JP4810449B2 - 現像剤充填方法、充填済み現像剤収納容器、現像剤補給装置、画像形成装置、現像剤補給方法、並びに現像剤充填済み現像剤収納容器の製造方法。 - Google Patents
現像剤充填方法、充填済み現像剤収納容器、現像剤補給装置、画像形成装置、現像剤補給方法、並びに現像剤充填済み現像剤収納容器の製造方法。 Download PDFInfo
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Description
近年、画像形成装置で得られる画像は、フルカラー化が浸透するに従い、さらなる高画質化が要求され、この要求に対応するため、画像形成装置で用いられるトナーの小粒径化が進んでいる。このトナーの小粒径化によりトナーの表面積が増え、キャリアにトナー成分がスペントしやすくなっている。また、装置の小型化や高速化に伴い、少ない現像剤量が現像装置内で高速回転するために、現像剤にかかるストレスは増大し、キャリアコーティング膜の削れ、トナーのスペントなどによりキャリアの劣化が加速しやすい。このような劣化したキャリアを用いた現像剤では、小粒径トナーであっても高画質画像を得にくい。補給用トナーを現像装置に補給する構成では、現像装置内のトナーは現像によって消費されながら補給用トナーが補給されるため、現像装置内のトナーは入れ替わるが、現像装置内のキャリアは入れ替われない。よって、キャリアの劣化による画質の低下を抑制するためには、現像装置内の現像剤の交換を頻繁に行うことが求められる。しかし、現像装置内の現像剤を頻繁に交換することは、メンテナンス費用の増加につながり、プリント単価の上昇につながる。
しかし、特許文献1に記載の補給用トナーを収納する補給用トナー収納部とは別に、補給用のキャリアを収納する収納部と、補給用トナーを補給する補給装置とは別に補給装置が必要となる。このため、画像形成装置の大型化やコストアップとなってしまう。
そして、粉体ポンプの負圧によって現像剤を現像装置に供給する構成で、本発明者らが実験を重ねたところ、次のような不具合が生じることが分かった。すなわち、トナーとキャリアとからなる現像剤であれば粉体ポンプの負圧によって搬送することができるが、キャリアのみでは粉体ポンプによる搬送が停止するという不具合が生じる。粉体ポンプによるキャリアの搬送が停止した状態では、搬送路部材の途中でキャリアが詰まり、負圧がかかっても移動しない状態になっていた。
そして、現像剤排出口からキャリアのみが排出されると、粉体ポンプでキャリアのみを搬送することになり、粉体ポンプによる現像剤の搬送が停止する。一方、現像剤排出口からキャリアとトナーからなる現像剤、または、トナーのみが排出されると、停止することなく、粉体ポンプによる現像剤の搬送を行うことができる。
しかし、補給開始までは現像剤の排出に伴う現像剤収納容器内の現像剤の移動は行われないため、補給開始時にキャリアのみが排出される充填状態であると、上述したように粉体ポンプによる現像剤の搬送が停止する。
また、請求項2の発明は、トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納体と、該補給用現像剤を該現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有し、吸引力によって現像剤を搬送する現像剤補給装置に用いられる現像剤収納容器に該補給用現像剤を充填する現像剤充填方法において、上記現像剤収納容器内の上記現像剤排出口に対して最も遠い領域に存在する補給用現像剤のキャリアの割合に対して、上記現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤のキャリアの割合が小さくなるように補給用現像剤を該現像剤収納容器に充填し、補給用現像剤を充填した後の現像剤収納容器の現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤がキャリアのみとならない状態で補給用現像剤を該現像剤収納容器に充填することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の現像剤充填方法において、上記現像剤排出口からキャリアを充填した後に、該現像剤排出口からトナーを充填することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1または2の現像剤充填方法において、キャリアを上記現像剤収納容器に充填するときには、トナーとキャリアとからなる現像剤であるプレミックスキャリアを充填し、トナーとプレミックスキャリアとをそれぞれ該現像剤収納容器に充填することにより、補給用現像剤を該現像剤収納容器に充填することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の現像剤充填方法において、プレミックスキャリアは、キャリアに対するトナーの被覆率が25[%]以上、100[%]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の現像剤充填方法において、上記現像剤排出口からプレミックスキャリアを充填した後に、現像剤排出口からトナーを充填することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、内部にトナーとキャリアとからなる補給用現像剤を充填した現像剤収納体と、該補給用現像剤を該現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有し、吸引力によって現像剤を搬送する現像剤補給装置に用いられる充填済み現像剤収納容器において、該現像剤収納体に収納する補給用現像剤を、請求項1、2、3、4、5または6の現像剤充填方法で充填したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の充填済み現像剤収納容器において、上記現像剤収納体は略密閉に、且つ、変形可能に構成され、補給用現像剤を外部に排出することにより該現像剤収納体の容積が減少することを特徴するものである。
また、請求項9の発明は、請求項7または8の充填済み現像剤収納容器において、現像剤補給装置に装着されるときには、上記現像剤排出口が最下部となるように装着される形状であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項7、8または9の充填済み現像剤収納容器において、上記現像剤収納体内のトナーがキャリアに静電的に付着していることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納手段と、補給用現像剤を搬送先に搬送する現像剤搬送手段とを有し、該現像剤搬送手段は、その内部を補給用現像剤が通過する搬送路部材と、該現像剤収納手段の補給用現像剤に負圧を作用させ、該搬送路部材内を通して補給用現像剤の搬送先へ補給用現像剤を移動させる粉体ポンプとを備える現像剤補給装置において、該現像剤収納手段として請求項7、8、9または10に記載の充填済み現像剤収納容器を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、潜像担持体と、現像剤収容部内の現像剤を用いて該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置と、該現像剤収容部に現像剤を供給する現像剤補給手段とを備えた画像形成装置において、該現像剤補給手段として、請求項11の現像剤補給装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納体と、補給用現像剤を該現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有する現像剤収納容器から補給用現像剤を現像装置に補給する現像剤補給方法において、上記現像剤収納体に収納される補給用現像剤の全体中のキャリアの割合に対して、上記現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤のキャリアの割合が小さくなるように補給用現像剤が上記現像剤収納容器に充填され、補給用現像剤を充填された後の該現像剤収納容器の該現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤がキャリアのみとならない状態で補給用現像剤が充填された充填済み現像剤収納容器の、該現像剤排出口に対して粉体ポンプを用いて負圧を発生させることにより該充填済み現像剤収納容器内の補給用現像剤を該現像剤排出口から排出させ、該充填済み現像剤収納容器から該現像装置に補給用現像剤を搬送することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納体と、補給用現像剤を現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有し、吸引力によって現像剤を搬送する現像剤補給装置に用いられる現像剤収納容器に補給用現像剤を充填して充填済み現像剤収納容器とする充填済み現像剤収納容器の製造方法において、上記現像剤収納体に収納される補給用現像剤の全体中のキャリアの割合に対して、上記現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤のキャリアの割合が小さくなるように補給用現像剤を上記現像剤収納容器に充填し、補給用現像剤を充填した後の現像剤収納容器の現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤がキャリアのみとならないように補給用現像剤を現像剤収納容器に充填することを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る複写機の概略構成図である。この複写機はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1、帯電器、現像装置4、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
帯電手段たる帯電器によって、感光体1Yの表面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。すると、照射部(露光部)の電位が減衰する。この減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18M,C,Kについても同様である。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kなども有している。
中間転写ベルト110は、張架ローラ14を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y,M,C,Kに向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体1と一次転写バイアスローラ62との間に一次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このYトナー像の上には、M,C,K用の感光体1M,C,K上に形成されたM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録体たる転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方の張架ローラ23は、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
図2に示すように感光体1は図中矢印G方向に回転しながら、その表面を不図示の帯電装置により帯電される。帯電された感光体1の表面は不図示の露光装置より照射されたレーザ光により静電潜像を形成された潜像に現像装置4からトナーを供給され、トナー像を形成する。
現像ローラ5の供給スクリュ8との対向部から表面移動方向下流側には、現像ローラ5に供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ12を備えている。
現像ローラ5の感光体1との対向部である現像部から表面移動方向下流側には、現像部を通過した現像済みの現像剤を回収し、回収した回収現像剤を供給スクリュ8と同方向に搬送する回収搬送部材としての回収スクリュ6を備えている。供給スクリュ8を備えた供給搬送路9は現像ローラ5の横方向に、回収スクリュ6を備えた回収搬送路としての回収搬送路7は現像ローラ5の下方に並設されている。
供給搬送路9と攪拌搬送路10とは仕切り部材としての第一仕切り壁133によって仕切られている。第一仕切り壁133の供給搬送路9と攪拌搬送路10とを仕切る箇所は図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路9と攪拌搬送路10とが連通している。
なお、供給搬送路9と回収搬送路7とも第一仕切り壁133によって仕切られているが、第一仕切り壁133の供給搬送路9と回収搬送路7とを仕切る箇所には開口部を設けていない。
また、攪拌搬送路10と回収搬送路7との2つの搬送路は仕切り部材としての第二仕切り壁134によって仕切られている。第二仕切り壁134は、図中手前側が開口部となっており、攪拌搬送路10と回収搬送路7とが連通している。
また、現像装置4では、現像剤を収容する現像剤収容部を供給搬送路9、回収搬送路7及び攪拌搬送路10によって構成する。
図3は現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置4の模式図である。図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。
現像ローラ5から回収搬送路7に送られ、回収スクリュ6によって回収搬送路7の搬送方向下流端まで搬送された回収現像剤は第二仕切り壁134の回収開口部93より攪拌搬送路10に供給される(図3中矢印F)。
そして、攪拌搬送路10は、供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌し、攪拌スクリュ11の搬送方向下流側であり、供給スクリュ8の搬送方向上流側に搬送し、第一仕切り壁133の供給開口部91より供給搬送路9に供給される(図3中矢印D)。
攪拌搬送路10では攪拌スクリュ11によって、回収現像剤、余剰現像剤及びトナー補給口95から必要に応じて補給されるプレミックストナーを、回収搬送路7及び供給搬送路9の現像剤と逆方向に攪拌搬送する。そして、搬送方向下流側で連通している供給搬送路9の搬送方向上流側に攪拌された現像剤を移送する。なお、攪拌搬送路10の下方には、不図示のトナー濃度センサが設けられ、センサ出力により詳細は後述するトナー補給装置を作動し、トナー収納部からトナー補給を行う。また、現像装置4にトナー補給を行うときには、補給用トナーの中に補給用のキャリアを混入したプレミックストナーを補給する。
図4に示すように、プレミックストナーを補給するトナー補給口95を攪拌スクリュ11を備える攪拌搬送路10の搬送方向上流端部の上方に設けている。このトナー補給口95は現像ローラ5の幅方向端部よりも外側に設けてある。
また、トナー補給口95としては、攪拌搬送路10の搬送方向上流端部の上方に限らず、回収搬送路7の下流端部の上方に設けても良い。
さらに、回収搬送路7から攪拌搬送路10へ現像剤の受渡しを行う箇所である回収開口部93の真上にトナー補給口95を設けるようにしても良い。受渡し部である回収開口部93では現像剤が混ざりやすいため、この位置で補給を行うことによりより効率よく現像剤の攪拌を行うことができる。
図5は、本複写機が有するトナー補給装置500の斜視説明図であり、図6はトナー補給装置500を示す断面説明図である。また、図7は、現像剤収納容器であるトナーボトル120の外観斜視図である。トナーボトル120は、補給用トナーと補給用キャリアとからなり、トナーの割合が現像装置4内の現像剤よりも多い補給用現像剤であるプレミックストナーTpを収納する現像剤収納容器である。なお、図5中の符号TfはプレミックストナーTpの流れを示している。
タンデム方式の画像形成装置で本複写機は、図5のように各色のプレミックストナーTpを収納するトナーボトル120が並んで配置される構成をとる。各色のトナーボトル120はそれぞれ現像剤の搬送路部材であるトナー補給チューブ65を介してサブホッパ68、粉体ポンプであるトナーポンプ60等を備えた補給ユニットと接続し、現像装置4は補給ユニットの下方に接続している。トナーポンプ60としては、内部に螺旋状溝を有する弾性部材のステータ69とステータ69内部で回転することにより軸方向にプレミックストナーTpを移動させるロータ61を備えたスクリュポンプを用いている。トナーポンプ60としては、特開2000−98721に記載のものを用いることができる。
トナーボトル120は図6及び図7に示すように、現像剤収納体であるトナー収納体121と、唯一の開口部としての現像剤排出口であるトナー排出口122に取り付けられる口金部材130とで構成されている。このトナーボトル120の具体的な構成については後に詳述する。
なお、図6の説明図では、駆動モータ66とユニバーサルジョイント64とを直接接続している。駆動力の伝達を図5の斜視図を用いて説明すると、駆動モータ66からの駆動力は駆動シャフト66b及び駆動シャフトギヤ66aを介して、ユニバーサルジョイント64に駆動力が伝達される。
図7において、トナーボトル120のプレミックストナーTpを収納するトナー収納体121は軟包材と呼ばれるシート状の樹脂を溶着して袋状に形成したものである。トナー収納体121を構成するシート状の樹脂は、材質の異なる複数の樹脂のフィルムを積層して1枚のフィルムとしたものを使用している。具体的には袋状に形成したときに内側になる層から、溶着しやすい材料からなる溶着層、気密性に優れた材料からなる気密層、及び剛性に優れた剛性層の3層で構成する。
溶着層としては比較的低温で溶解する材質であるポリエチレン等が用いられ、気密層や剛性層には内容物の種類(固体、液体、粉体等)や目的(食品、医薬品等)等に合わせて、PET、ナイロン、アルミ、紙等が用いられる。
なお、本複写機で用いるトナーボトル120では、トナー収納体121の内側から外側に向かってポリエチレン、ナイロン、PETの3つの材質の複合材で構成されている。
トナー収納体121を袋状に形成したときに内側になる溶着層として比較的低温で溶解する材質を用いることにより、熱を加えたときに全体がむらなく溶けて、隙間なくシート状部材を貼り合わせることができる。
また、プレミックストナーTpを保管中に外気に触れるとプレミックストナーTpが劣化することがある。特に湿気が高い環境ではプレミックストナーTpが凝集してトナー補給不良の原因となることがある。これを防止するため、袋部材を構成するシート状部材に気密層を設けることでトナーボトル120の気密性を高めている。
さらに、トナーボトル120はユーザーが直接触れるため、持ちやすさを考慮する必要がある。袋部材を構成するシート状部材に、比較的剛性の高い材質を用いるとこの材質の厚みを変えることでトナーボトル120の剛性を調整できるため、トナーボトル120に望ましい剛性を持たせることができる。
なお、この3つの層以外の層をさらに備えても良い。
それに対して、トナー収納体121では、その稜線には溶着代123があり、溶着代123では2枚のシートが溶着されて、シートの厚みが他の部分の倍の厚みになっている。このため、容器の稜線が「柱」のような役割りを果たすため、容器全体の剛性が高くなる。これによって、輸送時の振動や落下時の衝撃で容器が座屈したり、プレミックストナーTp補給中にトナー排出口122の付近で面部分が変形してトナーボトル120が閉塞したり、ということを防止することができる。
また、トナーボトル120は、変形可能でトナー収納体121内にスクリュやコイルなどの攪拌部材を備えていない。このような、トナーボトル120でも、トナー補給装置500のようにプレミックストナーTpを粉体ポンプであるトナーポンプ60で吸引することにより、トナー収納体121内のプレミックストナーTpを良好に排出することができる。このトナーポンプ60は、モーノポンプと呼ばれる吸引型一軸偏心スクリュポンプである。
そして、トナーポンプ60が駆動し、トナー排出口122に負圧が働くことによって、プレミックストナーTpをトナー排出口122からトナーボトル120の外部に排出する。このとき、トナーポンプ60の吸引力による負圧によってトナー収納体121が収縮し、トナーボトル120の容積が減少する。
口金部材130はトナー収納体121に比べて小さいもので剛性のある成形樹脂で構成されている。トナー収納体121の内側層と口金部材130の材質をポリエチレンで形成すると、溶着によって隙間なく取り付けることができる。詳しくは、口金部材130の一部をトナー収納体121の中に差し込んで加熱した溶着コテで荷重を加えると、口金部材130とトナー収納体121とを溶着できる。
上述したように、現像剤補給装置であるトナー補給装置500は、現像剤収納容器であるトナーボトル120内の補給用現像剤であるプレミックストナーTpをトナー補給口95から現像装置4に補給する。
また、現像装置4には、供給搬送路9内の現像剤が所定の嵩を越えた場合にその一部を現像装置4の外部に排出する現像剤排出手段である現像剤排出口94と、現像剤排出口94から排出された現像剤を現像装置4の外部に搬送する排出搬送路2とを有する。排出搬送路2は、供給搬送路9の搬送方向下流側で仕切り壁135を挟んで供給搬送路9と隣り合うように配置され、現像剤排出口94は供給搬送路9と排出搬送路2とを連通するように仕切り壁135に設けられた開口である。
また、現像剤排出口94は、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の現像剤が滞留する位置に配置されており、滞留する現像剤の嵩が増したときに、現像剤排出口94の高さに到達した現像剤を排出搬送路2へ排出する。
このような現像装置4では、トナー補給装置500からのプレミックストナーTpの供給がない状態では、現像装置4内の現像剤量がほとんど変化せず、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍で滞留する現像剤の嵩も変動はほとんどない。一方、トナー補給装置500によってプレミックストナーTpが現像装置4内に補給されると、現像装置4内の現像剤量が増加し、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍で滞留する現像剤の嵩が増加する。そして、供給搬送路9の搬送方向下流端近傍の現像剤の嵩が、現像剤排出口94の高さまで上昇すると、現像剤排出口94の高さに到達した現像剤が排出搬送路2へと排出され、排出搬送路2を通って現像装置4の外部に排出される。
現像剤排出口94から排出搬送路2を通って現像装置4の外部に排出される現像剤にはトナーとキャリアとが含まれており、プレミックストナーTpには未使用のトナーとキャリアとが含まれている。このため、トナー補給装置500のプレミックストナーTpの補給と現像剤排出口94からの現像剤の排出とによって、現像装置4内の現像剤の入れ替えを行うことができる。
一方、本実施形態の複写機のように、現像装置4にトナーとキャリアとからなるプレミックストナーTpを補給することにより、作像中に現像装置4内の現像剤を入れ替え、現像装置内に存在するキャリアのうちの劣化したキャリアが占める割合を少なくすることができる。これにより、メンテナンス間隔を広げてダウンタイムを低減することができる。
図8は、本実施形態のトナーボトル120に補給用現像剤であるプレミックストナーTpを充填する現像剤充填装置600の説明図である。
図8に示すように、現像剤充填装置600は、トナーボトル120に補給用トナーToを充填するトナー充填装置610と、トナーボトル120に補給用キャリアCaを充填するキャリア充填装置620とを有する。さらに、補給用トナーToと補給用キャリアCaとを充填したあとのトナーボトル120から空気を抜く、脱気装置630を有する。また、トナーボトル120に補給用トナーToと補給用キャリアCaとを充填するときには、図8に示すようにトナー排出口122を上方に向けてトナーボトル120を載置して、トナー排出口122から補給用トナーTo及び補給用キャリアCaを充填する。
また、脱気装置630には脱気ノズル631の一端が接続されており、他端をトナーボトル120のトナー排出口122に挿入して脱気装置630を駆動することにより、トナーボトル120内の空気を抜くことができる。
このように、補給用トナーToと補給用キャリアCaとをトナーボトル120に充填することにより、トナーボトル120内には補給用トナーToと補給用キャリアCaとからなるプレミックストナーTpが充填された状態となる。これにより、トナーボトル120が充填済み現像剤収納容器となる。
そのため、キャリアはわずかでもトナーが被覆された状態でトナーボトル120から排出される必要がある。キャリアに付着したトナーは、「コロ」のような働きをし、トナーポンプ60のロータ61とステータ69との間等でキャリアが詰まることを抑制する。
一方、トナーボトル120からキャリアのみが排出され、キャリアがトナーポンプ60のロータ61とステータ69との間等に詰まって、トナーポンプ60による搬送が不能になると、部品の交換やサービスマンによるメンテナンス等の修復作業が必要となる。そして、この修復作業が終わるまでは画像形成装置を使用することができず、ダウンタイムとなる。
そして、トナー排出口122から補給用キャリアCaのみが排出されると、上述したようにトナーポンプ60による搬送が不能になる。
このため、使用者がトナーボトル120を交換するときに、トナーボトル120を振ってからトナー補給装置500に設置することで、トナーポンプ60が搬送不能になることを防止することができる。
そこで、本実施形態では、充填後のトナーボトル120のトナー排出口122の近傍に存在するプレミックストナーTpがキャリアのみとならない状態で補給用トナーToと補給用キャリアCaとをトナーボトル120に充填する。
本実施形態では充填済みのトナーボトル120は、トナー排出口122に対して最も遠い位置の容器底部126の近傍にあるプレミックストナーTpのキャリア濃度が、トナー排出口122の近傍にあるプレミックストナーTpのキャリア濃度よりも高くなるようにプレミックストナーTpが充填される。
(1)トナー排出口122近傍がトナーのみで、ほとんどのキャリアが容器底部126近傍に集中している。
(2)トナー排出口122から容器底部126にかけて、徐々にプレミックストナーTpのキャリア濃度が高くなっている。
(3)トナー収納体121内のプレミックストナーTpのキャリア濃度はほぼ均一だが、トナー排出口122近傍のキャリア濃度だけが他の部分より低い。あるいは、トナー排出口122近傍はトナーのみ。
(1)所定量の補給用キャリアCaを充填した後に、所定量の補給用トナーToを充填する。
(2)補給用キャリアCaの充填を開始した後で、且つ、補給用キャリアCaの充填が終了する前に、補給用トナーToの充填を開始し、補給用キャリアCaの充填が終了した後に、補給用トナーToの充填を終了する。このとき、補給用キャリアCaの充填開始から充填終了までに単位時間あたりの補給用キャリアCaの充填量を徐々に少なくしていく。
(3)補給用キャリアCaと補給用トナーToとを同時に充填を開始する。このとき、補給用トナーToと補給用キャリアCaとの単位時間あたりの充填量は一定として、充填量が所定量に達するまでの時間が補給用トナーToの方が長くなるように、設定する。
上記(2)の充填方法で補給用キャリアCaと補給用トナーToとを交互に充填する場合、先に補給用キャリアCaを充填し始めて、補給用キャリアCaと補給用トナーToとを交互に充填する。このとき、交互に充填するときの補給用キャリアCaの一回の充填量が最初の充填が一番多くなるように充填し、2回目、3回目・・・と順に充填量を少なくしていく。一方、交互に充填するときの補給用トナーToの一回の充填量は一定にして、交互に充填する最後の充填は補給用トナーToを充填する。なお、交互に充填するときの補給用トナーToの一回の充填量は、最初の充填が一番少なくなるように充填し、2回目、3回目・・・、と順に充填量を増加させても良い。
上記(3)の充填方法で補給用キャリアCaと補給用トナーToとを交互に充填する場合は、補給用キャリアCa及び補給用トナーToの一回の充填量をそれぞれ一定にして交互に充填し、交互に充填する最後の充填は補給用トナーToを充填する。なお、交互に充填を行う最初の充填は補給用キャリアCaと補給用トナーToとのどちらでもよい。しかし、最初に補給用キャリアCaを充填すると次に充填する補給用トナーToが、先に充填された補給用キャリアCaの層の上に載った状態となりやすく、混合されにくい。一方、最初に補給用トナーToを充填することで、次に充填する補給用キャリアCaと混合されやすいため、より好ましい。
したがって、キャリアによってモーノポンプが詰まることなく、キャリアは現像器まで搬送される。
さらに本実施形態のトナーボトル120は、トナー排出口122がトナーボトル120の最下部となるようにトナー補給装置500に設置される。この場合、プレミックストナーTpの排出に伴うトナーボトル120内部のプレミックストナーTpに動きが生じやすくなる。この、トナーボトル120内部のプレミックストナーTpに動きによって、トナーより比重の大きいキャリアが下方のトナー排出口122側に移動しやすくなる。その結果、トナー補給装置500にトナーボトル120を設置したときに、上方となる容器底部126の近傍に偏在しているキャリアは徐々に分散化するため、トナーと共に排出されて、トナーボトル120にキャリアが残りにくくなる。
したがって、トナーボトル120の1本分のプレミックストナーTpが補給される毎に、スペントや膜削れのないキャリアがほぼ一定量補給されるようになり、現像装置4内に劣化した現像剤の割合が増加することの抑制に効果を発揮する。
トナーボトル120から排出されるプレミックストナーTp中のキャリア量にばらつきがあるということは、現像装置4へのキャリア補給量にもばらつきがある。キャリア補給量が少ない場合には現像装置4内のキャリア劣化が進みやすく、多いときには劣化していないキャリアが多く排出されやすい。そのため、トナーボトル120の1本分のキャリア補給量がほぼ同じでも、キャリア補給量のばらつきが大きい場合は、少なく補給された場合よりもキャリア劣化が進みやすくなる。
本実施形態では、トナーボトル120内のキャリアが、プレミックストナーTpの排出に伴い徐々に分散化するため、補給ごとに現像装置へ供給されるキャリア量のばらつきも低減しやすい。
トナーとキャリアの摩擦帯電は、これらの充填時にわずかに生じるが、トナーボトル120の使用開始前にトナーボトル120を振ることによっても生じる。
なお本実施形態におけるトナーのキャリアへの被覆率は、測定値ではなく計算により求めたものであり、以下の式(1)で求めた値である。
補給用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、必要に応じて離型剤や帯電制御剤、その他の成分が含有される。さらに外添剤として流動性向上剤やその他の成分が添加されても良い。これら材料に関しては、公知のものがすべて可能である。なお、補給前の現像装置4内の現像剤に含まれるトナーとしても同様のものを用いることができる。
帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100[重量部]に対して、0.1〜10[重量部]の範囲で用いられる。好ましくは、2〜5[重量部]の範囲がよい。0.1[重量部]未満では、トナーの負帯電が不足し実用的でない。10[重量部]を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、キャリアとの静電的吸引力の増大のため、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
これらは1種または2種以上を併用して用いることが出来るが、融点が70〜125[℃]の範囲のものを使用するのが好ましい。融点が70[℃]以上とすることにより転写性、耐久性が優れたトナーとすることができ、融点を125[℃]以下とすることにより定着時に速やかに溶融し、確実な離型効果を発揮できる。これらの離型剤の使用量は、トナーに対して1〜15[重量%]が好適である。1[重量%]より少ない場合にはオフセット防止効果が不十分であり、15[重量%]以上では転写性、耐久性が低下する。
重合法としては懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などが可能であり、重合法とは異なるが溶解懸濁法、ポリマー懸濁法などの他、伸長反応法などが使用可能である。
使用するトナーの外添剤の添加方法は特に制限されず、トナー母体粒子と微粒子を各種の公知の混合機を用いて、機械的に混合して付着させる方法や、液相中でトナー母体粒子と微粒子を界面活性剤などで均一に分散させ、付着処理後、乾燥させる方法などがある。
なお、トナーの重量平均粒径は3〜12[μm]が好ましく、高画質化の点からは3〜8[μm]が特に好ましい。
補給用キャリアとしては、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、この芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。なお、補給前の現像装置4内の現像剤に含まれるキャリアとしても同様のものを用いることができる。
樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、塗布溶液を上述した芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。この塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法などが挙げられる。
キャリアの平均粒径は、20〜100[μm]が好ましく、特に高画質を得るためには、20〜45[μm]が好ましい。
プレミックストナーTpは、上述した補給用トナーと補給用キャリアから構成されるが、現像装置4内の現像剤に用いられるトナーとキャリアと同じことが特に好ましい。これによりプレミックストナーTpが供給されても、現像装置4中の現像剤が初期剤の特性を維持しやすく、画質の変化を抑制できる。
プレミックストナーTp中のキャリア濃度としては、1[質量%]〜30[質量%]が好ましく、5[質量%]〜20[質量%]が特に好ましい。1[質量%]より少ない場合には、現像剤劣化の抑制効果が現われにくく、30[質量%]を超える場合には現像剤の排出量が多すぎてコストアップにつながる。
なお、キャリアはトナー中で均一に分散されている必要はない。
さらに、プレミックスキャリアと現像装置内の現像剤とを同じものを用いてもよい。トナーとキャリアの比率が同じものを使用することにより、現像剤混合の工程を一つとすることができる。現像装置内の現像剤としては、キャリア濃度は90〜98[質量%]が好ましく、93〜97[質量%]がより好ましい。現像剤の混合には公知の混合機が使用できる。
次に、本発明の実施例と比較例とを比較する実験について説明する。
なお、本発明の実施例は後述する各実施例に限定されるものではない。
実施例用および比較例用の充填済みトナーボトル120として、補給用現像剤収納容器A〜Eを用意した。これらトナーボトル120のトナー排出口122の近傍と容器底部126の近傍とのキャリア濃度、及び、キャリアとトナーの付着状態を次ように測定した。測定結果を表1に示す。
プレミックストナーTp中にキャリアが存在する場合、帯電量の絶対値が2[μc/g]以上であれば、トナーとキャリアは静電的に付着していると判断できる。表1中、「○」は帯電量の絶対値が2[μc/g]以上であることを示し、「×」は帯電量の絶対値が2[μc/g]より小さいことを示す。
なお、トナー排出口122近傍のプレミックストナーTpはトナー排出口122から採取し、容器底部126近傍のプレミックストナーTpは、容器底部126に穴を空けて採取した。
リコー製 imagio Pトナー タイプC2 マゼンタトナー用のトナーボトル120を用意し、図8に示すようにトナー排出口122を上に向けた状態で、トナー排出口122から補給用キャリアCaを90[g]充填し、次いで、補給用トナーToを510[g]充填した。この場合、トナーボトル120内のトナー排出口122に対して最も遠い領域は容器底部126の近傍となる。容器底部126の近傍ではほぼキャリアの層となった。この補給用現像剤収納容器Aのトナー排出口122の近傍、および容器底部126近傍のプレミックストナーTpのキャリア濃度を表1に示す。
なお、補給用トナーおよび補給用キャリアは次のものを使用した。
まず、トナーについて説明する。
トナーの母体構成材料は以下のとおりである。なお、各材料の「部」は質量基準である。
結着樹脂・・・ポリエステル樹脂・・・・・・・95部
着色剤・・・・ナフトール系マゼンタ顔料・・・ 5部
離型剤・・・・カルナバワックス・・・・・・・ 5部
帯電制御剤・・サリチル酸ジルコニウム塩・・・ 1部
上述したトナー母体構成材料をヘンシェルミキサー「MF20C/I型」(三井三池加工機 社製)に仕込み、十分攪拌混合した後、東芝機械社製2軸押出機にて溶融混練し、冷却した。次いで、重量平均粒径(D4)が5.5±0.5[μm]、重量平均粒径と個数平均粒径(D1)の比(D4/D1)が1.15〜1.20となるように、粉砕、分級を行い、トナー母体を作製した。このトナー母体100部に対して、以下の添加剤をヘンシェルミキサーを用いて添加混合し、トナーとした。
トナーの添加剤は以下のとおりである。なお、各材料の「部」は質量基準である。
疎水性シリカ(平均一次粒径120[nm])・・・0.8部
疎水性シリカ(平均一次粒径20[nm])・・・・0.8部
酸化チタン(平均一次粒径15[nm])・・・・・1.2部
キャリアの構成材料を以下のとおりである。なお、各材料の「部」は質量基準である。
芯材・・・・焼成フェライト粉{ (MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0 :平均粒径;35[μm]}
コート材
アクリル樹脂溶液(固形分50[wt%])・・・21.0部
グアナミン溶液(固形分70[wt%])・・・・6.4部
アルミナ粒子(0.3[μm]、固有抵抗1014[Ω・cm])・・・7.6部
シリコーン樹脂溶液(固形分23[wt%])・・・65.0部
アミノシラン・・・・0.3部
トルエン・・・・・・ 60部
ブチルセロソルブ・・ 60部
補給用現像剤収納容器Aと同じトナーボトル120を用意し、トナー排出口122を上にしてここから補給用トナーToを102[g]充填し、次いで補給用キャリアCaを90[g]充填した。その後、再び補給用トナーToを408[g]充填した。トナーとキャリアは補給用現像剤収納容器Aに充填したものと同じである。
キャリア充填時に最初に充填したトナー層内にキャリアが沈みこんで混ざり合ったため、キャリアだけが存在する部分はなかった。この補給用現像剤収納容器Bのトナー排出口122の近傍、および容器底部126の近傍のプレミックストナーTpのキャリア濃度を表1に示す。
補給用現像剤収納容器Aと同じトナーボトル120を用意し、トナー排出口122を上にしてここから補給用トナーToを496[g]充填し、次いで補給用キャリアCaを90[g]充填した。トナーとキャリアは補給用現像剤収納容器Aに充填したものと同じである。
キャリアの一部は、先に充填したトナー層内に沈み込んだが、トナー排出口122の近傍はキャリアがほとんどであった。この補給用現像剤収納容器Cのトナー排出口122の近傍、および容器底部126の近傍のプレミックストナーTpのキャリア濃度を表1に示す。
補給用現像剤収納容器Aと同じトナーボトル120を用意し、トナー排出口122を上にしてここからプレミックスキャリアaを125.3[g]充填し、次いで補給用トナーを494.7[g]充填した。プレミックスキャリアaは後述するように作成したものであり、トナーは補給用現像剤収納容器Aに充填したものと同じである。
補給用現像剤収納容器Dのトナー排出口122の近傍、および容器底部126近傍のキャリア濃度を表1に示す。
ここで、プレミックスキャリアaの作成方法について説明する。
キャリア(補給用現像剤収納容器Aに充填したものと同じ)83.7[kg]とトナー(補給剤収納体Aに充填したものと同じ)6.3[kg]を混合機としてのターブラーシェーカーミキサーT50A型(TURBULA社製)を用いて混合した。混合後はキャリアとトナーが分離することなく、均一に混合されたプレミックスキャリアaが得られた。このプレミックスキャリアaのキャリアへのトナー被覆率は、10.1[%]である。
補給用現像剤収納容器Aと同じトナーボトル120を用意し、トナー排出口122を上にしてここからプレミックスキャリアbを61.8[g]充填し、次いで補給用トナーToを513.2[g]充填した。プレミックスキャリアbは後述するように作成したものであり、トナーは補給用現像剤収納容器Aに充填したものと同じである。
補給用現像剤収納容器Eのトナー排出口122の近傍、および容器底部126近傍のキャリア濃度を表1に示す。
ここで、プレミックスキャリアbの作成方法について説明する。
キャリア(補給用現像剤収納容器Aに充填したものと同じ)186[kg]とトナー(補給用現像剤収納容器Aに充填したものと同じ)14[kg]をターブラーミキサーを用いて混合した。混合後はキャリアとトナーが分離することなく、均一に混合されたプレミックスキャリアbが得られた。このプレミックスキャリアbのキャリアへのトナー被覆率は、49.7[%]である。
リコー製複写機 imagio Neo C600のトナー補給装置を単独で動作するように改造し、このマゼンタユニットに補給用現像剤剤収納容器Aをセットして、キャリア補給性を評価した。なお補給用現像剤剤収納容器Aは、セット前に上下に10回振っている。
キャリア補給性を評価する実験方法と評価方法とは次のとおりである。
トナー補給装置の吸引ポンプが駆動間隔1分で1回に2秒間駆動し、サブホッパーの搬送スクリュが駆動間隔10秒で1回に0.6秒駆動するように設定した。サブホッパーの補給口下方にはプレミックストナーTpを受ける容器があり、補給量が自動計量できるようになっている。トナー補給装置に補給用現像剤剤収納容器Aを1本セットして補給動作を開始し、サブホッパー内のトナーエンドセンサーがトナーエンドを検知して駆動が止まるまで、連続して補給を続けた。
充填したプレミックストナーTpの量と駆動停止後の排出量の差から、補給用現像剤剤収納容器A内に残ったプレミックストナーTpの質量が確認できる。さらに残存したプレミックストナーTpをブローしてトナーを除去し、トナー除去後の質量からキャリア質量が確認できる。プレミックストナーTpの残存量が20[g]より少なく、かつキャリアの残量が充填したキャリアの所定量の10[質量%]以内ならば、補給性に問題ない。
また、排出途中、充填したプレミックストナーTpの量の1/4量±10[g]が排出された時、および3/4量±10[g]が排出された時に排出されたプレミックストナーTpを採取し、排出されたプレミックストナーTpの帯電量とキャリア濃度を測定した。帯電量からキャリアとトナーの付着状態が判断でき、キャリア濃度からキャリアの分散状態を確認できる。
キャリア補給性の評価結果を表2に示す。
リコー製複写機 imagio Neo C600の改造機を用いる。改造は、現像装置内の現像剤が内容量に応じて現像装置から排出され、これが回収されるようにしたものである。
上下に10回振った補給用現像剤収納容器Aをトナー補給装置にセットし、上述したプレミックスキャリアbと同じ組成の現像剤を450[g]現像装置に充填し、画像面積率5[%]のA4マゼンタ画像で10万枚の連続出力を行なった。画像出力中、トナーエンドを検知して出力が止まったところで、新たな補給用現像剤収納容器Aに交換した。この時にも補給用現像剤収納容器Aは上下に10回振っている。
連続出力前後に以下の評価を行った。各評価項目がランク3以上であれば、問題ない画質が得られていると判断した。また、初期に対して10万枚出力後の評価項目が2ランクより多く悪化していなければ、現像剤劣化が抑制されていると判断した。
多数枚出力の評価の結果を表3に示す。
以下、表3に示す各項目の評価基準について説明する。
リコー製 PPC用紙(タイプ6200 A4)の角部4ヶ所(用紙の余白2±0.5[cm]を残して)および中央部1ヶ所に1インチ×1インチのベタ画像を出力し、これら5点の画像濃度を測定した。画像濃度は分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)で測定した。平均値が1.2以上であれば、問題ない画像濃度である。
表3に示すランクの基準は次のとおりである。
ランク5・・・画像濃度1.4以上
ランク4・・・画像濃度1.3〜1.4
ランク3・・・画像濃度1.2〜1.3
ランク2・・・画像濃度1.1〜1.2
ランク1・・・画像濃度1.1未満
リコー製 PPC用紙(タイプ6200 A4)に白ベタ画像を出力し、画像濃度測定用と同じ場所5点について画像濃度を測定した。装置を通さない同じ種類の白紙についても、同じ場所5点の画像濃度を測定した。それぞれの平均値から地肌汚れの評価を行った。ここで、全く地肌汚れがない状態においては、画像の濃度は紙の濃度と同等な値を示し、該濃度が大きいほど地肌汚れは悪い結果となる。許容範囲はランク3以上である。
表3に示すランクの基準は次のとおりである。なお、このランクは、通紙しない白紙濃度からの増加量である。
ランク5・・・0.002以下
ランク4・・・0.002〜0.005
ランク3・・・0.005〜0.010
ランク2・・・0.010〜0.020
ランク1・・・0.020より大きい
1インチ×1インチの黒ベタ部が地肌部をはさんで4列×4行に並んだ画像を出力する途中で、装置を強制的に停止し、感光体上に転写前のベタ部があり、かつ転写ベルト上に転写後のベタ部がある状態とする。転写前後のベタ部について、付着トナー量を比較することにより転写率を算出する。なお、トナー付着量はテープにベタ部のトナーを転写させ、テープ転写後から転写前の重量を引いた値である。
転写率[%]=転写後のベタ部付着量[mg]÷転写前のベタ部付着量[mg]×100
転写性のランクの許容範囲はランク3以上である。
表3に示すランクの基準は次のとおりである。
ランク5・・・95[%]以上
ランク4・・・92.5〜95[%]
ランク3・・・90〜92.5[%]
ランク2・・・85〜90[%]
ランク1・・・85[%]未満
実施例2は、補給用現像剤収納容器Aの代わりに補給用現像剤収納容器Bを用いる以外は、実施例1と同じ方法で実験を行い、キャリア補給性の評価と多数枚出力評価を行った。
表2に示すように排出開始直後はキャリアの排出はないが、キャリアとトナーが帯電して付着した状態のため、キャリアが分散されやすく、実施例1よりも早くにキャリア充填率に近いキャリア濃度となった。またキャリア補給量のばらつきが小さくなった。このような充填済みトナーボトル120では、多数枚出力後でもほとんど画質が低下しなかった。
比較例1は、補給用現像剤収納容器Aの代わりに補給用現像剤収納容器Cを用いる以外は、実施例1と同じ方法で実験を行い、キャリア補給性の評価と多数枚出力評価を行った。
トナーボトル120は装着する前に振っているが、排出開始からキャリア濃度がキャリア充填率よりもかなり高めの状態が続いた。そのため途中からは、逆にキャリア濃度がかなり低い状態となった。このようにばらつきの大きいトナーボトル120では、多数枚出力後の画質の低下が大きかった。
実施例2では補給用現像剤収納容器Bを補給装置に装着する前に振ったが、ここでは振らずに装着した。これ以外は実施例2と同じ方法で実験を行い、キャリア補給性の評価と多数枚出力評価を行った。
表3に示すように評価結果は実施例2より劣るが、多数枚出力後の画質の低下を少なく抑えられた。実施例3によって、トナーボトル120を振らずに装着しても、補給用現像剤収納容器Bでは多数枚出力後の画質の低下を少なく抑えることを確認することができた。
比較例1では補給用現像剤収納容器Cを補給装置に装着する前に振ったが、ここでは振らずに装着した。これ以外は比較例1と同じ方法で実験を行い、キャリア補給性の評価と多数枚出力評価を行った。
比較例2では、補給開始直後はほとんどキャリアだけが排出する状態であり、その後すぐに補給装置が止まった。サブホッパーでキャリアが詰まり、プレミックストナーTpは現像装置まで供給されていなかった。そのため多数枚出力評価はできなかった。
実施例4は、補給用現像剤収納容器Bの代わりに補給用現像剤収納容器Dを用いる以外は、実施例3と同じ方法で実験を行い、キャリア補給性の評価と多数枚出力評価を行った。
実施例4は、実施例1よりキャリア充填率が高く、かつ、装着前にトナーボトル120を振っていないが、キャリアとトナーを混合した現像剤であるプレミックスキャリアの状態で、先にトナーボトル120に充填することにより、補給開始からしばらくキャリア補給量は少ないが、その後のばらつきは小さく、キャリア充填率に対して極端にキャリア濃度が高くなることはなかった。また、トナーボトル120に残ったキャリア量は実施例1より少なくなった。
実施例5は、補給用現像剤収納容器Bの代わりに補給用現像剤収納容器Eを用いる以外は、実施例3と同じ方法で実験を行い、キャリア補給性の評価と多数枚出力評価を行った。
実施例4よりキャリアへのトナー被覆率を高くしたことにより、キャリア補給量のばらつきが小さくなった。また、実施例1〜4よりもキャリア充填率が低いが、多数枚出力後の画質低下はほとんどなかった。
また、トナーボトル120にプレミックストナーTpを充填するとき、補給用キャリアCaを充填し、次いで補給用トナーToを充填すると、現像剤収納体であるトナー収納体121に収納されるプレミックストナーTpの全体に含まれるキャリアの割合に対して、トナー排出口122の近傍に存在するプレミックストナーTpに含まれるキャリアの割合が小さくなる。すなわち、トナー排出口122の近傍に存在するプレミックストナーTpはトナーのみか、全プレミックストナーTpの平均のキャリア濃度よりも低いキャリア濃度の現像剤となっている。トナーボトル120内のプレミックストナーTpは、トナーとキャリアとが均一に混合されていれば、粉体ポンプであるトナーポンプ60によって搬送可能となるように、トナーとキャリアとの割合を決定する。そのため、全プレミックストナーTpの平均のキャリア濃度よりも低いキャリア濃度の現像剤がトナーボトル120から排出された場合、トナーポンプ60によって問題なく現像装置4まで搬送することができる。また、トナーのみが排出された場合でもトナーポンプ60によって問題なく現像装置4まで搬送することができる。
また、トナーボトル120にプレミックストナーTpを充填するとき、補給用キャリアCaを充填し、次いで補給用トナーToを充填すると、トナーボトル120内のトナー排出口122に対して最も遠い領域である容器底部126近傍に存在するプレミックストナーTpに含まれるキャリアの割合に対してトナー排出口122の近傍に存在するプレミックストナーTpに含まれるキャリアの割合が小さくなる。このとき、容器底部126近傍に存在するプレミックストナーTpがキャリアのみであっても、トナー排出口122の近傍は、容器底部126近傍よりもキャリア濃度が低いため、トナー排出口122の近傍は、トナーのみまたは、トナーとキャリアとからなる現像剤である。このため、このトナーボトル120を用いたプレミックストナーTpの補給開始時にはトナーボトル120のトナー排出口122からトナーとキャリアとからなる現像剤またはトナーを排出することができる。
また、補給用キャリアをトナーボトル120に充填するときには、プレミックストナーTpよりもトナーを含有する割合が小さいトナーとキャリアとからなる現像剤であるプレミックスキャリアを充填し、このプレミックスキャリアとキャリアを含まないトナーとをそれぞれトナーボトル120に充填することにより、あらかじめキャリアをトナーの一部と混合することができる。これにより、プレミックスキャリア内のキャリアとトナーとが帯電し、トナーボトル120の補給開始前から、トナーが被覆しないキャリアが存在しにくくなる。したがって、トナーボトル120のトナー排出口122からキャリアだけが排出することがほとんどない。
また、プレミックスキャリアに含まれるキャリアに対するトナーの被覆率を25[%]以上とすることにより、トナーが被覆しないキャリアが存在しにくくなる。さらに、プレミックスキャリアに含まれるキャリアに対するトナーの被覆率を100[%]以下とすることにより、キャリアに付着できないトナーが多くなることに起因する混合機の中でキャリアが偏在することを防止することができる。
また、トナーボトル120にプレミックストナーTpを充填するとき、プレミックスキャリアを充填し、次いで補給用トナーToを充填することにより、プレミックストナーTpを充填した後のトナーボトル120の現像剤排出口であるトナー排出口122の近傍に存在するプレミックストナーTpがキャリアのみとならない状態でプレミックストナーTpをトナーボトル120に充填することができる。このため、トナー排出口122の近傍に存在するプレミックストナーTpはトナーとキャリアとからなる現像剤、またはトナーとなり、このトナーボトルを用いたプレミックストナーTpの補給開始時にはトナーボトル120のトナー排出口122からトナーとキャリアとからなる現像剤またはトナーを排出することができる。さらに、プレミックスキャリアの状態で充填することにより、トナーが被覆しないキャリアが存在しにくくなるため、トナーボトル120内のプレミックストナーTpの量が残り少なくなっても、トナーボトル120内にキャリアのみが存在することを防止することができる。このため、補給終了後のトナーボトル120内に残るキャリアの量を少なくすることができる。
また、プレミックスキャリアを充填し、次いで補給用トナーToを充填することにより、プレミックストナーTpを充填された充填済み現像剤収納容器である充填済みのトナーボトル120であれば、このトナーボトル120を用いた補給開始時に、トナー排出口122からキャリアのみが排出されることを防止することができる。
さらに、プレミックスキャリアを充填し、次いで補給用トナーToを充填することにより、トナーボトル120内のキャリアが先に全て排出されてしまい、トナーボトル120内にトナーのみが残ることを防止することができる。トナーボトル120のセット時にプレミックスキャリアがトナー排出口122に全てたまっていると、プレミックスキャリアが全て排出されてしまった後に残るのはトナーのみとなってしまうことになる。このような状態になると、上述した現像剤量の変化により順次現像装置4内から現像剤を排出させる現像装置4では、現像装置4内からキャリアが排出されていくものの、補給がなされない状態になり、現像装置4内において、キャリア不足等が発生してしまう。一方、プレミックスキャリアを充填し、次いで補給用トナーToを充填した場合には、セットした後、現像装置4への補給動作を行っている間に、トナーよりも比重の重いキャリアは分散しながらトナー排出口122へと下がっていく。このため、現像装置4内にキャリアの補充に関して断続的に行うことが可能となり、上述したような、いきなりキャリアを全て補給してしまうものに比して現像装置4内でキャリア不足が生じるという不具合を防止することができる。
また、トナーボトル120のトナー収納体121を略密閉に、且つ、変形可能に構成し、プレミックストナーTpを外部に排出することによりトナー収納体121の容積が減少することにより、使用後のトナーボトル120を小さく丸めて回収することができる。これにより、使用済みのトナーボトル120の一次保管スペースの省スペース化を図ることができ、さらに、回収時の運搬コストの低減を図ることができる。なお、このような変形可能なトナーボトル120であれば、トナー収納体121内に攪拌部材を設けることができない。そのため、プレミックストナーTpの充填方法によっては、補給開始時に、キャリアのみが排出されるおそれがある。しかし、本実施形態のように、プレミックスキャリアを充填し、次いで補給用トナーToを充填することにより、プレミックストナーTpを充填された充填済みのトナーボトル120であれば、このトナーボトル120を用いた補給開始時に、トナー排出口122からキャリアのみが排出されることを防止することができる。
また、トナーボトル120を現像剤補給装置であるトナー補給装置500に装着するときには、図5、図6及び図7に示すようにトナー排出口122が最下部となるように装着されることにより、トナーボトル120内のプレミックストナーTpは下方から排出される。これにより、プレミックストナーTpの排出に伴うトナーボトル120内のプレミックストナーTpの動きが生じやすくなる。そして、トナーよりも比重が重いキャリアがトナー排出口122の方向に移動しやすくなる。この結果、プレミックストナーTpの充填時に補給用キャリアCaを先に充填することで、容器底部126の近傍に偏在しているキャリアが徐々2分散し、キャリアがトナーと共に排出されて、トナーボトル120内にキャリアが残りにくくなる。
また、トナーボトル120内のトナーとキャリアが帯電して、静電的に付着していることが好ましい。このような状態で存在すれば、キャリア表面からトナーが遊離しにくく、帯電により周囲のトナーもキャリアに付着しやすくなり、キャリア同士が凝集することを防止する。これにより、トナー排出口122からキャリアのみが排出されることを抑制することができる。
また、現像剤補給装置であるトナー補給装置500の現像剤収納容器が、キャリアを充填し、次いで補給用トナーToを充填することにより、プレミックストナーTpを充填された充填済みのトナーボトル120であれば、このトナーボトル120を用いた補給開始時に、トナー排出口122からキャリアのみが排出されることを防止することができる。補給開始時にキャリアのみが排出されることを防止することができるので、粉体ポンプであるトナーポンプ60の負圧によってプレミックストナーTpを搬送する構成であっても、キャリアが詰まることによって搬送が不能となることを防止することができる。
また、画像形成装置としての複写機が、現像剤補給手段としてトナー補給装置500を用いることにより、プレミックストナーTpを現像装置4に安定して補給することができるので、安定した画像形成を行うことができる。
また、充填済み現像剤収納容器であるトナーボトル120を製造する製造方法について、キャリアを充填し、次いで補給用トナーToを充填することにより、プレミックストナーTpを充填された充填済みのトナーボトル120であれば、このトナーボトル120を用いた補給開始時に、トナー排出口122からキャリアのみが排出されることを防止することができる。
2 排出搬送路
4 現像装置
60 トナーポンプ
94 現像剤排出口
95 トナー補給口
100 プリンタ部
120 トナーボトル
121 トナー収納体
122 トナー排出口
130 口金部材
500 トナー補給装置
600 現像剤充填装置
610 トナー充填装置
612 トナー供給口
614 トナー充填ノズル
615 トナー貯留部
620 キャリア充填装置
621 キャリア供給口
622 キャリア貯留部
623 キャリア充填ノズル
630 脱気装置
631 脱気ノズル
Tp プレミックストナー
To 補給用トナー
Ca 補給用キャリア
Claims (14)
- トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納体と、
該補給用現像剤を該現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有し、
吸引力によって現像剤を搬送する現像剤補給装置に用いられる現像剤収納容器に該補給用現像剤を充填する現像剤充填方法において、
上記現像剤収納体に収納される補給用現像剤の全体中のキャリアの割合に対して、
上記現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤のキャリアの割合が小さくなるように補給用現像剤を上記現像剤収納容器に充填し、
補給用現像剤を充填した後の現像剤収納容器の現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤がキャリアのみとならない状態で補給用現像剤を該現像剤収納容器に充填することを特徴とする現像剤充填方法。 - トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納体と、
該補給用現像剤を該現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有し、
吸引力によって現像剤を搬送する現像剤補給装置に用いられる現像剤収納容器に該補給用現像剤を充填する現像剤充填方法において、
上記現像剤収納容器内の上記現像剤排出口に対して最も遠い領域に存在する補給用現像剤のキャリアの割合に対して、
上記現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤のキャリアの割合が小さくなるように補給用現像剤を該現像剤収納容器に充填し、
補給用現像剤を充填した後の現像剤収納容器の現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤がキャリアのみとならない状態で補給用現像剤を該現像剤収納容器に充填することを特徴とする現像剤充填方法。 - 請求項1または2の現像剤充填方法において、
上記現像剤排出口からキャリアを充填した後に、該現像剤排出口からトナーを充填することを特徴とする現像剤充填方法。 - 請求項1または2の現像剤充填方法において、
キャリアを上記現像剤収納容器に充填するときには、トナーとキャリアとからなる現像剤であるプレミックスキャリアを充填し、
トナーとプレミックスキャリアとをそれぞれ該現像剤収納容器に充填することにより、補給用現像剤を該現像剤収納容器に充填することを特徴とする現像剤充填方法。 - 請求項4の現像剤充填方法において、
プレミックスキャリアは、キャリアに対するトナーの被覆率が25[%]以上、100[%]以下であることを特徴とする現像剤充填方法。 - 請求項4または5の現像剤充填方法において、
上記現像剤排出口からプレミックスキャリアを充填した後に、現像剤排出口からトナーを充填することを特徴とする現像剤充填方法。 - 内部にトナーとキャリアとからなる補給用現像剤を充填した現像剤収納体と、
該補給用現像剤を該現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有し、
吸引力によって現像剤を搬送する現像剤補給装置に用いられる充填済み現像剤収納容器において、
該現像剤収納体に収納する補給用現像剤を、請求項1、2、3、4、5または6の現像剤充填方法で充填したことを特徴とする充填済み現像剤収納容器。 - 請求項7の充填済み現像剤収納容器において、
上記現像剤収納体は略密閉に、且つ、変形可能に構成され、補給用現像剤を外部に排出することにより該現像剤収納体の容積が減少することを特徴する充填済み現像剤収納容器。 - 請求項7または8の充填済み現像剤収納容器において、
現像剤補給装置に装着されるときには、上記現像剤排出口が最下部となるように装着される形状であることを特徴とする充填済み現像剤収納容器。 - 請求項7、8または9の充填済み現像剤収納容器において、
上記現像剤収納体内のトナーがキャリアに静電的に付着していることを特徴とする充填済み現像剤収納容器。 - トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納手段と、
補給用現像剤を搬送先に搬送する現像剤搬送手段とを有し、
該現像剤搬送手段は、その内部を補給用現像剤が通過する搬送路部材と、該現像剤収納手段の補給用現像剤に負圧を作用させ、該搬送路部材内を通して補給用現像剤の搬送先へ補給用現像剤を移動させる粉体ポンプとを備える現像剤補給装置において、
該現像剤収納手段として請求項7、8、9または10に記載の充填済み現像剤収納容器を用いることを特徴とする現像剤補給装置。 - 潜像担持体と、
現像剤収容部内の現像剤を用いて該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置と、
該現像剤収容部に現像剤を供給する現像剤補給手段とを備えた画像形成装置において、
該現像剤補給手段として、請求項11の現像剤補給装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納体と、補給用現像剤を該現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有する現像剤収納容器から補給用現像剤を現像装置に補給する現像剤補給方法において、
上記現像剤収納体に収納される補給用現像剤の全体中のキャリアの割合に対して、
上記現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤のキャリアの割合が小さくなるように補給用現像剤が上記現像剤収納容器に充填され、
補給用現像剤を充填された後の該現像剤収納容器の該現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤がキャリアのみとならない状態で補給用現像剤が充填された充填済み現像剤収納容器の、該現像剤排出口に対して粉体ポンプを用いて負圧を発生させることにより該充填済み現像剤収納容器内の補給用現像剤を該現像剤排出口から排出させ、該充填済み現像剤収納容器から該現像装置に補給用現像剤を搬送することを特徴とする現像剤補給方法。 - トナーとキャリアとからなる補給用現像剤を収納する現像剤収納体と、
補給用現像剤を現像剤収納体内から外部に排出する現像剤排出口とを有し、
吸引力によって現像剤を搬送する現像剤補給装置に用いられる現像剤収納容器に補給用現像剤を充填して充填済み現像剤収納容器とする充填済み現像剤収納容器の製造方法において、
上記現像剤収納体に収納される補給用現像剤の全体中のキャリアの割合に対して、
上記現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤のキャリアの割合が小さくなるように補給用現像剤を上記現像剤収納容器に充填し、
補給用現像剤を充填した後の現像剤収納容器の現像剤排出口の近傍に存在する補給用現像剤がキャリアのみとならないように補給用現像剤を現像剤収納容器に充填することを特徴とする充填済み現像剤収納容器の製造方法。
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