JP4812687B2 - 埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法及び計測評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法及び装置に関するものである。
埋設された鋼製パイプラインの腐食防止対策として、鋼製パイプラインに塗覆装を施し、それに加えてカソード防食を行うことが最も確実であることが認められている。この際、塗覆装の経年変化や埋設状況の変化、或いは直流迷走電流及び/又は交流迷走電流の発生原因となる周辺環境変化などに対応すべく、定期的にカソード防食状況を計測評価することがパイプラインの健全性維持のために不可欠である。
これまで、カソード防食状況の評価は、カソード分極の状況を定量的に表す分極電位に基づいて行われることが多く、分極電位が防食電位以下であるか否かでカソード防食状況の良否を評価していた。
ISO国際基準(ISO 15589-1:International Standard,Part1:On-land Pipeline ,First Edition(2003))では、通常の埋設環境において、防食電位Epは−850mVCSE(飽和硫酸銅電極CSE電位基準)と定められており、分極電位が防食電位以下であればカソード防食状況は良好と判定している。分極電位の実際上の計測方法としては、a)オン電位計測、b)インスタントオフ電位計測、c)プローブ(クーポン)インスタントオフ電位計測の3つが挙げられている(「プローブ」と「クーポン」は同義語である)。
オン電位計測は、最も簡易な計測方法であり、通常、地表面に照合電極(一般に、飽和硫酸銅電極)を設置して、カソード防食電流はオン状態のままで照合電極に対するパイプラインの対地電位を計測するものである。これによると、カソード防食電流をオン状態のまま計測するので、防食電流と土壌抵抗の積に相当するIRドロップ(分極電位に防食電流と土壌抵抗の積の電圧がマイナス側に上乗せされて計測される)分だけ、パイプと土壌界面で計測される分極電位の値よりもマイナス側の楽観視した値になってしまい、カソード防食状況を正当に評価できない問題がある。
さらに、迷走電流が存在する状況下では、迷走電流と土壌抵抗の積に相当するIRドロップ分がオン電位計測に誤差を誘発することになる。そこで、IRドロップを除去するために、パーマネント照合電極をパイプ直近に設置して、パイプラインの対地電位を計測する方法がある。しかしながら、そもそもパーマネント照合電極は設置位置が深いことから、パーマネント照合電極電位の校正が不可能であり、校正しない電極を基準としてオン電位を計測することになるので、計測精度の信頼性という面で大きな問題があると言える。さらにパーマネント照合電極を、パイプラインの埋設時に、すべてのターミナルボックス間隔でパイプライン直近に設置することは多額の経費が発生することになる。
また、インスタントオフ電位計測は、すべてのカソード防食電流オフ直後に前述した照合電極に対するパイプラインの対地電位を計測するものであり、防食電流によるIRは無くなるが、迷走電流が存在する状況下では、迷走電流と土壌抵抗の積に相当するIRドロップ分がインスタントオフ電位に含まれるために計測誤差となり、やはりカソード防食状況を正当に評価することができない問題がある。また、すべてのカソード防食電流をオフするためには、外部電源方式のカソード防食システムの他に、カソード防食に係わる流電陽極、他パイプラインとのボンド、排流器等のすべてを同時にオフする必要があるが、同時オフの準備が煩雑であるだけでなく、実際上、流電陽極とパイプラインとが直接ボンドして、且つリード線が地上に出ていない場合には、オフすることが不可能という問題がある。
プローブインスタントオフ電位計測は、オン電位に含まれるIRドロップの問題を解消するために提唱されたものであって、塗覆装欠陥部を模擬したプローブをパイプラインに近接して設置し、このプローブをパイプラインと電気的に接続しておき、すべてのカソード防食電流がオンの状態で、プローブとパイプライン間の接続を遮断した直後にプローブの対地電位を計測するものである。プローブとパイプラインを遮断しても、迷走電流が存在する環境下では、迷走電流と土壌抵抗の積に相当するIRドロップ分がプローブインスタントオフ電位に含まれるという問題がある。迷走電流に起因するIRドロップ分を除去するためには、パーマネント照合電極をプローブ直近に設置してパイプラインの対地電位を計測する方法がある。
図1は、パーマネント照合電極を用いてプローブインスタントオフ電位を計測する方法を説明する説明図である。パイプラインPには、外部電源カソード防食システム1が接続されており、アノード1aからパイプラインPに向けて防食電流が供給されている。この状態を維持したまま、パイプラインPの近傍に設置されたプローブ2とパイプラインPを電気的に接続するリード線間のスイッチSをオフにし、その直後のプローブ2の対地電位をプローブ2直近に設置したパーマネント照合電極3Pとプローブ2とを接続するリード線間に設けた電圧計4で計測する。
一方、分極電位を指標にしたカソード防食状況の評価では、交流干渉リスクの評価を行うことができないことから、交流干渉リスクの評価を適正に行うために、プローブ電流密度を指標とした埋設パイプラインのカソード防食基準が提唱されている(下記非特許文献1)。以下の説明で、プローブ電流密度はプローブ直流電流密度とプローブ交流電流密度の総称である。
この基準による評価は、図1におけるプローブ2とパイプラインP間のリード線中の電流計5によって計測されるプローブ電流から、プローブ直流電流密度IDC ave(計測期間内の平均値)とプローブ交流電流密度IAC ave(計測期間内の平均値)を求め、プローブ直流電流密度IDC aveとプローブ交流電流密度IAC aveを座標軸とする二次元座標で表される基準領域と照査する。具体的には、下記の表1又はその内容を図示した図2に示す領域I及び領域IIが基準を満たすカソード防食達成領域である。因みに図示の領域IIIはIDC aveが不足で腐食が懸念され、領域IVはIAC aveが過大で交流迷走電流腐食が懸念され、領域VはIDC aveが過大で過防食が懸念される不合格領域である。また、ここで言うプローブ直流電流密度の極性は、直流電流が電解質からプローブに流入する方向をプラスに、プローブから電解質に流出する方向をマイナスとしている。そこで、プローブ流入直流電流密度の下限値(0.1A/m)よりマイナス側で、プローブ2への防食電流不足によりプローブ2が腐食する状態になる。
Figure 0004812687
このようなプローブ電流密度によるカソード防食状況の評価を行う場合にも、カソード分極状況を確認するために、カソード分極の状況を直接的且つ定量的に表す分極電位に基づく計測は合わせて行われており、実際の計測では、計測期間内の所定サイクル期間毎に数秒間プローブとパイプラインとの電気的な接続をオフにしてプローブインスタントオフ電位を計測することが常に行われていた。
細川裕司,梶山文夫,中村康朗「プローブ電流密度を指標とした土壌埋設パイプラインのカソード防食管理基準に関する検討」,材料と環境,腐食防食協会,2002年,第51巻,第5号,p221−226
パーマネント照合電極に対するプローブインスタントオフ電位を計測するプローブインスタントオフ電位計測は、パーマネント照合電極をプローブに近接させると、IRのうちのRをゼロとみなすことができ、防食電流と迷走電流によるIRドロップを最小限にすることができるとされている。しかしながら、パーマネント照合電極は設置位置が深いことから、パーマネント照合電極電位の校正が不可能であり、校正しない電極を基準として電位を計測することになるので、計測精度の信頼性という面で大きな問題があると言える。
また、プローブ電流密度を指標とするパイプラインのカソード防食基準を採用する場合にも、実際の計測ではプローブインスタントオフ電位を計測するために、計測期間内の所定サイクル期間毎に数秒間プローブとパイプラインとの電気的な接続をオフにすることが行われており、新幹線のような高速電気鉄道車両の交流干渉リスクを評価しようとすると、電気的な接続のオフ時間でのリスク評価が抜け落ちることになって、適正な評価ができないという問題があった。
更には、干渉リスク(以下の説明で、干渉リスクは、直流干渉リスクと交流干渉リスクのどちらかを指すか、又はそれらの総称として用いる)が存在する状況下では、前述したプローブ電流密度を指標としたカソード防食基準によって直流迷走電流腐食リスクの有無或いは交流迷走電流腐食リスクの有無は評価できるが、直流干渉リスク或いは交流干渉リスクが計測期間のどの時点で高くなるかの把握ができず、直流干渉及び/又は交流干渉の原因を特定できない問題があった。
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものであって、カソード防食状況を評価するための計測精度における信頼性を向上させること、高速電気鉄道車両のような高速現象が原因となる直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクを確実に評価できること、直流干渉リスク或いは交流干渉リスクが計測期間のどの時点で高くなるかを把握することで、直流干渉及び/又は交流干渉の原因を特定する手がかりを得ること、等が本発明の目的である。
前記目的を達成するために本発明は以下の特徴を少なくとも具備するものである。一つには、カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値と最小値を求めると共に、前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ交流電流密度の平均値と最大値を求め、前記プローブ直流電流密度の最小値の出現時刻と、前記プローブ交流電流密度の最大値の出現時刻を抽出することを特徴とする。
また一つには、カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値と最大値を求めると共に、前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ交流電流密度の平均値と最大値を求め、前記プローブ直流電流密度の最大値の出現時刻と、前記プローブ交流電流密度の最大値の出現時刻を抽出することを特徴とする。
また一つには、カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、前記計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎の前記プローブ電流の計測値波形から、プローブ直流電流密度とプローブ交流電流密度を求め、複数の連続した前記単位計測時間からなる区切り時間毎に、前記プローブ直流電流密度の平均値,最大値,最小値、前記プローブ交流電流密度の平均値,最大値,最小値、前記プローブ直流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形、前記プローブ交流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を、それぞれ記憶手段に仮保存し、前記記憶手段に仮保存したデータによって、前記計測期間内での、前記プローブ直流電流密度の平均値,最大値,最小値、前記プローブ交流電流密度の平均値,最大値,最小値、前記プローブ直流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形、前記プローブ交流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を、それぞれ記憶手段に保存することを特徴とする。
また、カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する装置であって、前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測するプローブ電流計測手段と、前記プローブ電流計測手段による計測値を演算処理する演算処理手段と、前記演算処理手段の演算処理結果を保存する記憶手段とを備え、前記演算処理手段は、前記プローブ電流計測手段による計測値を順次取り込んで、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎に、プローブ直流電流密度とプローブ交流電流密度とを求めるプローブ電流密度演算手段、前記プローブ電流密度演算手段の演算結果を順次取り込んで、複数の連続した前記単位計測時間からなる区切り時間毎に、前記プローブ直流電流密度の平均値,最大値,最小値、前記プローブ直流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形、前記プローブ交流電流密度の平均値,最大値,最小値、前記プローブ交流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を、前記記憶手段に仮保存するプローブ電流密度仮保存手段、前記記憶手段に仮保存したデータによって、前記計測期間内での、前記プローブ直流電流密度の平均値,最大値,最小値、前記プローブ直流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形、前記プローブ交流電流密度の平均値,最大値,最小値、前記プローブ交流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を、それぞれ記憶手段に保存するプローブ電流密度保存手段、を備えることを特徴とする。
このような特徴を有することで、本発明による埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法及び計測評価装置は、先ず、プローブ電流密度を指標として埋設パイプラインのカソード防食状況を評価するので、防食電流や迷走電流が存在する状況下であっても、IRドロップの影響を考慮することなく、また信頼性の高い計測値を用いた評価を行うことができる。
プローブ電流を設定された計測期間内で連続的に計測してプローブ電流密度を求めるので、高速現象の影響を逃すことなく、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの評価を行うことができる。
計測値から求めたプローブ直流電流密度の平均値とプローブ交流電流密度の平均値がプローブ電流密度を指標とするカソード防食基準に合格していない場合、プローブ直流電流密度の最大値,最小値の出現時刻、或いはプローブ交流電流密度の最大値の出現時刻を抽出しているので、この抽出された出現時刻を基にして、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図3は、本発明の実施形態に係る埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法を実現するカソード防食状況計測評価装置を示すシステム構成説明図である。
本発明の実施形態は、カソード防食された埋設パイプラインP(以下単にパイプラインPという)に対して、カソード防食状況を計測評価する装置であって、パイプラインPは、塗覆装Pc(プラスチック塗覆装又は歴青質塗覆装)で覆われており、外部電源カソード防食システム1等でカソード防食されている。また、直流干渉リスクと交流干渉リスクの一方又は両方が有る場合に有効な装置であり、外部電源カソード防食システム1が稼働している状態で実行するものであるから、防食電流が存在することが前提となっている。
更には、カソード防食状況の計測評価を行うための付帯設備として、パイプラインPに近接してパイプラインPの塗覆装欠陥部を模擬したプローブ2が設置されており、このプローブ2とパイプラインPとが電気的に接続されている。また、プローブ2は、地表面に設置された照合電極(飽和硫酸銅電極)3に接続されている。プローブ2とパイプラインPとを接続するリード線間にはプローブ電流を計測するための電流計5が設けられ、プローブ2と照合電極3とはプローブオン電位(プローブ2とパイプラインPとの接続がオンの状態でのプローブ2の対地電位)を計測するための電圧計4が設けられている。この際、電流計5及び照合電極3は地表面にあるので簡易に校正が可能であり、常に信頼性の高い計測値を得ることができる。
本発明の実施形態に係るカソード防食状況計測評価装置は、電流計5に接続されるか或いは電流計5の計測機能を併せ持ち、プローブ2とパイプラインPとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測するプローブ電流計測手段6と、電圧計4に接続されるか或いは電圧計4の計測機能を併せ持ち、プローブ2とパイプラインPとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブオン電位を連続的に計測するプローブオン電位計測手段7と、プローブ電流計測手段6又はプローブオン電位計測手段7による計測値を演算処理する演算処理手段8と、演算処理手段8の演算処理結果を保存する記憶手段9とを備えている。
ここで、連続的に計測するというのは、プローブ2とパイプラインPとの電気的な接続、或いはプローブ2と照合電極3との電気的な接続を遮断することなく、常時計測値のサンプリングを行うことであり、アナログ的な計測信号の取得に限定されるものではない。また、プローブオン電位は埋設パイプラインの全てのターミナルボックスで計測されるが、本発明の実施形態におけるプローブオン電位計測手段7は、計測評価のパラータとしてプローブオン電位を用いるときのみに採用すればよい。
演算処理手段8の機能としては、プローブ電流を計測する場合の機能として、プローブ電流計測手段6による計測値を順次取り込んで、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎に、プローブ直流電流密度IDCとプローブ交流電流密度IACとを求めるプローブ電流密度演算手段10、プローブ電流密度演算手段10の演算結果を順次取り込んで、複数の連続した単位計測時間からなる区切り時間毎に、プローブ直流電流密度IDCの平均値IDC ave,最大値IDC max,最小値IDC min、プローブ直流電流密度IDCの最大値IDC maxと最小値IDC minが得られた出現時刻TDC max,TDC minとその出現時刻におけるプローブ電流の計測値波形、プローブ交流電流密度IACの平均値IAC ave,最大値IAC max,最小値IAC min、プローブ交流電流密度IACの最大値IAC maxと最小値IAC minが得られた出現時刻TAC max,TAC minとその出現時刻におけるプローブ電流の計測値波形を記憶手段9に仮保存するプローブ電流密度仮保存手段11、記憶手段8に仮保存したデータによって、計測期間内での、プローブ直流電流密度IDCの平均値IDC ave,最大値IDC max,最小値IDC min、プローブ直流電流密度IDCの最大値IDC maxと最小値IDC minが得られた出現時刻TDC max,TDC minとその出現時刻におけるプローブ電流の計測値波形、プローブ交流電流密度IACの平均値IAC ave,最大値IAC max,最小値IAC min、プローブ交流電流密度IACの最大値IDC maxと最小値IAC minが得られた出現時刻TAC max,TAC minとその出現時刻におけるプローブ電流の計測値波形をそれぞれ記憶手段9に保存するプローブ電流密度保存手段12を備えている。
また、演算処理手段8において、プローブ電流と同時にプローブオン電位を計測する場合の機能としては、プローブオン電位計測手段7の計測値を順次取り込んで、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎に、プローブオン電位EONの最大値EON max,最小値EON minを求めるプローブオン電位演算手段20、プローブオン電位演算手段20の演算結果を順次取り込んで、複数の連続した単位計測時間からなる区切り時間毎に、プローブオン電位EONの最大値EON max,最小値EON min、プローブオン電位EONの最大値EON max,最小値EON minが得られた出現時刻TEON max,TEON minとその出現時刻におけるプローブオン電位の計測値波形を、記憶手段9に仮保存するプローブオン電位仮保存手段21、記憶手段9に仮保存したデータによって、計測期間内での、プローブオン電位EONの最大値EON max,最小値EON min、プローブオン電位EONの最大値EON maxと最小値EON minが得られた出現時刻TEON max,TEON minとその出現時刻におけるプローブオン電位の計測値波形をそれぞれ記憶手段9に保存するプローブオン電位保存手段22を備えている。
また、演算処理手段8は、前述した各機能を実現するために、以下に示す演算処理機能を具備している。
平均値算出手段31は、サンプリングされた計測値を順次合算すると共に、サンプリング数をカウントし、前述した単位計測時間毎に合算値をカウント値で除して平均値を求める。また、求めた単位計測期間毎の平均値は仮保存され、仮保存した平均値を順次合算すると共に、仮保存した平均値の数をカウントし、前述した区切り時間毎に合算値をカウント値で除して平均値を求める。
最大値抽出手段32は、サンプリングされた計測値を順次比較して、より大きい値を抽出値として前述した単位計測時間毎に最大値を抽出して仮保存する。また、仮保存した最大値を順次比較して、前述した区切り時間毎の最大値を抽出して仮保存する。更には、区切り時間毎の最大値を比較して、更に大きな区切り時間毎の最大値或いは計測期間全体の最大値を抽出する。
最大値出現時刻抽出手段33は、最大値抽出手段33で、仮保存した単位計測時間毎の最大値を順次比較する段階で、より大きい値が抽出された時にその値が存在した単位計測時間の開始時刻を仮保存し、より大きい値が抽出される毎に開始時刻を書き換える。そうすることによって、最大値抽出手段33で最終的に抽出された最大値が存在した単位計測時間の開始時刻が保存されることになり、これを最大値出現時刻とする。
最小値抽出手段34は、サンプリングされた計測値を順次比較して、より小さい値を抽出値として前述した単位計測時間毎に最小値を抽出して仮保存する。また、仮保存した最小値を順次比較して、前述した区切り時間毎の最小値を抽出して仮保存する。更には、区切り時間毎の最小値を比較して、更に大きな区切り時間毎の最小値或いは計測期間全体の最小値を抽出する。
最小値出現時刻抽出手段35は、最小値抽出手段34で、仮保存した単位計測時間毎の最小値を順次比較する段階で、より小さい値が抽出された時にその値が存在した単位計測時間の開始時刻を仮保存し、より小さい値が抽出される毎に開始時刻を書き換える。そうすることによって、最小値抽出手段34で最終的に抽出された最小値が存在した単位計測時間の開始時刻が保存されることになり、これを最小値出現時刻とする。
計測値波形保存手段36は、最大値抽出手段33で、仮保存した単位計測時間毎の最大値を順次比較する段階で、より大きい値が抽出された時にその値が存在した単位計測時間の計測値波形を仮保存し、より大きい値が抽出される毎に計測値波形を書き換える。そうすることによって、最大値抽出手段33で最終的に抽出された最大値が存在した単位計測時間の計測値波形が保存されることになる。最小値抽出手段34に対しても同様に行い、最小値抽出手段34で最終的に抽出された最小値が存在した単位計測時間の計測値波形が保存されることになる。
そして、演算処理手段8は、前述した各手段によって求めた計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値IDC aveとプローブ交流電流密度の平均値IAC aveを、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査するカソード防食状況評価手段40、プローブ直流電流密度の最大値IDC max,最小値IDC min、プローブ直流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻TDC max,TDC minとその出現時刻におけるプローブ電流の計測値波形、プローブ交流電流密度の最大値IAC max,最小値IAC min、プローブ交流電流密度の最大値と最小値が得られた出現時刻TAC max,TAC minとその出現時刻におけるプローブ電流の計測値波形、プローブオン電位の最大値EON max,最小値EON min、プローブオン電位の最大値と最小値が得られた出現時刻TEON max,TEON minとその出現時刻におけるプローブオン電位の計測値波形を、選択的に参照することによって、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定する干渉リスク原因推定手段41を備えている。
図4は、具体的な単位計測時間及び区切り時間の一例を示すものである。この例にしたがって、演算処理手段8の具体的な機能を説明する。
単位計測時間は、パイプラインPの交流誘導の影響を評価するために、商用周波数の1周期に当たる時間を設定する。50Hzの商用周波数を評価対象とする場合には、20msecの単位計測時間が設定される。そして、プローブ電流計測手段6又はプローブオン電位計測手段7では、例えば、0.1msecのサンプリング間隔で計測値がサンプリングされ、20msecの単位計測時間内では合計200個の計測値がサンプリングされることになる。
プローブ電流密度演算手段10は、各単位計測時間内におけるプローブ電流の200個の計測値から、プローブ直流電流密度IDC(A/m)とプローブ交流電流密度IAC(A/m)を下記式(1),(2)で求める。ここで、Aはプローブ2の面積、I(n)はn番目にサンプリングされたプローブ電流計測値を示している。この際、200個の計測値は、計測値波形保存手段36によって計測値波形として記憶手段9に仮保存される。
Figure 0004812687
また、プローブオン電位演算手段20は、各単位計測時間内におけるプローブオン電位E(n)の200個の計測値から、下記式(3)によって単位計測時間におけるプローブオン電位EON(VCSE)を求める。この際、200個の計測値は、計測値波形保存手段36によって計測値波形として記憶手段9に仮保存される。
Figure 0004812687
ここでは、雷サージのようなμsecの現象は、腐食・防食に関わる現象でないと判断して、瞬時異常値を取り込まないようにするために、単位計測時間の平均値でIDC,IAC,EONを定義している。特に、本発明の実施形態では、商用周波数よりも短い現象は、腐食・防食の評価に用いない。すなわち、この実施形態では、IDC,IAC,EONは、50Hzの1周期となる20msecの単位計測時間で1つの値を持つことになる。
この実施例では、第1区切り時間として10secが設定され、第2区切り時間として10minが設定されている。第1区切り時間の10secでは、500個の単位計測時間があり、プローブ電流密度仮保存手段11では、最大値抽出手段32及び最小値抽出手段34の機能によって、1番目の単位計測時間で求められたプローブ直流電流密度IDCとプローブ交流電流密度IACと、2番目の単位計測時間で求められたプローブ直流電流密度IDCとプローブ交流電流密度IACとが比較され、大きい方が最大値IDC max,IAC maxとなり小さい方が最小値IDC min,IAC minとなる。次に、この最大値IDC max,IAC max,最小値IDC min,IAC minと3番目の単位計測時間で求められたプローブ直流電流密度IDCとプローブ交流電流密度IACとが比較され、大きい方が最大値IDC max,IAC maxとなり小さい方が最小値IDC min,IAC minとなる。この際、最大値IDC max,IAC max,最小値IDC min,IAC minが更新される度に、計測値波形保存手段36は、新たな最大値IDC max,IAC max,最小値IDC minが出現した計測値波形を仮保存し、更新される前の計測値波形を消去する。これを500番目の単位計測時間まで行うことで、1番目の第1区切り時間内での最大値IDC max,IAC max,最小値IDC min,IAC minが求められる。また、平均値算出手段31によって、1番目の第1区切り時間内での平均値IDC ave,IAC aveが求められる。プローブオン電位仮保存手段21でも単位計測時間で求めたプローブオン電位の平均値,最大値,最小値に対して同様の処理が行われる。
これを繰り返し、第2区切り時間10min内での平均値IDC ave,IAC ave,EON ave、最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minが仮保存され、前述した最大値出現時刻抽出手段33、最小値出現時刻抽出手段34、計測値波形保存手段36によって、最大値と最小値の出現時刻TDC max,TDC min,TAC max,TAC minとその出現時刻における計測値波形が仮保存される。ここでは、第1区切り時間を10sec、第2区切り時間を10minにしているが、この時間は適宜変更可能であり、また、第3区切り時間(例えば、1h)、第4区切り時間(例えば、1day)等を設定することもできる。
以上の処理を繰り返す演算処理手段8の処理によって、所定の区切り時間(例えば10min)毎或いは計測期間(例えば1週間)全体において、平均値IDC ave,IAC ave,EON ave、最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minの9項目の値が保存され、最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minにおける出現時刻とこの出現時刻における計測値波形がそれぞれ保存されることになる。
ここで求めた所定の区切り時間(例えば10min)毎或いは計測期間(例えば1週間)全体における、平均値IDC ave,IAC ave,EON ave、最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minの9項目の値、或いは最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minにおける出現時刻とこの出現時刻における計測値波形のデータは、一つのパイプラインPの一つのターミナルボックス単独で求める場合、一つのパイプラインPに設けられた複数のターミナルボックス毎に同時計測する場合、異なるパイプラインPに設けられた複数のターミナルボックス毎に同時計測する場合がある。これによって、カソード防食状況評価手段40及び干渉リスク原因推定手段41は以下に示す機能を行う。
[カソード防食状況評価手段の機能(カソード防食基準との照査)]
先ず、所定の区切り時間(例えば10min)毎或いは計測期間(例えば1週間)全体における平均値IDC ave,IAC aveを、プローブ電流密度を指標としたカソード防食基準と照査する。具体的には、記憶手段9に記憶された表1或いは図2に示した基準領域I,IIに平均値IDC ave,IAC aveが入るか否かの演算処理を行い、この演算処理の結果でカソード防食基準に合格するか否かを判定評価する。ここでは、主に、パイプラインPがプラスチック塗覆装又は歴青質塗覆装で覆われており、少なくとも交流干渉リスクが有る場合を計測評価の対象とする。平均値IDC ave,IAC aveがカソード防食基準に合格した場合には、計測評価地点でのカソード防食状況が良好であると評価する。
[干渉リスク原因推定手段の機能]
干渉リスク原因推定手段41は、平均値IDC ave,IAC aveがカソード防食基準に合格しているか否かの評価を行った後に、最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minの値、或いは最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minにおける出現時刻とこの各出現時刻における計測値波形のデータを選択的に参照することにより、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因推定を行う。
この際、プローブ直流電流密度IDCの最小値IDC minはその計測評価地点で最も直流干渉を受けている状態或いは時刻と考えられ、プローブ交流密度IACの最大値IAC maxはその計測評価地点で最も交流干渉を受けている状態或いは時刻と考えられる。また、プローブオン電位EONの最大値EON maxはパイプラインPから電流が流出している状態又は時刻の指標にすることができ、プローブオン電位EONの最小値EON minは、パイプラインPに電流が流入している状態又は時刻の指標にすることができる。更に、プローブ直流電流密度IDCの最大値IDC maxは過防食が有るか否かの指標にすることができる。
なお、電気鉄道車両の走行がカソード防食状況に影響を及ぼしていると予測される場合には、計測時間は、最低で24時間、又は24時間の整数倍とする。これは、電気鉄道車両が走行しない、或いは走行頻度が低くなる深夜時間帯を計測時間に入れるためであり、この深夜時間帯で影響が低くなる評価結果が得られれば、電気鉄道車両の走行がカソード防食状況に影響していると判断できる。
特に、平均値IDC ave,IAC aveがカソード防食基準に不合格となった場合に、最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minの値、或いは最大値IDC max,IAC max,EON max、最小値IDC min,IAC min,EON minにおける出現時刻の検証で、腐食リスクの最も高い地点、及び不合格発生原因の推定が可能になり、詳細調査の方法が立案可能になる。
この際、所定の区切り時間(例えば10sec)毎に求められた最大値IDC max,IAC max,EON max、或いは最小値IDC min,IAC min,EON minの連続性が原因推定の上で重要な決め手になる場合がある。ここで連続性がある場合とは、所定の区切り時間(例えば10sec)毎に求められた最小値IDC min,IAC min,EON minを時間軸上に並べて、最小値の中でも特に小さい値が連続的に出現している場合、或いは、所定の区切り時間(例えば10sec)毎に求められた最大値IDC max,IAC max,EON maxを時間軸上に並べて、最大値の中でも特に大きい値が連続的に出現している場合を言う。
この連続性を見極めるために、干渉リスク原因推定手段41では、区切り時間毎に仮保存された最小値IDC min,IAC min,EON minを小さい順に順位付けし、上位順位の最小値に対応する区切り時間の連続性を検証する。また、区切り時間毎に仮保存された最大値IDC max,IAC max,EON maxを大きい順に順位付けし、上位順位の最大値に対応する区切り時間の連続性を検証する。具体的には、上位3〜5位の値に対応する区切り時間の開始時刻が連続している場合には、連続性があると判断する。
このような計測項目による計測評価は、評価対象パイプラインにおける一つのターミナルボックスにおいて行う場合、評価対象パイプラインのある路線単独上の複数のターミナルボックスにおいて行う場合、評価対象パイプラインのターミナルボックスと他のパイプラインのターミナルボックスとの間で行われる場合がある。
<一つのターミナルボックスにおける評価>
ケース1;一つのターミナルボックスで計測されたEON maxの出現時刻とIDC minの出現時刻を比較して、EON maxとIDC minが時間的に連続的に出現しているケース。この場合の評価判定は、EON maxとIDC minの出現時刻における計測値波形を検証して、波形が時間に依存していないならば、当該地点の接地抵抗は他の地点よりも低くなっていると考えられる。よって、当該地点は、メタルタッチ(評価対象パイプラインが他の金属体と金属接触している状態)の可能性が高いと判定できる。
ケース2;一つのターミナルボックスで計測されたIDC minとIAC maxの出現時刻が一致し、その時刻での各計測値波形が商用周波数の正弦波と一致するケース。この場合の評価判定は、最も腐食リスクが高い状況と判定する。区切り時間(例えば10sec)毎のIAC maxの出現時刻における計測値波形を検証して、商用周波数の正弦波と一致している状態が連続せず、交流電気鉄道車両走行時間帯であれば、交流電気鉄道車両走行によってパイプラインに発生した交流誘導電圧による影響と判定する。
ケース3;区切り時間(例えば10sec)毎のIAC maxに連続性があり、IAC maxの出現時刻における計測値波形を検証して、商用周波数の正弦波と一致しているケース。この場合の評価判定は、当該地点が常時送電の交流高圧送電による交流誘導の影響を受けている可能性が高いと判定する。
ケース4;区切り時間(例えば10sec)毎のIDC maxに連続性があるケース。他のカソード防食システムのアノードからの直流干渉による過防食の可能性が高いと判断し、連続性がない場合には、直流電気鉄道車両走行のレール漏れ電流による直流干渉の可能性が高いと判断する。
<複数のターミナルボックスによる評価>
ケース5;あるパイプラインの路線において、あるターミナルボックスでのIDC maxの出現時刻と、同一路線の別のターミナルボックスでのIDC minの出現時刻が一致しているケース。当該路線は、直流干渉を受けており、直流迷走電流腐食リスク有りと判定する。出現時刻が直流電気鉄道車両走行時間帯であれば、直流干渉の原因は直流電気鉄道走行によって発生したレール漏れ電流と判定する。また、IDC maxの高い状態或いはIDC minの低い状態が連続して出現している場合には、直流干渉の原因は他のカソード防食施設のアノードから発生した防食電流によるものと判定する。
ケース6;あるパイプラインの路線において、あるターミナルボックスでのEON maxの出現時刻と、それと近傍のターミナルボックスでのEON minの出現時刻が時間的に連続しているケース。この場合には、EON maxを示した地点は、低接地状態になっているものと考えられる。当該地点は、メタルタッチの可能性が高いと判定する。
ケース7;あるパイプラインの路線の区間において、各ターミナルボックスのIAC maxが時間的に連続して出現しているケースで、各出現時刻における計測値波形が商用周波数の正弦波と一致するケース。当該区間は、常時送電の交流高圧送電による交流誘導の影響を受けている可能性が高いと判定する。
ケース8;あるパイプラインの路線の区間において、各ターミナルボックスのIAC maxの出現時刻が一致しているケース。出現時刻が連続せず、交流電気鉄道車両の走行時間帯であれば、交流電気鉄道車両走行によってパイプラインに発生した交流誘導電圧と判定する。
以上説明した本発明の実施形態の特徴をまとめると以下のとおりになる。
本発明の実施形態によると、パイプラインPに近接して設置されたプローブ2とパイプラインPとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、プローブ電流から計測期間内でのプローブ直流電流密度IDCの平均値IDC aveと最小値IDC min、及びプローブ交流電流密度IACの平均値IAC aveと最大値IAC maxを求め、IDC min,IAC maxの出現時刻を抽出する。
或いは、パイプラインPに近接して設置されたプローブ2とパイプラインPとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、プローブ電流から計測期間内でのプローブ直流電流密度IDCの平均値IDC aveと最大値IDC max、及びプローブ交流電流密度IACの平均値IAC aveと最大値IAC maxを求め、IDC max,IAC maxの出現時刻を抽出する。
これによって、先ず、IDC aveとIAC aveによって計測評価地点(特定ターミナルボックス付近)のカソード防食状況がプローブ電流密度を指標とするカソード防食基準に合格するか否かを評価することができる。ここでは、プローブ電流密度を用いて評価を行うことで、電極電位の信頼性が低いパーマネント照合電極を用いた分極電位による計測評価よりも適正なカソード防食状況の評価となる。プローブ電流密度は、信頼性の高い計測が可能であり、しかもIRドロップの影響がないので、防食電流や迷走電流が存在する状況下でも信頼性の高い評価が可能である。
更には、計測期間内でプローブ電流を連続的に計測してIDC ave,IAC ave,IDC max,IDC min,IAC maxを求めるので、新幹線等の高速電気鉄道車両の走行による影響を計測時間内で逃すことなく評価することができる。そして、IDC max,IDC min,IAC maxの各値と、IDC max,IDC min,IAC maxの出現時刻を抽出することで、特に、IDC ave,IAC aveがプローブ電流密度を指標としたカソード防食基準に合格していない場合に、IDC max,IDC min,IAC maxの各値と、IDC max,IDC min,IAC maxの出現時刻によって、干渉リスクの原因を推定することが可能になる。
また、本発明の実施形態によると、前述した特徴に併せて、前述した出現時刻において商用周波数の1周期に当たる単位計測時間に計測されたプローブ電流の計測値波形を記憶手段に保存するので、この計測値波形を検証して、これが商用周波数の正弦波と一致している場合には、交流誘導電圧の影響によって干渉リスクが発生していると推定することができる。
また、本発明の実施形態によると、計測期間内でのIDC aveとIAC aveを、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、IDC minの出現時刻によって直流干渉リスクの原因を推定し、プローブ交流電流密度の最大値IAC maxの出現時刻によって交流干渉リスクの原因を推定するので、例えば、電気鉄道車両の走行時間帯と出現時刻との関係を検証することで、干渉リスクの原因をより具体的に推定することができる。また、異なる計測評価地点でのIDC min,IAC maxの出現時刻を対照することで、より具体的に干渉リスクの原因を推定することもできる。
また、本発明の実施形態によると、計測期間内でのIDC aveとIAC aveを、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、IDC minが得られた出現時刻におけるプローブ電流の計測値波形によって、直流干渉リスクの原因を推定し、プローブ交流電流密度の最大値IAC maxが得られた出現時刻におけるプローブ電流の計測値波形によって、交流干渉リスクの原因を推定することで、計測値波形が商用周波数の正弦波に一致するか否か、商用周波数の正弦波に一致する計測値波形の出現時刻の連続性等によって、より具体的に干渉リスクの原因を推定することが可能になる。
また、本発明の実施形態によると、プローブ2とパイプラインPとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎のプローブ電流の計測値波形から、IDCとIACを求め、複数の連続した単位計測時間からなる区切り時間毎に、IDC ave,IDC max,IDC min、IAC ave,IAC max,IAC min、IDC maxとIDC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形、IAC maxとIAC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形を、それぞれ記憶手段に仮保存し、記憶手段に仮保存したデータによって、計測期間内での、IDC ave,IDC max,IDC min,IAC ave,IAC max,IAC min、IDC maxとIDC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形、IAC maxとIAC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形を、それぞれ記憶手段に保存する。
これによると、長期の計測期間で連続的にプローブ電流を計測する際に、計測期間全体の計測結果をIDC ave,IDC max,IDC min、IAC ave,IAC max,IAC minという統計値に反映させるので、多大なデータを記憶手段に保存する必要が無く、記憶手段の小型化が可能になり、また計測結果の利用性を向上させることができる。また、区切り時間毎に、IDC ave,IDC max,IDC min,IAC ave,IAC max,IAC min、IDC maxとIDC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形、IAC maxとIAC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形を仮保存するので、仮保存した段階で不要な計測値波形を消去することができるので、これによっても記憶手段の更なる小型化が可能になる。
また、本発明の実施形態によると、計測期間内でのIDC aveとIAC aveを、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、IDC max,IDC min、IDC maxとIDC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形、IAC max,IAC min、IAC maxとIAC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形を選択的に参照することによって、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定する。
これによると計測評価地点における干渉リスクを、IDC max,IDC min、IDC maxとIDC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形、IAC max,IAC min、IAC maxとIAC minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形という多項目から選択して推定できるので、より詳細な原因推定が可能になり、また、複数の計測評価地点での評価を総合的に判断することで、具体的な干渉原因を特定することが可能になる。
また、本発明の実施形態によると、計測期間内で、プローブ電流と同時にプローブオン電位EONを連続的に計測しながら、計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎のプローブオン電位EONの計測値波形から、プローブオン電位EONの最大値EON max,最小値EON minを求め、複数の連続した単位計測時間からなる区切り時間毎に、EON max,EON min、EON maxとEON minが得られた出現時刻とその出現時刻における計測値波形を、それぞれ記憶手段に仮保存し、記憶手段に仮保存したデータによって、計測期間内での、EON max,EON min、最大値EON maxと最小値EON minが得られた出現時刻とその出現時刻におけるプローブオン電位の計測値波形をそれぞれ記憶手段に保存する。
これによると、プローブ電流密度に加えてプローブオン電位による評価を行うことで、パイプラインPの低接地状態やパイプラインPへ電流が流入する箇所、電流が流出する箇所等を把握することができ、複数の計測評価地点での評価を併せて行うことで、評価対象パイプラインの干渉リスク推定をより具体的に行うことができる。
また、本発明の実施形態によると、区切り時間毎に仮保存された最大値IDC max,IAC max,EON max又は最小値IDC min,IAC min,EON minに対して、最大値の場合は大きい順に順位付けし、最小値の場合は小さい順に順位付けして、上位順位の値に対応する区切り時間の連続性に基づいて、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定するので、連続性のある原因と連続性の無い原因を簡易且つ速やかに識別することができる。
従来技術の説明図である。 プローブ電流密度を指標としたカソード防食基準の説明図である。 本発明の実施形態に係る埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価装置及び計測評価方法を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価装置及び計測評価方法を説明する説明図である。
符号の説明
1 外部電源カソード防食システム1
2 プローブ(先端の黒色部分が塗覆装欠陥部を模擬したもの)
3 照合電極
4 電圧計
5 電流計
6 プローブ電流計測手段
7 プローブオン電位計測手段
8 演算処理手段
9 記憶手段
10 プローブ電流密度演算手段
11 プローブ電流密度仮保存手段
12 プローブ電流密度保存手段
20 プローブオン電位演算手段
21 プローブオン電位仮保存手段
22 プローブオン電位保存手段
31 平均値算出手段
32 最大値抽出手段
33 最大値出現時刻抽出手段
34 最小値抽出手段
35 最小値出現時刻抽出手段
36 計測値波形保存手段
40 カソード防食状況評価手段
41 干渉リスク原因推定手段

Claims (14)

  1. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値と最小値を求めると共に、前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ交流電流密度の平均値と最大値を求め、前記プローブ直流電流密度の最小値の出現時刻と、前記プローブ交流電流密度の最大値の出現時刻を抽出し、
    前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値とプローブ交流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、前記プローブ直流電流密度の最小値の出現時刻によって直流干渉リスクの原因を推定し、前記プローブ交流電流密度の最大値の出現時刻によって交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  2. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値と最小値を求めると共に、前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ交流電流密度の平均値と最大値を求め、前記プローブ直流電流密度の最小値の出現時刻と、前記プローブ交流電流密度の最大値の出現時刻を抽出し、
    前記各出現時刻において商用周波数の1周期に当たる単位計測時間に計測された前記プローブ電流の計測値波形を、記憶手段に保存し、
    前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値とプローブ交流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、前記プローブ直流電流密度の最小値が得られた出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形によって、直流干渉リスクの原因を推定し、前記プローブ交流電流密度の最大値が得られた出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形によって、交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  3. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値と最大値を求めると共に、前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ交流電流密度の平均値と最大値を求め、前記プローブ直流電流密度の最大値の出現時刻と、前記プローブ交流電流密度の最大値の出現時刻を抽出し、
    前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値とプローブ交流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、前記プローブ直流電流密度の最大値の出現時刻によって直流干渉リスクの原因を推定し、前記プローブ交流電流密度の最大値の出現時刻によって交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  4. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値と最大値を求めると共に、前記プローブ電流から前記計測期間内でのプローブ交流電流密度の平均値と最大値を求め、前記プローブ直流電流密度の最大値の出現時刻と、前記プローブ交流電流密度の最大値の出現時刻を抽出し、
    前記各出現時刻において商用周波数の1周期に当たる単位計測時間に計測された前記プローブ電流の計測値波形を、記憶手段に保存し、
    前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値とプローブ交流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、前記プローブ直流電流密度の最大値が得られた出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形によって、直流干渉リスクの原因を推定し、前記プローブ交流電流密度の最大値が得られた出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形によって、交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  5. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎の前記プローブ電流の計測値波形からプローブ交流電流密度を求め、
    前記計測期間内での、前記プローブ交流電流密度の平均値と最大値、前記プローブ交流電流密度の最大値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を、それぞれ記憶手段に保存し、
    前記計測期間内でのプローブ交流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、
    前記プローブ交流電流密度の最大値、前記プローブ交流電流密度の最大値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形、を選択的に参照することによって、交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  6. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎の前記プローブ電流の計測値波形から、プローブ直流電流密度とプローブ交流電流密度を求め、
    前記計測期間内での、前記プローブ直流電流密度の平均値と最大値及び/又は最小値、前記プローブ交流電流密度の平均値と最大値及び/又は最小値、前記プローブ直流電流密度の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形、前記プローブ交流電流密度の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を、それぞれ記憶手段に保存し、
    前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値とプローブ交流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、
    前記プローブ直流電流密度の最大値及び/又は最小値、前記プローブ直流電流密度の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形、前記プローブ交流電流密度の最大値及び/又は最小値、前記プローブ交流電流密度の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形、を選択的に参照することによって、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  7. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎の前記プローブ電流の計測値波形から、プローブ直流電流密度を求め、
    複数の連続した前記単位計測時間からなる区切り時間毎に、前記計測期間内での前記プローブ直流電流密度の最小値を記憶手段に保存し、
    前記区切り時間毎の前記プローブ直流電流密度の最小値を小さい順に順位付けし、上位順位の最小値に対応する区切り時間の連続性に基づいて、直流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  8. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎の前記プローブ電流の計測値波形から、プローブ直流電流密度を求め、
    複数の連続した前記単位計測時間からなる区切り時間毎に、前記計測期間内での前記プローブ直流電流密度の最大値を記憶手段に保存し、
    前記区切り時間毎の前記プローブ直流電流密度の最大値を大きい順に順位付けし、上位順位の最大値に対応する区切り時間の連続性に基づいて、直流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  9. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測しながら、
    前記計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎の前記プローブ電流の計測値波形から、プローブ交流電流密度を求め、
    複数の連続した前記単位計測時間からなる区切り時間毎に、前記計測期間内での前記プローブ交流電流密度の最大値を記憶手段に保存し、
    前記区切り時間毎の前記プローブ交流電流密度の最大値を大きい順に順位付けし、上位順位の最大値に対応する区切り時間の連続性に基づいて、交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  10. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する方法であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流とプローブオン電位を同時に連続的に計測しながら、
    前記計測期間内において、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎の前記プローブ電流の計測値波形から、プローブ直流電流密度とプローブ交流電流密度を求めると共に、前記単位計測時間毎の前記プローブオン電位の計測値波形から、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値を求め、
    複数の連続した前記単位計測時間からなる区切り時間毎に、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブオン電位の計測値波形を、それぞれ記憶手段に保存し、
    前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値とプローブ交流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査して、当該カソード防食基準に合格していない場合に、
    前記計測期間内での、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブオン電位の計測値波形を選択的に参照することによって、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  11. 前記プローブ電流又は前記プローブオン電位は、一つの前記埋設パイプラインに設けられた複数のターミナルボックス毎に同時計測され、異なるターミナルボックスにおいて計測された、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブオン電位の計測値波形を、ターミナルボックス毎に選択的に参照することによって、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする請求項10に記載された埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価方法。
  12. カソード防食された埋設パイプラインに対して、カソード防食状況を計測評価する装置であって、
    前記埋設パイプラインに近接して設置され前記埋設パイプラインの塗覆装欠陥部を模擬したプローブと前記埋設パイプラインとを電気的に接続して、設定された計測期間内でプローブ電流を連続的に計測するプローブ電流計測手段と、
    前記プローブ電流計測手段による計測値を演算処理する演算処理手段と、
    前記プローブ電流計測手段による計測値と前記演算処理手段の演算処理結果を保存する記憶手段とを備え、
    前記演算処理手段は、
    前記プローブ電流計測手段による計測値を順次取り込んで、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎に、プローブ直流電流密度を求めるプローブ電流密度演算手段、
    前記プローブ電流密度演算手段の演算結果を順次取り込んで、前記計測期間内での、前記プローブ直流電流密度の平均値と最大値及び/又は最小値、前記プローブ直流電流密度の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を前記記憶手段に保存するプローブ電流密度保存手段、
    前記計測期間内でのプローブ直流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と照査するカソード防食状況評価手段、
    前記カソード防食状況評価手段の評価が前記カソード防食基準に合格していない場合に、前記プローブ直流電流密度の最大値及び/又は最小値、前記プローブ直流電流密度の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を選択的に参照することによって、直流干渉リスクの原因を推定する干渉リスク原因推定手段を備えることを特徴とする埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価装置。
  13. 前記プローブ電流密度演算手段は、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎に、プローブ交流電流密度とを求め、
    前記プローブ電流密度保存手段は、前記プローブ電流密度演算手段の演算結果を順次取り込んで、前記計測期間内での、前記プローブ交流電流密度の平均値と最大値及び/又は最小値、前記プローブ交流電流密度の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を前記記憶手段に保存し、
    前記カソード防食状況評価手段は、前記プローブ交流電流密度の平均値を、プローブ電流密度を指標とするカソード防食基準と併せて照査し、
    前記干渉リスク原因推定手段は、前記カソード防食状況評価手段の評価が前記カソード防食基準に合格していない場合に、前記プローブ交流電流密度の最大値及び/又は最小値、前記プローブ交流電流密度の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を併せて選択的に参照することによって、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする請求項12に記載された埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価装置。
  14. 前記プローブと照合電極とを電気的に接続して、前記計測期間内で前記プローブ電流と同時にプローブオン電位を計測するプローブオン電位計測手段を更に備え、
    前記演算処理手段は、
    前記プローブオン電位計測手段の計測値を順次取り込んで、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間毎に、プローブオン電位の最大値,最小値を求めるプローブオン電位演算手段、
    前記プローブオン電位演算手段の演算結果を順次取り込んで、前記計測期間内での、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブオン電位の計測値波形を、それぞれ記憶手段に保存するプローブオン電位保存手段を併せて備え、
    前記干渉リスク原因推定手段は、
    前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値、前記プローブオン電位の最大値及び/又は最小値が得られた出現時刻とその出現時刻における前記プローブ電流の計測値波形を、併せて選択的に参照することによって、直流干渉リスク及び/又は交流干渉リスクの原因を推定することを特徴とする請求項12に記載された埋設パイプラインのカソード防食状況計測評価装置。
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