JP6045524B2 - 埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法及び計測評価システム - Google Patents

埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法及び計測評価システム Download PDF

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Description

本発明は、埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法及び計測評価システムに関するものである。
埋設金属パイプラインなどの埋設金属体は、高圧交流架空送電線や交流電気鉄道輸送路と並行して埋設されることが多く、このような埋設状況では交流腐食のリスクを適正に評価することが必要になる。絶縁性能の高いプラスチックコーティングが施された埋設金属体は、前述した埋設状況で交流誘導電圧が誘起されると、埋設金属体がカソード防食されていても、土壌と金属体が接触するコーティング欠陥部があればその部位と土壌との間に交流電流が流れるため、その欠陥部にて交流腐食を発生する懸念がある。
交流腐食は、その発生メカニズムが明らかにされておらず、交流腐食防止基準が定められていない状況であるが、コーティング欠陥部を模擬したクーポン(或いはプローブ)と呼ばれる埋設金属体と同材料の金属片を用い、これをコーティングが施された埋設金属体に電気的に接続して埋設金属体の近傍に埋設し、クーポンと埋設金属体とを接続する電線を流れる電流(クーポン電流)を計測することで求められるクーポン交流電流密度(Ia.c.)によって、交流腐食のリスクを評価することが行われている(下記特許文献1参照)。
従来、クーポン交流電流密度による交流腐食リスクの評価では、クーポン電流の計測値が商用周波数(例えば、50Hz)の正弦波に該当するか否かの判別がなされており、以下の(i),(ii)が共に成立するときに商用周波数の正弦波に該当するとの判別がなされている。(i)単位計測時間(20ms)内で計測された計測値の最大値と最小値の出現時刻の時差が1/2単位計測時間(10ms)である。(ii)単位計測時間(20ms)内で計測された計測値において、(最大値)−(平均値)=(平均値)−(最小値)となる。そして、上記(i),(ii)の条件が共に成立するときに、Ia.c.(50Hz)=Ia.c.とし、それ以外のときに、Ia.c.(50Hz)=0として、Ia.c.(50Hz)の計測時間平均値Ia.c.(50Hz)aveを算出し、この値で交流腐食リスクの評価を行っている。ここでIa.c.(50Hz)は、商用周波数50Hzのクーポン交流電流密度である。
特開2010−190658号公報
上記(i),(ii)の条件は、クーポン電流の時系列変化が埋設金属体に誘起された交流誘導電圧によるものであることを判別していると言える。埋設金属体に誘起された交流誘導電圧が交流腐食の駆動力になることは知られているが、交流腐食の発生メカニズムが明らかにされていない中で、クーポン電流の時系列変化が商用周波数の正弦波に該当するか否かの上記(i),(ii)の条件のみでは必ずしも交流腐食の発生リスクを正確に把握しているとは言い難い問題がある。
また、上記(i),(ii)の条件では、正弦波に該当しないような歪んだ波形であっても条件を満たす場合があり、このような場合にも、交流腐食発生リスクを過大に評価してしまう問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、埋設金属体のコーティング欠陥部において、アノード電流とカソード電流がそれぞれ連続した時間帯を有して金属と電解質との界面を流れるときに交流腐食が発生するという新たな知見に基づき、カソード防食された埋設金属体に対して交流腐食発生リスクを正確に評価すること、が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、明細書に記載された幾つかの発明のうち以下の構成を具備するものである。
商用周波数の1周期に当たる単位計測時間で設定サンプリング間隔毎に計測されたクーポン電流の計測値からクーポン交流電流密度を求め、設定計測時間内で逐次求めた前記クーポン交流電流密度の最大値を抽出し、この最大値を構成する前記計測値の波形における最大計測値がプラス値であり最小計測値がマイナス値である場合に、前記設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価することを特徴とする埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法。
商用周波数の1周期に当たる単位計測時間で設定サンプリング間隔毎にクーポン電流を計測するクーポン電流計測手段と、前記クーポン電流計測手段が計測したクーポン電流の計測値からクーポン交流電流密度を求めるクーポン交流電流密度算出手段と、前記計測値を前記単位計測時間毎に記憶するデータ記憶手段と、設定計測時間内で前記クーポン交流電流密度の最大値を抽出する最大クーポン交流電流密度抽出手段と、前記データ記憶手段に記憶された前記最大値を構成する前記計測値の波形における最大計測値と最小計測値の極性を判定する極性判定手段と、前記極性判定手段が前記最大計測値と前記最小計測値の極性を異なる極性であると判定した場合に、設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価する交流腐食リスク評価手段とを備えることを特徴とする埋設金属体の交流腐食リスク計測評価システム。
このような特徴を有する埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法及び計測評価システムによると、交流腐食が発生する予兆となるアノード電流とカソード電流の存在を確認した上でクーポン交流電流密度に基づく交流腐食リスクの評価を行うことができる。これによって、交流腐食を過大に評価することなく正確なリスク評価が可能になる。
クーポン交流電流密度の最大値Ia.c. maxが計測された時刻における単位計測時間Ts内の計測値波形の一例を示した説明図である。 本発明の一実施形態に係る交流腐食リスク計測評価システムを示した説明図である。 交流腐食リスク評価手段の評価フローの一例を示した説明図である。 交流腐食リスクの計測評価に加えて分極電位計測を行うパイプラインのカソード防食状況計測評価システムを示した説明図である。 図4のシステムにおける計測タイムチャートを示した説明図である。
本発明においては、カソード防食され絶縁コーティングが施された埋設金属体の交流腐食は、たとえ埋設金属体が分極電位を指標としたカソード防食基準を満足したとしても、アノード電流とカソード電流がそれぞれ連続した時間帯を有して埋設金属体と電解質の界面を流れるときに発生しうる、という知見を基にしている。ここで、アノード電流はコーティング欠陥部において埋設金属体から電解質の向きに流れる電流であり、カソード電流はコーティング欠陥部において電解質から埋設金属体の向きに流れる電流である。更に、アノード電流とカソード電流で構成される時系列波形の周波数が商用周波数と同じであること、また、アノード電流とカソード電流で構成される時系列波形が正弦波に対してひずみ無く継続していること、を確認して、交流腐食のリスクの有無を判断する。
ここで、埋設金属体と電解質の界面を流れる電流を直接計測することはできないので、絶縁コーティング欠陥部を模擬したクーポンを埋設金属体に電気的に接続して、クーポン電流を計測することでカソード防食され絶縁コーティングが施された埋設金属体に対する交流腐食リスクを計測評価する。クーポン電流とは、クーポンと埋設金属体とを電気的に接続した電線を流れる電流であり、直流電流と交流電流の両方の概念を含んでいる。クーポン電流において、クーポンから電解質の向きに流れる電流をアノード電流とし、電解質からクーポンの向きに流れる電流をカソード電流とする。そして、クーポン電流の極性(正負)は、カソード電流をプラスとし、アノード電流をマイナスとする。
具体的な交流腐食リスクの計測評価方法を説明する。この方法は、従来技術と同様にクーポン交流電流密度によって行う。クーポン交流電流密度は、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間で設定サンプリング間隔毎に計測されたクーポン電流の計測値から、下記の式(1),(2)で求めることができる。式(1)でクーポン直流電流密度Id.c.を求め,このクーポン直流電流密度Id.c.を用いた式(2)でクーポン交流電流密度Ia.c.を求める。
単位計測時間は、商用周波数50Hzでは20msであり、商用周波数60Hzでは16.7msであり、商用周波数16-2/3Hzでは60msである。下記式(1),(2)式において、Aはクーポン表面積、I(t)は時刻tにおけるクーポン電流の計測値、Tは単位計測時間内で計測されたクーポン電流の計測値I(t)のサンプル数である。なお、ここでは単位計測時間の計測値I(t)における時系列データを「計測値波形」又は単に「波形」という。前述した設定サンプリング間隔を0.1msとすると、単位計測時間のサンプル数Tは、商用周波数50Hzでは200個、商用周波数60Hzでは167個、商用周波数16-2/3Hzでは600個になり、計測値波形は、商用周波数50Hzでは200個の時系列データ、商用周波数60Hzでは167個の時系列データ、商用周波数16-2/3Hzでは600個の時系列データからなる。
Figure 0006045524
そして、設定計測時間内で逐次求めたクーポン交流電流密度Ia.c.の最大値Ia.c. maxを抽出し、この最大値Ia.c. maxを構成する計測値I(t)の波形における最大計測値がプラス値であり最小計測値がマイナス値である場合に、設定計測時間内で求めたクーポン交流電流密度Ia.c.に基づいて交流腐食リスクを評価する。
ここで、最大値Ia.c. maxが計測された時刻は、設定計測時間内で最も交流腐食リスクへの影響が顕著であったと考えられる。この最大値Ia.c. maxを構成する波形の最大計測値がプラス値であり最小計測値がマイナス値であるということは、その単位計測時間に計測されたクーポン電流にカソード電流とアノード電流がそれぞれ連続した時間帯で存在していることを示している。このような計測値I(t)の波形が確認された場合には、その設定計測時間内で求めたクーポン交流電流密度Ia.c.は、交流腐食の発生を予兆したものであると考えることができるので、そのクーポン交流電流密度Ia.c.を用いて交流腐食リスクを評価することで、正確なリスク評価が可能になる。
これに対して、最大値Ia.c. maxが計測された時刻の計測値I(t)の波形における最大計測値と最小計測値が共にプラス値(同極性)であるような場合には、カソード電流のみであり交流腐食を引き起こすようなアノード電流とカソード電流が存在しないので、仮に計測時間内のクーポン交流電流密度Ia.c.の平均値Ia.c. aveが高い値を示した場合にも、交流腐食のリスクは低いと判断することができる。
図1は、前述した最大値Ia.c. maxが計測された時刻における単位計測時間Ts内の計測値波形の一例を示している。この例では、最大値Ia.c. maxが計測された単位計測時間Ts内の出現時刻tmaxで最大計測値I(tmax)となり、出現時刻tminで最小計測値I(tmin)となっている。この例では、I(tmax)>0,I(tmin)<0であるから、単位計測時間Tsに計測されたクーポン電流にカソード電流とアノード電流がそれぞれ連続した時間帯で存在しており、その単位計測時間Tsを含む設定計測時間内で求めたクーポン交流電流密度Ia.c.を用いて交流腐食リスクを評価することができる。
更に、交流腐食リスクに対して厳格な評価を行うためには、最大計測値I(tmax)の出現時刻tmaxと最小計測値I(tmin)の出現時刻tminの時間差Δtが単位計測時間Tsの1/2であるという条件を加えて、その条件を満たした場合に、設定計測時間内で求めたクーポン交流電流密度Ia.c.に基づいて交流腐食リスクを評価する。
また、更に、交流腐食リスクに対して厳格な評価を行うためには、最大値Ia.c. maxを構成する計測値波形の正弦波に対するひずみを求め、このひずみが小さいという条件を加えて、その条件を満たした場合に、設定計測時間内で求めたクーポン交流電流密度Ia.c.に基づいて交流腐食リスクを評価する。ここでのひずみが小さいという条件は、下記式(3)のひずみ率εを求め、このひずみ率εが設定された閾値以下という条件によって定量化することができる。このひずみ率εは、計測値波形が商用周波数の正弦波からどれだけひずんでいるのかを定量的に示す値である。下記式(3)において、Iaveは最大値Ia.c. maxを構成する計測値波形の単位計測時間Ts内での平均値(Tは、単位計測時間のサンプル数)であり、Ipは最大計測値I(tmax)と最小計測値I(tmin)の中点値である。
Figure 0006045524
前述した時間差Δtが単位計測時間Tsの1/2であるという条件及び、ひずみ率εが設定された閾値以下という条件を加えた場合には、更に厳格に計測値波形を商用周波数の正弦波と同定することができる。前述した条件を満たした場合の交流腐食リスクの評価は、設定計測時間内で求めたクーポン交流電流密度Ia.c.の平均値Ia.c. aveを求め、この平均値Ia.c. aveが閾値(例えば、ISO 15589-1であれば30A/m2)よりも大きいか否かで評価し、大きければ交流腐食リスクありと評価する。
図2は本発明の一実施形態に係る交流腐食リスク計測評価システムを示した説明図である。以下の説明では、埋設金属体としてプラスチックコーティングを備える埋設金属製パイプライン(以下、単にパイプラインという)を例にして説明するが、本発明の実施形態は特にこれに限定されるものではない。また、ここでの埋設金属体は、外部電源方式或いは流電陽極方式などのカソード防食が施されていることを前提とする。
交流腐食リスクの評価対象となるパイプライン1は、プラスチックコーティング1Cを備えており、電解質(土壌)S中に埋設されている。また、電解質S中におけるパイプライン1の近傍には、プラスチックコーティング1Cの欠陥部を模擬したクーポン2が埋設されている。クーポン2は、パイプライン1と同じ材質の金属片であってその表面積Aが既知のものである。パイプライン1とクーポン2とは電線Lで電気的に接続されている。図2では、パイプライン1やクーポン2の周辺電解質に防食電流Icや交流成分を含む迷走電流Isが流れている状況を示している。
このようなパイプライン1における交流腐食リスクを計測評価するシステムは、計測装置10と外部演算処理装置20によって構成することができる。ここでは、便宜上パイプライン1とクーポン2に対して計測時間中に常時接続する計測装置10と計測時間後に計測装置10から情報を取得して演算処理する外部演算処理装置20を分けて構成しているが、これらを一体の装置とすることもできる。
計測装置10は、電線Lに設けたシャント11が検出するクーポン電流を計測するものであり、計測されたクーポン電流がローパスフィルタ12やA−Dコンバータ13を介して演算処理手段14に入力される。演算処理手段14は、サンプリングしたクーポン電流やこれを演算処理した結果を記憶するデータ記憶手段15を備えると共に、クーポン電流計測手段14A,クーポン直流電流密度算出手段14B,クーポン交流電流密度算出手段14C,最大クーポン交流電流密度抽出手段14Dなどの機能を備えている。
クーポン電流計測手段14Aは、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間で設定サンプリング間隔毎にクーポン電流をサンプリングして計測する機能を有する。商用周波数が50Hzの場合には、単位計測時間は20msであり、サンプリング間隔を0.1msに設定すると、単位計測時間に200個のクーポン電流計測値がサンプリングされる。クーポン電流計測手段14Aは、この200個のクーポン電流計測値の時系列データ(時刻tとその時にサンプリングされた計測値を関連付けたデータ)である計測値波形を逐次出力する。クーポン電流計測手段14Aが出力した計測値波形は単位計測時間毎にデータ記憶手段15に記憶される。
クーポン直流電流密度算出手段14Bは、クーポン電流計測手段14Aが計測したクーポン電流の計測値I(t)の波形から上記式(1)によってクーポン直流電流密度Id.c.を算出する機能を有する。クーポン直流電流密度Id.c.は単位計測時間毎に1つ出力される。
クーポン交流電流密度算出手段14Cは、クーポン電流計測手段14Aが計測したクーポン電流の計測値I(t)とクーポン直流電流密度Id.c.から上記式(2)によってクーポン交流電流密度Ia.c.を算出する機能を有する。クーポン交流電流密度Ia.c.は単位計測時間毎に1つ出力され、データ記憶手段15に記憶される。
最大クーポン交流電流密度抽出手段14Dは、設定計測時間内でクーポン交流電流密度Ia.c.の最大値Ia.c. maxを抽出する。連続した設定計測時間を例えば8sとすると、その設定計測時間内に20msの単位計測時間が400回連続することになるので、その間クーポン交流電流密度算出手段14Cは400のクーポン交流電流密度Ia.c.を出力する。最大クーポン交流電流密度抽出手段14Dは、クーポン交流電流密度算出手段14Cが出力するクーポン交流電流密度Ia.c.を順次比較して、最終的に400のクーポン交流電流密度Ia.c.の中から最大値Ia.c. max(或いは上位から3つのクーポン交流電流密度Ia.c.)を抽出する。抽出されたクーポン交流電流密度Ia.c.の最大値Ia.c. max(或いは上位から3つのクーポン交流電流密度Ia.c.)とその最大値Ia.c. max(或いは上位から3つのクーポン交流電流密度Ia.c.)を構成する計測値波形がデータ記憶手段15に記憶される。
ここで、連続した設定計測時間(8s)を繰り返して所定の計測時間(例えば24h)の計測を行う場合には、一つの連続した設定計測時間で抽出された最大値Ia.c. maxを設定計測時間毎に順次比較していき、より大きい値をIa.c. maxとすることで、計測時間(例えば24h)で最も大きいIa.c. max(或いは最も大きいIa.c. maxと2番目に大きいIa.c. maxと3番目に大きいIa.c. max)を選択することができる。そして、計測時間で抽出された一つ(又は3つ)のIa.c. maxとそれを構成する計測値波形をデータ記憶手段に記憶する。
外部演算処理装置20は、極性判別手段21A,出現時刻差算出手段21B,ひずみ率算出手段21C,交流腐食リスク評価手段21Dなどの機能を有する演算処理手段21を備えている。
極性判別手段21Aは、計測装置10のデータ記憶手段15に記憶された最大値Ia.c. maxを構成する計測値波形を取り込み、その計測値波形における最大計測値I(tmax)と最小計測値I(tmin)の極性が異なる極性であるか否かを判別する。ここでは、I(tmax)×I(tmin)がマイナスの値であるか否かを判別する。I(tmax)×I(tmin)がマイナスの値である場合は、I(tmax)とI(tmin)が異なる極性であり、そのことは即ち、最大計測値I(tmax)がプラス値であり最小計測値I(tmin)がマイナス値であることを指している。
出現時刻差算出手段21Bは、計測装置10のデータ記憶手段15に記憶された最大値Ia.c. maxを構成する計測値波形を取り込み、最大計測値I(tmax)の出現時刻tmaxと最小計測値I(tmin)の出現時刻tminの時間差Δtを算出する機能を有している。また、ひずみ率算出手段21Cは、計測装置10のデータ記憶手段15に記憶された最大値Ia.c. maxを構成する計測値波形を取り込み、上記式(3)によってひずみ率εを算出する機能を有している。
交流腐食リスク評価手段21Dは、極性判別手段21Aの出力に基づいて、或いは、極性判別手段21Aと出現時刻差算出手段21B,ひずみ率算出手段21Cの各出力に基づいて、交流腐食リスクを評価する機能を有する。交流腐食リスク評価手段21Dとしては、計測時間(例えば24h)で抽出した最も大きいIa.c. max(あるいは上位3つのIa.c. max)を構成する計測値波形に基づいて、極性判別手段21A、出現時刻差算出手段21B、ひずみ率算出手段21Cの処理を行い、この計測値波形が交流腐食を発生し得る商用周波数の正弦波であるか否かを判断し、交流腐食を発生し得る商用周波数の正弦波である場合には、計測時間で求めたクーポン交流電流密度の平均値Ia.c. aveが閾値(例えば、ISO 15589-1であれば30A/m2)以下か否かで交流腐食のリスクの有無を判断する。
また、前述した例では計測時間(24h)全体で1つ(又は3つ)の計測値波形を抽出したが、それより短い連続した設定計測時間(8s)毎に最大値Ia.c. maxを構成する計測値波形を抽出することで交流腐食リスクを評価することもできる。図3は、この場合の交流腐食リスク評価手段21Dの評価フローの一例を示している。ステップS1は計測時間の回数nの初期値を1とし、クーポン交流電流密度の平均値の加算値を求める変数Fの初期値を0としている。ステップS2は、複数回の計測時間に対して処理対象の計測時間(n)を特定するものであり、計測時間(1)から順次処理が行われる。
ステップS3では、計測装置10において各回の計測時間で予め計測したクーポン交流電流密度Ia.c.の平均値Ia.c. aveを取り込む。ステップS4は、極性判別手段21Aの出力に対する判断処理であり、I(tmax)×I(tmin)がマイナスの値である場合(「YES」)、即ち、最大計測値I(tmax)がプラス値であり最小計測値I(tmin)がマイナス値である場合は、ステップS5に移行し、I(tmax)×I(tmin)がマイナスの値でない場合(「NO」)はステップS7に移行する。
ステップS5は、出現時刻差算出手段21Bの出力に対する判断処理であり、最大計測値I(tmax)の出現時刻tmaxと最小計測値I(tmin)の出現時刻tminの時間差Δtが単位計測時間Tsの1/2であるか否かが判断され、時間差Δtが単位計測時間Tsの1/2である場合(「YES」)はステップS6に移行し、時間差Δtが単位計測時間Tsの1/2でない場合(「NO」)はステップS7に移行する。
ステップS6は、ひずみ率算出手段21Cの出力に対する判断処理であり、ひずみ率εが閾値Etより小さい場合(「YES」)はステップS8に移行し、ひずみ率εが閾値Et以上の場合(「NO」)はステップS7に移行する。ここでの閾値Etは例えば0.01などに設定することができる。
ステップS4,S5,S6を経て、各回の計測時間において計測されたクーポン電流の計測値波形が商用周波数の正弦波と同定されない場合がステップS7に移行することになり、このステップS7では、その回の計測時間において求められたクーポン交流電流密度Ia.c.の平均値Ia.c. ave(n)を0にしてステップS8に移行する。
これに対して、ステップS4,S5,S6を経て、各回の計測時間において計測されたクーポン電流の計測値波形が商用周波数の正弦波と同定させる場合は、ステップS7を経由すること無くステップS8に移行することになり、この場合は、ステップS8にてクーポン交流電流密度Ia.c.の平均値Ia.c. ave(n)を各回で順次加算する。
ステップS8では、計測時間の当回nが最終であるか否かが判断され、最終で無い場合(「NO」)は次回(n+1回)に進み(ステップS10)、その計測時間に対して、ステップS2〜ステップS8の処理を行う。当回nが最終である場合(「YES」)は、ステップS11に移行し、このステップでIa.c.tave=F/nを実行し、全計測時間におけるクーポン交流電流密度Ia.c.の平均値Ia.c. taveを求める。
そして、ステップS12にて、全計測時間におけるクーポン交流電流密度Ia.c.の平均値Ia.c. taveが閾値(例えば、ISO 15589-1であれば30A/m2)以下か否かの判断を行って、閾値以下であれば(「YES」)交流腐食リスクなしと判断し(ステップS14)、閾値より大きければ(「NO」)交流腐食ありと判断する(ステップS13)。ここでは、この交流腐食リスク評価手段21Dの評価処理にステップS4,S5,S6の判断条件を全て加えているが、ステップS4の判断条件のみ(ステップS5,S6を省く)で評価処理を行うことも可能である。
図4は、前述した交流腐食リスクの計測評価に加えて分極電位計測を行うパイプラインのカソード防食状況計測評価システムを示しており、図5は、そのシステムにおける計測タイムチャートを示している。図4において図2と共通する構成には同一符号を付している。
パイプライン1の敷設箇所には、パイプライン1に沿った所定間隔でターミナルボックスTBが設置されており、このターミナルボックスTB内に計測装置10を設置することで、パイプライン1のカソード防食状況の計測が行われる。ターミナルボックスTBの設置箇所に対応した地中には、パイプライン1に近接してクーポン2が設置されている。ターミナルボックスTB内には、パイプライン1と電気的に接続された電線L1、クーポン2と電気的に接続された電線L2,L3が引き出されている。計測時には、ターミナルボックスTB内の地表面に照合電極(例えば、飽和硫酸銅電極)3が設置され、その照合電極3には電線L4が接続される。計測装置10は、電線L1,L2,L3,L4と接続するための接続端子10a,10b,10c,10dを備えており、接続端子10a,10b,10c,10dにて電線L1〜L4と計測装置10を接続することで、パイプライン1とクーポン2が電気的に接続され、クーポン2と照合電極3が電気的に接続される。
計測装置10は、接続端子10a,10b間に直列接続される半導体リレー10Xと前述したシャント11を備える。半導体リレー10Xは、接続端子10a,10b間を通電・遮断(オン・オフ)するためのスイッチング素子である。また、計測装置10は、接続端子10c,10d間の電圧を検出する電圧計10Yを備えている。
前述したように、シャント11が検出する電流は、クーポン2とパイプライン1との間に流れるクーポン電流Iである。電圧計10Yが検出する電圧はクーポン2と照合電極3との間の電位差であるクーポン電位Eである。クーポン電位Eは、クーポンオン電位Eonとクーポンインスタントオフ電位Eoffを求めるための計測値であり、接続端子10a,10b間が通電(オン)状態のクーポン電位Eから求められるのがクーポンオン電位Eonであり、接続端子10a,10b間が遮断(オフ)状態のクーポン電位Eから求められるのがクーポンインスタントオフ電位Eoffである。
ここでの計測装置10の演算処理手段14は、計時(タイマー)機能を有している。演算処理手段14は、検出されたクーポン電流Iとクーポン電位Eの計測値I(t),E(t)をサンプリングして、一時記憶及び演算処理すると共に、設定されたタイミングで半導体リレー10Xのオン・オフを切り替え制御するものである。計測装置10の演算処理手段14には前述した交流腐食リスク評価機能を有する外部演算処理装置(携帯型PCなど)20が接続されている。
演算処理手段14の機能は、図2に示した機能に加えて、半導体リレー10Xのオン・オフタイミングを計時するタイマー手段、半導体リレー10Xをオン・オフ制御するオン・オフ制御手段、クーポン電流Iの計測値I(t)からクーポン直流電流密度Id.c.を出力するクーポン直流電流密度算出手段、クーポン電位Eの計測値E(t)からクーポンオン電位Eonを算出するクーポンオン電位算出手段、クーポン電位Eの計測値E(t)からクーポンインスタントオフ電位Eoffを算出するクーポンインスタントオフ電位算出手段を備えている。
図5に示した例では、パイプライン1のカソード防食状況を計測するために24hの計測時間を設定している。これは通常行われる埋設パイプラインの定期点検における計測時間である。この計測時間は同時間帯と見なすことができる各回の計測時間Utを逐次回繰り返すことで構成される。各回の計測時間Utは10sに設定している。10sの計測時間Ut中でデータサンプリングされるI(t),E(t)によって求められるクーポン直流電流密度Id.c.,クーポン交流電流密度Ia.c.,クーポンオン電位Eon,クーポンインスタントオフ電位Eoffは同じ時間帯のカソード防食状況を示すものとして扱われる。10sの設定は、十数両連結の交流電気鉄道車両が計測点を通過する際に要する時間等を考慮しても適当な値であると言える。24hの計測時間では、各回の計測時間Utは、Ut(1),Ut(2),…,Ut(8640)の8640回繰り返される。
1つの回の計測時間Ut内では、パイプライン1とクーポン2とを電気的に接続して計測するクーポン電流,クーポン電位に加えて、パイプライン1とクーポン2との接続をオフにして計測するクーポンインスタントオフ電位を計測する。ここでは、1つの回の計測時間Ut内で、クーポン直流電流密度Id.c.,クーポン交流電流密度Ia.c.,クーポンオン電位Eonの最大値,最小値,平均値とクーポンインスタントオフ電位Eoffを求める例を示している。
各回の計測時間Ut(1),Ut(2),…,Ut(8640)は、パイプライン1とクーポン2を接続してクーポン電流密度(クーポン直流電流密度Id.c.,クーポン交流電流密度Ia.c.)とクーポン電位Eonを計測する第1時間区分td1とパイプライン1とクーポン2との接続をオフにして計測するクーポンインスタントオフ電位Eoffを計測する第2時間区分td2に分けられている。ここでは、第1時間区分td1を8.5sとし、第2時間区分td2を1.5sとしている。
各回の計測時間Utの第1時間区分td1では、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間をサブ単位時間Subとしてこれを連続的に繰り返す連続計測時間が設定されている。ここでは、商用周波数50Hzの例を示しており、20msの単位計測時間をサブ単位時間Subとして、8sの連続計測時間内に400のサブ単位時間Subを設定している。
単位計測時間である全てのサブ単位時間Subでは、0.1msのサンプリング間隔でクーポン電流I(t)とクーポン電位の計測値E(t)のサンプリングがなされ、上記の式(1),(2)によって、それぞれクーポン直流電流密度Id.c.,クーポン交流電流密度Ia.c.が計測され、下記式(4)によってクーポンオン電位Eonが計測される(Tは単位計測時間のサンプル数)。
Figure 0006045524
第1時間区分td1では、単位計測時間である一つのサブ単位時間Subでクーポン直流電流密度Id.c.,クーポン交流電流密度Ia.c.,クーポンオン電位Eonがそれぞれ求められ、400のサブ単位時間(Sub1,Sub2,…,Sub400)で求めた400のId.c.,Ia.c.,Eonから、クーポン直流電流密度Id.c.の平均値(Id.c. ave),最大値(Id.c. max),最小値(Id.c. min)、クーポン交流電流密度Ia.c.の平均値(Ia.c. ave),最大値(Ia.c. max),最小値(Ia.c. min)、クーポンオン電位Eonの平均値(Eon ave),最大値(Eon max),最小値(Eon min)がそれぞれ求められる。
単位計測時間Utの第2時間区分td2では、商用周波数の1周期に当たる単位計測時間である一つのサブ単位時間Subが設定され、このサブ単位時間Subでは下記式(5)で求めるクーポンインスタントオフ電位Eoffが計測される(Tは単位計測時間のサンプル数)。クーポンインスタントオフ電位Eoffは、直流の電位として求める必要があるが、パイプライン1とクーポン2の接続を遮断した後もクーポン2は交流誘導の影響を受けているので、サンプリングされるクーポン電位E(t)は交流誘導による波形が重なった値となる。そこでクーポン電位E(t)を交流1周期分の計測時間である一つのサブ単位時間Subだけ計測し、平均化した値をクーポンインスタントオフ電位Eoffとしている。
Figure 0006045524
24hの全計測時間では8640の(Id.c. ave,Id.c. max,Id.c. min),(Ia.c. ave,Ia.c. max,Ia.c. min),(Eon ave,Eon max,Eon min),Eoffが計測され、これらの値は計測装置10のデータ記憶手段に記憶される。また、これらの値のうち最大値である(Id.c. max,Ia.c. max,Eon max)は、計測される毎に順次比較され、24hの計測時間で最も大きいか或いは上位3つの値が抽出されて、その値とその値を構成するサブ単位時間Subにおける計測値波形のみをデータ記憶手段に記憶する。
そして、24hの全計測時間が終了すると、計測装置10に外部演算処理装置20を接続して、計測装置10のデータ記憶手段に記憶されたデータを外部演算処理装置20に取り込み、Ia.c. maxを構成する計測値波形が交流腐食を発生し得る商用周波数の正弦波であるか否かを判断し、交流腐食を発生し得る商用周波数の正弦波である場合には、全計測時間で求めたクーポン交流電流密度の平均値Ia.c. aveが閾値(例えば、ISO 15589-1であれば30A/m2)以下か否かで交流腐食のリスクの有無を評価する。ここで交流腐食リスクがある場合は、交流腐食対策を講じることが必要になる。
また、交流腐食リスクがないと評価された場合は、クーポン直流電流密度の平均値Id.c. aveや分極電位(ここでは、クーポンインスタンントオフ電位Eoffと同義)がこれらを指標としたカソード防食基準に合格していることを確認する。ISO 15589-1は、飽和硫酸銅電極基準の分極電位(クーポンインスタントオフ電位Eoff)が-850mV ≦ Eoff ≦ -1200mVを満足すればカソード防食基準に合格しているとしている。
このようなパイプライン1のカソード防食状況計測評価システムによると、交流腐食リスクを正確に評価することが可能になるので、交流腐食リスクに対して過大な評価をして無用な対策コストが嵩むのを抑止することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1:パイプライン,1C:プラスチックコーティング,2:クーポン,
10:計測装置,10X:半導体リレー,10Y:電圧計,
10a〜10d:接続端子,11:シャント,
12:ローパスフィルタ,13:A−Dコンバータ,14:演算処理手段,
14A:クーポン電流計測手段,14B:クーポン直流電流密度算出手段,
14C:クーポン交流電流密度算出手段,
14D:最大クーポン交流電流密度抽出手段,15:データ記憶手段,
20:外部演算処理装置,21:演算処理手段,
21A:極性判別手段,21B:出現時刻差算出手段,
21C:ひずみ率算出手段,21D:交流腐食リスク評価手段,
L,L1,L2,L3,L4:電線

Claims (7)

  1. 商用周波数の1周期に当たる単位計測時間で設定サンプリング間隔毎に計測されたクーポン電流の計測値からクーポン交流電流密度を求め、
    設定計測時間内で逐次求めた前記クーポン交流電流密度の最大値を抽出し、この最大値を構成する前記計測値の波形における最大計測値がプラス値であり最小計測値がマイナス値である場合に、前記設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価することを特徴とする埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法。
  2. 前記最大計測値の出現時刻と前記最小計測値の出現時刻の時間差が前記単位計測時間の1/2である場合に、前記設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価することを特徴とする請求項1に記載された埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法。
  3. 前記最大値を構成する前記計測値の波形の正弦波に対するひずみを求め、このひずみが小さい場合に、前記設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価することを特徴とする請求項1又は2に記載された埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法。
  4. 前記ひずみは、下記式のひずみ率から求められ、ひずみ率が設定された閾値以下の場合に、前記設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価することを特徴とする請求項3に記載された埋設金属体の交流腐食リスク計測評価方法。
    ひずみ率={(前記最大値を構成する前記計測値の平均値)−(前記最大計測値と前記最小計測値の中点値)}/(前記最大計測値と前記最小計測値の中点値)
  5. 商用周波数の1周期に当たる単位計測時間で設定サンプリング間隔毎にクーポン電流を計測するクーポン電流計測手段と、
    前記クーポン電流計測手段が計測したクーポン電流の計測値からクーポン交流電流密度を求めるクーポン交流電流密度算出手段と、
    前記計測値を前記単位計測時間毎に記憶するデータ記憶手段と、
    設定計測時間内で前記クーポン交流電流密度の最大値を抽出する最大クーポン交流電流密度抽出手段と、
    前記データ記憶手段に記憶された前記最大値を構成する前記計測値の波形における最大計測値と最小計測値の極性を判定する極性判定手段と、
    前記極性判定手段が前記最大計測値と前記最小計測値の極性を異なる極性であると判定した場合に、設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価する交流腐食リスク評価手段とを備えることを特徴とする埋設金属体の交流腐食リスク計測評価システム。
  6. 前記最大計測値の出現時刻と前記最小計測値の出現時刻の時間差を算出する出現時刻差算出手段を備え、
    前記交流腐食リスク評価手段は、
    前記出現時刻差算出手段が算出した前記時間差が前記単位計測時間の1/2である場合に、前記設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価することを特徴とする請求項5に記載された埋設金属体の交流腐食リスク計測評価システム。
  7. ひずみ率={(前記最大値を構成する前記計測値の平均値)−(前記最大計測値と前記最小計測値の中点値)}/(前記最大計測値と前記最小計測値の中点値)を算出するひずみ率算出手段を備え、
    前記交流腐食リスク評価手段は、
    前記ひずみ率算出手段が算出したひずみ率が設定された閾値以下である場合に、前記設定計測時間内で求めた前記クーポン交流電流密度に基づいて交流腐食リスクを評価することを特徴とする請求項5又は6に記載された埋設金属体の交流腐食リスク計測評価システム。
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