されている(図6(c)参照)。
また、第2ファスニングテープ23は、シート基材21から剥離可能に構成されていれば良く、例えば接着層の代わりにフック材を備えた構成であっても良い。この場合、シート基材21にはループ材が備えられる。
このように第2ファスニングテープ23が、ターゲット部30と異なる色彩となるよう着色がなされていることにより、第2ファスニングテープ23の位置が見分けやすく、テープ部20の再止着をより容易に行うことができる。
なお、第2ファスニングテープ23に所定の図柄を設けることとしても同様の効果を得ることができる。
このように構成した場合、計4つの第1ファスニングテープ22の止着位置を、より簡単に見分けることができる。
更に、シート基材21、21のそれぞれの色を、第2ファスニングテープ23、23のそれぞれの色と同じ色にすることが好ましい。
このように構成した場合、どのシート基材21がどの第2ファスニングテープ23に対応しているか、一目で見分けることができる。
なお、上下並列に配された2つのシート基材21、21の第2ファスニングテープ23、23が、同一の色彩を呈するように構成しても良いのは勿論である。
具体的には、図7(b)に示すように、例えば、第2ファスニングテープ23の縁部を縁取りすることで介護者や着用者が手で触れた際に第2ファスニングテープ23の位置を認識できるようにすることができる。
このように構成した場合、例えば暗所等でテープ部20、20の止着作業を行う場合にも、第2ファスニングテープ23の位置が認識し易く、テープ部20の再止着をより容易に行うことができる。
なお、第2ファスニングテープ23は、色彩及び手触りの両方を、ターゲット部30とは異なるように構成することとしても良い。この場合、視覚及び触覚によって第2ファスニングテープ23の位置が認識できるため、より好ましい。
ターゲット部30は、テープ部20、20のファスニングテープ23を係止するためのメス材の係止要素である係止層31を備えている。
係止層31は、基材シートにループ状の繊維であるループ材(図示省略。)が配置されて構成されている。このループ材は、ファスニングテープ23の表面に形成されたフック材と機械的に係合する。すなわち、ループ材の表面にフック材を重ね合わせ、フック材の多数の突起をループ材の表面に係合させることにより、両部材を着脱可能な状態に、且つ、強固に固着させることができる。
先ず、初回装着時において、紙おむつ1の背側部12を着用者の背側に当接させるようにして、紙おむつ1を着用者の体の下に置く。
次に、股下部13を股下に当接させながら腹側部11を腹側に引き上げ、腹側部11の中心を人体の中心に合わせる。
次に、背側部12の背側延出部121、121に設けられたテープ部20、20を、人体と紙おむつ1との間に隙間ができないように腹側部11に設けられたターゲット部30に係止させ紙おむつ1を装着する。なお、この際、本実施形態においては、各テープ部20の上下並列に配された2枚のシート基材21、21を互いに交差させて止着することで、締め付け強度等の調整を行うことができる。
そして、その後、テープ部20、20を再止着する場合、ターゲット部30に残った、第2ファスニングテープ23を目印として、テープ部20、20を止着する。
このため、テープ部20、20をターゲット部30から離脱させた際に、第2ファスニングテープ23により前回の装着時のテープ部20、20(第1ファスニングテープ22、22)の止着位置を一目で認識できる。
よって、再止着の場合における締め付け具合の再調整の手間を軽減すると共に、再止着した場合の装着感の変化を防ぐことができる。
次に、第2実施形態の紙おむつについて説明する。
なお、第2実施形態の紙おむつは、以下に説明する跡付け手段以外の構成は、上記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
図9に示すように、紙おむつ(図示省略)のテープ部20aには、第1ファスニングテープ22と第2ファスニングテープ(シート部材)23aとが、ミシン目Lを介して隣接して設けられている。この第2ファスニングテープ23aは、裏面に接着層を有しておらず、従って、ファスニング基材21には貼着されていない。本実施形態においては、この第2ファスニングテープ23aが跡付け手段となっている。
第2ファスニングテープ23aは、紙おむつの装着時に、ターゲット部30に止着され、テープ部20aをターゲット部30から離脱させた時に、ミシン目Lから切り離されてターゲット部30に止着された状態のままとなるように構成されている。
従って、テープ部20aをターゲット部30から取り外した際に、テープ部20aの元の止着位置を認識できることとなる。
なお、上記第2実施形態においては、第2ファスニングテープ23aは、第1ファスニングテープ22の先端側に隣接した構成を例示して説明したが、第1ファスニングテープ22の基端側に隣接することとしても良い。
次に、第3実施形態の紙おむつについて説明する。
なお、第3実施形態の紙おむつ(図示省略)は、以下に説明する跡付け手段以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
図10に示すように、紙おむつのテープ部20bには、第1ファスニングテープ22の先端側に、ターゲット部30と異なる所定の色のインクを収容したインク収容部材としてのケース24が備えられている。本実施形態においては、このケース24が跡付け手段となっている。
ケース24は、紙おむつの装着時に、介護者がケース24に所定の力を加えることで破れ、収容されたインクが外部に流出するように構成されている。
従って、テープ部20bをターゲット部30から取り外した際に、テープ部20bの元の止着位置を視覚にて認識できることとなる。
以下、第4実施形態の紙おむつについて説明する。
なお、第4実施形態の紙おむつ(図示省略)は、以下に説明する跡付け手段以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
図11に示すように、紙おむつのターゲット部30Aには、当該ターゲット部30Aの長手方向に沿った感圧紙32が備えられている。本実施形態においては、この感圧紙32が跡付け手段となっている。
感圧紙32は、紙おむつの装着時に、介護者又は着用者がテープ部20に上面から所定の力を加えることでその力の加えられた箇所が変色するように構成されている。
従って、テープ部20を取り外した際に、テープ部20の元の止着位置を視覚にて認識できることとなる。
例えば、インナーパッドPを備えた構成の紙おむつを例示して説明したが、インナーパッドPを備えない構成であっても良い。
また、左右のテープ部20、20の何れか一方をベルト状の長尺形状に形成し、その先端部を他方に止着させる構成とすることもできる。
即ち、左右のテープ部20、20がいかなる形状であったとしても、上記の第1乃至第4実施形態で例示したような跡付け手段を設けることで、初回装着時のテープ部20の止着位置を認識可能とすることができる。
10 本体部
11 腹側部
12 背側部
121背側延出部(側端部)
13 股下部
14 胴周り部
15 脚周り部
20、20a、20b テープ部
21シート基材
22 第1ファスニングテープ(止着部材)
23 第2ファスニングテープ(シート部材、跡付け手段)
23a 第2ファスニングテープ(シート部材、跡付け手段)
24 ケース(インク収容部材、跡付け手段)
L ミシン目
30、30A ターゲット部
31 係止層
32 感圧紙(跡付け手段)
P インナーパッド
Claims (7)
- 人体の腹側に位置する腹側部と背側に位置する背側部とを有する本体部と、
前記背側部の両側端部から突出する左右一対のテープ部と、
前記腹側部の外面に設けられたターゲット部と、を備える吸収性物品において、
前記テープ部の内面には、当該テープ部を前記ターゲット部に着脱自在に止着させる止着部材が備えられ、
前記テープ部又は前記ターゲット部は、前記吸収性物品の装着時における前記止着部材の止着位置を認識可能に跡付けする跡付け手段を備えていることを特徴とする吸収性物品。 - 前記跡付け手段は、前記止着部材に隣接するよう前記テープ部に貼着されたシート部材であり、
前記シート部材は、前記吸収性物品の装着時に、前記ターゲット部に止着され、前記テープ部を前記ターゲット部から離脱させた時に、前記テープ部から剥離されて前記ターゲット部に止着された状態のままとなるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記跡付け手段は、前記止着部材にミシン目を介して隣接して設けられたシート部材であり、
前記シート部材は、前記吸収性物品の装着時に、前記ターゲット部に止着され、前記テープ部を前記ターゲット部から離脱させた時に、前記ミシン目から切り離されて前記ターゲット部に止着された状態のままとなるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記跡付け手段と前記ターゲット部とは、色彩及び/又は手触りが異なることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。
- 前記跡付け手段は、前記止着部材の近傍に設けられ、インクを収容するインク収容部材であり、
前記インク収容部材は、前記吸収性物品の装着時に、所定の押圧力によって破れ、収容されたインクが外部に流出するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記左右一対のテープ部の各々は、上下並列に配された2つの基材を備え、
前記上下並列に配された2つの基材は、前記止着部材と前記跡付け手段とをそれぞれ備え、各々の前記跡付け手段によって互いに異なる色彩を前記ターゲット部に呈するように構成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の吸収性物品。 - 前記跡付け手段は、前記ターゲット部に設けられた感圧紙であり、
前記感圧紙は、前記吸収性物品の装着時に、所定の押圧力によって色が変化するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
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